説明

携帯用端末装置

【目的】 操作性の良い携帯用端末装置を提供することを目的とする。
【構成】 商品情報を格納する手段(408)と、取引数量を格納する手段(407)と、商品情報と取引数量とを対応して格納する入力データ格納手段(411)と、前記両情報のうち、一方の情報が対応する商品情報格納手段、或いは取引数量格納手段に格納された後、他方の情報の入力を検出する検出手段(401)と、前記各格納手段に対して情報の読み出し、書き込みを行う読出/書込手段(410)とを備え、先に入力した一方の情報が格納された後、検出手段が他方の情報の到来を検出して読出/書込手段に通知し、読出/書込制御手段は、先に入力された情報を入力データ格納手段に格納するとともに、引き続き、他方の入力情報を入力データ格納手段に格納してなるように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学的読取部を備えた携帯用端末装置に関し、特に商品の数量入力作業が容易となる携帯用端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に携帯用端末として、ハンドヘルドターミナル(Hand Held Terminal,以下、HHTと称する)が知られている。HHTは、入力操作を行うための入力部、データを記憶するためのメモリ、入力したデータを演算処理するための演算処理部、入力データ/演算結果データ等を表示する表示部、これらの制御を行う制御部、他の装置との接続を行うためのコネクタ,インターフェイス等により構成され、データ処理装置、データ管理装置として機能し、収集したデータはその後上位装置へ転送されて集計処理等される。近年、このようなHHTには入力操作の簡単化のため、光学的スキャナを併設し、商品コード等をバーコード入力するようにしたものが提案されている。このようなHHTでは、まず入力対象となる商品の数量が入力される。次に、数量入力が確定したことを装置側へ通知するための情報(デリミタコード)が入力される。以上の数量入力処理が終了するとさらに商品コード等がバーコードスキャナより入力されるよう構成されている。(逆にバーコードデータの入力後、数量入力するものもある。)
尚,前述の数量入力,デリミタコード入力は、オペレータがキーボードから手入力することによりなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のスキャナを具えたHHTによる入力操作は、商品コード等の入力がバーコード走査により実現されるという点で、確かに入力作業の省力化に貢献するものである。しかしながら、商品の数量,デリミタをキーボード部から手入力しなければならない。即ち、キーボードから入力するので、一方の手でHHTを握り、他方の手で数量,デリミタ入力するというように、両手を使わねばならず、操作性に難があった。本発明は上記課題に鑑み、片手操作が可能で且つ操作性の良い携帯用端末装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、商品情報、及び前記商品の取引数量情報とを個別に入力して格納する携帯用端末装置であって、バーコード走査のための読取部が備えられたヘッド部と、前記ヘッド部の一側面に備えられた情報表示手段と、操作者が把持可能な握り部と、前記握り部の側面に備えられたデータ入力手段と、商品情報を格納する商品情報格納手段と、取引数量情報を格納する取引数量情報格納手段と、商品情報と取引数量情報とを対応して格納する入力データ格納手段と、前記取引数量情報が取引数量情報格納手段に格納された後、対応する商品情報の入力を検出する検出手段と、前記各格納手段に対して情報の読み出し、書き込みを行う読出/書込手段とを設け、先に入力した取引数量情報が格納された後、検出手段が商品情報の入力を検出して読出/書込手段に通知し、読出/書込手段は、先に入力された取引数量情報を入力データ格納手段に格納するとともに、引き続き、商品情報を入力データ格納手段に格納するよう構成される。さらに、この発明では、商品情報、前記商品の取引数量情報、及び取引数量情報の入力終了を示す終了情報とを個別に入力して、格納する携帯用端末装置であって、バーコード走査のための読取部が備えられたヘッド部と、前記ヘッド部の一側面に備えられた情報表示手段と、操作者が把持可能な握り部と、前記握り部の側面に備えられた、商品に付された商品情報を読取るデータ入力手段と、商品情報を格納する商品情報格納手段と、取引数量情報を格納する取引数量情報格納手段と、商品情報と取引数量情報とを対応して格納する入力データ格納手段と、商品情報の入力を検出する検出手段と、同検出手段の検出に応じて終了情報を発生する終了情報発生手段と、前記各格納手段に対して情報の読み出し、書き込みを行う読出/書込手段とを設け、取引数量情報が取引数量情報格納手段に格納された後、検出手段が商品情報の入力を検出すると、読出/書込手段は商品情報を商品情報格納手段に格納するとともに、取引数量情報格納手段に格納された取引数量情報を読み出して入力データ格納手段に格納し、終了情報発生手段の終了情報発生後、読出/書込手段が、前記商品情報格納手段に格納された商品情報を取引数量情報と対応させて入力データ格納手段に格納するよう構成される。
【0005】
【実施の形態】図1は本発明を実施するための数量値格納のための原理説明図で、 図2は携帯用端末装置の外観図、 図3は本発明の実施例における携帯用端末装置のハード構成図、 図4は機能ブロック図、 図5は 図4R>4に基づき説明される動作フローチャートである。以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明を実施するための数量値格納のための原理説明図である。数値入力キー101よりの一回の押下信号発生に対応する設定値を格納する設定値格納手段102と、取引数量値を格納する数量値格納手段103と、押下信号の発生ごとに前記設定値を取引数量値に加算する計数手段104とをもち、押下信号の発生に応じて、計数手段104は数量値格納手段103に格納された数量値に設定値を加算して数量値格納手段103に格納することにより、取引商品の数量を設定値ずつ計数して格納するよう構成するように構成されている。図2において、200は携帯用端末装置本体、201はファンクションキー群、202は数値入力キー群、203は本発明の一端を特徴付ける数量カウントキー、204はバーコード情報を光学的に読み取る読取部、205は入力データ,演算データ等を表示出力するディスプレイ部、206はデータ集計処理等の際、上位装置と接続するためのコネクタである。商品情報(商品コード,数量等)の入力の内、商品の数量入力ついては、オペレータが同装置を一方の手で握り、人差指等で数量カウントキー203を押下することにより行われる。一回の押下によりカウントアップする数はオペレータにより予め設定されている。一方、商品コード等他の情報についての入力は、読取部204で商品に印刷,貼り付け等されたバーコードを走査することにより行われる。このため、一方の手だけでバーコード入力と数量入力が可能となる。次に同装置の主な内部ハード構成について、 図3を参照しながら説明する。同図において、300は携帯用端末装置本体である。301は中央処理装置(以下、CPUと称する)であり、ROM302、或いはRAM303に格納された各種プログラムに従って、処理を実行するものである。302はROMであり、上述の各種プログラムを格納するものである。303はRAMであり、本発明を実施するための入力制御プログラムを格納するとともに、CPU301が上記各種処理を実行するにあたってのデータエリア,ワークエリアとなるものである。またRAM303には数量カウントキー306一回の押下に対応する値がオペレータにより設定格納されている。304はディスプレイであり、読取部305,数量入力部306,キーボード307からの入力データ或いは同データに演算処理が施されたもの等を表示するものである。305は読取部であり、バーコードを光走査してバーコード情報(商品コード等)を得るためのものである。306は数量カウントキーであり、CPU301は同キーの押下により、RAM303より一回の押下に対応する商品の数量を参照するとともに、ディスプレイ304へ読み出した数量を表示する。また複数回にわたり押下がなされた場合には、前回までの数量に加算して表示するものである。以上の押下により数量入力が完了すると、オペレータは読取部305によりバーコード走査する。すると走査により得られたバーコード入力情報と併せて、商品の数量がRAM303内に格納される。その詳細については後述する。307はキーボードであり、カウントキー306の一回の押下に対応する商品の数量を設定入力等するためのものである。また商品の数量について従来のごとくキーボード307より入力することもできる。308は電源部(バッテリ)であり、装置各部に電源供給するものである。309は充電器であり、装置本体300とは別個に構成され、必要に応じてコネクタ310により電源部308と電気的に接続されて充電を施すためのものである。310はコネクタであり、電源部308と充電器309との電気的接点である。また、コネクタ311は上位装置との接続を行うためのものである。さらに、312,313はインターフェイス(IF)であり、314はRAM303のバックアップ用バッテリである。以上の入力制御処理はRAM303内のプログラムにより実行されるが、特に数量入力とバーコード入力を一貫して行うためのプログラム及び一部のハードを機能ブロック図化したものが 図4である。また、 図5は 図4に基づき本発明の実施例における動作を説明するためのフローチャートである。以下、両図を参照しながら、数量カウントキーの押下により、商品の数量を計数した後、バーコードを読取部によりスキャンして商品コード等のバーコード入力情報を入力する処理について説明する。
ステップ1)データ入力の有無を入力データ判定部401が判定する。一方、このデータはキー入力データ格納部402に一時格納される。
ステップ2)さらに入力データ判定部401は入力データがカウントキー入力データなのか、バーコード入力データなのかを判定する。この場合、入力されたデータはカウントキーデータなので、ステップ4へ進む。
ステップ4)入力データにデリミタが付加されているか否かをデリミタ有無判定部403が判定する。カウントキー入力データには付加されていないのでステップ8へ進む。
ステップ8)この場合カウントキー入力であるので、ステップ9へ進む。一方、キーボードからの数値入力の場合にはステップ10へ進む。
ステップ9)それまでにカウントキー(キーボード上のテンキーでも良い)が押下されている場合には、押下回数に対応する商品の数値(累積値)が計数格納部407に格納されている。新たにカウントキー押下があると数量計数部404は累積値に、一回の押下に対応する数値を設定値格納部405より読み出して加算する。加算結果は計数値格納部407へ更新して格納される。
ステップ10)一方、この加算結果は表示部406へ表示される。以上のステップ1,2,4,8,9,10はカウントキーの押下回数だけ繰返し実行され、商品数量の累積値が計数格納部407に格納される。またキーボード上のテンキーにより数値入力を行う場合には、ステップ1,2,4,8,10が踏まれる。尚、カウントキー入力で計数できない端数が生じるような場合、即ち、カウントキー入力からキーボード入力に計数の途中で移行したいような場合には、キー入力データ格納部402に格納された入力値が計数値格納部407に格納されている累積値に加算されるよう構成されている。以上のようにして商品の数量入力が完了すると、商品コード等のバーコードデータが入力される。以下のステップを踏む。
ステップ1)バーコード入力を、入力データ判定部401が検出する。一方、バーコード入力データはバーコード入力データ格納部408へ一時格納される。
ステップ2)さらに入力データ判定部401はバーコード入力であると判定する。
ステップ3)デリミタ付加処理部409が起動され、デリミタコードが入力データの先頭に付加されて、デリミタ有無判定部403へ送出される。
ステップ4)デリミタが付加されていることが、格納データ読出/書込部410に通知される。
ステップ5)この通知により、格納データ読出/書込部410が起動されて計数値格納部407に格納されている数量データを入力データ格納部411へ転送する。
ステップ6)入力データ格納部411への数量データ(累積値)の格納をもって、数量入力待ち状態が解除される。
ステップ7)バーコード入力データ格納部408に格納されているバーコード入力データが格納データ読出/書込処理部410により入力データ格納部411へ転送される。以上のステップにより、数量データ,バーコード化データは入力データ格納部411へ格納される。
【0006】なお、上記実施例での説明の他に、本出願は以下の様な発明も開示するものである。
【0007】この発明は、商品情報、及び前記商品の取引数量情報とを個別に入力して格納する携帯用端末装置であって、商品情報を格納する手段(408)と、取引数量情報を格納する取引数量情報格納手段(407)と、商品情報と取引数量情報とを対応して格納する入力データ格納手段(411)と、前記両情報のうち、一方の情報が対応する商品情報格納手段、或いは取引数量情報格納手段に格納された後、他方の情報の入力を検出する検出手段(401)と、前記各格納手段に対して情報の読み出し、書き込みを行う読出/書込手段(410)とを設け、先に入力した一方の情報が格納された後、検出手段が他方の情報の到来を検出して読出/書込手段に通知し、読出/書込制御手段は、先に入力された情報を入力データ格納手段に格納するとともに、引き続き他方の入力情報を入力データ格納手段に格納することにより、取引商品の数量を設定値ずつ計数して格納するよう構成される。さらに、この発明では、商品情報、前記商品の取引数量情報、及び取引数量情報の入力終了を示す終了情報とを個別に入力して、格納する携帯用端末装置であって、商品情報を格納する商品情報格納手段と、取引数量情報を格納する取引数量情報格納手段と、商品情報と取引数量情報とを対応して格納する入力データ格納手段と、商品情報の入力を検出する検出手段と、同検出手段の検出に応じて終了情報を発生する終了情報発生手段と、前記各格納手段に対して情報の読み出し、書き込みを行う読出/書込手段とを設け、取引数量情報が取引数量情報格納手段に格納された後、検出手段が商品情報の到来を検出すると、読出/書込手段は商品情報を商品情報格納手段に格納するとともに、取引数量情報格納手段から読み出して入力データ格納手段に格納し、終了情報発生手段の終了情報発生後、読出/書込手段が、前記商品情報格納手段に格納された商品情報を取引数量情報と対応させて入力データ格納手段に格納するよう構成される。
【0008】
【発明の効果】このように本発明によれば、数量入力とバーコード入力(商品情報の入力手段の例)の間で必要となる数量入力の完了コード(デリミタコード)は、バーコード入力時にバーコード入力データ(コード)に付加するようにしたので、同コードを入力する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するための数量値格納のための原理説明図、
【図2】 携帯用端末装置の外観図、
【図3】 携帯用端末装置のハード構成図、
【図4】 機能ブロック図、
【図5】 図4に基づき説明される動作フローチャートである。
【符号の説明】
401……入力データ判定部
407……計数値格納部
408……バーコード入力データ格納部
410……格納データ読出/書込処理部
411……入力データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 商品情報、及び前記商品の取引数量情報とを個別に入力して格納する携帯用端末装置であって、バーコード走査のための読取部が備えられたヘッド部と、前記ヘッド部の一側面に備えられた情報表示手段と、操作者が把持可能な握り部と、前記握り部の側面に備えられたデータ入力手段と、商品情報を格納する商品情報格納手段と、取引数量情報を格納する取引数量情報格納手段と、商品情報と取引数量情報とを対応して格納する入力データ格納手段と、前記取引数量情報が取引数量情報格納手段に格納された後、対応する商品情報の入力を検出する検出手段と、前記各格納手段に対して情報の読み出し、書き込みを行う読出/書込手段とを設け、先に入力した取引数量情報が格納された後、検出手段が商品情報の入力を検出して読出/書込手段に通知し、読出/書込手段は、先に入力された取引数量情報を入力データ格納手段に格納するとともに、引き続き、商品情報を入力データ格納手段に格納してなるように構成したことを特徴とする携帯用端末装置。
【請求項2】 商品情報、前記商品の取引数量情報、及び取引数量情報の入力終了を示す終了情報とを個別に入力して、格納する携帯用端末装置であって、バーコード走査のための読取部が備えられたヘッド部と、前記ヘッド部の一側面に備えられた情報表示手段と、操作者が把持可能な握り部と、前記握り部の側面に備えられた、商品に付された商品情報を読取るデータ入力手段と、商品情報を格納する商品情報格納手段と、取引数量情報を格納する取引数量情報格納手段と、商品情報と取引数量情報とを対応して格納する入力データ格納手段と、商品情報の入力を検出する検出手段と、同検出手段の検出に応じて終了情報を発生する終了情報発生手段と、前記各格納手段に対して情報の読み出し、書き込みを行う読出/書込手段とを設け、取引数量情報が取引数量情報格納手段に格納された後、検出手段が商品情報の入力を検出すると、読出/書込手段は商品情報を商品情報格納手段に格納するとともに、取引数量情報格納手段に格納された取引数量情報を読み出して入力データ格納手段に格納し、終了情報発生手段の終了情報発生後、読出/書込手段が、前記商品情報格納手段に格納された商品情報を取引数量情報と対応させて入力データ格納手段に格納してなるようにしたことを特徴とする携帯用端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2002−288739(P2002−288739A)
【公開日】平成14年10月4日(2002.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−382451(P2001−382451)
【分割の表示】特願平10−355711の分割
【出願日】平成2年6月5日(1990.6.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】