携帯用送信装置
【課題】使用可能な電力容量に制限がある携帯機器でも無駄な電力消費を極力避ける。
【解決手段】無線信号による送信処理を行なう送信部(31〜33)と、現在時刻を計時する内部クロック24aと、送信禁止時間を記憶するRAM30と、上記内部クロック24aで計時された時刻が上記送信禁止時間であることを検出した場合に上記送信部(31〜33)での処理動作を停止させ、その停止中に上記内部クロック24aで計時された時刻が上記送信禁止時間でないことを検出した場合に上記送信部(31〜33)の処理動作の停止を解除させるCPU24とを備える。
【解決手段】無線信号による送信処理を行なう送信部(31〜33)と、現在時刻を計時する内部クロック24aと、送信禁止時間を記憶するRAM30と、上記内部クロック24aで計時された時刻が上記送信禁止時間であることを検出した場合に上記送信部(31〜33)での処理動作を停止させ、その停止中に上記内部クロック24aで計時された時刻が上記送信禁止時間でないことを検出した場合に上記送信部(31〜33)の処理動作の停止を解除させるCPU24とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯使用して無線信号によるデータの送信を行なう携帯用送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、テレターミナルシステム等に代表される無線による相互のデータ通信を目的とした実施に伴い、従来は受信専用だったページング受信機にデータ送信機能を付加し、双方向の通信を可能としたページング送受信機が企画、販売されている。そして、この種のページング送受信機において、例えば第1のページング送受信機を携帯している使用者から、第2のページング送受信機を携帯している使用者に対してメッセージをデータ送信した場合、第2のページング送受信機では第1のページング送受信機から送られてきたメッセージ中の応答要求信号に対応して使用者による操作を待つことなく自動的に応答(アックバック)信号を作成して第1のページング送受信機に送信し返す、所謂アックバック送信機能を有するものが考えられている。
【0003】
このアックバック送信機能を利用することにより、第1のページング送受信機の使用者は第2のページング送受信機の使用者に操作等の余計な負担をかけることなく、無事にメッセージが届いたか否かを確認できるだけでなく、予め回答選択肢を設けた質問をメッセージとして送信し、これに対する回答を応答信号にのせて受信できるようにもなるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ページング送受信機のような携帯機器は使用時に電磁波を放出するものであり、特定の環境下、例えば旅客機等の特殊の計器を備えた乗り物の中では該計器に悪影響を与える虞があるために、その使用が禁止されている。したがって、送信機能を携帯機器では、上記のような特定の環境下ではその使用を控えなければならない。
【0005】
また、送信出力が小さく、送信可能な範囲が制限されている携帯機器の使用者が、送信可能な範囲外に存在する場合には、送信動作を行なっても送信相手先とのコンタクトはとれない。したがって、送信動作を行なって始めて使用者は自分が該エリアの外に存在することを確認する。
【0006】
さらに、上記アックバック送信機能を備えたページング送受信機では、送信相手先が応答可能な環境下に存在すると確認できないので、そのような場合には応答信号が受信されるまで送信動作を継続して行ない、結果として無駄に電力を消費してしまうこととなる。
【0007】
このように、ページング受信機等に代表される受信機にデータ送信機能を付加しても、周囲環境や利用するシステムの状況に左右されることが多く、情報伝送手段として、携帯送信機能は、必ずしも使い勝手に適しているとは言えるものではなかった。
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用可能な電力容量に制限がある携帯機器でも無駄な電力消費を極力避け、利用者に対し、送信可能か否かを報知することが可能な携帯用送信装置及び携帯用通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、
(1) 無線信号による送信処理を行なう送信手段と、当該装置に対し電源の供給を指示する電源供給指示手段と、この電源供給指示手段による指示により、上記送信手段を含め当該装置に電源を供給する電源供給手段とを備えた携帯用通信装置において、上記電源供給手段による上記送信手段への電源供給を停止する供給停止手段と、この供給停止手段により上記送信手段へ電源供給が停止されることを記憶する記憶手段と、当該装置への電源供給停止を指示する停止指示手段と、上記停止指示手段による指示の後上記電源供給指示手段により電源供給が指示されたとき、上記記憶手段に上記送信手段へ電源供給の停止が記憶されていた場合、上記供給停止手段による電源供給の停止を継続するよう制御する制御手段とを備えるようにしたものである。
【0010】
このような構成とすれば、供給停手段により送信手段への電源供給を停止させた状態で携帯用送信装置へ電源供給の停止を指示した後、再度、当該装置へ電源供給を指示しても、上記送信手段への電源供給は停止が継続されているので、使用可能な電力容量に制限がある携帯機器でも無駄な電力消費を極力避けることが可能となる。
【0011】
(2) 上記(1)項において、上記供給停止手段により上記送信手段への電源供給が停止されていることを報知する報知手段を更に備えようにしたものである。
【0012】
このような構成とすれば、上記(1)項に加えて、上記送信手段へ電力供給が停止されていることを報知させることで、利用者に対し、送信可能か否かを報知することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用可能な電力容量に制限がある携帯機器でも無駄な電力消費を極力避けることが可能な携帯用送信装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施の態様)
以下本発明を携帯用通信端末機器に適用した場合の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1はこの携帯用通信端末機器を運用するための通信システムの概念構成を示すもので、1A,1Bがそれぞれ当該携帯用通信端末機器、2,2,…,2′,2′,…が受信基地局、3,3′が送信基地局、4,4′が中継器、5がオペレーションセンタ、6が通信衛星である。
【0016】
同図に示す如く携帯用通信端末機器1Aが存在している第1のエリアA1では、公衆電話回線7を介してリンクされた複数、例えば5つの受信基地局2,2,…と、通信衛星用受信アンテナ3aを備えて当該エリア内への送信を行なう送信基地局3と、上記公衆電話回線7を介して上記受信基地局2,2,…で受信されたデータを上記オペレーションセンタ5へ伝送するための中継器4とから通信システムが構成されている。
【0017】
同様に携帯用通信端末機器1Bが存在している第2のエリアA2では、公衆電話回線7′を介してリンクされた複数、例えば5つの受信基地局2′,2′…と、通信衛星用受信アンテナ3a′を備えて当該エリア内への送信を行なう送信基地局3′と、上記公衆電話回線7′を介して上記受信基地局2′,2′,…で受信されたデータを上記オペレーションセンタ5へ伝送するための中継器4′とから通信システムが構成されている。
【0018】
図2は上記携帯用通信端末機器1A,1B共通の外観構成を示すもので、本体ケース11の前面に、共に液晶表示パネルと透明タッチパネルとを一体的に形成した2つの表示入力部121,122、着信報知時に点灯するLED13、各種キー14b〜14fを有するキー入力部14が設けられる。
【0019】
ここでキー入力部14は、本体ケース11側面の電源のオン/オフを操作する電源キー14aも含み、他に上下左右各方向へのカーソル移動を指示するためのカーソルキー14b、後述するメッセージデータ用メモリエリアMMに格納された着信メッセージデータの読出しモードを選択する際に操作する着信読出しキー14c、作成した後にデータ変換されて後述する出力ボックスOBに格納されたメッセージデータを読出す際に操作する出力ボックス読出しキー14d、後述するCALLバンク用メモリエリアCBに格納された登録者一覧を表示する際に操作するCALLバンクキー14e、及び後述するスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されたスケジュールデータを読出す際に操作するスケジュールモードキー14fを有するものとする。
【0020】
上記表示入力部122は、図2(a)の数字キーのキーボード表示時と図2(b)のアルファベットキーのキーボード表示時とで示すように、表示するキーボードを選択することができ、本体ケース11に付属の入力ペン15でこれら表示入力部122に表示されたキーボード12中の任意キー部分を押圧操作することによりデータの入力が可能となっている。
【0021】
表示入力部122における表示キーボードの選択は、図中に「C」「A」「a」で示すキー部を入力ペン15で押圧操作することにより、数字や各種記号のキーのキーボードからアルファベットの大文字あるいは小文字のキーボードに切換表示され、アルファベットの入力も可能となると同時に、ローマ字入力と「カナ」キーの押圧操作とでカナ漢字変換を行なうことによりかな文字も入力可能となり、これらの統括操作によってデータの新規作成、登録、削除等を行なうことが可能になるものである。
【0022】
図3は上記携帯用通信端末機器1A,1Bに設けられる回路の概略構成を示すもので、21は受信アンテナであり、この受信アンテナ21はRF受信部22に接続し、このRF受信部22をデコーダ部23を介してCPU24に接続している。RF受信部22は、受信アンテナ21で受信した受信データを復調する。
【0023】
上記デコーダ部23は、ID−ROM25を接続しており、このID−ROM25は当該携帯用通信端末機器1A(1B)に個別に割当てられたIDコード、詳細にはフレームデータやアドレスデータ等を記憶したもので、このIDコードをデコーダ部23に与えるようにしている。
【0024】
デコーダ部23は、電源投入を検出した時点においては、所定時間内に同期信号が受信されるまでRF受信部22を連続的に常時駆動させ、同期信号を受信すると今度はID−ROM25より取込んだIDコードに基づいて間欠駆動させる。そして、RF受信部22で復調した信号を解読し、これが自機に割当てられたIDコードに一致したと判断すると、一致検出信号及び続いて受信されるメッセージデータをCPU24に送出するようにしている。
【0025】
CPU24は、現在の時刻を計時する内部クロック24aを有し、上述したキー入力部14、表示入力部121,122を駆動制御するドライバ26、上記LED13を含む報知部27を駆動制御するドライバ28、ROM29、RAM30、及びエンコーダ部31を接続している。
【0026】
またCPU24は、後述するRAM30内の移動手段用メモリエリアMBと連動してエンコーダ部31、RF送信部32に対し、電源供給を制御する。
【0027】
エンコーダ部31は、上記キー入力部14の出力ボックス読出しキー14dの操作によって後述するRAM30の出力ボックスOBから読出され、CPU24より送られてくるメッセージデータを符号化してRF送信部32へ出力し、RF送信部32はこの符号化されたメッセージデータをさらに所定の変調方式によって変調して送信アンテナ33より上記受信基地局2,2,…(2′,2′,…)に対して無線送信させる。
【0028】
しかして、上記受信アンテナ21及び送信アンテナ33は、ここでは別体のもものとして説明するが、送受信を行なう電波の変復調方式によっては、受信アンテナ21と送信アンテナ33とを共用化し、時分割で切換えるようにすることもできる。
【0029】
上記ドライバ26は、表示入力部121,122を構成する液晶表示パネルをそれぞれ表示駆動する一方、これら液晶パネルにそれぞれ一体にして構成される透明タッチパネルをサンプリング駆動するもので、上記入力ペン15の操作により該透明タッチパネルに入力がなされた場合にはその位置座標に応じた操作信号がCPU24に入力される。
【0030】
上記報知部27は、スピーカ、バイブレータ及び上記LED13よりなり、それぞれCPU24の制御により動作するドライバ28に駆動されて、着信に応じた呼出し状態をブザー音、振動、及び光の点滅でそれぞれこの携帯用通信端末機器1A(1B)の使用者に報知するものである。
【0031】
上記ROM29は、CPU24のために予め用意された各種制御プログラム、及び表示入力部121,122からの入力に基づいてキャラクタデータを発生させるキャラクタジェネレータと共に、後述する移動手段データ等を固定記憶している。
【0032】
上記RAM30は、図4に示すようなメモリエリアの構成となっており、世だ番号等、送信先の各種情報を記憶するCALLバンク用メモリエリアCB、作成したメッセージデータを送信時まで一時的に格納しておく出力ボックスOB、着信したメッセージデータを記憶するメッセージデータ用メモリエリアMM、自己のスケジュールデータを管理、記憶しておくスケジュールデータ用メモリエリアSD、及び移動手段データを記憶する移動手段用メモリエリアMDを有する。
【0033】
図5は携帯用通信端末機器1AのRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されるスケジュールデータを例示するもので、該メモリエリアSD内には月(MNTH)、日(DT)、スケジュールデータが登録されている登録番号(EN)、開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)、場所(PLS)を組としたスケジュールデータが複数組分記憶格納されている。
【0034】
図6は環境情報として同RAM30の移動手段用メモリエリアMDに格納される移動手段データを例示するものであり、上記スケジュールデータ用メモリエリアSDに格納記憶されスケジュールデータに対応しており、先のスケジュールの終了時刻(MST)から次のスケジュールの開始時刻(MED)までの間において利用される車、電車等の移動手段(MB)を組にした移動手段データが複数組分記憶格納されている。
【0035】
この移動手段用メモリエリアMDに記憶される移動手段(MB)に対応して、ROM29には予め図7に示すような送信判断データが固定記憶されている。この送信判断データは、上記移動手段(MB)となり得る飛行機、電車、車、徒歩等の各情報に対し、上記RF受信部22及びデコーダ部23からなる送信部での送信駆動を行なうか否かを示す情報(図では「○」「×」で示す)を対にして記憶させたものである。
【0036】
電源回路34は、電源キー14aの操作に従い、各回路に電源を供給する回路である。
【0037】
次に上記第1の実施の形態の動作について説明する。
【0038】
ここでは、現在の日付及び時刻が「95年5月1日(午前)9時」であり、スケジュールデータとして「95年5月1日」すなわち当日の「13時」から「15時」まで「定例会議」を「X−センター」で行なうことを登録する場合の処理動作について例示する。
【0039】
図8は上記携帯用通信端末機器1A,1Bにおける電源投入後の主としてCPU24により制御されるスケジュールデータの作成と登録に係る処理内容を示すものであり、キー入力部14の電源キー14aを操作することで電源がオンとされると、まず着信待ちの状態を設定すると共に(ステップA1)、スケジュールデータを入力するスケジュールモードを選択するべくスケジュールモードキー14fの押圧操作を待機する(ステップA2)という動作を繰返し実行する。
【0040】
そして、スケジュールモードキー14fが押圧操作され、スケジュールモードが選択されたと判断した場合、当日の日付に該当するスケジュールデータがすでにRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されているか否かを検索して判断し(ステップA3)、格納されていればその該当するスケジュールデータをスケジュールデータ用メモリエリアSDから読出してタイムテーブルを作成して表示部121で表示させ(ステップA4)、格納されていなければ上記タイムテーブルに代えて当月の七曜を表わしたカレンダを作成して表示部121で表示させ、当日部分の数字を点滅させる(ステップA5)。
【0041】
図9はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するもので、上記ステップA3で当日の日付に該当するスケジュールデータが格納されていると判断された後に、ステップA4で作成して表示入力部121に表示されたタイムテーブルを示している。
【0042】
同図中では、現在の日付及び時刻が「95年5月1日 9:00」であり、(1)〜(3)の3つのスケジュールデータの内容と場所が
(1) オフィスワーク 会社
(2) ディナー Y−ホテル
(3) 帰宅 自宅
であること、及び上記3つのスケジュールの時間帯の1日におけるタイムテーブルが表示部121の1画面内に表示されると共に、新規のスケジュールデータを入力するスケジュールモードであることを示す「新規」の文字が表示される。
【0043】
また、タイムテーブル上には、図示する如く上記(1)のスケジュールデータの前位置に移動が必要であることを示す部分TCがハッチングで、空き時間部分PTCが大きな「×」印でそれぞれ表示される。
【0044】
このような表示状態において、入力ペン15により上記表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作されたか否かによりスケジュールデータを新規作成するための確認がなされたか否か判断する(ステップA6)。
【0045】
ここで表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作され、スケジュールデータを新規作成する確認がなされたと判断すると、次いで実際のスケジュールデータの開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)及び場所(PLS)の各情報の入力及び入力したスケジュールデータの登録を行なう(ステップA7)。
【0046】
スケジュールデータの入力は、上述した如く表示入力部122に表示されるキーボードの任意のキーを入力ペン15で押圧操作することで数字、記号、アルファベットのみならず、アルファベット入力後の「カナ」キー操作によるローマ字かな変換で、ひらがな、カタカナへの変換、さらにかな表示されているキャラクタ列を入力ペンで変換する範囲をドラッグすることで漢字への変換も可能となるものである。
【0047】
そして、スケジュールデータの開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)及び場所(PLS)の各情報をすべて入力し終えた段階で、登録すべきスケジュールデータが確定され(ステップA7)、その時間に対応してタイムテーブル上に表示される。
【0048】
次いで、この確定内容により前後に位置するスケジュールデータから空き時間が存在するか否か判断し(ステップA8)、空き時間が存在する場合にはさらにそのスケジュールデータの場所情報が前後のスケジュールデータの場所情報と異なるか否かにより場所の移動があるか否かを判断する(ステップA9)。
【0049】
ここで場所の移動があると判断した場合には、移動手段の選択を使用者に促す表示を行ない、上記タイムテーブル上の対応する空き時間の部分MTを点滅表示させる(ステップA10)。
【0050】
図10はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、「95年5月1日」の(4)番目のスケジュールデータとして開始時刻「13:00」、終了時刻「15:00」、内容「定例会議」及び場所「X−センター」を入力し、(1)番目のスケジュールの終了時刻「11:00」からこの(4)番目のスケジュールの開始時刻「13:00」までの間の移動手段を選択指示して、次にこの(4)番目のスケジュールの終了時刻「15:00」から(2)番目のスケジュールの開始時刻「17:00」までの間の移動手段を選択指示するべく、
「移動手段? (飛行機/電車/車/徒歩)」
のように文字表示する一方、タイムテーブル上で当該時間の部分MTを点滅表示させている。
【0051】
このような表示状態で、例えば文字「電車」の部分を入力ペン15のタッチ動作で選択的に操作することにより、移動手段の選択指示を実行する。そして、移動手段の選択指示を実行すると、その選択内容により上記ROM29の送信判断データMBを参照した送信禁止か否かの判断とRAM30の移動手段用メモリエリアMDへの登録を行なう(ステップA11)。
【0052】
図11はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、(4)番目のスケジュールデータである「定例会議 X−センターA」内容及び場所を他の(1)〜(3)のスケジュールデータの後に続けて表示させると共に、この(4)のスケジュールデータの位置に「登録」の文字を表示させることで、移動手段を含む一連のスケジュールデータの登録の処理を終了したことを使用者にわかるようにしている。
【0053】
こうした移動手段を含む登録処理後、あるいは上記ステップA8で確定したスケジュールデータの前後に位置するスケジュールデータから空き時間が存在しないと判断した場合、または上記ステップA9で空き時間は存在するものの場所の移動がないと判断した場合には、再び上記ステップA4のタイムテーブルの作成、表示の処理に戻る。
【0054】
なお、上記ステップA6で入力ペン15により上記表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作されず、スケジュールデータを新規作成するための確認がなされなかった場合には、代わってモードを切換えるための操作入力が検出されたか否かを判断し(ステップA12)、検出された際にはその検出内容に応じた他のモードでの処理を実行し(ステップA13)、検出されなかった際には再び上記ステップA3の当日のスケジュールデータの有無に応じたタイムテーブルあるいはカレンダの表示処理に戻る。
【0055】
次に上記のようにして登録したスケジュールデータに基づいた送信に関する処理を図12乃至図15により説明する。
【0056】
図12乃至図15は上記携帯用通信端末機器1A,1Bにおける電源投入後の主としてCPU24により制御される一定時間、例えば5〜15分間隔で繰返し実行されるスケジュールデータの送信に係る処理内容を示すものであり、キー入力部14の電源キー14aを操作することで電源がオンされると、着信待ちの状態となる(ステップB1)。この着信待ちの状態から、上記一定時間間隔でRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDからその日のスケジュールデータを、同移動手段用メモリエリアMDから対応するその日のスケジュールデータの移動手段情報を検索し(ステップB2)、まず移動手段情報で送信禁止となるものがあるか否かをROM29の送信判断データMBを参照して判断する(ステップB3)。
【0057】
ここで、送信禁止となる移動手段情報があると判断した場合、CPU24は表示入力部121で送信禁止シンボルと禁止時間帯PTとを表示させた後(ステップB4)、CPU24内部の所定レジスタに記憶されている、前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻とこれに対応して送信禁止シンボルを点灯表示させたか否かを示すフラグとを参照して、このフラグが立っており、前回の電源オフ時に送信禁止シンボルを点灯表示させていたか否か判断する(ステップB5)。
【0058】
ここで、前回の電源オフ時にも送信禁止シンボルを点灯表示させていたと判断すると、次いで上記移動手段用メモリエリアMDに記憶されているその日のスケジュールデータの送信禁止となっている時間帯を参照して現在の時刻が送信を禁止されている時間帯に入るか否か判断する(ステップB6)。
【0059】
現在の時刻が送信を禁止されている時間帯に入っていると判断した場合、さらに上記CPU24の内部レジスタにより前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻もまた同禁止時間帯に入っているか否か判断する(ステップB7)。
【0060】
ここで、同禁止時間帯に入っていないと判断した場合、この図12の処理は上記電源オン後の1巡目の処理であり、且つ現在が送信を禁止されている時間帯内であることとなるので、早速CPU24がエンコーダ部31及びRF送信部32からなる送信部への電源供給を断って送信動作を停止させる(ステップB11)。
【0061】
その後、報知部27でのスピーカ、バイブレータ及び上記LED13のうちいずれか設定されたものの駆動により、送信禁止時間内である旨を示すアラーム報知を行なうと同時に、表示入力部121で送信禁止シンボルを点滅表示させ、また対応する禁止時間帯を反転表示させる(ステップB12)。
【0062】
図16はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、現在の日付、曜日及び時刻が「95年5月1日(月) 16:00」であることと共に、現在送信部の動作を禁止していることを示す送信禁止シンボルTSを点滅表示させ、また、その日に送信が禁止されている禁止時間帯PTをウィンドウ表示させている。そしてこの禁止時間帯PTでは、現在の時刻が対応する時間帯である「15:00〜17:00」内であること、言い換えれば「17:00」となるまでは送信禁止状態が解除されないことをこの対応する時間帯を反転表示することで表わしている。
【0063】
このステップB12の処理実行後、アラーム報知のために予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB12の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB13)、上記報知部27でのアラーム報知を停止させた後(ステップB14)、再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0064】
また上記ステップB7で、現在の時刻が送信を禁止されている時間帯に入っており、且つ前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻もまた同禁止時間帯に入っていると判断した場合には、この図12の処理が同禁止時間帯に入ってから2巡目以降のものであることとなるので、エンコーダ部31及びRF送信部32からなる送信部への電源供給を断っている送信動作の停止状態を継続させたままで(ステップB8)、表示入力部121で対応する現在の時刻を含む禁止時間帯を反転表示させる(ステップB9)。
【0065】
このステップB9の処理実行後、予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB9の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB10)、再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0066】
さらに上記ステップB6で、現在の時刻が送信を禁止されている時間帯に入っていないと判断した場合には、次に前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻が禁止時間帯に入っていたか否か判断する(ステップB15)。
【0067】
ここで同禁止時間帯に入っていたと判断した場合には、現在の時刻が同禁止時間帯から外れたものとして、上記エンコーダ部31及びRF送信部32からなる送信部への電源供給を断っている送信動作の停止状態を解除し、あらためて送信動作を開始させた後(ステップB18)、報知部27でのスピーカ、バイブレータ及び上記LED13のうちいずれか設定されたものの駆動により、送信禁止の時間帯を外れた旨を示すアラーム報知を行なうと同時に、表示入力部121での禁止時間帯の反転表示を解除する(ステップB19)。
【0068】
その後、アラーム報知のために予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB19の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB20)、上記報知部27でのアラーム報知を停止させ(ステップB21)、それから再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0069】
また上記ステップB15で、前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻も禁止時間帯に入っていないと判断した場合には、単にその日の送信が禁止されている時間帯のみを禁止時間帯PTとして表示入力部121にウィンドウ表示させ(ステップB16)、その後に予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB16の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB17)、再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0070】
さらに上記ステップB5で、CPU24内部の所定レジスタに記憶されている、前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻とこれに対応して送信禁止シンボルを点灯表示させたか否かを示すフラグとを参照して、このフラグが立っておらず、前回の電源オフ時に送信禁止シンボルを点灯表示させていなかったと判断した場合には、次いで報知部27でのスピーカ、バイブレータ及び上記LED13のうちいずれか設定されたものの駆動により、送信禁止の時間帯がある旨を示すアラーム報知を行なうと同時に、その時間帯の情報を表示入力部121で禁止時間帯PTによりウィンドウ表示させる(ステップB22)。
【0071】
図17はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、現在の日付、曜日及び時刻が「95年5月1日(月) 11:00」であることと共に、その日のスケジュールデータ内に送信部の動作を禁止するものがあることを示すべく送信禁止シンボルTSを点灯表示させ、また、その日に送信が禁止されている禁止時間帯PTをウィンドウ表示させている。
【0072】
その後、アラーム報知のために予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB22の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB23)、上記報知部27でのアラーム報知を停止させ(ステップB24)、それから再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0073】
さらに上記ステップB2で、検索したスケジュールデータの移動手段情報で送信禁止となるものがないと判断した場合には、次いでCPU24内部の所定レジスタに記憶されている、前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付と現在の日付との一致比較を行なうことにより、日付の更新があったか否かを判断する(ステップB25)。
【0074】
日付の更新があったと判断した場合は、さらに前日のスケジュールデータをスケジュールデータ用メモリエリアSD及び移動手段用メモリエリアMDから読出して送信禁止となっていたものがあったか否か判断し(ステップB26)、あれば報知部27でのスピーカ、バイブレータ及び上記LED13のうちいずれか設定されたものの駆動により、日付が変わった旨を示すアラーム報知を行なうと同時に、表示入力部121における送信禁止シンボルTSを消去させる(ステップB27)。
【0075】
図18はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、現在の日付、曜日及び時刻が「95年5月1日(月) 11:00」であることのみを表示し、送信禁止シンボルTS、禁止時間帯PTの表示は行なわない。
【0076】
その後、アラーム報知のために予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB27の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB28)、上記報知部27でのアラーム報知を停止させ(ステップB29)、それから再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0077】
また、上記ステップB25で日付の更新がなかったと判断した場合、あるいは上記ステップB26で日付の更新はあったものの前日となった日付での送信を禁止しているスケジュールデータは記憶していないと判断した場合には、そのまま表示入力部121で送信禁止シンボルTSや禁止時間帯PT等を一切表示しない上記図18と同様の通常の画面表示を行ない(ステップB30)、これを予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで継続した後、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB31)、再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0078】
以上のように第1の実施の形態では、自己のスケジュールデータとして設定した移動手段情報により送信を禁止するか否かを判断するようにしたものを例示した。このような構成及び動作を有することにより、移動途中において送信動作が行なえないのにも拘らず送信を行なってしまうことを未然に防止することができるものである。
【0079】
(第2の実施の形態)
以下本発明を携帯用通信端末機器に適用した場合の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0080】
なお、本実施の形態に係る携帯用通信端末機器自体の外観構成及び回路構成については、上記図2及び図3で示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0081】
しかして、図1はこの携帯用通信端末機器を運用するための通信システムの概念構成を示すもので、A〜Dはそれぞれ送信基地局43A〜43Dを中心とした第1乃至第4のエリア、42A,42A,…,42B,42B,…,42C,42C,…,42D,42D,…は上記各エリアA〜Dに複数設置された受信基地局であり、Z1は第1のエリアA及び第2のエリアBをカバーして受信基地局42A,42A,…,42B,42B,…が受信可能な第1のゾーン、Z2は第3のエリアC及び第4のエリアDをカバーして受信基地局42C,42C,…,42D,42D,…が受信可能な第2のゾーンである。
【0082】
受信基地局42A,42A,…,42B,42B,…,42C,42C,…,42D,42D,…はそれぞれ各エリアA〜D内で公衆電話回線47A〜47Dを介してリンクされており、それぞれの公衆電話回線47A〜47Dは、図示しないが中継器を介してオペレーションセンタと接続されている。また、このオペレーションセンタから同じく図示しない通信衛星を経て上記各エリアA〜Dの送信基地局43A〜43Dにデータが送信され、送信基地局43A〜43Dはこのデータをエリア内に存在する携帯用通信端末機器1A,1Bに送信するようになっている。
【0083】
しかして、上記各ゾーンZ1,Z2内に携帯用通信端末機器1A,1Bが存在すれば、送信基地局43A〜43Dの送信可能な範囲が個々の受信基地局42A〜42Dの受信可能な範囲に比して充分大きいため、携帯用通信端末機器1A,1Bによるデータの送受信が可能となるが、その反面、いずれか一方でもゾーン間を移動している間はデータの送受信は不可能となる。
【0084】
図20は携帯用通信端末機器1A,1Bに設けられるRAM30のメモリエリアの構成を示すもので、送信先の各種情報を記憶するCALLバンク用メモリエリアCB、作成したメッセージデータを送信時まで一時的に格納しておく出力ボックスOB、着信したメッセージデータを記憶するメッセージデータ用メモリエリアMM、自己のスケジュールデータを管理、記憶しておくスケジュールデータ用メモリエリアSD、及び各ゾーンにあるエリアとそのエリア内にある場所情報を記憶する場所情報用メモリエリアZDを有する。
【0085】
携帯用通信端末機器1AのRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されるスケジュールデータについては、上記図5で例示したものと同様であるものとする。
【0086】
また、図21は携帯用通信端末機器1AのRAM30の場所情報用メモリエリアZDに環境情報として格納される場所情報を例示するもので、該メモリエリアZD内にはゾーン、エリア及び場所情報を組とした場所データが複数組分記憶格納されている。
【0087】
次に上記第2の実施の形態の動作について説明する。
【0088】
ここでは、現在の日付時刻が「95年5月1日(午前)9時」であり、スケジュールデータとして「95年5月1日」すなわち当日の「13時」から「15時」まで「定例会議」を「X−センター」で行なうことを新規登録する場合の処理動作について例示する。
【0089】
図22は上記携帯用通信端末機器1A,1Bにおける電源投入後の主としてCPU24により制御されるスケジュールデータの作成と登録に係る処理内容を示すものであり、キー入力部14の電源キー14aを操作することで電源がオンとされると、まず着信待ちの状態を設定すると共に(ステップC1)、スケジュールデータを入力するスケジュールモードを選択するべくスケジュールモードキー14fの押圧操作を待機する(ステップC2)という動作を繰返し実行する。
【0090】
そして、スケジュールモードキー14fが押圧操作され、スケジュールモードが選択されたと判断した場合、当日の日付に該当するスケジュールデータがすでにRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されているか否かを検索して判断し(ステップC3)、格納されていればその該当するスケジュールデータをスケジュールデータ用メモリエリアSDから読出してタイムテーブルを作成して表示部121で表示させる(ステップC4)。
【0091】
このときの表示入力部121での表示画面が上記図9で示したものと同様であるものとする。この場合、現在の日付及び時刻が「95年5月1日 9:00」であり、(1)〜(3)の3つのスケジュールデータの内容と場所が
(1) オフィスワーク 会社
(2) ディナー Y−ホテル
(3) 帰宅 自宅
であること、及び上記3つのスケジュールの時間帯の1日におけるタイムテーブルが表示部121の1画面内に表示されると共に、新規のスケジュールデータを入力するスケジュールモードであることを示す「新規」の文字が表示される。
【0092】
また、タイムテーブル上には、各スケジュールデータの間のゾーンの変更がないことを示す部分がハッチングで、ゾーンの変更があることを示す部分が大きな「×」印でそれぞれ表示される。
【0093】
なお、上記ステップC3で当日の日付に該当するスケジュールデータはスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されていないと判断した場合には、上記タイムテーブルに代えて当月の七曜を表わしたカレンダを作成して表示部121で表示させ、特に当日部分の数字を点滅させると共に、新規のスケジュールデータを入力するスケジュールモードであることを示す「新規」の文字を表示させる(ステップC5)。
【0094】
上記ステップC4あるいはC5による表示状態において、入力ペン15により上記表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作されたか否かによりスケジュールデータを新規作成するための確認がなされたか否か判断する(ステップC6)。
【0095】
ここで表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作され、スケジュールデータを新規作成する確認がなされたと判断すると、次いで実際のスケジュールデータの開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)及び場所(PLS)の各情報の入力及び入力したスケジュールデータの登録を行なう(ステップC7)。
【0096】
スケジュールデータの入力は、表示入力部122に表示されるキーボードの任意のキーを入力ペン15で押圧操作することで数字、記号、アルファベットのみならず、アルファベット入力後の「カナ」キー操作によるかな漢字変換で、かな混りの漢字をも入力可能となるものである。
【0097】
そして、スケジュールデータの開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)及び場所(PLS)の各情報をすべて入力し終えた段階で、登録すべきスケジュールデータが確定され(ステップC7)、その時間に対応してタイムテーブル上に表示される。
【0098】
次いで、この確定内容により前後に位置するスケジュールデータを読出し、これらスケジュールデータと上記図20で示した場所情報用メモリエリアZDとを参照して、各スケジュールデータ間の場所の移動でゾーンの変更があるか否かにより送信禁止の判断を行なうと共に、スケジュールデータのスケジュールデータ用メモリエリアSDへの登録を行なう(ステップC8)。
【0099】
図23はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、「95年5月1日」の(4)番目のスケジュールデータとして開始時刻「13:00」、終了時刻「15:00」、内容「定例会議」及び場所「X−センター」を入力したものとする。
【0100】
この場合、場所情報用メモリエリアZDによればこの(4)番目のスケジュールの前に位置する(1)番目のスケジュールデータの場所情報「会社」と(4)番目のデータの場所情報「X−センター」は共に第1のゾーンZ1であるので、ゾーンの変更はなく、2つのスケジュールの間も送信可能な移動区間TC1としてタイムテーブル上でハッチングにより表示するが、この(4)番目のスケジュールの後に位置する(2)番目のスケジュールデータの場所情報「Y−ホテル」は第2のゾーンZ2であり、この(4)番目のデータの場所情報「X−センター」とはゾーンが異なるため、ゾーンの変更があり、2つのスケジュールの間は送信を禁止する移動区間PTC1としてタイムテーブル上で大きな「×」印により表示するものである。
【0101】
こうしたスケジュールデータ間のゾーンの変更の有無に応じた送信禁止の設定を含む登録処理後、再び上記ステップC4のタイムテーブルの作成、表示の処理に戻る。
【0102】
なお、上記ステップC6で入力ペン15により上記表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作されず、スケジュールデータを新規作成するための確認がなされなかった場合には、代わってモードを切換えるための操作入力が検出されたか否かを判断し(ステップC9)、検出された際にはその検出内容に応じた他のモードでの処理を実行し(ステップC10)、検出されなかった際には再び上記ステップC3の当日のスケジュールデータの有無に応じたタイムテーブルあるいはカレンダの表示処理に戻る
【0103】
上記図21に示した場所情報用メモリエリアZDは図20でも示した如くRAM30内に領域設定されるものであり、その記憶内容の変更、更新は携帯用通信端末機器1Aの使用者により自由に設定できるものとする。
【0104】
以上のように第2の実施の形態では、自己のスケジュールデータとして設定した場所情報とその前後に位置するスケジュールデータの場所情報の属するゾーンの変更の有無を検出することで送信を禁止するか否かを判断するようにしたものを例示した。
【0105】
このような構成及び動作を有することにより、移動途中でゾーンの変更により実際には送信したデータを受信する受信基地局がなくなり、通信不能となるにもかかわらず、無駄に送信動作を行なって、電源である電池を無駄に消耗してしまうことを未然に防止することができるものである。
【0106】
(第3の実施の形態)
以下本発明を自動応答機能を有する携帯用通信端末機器に適用した場合の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0107】
なお、本実施の形態に係る携帯用通信端末機器自体の外観構成と回路構成及び通信システムの概念構成については、上記図2、図3及び図19で示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0108】
図24は携帯用通信端末機器1Aに設けられるRAM30のメモリエリアの構成を示すもので、送信先の各種情報を記憶するCALLバンク用メモリエリアCB、作成したメッセージデータをメッセージ番号と共に送信時まで一時的に格納しておく出力ボックスOB、着信したメッセージデータを記憶するメッセージデータ用メモリエリアMM、同様の携帯用通信端末機器を携帯している仲間のスケジュールデータを管理、記憶しておくスケジュールデータ用メモリエリアSD1、各ゾーンにあるエリアとそのエリア内にある場所情報を記憶する場所情報用メモリエリアZDを有する。
【0109】
このRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSD1は、後述するこの携帯用通信端末機器1Aと同様の携帯用通信端末機器1B〜1Dを携帯している3人の仲間のスケジュールデータSDB〜SDDを管理、記憶するもので、記憶されている個々のスケジュールデータの構成自体は上記図5で例示したものと同様であるものとし、特に携帯用通信端末機器1Dを携帯している仲間のスケジュールデータSDDはその内容も上記図5で例示したものと同様であるものとする。
【0110】
また、図25は同RAM30のCALLバンク用メモリエリアCBに記憶される上記携帯用通信端末機器1B〜1Dを携帯している3人の仲間を含む送信先データを例示するもので、このCALLバンク用メモリエリアCB内には端末エリア記号(BN)、名前(NM)、及び送信先の呼出番号(CN)を組とした送信先データが複数組分記憶されているものとする。
【0111】
さらに、上記RAM30の場所情報用メモリエリアZDには、上記図21と同様のゾーン、エリア及び場所情報を組とした場所データが複数組分記憶格納されているものとする。
【0112】
次に上記第3の実施の形態の動作について説明する。
【0113】
ここでは、現在の日付及び時刻が「95年5月1日 16時」であり、携帯用通信端末機器1Aから他の携帯用通信端末機器1B〜1Dへ応答を要求するメッセージデータを送信し、この送信に対応してこれら携帯用通信端末機器1B〜1Dから送信されてきた応答のメッセージを携帯用通信端末機器1Aが受信しようとする場合の動作を例にとって説明するものとする。
【0114】
図26はこのとき各携帯用通信端末機器1A〜1Dが存在しているゾーン及びエリアの位置を例示するもので、始めに応答を要求するメッセージデータを送信する携帯用通信端末機器1Aは第1のゾーンZ1内の第1のエリアA近傍に位置している。また、上記図5のスケジュールデータ内容及び上記図21の場所情報でも示すように特に携帯用通信端末機器1Dは第1のゾーンZ1と第2のゾーンZ2との間に位置し、携帯用通信端末機器1Aからメッセージデータを送信してもこれを受信できない環境下に位置するものとする。
【0115】
図27及び図28は上記携帯用通信端末機器1Aにおける電源投入後の主としてCPU24により制御されるメッセージデータの送信モードでの処理内容を示すものであり、キー入力部14の電源キー14aを操作することで電源がオンとされると、まず着信待ちの状態を設定すると共に(ステップD1)、メッセージデータを送信するメッセージ送信モードを選択するべく所定のキーの押圧操作を待機する(ステップD2)という動作を繰返し実行する。
【0116】
そして、所定のキーが押圧操作され、メッセージ送信モードが選択されたと判断した場合、まず自動応答機能を用いて送信先に応答を要求するメッセージデータを送信するか否か判断する(ステップD3)。
【0117】
これは、例えば表示入力部121に「通常通信」と「自動応答」の2つの項目を文字表示させた上で、そのいずれの文字部分が入力ペン15によって選択操作されるかにより判断するもので、ここでは「自動応答」の項目の文字部分が入力ペン15によって選択操作されたものとすると、次いで応答を要求するための送信すべきメッセージデータの入力と登録とを行なう(ステップD4)。
【0118】
メッセージデータの入力は、表示入力部122に表示されるキーボードの任意のキーを入力ペン15で押圧操作することで数字、記号、アルファベットのみならず、アルファベット入力後の「カナ」キー操作によるかな漢字変換で、かな混りの漢字をも入力可能となるものである。
【0119】
そして、メッセージデータの入力を終えたことを表わす表示入力部122の表示キーボード上の所定のキーを押圧操作すると、入力したメッセージデータに登録番号が付された上で上記RAM30の出力ボックスOBに登録、格納される。
【0120】
図29はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここではメッセージデータの送信モードが設定されていることを示す「送信モード」、現在の時刻「16:00」と共に、「通常送信」及び「自動応答」の各項目名が表示され、「自動応答」の側が選択されていることを項目名にかかるカーソルで表示している。
【0121】
これと共に、メッセージデータの内容として
「20時までに定時連絡せよ。R.R」
なる内容が入力され、このメッセージデータが登録番号「12」と共にRAM30の出力ボックスOBに登録、格納されていることを表示している。
【0122】
このステップD4の処理を終えると、次に送信先の選択を行なう(ステップD5)。送信先の選択は、CALLバンク用メモリエリアCBから読出されて表示される送信先の名前(NM)及び送信先の呼出番号(CN)を順次カーソルキー14bの上下方向への操作でカーソルの移動と共によりスクロールさせ、所望の送信先名が表示された時点でその送信先の位置を入力ペン15で押圧操作するもので、任意人数を選択することが可能であるものとする。
【0123】
送信先が選択されると、次いでその選択された各送信先のスケジュールデータをスケジュールデータ用メモリエリアSD1から読出し、その場所情報により上記場所情報用メモリエリアZDを参照して送信を禁止された場所、すなわちゾーンとゾーンとの間を移動中であるか否かを判断する(ステップD6)。
【0124】
ここで、スケジュールデータから送信が禁止されている場所に存在するであろう送信先に該当する者がないと判断した場合にはなんら問題ないが、あると判断した場合には次いでその該当する者を画面上で反転表示し、送信の禁止が解除される時刻となるまで送信動作を保留した後に送信するか否かの選択を促す文字を表示させた後、その表示に対応して送信先として確定する操作がなされたか否か判断する(ステップD8)。
【0125】
図30はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、送信先として、呼出番号が「1−111−1111」の「T.T」さん、呼出番号が「2−222−2222」の「N.N」さん、及び呼出番号が「3−333−3333」の「M.M」さんの計3名を送信先として選択し、そのうち3番目の「M.M」さんがそのスケジュールデータにより第1のゾーンZ1と第2のゾーンZ2の間を移動中であるので現在応答が不可能であることを表示している。
【0126】
そして、この表示と共に、この現在応答が不可能な送信先、ここでは「M.M」さんのみ、に対して送信の禁止が解除される時刻となるまで送信動作を保留した後に送信を行なうか否かの選択を促す文字及びその選択項を
「 (3)の端末は、現在応答が不可能です!送信しますか? YES NO」
のように表示し、選択項の一方である「YES」を反転表示するものである。
【0127】
この表示状態で「YES」の文字部分を入力ペン15により押圧操作すると送信を確定する操作がなされたこととなり、反対に「NO」の文字部分を押圧操作すると現在応答が不可能な送信先に対する選択が解除され、上記ステップD5からの処理に戻ることとなる。
【0128】
しかして、ステップD8で送信先を確定する操作がなされたと判断した後、あるいは上記ステップD6で送信が禁止されている送信先がないと判断した後に、所定のキー操作により送信を実行する指示入力がなされたか否か判断する(ステップD11)。
【0129】
そして、送信を実行する指示入力がなされたと判断すると、RAM30の出力ボックスOBに格納されているメッセージデータに上記送信が禁止されていない送信者の呼出番号を付して順次送信出力を実行する(ステップD12)。
【0130】
その後、この送信出力の処理により送信しなかった保留者があるか否か、すなわち上記ステップD8で送信の禁止が解除される時刻となるまで送信動作を保留した後に送信を行なう者として確定された送信先があるか否かを判断する(ステップD14)。
【0131】
ないと判断した場合は問題ないので、再び上記ステップD1からの処理に戻るが、あると判断した場合には該当する送信先の送信を禁止する時間帯が終了して送信処理が解除される時刻となるまで呼出番号とメッセージデータとを保留しておき(ステップD14,D17)、送信処理が解除される時刻となったと判断した時点で(ステップD14)、あらためて保留しておいた呼出番号とメッセージデータとにより再度の送信出力を実行し(ステップD15)、それから上記ステップD1からの処理に戻る。
【0132】
図31はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、上記図30において「16:00」の時点で送信が禁止されていた「M.M」さんの携帯用通信端末機器1Dに対して、保留していたメッセージデータを送信出力した旨を、送信したその時点での日付及び時刻と共に
「95年5月1日(月) 17:00
!メッセージナンバー12を端末(3) に送信しました。」のように表示するものである。
【0133】
なお、上記ステップD3で、自動応答機能を用いて送信先に応答を要求するメッセージデータを送信する「自動応答」ではなく、「通常通信」が入力ペン15の押圧操作により選択されたと判断した場合には、次いで応答を要求しない、通常のメッセージデータの入力と入力したメッセージデータの出力ボックスOBへの登録とを行ない(ステップD9)、その後に上記ステップD5と同様の操作で送信先の選択を行なった後(ステップD10)、上記ステップD11に進んで所定のキー操作により送信を実行する指示入力がなされたか否か判断する。
【0134】
また、このステップD11で送信を実行する指示入力がなされなかったと判断した場合には、送信すべきデータをそのままRAM30の出力ボックスOBに記憶したまま(ステップD16)、上記ステップD1からの処理に戻る。
【0135】
なお、上記第3の実施の形態では、送信先のスケジュールデータを送信側が記憶、格納することで、送信するメッセージデータの保留を送信側の端末機器で行なうものとして説明したが、複数のゾーンを管理するオペレーションセンタがスケジュールデータの管理、メッセージデータの保留等をも統括して管理するようにしてもよい。
【0136】
以上のように第3の実施の形態では、送信先のスケジュールデータとして設定した場所情報とその前後に位置するスケジュールデータの場所情報の属するゾーンの変更の有無を検出することで、自機側からの送信を禁止するか否かを判断するようにしたものを例示した。
【0137】
このような構成及び動作を有することにより、特に応答を要求するメッセージデータを送信する場合などに、送信先側での受信が不可能であると判断される場合での送信動作を抑制することにより、無駄な送信動作による電源である電池の消耗を未然に防ぐだけでなく、送信先の状態を認識して、送信可能となった時点で確実に該メッセージデータを送信することが可能となるものである。
【0138】
なお、上述した第1乃至第3の実施の形態のいずれにあっても、本発明を携帯用通信端末機器に適用した場合を例示したが、これに限ることなく、デジタル携帯電話、トランシーバ、その他、無線信号の送受によって通信を行なう各種電子機器に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構成概念を示す図。
【図2】同実施の形態に係る携帯用通信端末機器の外観構成を示す図。
【図3】同実施の形態に係る携帯用通信端末機器の内部回路構成を示すブロック図。
【図4】図3のRAMのメモリエリア構成を示す図。
【図5】図4のスケジュールデータ用メモリエリア(SD)での記憶内容を例示する図。
【図6】図4の移動手段用メモリエリア(MD)での記憶内容を例示する図。
【図7】図3のROMに記憶される送信判断データ(MB)を例示する図。
【図8】同実施の形態に係るスケジュールモード時の処理内容を示すフローチャート。
【図9】同実施の形態に係るスケジュールモード時の表示画面を例示する図。
【図10】同実施の形態に係るスケジュールモード時の表示画面を例示する図。
【図11】同実施の形態に係るスケジュールモード時の表示画面を例示する図。
【図12】同実施の形態に係る送信処理時の内容を示すフローチャート。
【図13】同実施の形態に係る送信処理時の内容を示すフローチャート。
【図14】同実施の形態に係る送信処理時の内容を示すフローチャート。
【図15】同実施の形態に係る送信処理時の内容を示すフローチャート。
【図16】同実施の形態に係る送信処理時の表示画面を例示する図。
【図17】同実施の形態に係る送信処理時の表示画面を例示する図。
【図18】同実施の形態に係る送信処理時の表示画面を例示する図。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る送受信可能なゾーン及びエリアの構成概念を示す図。
【図20】同実施の形態に係る携帯用通信端末機器のRAMのメモリエリア構成を示す図。
【図21】図20の場所情報用メモリエリア(ZD)での記憶内容を例示する図。
【図22】同実施の形態に係るスケジュールモード時の処理内容を示すフローチャート。
【図23】同実施の形態に係るスケジュールモード時の表示画面を例示する図。
【図24】本発明の第3の実施の形態に係る携帯用通信端末機器のRAMのメモリエリア構成を示す図。
【図25】図24のCALLバンク用メモリエリア(CB)での記憶内容を例示する図。
【図26】同実施の形態に係る送受信可能なゾーン及びエリアと複数の携帯用通信端末機器の位置関係を例示する図。
【図27】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の処理内容を示すフローチャート。
【図28】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の処理内容を示すフローチャート。
【図29】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の表示画面を例示する図。
【図30】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の表示画面を例示する図。
【図31】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の表示画面を例示する図。
【符号の説明】
【0140】
1A〜1D…携帯用通信端末機器
2,2′,42A〜42D…受信基地局
3,3′,43A〜43D…送信基地局
4,4′…中継器
5…オペレーションセンタ
6…通信衛星
7,7′,47A〜47D…公衆電話回線
11…本体ケース
121,122…表示入力部
13…LED
14…キー入力部
14a…電源キー
14b…カーソルキー
14c…着信読出しキー
14d…出力ボックス読出しキー
14e…CALLバンクキー
14f…スケジュールモードキー
15…入力ペン
21…受信アンテナ
22…RF受信部
23…デコーダ部
24…CPU
24a…内部クロック
25…ID−ROM
26,28…ドライバ
27…報知部
29…ROM
30…RAM
31…エンコーダ部
32…RF送信部
33…送信アンテナ
CB…CALLバンク用メモリエリア
OB…出力ボックス
MM…メッセージデータ用メモリエリア
SD,SD1…スケジュールデータ用メモリエリア
MD…移動手段用メモリエリア
MB…送信判断データ
ZD…場所情報用メモリエリア
A〜D,A1,A2…エリア
Z1,Z2…ゾーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯使用して無線信号によるデータの送信を行なう携帯用送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、テレターミナルシステム等に代表される無線による相互のデータ通信を目的とした実施に伴い、従来は受信専用だったページング受信機にデータ送信機能を付加し、双方向の通信を可能としたページング送受信機が企画、販売されている。そして、この種のページング送受信機において、例えば第1のページング送受信機を携帯している使用者から、第2のページング送受信機を携帯している使用者に対してメッセージをデータ送信した場合、第2のページング送受信機では第1のページング送受信機から送られてきたメッセージ中の応答要求信号に対応して使用者による操作を待つことなく自動的に応答(アックバック)信号を作成して第1のページング送受信機に送信し返す、所謂アックバック送信機能を有するものが考えられている。
【0003】
このアックバック送信機能を利用することにより、第1のページング送受信機の使用者は第2のページング送受信機の使用者に操作等の余計な負担をかけることなく、無事にメッセージが届いたか否かを確認できるだけでなく、予め回答選択肢を設けた質問をメッセージとして送信し、これに対する回答を応答信号にのせて受信できるようにもなるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ページング送受信機のような携帯機器は使用時に電磁波を放出するものであり、特定の環境下、例えば旅客機等の特殊の計器を備えた乗り物の中では該計器に悪影響を与える虞があるために、その使用が禁止されている。したがって、送信機能を携帯機器では、上記のような特定の環境下ではその使用を控えなければならない。
【0005】
また、送信出力が小さく、送信可能な範囲が制限されている携帯機器の使用者が、送信可能な範囲外に存在する場合には、送信動作を行なっても送信相手先とのコンタクトはとれない。したがって、送信動作を行なって始めて使用者は自分が該エリアの外に存在することを確認する。
【0006】
さらに、上記アックバック送信機能を備えたページング送受信機では、送信相手先が応答可能な環境下に存在すると確認できないので、そのような場合には応答信号が受信されるまで送信動作を継続して行ない、結果として無駄に電力を消費してしまうこととなる。
【0007】
このように、ページング受信機等に代表される受信機にデータ送信機能を付加しても、周囲環境や利用するシステムの状況に左右されることが多く、情報伝送手段として、携帯送信機能は、必ずしも使い勝手に適しているとは言えるものではなかった。
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用可能な電力容量に制限がある携帯機器でも無駄な電力消費を極力避け、利用者に対し、送信可能か否かを報知することが可能な携帯用送信装置及び携帯用通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、
(1) 無線信号による送信処理を行なう送信手段と、当該装置に対し電源の供給を指示する電源供給指示手段と、この電源供給指示手段による指示により、上記送信手段を含め当該装置に電源を供給する電源供給手段とを備えた携帯用通信装置において、上記電源供給手段による上記送信手段への電源供給を停止する供給停止手段と、この供給停止手段により上記送信手段へ電源供給が停止されることを記憶する記憶手段と、当該装置への電源供給停止を指示する停止指示手段と、上記停止指示手段による指示の後上記電源供給指示手段により電源供給が指示されたとき、上記記憶手段に上記送信手段へ電源供給の停止が記憶されていた場合、上記供給停止手段による電源供給の停止を継続するよう制御する制御手段とを備えるようにしたものである。
【0010】
このような構成とすれば、供給停手段により送信手段への電源供給を停止させた状態で携帯用送信装置へ電源供給の停止を指示した後、再度、当該装置へ電源供給を指示しても、上記送信手段への電源供給は停止が継続されているので、使用可能な電力容量に制限がある携帯機器でも無駄な電力消費を極力避けることが可能となる。
【0011】
(2) 上記(1)項において、上記供給停止手段により上記送信手段への電源供給が停止されていることを報知する報知手段を更に備えようにしたものである。
【0012】
このような構成とすれば、上記(1)項に加えて、上記送信手段へ電力供給が停止されていることを報知させることで、利用者に対し、送信可能か否かを報知することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用可能な電力容量に制限がある携帯機器でも無駄な電力消費を極力避けることが可能な携帯用送信装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施の態様)
以下本発明を携帯用通信端末機器に適用した場合の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1はこの携帯用通信端末機器を運用するための通信システムの概念構成を示すもので、1A,1Bがそれぞれ当該携帯用通信端末機器、2,2,…,2′,2′,…が受信基地局、3,3′が送信基地局、4,4′が中継器、5がオペレーションセンタ、6が通信衛星である。
【0016】
同図に示す如く携帯用通信端末機器1Aが存在している第1のエリアA1では、公衆電話回線7を介してリンクされた複数、例えば5つの受信基地局2,2,…と、通信衛星用受信アンテナ3aを備えて当該エリア内への送信を行なう送信基地局3と、上記公衆電話回線7を介して上記受信基地局2,2,…で受信されたデータを上記オペレーションセンタ5へ伝送するための中継器4とから通信システムが構成されている。
【0017】
同様に携帯用通信端末機器1Bが存在している第2のエリアA2では、公衆電話回線7′を介してリンクされた複数、例えば5つの受信基地局2′,2′…と、通信衛星用受信アンテナ3a′を備えて当該エリア内への送信を行なう送信基地局3′と、上記公衆電話回線7′を介して上記受信基地局2′,2′,…で受信されたデータを上記オペレーションセンタ5へ伝送するための中継器4′とから通信システムが構成されている。
【0018】
図2は上記携帯用通信端末機器1A,1B共通の外観構成を示すもので、本体ケース11の前面に、共に液晶表示パネルと透明タッチパネルとを一体的に形成した2つの表示入力部121,122、着信報知時に点灯するLED13、各種キー14b〜14fを有するキー入力部14が設けられる。
【0019】
ここでキー入力部14は、本体ケース11側面の電源のオン/オフを操作する電源キー14aも含み、他に上下左右各方向へのカーソル移動を指示するためのカーソルキー14b、後述するメッセージデータ用メモリエリアMMに格納された着信メッセージデータの読出しモードを選択する際に操作する着信読出しキー14c、作成した後にデータ変換されて後述する出力ボックスOBに格納されたメッセージデータを読出す際に操作する出力ボックス読出しキー14d、後述するCALLバンク用メモリエリアCBに格納された登録者一覧を表示する際に操作するCALLバンクキー14e、及び後述するスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されたスケジュールデータを読出す際に操作するスケジュールモードキー14fを有するものとする。
【0020】
上記表示入力部122は、図2(a)の数字キーのキーボード表示時と図2(b)のアルファベットキーのキーボード表示時とで示すように、表示するキーボードを選択することができ、本体ケース11に付属の入力ペン15でこれら表示入力部122に表示されたキーボード12中の任意キー部分を押圧操作することによりデータの入力が可能となっている。
【0021】
表示入力部122における表示キーボードの選択は、図中に「C」「A」「a」で示すキー部を入力ペン15で押圧操作することにより、数字や各種記号のキーのキーボードからアルファベットの大文字あるいは小文字のキーボードに切換表示され、アルファベットの入力も可能となると同時に、ローマ字入力と「カナ」キーの押圧操作とでカナ漢字変換を行なうことによりかな文字も入力可能となり、これらの統括操作によってデータの新規作成、登録、削除等を行なうことが可能になるものである。
【0022】
図3は上記携帯用通信端末機器1A,1Bに設けられる回路の概略構成を示すもので、21は受信アンテナであり、この受信アンテナ21はRF受信部22に接続し、このRF受信部22をデコーダ部23を介してCPU24に接続している。RF受信部22は、受信アンテナ21で受信した受信データを復調する。
【0023】
上記デコーダ部23は、ID−ROM25を接続しており、このID−ROM25は当該携帯用通信端末機器1A(1B)に個別に割当てられたIDコード、詳細にはフレームデータやアドレスデータ等を記憶したもので、このIDコードをデコーダ部23に与えるようにしている。
【0024】
デコーダ部23は、電源投入を検出した時点においては、所定時間内に同期信号が受信されるまでRF受信部22を連続的に常時駆動させ、同期信号を受信すると今度はID−ROM25より取込んだIDコードに基づいて間欠駆動させる。そして、RF受信部22で復調した信号を解読し、これが自機に割当てられたIDコードに一致したと判断すると、一致検出信号及び続いて受信されるメッセージデータをCPU24に送出するようにしている。
【0025】
CPU24は、現在の時刻を計時する内部クロック24aを有し、上述したキー入力部14、表示入力部121,122を駆動制御するドライバ26、上記LED13を含む報知部27を駆動制御するドライバ28、ROM29、RAM30、及びエンコーダ部31を接続している。
【0026】
またCPU24は、後述するRAM30内の移動手段用メモリエリアMBと連動してエンコーダ部31、RF送信部32に対し、電源供給を制御する。
【0027】
エンコーダ部31は、上記キー入力部14の出力ボックス読出しキー14dの操作によって後述するRAM30の出力ボックスOBから読出され、CPU24より送られてくるメッセージデータを符号化してRF送信部32へ出力し、RF送信部32はこの符号化されたメッセージデータをさらに所定の変調方式によって変調して送信アンテナ33より上記受信基地局2,2,…(2′,2′,…)に対して無線送信させる。
【0028】
しかして、上記受信アンテナ21及び送信アンテナ33は、ここでは別体のもものとして説明するが、送受信を行なう電波の変復調方式によっては、受信アンテナ21と送信アンテナ33とを共用化し、時分割で切換えるようにすることもできる。
【0029】
上記ドライバ26は、表示入力部121,122を構成する液晶表示パネルをそれぞれ表示駆動する一方、これら液晶パネルにそれぞれ一体にして構成される透明タッチパネルをサンプリング駆動するもので、上記入力ペン15の操作により該透明タッチパネルに入力がなされた場合にはその位置座標に応じた操作信号がCPU24に入力される。
【0030】
上記報知部27は、スピーカ、バイブレータ及び上記LED13よりなり、それぞれCPU24の制御により動作するドライバ28に駆動されて、着信に応じた呼出し状態をブザー音、振動、及び光の点滅でそれぞれこの携帯用通信端末機器1A(1B)の使用者に報知するものである。
【0031】
上記ROM29は、CPU24のために予め用意された各種制御プログラム、及び表示入力部121,122からの入力に基づいてキャラクタデータを発生させるキャラクタジェネレータと共に、後述する移動手段データ等を固定記憶している。
【0032】
上記RAM30は、図4に示すようなメモリエリアの構成となっており、世だ番号等、送信先の各種情報を記憶するCALLバンク用メモリエリアCB、作成したメッセージデータを送信時まで一時的に格納しておく出力ボックスOB、着信したメッセージデータを記憶するメッセージデータ用メモリエリアMM、自己のスケジュールデータを管理、記憶しておくスケジュールデータ用メモリエリアSD、及び移動手段データを記憶する移動手段用メモリエリアMDを有する。
【0033】
図5は携帯用通信端末機器1AのRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されるスケジュールデータを例示するもので、該メモリエリアSD内には月(MNTH)、日(DT)、スケジュールデータが登録されている登録番号(EN)、開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)、場所(PLS)を組としたスケジュールデータが複数組分記憶格納されている。
【0034】
図6は環境情報として同RAM30の移動手段用メモリエリアMDに格納される移動手段データを例示するものであり、上記スケジュールデータ用メモリエリアSDに格納記憶されスケジュールデータに対応しており、先のスケジュールの終了時刻(MST)から次のスケジュールの開始時刻(MED)までの間において利用される車、電車等の移動手段(MB)を組にした移動手段データが複数組分記憶格納されている。
【0035】
この移動手段用メモリエリアMDに記憶される移動手段(MB)に対応して、ROM29には予め図7に示すような送信判断データが固定記憶されている。この送信判断データは、上記移動手段(MB)となり得る飛行機、電車、車、徒歩等の各情報に対し、上記RF受信部22及びデコーダ部23からなる送信部での送信駆動を行なうか否かを示す情報(図では「○」「×」で示す)を対にして記憶させたものである。
【0036】
電源回路34は、電源キー14aの操作に従い、各回路に電源を供給する回路である。
【0037】
次に上記第1の実施の形態の動作について説明する。
【0038】
ここでは、現在の日付及び時刻が「95年5月1日(午前)9時」であり、スケジュールデータとして「95年5月1日」すなわち当日の「13時」から「15時」まで「定例会議」を「X−センター」で行なうことを登録する場合の処理動作について例示する。
【0039】
図8は上記携帯用通信端末機器1A,1Bにおける電源投入後の主としてCPU24により制御されるスケジュールデータの作成と登録に係る処理内容を示すものであり、キー入力部14の電源キー14aを操作することで電源がオンとされると、まず着信待ちの状態を設定すると共に(ステップA1)、スケジュールデータを入力するスケジュールモードを選択するべくスケジュールモードキー14fの押圧操作を待機する(ステップA2)という動作を繰返し実行する。
【0040】
そして、スケジュールモードキー14fが押圧操作され、スケジュールモードが選択されたと判断した場合、当日の日付に該当するスケジュールデータがすでにRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されているか否かを検索して判断し(ステップA3)、格納されていればその該当するスケジュールデータをスケジュールデータ用メモリエリアSDから読出してタイムテーブルを作成して表示部121で表示させ(ステップA4)、格納されていなければ上記タイムテーブルに代えて当月の七曜を表わしたカレンダを作成して表示部121で表示させ、当日部分の数字を点滅させる(ステップA5)。
【0041】
図9はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するもので、上記ステップA3で当日の日付に該当するスケジュールデータが格納されていると判断された後に、ステップA4で作成して表示入力部121に表示されたタイムテーブルを示している。
【0042】
同図中では、現在の日付及び時刻が「95年5月1日 9:00」であり、(1)〜(3)の3つのスケジュールデータの内容と場所が
(1) オフィスワーク 会社
(2) ディナー Y−ホテル
(3) 帰宅 自宅
であること、及び上記3つのスケジュールの時間帯の1日におけるタイムテーブルが表示部121の1画面内に表示されると共に、新規のスケジュールデータを入力するスケジュールモードであることを示す「新規」の文字が表示される。
【0043】
また、タイムテーブル上には、図示する如く上記(1)のスケジュールデータの前位置に移動が必要であることを示す部分TCがハッチングで、空き時間部分PTCが大きな「×」印でそれぞれ表示される。
【0044】
このような表示状態において、入力ペン15により上記表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作されたか否かによりスケジュールデータを新規作成するための確認がなされたか否か判断する(ステップA6)。
【0045】
ここで表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作され、スケジュールデータを新規作成する確認がなされたと判断すると、次いで実際のスケジュールデータの開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)及び場所(PLS)の各情報の入力及び入力したスケジュールデータの登録を行なう(ステップA7)。
【0046】
スケジュールデータの入力は、上述した如く表示入力部122に表示されるキーボードの任意のキーを入力ペン15で押圧操作することで数字、記号、アルファベットのみならず、アルファベット入力後の「カナ」キー操作によるローマ字かな変換で、ひらがな、カタカナへの変換、さらにかな表示されているキャラクタ列を入力ペンで変換する範囲をドラッグすることで漢字への変換も可能となるものである。
【0047】
そして、スケジュールデータの開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)及び場所(PLS)の各情報をすべて入力し終えた段階で、登録すべきスケジュールデータが確定され(ステップA7)、その時間に対応してタイムテーブル上に表示される。
【0048】
次いで、この確定内容により前後に位置するスケジュールデータから空き時間が存在するか否か判断し(ステップA8)、空き時間が存在する場合にはさらにそのスケジュールデータの場所情報が前後のスケジュールデータの場所情報と異なるか否かにより場所の移動があるか否かを判断する(ステップA9)。
【0049】
ここで場所の移動があると判断した場合には、移動手段の選択を使用者に促す表示を行ない、上記タイムテーブル上の対応する空き時間の部分MTを点滅表示させる(ステップA10)。
【0050】
図10はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、「95年5月1日」の(4)番目のスケジュールデータとして開始時刻「13:00」、終了時刻「15:00」、内容「定例会議」及び場所「X−センター」を入力し、(1)番目のスケジュールの終了時刻「11:00」からこの(4)番目のスケジュールの開始時刻「13:00」までの間の移動手段を選択指示して、次にこの(4)番目のスケジュールの終了時刻「15:00」から(2)番目のスケジュールの開始時刻「17:00」までの間の移動手段を選択指示するべく、
「移動手段? (飛行機/電車/車/徒歩)」
のように文字表示する一方、タイムテーブル上で当該時間の部分MTを点滅表示させている。
【0051】
このような表示状態で、例えば文字「電車」の部分を入力ペン15のタッチ動作で選択的に操作することにより、移動手段の選択指示を実行する。そして、移動手段の選択指示を実行すると、その選択内容により上記ROM29の送信判断データMBを参照した送信禁止か否かの判断とRAM30の移動手段用メモリエリアMDへの登録を行なう(ステップA11)。
【0052】
図11はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、(4)番目のスケジュールデータである「定例会議 X−センターA」内容及び場所を他の(1)〜(3)のスケジュールデータの後に続けて表示させると共に、この(4)のスケジュールデータの位置に「登録」の文字を表示させることで、移動手段を含む一連のスケジュールデータの登録の処理を終了したことを使用者にわかるようにしている。
【0053】
こうした移動手段を含む登録処理後、あるいは上記ステップA8で確定したスケジュールデータの前後に位置するスケジュールデータから空き時間が存在しないと判断した場合、または上記ステップA9で空き時間は存在するものの場所の移動がないと判断した場合には、再び上記ステップA4のタイムテーブルの作成、表示の処理に戻る。
【0054】
なお、上記ステップA6で入力ペン15により上記表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作されず、スケジュールデータを新規作成するための確認がなされなかった場合には、代わってモードを切換えるための操作入力が検出されたか否かを判断し(ステップA12)、検出された際にはその検出内容に応じた他のモードでの処理を実行し(ステップA13)、検出されなかった際には再び上記ステップA3の当日のスケジュールデータの有無に応じたタイムテーブルあるいはカレンダの表示処理に戻る。
【0055】
次に上記のようにして登録したスケジュールデータに基づいた送信に関する処理を図12乃至図15により説明する。
【0056】
図12乃至図15は上記携帯用通信端末機器1A,1Bにおける電源投入後の主としてCPU24により制御される一定時間、例えば5〜15分間隔で繰返し実行されるスケジュールデータの送信に係る処理内容を示すものであり、キー入力部14の電源キー14aを操作することで電源がオンされると、着信待ちの状態となる(ステップB1)。この着信待ちの状態から、上記一定時間間隔でRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDからその日のスケジュールデータを、同移動手段用メモリエリアMDから対応するその日のスケジュールデータの移動手段情報を検索し(ステップB2)、まず移動手段情報で送信禁止となるものがあるか否かをROM29の送信判断データMBを参照して判断する(ステップB3)。
【0057】
ここで、送信禁止となる移動手段情報があると判断した場合、CPU24は表示入力部121で送信禁止シンボルと禁止時間帯PTとを表示させた後(ステップB4)、CPU24内部の所定レジスタに記憶されている、前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻とこれに対応して送信禁止シンボルを点灯表示させたか否かを示すフラグとを参照して、このフラグが立っており、前回の電源オフ時に送信禁止シンボルを点灯表示させていたか否か判断する(ステップB5)。
【0058】
ここで、前回の電源オフ時にも送信禁止シンボルを点灯表示させていたと判断すると、次いで上記移動手段用メモリエリアMDに記憶されているその日のスケジュールデータの送信禁止となっている時間帯を参照して現在の時刻が送信を禁止されている時間帯に入るか否か判断する(ステップB6)。
【0059】
現在の時刻が送信を禁止されている時間帯に入っていると判断した場合、さらに上記CPU24の内部レジスタにより前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻もまた同禁止時間帯に入っているか否か判断する(ステップB7)。
【0060】
ここで、同禁止時間帯に入っていないと判断した場合、この図12の処理は上記電源オン後の1巡目の処理であり、且つ現在が送信を禁止されている時間帯内であることとなるので、早速CPU24がエンコーダ部31及びRF送信部32からなる送信部への電源供給を断って送信動作を停止させる(ステップB11)。
【0061】
その後、報知部27でのスピーカ、バイブレータ及び上記LED13のうちいずれか設定されたものの駆動により、送信禁止時間内である旨を示すアラーム報知を行なうと同時に、表示入力部121で送信禁止シンボルを点滅表示させ、また対応する禁止時間帯を反転表示させる(ステップB12)。
【0062】
図16はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、現在の日付、曜日及び時刻が「95年5月1日(月) 16:00」であることと共に、現在送信部の動作を禁止していることを示す送信禁止シンボルTSを点滅表示させ、また、その日に送信が禁止されている禁止時間帯PTをウィンドウ表示させている。そしてこの禁止時間帯PTでは、現在の時刻が対応する時間帯である「15:00〜17:00」内であること、言い換えれば「17:00」となるまでは送信禁止状態が解除されないことをこの対応する時間帯を反転表示することで表わしている。
【0063】
このステップB12の処理実行後、アラーム報知のために予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB12の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB13)、上記報知部27でのアラーム報知を停止させた後(ステップB14)、再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0064】
また上記ステップB7で、現在の時刻が送信を禁止されている時間帯に入っており、且つ前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻もまた同禁止時間帯に入っていると判断した場合には、この図12の処理が同禁止時間帯に入ってから2巡目以降のものであることとなるので、エンコーダ部31及びRF送信部32からなる送信部への電源供給を断っている送信動作の停止状態を継続させたままで(ステップB8)、表示入力部121で対応する現在の時刻を含む禁止時間帯を反転表示させる(ステップB9)。
【0065】
このステップB9の処理実行後、予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB9の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB10)、再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0066】
さらに上記ステップB6で、現在の時刻が送信を禁止されている時間帯に入っていないと判断した場合には、次に前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻が禁止時間帯に入っていたか否か判断する(ステップB15)。
【0067】
ここで同禁止時間帯に入っていたと判断した場合には、現在の時刻が同禁止時間帯から外れたものとして、上記エンコーダ部31及びRF送信部32からなる送信部への電源供給を断っている送信動作の停止状態を解除し、あらためて送信動作を開始させた後(ステップB18)、報知部27でのスピーカ、バイブレータ及び上記LED13のうちいずれか設定されたものの駆動により、送信禁止の時間帯を外れた旨を示すアラーム報知を行なうと同時に、表示入力部121での禁止時間帯の反転表示を解除する(ステップB19)。
【0068】
その後、アラーム報知のために予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB19の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB20)、上記報知部27でのアラーム報知を停止させ(ステップB21)、それから再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0069】
また上記ステップB15で、前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻も禁止時間帯に入っていないと判断した場合には、単にその日の送信が禁止されている時間帯のみを禁止時間帯PTとして表示入力部121にウィンドウ表示させ(ステップB16)、その後に予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB16の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB17)、再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0070】
さらに上記ステップB5で、CPU24内部の所定レジスタに記憶されている、前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付及び時刻とこれに対応して送信禁止シンボルを点灯表示させたか否かを示すフラグとを参照して、このフラグが立っておらず、前回の電源オフ時に送信禁止シンボルを点灯表示させていなかったと判断した場合には、次いで報知部27でのスピーカ、バイブレータ及び上記LED13のうちいずれか設定されたものの駆動により、送信禁止の時間帯がある旨を示すアラーム報知を行なうと同時に、その時間帯の情報を表示入力部121で禁止時間帯PTによりウィンドウ表示させる(ステップB22)。
【0071】
図17はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、現在の日付、曜日及び時刻が「95年5月1日(月) 11:00」であることと共に、その日のスケジュールデータ内に送信部の動作を禁止するものがあることを示すべく送信禁止シンボルTSを点灯表示させ、また、その日に送信が禁止されている禁止時間帯PTをウィンドウ表示させている。
【0072】
その後、アラーム報知のために予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB22の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB23)、上記報知部27でのアラーム報知を停止させ(ステップB24)、それから再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0073】
さらに上記ステップB2で、検索したスケジュールデータの移動手段情報で送信禁止となるものがないと判断した場合には、次いでCPU24内部の所定レジスタに記憶されている、前回電源キー14aの操作により電源をオフした日付と現在の日付との一致比較を行なうことにより、日付の更新があったか否かを判断する(ステップB25)。
【0074】
日付の更新があったと判断した場合は、さらに前日のスケジュールデータをスケジュールデータ用メモリエリアSD及び移動手段用メモリエリアMDから読出して送信禁止となっていたものがあったか否か判断し(ステップB26)、あれば報知部27でのスピーカ、バイブレータ及び上記LED13のうちいずれか設定されたものの駆動により、日付が変わった旨を示すアラーム報知を行なうと同時に、表示入力部121における送信禁止シンボルTSを消去させる(ステップB27)。
【0075】
図18はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、現在の日付、曜日及び時刻が「95年5月1日(月) 11:00」であることのみを表示し、送信禁止シンボルTS、禁止時間帯PTの表示は行なわない。
【0076】
その後、アラーム報知のために予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで上記ステップB27の処理を繰返し実行し、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB28)、上記報知部27でのアラーム報知を停止させ(ステップB29)、それから再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0077】
また、上記ステップB25で日付の更新がなかったと判断した場合、あるいは上記ステップB26で日付の更新はあったものの前日となった日付での送信を禁止しているスケジュールデータは記憶していないと判断した場合には、そのまま表示入力部121で送信禁止シンボルTSや禁止時間帯PT等を一切表示しない上記図18と同様の通常の画面表示を行ない(ステップB30)、これを予め設定された一定時間、例えば30秒が経過すると判断されるまで継続した後、一定時間が経過したと判断した時点で(ステップB31)、再び一定時間間隔で上記ステップB2からの処理を繰返し実行する。
【0078】
以上のように第1の実施の形態では、自己のスケジュールデータとして設定した移動手段情報により送信を禁止するか否かを判断するようにしたものを例示した。このような構成及び動作を有することにより、移動途中において送信動作が行なえないのにも拘らず送信を行なってしまうことを未然に防止することができるものである。
【0079】
(第2の実施の形態)
以下本発明を携帯用通信端末機器に適用した場合の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0080】
なお、本実施の形態に係る携帯用通信端末機器自体の外観構成及び回路構成については、上記図2及び図3で示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0081】
しかして、図1はこの携帯用通信端末機器を運用するための通信システムの概念構成を示すもので、A〜Dはそれぞれ送信基地局43A〜43Dを中心とした第1乃至第4のエリア、42A,42A,…,42B,42B,…,42C,42C,…,42D,42D,…は上記各エリアA〜Dに複数設置された受信基地局であり、Z1は第1のエリアA及び第2のエリアBをカバーして受信基地局42A,42A,…,42B,42B,…が受信可能な第1のゾーン、Z2は第3のエリアC及び第4のエリアDをカバーして受信基地局42C,42C,…,42D,42D,…が受信可能な第2のゾーンである。
【0082】
受信基地局42A,42A,…,42B,42B,…,42C,42C,…,42D,42D,…はそれぞれ各エリアA〜D内で公衆電話回線47A〜47Dを介してリンクされており、それぞれの公衆電話回線47A〜47Dは、図示しないが中継器を介してオペレーションセンタと接続されている。また、このオペレーションセンタから同じく図示しない通信衛星を経て上記各エリアA〜Dの送信基地局43A〜43Dにデータが送信され、送信基地局43A〜43Dはこのデータをエリア内に存在する携帯用通信端末機器1A,1Bに送信するようになっている。
【0083】
しかして、上記各ゾーンZ1,Z2内に携帯用通信端末機器1A,1Bが存在すれば、送信基地局43A〜43Dの送信可能な範囲が個々の受信基地局42A〜42Dの受信可能な範囲に比して充分大きいため、携帯用通信端末機器1A,1Bによるデータの送受信が可能となるが、その反面、いずれか一方でもゾーン間を移動している間はデータの送受信は不可能となる。
【0084】
図20は携帯用通信端末機器1A,1Bに設けられるRAM30のメモリエリアの構成を示すもので、送信先の各種情報を記憶するCALLバンク用メモリエリアCB、作成したメッセージデータを送信時まで一時的に格納しておく出力ボックスOB、着信したメッセージデータを記憶するメッセージデータ用メモリエリアMM、自己のスケジュールデータを管理、記憶しておくスケジュールデータ用メモリエリアSD、及び各ゾーンにあるエリアとそのエリア内にある場所情報を記憶する場所情報用メモリエリアZDを有する。
【0085】
携帯用通信端末機器1AのRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されるスケジュールデータについては、上記図5で例示したものと同様であるものとする。
【0086】
また、図21は携帯用通信端末機器1AのRAM30の場所情報用メモリエリアZDに環境情報として格納される場所情報を例示するもので、該メモリエリアZD内にはゾーン、エリア及び場所情報を組とした場所データが複数組分記憶格納されている。
【0087】
次に上記第2の実施の形態の動作について説明する。
【0088】
ここでは、現在の日付時刻が「95年5月1日(午前)9時」であり、スケジュールデータとして「95年5月1日」すなわち当日の「13時」から「15時」まで「定例会議」を「X−センター」で行なうことを新規登録する場合の処理動作について例示する。
【0089】
図22は上記携帯用通信端末機器1A,1Bにおける電源投入後の主としてCPU24により制御されるスケジュールデータの作成と登録に係る処理内容を示すものであり、キー入力部14の電源キー14aを操作することで電源がオンとされると、まず着信待ちの状態を設定すると共に(ステップC1)、スケジュールデータを入力するスケジュールモードを選択するべくスケジュールモードキー14fの押圧操作を待機する(ステップC2)という動作を繰返し実行する。
【0090】
そして、スケジュールモードキー14fが押圧操作され、スケジュールモードが選択されたと判断した場合、当日の日付に該当するスケジュールデータがすでにRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されているか否かを検索して判断し(ステップC3)、格納されていればその該当するスケジュールデータをスケジュールデータ用メモリエリアSDから読出してタイムテーブルを作成して表示部121で表示させる(ステップC4)。
【0091】
このときの表示入力部121での表示画面が上記図9で示したものと同様であるものとする。この場合、現在の日付及び時刻が「95年5月1日 9:00」であり、(1)〜(3)の3つのスケジュールデータの内容と場所が
(1) オフィスワーク 会社
(2) ディナー Y−ホテル
(3) 帰宅 自宅
であること、及び上記3つのスケジュールの時間帯の1日におけるタイムテーブルが表示部121の1画面内に表示されると共に、新規のスケジュールデータを入力するスケジュールモードであることを示す「新規」の文字が表示される。
【0092】
また、タイムテーブル上には、各スケジュールデータの間のゾーンの変更がないことを示す部分がハッチングで、ゾーンの変更があることを示す部分が大きな「×」印でそれぞれ表示される。
【0093】
なお、上記ステップC3で当日の日付に該当するスケジュールデータはスケジュールデータ用メモリエリアSDに格納されていないと判断した場合には、上記タイムテーブルに代えて当月の七曜を表わしたカレンダを作成して表示部121で表示させ、特に当日部分の数字を点滅させると共に、新規のスケジュールデータを入力するスケジュールモードであることを示す「新規」の文字を表示させる(ステップC5)。
【0094】
上記ステップC4あるいはC5による表示状態において、入力ペン15により上記表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作されたか否かによりスケジュールデータを新規作成するための確認がなされたか否か判断する(ステップC6)。
【0095】
ここで表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作され、スケジュールデータを新規作成する確認がなされたと判断すると、次いで実際のスケジュールデータの開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)及び場所(PLS)の各情報の入力及び入力したスケジュールデータの登録を行なう(ステップC7)。
【0096】
スケジュールデータの入力は、表示入力部122に表示されるキーボードの任意のキーを入力ペン15で押圧操作することで数字、記号、アルファベットのみならず、アルファベット入力後の「カナ」キー操作によるかな漢字変換で、かな混りの漢字をも入力可能となるものである。
【0097】
そして、スケジュールデータの開始時刻(ST)、終了時刻(ED)、内容(BUS)及び場所(PLS)の各情報をすべて入力し終えた段階で、登録すべきスケジュールデータが確定され(ステップC7)、その時間に対応してタイムテーブル上に表示される。
【0098】
次いで、この確定内容により前後に位置するスケジュールデータを読出し、これらスケジュールデータと上記図20で示した場所情報用メモリエリアZDとを参照して、各スケジュールデータ間の場所の移動でゾーンの変更があるか否かにより送信禁止の判断を行なうと共に、スケジュールデータのスケジュールデータ用メモリエリアSDへの登録を行なう(ステップC8)。
【0099】
図23はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、「95年5月1日」の(4)番目のスケジュールデータとして開始時刻「13:00」、終了時刻「15:00」、内容「定例会議」及び場所「X−センター」を入力したものとする。
【0100】
この場合、場所情報用メモリエリアZDによればこの(4)番目のスケジュールの前に位置する(1)番目のスケジュールデータの場所情報「会社」と(4)番目のデータの場所情報「X−センター」は共に第1のゾーンZ1であるので、ゾーンの変更はなく、2つのスケジュールの間も送信可能な移動区間TC1としてタイムテーブル上でハッチングにより表示するが、この(4)番目のスケジュールの後に位置する(2)番目のスケジュールデータの場所情報「Y−ホテル」は第2のゾーンZ2であり、この(4)番目のデータの場所情報「X−センター」とはゾーンが異なるため、ゾーンの変更があり、2つのスケジュールの間は送信を禁止する移動区間PTC1としてタイムテーブル上で大きな「×」印により表示するものである。
【0101】
こうしたスケジュールデータ間のゾーンの変更の有無に応じた送信禁止の設定を含む登録処理後、再び上記ステップC4のタイムテーブルの作成、表示の処理に戻る。
【0102】
なお、上記ステップC6で入力ペン15により上記表示入力部121の「新規」の文字部分が押圧操作されず、スケジュールデータを新規作成するための確認がなされなかった場合には、代わってモードを切換えるための操作入力が検出されたか否かを判断し(ステップC9)、検出された際にはその検出内容に応じた他のモードでの処理を実行し(ステップC10)、検出されなかった際には再び上記ステップC3の当日のスケジュールデータの有無に応じたタイムテーブルあるいはカレンダの表示処理に戻る
【0103】
上記図21に示した場所情報用メモリエリアZDは図20でも示した如くRAM30内に領域設定されるものであり、その記憶内容の変更、更新は携帯用通信端末機器1Aの使用者により自由に設定できるものとする。
【0104】
以上のように第2の実施の形態では、自己のスケジュールデータとして設定した場所情報とその前後に位置するスケジュールデータの場所情報の属するゾーンの変更の有無を検出することで送信を禁止するか否かを判断するようにしたものを例示した。
【0105】
このような構成及び動作を有することにより、移動途中でゾーンの変更により実際には送信したデータを受信する受信基地局がなくなり、通信不能となるにもかかわらず、無駄に送信動作を行なって、電源である電池を無駄に消耗してしまうことを未然に防止することができるものである。
【0106】
(第3の実施の形態)
以下本発明を自動応答機能を有する携帯用通信端末機器に適用した場合の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0107】
なお、本実施の形態に係る携帯用通信端末機器自体の外観構成と回路構成及び通信システムの概念構成については、上記図2、図3及び図19で示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0108】
図24は携帯用通信端末機器1Aに設けられるRAM30のメモリエリアの構成を示すもので、送信先の各種情報を記憶するCALLバンク用メモリエリアCB、作成したメッセージデータをメッセージ番号と共に送信時まで一時的に格納しておく出力ボックスOB、着信したメッセージデータを記憶するメッセージデータ用メモリエリアMM、同様の携帯用通信端末機器を携帯している仲間のスケジュールデータを管理、記憶しておくスケジュールデータ用メモリエリアSD1、各ゾーンにあるエリアとそのエリア内にある場所情報を記憶する場所情報用メモリエリアZDを有する。
【0109】
このRAM30のスケジュールデータ用メモリエリアSD1は、後述するこの携帯用通信端末機器1Aと同様の携帯用通信端末機器1B〜1Dを携帯している3人の仲間のスケジュールデータSDB〜SDDを管理、記憶するもので、記憶されている個々のスケジュールデータの構成自体は上記図5で例示したものと同様であるものとし、特に携帯用通信端末機器1Dを携帯している仲間のスケジュールデータSDDはその内容も上記図5で例示したものと同様であるものとする。
【0110】
また、図25は同RAM30のCALLバンク用メモリエリアCBに記憶される上記携帯用通信端末機器1B〜1Dを携帯している3人の仲間を含む送信先データを例示するもので、このCALLバンク用メモリエリアCB内には端末エリア記号(BN)、名前(NM)、及び送信先の呼出番号(CN)を組とした送信先データが複数組分記憶されているものとする。
【0111】
さらに、上記RAM30の場所情報用メモリエリアZDには、上記図21と同様のゾーン、エリア及び場所情報を組とした場所データが複数組分記憶格納されているものとする。
【0112】
次に上記第3の実施の形態の動作について説明する。
【0113】
ここでは、現在の日付及び時刻が「95年5月1日 16時」であり、携帯用通信端末機器1Aから他の携帯用通信端末機器1B〜1Dへ応答を要求するメッセージデータを送信し、この送信に対応してこれら携帯用通信端末機器1B〜1Dから送信されてきた応答のメッセージを携帯用通信端末機器1Aが受信しようとする場合の動作を例にとって説明するものとする。
【0114】
図26はこのとき各携帯用通信端末機器1A〜1Dが存在しているゾーン及びエリアの位置を例示するもので、始めに応答を要求するメッセージデータを送信する携帯用通信端末機器1Aは第1のゾーンZ1内の第1のエリアA近傍に位置している。また、上記図5のスケジュールデータ内容及び上記図21の場所情報でも示すように特に携帯用通信端末機器1Dは第1のゾーンZ1と第2のゾーンZ2との間に位置し、携帯用通信端末機器1Aからメッセージデータを送信してもこれを受信できない環境下に位置するものとする。
【0115】
図27及び図28は上記携帯用通信端末機器1Aにおける電源投入後の主としてCPU24により制御されるメッセージデータの送信モードでの処理内容を示すものであり、キー入力部14の電源キー14aを操作することで電源がオンとされると、まず着信待ちの状態を設定すると共に(ステップD1)、メッセージデータを送信するメッセージ送信モードを選択するべく所定のキーの押圧操作を待機する(ステップD2)という動作を繰返し実行する。
【0116】
そして、所定のキーが押圧操作され、メッセージ送信モードが選択されたと判断した場合、まず自動応答機能を用いて送信先に応答を要求するメッセージデータを送信するか否か判断する(ステップD3)。
【0117】
これは、例えば表示入力部121に「通常通信」と「自動応答」の2つの項目を文字表示させた上で、そのいずれの文字部分が入力ペン15によって選択操作されるかにより判断するもので、ここでは「自動応答」の項目の文字部分が入力ペン15によって選択操作されたものとすると、次いで応答を要求するための送信すべきメッセージデータの入力と登録とを行なう(ステップD4)。
【0118】
メッセージデータの入力は、表示入力部122に表示されるキーボードの任意のキーを入力ペン15で押圧操作することで数字、記号、アルファベットのみならず、アルファベット入力後の「カナ」キー操作によるかな漢字変換で、かな混りの漢字をも入力可能となるものである。
【0119】
そして、メッセージデータの入力を終えたことを表わす表示入力部122の表示キーボード上の所定のキーを押圧操作すると、入力したメッセージデータに登録番号が付された上で上記RAM30の出力ボックスOBに登録、格納される。
【0120】
図29はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここではメッセージデータの送信モードが設定されていることを示す「送信モード」、現在の時刻「16:00」と共に、「通常送信」及び「自動応答」の各項目名が表示され、「自動応答」の側が選択されていることを項目名にかかるカーソルで表示している。
【0121】
これと共に、メッセージデータの内容として
「20時までに定時連絡せよ。R.R」
なる内容が入力され、このメッセージデータが登録番号「12」と共にRAM30の出力ボックスOBに登録、格納されていることを表示している。
【0122】
このステップD4の処理を終えると、次に送信先の選択を行なう(ステップD5)。送信先の選択は、CALLバンク用メモリエリアCBから読出されて表示される送信先の名前(NM)及び送信先の呼出番号(CN)を順次カーソルキー14bの上下方向への操作でカーソルの移動と共によりスクロールさせ、所望の送信先名が表示された時点でその送信先の位置を入力ペン15で押圧操作するもので、任意人数を選択することが可能であるものとする。
【0123】
送信先が選択されると、次いでその選択された各送信先のスケジュールデータをスケジュールデータ用メモリエリアSD1から読出し、その場所情報により上記場所情報用メモリエリアZDを参照して送信を禁止された場所、すなわちゾーンとゾーンとの間を移動中であるか否かを判断する(ステップD6)。
【0124】
ここで、スケジュールデータから送信が禁止されている場所に存在するであろう送信先に該当する者がないと判断した場合にはなんら問題ないが、あると判断した場合には次いでその該当する者を画面上で反転表示し、送信の禁止が解除される時刻となるまで送信動作を保留した後に送信するか否かの選択を促す文字を表示させた後、その表示に対応して送信先として確定する操作がなされたか否か判断する(ステップD8)。
【0125】
図30はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、送信先として、呼出番号が「1−111−1111」の「T.T」さん、呼出番号が「2−222−2222」の「N.N」さん、及び呼出番号が「3−333−3333」の「M.M」さんの計3名を送信先として選択し、そのうち3番目の「M.M」さんがそのスケジュールデータにより第1のゾーンZ1と第2のゾーンZ2の間を移動中であるので現在応答が不可能であることを表示している。
【0126】
そして、この表示と共に、この現在応答が不可能な送信先、ここでは「M.M」さんのみ、に対して送信の禁止が解除される時刻となるまで送信動作を保留した後に送信を行なうか否かの選択を促す文字及びその選択項を
「 (3)の端末は、現在応答が不可能です!送信しますか? YES NO」
のように表示し、選択項の一方である「YES」を反転表示するものである。
【0127】
この表示状態で「YES」の文字部分を入力ペン15により押圧操作すると送信を確定する操作がなされたこととなり、反対に「NO」の文字部分を押圧操作すると現在応答が不可能な送信先に対する選択が解除され、上記ステップD5からの処理に戻ることとなる。
【0128】
しかして、ステップD8で送信先を確定する操作がなされたと判断した後、あるいは上記ステップD6で送信が禁止されている送信先がないと判断した後に、所定のキー操作により送信を実行する指示入力がなされたか否か判断する(ステップD11)。
【0129】
そして、送信を実行する指示入力がなされたと判断すると、RAM30の出力ボックスOBに格納されているメッセージデータに上記送信が禁止されていない送信者の呼出番号を付して順次送信出力を実行する(ステップD12)。
【0130】
その後、この送信出力の処理により送信しなかった保留者があるか否か、すなわち上記ステップD8で送信の禁止が解除される時刻となるまで送信動作を保留した後に送信を行なう者として確定された送信先があるか否かを判断する(ステップD14)。
【0131】
ないと判断した場合は問題ないので、再び上記ステップD1からの処理に戻るが、あると判断した場合には該当する送信先の送信を禁止する時間帯が終了して送信処理が解除される時刻となるまで呼出番号とメッセージデータとを保留しておき(ステップD14,D17)、送信処理が解除される時刻となったと判断した時点で(ステップD14)、あらためて保留しておいた呼出番号とメッセージデータとにより再度の送信出力を実行し(ステップD15)、それから上記ステップD1からの処理に戻る。
【0132】
図31はこのときの表示入力部121での表示画面を例示するものである。ここでは、上記図30において「16:00」の時点で送信が禁止されていた「M.M」さんの携帯用通信端末機器1Dに対して、保留していたメッセージデータを送信出力した旨を、送信したその時点での日付及び時刻と共に
「95年5月1日(月) 17:00
!メッセージナンバー12を端末(3) に送信しました。」のように表示するものである。
【0133】
なお、上記ステップD3で、自動応答機能を用いて送信先に応答を要求するメッセージデータを送信する「自動応答」ではなく、「通常通信」が入力ペン15の押圧操作により選択されたと判断した場合には、次いで応答を要求しない、通常のメッセージデータの入力と入力したメッセージデータの出力ボックスOBへの登録とを行ない(ステップD9)、その後に上記ステップD5と同様の操作で送信先の選択を行なった後(ステップD10)、上記ステップD11に進んで所定のキー操作により送信を実行する指示入力がなされたか否か判断する。
【0134】
また、このステップD11で送信を実行する指示入力がなされなかったと判断した場合には、送信すべきデータをそのままRAM30の出力ボックスOBに記憶したまま(ステップD16)、上記ステップD1からの処理に戻る。
【0135】
なお、上記第3の実施の形態では、送信先のスケジュールデータを送信側が記憶、格納することで、送信するメッセージデータの保留を送信側の端末機器で行なうものとして説明したが、複数のゾーンを管理するオペレーションセンタがスケジュールデータの管理、メッセージデータの保留等をも統括して管理するようにしてもよい。
【0136】
以上のように第3の実施の形態では、送信先のスケジュールデータとして設定した場所情報とその前後に位置するスケジュールデータの場所情報の属するゾーンの変更の有無を検出することで、自機側からの送信を禁止するか否かを判断するようにしたものを例示した。
【0137】
このような構成及び動作を有することにより、特に応答を要求するメッセージデータを送信する場合などに、送信先側での受信が不可能であると判断される場合での送信動作を抑制することにより、無駄な送信動作による電源である電池の消耗を未然に防ぐだけでなく、送信先の状態を認識して、送信可能となった時点で確実に該メッセージデータを送信することが可能となるものである。
【0138】
なお、上述した第1乃至第3の実施の形態のいずれにあっても、本発明を携帯用通信端末機器に適用した場合を例示したが、これに限ることなく、デジタル携帯電話、トランシーバ、その他、無線信号の送受によって通信を行なう各種電子機器に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構成概念を示す図。
【図2】同実施の形態に係る携帯用通信端末機器の外観構成を示す図。
【図3】同実施の形態に係る携帯用通信端末機器の内部回路構成を示すブロック図。
【図4】図3のRAMのメモリエリア構成を示す図。
【図5】図4のスケジュールデータ用メモリエリア(SD)での記憶内容を例示する図。
【図6】図4の移動手段用メモリエリア(MD)での記憶内容を例示する図。
【図7】図3のROMに記憶される送信判断データ(MB)を例示する図。
【図8】同実施の形態に係るスケジュールモード時の処理内容を示すフローチャート。
【図9】同実施の形態に係るスケジュールモード時の表示画面を例示する図。
【図10】同実施の形態に係るスケジュールモード時の表示画面を例示する図。
【図11】同実施の形態に係るスケジュールモード時の表示画面を例示する図。
【図12】同実施の形態に係る送信処理時の内容を示すフローチャート。
【図13】同実施の形態に係る送信処理時の内容を示すフローチャート。
【図14】同実施の形態に係る送信処理時の内容を示すフローチャート。
【図15】同実施の形態に係る送信処理時の内容を示すフローチャート。
【図16】同実施の形態に係る送信処理時の表示画面を例示する図。
【図17】同実施の形態に係る送信処理時の表示画面を例示する図。
【図18】同実施の形態に係る送信処理時の表示画面を例示する図。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る送受信可能なゾーン及びエリアの構成概念を示す図。
【図20】同実施の形態に係る携帯用通信端末機器のRAMのメモリエリア構成を示す図。
【図21】図20の場所情報用メモリエリア(ZD)での記憶内容を例示する図。
【図22】同実施の形態に係るスケジュールモード時の処理内容を示すフローチャート。
【図23】同実施の形態に係るスケジュールモード時の表示画面を例示する図。
【図24】本発明の第3の実施の形態に係る携帯用通信端末機器のRAMのメモリエリア構成を示す図。
【図25】図24のCALLバンク用メモリエリア(CB)での記憶内容を例示する図。
【図26】同実施の形態に係る送受信可能なゾーン及びエリアと複数の携帯用通信端末機器の位置関係を例示する図。
【図27】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の処理内容を示すフローチャート。
【図28】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の処理内容を示すフローチャート。
【図29】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の表示画面を例示する図。
【図30】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の表示画面を例示する図。
【図31】同実施の形態に係るメッセージ送信モード時の表示画面を例示する図。
【符号の説明】
【0140】
1A〜1D…携帯用通信端末機器
2,2′,42A〜42D…受信基地局
3,3′,43A〜43D…送信基地局
4,4′…中継器
5…オペレーションセンタ
6…通信衛星
7,7′,47A〜47D…公衆電話回線
11…本体ケース
121,122…表示入力部
13…LED
14…キー入力部
14a…電源キー
14b…カーソルキー
14c…着信読出しキー
14d…出力ボックス読出しキー
14e…CALLバンクキー
14f…スケジュールモードキー
15…入力ペン
21…受信アンテナ
22…RF受信部
23…デコーダ部
24…CPU
24a…内部クロック
25…ID−ROM
26,28…ドライバ
27…報知部
29…ROM
30…RAM
31…エンコーダ部
32…RF送信部
33…送信アンテナ
CB…CALLバンク用メモリエリア
OB…出力ボックス
MM…メッセージデータ用メモリエリア
SD,SD1…スケジュールデータ用メモリエリア
MD…移動手段用メモリエリア
MB…送信判断データ
ZD…場所情報用メモリエリア
A〜D,A1,A2…エリア
Z1,Z2…ゾーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号による送信処理を行なう送信手段と、当該装置に対し電源の供給を指示する電源供給指示手段と、この電源供給指示手段による指示により、上記送信手段を含め当該装置に電源を供給する電源供給手段とを備えた携帯用通信装置において、
上記電源供給手段による上記送信手段への電源供給を停止する供給停止手段と、
この供給停止手段により上記送信手段へ電源供給が停止されることを記憶する記憶手段と、
当該装置への電源供給停止を指示する停止指示手段と、
上記停止指示手段による指示の後上記電源供給指示手段により電源供給が指示されたとき、上記記憶手段に上記送信手段へ電源供給の停止が記憶されていた場合、上記供給停止手段による電源供給の停止を継続するよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする携帯用送信装置。
【請求項2】
上記供給停止手段により上記送信手段への電源供給が停止されていることを報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用送信装置。
【請求項1】
無線信号による送信処理を行なう送信手段と、当該装置に対し電源の供給を指示する電源供給指示手段と、この電源供給指示手段による指示により、上記送信手段を含め当該装置に電源を供給する電源供給手段とを備えた携帯用通信装置において、
上記電源供給手段による上記送信手段への電源供給を停止する供給停止手段と、
この供給停止手段により上記送信手段へ電源供給が停止されることを記憶する記憶手段と、
当該装置への電源供給停止を指示する停止指示手段と、
上記停止指示手段による指示の後上記電源供給指示手段により電源供給が指示されたとき、上記記憶手段に上記送信手段へ電源供給の停止が記憶されていた場合、上記供給停止手段による電源供給の停止を継続するよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする携帯用送信装置。
【請求項2】
上記供給停止手段により上記送信手段への電源供給が停止されていることを報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用送信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2006−191672(P2006−191672A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55736(P2006−55736)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【分割の表示】特願平8−5186の分割
【原出願日】平成8年1月16日(1996.1.16)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【分割の表示】特願平8−5186の分割
【原出願日】平成8年1月16日(1996.1.16)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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