説明

携帯用電子機器、画像形成システム及び画像読取システム

【課題】携帯用電子機器を利用して、文字、線等が読み難くなる等、画像データの一部について、使用者が、迅速、簡易に確認可能とする。
【解決手段】携帯用電子機器は、撮像部と、撮像部の撮影で得られた撮像画像データに対し、画像処理を行う画像処理部16と、画像処理部16の動作に関する画像処理用データを記憶する記憶部17と、画像処理部16が画像処理を行った後の撮像画像データを表示する表示部と、を有し、画像処理用データは、濃度変換用データを含み、濃度変換用データは、表示部での表示が、画像読取装置を有する画像形成装置が原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果、又は、原稿を画像読取装置が読み取って得られた原稿画像データの表示結果に近づくように設定され、画像処理部16は、画像処理用データに基づき画像処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像部と撮像結果を表示する表示部を有する携帯用電子機器に関する。又、携帯用電子機器と画像読取装置を有する画像形成装置で構成される画像形成システムに関する。又、携帯用電子機器と画像読取装置で構成される画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話や、携帯情報端末(PDA)や、小型のノートパソコン等の各種携帯用電子機器では、通常、液晶画面等の表示部を有する。又、通常、これらの携帯用電子機器は、インターネットとの接続や、他の機器とのデータ送受信等のため、データ通信機能を有する。そして、携帯用電子機器の持ち運びの容易さと、表示部による表示機能と、データ通信機能により、携帯用電子機器は、多様な利用方法が存在する。
【0003】
例えば、携帯電話を利用して効率的な拡大、縮小印刷を行おうとする画像形成装置が、特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1には、印刷条件の設定を操作する第1の操作手段と、印刷条件設定の操作メニューを表示する第1の表示手段と、印刷対象の画像データを表示する第2の表示手段と、第2の表示手段により表示された画像データの画像領域から印刷領域の設定を操作する第2の操作手段と、設定された印刷領域の画像データを、指定された印刷用紙のサイズに応じて拡大又は縮小する画像処理手段と、画像処理手段により拡大又は縮小された印刷領域の画像データを印刷用紙に画像形成する画像形成手段と、を備える画像形成装置が記載されている。この構成により、表示された画像データを携帯端末で確認しながら容易に所望の印刷領域を設定し、効率的な拡大又は縮小印刷を行おうとする(特許文献1:請求項1、段落[0060]等参照)。
【特許文献1】特開2004−088344
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像読取装置(スキャナ)や、画像読取装置を備えた画像形成装置(例えば、複写機、複合機)では、原稿を読み取って得られた画像データを表示させた場合やその画像データを印刷した場合、原稿を完全に再現できず、原稿とのずれが生ずる場合がある。例えば、図面等の青焼(ジアゾ式複写機による印刷物)や、新聞を原稿として読み取った場合、地肌が色つきのため、原稿の画像データの印刷結果や表示結果では、地肌の色が濃くなり、文字、線等が読み難くなることがある。又、例えば、原稿に、鉛筆やカラーペンで書き込みがされている場合、原稿の画像データの印刷結果や表示結果では、書き込み部分の色が薄くなることや、見えなくなることがある。
【0005】
このような場合、使用者は、原稿の画像データの印刷結果や表示結果に納得がいかなければ、画像形成装置や画像読取装置で、原稿の読み取りにおける濃度設定を、使用者は行い、納得するまでこの作業を繰り返すことになる。従って、コピーやスキャンの作業を、一度で完了できず、時間や用紙の無駄が発生する場合があるという問題がある。
【0006】
ここで、画像読取装置や画像形成装置では、原稿の画像データや、印刷のプレビュー画面を表示可能な画面を有するものが存在する。これによれば、印刷や読み取りにおける濃度設定等が正しいか、使用者は確認できる。しかし、鉛筆等の書込部分など、画像データの一部を詳細に確認するには、ある程度の大画面や、拡大・縮小表示機能が必要となる。従って、製品の大型化や高価格化を招くという問題がある。
【0007】
尚、特許文献1記載の発明によれば、原稿の画像データを携帯端末に表示させるが、読み取られた原稿の画像データを携帯端末に送り込む必要がある。ここで、画像形成装置で得られる画像データのデータ量は、通常、大きい。従って、画像データの送信に時間を要する問題や、画像データの処理や表示のため、相当の処理能力が携帯端末に求められるという問題がある。従って、画像データの送信完了まで長時間待つ場合や、携帯端末での表示が、快適な速度でない場合が生じ得る。尚、特許文献1記載の携帯端末では、画像の拡大、縮小表示を可能とするので(特許文献1:段落[0041]、図6、図7等参照)、携帯端末には、送信される画像データのデータ量は、相当大きいと認められる。
【0008】
更に、特許文献1記載の発明では、原稿読取における濃度設定等、設定を変更ごとに携帯端末への画像データの送信を繰り返す必要があり、使用者は迅速に確認しづらいという問題もある。又、特許文献1記載の発明によれば、使用者が、読み取りで得られた画像データの一部のみを確認したい場合でも、画像データの全体が送信され、その後、携帯端末を操作して、確認したい部分に移動し、拡大等を行う操作が必要となる。即ち、画像データの一部のみを直ちに確認できず、操作性、利便性が悪いという問題もある。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、撮像部と表示部を有する携帯用電子機器を利用し、原稿を読み取って得られた画像データの表示結果や印刷結果に近づくように、表示部での表示を行って、文字、線等が読み難くなる等、画像データの一部について、使用者が、迅速、簡易に確認可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題解決のため、請求項1に係る携帯用電子機器は、被写体を撮影するための撮像部と、前記撮像部の撮影で得られた撮像画像データに対し、画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部の動作を設定する値であるパラメータを含む画像処理用データを記憶する記憶部と、前記画像処理部が画像処理を行った後の前記撮像画像データを表示する表示部と、有し、前記画像処理用データは、前記撮像画像データの各画素の濃度を示す画素値を変換する前記パラメータとしての濃度変換用データを含み、前記濃度変換用データは、前記表示部での表示が、画像読取装置を有する画像形成装置が原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果、又は、原稿を画像読取装置が読み取って得られた原稿画像データの表示結果に近づくように設定され、前記画像処理部は、前記画像処理用データに基づき画像処理を行うこととした。
【0011】
この構成によれば、濃度変換用データは、表示部での表示が、原稿画像データの印刷結果又は表示結果に近づくように設定されるので、使用者が、撮像部で原稿を撮影すれば、原稿画像データの印刷結果又は表示結果に近い画像を表示部に表示させることができる。従って、原稿(青焼原稿や新聞原稿等)内の地肌の濃い部分や、鉛筆等の書き込み部分等の使用者が確認したい部分のみを、虫眼鏡のように、カメラで撮影し、表示部が表示することで、原稿の一部のみについて、直ちに印刷結果や読取結果を迅速、簡易に確認することができる。
【0012】
従って、使用者は、所望する濃度で印刷又は表示されるかの目安を使用者は得ることができ、画像読取装置でのスキャンや画像形成装置でのコピーの作業を、一度で完了できる。これにより、時間、手間、用紙等の無駄が省かれる。又、使用者は、印刷濃度設定や、読取濃度設定の変更の必要性を認識できるので、画像形成装置や画像読取装置での適切な濃度設定を行うことができる。例えば、青焼原稿について表示部での表示を見た際、地肌部分の色が濃く、文字、線等が見にくい場合や、原稿での鉛筆等での書込部分が、表示部での表示では見えない場合、使用者は、印刷濃度や読取濃度の設定を調整すべきことや、鉛筆等の書込部分をなぞって濃くすべきこと等を認識できる。又、従来と比較して、印刷結果等のプレビュー表示用の画面を、画像形成装置等に設ける必要がなく、画像読取装置等の製造コスト削減や小型化にも貢献することができる。
【0013】
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、機器の操作、設定を行うための操作部を備え、原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果の濃度を段階的に変更可能である画像読取装置を有する画像形成装置の印刷結果に前記表示部の表示を近づける場合、又は、原稿画像データの濃度を段階的に変更可能である画像読取装置で原稿を読み取って得られる原稿画像データの表示結果に近づける場合、前記濃度変換用データは、各段階に対応して複数用意され、前記操作部での段階の切り換えを指示する操作により、前記画像処理部は、使用する前記濃度変換用データを切り換えて画像処理を行うこととした。
【0014】
この構成によれば、画像形成装置で印刷濃度の設定が段階的に変更可能である場合や、画像読取装置での読取濃度を段階的に変更可能である場合、濃度変換用データは、各段階に対応して複数用意されるので、画像形成装置での印刷濃度設定変更や、画像読取装置での読取濃度設定変更の結果に合わせて、表示部での表示を行うことができる。従って、どの段階での濃度設定を行えばよいかの目安を使用者に示すことができる。又、濃度設定変更の結果に合わせた表示部での表示も操作部への段階切り換え操作だけで実現される。
【0015】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、外部と通信とするための通信部を備え、前記通信部は、外部から前記画像処理用データを取得し、前記画像処理部は、外部から取得された前記画像処理用データを利用して画像処理を行うこととした。
【0016】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、記憶媒体を接続するための接続部を備え、前記接続部は、接続された前記記憶媒体から前記画像処理用データを取得し、前記画像処理部は、前記記憶媒体から取得された前記画像処理用データを利用して画像処理を行うこととした。
【0017】
請求項3又は請求項4の構成によれば、例えば、インターネットや、サーバ等とのネットワーク通信や、画像形成装置や画像読取装置等との直接通信等、外部と通信とするための通信部や、記憶媒体を接続するための接続部を備え、通信部や接続部により画像処理用データを取得できるから、画像形成装置や画像読取装置の機種にあわせ、画像処理用データを取得することができ、又、多様の方法で取得することができる。
【0018】
又、請求項5に係る発明は、画像読取装置を有する画像形成装置と、携帯用電子機器とからなる画像形成システムにおいて、前記携帯用電子機器は、被写体を撮影するための撮像部と、前記撮像部の撮影で得られた撮像画像データに対し画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部の動作を設定する値であるパラメータを含む画像処理用データを記憶する記憶部と、前記画像処理部が画像処理を行った後の前記撮像画像データを表示する表示部と、を有し、前記画像処理用データは、前記撮像画像データの各画素の濃度を示す画素値を変換する前記パラメータとしての濃度変換用データを含み、前記濃度変換用データは、画像読取装置を有する画像形成装置が原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果に近づくように設定され、前記画像処理部は、前記画像処理用データに基づき画像処理を行うこととした。
【0019】
この構成は、請求項1記載の発明を、携帯用電子機器と画像読取装置を備えた画像形成装置で構成される画像形成システムとしてとらえたものであり、請求項1記載の発明と、同様の効果、作用を得ることができる。
【0020】
又、請求項6に係る発明は、原稿を読み取って原稿画像データを得る画像読取装置と、携帯用電子機器とからなる画像読取システムにおいて、前記携帯用電子機器は、被写体を撮影するための撮像部と、前記撮像部の撮影で得られた撮像画像データに対し画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部の動作を設定する値であるパラメータを含む画像処理用データを記憶する記憶部と、前記画像処理部が画像処理を行った後の前記撮像画像データを表示する表示部と、を有し、前記画像処理用データは、前記撮像画像データの各画素の濃度を示す画素値を変換する前記パラメータとしての濃度変換用データを含み、前記濃度変換用データは、原稿を画像読取装置が読み取って得られた原稿画像データの表示結果に近づくように設定され、前記画像処理部は、前記画像処理用データに基づき画像処理を行うこととした。
【0021】
この構成は、請求項1記載の発明を、携帯用電子機器と画像読取装置とで構成される画像読取システムとしてとらえたものであり、請求項1記載の発明と、同様の効果、作用を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明によれば、携帯用電子機器での液晶表示部での表示を、画像読取装置付きの画像形成装置の印刷結果や、画像読取装置が読み取った画像データの表示結果に近づけ、使用者は結果を迅速に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を、図1〜図8を参照しつつ、携帯電話1(携帯用電子機器に相当)と複合機2(画像読取装置としてのスキャナ3を具備する画像形成装置に相当)を利用して説明する。そして、第1の実施形態では、複合機2の印刷結果に、携帯電話1での表示を近づける場合を説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0024】
(携帯電話1の概略構成)
まず、図1に基づき、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1の概略構成の一例を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1の一例を示す図であり、(a)は開けた状態、(b)は折りたたんだ状態を示す。
【0025】
図1(a)に示すように、本実施形態における携帯電話1は、折りたたみ式で、携帯電話1の内面側には、上方に液晶表示部10(表示部に相当)が、下方には、複数のキーが配される操作部11が配される。液晶表示部10は、カラー表示が可能である。本発明に関し、液晶表示部10は、本発明を実施する際の操作画面や、カメラ12の撮影結果を表示できる(詳細は後述)。
【0026】
機器の操作、設定を行うための操作部11には、複数のキーが配される。操作部11の上方中央には、液晶表示部10に表示される内容を上下左右にスクロールさせ、液晶表示部10に表示されるメニューや選択肢を選択するための選択カーソルを上下左右に移動させるための環状の方向指示キー11aが配される。方向指示キー11aの内部には、選択カーソルで選択したメニュー等の実行を指示する実行キー11bが配される。
【0027】
方向指示キー11aの左右には複数のキーが配され、左上と右上のキーが、アプリケーションソフト等の機能を利用する際に押下されるアプリケーションキー11cとアプリケーションキー11dである。又、方向指示キー11aの左下のキーは、通話開始を指示する通話キー11eであり、右下のキーは、通話の終了や長押しにより電源のON/OFFを指示する通話終了キー11fである。又、方向指示キー11aの下方には、電話番号入力や、文字等を携帯電話1に入力するための、テンキー部11gが設けられる。
【0028】
そして、液晶表示部10の外面側には、図1(b)に示すように、上方位置に、被写体を撮影するカメラ12(撮像部に相当)が設けられる。そして、使用者は、このカメラ12の撮影により得られた画像データを液晶表示部10で見ることができる。尚、図1(b)の携帯電話1の中央部には、時刻表示等を行う背面ディスプレイ13が設けられる。又、図1(b)の携帯電話1の左側上部には、電波の発信と受信を行って、外部と通信を行うためのアンテナ14が設けられる。尚、アンテナ14は、携帯電話1の筐体内に収められても良い。
【0029】
(画像形成装置の構成)
ここで、第1の実施形態では、原稿をスキャナ3(画像読取装置に相当)で読み取って得られた画像データの印刷結果の目安を携帯電話1の液晶表示部10に表示させる点につき説明するので、スキャナ3を備えた複合機2(画像形成装置に相当)の一例を図2及び図3を用いて説明する。尚、図2は、本発明の第1の実施形態に係る複合機2の模型的正面断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る複合機2の構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、最上部には原稿を抑える原稿カバー2aが設けられ、複合機2本体内には、スキャナ3、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5a、定着部5b等が設けられる。前記原稿カバー2aは、複写時、原稿台としてのスキャナ3の上面に設けられたコンタクトガラス31に載置された原稿を抑える。そのため、原稿カバー2aは、図1の紙面奥側に支点を有し、上下方向に開閉可能である。
【0031】
前記スキャナ3は、原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する。そして、スキャナ3の上面にコンタクトガラス31が設けられ、又、スキャナ3内には第1移動枠32に露光ランプ33、第1ミラー34aが設けられ、第2移動枠35に第2ミラー34bと第3ミラー34cが設けられる。コンタクトガラス31に載置される原稿を読み取る場合、第1移動枠32と第2移動枠35を、各移動枠に接続されるワイヤ36を巻取ドラム37で巻き取ることで、水平方向に移動させる。そして、各ミラーにより、原稿に照射した光の反射光をレンズ38に入射し、レンズ38は、反射光をイメージセンサ39(例えば、CCD)に導く。これら光学系部材を用い、載置された原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサ39の各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。そして、複合機2は、読取られた画像データに基づき印刷可能である(コピー機能)。
【0032】
前記給紙部4aは、記録媒体としての複数の用紙(例えば、コピー用紙、再生紙、OHPシート等の各種用紙)を収容し、印刷時、1枚ずつ搬送路4bに送り込む。給紙部4aは、用紙が積載される複数のカセット42(本実施形態では、42a、42bの2台)が設けられ、各カセット42に、搬送路4bに用紙を送り出すため回転駆動する給紙ローラ43(43a、43bの計2本)が、備えられる。例えば、印刷時、いずれかの給紙ローラ43が回転駆動し、画像形成に供する用紙が1枚ずつ搬送路4bに送り出される。
【0033】
前記搬送路4bは、給紙部4aから排出トレイ44まで、装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路4bに、用紙の案内のためのガイド板45や、用紙搬送時に回転駆動する複数の搬送ローラ対46(図1では、上方から、46a、46bの計2本を図示)や、搬送される用紙を画像形成部5aの手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせ用紙を送り出すレジストローラ対47等が設けられる。
【0034】
前記画像形成部5aは、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。そこで、画像形成部5aの各構成及びトナー像形成プロセスを説明すると、画像形成部5aの略中心に配され、矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム51を、帯電装置52が、所定の電位で帯電させる。露光装置53は、感光体ドラム51に、レーザー光を画像データに基づき点灯、消灯させつつ照射して、画像データに対応した静電潜像を形成する。現像装置54はトナーを供給して静電潜像をトナー像として現像する。転写ローラ55は感光体ドラム51に圧接してニップを形成し、このニップに、シートとトナー像の進入時に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が転写ローラ55に印加され、トナー像は、用紙に転写される。清掃装置56は、転写後に感光体ドラム51に残った残トナー等を清掃して、次のトナー像形成に備える。
【0035】
前記定着部5bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部5bは、主として発熱体を内蔵する加熱ローラ57と加圧ローラ58で構成される。加熱ローラ57と加圧ローラ58は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は、排出トレイ44が受け止める。このように、コピー機能、プリンタ機能の利用時、画像形成(印刷)が行われる。
【0036】
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機2のハードウェア構成について説明する。
【0037】
複合機2内には、制御部6が設けられ、制御部6は、複合機2の動作を制御し、例えば、CPU61、画像処理部62、記憶部63等から構成される。CPU61は、中央演算処理装置であって、記憶部63に格納され、展開される制御プログラムに基づき複合機2の各部を制御する。画像処理部62は、スキャナ3で読み取られた画像データや、外部から入力された画像データや、ユーザ端末100や相手方のFAX装置200に送信される画像データに対し、各種画像処理を施す。記憶部63は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。この記憶部63は、複合機2の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。
【0038】
そして、制御部6は、操作パネル2b、スキャナ3、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5a、定着部5b等の各部と信号線等で接続され、複合機2の動作を制御する。更に、制御部6は、各種コネクタ、ソケット等を備えたI/F部64(インターフェイス部)と接続される。I/F部64は、ネットワーク等により複数のユーザ端末100(図3では便宜上1つのみ図示)や相手方のFAX装置200と接続され、例えば、スキャナ3で得られ、画像処理部62で処理された画像データをユーザ端末100や相手方FAX装置200に送信することができる(スキャン機能、FAX機能)。又、ユーザ端末100や相手方FAX装置200から送信される画像データに基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
【0039】
(携帯用電子機器のハードウェア構成)
次に、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1のハードウェア構成の一例を説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1の一例を示すブロック図である。尚、図4における実線矢印は、後述する制御回路1aと各部との動作、制御用の信号のやり取りを示し、白抜矢印は、カメラ12で撮影された画像データの流れを示し、黒点線は、後述する画像処理用データの流れを示す。
【0040】
図4に示すように、本実施形態の携帯電話1内部には、携帯電話1の各部の動作を制御するために、制御回路1aが設けられる。そして、制御回路1aには、カメラ12、A/D変換部15、画像処理部16、記憶部17、液晶表示部10、操作部11、通信部18、接続部19等が、バス、信号線等で接続される。これにより、制御回路1aは、各部に制御信号を送信することや、各部からの信号、各種データを受信できる。
【0041】
カメラ12は、ユニット化され、被写体(特に、本実施形態に関しては、原稿)の反射光をレンズ12aにより撮像素子としてのイメージセンサ12b(例えば、CMOSイメージセンサ)に導く。これにより、被写体を撮影することができる。そして、イメージセンサ12bは、各画素(イメージセンサ12b内の各光電変換素子)が蓄えた電荷を、画素ごとに電圧又は電流として、アナログの電気信号を出力する。尚、本実施形態の携帯電話1のカメラ12は、カラー対応なので、R、G、Bの3種が出力が存在する。
【0042】
カメラ12から出力された各画素についてのアナログの電気信号は、A/D変換部15に入力される。A/D変換部15は、アナログの電気信号を、その出力値(例えば、電圧値)に応じて、例えば、1色8ビットでディジタル化する。これにより、カメラ12の撮像領域の各画素について、1画素につき、例えば、24ビット(R、G、Bの各8ビット)の濃度を示す画素値が得られる。これを、撮像領域の全画素に処理を行うことで、1枚の画像データが完成する。
【0043】
そして、A/D変換部15が出力する画像データは、画像処理部16に入力される。画像処理部16は、画像データに対し各種の画像処理を行うための演算回路やメモリ(例えば、ラインメモリ)を有し、カメラ12の撮影で得られた撮像画像データに対し、画像処理を行う。又、画像処理部16が画像処理を行った画像データは、液晶表示部10に入力される。液晶表示部10は、この入力された画像データに基づき、画像データの内容を表示する。即ち、液晶表示部10は、画像処理部16が画像処理を行った後の撮像画像データを表示する。尚、液晶表示部10に、スルー画像(実行キー11bを押す等によりシャッターを切る前に液晶表示部10に表示される動画)等の動画を表示させる場合、コマ落ちを防止の観点から、画像データのデータ量を減らすため、画像処理部16は、複数画素を1つの画素として扱う(例えば、複数画素中から1画素のみ抽出)処理(間引き)を行うことが可能である。
【0044】
又、記憶部17は、ROM(例えば、フラッシュROM)やRAM等の揮発性と不揮発性を組み合わせた半導体メモリで構成され、携帯電話1の制御プログラムや制御用データを記憶する。又、記憶部17には、携帯電話1のアプリケーションソフトを記憶させておくこともできる。更に、使用者が撮影した静止画や動画の画像処理後の画像データを、記憶部17は、画像処理部16から受け取り記憶できる。尚、液晶表示部10は、記憶部17が記憶する静止画や動画の画像データを表示できる。更に、本発明に関し、記憶部17は、画像処理部16の動作を設定する値であるパラメータを含む画像処理用データを記憶する(詳細は後述)。
【0045】
操作部11は、上述したように、携帯電話1の使用における使用者の各入力を受け付け、入力されたキーを制御回路1aに伝達する。これにより、制御回路1aは、いかなる入力や、設定がなされたかを認識する。そして、押されたキーに応じて各種制御(例えば、液晶表示部10の表示)を行う。
【0046】
通信部18は、外部と通信を行うための部分であり、例えば、電波送受信用のアンテナ14や、Bluetooth、IrDA等の短距離通信用送受信部や、携帯電話1とネットワーク、複合機2等とを有線で接続するケーブル等を接続するためのコネクタなどが該当し、有線、無線を問わず、携帯電話1で複数種設けることができる。この通信部18により、携帯電話1は、インターネット等のネットワークを介して、又は、直接、PC71(パーソナルコンピュータ)や、複合機2や、サーバ72等と通信を行うことができる(図4では、便宜上、1台ずつのみ図示)。
【0047】
接続部19は、差し込み等により、携帯電話1と外部記憶媒体73を接続する、いわゆるメモリカードコネクタである。接続するメモリカードとしては、例えば、miniSDカードやmicroSDカードを挙げることができるが、これに限られるものではない。
【0048】
(画像処理用データの取得)
次に、図4及び図5に基づき参照して、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1の画像処理用データの取得と利用について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1での画像処理用データ取得における操作画面の一例を示す。ここで、詳細は後述するが、画像処理用データとは、携帯電話1の画像処理部16での動作に関するパラメータを含むもので、各画素の画素値を変換する濃度変換用データが含まれる。この濃度変換用データ等の画像処理用データを用いることで、複合機2のスキャナ3が原稿を読み取って得られた画像データの印刷結果(即ち、コピー結果)に、同じ原稿をカメラ12で撮影した際の液晶表示部10での表示を近づける。
【0049】
尚、画像処理用データは、スキャナ3の読取特性や画像形成部5a等の出力特性に基づき定める必要があるところ、その特性は、画像形成装置の機種によって異なるので(例えば、コピー時の印刷結果は原稿より濃くなる等)、画像処理用データは、画像形成装置の各機種について用意することができる。又、携帯電話1においても、備えられるカメラの特性や、イメージセンサの形式や解像度等、携帯電話における画像処理部の構成や液晶表示部の表示特性等も異なるので、画像処理用データは、携帯電話の機種ごとに用意することができる。
【0050】
そして、一般に、携帯電話は、外部と通信可能であり、画像処理用データの保存場所にアクセスすることで、画像処理用データを取得できる。例えば、図4に示すように、ローカルネットワーク内のPC71内に保存されていれば、携帯電話1は、画像処理用データをPC71から取得できる。又、例えば、複合機2の記憶部63(図3参照)内に、画像処理用データが保存されていれば、ケーブル接続や短距離通信用送受信部を利用して、携帯電話1は、複合機2から画像処理用データを取得できる。又、インターネット等のネットワーク上のサーバ72に画像処理用データが保存されていれば、携帯電話1は、インターネット等に接続してダウンロードすることにより、画像処理用データを取得できる。又、外部記憶媒体73を接続部19に接続することで、携帯電話1は、画像処理用データを取得しても良い。
【0051】
即ち、本実施形態の携帯電話1は、外部と通信とするための通信部18を備え、通信部18は、外部から画像処理用データを取得し、又、本実施形態の携帯電話1は、記憶媒体を接続するための接続部19を備え、接続部19は、接続された記憶媒体から画像処理用データを取得し、画像処理部16は、外部から取得された画像処理用データを利用して画像処理を行う。
【0052】
これにより、使用者が利用するスキャナ付き画像形成装置(複写機、複合機等)が変わっても、いずれかの方法で、これからコピーを行おう画像形成装置に対応した画像処理用データを取得することができる。従って、使用する複合機2や複写機等、機種が変わっても、印刷結果と、携帯電話1の液晶表示部10での表示を近づけることができる。
【0053】
そして、多様な態様で携帯電話1が取得する画像処理用データは制御回路1aを経て、記憶部17に送信される。記憶部17は、この送信された画像処理用データを記憶する。そして、記憶部17は、画像処理部16に画像処理用データを与え、画像処理部16は、画像処理用データを利用して画像処理を行う。
【0054】
次に、図5に基づき、画像処理用データの取得における携帯電話1の操作の一例を説明する。
【0055】
まず、図5(a)は、本発明を実施する上でのアプリケーションソフトを携帯電話1で立ち上げた状態の一例を示す。例えば、アプリケーションソフトは、例えば、携帯電話1の記憶部17に記憶しておく。尚、画像処理用データの取得は、アプリケーションソフトを利用せず、インターネット等による専用サイトへのアクセスにより行われても良い。この時も図5に示すような設定画面が液晶表示部10に表示されればよい。又、複合機2等に、その機種情報を示すバーコード等の認識用印刷物を貼り付けておき、カメラ12でバーコード等を撮影し、バーコード等の内容を携帯電話1の制御回路1aが認識することで、自動的に画像処理用データのダウンロード等を行ってもよい。
【0056】
図5(a)に示す画面は、使用者が現在使用している携帯電話1の機種を設定する画面である。この設定画面では、携帯電話1のメーカや、使用している携帯電話1の機種の形式を、メーカ指定欄71や機種指定欄72で、例えば、プルダウンメニュー形式等で選択する。上述したように、携帯電話1に装備されるカメラ12や液晶表示部10の特性等が、各機種で異なり、同一の被写体を撮影しても、生成される画像データや液晶表示部10の表示は異なり得るためである。そこで、画像処理用データは、携帯電話1の機種ごとに用意できるので、図5(a)に示す画面で、自己の使用する機種の選択を行う。この画面で、図5(a)に示す「実行」を選択すれば、図5(b)の画面に移行する。
【0057】
この図5(b)に示す画面では、使用する複合機2等の画像処理用データを取得するために、複合機2等の製造メーカ指定欄73が表示される。そして、製造メーカ指定欄73で、実行キー11bが押されると、プルダウンメニュー73aが表示される。そして、方向指示キー11a等を操作することにより、これからコピーを行おうとするスキャナ付き画像形成装置のメーカを指定することができる。そして、この画面で、図5(b)に示す「実行」を選択すれば、図5(c)の画面に移行する。
【0058】
次に、図5(c)に示す画面では、形式選択欄74で操作を行うことにより、スキャナ付き画像形成装置の形式番号(型番)を指定することができる。この時、例えば、上述した複合機2の型式番号が指定される。尚、図5(c)では表示していないが、形式選択欄74を方向指示キー11a等を操作して選択し、実行キー11bを押せば、画像処理用データの用意されている機種の形式(型番)が、プルダウンメニュー内に表示される。このように、使用者は、機種の形式(型番)を指定する。
【0059】
形式選択欄74の下方には、取得方法指定欄75が設けられる。この取得方法指定欄75では、プルダウンメニュー75aにより、例えば、「ダウンロード」、「PC」、「直接接続」、「外部メモリ」等を指定することができる。例えば、「ダウンロード」を指定すれば、携帯電話1は、インターネット等、ネットワーク経由でサーバ72等の記憶場所から画像処理用データを取得する。「PC」を指定すれば、例えば、携帯電話1は、ネットワーク経由やケーブル経由でPC71のHDD等から画像処理用データを取得する。「直接接続」を指定すれば、携帯電話1は、使用する複合機2等と無線又はケーブル等により通信を行い、複合機2等の記憶部63内から画像処理用データを取得する。「外部メモリ」を指定すれば、携帯電話1は、接続部19に差し込まれる外部記憶媒体73内から、画像処理用データを取得する。そして、この画面で、図5(c)に示す「実行」を選択すれば、図5(d)の画面に移行する。
【0060】
次に、図5(d)に示す画面では、タイプ指定欄76で操作を行うことにより、画像処理のタイプを指定することができる。この場合でも、タイプ指定上で実行キー11bを押せば、プルダウンメニュー76aが表示される。プルダウンメニュー76a中の「白黒2値」は、複合機2等におけるFAX送信における画像データの2値化処理結果後の送信結果や、モノクロコピー実行時の印刷結果に、液晶表示部10での表示を近づける際に指定する。「グレースケール」は、複合機2等において、白、黒、灰色を用いて読み取り、中間調を用いて印刷を行う場合に、液晶表示部10での表示を近づける際に指定する。「カラー」は、複合機2等において、カラーで読み取り、印刷を行う場合に、液晶表示部10での表示を近づける際に指定する。
【0061】
次に、図6及び図7に基づき、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1の画像処理用データを用いた画像処理部16での画像処理の一例を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1の濃度変換用データの作成の一例を説明する説明図である。図7は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話1の濃度変換処理の一例を説明する説明図である。
【0062】
まず、図6に基づき、画像処理用データ内の濃度変換用データの作成法の一例を説明する。上述したように、画像処理用データは予め作成され用意されるものであるが、ここでは、画像処理用データ中の重要な濃度変換用データの作成の一例を説明する。
【0063】
ここで、図6に示すヒストグラムは、横軸に、グレースケールの場合の各画素の画素値(例えば、8ビットの256階調)を示し、縦軸は、度数を示す。そして、得られたヒストグラムは、双峰的であるとする(例えば、文字原稿)。尚、画素値が大きいほど、白くなるか、黒くなるかは、画像処理部16の構成や画像データの扱い方等により異なるが、本説明では、画素値が大きいほど、黒くなり(例えば、8ビット256階調であれば、黒は「255」)、画素値が小さいほど、白くなる(例えば、8ビット256階調であれば、白は「0」)として説明する。
【0064】
そして、図6における実線が、携帯電話1で、ある原稿の撮影時の画像データのヒストグラムである(例えば、撮影した静止画)。ここで、本発明は、印刷結果の全体ではなく、地肌が濃くなる場合や、線が消える等、原稿の一部の印刷結果を、迅速、簡易に確認するためのものである。そのため、カメラ12の撮影する範囲は、原稿の全域ではなく、一部でよい。このとき、各携帯電話1間で、濃度変換用データの使用における基準を持たせるため、被写体としての原稿から、例えば、被写体から5cm〜10cmといった、予め定められる一定の距離から原稿の一部を撮影した場合の携帯電話1の画像データについてヒストグラムを生成することができる(尚、本発明を実施して、使用者がカメラ12にて実際に、原稿の印刷結果の目安を確認するときも、被写体(原稿)と携帯電話1の距離を予め定められる一定の距離で保つことが望ましい。)。このときに生成されるヒストグラムは、携帯電話1の各機種によって異なる可能性がある。
【0065】
一方で、図6における一点鎖線が、あるスキャナ付き画像形成装置で、同じ原稿を読み取った際の印刷結果から生成されるヒストグラムとする。この時、実線で示す携帯電話1の画像データのヒストグラムとの対比を正確に行うため、一点鎖線に示すヒストグラム生成においては、印刷結果中の携帯電話1のカメラ12の撮影領域の範囲と同じ範囲について、携帯電話1のカメラ12と同じ解像度で印刷結果をスキャンした結果をもとに、ヒストグラムを生成することができる。例えば、一点鎖線に示すヒストグラム生成におけるスキャンでは、専用のスキャナを別途用意する。
【0066】
そして、実線と、一点鎖線のヒストグラムを比較すると、携帯電話1(実線)で読み取られた画像データの方が、印刷結果(一点鎖線)よりも全体的に画素値が大きくなる傾向を示している。言い換えると、携帯電話1の液晶表示部10で表示される画像の方が、濃く(黒く)表示される。
【0067】
従って、濃度変換用データは、印刷結果に近づけるため、カメラ12の撮影で得られる画像データの各画素の各画素値から、加減算すべき画素値をパラメータとして含むことができる。そうすると、画像処理後に液晶表示部10に表示される画像データは、何ら処理しない場合に比べ、あるスキャナ付き画像形成装置の印刷結果に近づく。即ち、本発明を実施する上で、画像処理用データは、撮像画像データの各画素の濃度を示す画素値を変換するパラメータとしての濃度変換用データを含み、濃度変換用データは、液晶表示部10での表示が、スキャナを有する画像形成装置が原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果に近づくように設定され、画像処理部16は、画像処理用データに基づき画像処理を行うのである。
【0068】
更に、画像処理用データには、濃度変換用データに加え、画素値を調整して濃度変換した携帯電話1の画像データを、液晶表示部10の出力特性を考慮して、より印刷結果に近づけるように、携帯電話1の画像処理におけるγ補正曲線データを含むことができる。
【0069】
そして、2値化処理を行った後の画像データを携帯電話1の液晶表示部10に表示させる場合(例えば、図5(d)における白黒2値に対応)にも、携帯電話1の各画素の画素値に対する加算、減算は有効である。ここで2値化処理とは、濃淡を有する画像から、画素値として0と1しか持たない2値画像に変換する処理である。例えば、画像形成装置では、FAX送信のための画像データの生成の際や、白黒2値での印刷を指定した場合に、スキャナ3で読み取った原稿の画像データに対し、2値化処理は行われる。そして、2値化処理は、多様な方法があるが、図6に示すようなヒストグラムを生成し、閾値(図6に閾値としてTH1を例示)を用いて2値化処理を図る場合がある。
【0070】
例えば、得られたヒストグラムが双峰的である場合、2つのピークの間の谷の底の画素値を閾値として用いることがある。そして、本実施形態では、携帯電話1における画像データの画素値に、加減算を行って、複合機2等の印刷結果に近づけるから、携帯電話1での画像処理後の画像データに基づき、例えば、携帯電話1の画像処理部16がヒストグラムを生成した場合、閾値はほぼ等しくなる。従って、画像処理部16は、画像データの各画素値の加減算処理を行った後に、2値化処理を行えば、相手方に送信されるFAXの印刷結果や、白黒2値での印刷結果に近い内容を、携帯電話1の液晶表示部10に表示させることができる。
【0071】
言い換えると、画像処理用データ内に濃度変換用データに加え、2値化処理における閾値の設定方法を示すデータを含めておけば、携帯電話1の液晶表示部10に、FAXの印刷結果や、白黒2値での印刷結果の目安を表示することができ、使用者は、地肌が濃く現れる等を確認することができる。
【0072】
次に、図7に基づき、本発明の実施形態に係る濃度変換用データの一例を説明する。図7は、本発明の実施形態に係る濃度変換用データの一例を示す図表である。
【0073】
図7(a)は、例えば、256階調のグレースケールの場合の濃度変換用データを示すテーブルTbである。
【0074】
この濃度変換用データを示すテーブルTbでは、カメラ12での撮影により得られた画像データ内の画素の画素値が0〜2である場合、画素値にX1という値を加算することを示している。そして、画素値が100である場合、X2という値を加算し、画素値が255である場合、X3という値を減算することを示している。尚、画素値が3〜99である場合と、101〜254までの場合は、同様に何らかの値が加減算されるので、便宜上省略している。
【0075】
次に、図7(b)に示すテーブルTbでは、画像データ内の各画素の画素値について、変更後の画素値が定められている場合のテーブルTbを示している。即ち、画像処理部16では、加減算処理ではなく、画像処理部16は、図7(b)に基づき、各画素の画素値を置き換える。これにより、画素値の加減算と同様の効果を得ることができる。
【0076】
従って、携帯電話1の画像処理部16は、濃度変換用データとして与えられる図7に示すようなテーブルTbデータに基づき、画像処理を行うことで、スキャナ付き画像形成装置の印刷結果に、携帯電話1の液晶表示部10での表示に近づけることができる。尚、携帯電話1の液晶表示部10での表示を、印刷結果に完全に一致させることは、困難な場合もあるが、たとえ、完全に一致しなくても、本発明によれば、近づけることは可能であり、使用者は、目安を得ることができる。
【0077】
次に、図8に基づき、本発明の第1の実施形態に係る画像処理用データの構成の一例を説明する。図8(a)は、本発明の第1の実施形態に係る複合機2の操作パネル2bの一例を示し、図8(b)は、画像処理用データの構成の概念図である。
【0078】
図8(a)に示すように、本実施形態にしめす複合機2等、スキャナ付き画像形成装置では、印刷結果の濃度を設定できる機能を有する場合がある。そして、本実施形態の複合機2では、印刷の濃度設定を行う部位として、操作パネル2bが設けられる(例えば、複合機2の正面上方に具備)。そして、図8(a)に示す操作パネル2bでは、中央部分が、タッチパネルを備えた液晶表示パネル2cとなっている。そして、使用者が操作パネル2bに対し操作を行って、原稿の読み取り濃度を設定するための液晶表示パネル2cの表示の一例が図8(a)である。
【0079】
そして、図8(a)に示すように、この液晶表示パネル2cの設定画面では、例えば、7段階の印刷濃度設定が可能であり、濃度設定用バー2dが表示されている。濃度設定用バー2dは複数にブロック分けされる。そして、使用者は、所望する数字を押下すると、タッチパネルにより、押下位置が判定され、その結果が複合機2の制御部6に送信される。制御部6は、濃度設定の指示に基づき、スキャナ3で読み取って得られた原稿の画像データを画像処理部62に処理させ、画像データの濃度を調整等を行う(画像形成部5aでの印刷条件の設定を変えても良い)。尚、図8(a)に示すように、押下する数字が小さいほど、濃度が薄く、押下する数字が大きいほど、濃度が濃い印刷が得られる。
【0080】
そして、本実施形態の複合機2では、印刷ついて、7段階の濃度設定を行うことができるが、携帯電話1での液晶表示部10での表示を、印刷結果に近づけるためには、スキャナ付き画像形成装置の印刷濃度設定に合わせ、液晶表示部10の表示の濃度も切替可能とすることが望ましい。
【0081】
そこで、本実施形態の携帯電話1では、スキャナ付き画像形成装置の濃度設定の段階数に合わせて濃度変換用データが用意される。言い換えると、例えば、複合機2等の印刷濃度設定に合わせ、液晶表示部10の表示を切り換えることができる。従って、図8(b)に示すように、携帯電話1に対応した、スキャナ3や複合機2の機種に応じた画像処理用の画像処理用データには、複数の濃度変換用データを含むことができる。尚、図8(b)は、図8(a)に示した濃度設定が7段階であることに対応して、濃度変換用データが7つ含まれる。具体的には、例えば、濃度設定の段階に応じ、各濃度変換用データとしてのテーブルTbでの、画像データの各画素に画素値を加減算する値(パラメータ)が調整される。尚、加減算する値は、適宜設定可能である。
【0082】
具体的に、使用する濃度変換用データの変更は、カメラ12による原稿の撮影結果の液晶表示部10での表示中に、例えば、操作部11の方向指示キー11aを上方向に押せば、段階を1つ上げ(例えば、段階4から段階5へ)、下方向に押せば、段階を1つ下げる(例えば、段階5から段階4へ)というように簡易な操作で実現することができる。尚、使用する濃度変換用データの変更は、方向指示キー11aの左右方向に押す操作により行われても良いし、適宜設定できる。
【0083】
そして、使用する濃度変換用データの変更しつつ、液晶表示部10を確認することで、青焼原稿等の原稿をコピーした結果において、文字が読みにくくならず、原稿に書き込まれた鉛筆書き等の薄い線が消えない、印刷における濃度設定を見つけ出しやすくなる。即ち、本発明では、スキャナを有する画像形成装置が原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果の濃度を段階的に変更可能である場合、濃度変換用データは、各段階に対応して複数用意され、操作部11での段階の切り換えを指示する操作により、画像処理部16は、使用する濃度変換用データを切り換えて画像処理を行う。
【0084】
尚、図8(b)に示す、画像処理用データのうち、ヘッダ部は、画像処理用データのファイル名や、対応する携帯電話1の機種や、対象とするスキャナ付き画像形成装置の機種等の画像処理用データに関する情報を示すデータを含めることができる。又、その他の画像処理用データは、上述した、γ補正曲線のデータや、2値化処理での閾値の設定方法や、スキャナ付き画像形成装置が特別な画像処理(黒点消去処理やエッジ強調等)を行うものである場合に適応させるための、携帯電話1での画像処理手法を示すデータを含むことができる。
【0085】
(第2の実施形態)
次に、図9を利用して、第2の実施形態について説明する。図9(a)は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話1の濃度変換用データの作成の一例を説明する説明図であり、(b)は、本実施形態に係る複合機2の操作パネル2bの一例を示す。
【0086】
上記の例では、同一の原稿について、スキャナ付き画像形成装置の印刷結果と、カメラ12の撮影で得られた画像データの液晶表示部10の表示を近づける場合について説明したが、本実施形態では、複合機2で原稿を読み取った画像データの表示結果に、カメラ12で撮影した画像データの液晶表示部10の表示を近づける場合を説明する。具体的には、スキャナ3で原稿を読み取った画像データに、携帯電話1のカメラ12での同一原稿の撮影により得られた画像データを近づける。
【0087】
尚、第1の実施形態と第2の実施形態とは、濃度変換用データ等を生成する対象として、スキャナ付き画像形成装置の印刷結果を対象とするか、スキャナ3が得た画像データの表示結果を対象とするかの違いのみであり、基本的には同様であるので、共通する部分については、同じ符号を用いるものとし、図示、説明を省略する。又、本実施形態では、図1に示した複合機2に備え付けられているスキャナ3を利用して説明する。
【0088】
第1の実施形態で説明したように、本実施形態の複合機2は、スキャナとして利用することができる。即ち、コンタクトガラス31に載置した原稿をスキャナ3が読み取り、原稿の画像データを得て、この画像データを複合機2の記憶部63やI/F部64を介して接続されるユーザ端末100等に送信することができる。
【0089】
そして、このスキャンにおいて、使用者は、青焼原稿や新聞原稿等の印刷結果と同様、原稿を読み取った画像データにおいて、その画像データをユーザ端末100等のディスプレイ等で閲覧した場合、地肌部分が濃くなりすぎないか、又、原稿での鉛筆等による書き込み部分が、薄くなり、又は、消えてしまわないか確認したい場合がある。そこで、本実施形態では、スキャナ3で読み取った原稿の画像データに、同一の原稿を携帯電話1のカメラ12で撮影して得られた画像データを近づける。これにより、スキャナ3で読み取った原稿の画像データの表示結果と液晶表示部10の表示が近づく。
【0090】
ここで、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、カメラ12の撮影により得られた画像データに対し、画像処理用データにより、画像処理を施した後の画像データに基づき、液晶表示部10での表示を行う。そして、第1の実施形態と同様に、画像処理用データ内には、濃度変換用データが含まれる。
【0091】
そこで、具体的な濃度変換用データの作成法の一例を図9(a)に基づき説明する。例えば、図9(a)に示すように、原稿をカメラ12で撮影した結果、画像データ(実線で図示)と、スキャナ3での読み取りにより得られた画像データ(一点鎖線で図示)のヒストグラムを生成する。そして、本発明は、原稿の全体ではなく、地肌が濃い部分等、原稿の一部のみについてのスキャナ3で読み取られた画像データの表示結果を、迅速、簡易に確認するものである。そのため、カメラ12の撮影する範囲は、印刷結果の全域ではなく、一部とする。この時、各携帯電話1間で、濃度変換用データのした画像処理に基準を持たせるため、被写体としての原稿から、例えば、被写体から5cm〜10cmといった、予め定められる一定の距離から原稿の一部を撮影した場合の携帯電話1の画像データについてヒストグラムを生成することができる(尚、使用者がカメラ12にて原稿を読み取って得られる画像データの表示結果の目安を確認する時も、被写体としての原稿と携帯電話1の距離を予め定められる一定の距離で保つことが望ましい。)。
【0092】
又、実線で示す携帯電話1の画像データのヒストグラムとの対比を正確に行うため、一点鎖線に示すヒストグラム生成においては、原稿の一部の携帯電話1の撮影領域の範囲と同じ範囲について、携帯電話1のカメラ12と同じ解像度で、スキャナ3で原稿を読み取って得られた画像データをもとに、ヒストグラムを生成することができる。場合により、スキャナ3側の画像データの解像度を落とす処理を行う必要がある。
【0093】
そして、実線と、一点鎖線のヒストグラムを比較すると、携帯電話1で読み取られた画像データ(実線)の方が、原稿をスキャナ3で読み取って得られた画像データ(一点鎖線)よりも全体的に画素値が大きくなる傾向を示している。言い換えると、携帯電話1の液晶表示部10で表示される画像の方が、濃く(黒く)表示される。
【0094】
従って、濃度変換用データは、カメラ12の撮影で得られる画像データの各画素から各画素値について、減算すべき画素値をパラメータとして含むことができる。そうすると、画像処理後に液晶表示部10に表示される画像データは、スキャナ3の読取により得られた画像データの表示結果に近づく。
【0095】
上記では、グレースケール等の場合について説明したが、カラーの場合も同様に扱うことができる。即ち、スキャナ3のイメージセンサ39がカラー対応である場合、原稿をカラーで読み取って得られた画像データと、同一の原稿を携帯電話1のカメラ12で撮影して得られた画像データの、R成分と、G成分と、B成分とについて、ヒストグラム等で、それぞれ比較し、差異をもとめ、携帯電話1で得られた画像データの各画素について、R、G、Bのそれぞれに、画素値をどれほど加算、又は、減算すれば良いか求めればよい。その求めた結果に基づき、携帯電話1の画像処理部16が画素値の加減算を行えばよい。その結果、カラーでの画像データの読取の表示結果と、液晶表示部10での表示を近づけることができる。
【0096】
尚、濃度変換用データを含む画像処理用データは、図5で説明したのと同様、アプリケーションソフトにより、ダウンロードや複合機2との通信により取得すればよい。又、濃度変換用データは、図7で説明したのと同様、画素値に対して加減算する値をパラメータとしてテーブルTb化されてもよい。
【0097】
又、図9(b)に示すように、複合機2において、スキャナ3での読取濃度の設定が段階的に変更可能である場合、図8(b)に示す、第1の実施形態と同様、画像処理用データ内には、濃度変換用データが段階数と同様、複数記憶されていてもよい。
【0098】
このように、第2の実施形態では、画像処理用データは、撮像画像データの各画素の濃度を示す画素値を変換するパラメータとしての濃度変換用データを含み、濃度変換用データは、液晶表示部10での表示が、原稿をスキャナ3が読み取って得られた原稿画像データの表示結果に近づくように設定され、画像処理部16は、画像処理用データに基づき画像処理を行うのである。又、スキャナ3で原稿を読み取って得られる原稿画像データの濃度を段階的に変更可能である場合、濃度変換用データは、各段階に対応して複数用意され、操作部11での段階の切り換えを指示する操作により、画像処理部16は、使用する濃度変換用データを切り換えて画像処理を行う。
【0099】
このようにして、第1及び第2の実施形態によれば、濃度変換用データは、表示部(例えば、携帯電話1の液晶表示部10)での表示が、原稿画像データの印刷結果又は表示結果に近づくように設定されるので、使用者が撮像部(カメラ12)で原稿を撮影すれば、原稿画像データの印刷結果又は表示結果に近い画像を表示部に表示させることができる。従って、原稿(青焼原稿や新聞原稿等)内の地肌の濃い部分や、鉛筆等の書き込み部分等の使用者が確認したい部分のみを、虫眼鏡のように、カメラ12で撮影し、表示部が表示することで、原稿の一部のみについて、直ちに印刷結果や読取結果を迅速、簡易に確認することができる。
【0100】
従って、使用者は、使用者が所望する濃度で印刷又は表示されるかの目安を使用者は得ることができ、画像読取装置でのスキャンや画像形成装置(例えば、複合機2)でのコピーの作業を、一度で完了できる。これにより、時間、手間、用紙等の無駄が省かれる。言い換えると、使用者は、画像形成装置での印刷濃度設定や、画像読取装置における読取濃度設定の変更の必要性等を認識できるので、画像形成装置や画像読取装置での適切な濃度設定を行うことができる。例えば、青焼原稿について表示部(例えば、携帯電話1の液晶表示部10)での表示を見た際、地肌部分の色が濃く、文字、線等が見にくい場合や、原稿での鉛筆等での書き込み部分が、表示部(例えば、携帯電話1の液晶表示部10)での表示では見えなくなっている場合、使用者は、印刷濃度や読取濃度の設定を調整すべきと認識できる。このため、従来と比較して、原稿画像データの印刷結果等のプレビュー表示用の画面を、画像形成装置等に設ける必要がなく、画像読取装置等の製造コスト削減や小型化にも貢献することができる。
【0101】
又、画像形成装置で印刷濃度の設定が段階的に変更可能である場合や、画像読取装置での読取濃度を段階的に変更可能である場合、濃度変換用データは、各段階に対応して複数用意されるので、画像形成装置での印刷濃度設定変更や、画像読取装置での読取濃度設定変更の結果に合わせて、表示部での表示を行うことができる。従って、どの段階での濃度設定を行えばよいかの目安を使用者に示すことができる。又、濃度設定変更の結果に合わせた表示部での表示も操作部11への段階切り換え操作だけで実現される。
【0102】
又、例えば、インターネットや、サーバ72等とのネットワーク通信や、画像形成装置(例えば、複合機2)や画像読取装置等との直接通信等、外部と通信とするための通信部18や、記憶媒体を接続するための接続部19を備え、通信部18や接続部19により画像処理用データを取得できるから、画像形成装置(例えば、複合機2)や画像読取装置の機種にあわせ、画像処理用データを取得することができ、又、多様の方法で取得することができる。
【0103】
他の実施形態について説明する。上述の実施形態では、携帯電話1を主として、説明したが、本発明は、携帯電話1とスキャナ付き画像形成装置(例えば、複合機2)とからなる画像形成システムと捉えることができる。又、同様に、携帯電話1と画像読取装置とからなる画像読取システムと捉えることもできる。
【0104】
又、上記実施形態では、携帯用電子機器として、携帯電話1を例に挙げて説明したが、撮像部、表示部、通信部18、操作部11、画像処理部16等を備えるものであれば良く、本発明は、例えば、PDA(携帯情報端末)、携帯用ノートパソコン、携帯ゲーム機等にも適用できる場合がある。
【0105】
又、第1の実施形態では、印刷結果に基づき濃度変換用データを作成する例を示したが、第2の実施形態を実施しても、携帯電話1と、スキャナ付き画像形成装置の扱う画像データが近づく。従って、第2の実施形態を実施して、印刷結果と液晶表示部の表示を近づけるようにしてもよい。
【0106】
又、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、カメラを備えた携帯用電子機器等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】第1の実施形態に係る携帯電話の一例を示し、(a)は開けた状態、(b)は折りたたんだ状態を示す。
【図2】第1の実施形態に係る複合機の模型的正面断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る複合機の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る携帯電話の一例を示すブロック図である。
【図5】1の実施形態に係る携帯電話での画像処理用データ取得における操作画面の一例を示す。
【図6】第1の実施形態に係る携帯電話の濃度変換用データの作成の一例を説明する説明図である。
【図7】第1の実施形態に係る携帯電話の濃度変換処理の一例を説明する説明図である。
【図8】(a)は、第1の実施形態に係る複合機の操作パネルの一例を示し、(b)は、画像処理用データの構成の概念図である。
【図9】(a)は、第2の実施形態に係る携帯電話の濃度変換用データの作成の一例を説明する説明図であり、(b)は、本実施形態に係る複合機の操作パネルの一例を示す。
【符号の説明】
【0109】
1 携帯電話(携帯用電子機器) 10 液晶表示部(表示部)
11 操作部 12 カメラ(撮像部)
16 画像処理部 17 記憶部
18 通信部 19 接続部
2 複合機(画像形成装置) 3 スキャナ(画像読取装置)
73 外部記憶媒体(記憶媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影するための撮像部と、
前記撮像部の撮影で得られた撮像画像データに対し、画像処理を行う画像処理部と、
前記画像処理部の動作を設定する値であるパラメータを含む画像処理用データを記憶する記憶部と、
前記画像処理部が画像処理を行った後の前記撮像画像データを表示する表示部と、
を有し、
前記画像処理用データは、前記撮像画像データの各画素の濃度を示す画素値を変換する前記パラメータとしての濃度変換用データを含み、
前記濃度変換用データは、前記表示部での表示が、画像読取装置を有する画像形成装置が原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果、又は、原稿を画像読取装置が読み取って得られた原稿画像データの表示結果に近づくように設定され、
前記画像処理部は、前記画像処理用データに基づき画像処理を行うことを特徴とする携帯用電子機器。
【請求項2】
機器の操作、設定を行うための操作部を備え、
原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果の濃度を段階的に変更可能である画像読取装置を有する画像形成装置の印刷結果に前記表示部の表示を近づける場合、又は、原稿画像データの濃度を段階的に変更可能である画像読取装置で原稿を読み取って得られる原稿画像データの表示結果に近づける場合、
前記濃度変換用データは、各段階に対応して複数用意され、前記操作部での段階の切り換えを指示する操作により、前記画像処理部は、使用する前記濃度変換用データを切り換えて画像処理を行うことを特徴とする請求項1記載の携帯用電子機器。
【請求項3】
外部と通信とするための通信部を備え、
前記通信部は、外部から前記画像処理用データを取得し、
前記画像処理部は、外部から取得された前記画像処理用データを利用して画像処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯用電子機器。
【請求項4】
記憶媒体を接続するための接続部を備え、
前記接続部は、接続された前記記憶媒体から前記画像処理用データを取得し、
前記画像処理部は、前記記憶媒体から取得された前記画像処理用データを利用して画像処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯用電子機器。
【請求項5】
画像読取装置を有する画像形成装置と、携帯用電子機器とからなる画像形成システムにおいて、
前記携帯用電子機器は、被写体を撮影するための撮像部と、前記撮像部の撮影で得られた撮像画像データに対し画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部の動作を設定する値であるパラメータを含む画像処理用データを記憶する記憶部と、前記画像処理部が画像処理を行った後の前記撮像画像データを表示する表示部と、を有し、
前記画像処理用データは、前記撮像画像データの各画素の濃度を示す画素値を変換する前記パラメータとしての濃度変換用データを含み、
前記濃度変換用データは、画像読取装置を有する画像形成装置が原稿を読み取って得られた原稿画像データの印刷結果に近づくように設定され、
前記画像処理部は、前記画像処理用データに基づき画像処理を行うことを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
原稿を読み取って原稿画像データを得る画像読取装置と、携帯用電子機器とからなる画像読取システムにおいて、
前記携帯用電子機器は、被写体を撮影するための撮像部と、前記撮像部の撮影で得られた撮像画像データに対し画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部の動作を設定する値であるパラメータを含む画像処理用データを記憶する記憶部と、前記画像処理部が画像処理を行った後の前記撮像画像データを表示する表示部と、を有し、
前記画像処理用データは、前記撮像画像データの各画素の濃度を示す画素値を変換する前記パラメータとしての濃度変換用データを含み、
前記濃度変換用データは、原稿を画像読取装置が読み取って得られた原稿画像データの表示結果に近づくように設定され、
前記画像処理部は、前記画像処理用データに基づき画像処理を行うことを特徴とする画像読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−56618(P2010−56618A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216510(P2008−216510)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】