携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法
【解決手段】携帯電話機10は、ディスプレイ14およびそのディスプレイ14に設けられるタッチパネル16などを備え、ロック状態を設定することができる。ロック状態が設定さている場合、ディスプレイ14にはロックオブジェクトを含むロック画面が表示される。メールを受信すると通知テーブルに新着メールの通知情報が記録され、新着メールの通知情報が、ロック画面の通知領域に表示される。ユーザがロックオブジェクトに対してタッチした後にスライドして、その通知領域の中でリリースすると、ロック状態が解除されると共に、上述の新着メールが表示されるようにメール機能が実行される。
【効果】ユーザはタッチ操作により所定機能を容易に実行することができる。
【効果】ユーザはタッチ操作により所定機能を容易に実行することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末、携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法に関し、特にロック状態を設定することができる、携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロック状態を設定することができる携帯端末の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の携帯端末装置では、ダブルタップする操作などのジェスチャが動作場面ごとに登録される。そして、タッチパネルの動作が停止しているときに、タッチパネルに対して、動作場面に応じたジェスチャが行われると、タッチパネルが停止状態から正常動作に復帰する。
【特許文献1】特開平11-203045号公報[G06F 3/033, G06F 3/00, H04Q 7/38, H04M 1/02, H04M 1/23]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の携帯端末装置では、ユーザは、複数の動作場面を登録する場合、複数の動作場面と、それらに対応するジェスチャとを全て記憶しなければならない。そして、ユーザがタッチパネルを停止状態から正常動作に復帰させるときに、ジェスチャと動作場面との対応関係を忘れてしまうと、ユーザは携帯端末装置を思った通りに操作できなくなってしまう。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、ユーザがタッチ操作により所定機能を容易に実行することができる、携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、表示部、表示部に設けられるタッチパネルおよびタッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末であって、所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部、ロック状態が設定されているとき、ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクトと、通知情報とを表示部の表示領域に表示する表示処理部、通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する判断部、および通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する実行部を備える、携帯端末である。
【0008】
第1の発明では、携帯端末(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)は、表示部(14)に設けられたタッチパネル(16)およびタッチ操作を検出する検出部(48)を有する。また、ロック状態が設定されると、表示部にはロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクト(Ob)が表示され、タッチ操作に基づく所定の処理が実行されないようになる。記憶部(46)は、たとえばメール機能によって受信した新着メールを通知するための通知情報を記憶する。表示処理部(30,S5)は、たとえばロック状態が設定されているときに表示部の電源がオンにされると、上述したメール機能の通知情報(N,Ta)を表示する。判断部(30,S29)は、オブジェクトの表示にタッチされた後に、通知情報を表示する表示領域にそのオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する。そして、実行部(30,S31,S33)は、このようなタッチ操作が行われると、ロック状態を解除すると共に、リリースされた表示領域に表示されている通知情報に関連する機能を実行する。
【0009】
第1の発明によれば、ユーザは、ロック画面に表示される通知情報を確認したときに、必要であればロック状態を解除すると共に、その通知情報に対応する機能を実行することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、通知情報を表示する表示領域にオブジェクトが移動されたとき、その通知情報に対応する追加情報を表示する追加情報表示部をさらに備える。
【0011】
第2の発明では、追加情報表示部(30,S25)は、たとえば通知情報が新着メールを通知している場合、追加情報として新着メールの本文の少なくとも一部が表示される。
【0012】
第2の発明によれば、ユーザは、追加情報によって対応する通知情報の詳細を確認してから、ロック状態を解除すると共に、その通知情報に対応する機能を実行させるかを判断することができる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明に従属し、所定機能は、メッセージの送受信および閲覧を行うメッセージ機能を含み、メッセージ機能に対応する通知情報は、少なくとも、メッセージ機能によってメッセージが発信された時刻または発信者名のいずれか一方を含み、メッセージ機能に対応する通知情報の追加情報は、メッセージの本文の少なくとも一部を含み、実行部は、メッセージの詳細が表示部に表示されるよう、メッセージ機能を実行する。
【0014】
第3の発明では、メッセージ機能は、メールや、投稿用の記事などのメッセージを送受信したり、閲覧したりするための機能である。たとえば、メッセージが受信されると、そのときの時刻などがメッセージ機能に対応する通知情報として記憶される。また、受信されたメッセージの一部が、通知情報の追加情報として記憶される。そして、実行部は、受信されたメッセージの詳細が表示されるよう、メッセージ機能を実行する。
【0015】
第4の発明は、第3の発明に従属し、メッセージ機能は、メール機能を含み、メール機能に対応する通知情報は、少なくとも、新着メールの受信時刻または発信者名のいずれか一方を含み、メール機能に対応する通知情報の追加情報は、新着メールの本文の少なくとも一部を含み、実行部は、新着メールが返信可能に表示されるよう、メール機能を実行する。
【0016】
第5の発明は、第3の発明または第4の発明に従属し、メッセージ機能は、ショートメッセージサービス機能を含み、ショートメッセージ機能に対応する通知情報は、少なくとも、新着メッセージの着信時刻または発信者名のいずれか一方を含み、ショートメッセージ機能に対応する通知情報の追加情報は、新着メッセージの本文の少なくとも一部を含み、実行部は、新着メッセージが返信可能に表示されるよう、ショートメッセージ機能を実行する。
【0017】
第3の発明、第4の発明および第5の発明によれば、メール機能やショートメッセージ機能によってメッセージを受信すれば、ロック状態を解除することなく、返信することができる。
【0018】
第6の発明は、第3の発明ないし第5の発明のいずれに従属し、メッセージ機能は、ブログ機能を含み、ブログ機能に対応する通知情報は、少なくとも、ブログ機能によって投稿した記事に対する新着コメントの投稿時刻または投稿者名のいずれか一方を含み、ブログ機能に対応する通知情報の追加情報は、新着コメントの少なくとも一部を含み、実行部は、新着コメントが表示されるよう、ブログ機能を実行する。
【0019】
第6の発明によれば、ブログ機能を利用したコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0020】
第7の発明は、第2の発明ないし第6の発明のいずれかに従属し、所定機能は、電話機能を含み、電話機能に対応する通知情報は、不在着信の着信情報を含み、電話機能に対応する通知情報の追加情報は、不在着信の電話番号を含み、実行部は、電話番号に対して発信可能な状態で電話機能を実行する。
【0021】
第7の発明によれば、ロック状態を解除する操作を省いて、不在着信に応答することができるようになる。
【0022】
第8の発明は、表示部(14)、表示部に設けられるタッチパネル(16)、タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部(48)および所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部(46)を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末(10)のプロセッサ(30)を、ロック状態が設定されているとき、ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクト(Ob)と、通知情報(N,Ta)とを表示部の表示領域に表示する表示処理部(S5)、通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する判断部(S29)、および通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する実行部(S31,S33)として機能させる、ロック制御プログラムである。
【0023】
第8の発明でも、第1の発明と同様、ユーザは、ロック画面に表示される通知情報を確認したときに、必要であればロック状態を解除すると共に、その通知情報に対応する機能を実行することができる。
【0024】
第9の発明は、表示部(14)、表示部に設けられるタッチパネル(16)、タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部(48)および所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部(46)を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末(10)のロック制御方法であって、ロック状態が設定されているとき、ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクト(Ob)と、通知情報(N,Ta)とを表示部の表示領域に表示し(S5)、通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断し(S29)、そして通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する(S31,S33)、ロック制御方法である。
【0025】
第9の発明でも、第1の発明と同様、ユーザは、ロック画面に表示される通知情報を確認したときに、必要であればロック状態を解除すると共に、その通知情報に対応する機能を実行することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、ユーザは、タッチ操作により所定機能を容易に実行することができる。
【0027】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機を示す外観図である。
【図2】図2は図1に示す携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに表示されるロック画面の一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示す携帯電話機に設定されているロック状態を解除するときの操作の一例を示す図解図であり、図4(A)は図3に示すロックオブジェクトに対して行われるタッチ操作の方向を示しており、図4(B)はロックオブジェクトが画面の外へ移動した状態の表示例であり、図4(C)は待機画面の表示例を示す。
【図5】図5は図2に示すRAMに記憶される通知テーブルデータの構成の一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すディスプレイに表示される、通知情報を含むロック画面の一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すディスプレイに表示される、複数の通知情報を含むロック画面の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図7に示す複数の通知情報を変更する操作の一例を示す図解図であり、図8(A)は図7に示すスクロールバーに対して行われるタッチ操作を示しており、図8(B)は他の通知情報の表示例を示す。
【図9】図9は図8(B)に示す通知情報において追加情報を表示する操作の一例を示す図解図であり、図9(A)は図8(B)に示すロックオブジェクトに対するタッチ操作を示しており、図9(B)は図8(B)に示す通知情報の表示に対するタッチ操作を示す。
【図10】図10は図8(B)に示す通知情報に対応する機能が実行されるときの画面遷移の一例を示す図解図であり、図10(A)は図9(B)に示す状態からリリースされた状態を示し、図10(B)はメール機能のGUIの表示例を示す。
【図11】図11は図2に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図12】図12は図2に示すプロセッサのロック制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
【図13】図13は図2に示すプロセッサのロック制御処理の他の一部の一例であって、図12に後続するフロー図である。
【図14】図14は図1に示すディスプレイに表示される、通知情報を含むロック画面の他の一例およびその通知情報に対応する機能が実行されたときの表示例を示す図解図であり、図14(A)は第1ブログ機能の通知情報を含むロック画面の表示例を示し、図14(B)は図14(A)に示す通知情報の追加情報を示す表示例であり、図14(C)は第1ブログ機能のGUIの表示例を示す。
【図15】図15は図1に示すディスプレイに表示される、通知情報を含むロック画面のその他の一例およびその通知情報に対応する機能が実行されたときの表示例を示す図解図であり、図15(A)は第2ブログ機能の通知情報を含むロック画面の表示例を示し、図15(B)は図15(A)に示す通知情報の追加情報を示す表示例であり、図15(C)は第2ブログ機能のGUIの表示例を示す。
【図16】図16は図1に示すディスプレイに表示される通知情報をシークレット表示に切り替える操作の一例を示す図解図であり、図16(A)は図8(B)に示す通知領域に対して行われるタッチ操作の方向と距離を示し、図16(B)は図16(A)に示す方向と距離でタッチ操作が行われた状態を示し、図16(C)は図16(A)に示す通知情報がシークレット表示に切り替えられた状態を示す。
【図17】図17は図2に示すプロセッサの第2実施例のロック制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
【図18】図18は図1に示すディスプレイに表示される通知情報をカテゴリ別に表示する操作の一例を示す図解図であり、図18(A)はカテゴリアイコンが表示されるロック画面の一例を示し、図18(B)は図18(A)に示すカテゴリアイコンに対してタッチ操作が行われている状態を示し、図18(C)はカテゴリ別に分類された複数の通知情報の表示例を示す。
【図19】図19は図2に示すプロセッサの第3実施例のロック制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
【図20】図20は図1に示すディスプレイに表示される、通知情報を含むロック画面のさらにその他の一例およびその通知情報に対応する機能が実行されたときの表示例を示す図解図であり、図20(A)はタスクアイコンを含むロック画面の一例を示し、図20(B)は図20(A)に示すタスクアイコンに対してタッチ操作が行われている状態を示し、図20(C)はメール機能のGUIの他の表示例を示す。
【図21】図21は図1に示すディスプレイに表示されるセキュリティ画面の一例を示す図解図である。
【図22】図22は図2に示すプロセッサの他の実施例のロック制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施例>
図1を参照して、この発明の一実施例の携帯電話機10は、一例としてスマートフォン(smart phone)であり、縦長の扁平矩形のハウジング12を含む。ただし、この発明は、タブレット端末、PDAなど任意の携帯端末に適用可能であることを予め指摘しておく。
【0030】
ハウジング12の一方主面(表面)には、表示部として機能する、たとえば液晶や有機ELなどのディスプレイ14が設けられる。ディスプレイ14の上には、タッチパネル16が設けられる。したがって、この実施例の携帯電話機10では、後述のハードキーの操作によるものを除く大部分の入力操作は、このタッチパネル16を介して行われる。
【0031】
ハウジング12の縦方向一端の表面側にスピーカ18が内蔵され、縦方向他端の表面側にマイク20が内蔵される。
【0032】
タッチパネル16と共に、入力操作手段を構成するハードキーとして、この実施例では、通話キー22、終話キー24およびメニューキー26が設けられる。
【0033】
たとえば、ユーザは、ディスプレイ14に表示されたダイヤルキーに対して、タッチパネル16によってタッチ操作を行うことで電話番号を入力でき、通話キー22を操作して音声通話を開始することができる。終話キー24を操作すれば、音声通話を終了することができる。なお、この終話キー24を長押しすることによって、携帯電話機10の電源をオン/オフすることができる。
【0034】
また、メニューキー26を操作すれば、ディスプレイ14にメニュー画面が表示され、その状態でディスプレイ14に表示されているソフトキーやメニューアイコンなどに対して、タッチパネル16によるタッチ操作を行うことによってメニューを選択し、その選択を確定させることができる。
【0035】
図2を参照して、図1に示す実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ30などを含む。プロセッサ30には、無線通信回路32、A/D変換器36、D/A変換器38、入力装置40、表示ドライバ42、フラッシュメモリ44、RAM46およびタッチパネル制御回路48などが接続される。
【0036】
プロセッサ30は、携帯電話機10の全体制御を司る。記憶部として機能するRAM46には、フラッシュメモリ44に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ30はこのRAM46上のプログラムに従って動作する。なお、RAM46はさらに、プロセッサ30のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。
【0037】
入力装置40は、図1に示すタッチパネル16、ハードキー22、24および26を含むものであり、操作部または入力部を構成する。ユーザが操作したハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ30に入力される。
【0038】
無線通信回路32は、アンテナ34を通して、音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路32は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、ユーザが入力装置40を操作して電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路32は、プロセッサ30の指の下、電話発信処理を実行し、アンテナ34を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は通話処理を実行する。
【0039】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ34によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路32によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器38によって音声信号に変換された後、スピーカ18から出力される。一方、マイク20を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器36によって音声データに変換された後、プロセッサ30に与えられる。音声データには、プロセッサ30の指示の下、無線通信回路32によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ34を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0040】
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ34によって受信されると、無線通信回路32は、電話着信(着呼)をプロセッサ30に通知する。これに応じて、プロセッサ30は、表示ドライバ42を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)をディスプレイ14に表示する。また、これらの処理に伴い、プロセッサ30は、スピーカ18から着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
【0041】
そして、ユーザが入力装置40に含まれる通話キー22(図1)を用いて応答操作を行うと、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、通話状態確立処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は上述した通常の通話処理を実行する。
【0042】
また、通話可能状態に移行した後に入力装置40に含まれる終話キー24(図1)によって通話終了操作が行われると、プロセッサ30は、無線通信回路32を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ30は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ30は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ30は通話処理を終了する。
【0043】
A/D変換器36には図1に示すマイク20が接続され、上述のようにマイク20からの音声信号はこのA/D変換器36を通してディジタルの音声データとしてプロセッサ30に入力される。D/A変換器38にはスピーカ18が接続される。D/A変換器38は、ディジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ18に与える。したがって、音声データの音声がスピーカ18から出力される。
【0044】
なお、プロセッサ30は、たとえばユーザによるボリュームの操作に応答して、D/A変換器38に接続されるアンプの増幅率を制御することによって、スピーカ18から出力される音声の音量を調整することができる。
【0045】
表示ドライバ42には図1に示すディスプレイ14が接続され、したがって、ディスプレイ14はプロセッサ30から出力される映像または画像データに従って映像または画像を表示する。つまり、表示ドライバ42は、プロセッサ30の指示の下、当該表示ドライバ42に接続されたディスプレイ14の表示を制御する。また、表示ドライバ42は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含む。ディスプレイ14には、たとえばLEDなどを光源とするバックライトが設けられており、表示ドライバ42はプロセッサ30の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
【0046】
タッチパネル制御回路48には、図1に示すタッチパネル16が接続される。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル16に対するユーザによるタッチの開始を示すタッチ開始信号、ユーザによるタッチの終了を示す終了信号、およびユーザがタッチしたタッチ位置を示す座標データをプロセッサ30に入力する。したがって、プロセッサ30はこの座標データに基づいて、そのときユーザがどのアイコンやキーにタッチしたかを判断することができる。
【0047】
実施例では、タッチパネル16は、指などの物体が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式で、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル16に触れたことを検出する。また、タッチパネル16は、ディスプレイ14の上に設けられ、その画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。タッチパネル制御回路48は検出部として機能し、タッチパネル16のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ30に出力する。つまり、ユーザは、タッチパネル16の表面をタッチ、スライドおよびリリースすることによって、操作位置や、操作方向などを携帯電話機10に入力する。
【0048】
なお、タッチパネル16の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
【0049】
また、詳細な説明は省略するが、携帯電話機10は、電話機能には、着信したまま一定時間が経過した場合、自動応答を行い、相手のメッセージを録音する留守番電話機能が含まれる。さらに、携帯電話機10は、ネットワークと通信することで、メール機能を実行することができる。
【0050】
なお、上で説明した無線通信回路32、A/D変換機34およびD/A変換機36はプロセッサ30に含まれていてもよい。
【0051】
携帯電話機10は、上述した各機能などがタッチ操作によって実行されないようにするロック機能を有している。たとえば、終話キー24が操作されると、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされると共にロック状態が設定される。そして、終話キー24が操作されると、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオンとなり、図3に示すロック画面が表示され、ロック状態の解除操作が受け付けられるようになる。
【0052】
なお、本実施例のロック状態では、ロック画面が表示されるまでは、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされているため、携帯電話機10の消費電力が抑えられる。ただし、他の実施例では、タッチパネル16の電源をオフにすることなく、プロセッサ30が入力されたタッチ操作を無視するように処理することで、タッチ操作を無効にしてもよい。
【0053】
図3を参照して、ロック画面を表示するディスプレイ14の表示範囲は、状態表示領域60および機能表示領域62を含む。状態表示領域60には、アンテナ34による電波受信状態を示すアイコン(ピクト)、二次電池の残電池容量を示すアイコンおよび日時が表示される。また、機能表示領域62には、現在日時70が表示されると共に、ロックオブジェクトObが下側中央に表示される。そして、ロックオブジェクトObの表示位置は、ユーザの指の位置、つまり現在のタッチ位置に合わせて変化する。
【0054】
ここで、ロックオブジェクトObに対して所定のタッチ操作が行われると、ロック状態が解除される。
【0055】
たとえば、図4(A)を参照して、ロックオブジェクトObの移動距離が所定距離以上となるように指がスライドされ、リリースされると、図4(B)に示すように、ロックオブジェクトObの表示が消える。そして、ロックオブジェクトObの表示が消えると、ディスプレイ14の状態表示領域62には、図4(C)に示す待機画面が表示される。また、ロックオブジェクトOに対して所定速度以上で指を弾くタッチ操作(フリック)が行われた場合も、ロック状態は解除される。このように、本実施例では、ユーザが片手でロックオブジェクトObを操作できるようにするために、ロックオブジェクトObが画面の下側中央に表示される。したがって、ユーザはロック状態の解除操作を片手で容易に行うことができる。また、ロックオブジェクトObに対するロック状態を解除するためのタッチ操作の方向が限定されないため、左右の手のどちらでも、ロック状態の解除操作を容易に行うことができる。
【0056】
なお、ロックオブジェクトObの移動距離が所定距離未満であったり、フリックの速度が遅かったりすると、ロック状態は解除されず、ロックアイコンObは元の場所に戻る。
【0057】
図5は、通知テーブルの構成の一例を示す図解図である。通知テーブルとは、ユーザに通知するための通知情報が記録されるテーブルである。通知情報は、不在着信が発生したとき、留守番電話機能によって音声が録音されたとき、またはメール機能によって新着メールを受信したとき、通知情報が発生した時刻とその内容とが通知テーブルに記録される。
【0058】
図5を参照して、通知テーブルには、通知情報が発生した時刻を記録する「時刻の列」、通知情報と対応する機能を記録する「機能の列」、通知情報の内容を記録する「内容の列」および通知情報の追加情報が記録される「追加情報の列」が含まれる。そして、追加テーブルの各行が1つの通知情報に対応する。
【0059】
たとえば、13時20分(13:20)および14時38分(14:38)に発生した通知情報は、「Ms.+++」からの着信に対して未応答(不在着信)であることを示し、追加情報として「Ms.+++」の電話番号が記録される。また、15時10分(15:10)に発生した通知情報は、差出人が「Mr.***」からのメール(件名「Hellow」)を受信したことを示し、追加情報として、そのメールの本文の一部(「What would…」)が記録される。
【0060】
なお、留守番電話機能によって相手の音声が録音された場合、録音時刻などが通知情報として通知テーブルに記録されると共に、追加情報として相手の電話番号が記録される。
【0061】
ここで、ロック状態が設定されている場合、通知テーブルに記録された通知情報はロック画面に表示される。図6を参照して、機能表示領域62には通知情報を表示する通知領域72が設けられる。そして、通知テーブルに1つの通知情報が記録されている場合、その通知領域72には、上記の通知情報に対応する通知情報N1が表示される。また、図7を参照して、通知テーブルに少なくとも3つ以上の通知情報が記録されている場合、通知領域72には、記録された順番が古い2つの通知情報N1,N2と、スクロールバーBを含むスクロール領域SCとが表示される。そして、各通知情報Nには、通知情報に対応するアイコンと、通知情報が発生した時刻と、通知情報の内容とが含まれる。なお、追加情報については、この時点では表示されない。
【0062】
また、図7に示すように、本実施例では、通知領域72に表示可能な通知情報の最大数は2つである。そのため、通知領域72に表示されているスクロール領域SCは、現時点で表示されていない通知情報N3が存在していることを示す。
【0063】
図8(A),(B)を参照して、スクロールバーBを下方向に移動させるタッチ操作がされると、通知領域72に表示される通知情報Nが更新される。ここでは、通知情報N1が表示されなくなり、代わりに通知情報N3が表示される。また、通知情報N2の表示位置は通知情報N1が表示されていた位置に変化する。このように、ロック状態であっても、通知情報の表示を更新するタッチ操作(スクロール操作)は受け付けられる。そのため、ユーザは、複数の通知情報Nが記録されていたとしても、ロック状態を解除することなく各通知情報Nを確認することができる。
【0064】
なお、他の実施例では、通知領域72の中で上下方向に移動させるタッチ操作が行われた場合、スクロールバーBが操作された場合と同じように、通知領域72に表示される通知情報Nが更新される。
【0065】
また、他の実施例のメール機能の通知情報Nには、受信時刻または発信者名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0066】
図9(A),(B)を参照して、ロックオブジェクトObをタッチしたまま、通知領域72内の任意の通知情報Nの表示領域内に指が移動され、所定時間(たとえば3秒)が経過すると、追加情報が表示される。たとえば、新着メールに対応する通知情報N3にタッチ位置が移動すると、通知テーブルに記録されている追加情報(新着メールの本文の一部)が読み出され、通知情報N3に代えて、通知領域72に内に表示される。また、追加情報が表示されると、枠やアイコンなどの線が太くなる。このように、ユーザは、ロック状態を解除することなく、通知情報Nの詳細な内容を確認することができる。なお、追加情報が表示される場合、文字やGUIなどが拡大表示されてもよい。
【0067】
また、図9(B)において、通知領域72の中でロックオブジェクトObの移動先が、通知情報N3の表示領域内であれば追加情報の表示は変化しないが、通知情報N2の表示領域内であれば、通知情報N2の追加情報が表示されるようになる。また、ロックオブジェクトObが通知領域72の外に出ると、追加情報の表示が消え、元の通知情報Nが表示される。
【0068】
ここで、本実施例では、通知情報Nの表示領域内にロックオブジェクトObを移動させた状態で指をリリースすると、ロック状態が解除されると共に、その通知情報Nに対応する機能が実行される。
【0069】
図10(A),(B)を参照して、通知情報N3は新着メールを通知するものであり、この通知情報N3が表示されている通知領域72内で指がリリースされると、通知情報N3に対応する新着メールがディスプレイ14に表示される。そして、ディスプレイ14の機能表示領域62には、受信メールの詳細が表示されると共に、新着メール(受信メール)に対して返信するための返信キー74が左下に表示される。つまり、ユーザは、必要であれば、表示されている受信メールに対して、返信することができる。
【0070】
このように、ユーザは、ロック画面に表示される通知情報Nを確認したときに、必要であればロック状態を解除すると共に、その通知情報Nに対応する機能を実行することができる。特に、ユーザは、追加情報によって対応する通知情報Nの詳細を確認してから、ロック状態を解除すると共に、その通知情報Nに対応する機能を実行させるかを判断することができる。
【0071】
また、ロックオブジェクトObにタッチされた後に、不在着信の通知情報N2の表示内にタッチ位置が含まれる場合、相手の電話番号が追加情報として表示される。そして、リリースされると、追加情報の電話番号に対して発呼できるよう、電話機能が実行される。つまり、ユーザは、ロック状態を解除する操作を省いて、不在着信に応答することができるようになる。
【0072】
さらに、留守番電話機能による通知情報Nがディスプレイ14に表示されている場合、その通知情報Nの表示には、音声が録音された時刻と相手の名前などが含まれる。そして、ロックオブジェクトObにタッチされた後に、留守番電話の通知情報Nの表示内にタッチ位置が含まれる場合、相手の電話番号が追加情報として表示され、リリースされると録音された音声が再生可能な状態で留守番電話機能が実行される。つまり、ロック状態を解除する操作を省いて、録音された音声を確認できるようになる。
【0073】
以上で実施例の特徴を概説したが、以下には、図11に示すメモリマップおよび図12,13に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
【0074】
図11を参照して、図2に示すRAM46には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302は、先に説明したように、フラッシュメモリ44(図2)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
【0075】
プログラム記憶領域302には、ロック状態を解除したり、ロック状態の解除と共に機能を実行したりするためのロック制御プログラム310などが含まれる。なお、プログラム記憶領域302には、電話機能、留守番電話機能およびメール機能などを実行するためのプログラムも含まれる。
【0076】
続いて、RAM46のデータ記憶領域304には、タッチバッファ330が設けられると共に、タッチ座標マップデータ332、GUIデータ334、GUI座標データ336、通知テーブルデータ338が記憶される。また、データ記憶領域304には、タッチフラグ340、ロックフラグ342および操作カウンタ344も設けられる。
【0077】
タッチバッファ330には、タッチパネル制御回路48が出力するタッチ座標のデータが記憶される。タッチ座標マップデータ332は、タッチ操作におけるタッチ座標と、ディスプレイ14の表示座標とを対応付けるためのデータである。つまり、タッチ座標マップデータ332に基づいて、タッチパネル16に対して行われたタッチ操作の結果が、ディスプレイ14の表示に反映される。
【0078】
GUIデータ334は、ロックオブジェクトOb、スクロールバーB、通知情報Nを表示するための画像や文字列などのGUIを表示するためのデータである。GUI座標データ336は、上述のGUIが表示されている座標位置を示すデータである。通知テーブルデータ338は、図5に示すように、通知情報に対して、その通知情報に対応する機能などが関連付けて記憶されているデータである。
【0079】
タッチフラグ340は、タッチパネル16に対してタッチされているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、タッチフラグ340は、1ビットのレジスタで構成される。タッチフラグ340がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、タッチフラグ340がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。なお、タッチフラグ340は、タッチパネル制御回路48が出力する信号に基づいてオン/オフが切り換えられる。
【0080】
また、ロックフラグ342は、ロック状態が設定されているか否かを示すためのフラグである。たとえば、ロックフラグ342は、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源をオフにする処理に応じてオンにされる。また、ロックフラグ342は、上述したロック制御プログラム310の処理に応じてオフにされる。そして、ロックフラグ342の構成は、タッチフラグ340と略同じであるため、構成についての詳細な説明は省略する。
【0081】
操作カウンタ344は、タッチ操作の時間を計測するためのカウンタである。また、操作カウンタ344は、タッチされた状態でタッチ位置が通知領域72の中に入ると、カウント(計測)を開始する。そのため、操作カウンタ344は、操作タイマと呼ばれることもある。
【0082】
なお、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0083】
プロセッサ30は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図12,図13に示すロック制御処理などを含む複数のタスクを並列的に処理する。
【0084】
ロック制御処理は、ロック状態が設定された状態(ロックフラグ340がオン)で、ディスプレイ14の電源がオンにされたときに、開始される。
【0085】
ステップS1では、プロセッサ30は、RTCから日時情報を取得すると共に、GUIデータ334に含まれるロックオブジェクトObの画像データを読み出して、ディスプレイ14の機能表示領域62に対して、図3に示すようなロック画面を表示する。
【0086】
続いて、ステップS3でプロセッサ30は、通知情報があるか否かを判断する。つまり、通知テーブルデータ338に通知情報が記録されているかが判断される。ステップS3で“NO”であれば、つまり通知情報が通知テーブルデータ338に記録されていなければ、ステップS11に進む。一方、ステップS3で“YES”であれば、たとえば図5に示すように、通知テーブルに通知情報が記録されていれば、プロセッサ30はステップS5で、通知情報を表示する。なお、ステップS5の処理を実行するプロセッサ30は表示処理部として機能する。
【0087】
続いて、図13のステップS11では、タッチ操作がされたか否かを判断する。つまり、タッチフラグ340がオンとなり、タッチバッファ330に格納されているタッチ座標が更新されたかが判断される。ステップS11で“NO”であれば、たとえばタッチ操作が行われなければ、ステップS11の処理が繰り返される。また、ステップS11で“YES”であれば、つまりタッチ操作がされると、プロセッサ30はステップS13で、ロックオブジェクトObがタッチされているか否かを判断する。つまり、GUI座標データ336からロックオブジェクトObの座標範囲を読み出し、タッチバッファ330に格納されている現在のタッチ位置を示すタッチ座標がその座標範囲に含まれているかを判断する。
【0088】
ステップS13で“NO”であれば、つまりロックオブジェクトObに対してタッチ操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS15で、スクロール操作か否かを判断する。つまり、GUI座標データ336に含まれるスクロールバーBの座標範囲に、タッチバッファ330に格納されている現在のタッチ位置を示すタッチ座標が含まれている状態で、スクロール方向(本実施例では、上下方向)にスライドするタッチ操作がされたかが判断される。
【0089】
ステップS15で“NO”であれば、つまりスクロール操作がされていなければ、ステップS11に戻る。また、ステップS15で“YES”であれば、つまりスクロール操作がされると、プロセッサ30はステップS17で通知情報の表示を更新し、ステップS11に戻る。たとえば、図8(A)に示すように、スクロールバーBを下に移動させるスクロール操作がされると、表示されていない通知情報を通知テーブルデータ338から読み出し、図8(B)に示すように更新する。
【0090】
ロックオブジェクトObにタッチされ、ステップS13で“YES”と判断されると、プロセッサ30はステップS19で、タッチ位置が通知領域の中か否かを判断する。つまり、通知領域72の座標範囲をGUI座標データ336から読み出し、タッチバッファ330に格納されている現在のタッチ位置を示すタッチ座標がその座標範囲に含まれているかを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまりタッチ位置が通知領域72の中に含まれていなければ、ステップS35に進む。
【0091】
ステップS19で“YES”であれば、たとえば図9(B)に示すように、現在のタッチ位置が通知情報N3を表示する通知領域72に含まれていれば、プロセッサ30はステップS21で時間の計測を開始する。つまり、操作カウンタ344によって時間の計測が開始される。続いて、プロセッサ30はステップS23で、所定時間が経過したか否かを判断する。つまり、操作カウンタ344によって所定時間が計測されたかが判断される。ステップS23で“NO”であれば、つまり操作カウンタ344によって所定時間が計測されていなければ、プロセッサ30はステップS23の処理を繰り返す。
【0092】
ステップS23で“YES”であれば、タッチ位置が通知領域72に入ってから所定時間が経過すると、プロセッサ30はステップS25で、通知領域72に追加情報を表示する。図9(B)に示すように、タッチ位置が通知情報N3の表示内に含まれていれば、通知テーブルデータ338から通知情報N3に対応する追加情報(「What would…」)を読み出し、その追加情報が通知情報N3に代えて表示される。なお、ステップS25の処理を実行するプロセッサ30は追加情報表示部として機能する。
【0093】
続いて、ステップS27では、タッチ位置が通知領域72の外に出たか否かを判断する。つまり、GUI座標データ336に含まれる通知領域72の座標範囲に、タッチバッファ330に格納されている現在のタッチ位置を示すタッチ座標が含まれていないかが判断される。ステップS27で“YES”であれば、たとえばスライドによってユーザの指が通知領域72に外に出ると、ステップS19に戻る。また、ステップS19に戻る場合、追加情報の表示が消え、元の通知情報が表示される。
【0094】
また、ステップS27で“NO”であれば、たとえば通知領域72から出ていなければ、プロセッサ30はステップS29でリリースされたか否かを判断する。つまり、タッチ位置が通知領域72の中に含まれている状態でリリースされたか否かを判断する。なお、ステップS29の処理を実行するプロセッサ30は判断部として機能する。
【0095】
ステップS29で“NO”であれば、つまりリリースされていなければ、プロセッサ30はステップS27に戻る。一方、ステップS29で“YES”であれば、つまり通知情報Nの表示内でリリースされると、プロセッサ30は、ステップS31でロックフラグ342をオフにし、ステップS33で通知情報Nに対応する機能を実行する。そして、ステップS33の処理が終了すれば、プロセッサ30はロック制御処理を終了する。たとえば、図10(A),(B)に示すように、新着メールを通知する通知情報N3の表示内でリリースされると、ステップS33ではメール機能を実行して、新着メールをディスプレイ14に表示する。なお、ステップS31,S33の処理を実行するプロセッサ30は実行部として機能する。
【0096】
ここで、ステップS19で“NO”であれば、つまりロックオブジェクトObにタッチした後に、タッチ位置が通知領域72に含まれていなければ、プロセッサ30はステップS35で、解除操作がされたか否かを判断する。たとえば、ロックオブジェクトObに対して、画面の外へ弾き出すフリックのタッチ操作、またはロックオブジェクトObを所定距離以上動かすスライドのタッチ操作がされたかを判断する。ステップS35で“NO”であれば、たとえば何も表示されていないところにタッチされると、プロセッサ30はステップS1に戻り、ロック画面を再び表示する。なお、ロックオブジェクトObの移動距離が所定距離未満だったり、フリックの速度が遅かったりしても、ステップS5では“NO”と判断され、再びロック画面が表示されるため、ロックオブジェクトObの表示位置は元の位置に戻る。また、ステップS35で“YES”であれば、つまりロック状態の解除操作がされると、プロセッサ30は、ステップS37でロックフラグ340をオフにし、ステップS39で待機画面を表示して、ロック制御処理を終了する。つまり、解除操作がされると、ロック状態が解除され、ディスプレイ14の機能表示領域62には、図4(C)に示すような待機画面が表示される。
【0097】
このように、本実施例では、以上の処理が実行されるため、ユーザは、タッチ操作によって所定機能を容易に実行することができる。
【0098】
なお、本実施例の携帯電話機10は、メール機能以外にも、ショートメッセージサービス(SMS)機能、メッセージの投稿(アップロード)および閲覧を行うための第1ブログ機能およびメッセージの文字数が制限される第2ブログ機能を実行することができる。そして、メール機能、ショートメッセージ機能、第1ブログ機能および第2ブログ機能は、まとめて「メッセージ機能」と呼ばれることがある。
【0099】
たとえば、ショートメッセージサービス機能によってメッセージを受信した場合、通知テーブルには、通知情報として新着メッセージの受信時刻と発信者名とが記録さると共に、追加情報として新着メッセージの本文の一部が記録される。また、ディスプレイ14に表示される新着メッセージの通知情報Nには、新着メールの通知情報N3と同様、受信時刻と発信者名とが含まれる。そして、ロックオブジェクトObにタッチした後に通知情報Nにタッチ位置が含まれると新着メッセージの本文の一部が追加情報として表示され、リリースされるとロック状態が解除されると共に、新着メッセージの詳細が表示されるようにショートメッセージ機能が実行される。このように、本実施例では、メール機能やショートメッセージ機能によってメッセージを受信すれば、ロック状態を解除することなく、返信することができる。なお、他の実施例では、ショートメッセージサービス機能の通知情報Nには、着信時刻または発信者名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0100】
また、図14(A)−(C)を参照して、投稿した記事に対して、新着コメントが投稿されたことを受信すると、通知テーブルには、通知情報として投稿された記事に対する、新着コメントの投稿時間と投稿者名とが記録されると共に、追加情報として新着コメントの一部が記録される。また、第1ブログ機能における新着コメントの通知情報N4には、投稿時刻(15:25)と投稿者名(XXX)とが含まれる。そして、ロックオブジェクトObにタッチされた後に通知情報N4の表示内にタッチ位置が移動すると新着コメントの一部(Thank you!)が表示され、リリースされるとロック状態が解除されると共に、新着コメントが表示されるように第1ブログ機能が実行される。なお、他の実施例では、第1ブログ機能の通知情報Nには、投稿時刻または投稿者名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0101】
さらに、図15(A)−(C)を参照して、第2ブログ機能においてコメントが投稿されたことを受信すると、通知テーブルには、通知情報としてコメントの投稿時刻と投稿者名が登録されると共に、コメントの一部が追加情報として記録される。また、第2ブログ機能におけるコメントの通知情報N5には、投稿時刻(15:30)と投稿者名(Weather News)とが含まれる。そして、ロックオブジェクトObが通知情報N5の表示領域内に移動されるとコメントの一部(Today’s weather)が表示され、ロックオブジェクトObから指がリリースされるとロック状態が解除されると共に、投稿されたコメントが表示されるよう、第2ブログ機能が実行される。なお、他の実施例では、第2ブログ機能の通知情報Nには、投稿時刻または投稿者名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0102】
このように、本実施例では、第1ブログ機能または第2ブログ機能を利用したコミュニケーションの利便性を、向上させることができる。そして、ロック画面には、様々な機能の通知情報Nを表示することができる。
【0103】
<第2実施例>
第2実施例では、ロック状態に表示される通知情報Nをシークレット表示に切り替える。以下、第2実施例について説明するが、上記のこと以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。通知情報Nをシークレット表示に切り替えることで、ロック画面に表示される通知情報Nのセキュリティ性を向上させることができる。
【0104】
図16(A)−(C)を参照して、ロックオブジェクトObにタッチされた後、通知領域72を下から上に超えるタッチ操作(シークレット操作)が行われると、シークレットモードが設定され、各通知情報Nがシークレット表示に切り替わる。たとえば、不在着信の通知情報N2がシークレット表示に切り替わると、相手の名前に代えて、代わりに不在着信の通知であることを示す文字列(たとえば、「Missed call」)が表示される。また、新着メールの通知情報N3であれば、新着しメールの発信者名が表示されなくなる。
【0105】
ただし、シークレットモードでは、ロックオブジェクトObに立ちされた後に、タッチ位置が通知情報Nの表示内に入っても追加情報は表示されない。また、リリースされても、ロック状態が解除されると共に、通知情報Nに対応する機能が実行されることもない。
【0106】
なお、シークレットモードでシークレット操作が再び行われると、シークレットモードが解除される。また、他の実施例では、シークレットモードでは、通常の解除操作が行われれば、ロック状態が解除されてもよい。また、3つ以上の通知情報が通知テーブルに記録されている場合は、シークレットモードであっても、スクロール操作が有効に処理されてもよい。
【0107】
図17は第2実施例のロック制御処理の一部のフロー図である。なお、図17のフロー図において、第1実施例と同じステップについては図示を省略する。
【0108】
ロック制御処理のステップS19で“NO”と判断されると、プロセッサ30はステップS51で、シークレット操作か否かを判断する。つまり、図16(A),(B)に示すようなシークレット操作がされたかが判断される。ステップS51で“NO”であれば、つまりシークレット操作がされていなければ、ステップS35に進む。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまりシークレット操作がされると、プロセッサ30はステップS53で、通知情報をシークレット表示に切り替える。たとえば、図16(C)に示すように、相手の名前が通知情報Nに含まれないようにする。続いて、ステップS55では、シークレットの解除操作か否かを判断する。たとえば、再びシークレット操作がされたかが判断される。ステップS55で“NO”であれば、つまりシークレットの解除操作がされなければ、プロセッサ30はステップS55の処理を繰り返す。
【0109】
一方、ステップS55で“YES”であれば、つまりシークレットの解除操作がされると、プロセッサ30はステップS57で通知情報を通常表示に切り替えて、ステップS11に戻る。たとえば、図16(C)のようにシークレット表示された通知情報N2,N3が、図16(A)の状態に戻る。
【0110】
<第3実施例>
第3実施例では、ロック画面に表示されている複数の通知情報Nを、カテゴリ別に分類して表示する。以下、第3実施例について説明するが、上記のこと以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。複数の通知情報Nをカテゴリ別に分けて表示することで、ユーザは必要な通知情報Nを容易に見つけることができるようになる。
【0111】
図18(A)−(C)を参照して、第3実施例のロック画面には、日時表示70および複数の通知情報Nに加えて、複数のカテゴリアイコンCが表示される。複数のカテゴリアイコンCには、全カテゴリアイコンCa、電話カテゴリアイコンCb、メールカテゴリアイコンCc、ショートメッセージカテゴリアイコンCd、第1ブログカテゴリアイコンCeおよび第2ブログカテゴリアイコンCfが含まれる。そして、ユーザは任意のカテゴリアイコンCにタッチ操作を行うことで、複数の通知情報Nを、任意のカテゴリアイコンCに対応するカテゴリに分類して、表示することができる。
【0112】
ただし、初期状態では、全ての通知情報Nが表示されているため、全カテゴリアイコンCaが選択されている状態になる。
【0113】
たとえば、図18(B),(C)に示すように、電話カテゴリアイコンCbに対してタッチ操作がされると、通知テーブルから電話機能に対応する不在着信および留守番電話の通知情報が抽出され、通知情報N1,N2が通知領域72に表示される。また、電話カテゴリアイコンCbに対してタッチ操作がされると、電話カテゴリアイコンCbの表示が反転する。つまり、複数の通知情報が電話機能に対応して分類されていることが分かる。
【0114】
図19は第3実施例のロック制御処理の一部のフロー図である。ただし、図19のフロー図において、第1実施例と同じステップについては図示を省略する。
【0115】
ロック制御処理のステップS15で“NO”であれば、つまりスクロール操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS61で、カテゴリアイコンCにタッチ操作がされたか否かを判断する。たとえば、図18(B)に示すように、カテゴリアイコンCに対してタッチ操作がされたかが判断される。ステップS61で“NO”であれば、つまりカテゴリアイコンCに対してタッチ操作がされていなければ、ステップS11に戻る。一方、ステップS61で“YES”であれば、たとえば電話カテゴリアイコンCbに対してタッチ操作がされると、プロセッサ30はステップS63で、通知情報Nをカテゴリ別に表示し、ステップS11に戻る。つまり、電話カテゴリアイコンCbにタッチ操作がされた場合、通知テーブルから不在着信および留守番電話の通知情報が抽出され、抽出された通知情報が通知領域72に表示される。
【0116】
なお、第3実施例では、ロックオブジェクトObにタッチされた後に、機能に対応するカテゴリアイコンCがロックオブジェクトObによって選択された後にリリースされると、ロック状態が解除されると共に、選択されたカテゴリアイコンCに対応する機能が実行されてもよい。
【0117】
<第4実施例>
第4実施例では、通知領域72に表示される通知情報Nに代えて、通知情報としてタスクアイコンTaがディスプレイ14に表示される。以下、第4実施例について説明するが、上記のこと以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
【0118】
図20(A)を参照して、メール機能のタスクアイコンTaがディスプレイ14に表示される。このタスクアイコンTaは、たとえば携帯電話機10が新着メールを受信すると、状態表示領域60に表示される。そして、図20(B),(C)を参照して、ロック状態が設定されているときに、ユーザがロックオブジェクトObにタッチ操作を行い、そのロックオブジェクトObによってメール機能のタスクアイコンTaを選択した後に指をリリースすれば、新着メールを含む受信メールの一覧が機能表示領域62に表示される。このように、ユーザは、従来の携帯電話機でも利用されているタスクアイコンTaを利用して、ロック状態を解除すると共に、そのタスクアイコンTaに関する機能を実行することができる。
【0119】
また、図20(B)に示すように、ロックオブジェクトObによってタスクアイコンTaを選択すると、タスクアイコンTaが選択されていることを明確にするために、タスクアイコンTaの表示が拡大される。
【0120】
また、他の実施例では、電話機能の不在着信を示すタスクアイコンTaなどが、状態表示領域60に表示されてもよい。たとえば、電話機能の不在着信に対応するタスクアイコンTaに対して上述の操作がされ、電話機能が実行されると、不在着信を含む着信履歴が機能表示領域62に表示される。
【0121】
なお、第1実施例から第4実施例は、任意に組み合わせることが可能であり、具体的な組み合わせについては容易に想像できるので、詳細な説明は省略する。
【0122】
また、他の実施例では、ロック状態の解除操作がされるとパスワードの入力を求めるセキュリティ画面が表示される、セキュリティ設定がされていてもよい。たとえば、ロックオブジェクトObに対して解除操作がされると、ディスプレイ14には、図21に示すセキュリティ画面が表示される。そして、セキュリティ画面で正しいパスワードが入力されると、図4(C)に示す待機画面がディスプレイ14に表示される。ただし、誤ったパスワードが入力された場合は、パスワードの再入力が求められる。
【0123】
図22を参照して、セキュリティ設定がされている場合、ロック制御処理のステップS37でロックフラグ342がオフにされると、ステップS71でプロセッサ30は、セキュリティ設定がされているか否かを判断する。つまり、セキュリティ設定に対応するフラグがオンであるかが判断される。ステップS71で“NO”であれば、つまりセキュリティ設定がされていなければ、プロセッサ30はステップS39に進み、待機画面を表示する。一方、ステップS71で“YES”であれば、つまりセキュリティ設定がされている場合、プロセッサ30は、ステップS73でセキュリティ画面を表示し、ステップS75でパスワードが正しいか否かを判断する。つまり、図21に示すセキュリティ画面がディスプレイ14に表示され、その画面で入力されたパスワードが正しいかが判断される。ステップS75で“NO”であれば、つまり入力されたパスワードが誤っていれば、プロセッサ30はステップS73に戻る。一方、ステップS75で“YES”であれば、つまり入力されたパスワードが正しければ、プロセッサ30はステップS39で待機画面を表示する。そして、セキュリティ設定がされている場合、通知情報Nの表示領域内にロックオブジェクトObが含まれている状態でリリースされた後にも、上述のセキュリティ画面が表示される。そのため、他の実施例のロック制御処理では、ステップS31とステップS33との間にも、ステップS71−S75と同様のステップが追加される。
【0124】
また、その他の実施例では、通知情報Nは、ユーザが携帯電話機10に操作を行ったときに表示されてもよい。たとえば、ディスプレイ14の電源をオンにする操作がされたとき、通知テーブルに通知情報が記録されていても、この時点では、ディスプレイ14には通知情報Nが表示されない。そして、ユーザがメニューキー26を操作すれば、通知テーブル記録されている通知情報が、ディスプレイ14に表示される。
【0125】
また、ロックオブジェクトObによって通知情報Nの表示内容が隠れないようにするために、通知情報Nの表示領域内に移動したロックオブジェクトObは縮小されてもよい。また、通知情報Nの表示領域内にロックオブジェクトObが移動すれば、その通知情報Nが、拡大表示されてもよい。
【0126】
また、ロックオブジェクトObに対してタッチ操作が行われているときに電話着信が発生すると、ロックオブジェクトObの表示が消去されると共に、電話着信応答画面が表示される。この電話着信応答画面には、ロック状態を解除すると共に、電話着信に応答するための着信応答オブジェクトが含まれる。そして、着信応答オブジェクトに対して、ロックオブジェクトObに対する解除操作と同様の操作が行われると、通話が開始される。
【0127】
また、通知情報を記録する機能には、音楽プレーヤ機能などが含まれていてもよい。たとえば、音楽プレーヤ機能の通知情報は、ロック状態で再生されている音楽の曲名や再生時間などを含み、追加情報はアーティスト情報、ジャケット画像などを含む。
【0128】
また、他の実施例では、Facebook(登録商標)やMixi(登録商標)などのSNS(Social Network Service)に対応する機能が、通知情報を記録する機能に含まれていてもよい。そして、この場合、上記機能の通知情報として、上述した第1ブログ機能および第2ブログ機能に対応する通知情報Nがロック画面に表示される。
【0129】
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の携帯端末にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0130】
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0131】
10 … 携帯電話機
14 … ディスプレイ
16 … タッチパネル
30 … プロセッサ
40 … 入力装置
44 … フラッシュメモリ
46 … RAM
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末、携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法に関し、特にロック状態を設定することができる、携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロック状態を設定することができる携帯端末の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の携帯端末装置では、ダブルタップする操作などのジェスチャが動作場面ごとに登録される。そして、タッチパネルの動作が停止しているときに、タッチパネルに対して、動作場面に応じたジェスチャが行われると、タッチパネルが停止状態から正常動作に復帰する。
【特許文献1】特開平11-203045号公報[G06F 3/033, G06F 3/00, H04Q 7/38, H04M 1/02, H04M 1/23]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の携帯端末装置では、ユーザは、複数の動作場面を登録する場合、複数の動作場面と、それらに対応するジェスチャとを全て記憶しなければならない。そして、ユーザがタッチパネルを停止状態から正常動作に復帰させるときに、ジェスチャと動作場面との対応関係を忘れてしまうと、ユーザは携帯端末装置を思った通りに操作できなくなってしまう。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、ユーザがタッチ操作により所定機能を容易に実行することができる、携帯端末、ロック制御プログラムおよびロック制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、表示部、表示部に設けられるタッチパネルおよびタッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末であって、所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部、ロック状態が設定されているとき、ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクトと、通知情報とを表示部の表示領域に表示する表示処理部、通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する判断部、および通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する実行部を備える、携帯端末である。
【0008】
第1の発明では、携帯端末(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)は、表示部(14)に設けられたタッチパネル(16)およびタッチ操作を検出する検出部(48)を有する。また、ロック状態が設定されると、表示部にはロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクト(Ob)が表示され、タッチ操作に基づく所定の処理が実行されないようになる。記憶部(46)は、たとえばメール機能によって受信した新着メールを通知するための通知情報を記憶する。表示処理部(30,S5)は、たとえばロック状態が設定されているときに表示部の電源がオンにされると、上述したメール機能の通知情報(N,Ta)を表示する。判断部(30,S29)は、オブジェクトの表示にタッチされた後に、通知情報を表示する表示領域にそのオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する。そして、実行部(30,S31,S33)は、このようなタッチ操作が行われると、ロック状態を解除すると共に、リリースされた表示領域に表示されている通知情報に関連する機能を実行する。
【0009】
第1の発明によれば、ユーザは、ロック画面に表示される通知情報を確認したときに、必要であればロック状態を解除すると共に、その通知情報に対応する機能を実行することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、通知情報を表示する表示領域にオブジェクトが移動されたとき、その通知情報に対応する追加情報を表示する追加情報表示部をさらに備える。
【0011】
第2の発明では、追加情報表示部(30,S25)は、たとえば通知情報が新着メールを通知している場合、追加情報として新着メールの本文の少なくとも一部が表示される。
【0012】
第2の発明によれば、ユーザは、追加情報によって対応する通知情報の詳細を確認してから、ロック状態を解除すると共に、その通知情報に対応する機能を実行させるかを判断することができる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明に従属し、所定機能は、メッセージの送受信および閲覧を行うメッセージ機能を含み、メッセージ機能に対応する通知情報は、少なくとも、メッセージ機能によってメッセージが発信された時刻または発信者名のいずれか一方を含み、メッセージ機能に対応する通知情報の追加情報は、メッセージの本文の少なくとも一部を含み、実行部は、メッセージの詳細が表示部に表示されるよう、メッセージ機能を実行する。
【0014】
第3の発明では、メッセージ機能は、メールや、投稿用の記事などのメッセージを送受信したり、閲覧したりするための機能である。たとえば、メッセージが受信されると、そのときの時刻などがメッセージ機能に対応する通知情報として記憶される。また、受信されたメッセージの一部が、通知情報の追加情報として記憶される。そして、実行部は、受信されたメッセージの詳細が表示されるよう、メッセージ機能を実行する。
【0015】
第4の発明は、第3の発明に従属し、メッセージ機能は、メール機能を含み、メール機能に対応する通知情報は、少なくとも、新着メールの受信時刻または発信者名のいずれか一方を含み、メール機能に対応する通知情報の追加情報は、新着メールの本文の少なくとも一部を含み、実行部は、新着メールが返信可能に表示されるよう、メール機能を実行する。
【0016】
第5の発明は、第3の発明または第4の発明に従属し、メッセージ機能は、ショートメッセージサービス機能を含み、ショートメッセージ機能に対応する通知情報は、少なくとも、新着メッセージの着信時刻または発信者名のいずれか一方を含み、ショートメッセージ機能に対応する通知情報の追加情報は、新着メッセージの本文の少なくとも一部を含み、実行部は、新着メッセージが返信可能に表示されるよう、ショートメッセージ機能を実行する。
【0017】
第3の発明、第4の発明および第5の発明によれば、メール機能やショートメッセージ機能によってメッセージを受信すれば、ロック状態を解除することなく、返信することができる。
【0018】
第6の発明は、第3の発明ないし第5の発明のいずれに従属し、メッセージ機能は、ブログ機能を含み、ブログ機能に対応する通知情報は、少なくとも、ブログ機能によって投稿した記事に対する新着コメントの投稿時刻または投稿者名のいずれか一方を含み、ブログ機能に対応する通知情報の追加情報は、新着コメントの少なくとも一部を含み、実行部は、新着コメントが表示されるよう、ブログ機能を実行する。
【0019】
第6の発明によれば、ブログ機能を利用したコミュニケーションの利便性を向上させることができる。
【0020】
第7の発明は、第2の発明ないし第6の発明のいずれかに従属し、所定機能は、電話機能を含み、電話機能に対応する通知情報は、不在着信の着信情報を含み、電話機能に対応する通知情報の追加情報は、不在着信の電話番号を含み、実行部は、電話番号に対して発信可能な状態で電話機能を実行する。
【0021】
第7の発明によれば、ロック状態を解除する操作を省いて、不在着信に応答することができるようになる。
【0022】
第8の発明は、表示部(14)、表示部に設けられるタッチパネル(16)、タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部(48)および所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部(46)を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末(10)のプロセッサ(30)を、ロック状態が設定されているとき、ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクト(Ob)と、通知情報(N,Ta)とを表示部の表示領域に表示する表示処理部(S5)、通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する判断部(S29)、および通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する実行部(S31,S33)として機能させる、ロック制御プログラムである。
【0023】
第8の発明でも、第1の発明と同様、ユーザは、ロック画面に表示される通知情報を確認したときに、必要であればロック状態を解除すると共に、その通知情報に対応する機能を実行することができる。
【0024】
第9の発明は、表示部(14)、表示部に設けられるタッチパネル(16)、タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部(48)および所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部(46)を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末(10)のロック制御方法であって、ロック状態が設定されているとき、ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクト(Ob)と、通知情報(N,Ta)とを表示部の表示領域に表示し(S5)、通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断し(S29)、そして通知情報を表示する表示領域にオブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する(S31,S33)、ロック制御方法である。
【0025】
第9の発明でも、第1の発明と同様、ユーザは、ロック画面に表示される通知情報を確認したときに、必要であればロック状態を解除すると共に、その通知情報に対応する機能を実行することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、ユーザは、タッチ操作により所定機能を容易に実行することができる。
【0027】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機を示す外観図である。
【図2】図2は図1に示す携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに表示されるロック画面の一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示す携帯電話機に設定されているロック状態を解除するときの操作の一例を示す図解図であり、図4(A)は図3に示すロックオブジェクトに対して行われるタッチ操作の方向を示しており、図4(B)はロックオブジェクトが画面の外へ移動した状態の表示例であり、図4(C)は待機画面の表示例を示す。
【図5】図5は図2に示すRAMに記憶される通知テーブルデータの構成の一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すディスプレイに表示される、通知情報を含むロック画面の一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すディスプレイに表示される、複数の通知情報を含むロック画面の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図7に示す複数の通知情報を変更する操作の一例を示す図解図であり、図8(A)は図7に示すスクロールバーに対して行われるタッチ操作を示しており、図8(B)は他の通知情報の表示例を示す。
【図9】図9は図8(B)に示す通知情報において追加情報を表示する操作の一例を示す図解図であり、図9(A)は図8(B)に示すロックオブジェクトに対するタッチ操作を示しており、図9(B)は図8(B)に示す通知情報の表示に対するタッチ操作を示す。
【図10】図10は図8(B)に示す通知情報に対応する機能が実行されるときの画面遷移の一例を示す図解図であり、図10(A)は図9(B)に示す状態からリリースされた状態を示し、図10(B)はメール機能のGUIの表示例を示す。
【図11】図11は図2に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図12】図12は図2に示すプロセッサのロック制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
【図13】図13は図2に示すプロセッサのロック制御処理の他の一部の一例であって、図12に後続するフロー図である。
【図14】図14は図1に示すディスプレイに表示される、通知情報を含むロック画面の他の一例およびその通知情報に対応する機能が実行されたときの表示例を示す図解図であり、図14(A)は第1ブログ機能の通知情報を含むロック画面の表示例を示し、図14(B)は図14(A)に示す通知情報の追加情報を示す表示例であり、図14(C)は第1ブログ機能のGUIの表示例を示す。
【図15】図15は図1に示すディスプレイに表示される、通知情報を含むロック画面のその他の一例およびその通知情報に対応する機能が実行されたときの表示例を示す図解図であり、図15(A)は第2ブログ機能の通知情報を含むロック画面の表示例を示し、図15(B)は図15(A)に示す通知情報の追加情報を示す表示例であり、図15(C)は第2ブログ機能のGUIの表示例を示す。
【図16】図16は図1に示すディスプレイに表示される通知情報をシークレット表示に切り替える操作の一例を示す図解図であり、図16(A)は図8(B)に示す通知領域に対して行われるタッチ操作の方向と距離を示し、図16(B)は図16(A)に示す方向と距離でタッチ操作が行われた状態を示し、図16(C)は図16(A)に示す通知情報がシークレット表示に切り替えられた状態を示す。
【図17】図17は図2に示すプロセッサの第2実施例のロック制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
【図18】図18は図1に示すディスプレイに表示される通知情報をカテゴリ別に表示する操作の一例を示す図解図であり、図18(A)はカテゴリアイコンが表示されるロック画面の一例を示し、図18(B)は図18(A)に示すカテゴリアイコンに対してタッチ操作が行われている状態を示し、図18(C)はカテゴリ別に分類された複数の通知情報の表示例を示す。
【図19】図19は図2に示すプロセッサの第3実施例のロック制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
【図20】図20は図1に示すディスプレイに表示される、通知情報を含むロック画面のさらにその他の一例およびその通知情報に対応する機能が実行されたときの表示例を示す図解図であり、図20(A)はタスクアイコンを含むロック画面の一例を示し、図20(B)は図20(A)に示すタスクアイコンに対してタッチ操作が行われている状態を示し、図20(C)はメール機能のGUIの他の表示例を示す。
【図21】図21は図1に示すディスプレイに表示されるセキュリティ画面の一例を示す図解図である。
【図22】図22は図2に示すプロセッサの他の実施例のロック制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施例>
図1を参照して、この発明の一実施例の携帯電話機10は、一例としてスマートフォン(smart phone)であり、縦長の扁平矩形のハウジング12を含む。ただし、この発明は、タブレット端末、PDAなど任意の携帯端末に適用可能であることを予め指摘しておく。
【0030】
ハウジング12の一方主面(表面)には、表示部として機能する、たとえば液晶や有機ELなどのディスプレイ14が設けられる。ディスプレイ14の上には、タッチパネル16が設けられる。したがって、この実施例の携帯電話機10では、後述のハードキーの操作によるものを除く大部分の入力操作は、このタッチパネル16を介して行われる。
【0031】
ハウジング12の縦方向一端の表面側にスピーカ18が内蔵され、縦方向他端の表面側にマイク20が内蔵される。
【0032】
タッチパネル16と共に、入力操作手段を構成するハードキーとして、この実施例では、通話キー22、終話キー24およびメニューキー26が設けられる。
【0033】
たとえば、ユーザは、ディスプレイ14に表示されたダイヤルキーに対して、タッチパネル16によってタッチ操作を行うことで電話番号を入力でき、通話キー22を操作して音声通話を開始することができる。終話キー24を操作すれば、音声通話を終了することができる。なお、この終話キー24を長押しすることによって、携帯電話機10の電源をオン/オフすることができる。
【0034】
また、メニューキー26を操作すれば、ディスプレイ14にメニュー画面が表示され、その状態でディスプレイ14に表示されているソフトキーやメニューアイコンなどに対して、タッチパネル16によるタッチ操作を行うことによってメニューを選択し、その選択を確定させることができる。
【0035】
図2を参照して、図1に示す実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ30などを含む。プロセッサ30には、無線通信回路32、A/D変換器36、D/A変換器38、入力装置40、表示ドライバ42、フラッシュメモリ44、RAM46およびタッチパネル制御回路48などが接続される。
【0036】
プロセッサ30は、携帯電話機10の全体制御を司る。記憶部として機能するRAM46には、フラッシュメモリ44に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ30はこのRAM46上のプログラムに従って動作する。なお、RAM46はさらに、プロセッサ30のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。
【0037】
入力装置40は、図1に示すタッチパネル16、ハードキー22、24および26を含むものであり、操作部または入力部を構成する。ユーザが操作したハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ30に入力される。
【0038】
無線通信回路32は、アンテナ34を通して、音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路32は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、ユーザが入力装置40を操作して電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路32は、プロセッサ30の指の下、電話発信処理を実行し、アンテナ34を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は通話処理を実行する。
【0039】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ34によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路32によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器38によって音声信号に変換された後、スピーカ18から出力される。一方、マイク20を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器36によって音声データに変換された後、プロセッサ30に与えられる。音声データには、プロセッサ30の指示の下、無線通信回路32によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ34を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0040】
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ34によって受信されると、無線通信回路32は、電話着信(着呼)をプロセッサ30に通知する。これに応じて、プロセッサ30は、表示ドライバ42を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)をディスプレイ14に表示する。また、これらの処理に伴い、プロセッサ30は、スピーカ18から着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
【0041】
そして、ユーザが入力装置40に含まれる通話キー22(図1)を用いて応答操作を行うと、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、通話状態確立処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は上述した通常の通話処理を実行する。
【0042】
また、通話可能状態に移行した後に入力装置40に含まれる終話キー24(図1)によって通話終了操作が行われると、プロセッサ30は、無線通信回路32を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ30は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ30は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ30は通話処理を終了する。
【0043】
A/D変換器36には図1に示すマイク20が接続され、上述のようにマイク20からの音声信号はこのA/D変換器36を通してディジタルの音声データとしてプロセッサ30に入力される。D/A変換器38にはスピーカ18が接続される。D/A変換器38は、ディジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ18に与える。したがって、音声データの音声がスピーカ18から出力される。
【0044】
なお、プロセッサ30は、たとえばユーザによるボリュームの操作に応答して、D/A変換器38に接続されるアンプの増幅率を制御することによって、スピーカ18から出力される音声の音量を調整することができる。
【0045】
表示ドライバ42には図1に示すディスプレイ14が接続され、したがって、ディスプレイ14はプロセッサ30から出力される映像または画像データに従って映像または画像を表示する。つまり、表示ドライバ42は、プロセッサ30の指示の下、当該表示ドライバ42に接続されたディスプレイ14の表示を制御する。また、表示ドライバ42は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含む。ディスプレイ14には、たとえばLEDなどを光源とするバックライトが設けられており、表示ドライバ42はプロセッサ30の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
【0046】
タッチパネル制御回路48には、図1に示すタッチパネル16が接続される。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル16に対するユーザによるタッチの開始を示すタッチ開始信号、ユーザによるタッチの終了を示す終了信号、およびユーザがタッチしたタッチ位置を示す座標データをプロセッサ30に入力する。したがって、プロセッサ30はこの座標データに基づいて、そのときユーザがどのアイコンやキーにタッチしたかを判断することができる。
【0047】
実施例では、タッチパネル16は、指などの物体が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式で、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル16に触れたことを検出する。また、タッチパネル16は、ディスプレイ14の上に設けられ、その画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。タッチパネル制御回路48は検出部として機能し、タッチパネル16のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ30に出力する。つまり、ユーザは、タッチパネル16の表面をタッチ、スライドおよびリリースすることによって、操作位置や、操作方向などを携帯電話機10に入力する。
【0048】
なお、タッチパネル16の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
【0049】
また、詳細な説明は省略するが、携帯電話機10は、電話機能には、着信したまま一定時間が経過した場合、自動応答を行い、相手のメッセージを録音する留守番電話機能が含まれる。さらに、携帯電話機10は、ネットワークと通信することで、メール機能を実行することができる。
【0050】
なお、上で説明した無線通信回路32、A/D変換機34およびD/A変換機36はプロセッサ30に含まれていてもよい。
【0051】
携帯電話機10は、上述した各機能などがタッチ操作によって実行されないようにするロック機能を有している。たとえば、終話キー24が操作されると、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされると共にロック状態が設定される。そして、終話キー24が操作されると、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオンとなり、図3に示すロック画面が表示され、ロック状態の解除操作が受け付けられるようになる。
【0052】
なお、本実施例のロック状態では、ロック画面が表示されるまでは、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされているため、携帯電話機10の消費電力が抑えられる。ただし、他の実施例では、タッチパネル16の電源をオフにすることなく、プロセッサ30が入力されたタッチ操作を無視するように処理することで、タッチ操作を無効にしてもよい。
【0053】
図3を参照して、ロック画面を表示するディスプレイ14の表示範囲は、状態表示領域60および機能表示領域62を含む。状態表示領域60には、アンテナ34による電波受信状態を示すアイコン(ピクト)、二次電池の残電池容量を示すアイコンおよび日時が表示される。また、機能表示領域62には、現在日時70が表示されると共に、ロックオブジェクトObが下側中央に表示される。そして、ロックオブジェクトObの表示位置は、ユーザの指の位置、つまり現在のタッチ位置に合わせて変化する。
【0054】
ここで、ロックオブジェクトObに対して所定のタッチ操作が行われると、ロック状態が解除される。
【0055】
たとえば、図4(A)を参照して、ロックオブジェクトObの移動距離が所定距離以上となるように指がスライドされ、リリースされると、図4(B)に示すように、ロックオブジェクトObの表示が消える。そして、ロックオブジェクトObの表示が消えると、ディスプレイ14の状態表示領域62には、図4(C)に示す待機画面が表示される。また、ロックオブジェクトOに対して所定速度以上で指を弾くタッチ操作(フリック)が行われた場合も、ロック状態は解除される。このように、本実施例では、ユーザが片手でロックオブジェクトObを操作できるようにするために、ロックオブジェクトObが画面の下側中央に表示される。したがって、ユーザはロック状態の解除操作を片手で容易に行うことができる。また、ロックオブジェクトObに対するロック状態を解除するためのタッチ操作の方向が限定されないため、左右の手のどちらでも、ロック状態の解除操作を容易に行うことができる。
【0056】
なお、ロックオブジェクトObの移動距離が所定距離未満であったり、フリックの速度が遅かったりすると、ロック状態は解除されず、ロックアイコンObは元の場所に戻る。
【0057】
図5は、通知テーブルの構成の一例を示す図解図である。通知テーブルとは、ユーザに通知するための通知情報が記録されるテーブルである。通知情報は、不在着信が発生したとき、留守番電話機能によって音声が録音されたとき、またはメール機能によって新着メールを受信したとき、通知情報が発生した時刻とその内容とが通知テーブルに記録される。
【0058】
図5を参照して、通知テーブルには、通知情報が発生した時刻を記録する「時刻の列」、通知情報と対応する機能を記録する「機能の列」、通知情報の内容を記録する「内容の列」および通知情報の追加情報が記録される「追加情報の列」が含まれる。そして、追加テーブルの各行が1つの通知情報に対応する。
【0059】
たとえば、13時20分(13:20)および14時38分(14:38)に発生した通知情報は、「Ms.+++」からの着信に対して未応答(不在着信)であることを示し、追加情報として「Ms.+++」の電話番号が記録される。また、15時10分(15:10)に発生した通知情報は、差出人が「Mr.***」からのメール(件名「Hellow」)を受信したことを示し、追加情報として、そのメールの本文の一部(「What would…」)が記録される。
【0060】
なお、留守番電話機能によって相手の音声が録音された場合、録音時刻などが通知情報として通知テーブルに記録されると共に、追加情報として相手の電話番号が記録される。
【0061】
ここで、ロック状態が設定されている場合、通知テーブルに記録された通知情報はロック画面に表示される。図6を参照して、機能表示領域62には通知情報を表示する通知領域72が設けられる。そして、通知テーブルに1つの通知情報が記録されている場合、その通知領域72には、上記の通知情報に対応する通知情報N1が表示される。また、図7を参照して、通知テーブルに少なくとも3つ以上の通知情報が記録されている場合、通知領域72には、記録された順番が古い2つの通知情報N1,N2と、スクロールバーBを含むスクロール領域SCとが表示される。そして、各通知情報Nには、通知情報に対応するアイコンと、通知情報が発生した時刻と、通知情報の内容とが含まれる。なお、追加情報については、この時点では表示されない。
【0062】
また、図7に示すように、本実施例では、通知領域72に表示可能な通知情報の最大数は2つである。そのため、通知領域72に表示されているスクロール領域SCは、現時点で表示されていない通知情報N3が存在していることを示す。
【0063】
図8(A),(B)を参照して、スクロールバーBを下方向に移動させるタッチ操作がされると、通知領域72に表示される通知情報Nが更新される。ここでは、通知情報N1が表示されなくなり、代わりに通知情報N3が表示される。また、通知情報N2の表示位置は通知情報N1が表示されていた位置に変化する。このように、ロック状態であっても、通知情報の表示を更新するタッチ操作(スクロール操作)は受け付けられる。そのため、ユーザは、複数の通知情報Nが記録されていたとしても、ロック状態を解除することなく各通知情報Nを確認することができる。
【0064】
なお、他の実施例では、通知領域72の中で上下方向に移動させるタッチ操作が行われた場合、スクロールバーBが操作された場合と同じように、通知領域72に表示される通知情報Nが更新される。
【0065】
また、他の実施例のメール機能の通知情報Nには、受信時刻または発信者名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0066】
図9(A),(B)を参照して、ロックオブジェクトObをタッチしたまま、通知領域72内の任意の通知情報Nの表示領域内に指が移動され、所定時間(たとえば3秒)が経過すると、追加情報が表示される。たとえば、新着メールに対応する通知情報N3にタッチ位置が移動すると、通知テーブルに記録されている追加情報(新着メールの本文の一部)が読み出され、通知情報N3に代えて、通知領域72に内に表示される。また、追加情報が表示されると、枠やアイコンなどの線が太くなる。このように、ユーザは、ロック状態を解除することなく、通知情報Nの詳細な内容を確認することができる。なお、追加情報が表示される場合、文字やGUIなどが拡大表示されてもよい。
【0067】
また、図9(B)において、通知領域72の中でロックオブジェクトObの移動先が、通知情報N3の表示領域内であれば追加情報の表示は変化しないが、通知情報N2の表示領域内であれば、通知情報N2の追加情報が表示されるようになる。また、ロックオブジェクトObが通知領域72の外に出ると、追加情報の表示が消え、元の通知情報Nが表示される。
【0068】
ここで、本実施例では、通知情報Nの表示領域内にロックオブジェクトObを移動させた状態で指をリリースすると、ロック状態が解除されると共に、その通知情報Nに対応する機能が実行される。
【0069】
図10(A),(B)を参照して、通知情報N3は新着メールを通知するものであり、この通知情報N3が表示されている通知領域72内で指がリリースされると、通知情報N3に対応する新着メールがディスプレイ14に表示される。そして、ディスプレイ14の機能表示領域62には、受信メールの詳細が表示されると共に、新着メール(受信メール)に対して返信するための返信キー74が左下に表示される。つまり、ユーザは、必要であれば、表示されている受信メールに対して、返信することができる。
【0070】
このように、ユーザは、ロック画面に表示される通知情報Nを確認したときに、必要であればロック状態を解除すると共に、その通知情報Nに対応する機能を実行することができる。特に、ユーザは、追加情報によって対応する通知情報Nの詳細を確認してから、ロック状態を解除すると共に、その通知情報Nに対応する機能を実行させるかを判断することができる。
【0071】
また、ロックオブジェクトObにタッチされた後に、不在着信の通知情報N2の表示内にタッチ位置が含まれる場合、相手の電話番号が追加情報として表示される。そして、リリースされると、追加情報の電話番号に対して発呼できるよう、電話機能が実行される。つまり、ユーザは、ロック状態を解除する操作を省いて、不在着信に応答することができるようになる。
【0072】
さらに、留守番電話機能による通知情報Nがディスプレイ14に表示されている場合、その通知情報Nの表示には、音声が録音された時刻と相手の名前などが含まれる。そして、ロックオブジェクトObにタッチされた後に、留守番電話の通知情報Nの表示内にタッチ位置が含まれる場合、相手の電話番号が追加情報として表示され、リリースされると録音された音声が再生可能な状態で留守番電話機能が実行される。つまり、ロック状態を解除する操作を省いて、録音された音声を確認できるようになる。
【0073】
以上で実施例の特徴を概説したが、以下には、図11に示すメモリマップおよび図12,13に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
【0074】
図11を参照して、図2に示すRAM46には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302は、先に説明したように、フラッシュメモリ44(図2)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
【0075】
プログラム記憶領域302には、ロック状態を解除したり、ロック状態の解除と共に機能を実行したりするためのロック制御プログラム310などが含まれる。なお、プログラム記憶領域302には、電話機能、留守番電話機能およびメール機能などを実行するためのプログラムも含まれる。
【0076】
続いて、RAM46のデータ記憶領域304には、タッチバッファ330が設けられると共に、タッチ座標マップデータ332、GUIデータ334、GUI座標データ336、通知テーブルデータ338が記憶される。また、データ記憶領域304には、タッチフラグ340、ロックフラグ342および操作カウンタ344も設けられる。
【0077】
タッチバッファ330には、タッチパネル制御回路48が出力するタッチ座標のデータが記憶される。タッチ座標マップデータ332は、タッチ操作におけるタッチ座標と、ディスプレイ14の表示座標とを対応付けるためのデータである。つまり、タッチ座標マップデータ332に基づいて、タッチパネル16に対して行われたタッチ操作の結果が、ディスプレイ14の表示に反映される。
【0078】
GUIデータ334は、ロックオブジェクトOb、スクロールバーB、通知情報Nを表示するための画像や文字列などのGUIを表示するためのデータである。GUI座標データ336は、上述のGUIが表示されている座標位置を示すデータである。通知テーブルデータ338は、図5に示すように、通知情報に対して、その通知情報に対応する機能などが関連付けて記憶されているデータである。
【0079】
タッチフラグ340は、タッチパネル16に対してタッチされているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、タッチフラグ340は、1ビットのレジスタで構成される。タッチフラグ340がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、タッチフラグ340がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。なお、タッチフラグ340は、タッチパネル制御回路48が出力する信号に基づいてオン/オフが切り換えられる。
【0080】
また、ロックフラグ342は、ロック状態が設定されているか否かを示すためのフラグである。たとえば、ロックフラグ342は、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源をオフにする処理に応じてオンにされる。また、ロックフラグ342は、上述したロック制御プログラム310の処理に応じてオフにされる。そして、ロックフラグ342の構成は、タッチフラグ340と略同じであるため、構成についての詳細な説明は省略する。
【0081】
操作カウンタ344は、タッチ操作の時間を計測するためのカウンタである。また、操作カウンタ344は、タッチされた状態でタッチ位置が通知領域72の中に入ると、カウント(計測)を開始する。そのため、操作カウンタ344は、操作タイマと呼ばれることもある。
【0082】
なお、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0083】
プロセッサ30は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図12,図13に示すロック制御処理などを含む複数のタスクを並列的に処理する。
【0084】
ロック制御処理は、ロック状態が設定された状態(ロックフラグ340がオン)で、ディスプレイ14の電源がオンにされたときに、開始される。
【0085】
ステップS1では、プロセッサ30は、RTCから日時情報を取得すると共に、GUIデータ334に含まれるロックオブジェクトObの画像データを読み出して、ディスプレイ14の機能表示領域62に対して、図3に示すようなロック画面を表示する。
【0086】
続いて、ステップS3でプロセッサ30は、通知情報があるか否かを判断する。つまり、通知テーブルデータ338に通知情報が記録されているかが判断される。ステップS3で“NO”であれば、つまり通知情報が通知テーブルデータ338に記録されていなければ、ステップS11に進む。一方、ステップS3で“YES”であれば、たとえば図5に示すように、通知テーブルに通知情報が記録されていれば、プロセッサ30はステップS5で、通知情報を表示する。なお、ステップS5の処理を実行するプロセッサ30は表示処理部として機能する。
【0087】
続いて、図13のステップS11では、タッチ操作がされたか否かを判断する。つまり、タッチフラグ340がオンとなり、タッチバッファ330に格納されているタッチ座標が更新されたかが判断される。ステップS11で“NO”であれば、たとえばタッチ操作が行われなければ、ステップS11の処理が繰り返される。また、ステップS11で“YES”であれば、つまりタッチ操作がされると、プロセッサ30はステップS13で、ロックオブジェクトObがタッチされているか否かを判断する。つまり、GUI座標データ336からロックオブジェクトObの座標範囲を読み出し、タッチバッファ330に格納されている現在のタッチ位置を示すタッチ座標がその座標範囲に含まれているかを判断する。
【0088】
ステップS13で“NO”であれば、つまりロックオブジェクトObに対してタッチ操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS15で、スクロール操作か否かを判断する。つまり、GUI座標データ336に含まれるスクロールバーBの座標範囲に、タッチバッファ330に格納されている現在のタッチ位置を示すタッチ座標が含まれている状態で、スクロール方向(本実施例では、上下方向)にスライドするタッチ操作がされたかが判断される。
【0089】
ステップS15で“NO”であれば、つまりスクロール操作がされていなければ、ステップS11に戻る。また、ステップS15で“YES”であれば、つまりスクロール操作がされると、プロセッサ30はステップS17で通知情報の表示を更新し、ステップS11に戻る。たとえば、図8(A)に示すように、スクロールバーBを下に移動させるスクロール操作がされると、表示されていない通知情報を通知テーブルデータ338から読み出し、図8(B)に示すように更新する。
【0090】
ロックオブジェクトObにタッチされ、ステップS13で“YES”と判断されると、プロセッサ30はステップS19で、タッチ位置が通知領域の中か否かを判断する。つまり、通知領域72の座標範囲をGUI座標データ336から読み出し、タッチバッファ330に格納されている現在のタッチ位置を示すタッチ座標がその座標範囲に含まれているかを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまりタッチ位置が通知領域72の中に含まれていなければ、ステップS35に進む。
【0091】
ステップS19で“YES”であれば、たとえば図9(B)に示すように、現在のタッチ位置が通知情報N3を表示する通知領域72に含まれていれば、プロセッサ30はステップS21で時間の計測を開始する。つまり、操作カウンタ344によって時間の計測が開始される。続いて、プロセッサ30はステップS23で、所定時間が経過したか否かを判断する。つまり、操作カウンタ344によって所定時間が計測されたかが判断される。ステップS23で“NO”であれば、つまり操作カウンタ344によって所定時間が計測されていなければ、プロセッサ30はステップS23の処理を繰り返す。
【0092】
ステップS23で“YES”であれば、タッチ位置が通知領域72に入ってから所定時間が経過すると、プロセッサ30はステップS25で、通知領域72に追加情報を表示する。図9(B)に示すように、タッチ位置が通知情報N3の表示内に含まれていれば、通知テーブルデータ338から通知情報N3に対応する追加情報(「What would…」)を読み出し、その追加情報が通知情報N3に代えて表示される。なお、ステップS25の処理を実行するプロセッサ30は追加情報表示部として機能する。
【0093】
続いて、ステップS27では、タッチ位置が通知領域72の外に出たか否かを判断する。つまり、GUI座標データ336に含まれる通知領域72の座標範囲に、タッチバッファ330に格納されている現在のタッチ位置を示すタッチ座標が含まれていないかが判断される。ステップS27で“YES”であれば、たとえばスライドによってユーザの指が通知領域72に外に出ると、ステップS19に戻る。また、ステップS19に戻る場合、追加情報の表示が消え、元の通知情報が表示される。
【0094】
また、ステップS27で“NO”であれば、たとえば通知領域72から出ていなければ、プロセッサ30はステップS29でリリースされたか否かを判断する。つまり、タッチ位置が通知領域72の中に含まれている状態でリリースされたか否かを判断する。なお、ステップS29の処理を実行するプロセッサ30は判断部として機能する。
【0095】
ステップS29で“NO”であれば、つまりリリースされていなければ、プロセッサ30はステップS27に戻る。一方、ステップS29で“YES”であれば、つまり通知情報Nの表示内でリリースされると、プロセッサ30は、ステップS31でロックフラグ342をオフにし、ステップS33で通知情報Nに対応する機能を実行する。そして、ステップS33の処理が終了すれば、プロセッサ30はロック制御処理を終了する。たとえば、図10(A),(B)に示すように、新着メールを通知する通知情報N3の表示内でリリースされると、ステップS33ではメール機能を実行して、新着メールをディスプレイ14に表示する。なお、ステップS31,S33の処理を実行するプロセッサ30は実行部として機能する。
【0096】
ここで、ステップS19で“NO”であれば、つまりロックオブジェクトObにタッチした後に、タッチ位置が通知領域72に含まれていなければ、プロセッサ30はステップS35で、解除操作がされたか否かを判断する。たとえば、ロックオブジェクトObに対して、画面の外へ弾き出すフリックのタッチ操作、またはロックオブジェクトObを所定距離以上動かすスライドのタッチ操作がされたかを判断する。ステップS35で“NO”であれば、たとえば何も表示されていないところにタッチされると、プロセッサ30はステップS1に戻り、ロック画面を再び表示する。なお、ロックオブジェクトObの移動距離が所定距離未満だったり、フリックの速度が遅かったりしても、ステップS5では“NO”と判断され、再びロック画面が表示されるため、ロックオブジェクトObの表示位置は元の位置に戻る。また、ステップS35で“YES”であれば、つまりロック状態の解除操作がされると、プロセッサ30は、ステップS37でロックフラグ340をオフにし、ステップS39で待機画面を表示して、ロック制御処理を終了する。つまり、解除操作がされると、ロック状態が解除され、ディスプレイ14の機能表示領域62には、図4(C)に示すような待機画面が表示される。
【0097】
このように、本実施例では、以上の処理が実行されるため、ユーザは、タッチ操作によって所定機能を容易に実行することができる。
【0098】
なお、本実施例の携帯電話機10は、メール機能以外にも、ショートメッセージサービス(SMS)機能、メッセージの投稿(アップロード)および閲覧を行うための第1ブログ機能およびメッセージの文字数が制限される第2ブログ機能を実行することができる。そして、メール機能、ショートメッセージ機能、第1ブログ機能および第2ブログ機能は、まとめて「メッセージ機能」と呼ばれることがある。
【0099】
たとえば、ショートメッセージサービス機能によってメッセージを受信した場合、通知テーブルには、通知情報として新着メッセージの受信時刻と発信者名とが記録さると共に、追加情報として新着メッセージの本文の一部が記録される。また、ディスプレイ14に表示される新着メッセージの通知情報Nには、新着メールの通知情報N3と同様、受信時刻と発信者名とが含まれる。そして、ロックオブジェクトObにタッチした後に通知情報Nにタッチ位置が含まれると新着メッセージの本文の一部が追加情報として表示され、リリースされるとロック状態が解除されると共に、新着メッセージの詳細が表示されるようにショートメッセージ機能が実行される。このように、本実施例では、メール機能やショートメッセージ機能によってメッセージを受信すれば、ロック状態を解除することなく、返信することができる。なお、他の実施例では、ショートメッセージサービス機能の通知情報Nには、着信時刻または発信者名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0100】
また、図14(A)−(C)を参照して、投稿した記事に対して、新着コメントが投稿されたことを受信すると、通知テーブルには、通知情報として投稿された記事に対する、新着コメントの投稿時間と投稿者名とが記録されると共に、追加情報として新着コメントの一部が記録される。また、第1ブログ機能における新着コメントの通知情報N4には、投稿時刻(15:25)と投稿者名(XXX)とが含まれる。そして、ロックオブジェクトObにタッチされた後に通知情報N4の表示内にタッチ位置が移動すると新着コメントの一部(Thank you!)が表示され、リリースされるとロック状態が解除されると共に、新着コメントが表示されるように第1ブログ機能が実行される。なお、他の実施例では、第1ブログ機能の通知情報Nには、投稿時刻または投稿者名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0101】
さらに、図15(A)−(C)を参照して、第2ブログ機能においてコメントが投稿されたことを受信すると、通知テーブルには、通知情報としてコメントの投稿時刻と投稿者名が登録されると共に、コメントの一部が追加情報として記録される。また、第2ブログ機能におけるコメントの通知情報N5には、投稿時刻(15:30)と投稿者名(Weather News)とが含まれる。そして、ロックオブジェクトObが通知情報N5の表示領域内に移動されるとコメントの一部(Today’s weather)が表示され、ロックオブジェクトObから指がリリースされるとロック状態が解除されると共に、投稿されたコメントが表示されるよう、第2ブログ機能が実行される。なお、他の実施例では、第2ブログ機能の通知情報Nには、投稿時刻または投稿者名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0102】
このように、本実施例では、第1ブログ機能または第2ブログ機能を利用したコミュニケーションの利便性を、向上させることができる。そして、ロック画面には、様々な機能の通知情報Nを表示することができる。
【0103】
<第2実施例>
第2実施例では、ロック状態に表示される通知情報Nをシークレット表示に切り替える。以下、第2実施例について説明するが、上記のこと以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。通知情報Nをシークレット表示に切り替えることで、ロック画面に表示される通知情報Nのセキュリティ性を向上させることができる。
【0104】
図16(A)−(C)を参照して、ロックオブジェクトObにタッチされた後、通知領域72を下から上に超えるタッチ操作(シークレット操作)が行われると、シークレットモードが設定され、各通知情報Nがシークレット表示に切り替わる。たとえば、不在着信の通知情報N2がシークレット表示に切り替わると、相手の名前に代えて、代わりに不在着信の通知であることを示す文字列(たとえば、「Missed call」)が表示される。また、新着メールの通知情報N3であれば、新着しメールの発信者名が表示されなくなる。
【0105】
ただし、シークレットモードでは、ロックオブジェクトObに立ちされた後に、タッチ位置が通知情報Nの表示内に入っても追加情報は表示されない。また、リリースされても、ロック状態が解除されると共に、通知情報Nに対応する機能が実行されることもない。
【0106】
なお、シークレットモードでシークレット操作が再び行われると、シークレットモードが解除される。また、他の実施例では、シークレットモードでは、通常の解除操作が行われれば、ロック状態が解除されてもよい。また、3つ以上の通知情報が通知テーブルに記録されている場合は、シークレットモードであっても、スクロール操作が有効に処理されてもよい。
【0107】
図17は第2実施例のロック制御処理の一部のフロー図である。なお、図17のフロー図において、第1実施例と同じステップについては図示を省略する。
【0108】
ロック制御処理のステップS19で“NO”と判断されると、プロセッサ30はステップS51で、シークレット操作か否かを判断する。つまり、図16(A),(B)に示すようなシークレット操作がされたかが判断される。ステップS51で“NO”であれば、つまりシークレット操作がされていなければ、ステップS35に進む。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまりシークレット操作がされると、プロセッサ30はステップS53で、通知情報をシークレット表示に切り替える。たとえば、図16(C)に示すように、相手の名前が通知情報Nに含まれないようにする。続いて、ステップS55では、シークレットの解除操作か否かを判断する。たとえば、再びシークレット操作がされたかが判断される。ステップS55で“NO”であれば、つまりシークレットの解除操作がされなければ、プロセッサ30はステップS55の処理を繰り返す。
【0109】
一方、ステップS55で“YES”であれば、つまりシークレットの解除操作がされると、プロセッサ30はステップS57で通知情報を通常表示に切り替えて、ステップS11に戻る。たとえば、図16(C)のようにシークレット表示された通知情報N2,N3が、図16(A)の状態に戻る。
【0110】
<第3実施例>
第3実施例では、ロック画面に表示されている複数の通知情報Nを、カテゴリ別に分類して表示する。以下、第3実施例について説明するが、上記のこと以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。複数の通知情報Nをカテゴリ別に分けて表示することで、ユーザは必要な通知情報Nを容易に見つけることができるようになる。
【0111】
図18(A)−(C)を参照して、第3実施例のロック画面には、日時表示70および複数の通知情報Nに加えて、複数のカテゴリアイコンCが表示される。複数のカテゴリアイコンCには、全カテゴリアイコンCa、電話カテゴリアイコンCb、メールカテゴリアイコンCc、ショートメッセージカテゴリアイコンCd、第1ブログカテゴリアイコンCeおよび第2ブログカテゴリアイコンCfが含まれる。そして、ユーザは任意のカテゴリアイコンCにタッチ操作を行うことで、複数の通知情報Nを、任意のカテゴリアイコンCに対応するカテゴリに分類して、表示することができる。
【0112】
ただし、初期状態では、全ての通知情報Nが表示されているため、全カテゴリアイコンCaが選択されている状態になる。
【0113】
たとえば、図18(B),(C)に示すように、電話カテゴリアイコンCbに対してタッチ操作がされると、通知テーブルから電話機能に対応する不在着信および留守番電話の通知情報が抽出され、通知情報N1,N2が通知領域72に表示される。また、電話カテゴリアイコンCbに対してタッチ操作がされると、電話カテゴリアイコンCbの表示が反転する。つまり、複数の通知情報が電話機能に対応して分類されていることが分かる。
【0114】
図19は第3実施例のロック制御処理の一部のフロー図である。ただし、図19のフロー図において、第1実施例と同じステップについては図示を省略する。
【0115】
ロック制御処理のステップS15で“NO”であれば、つまりスクロール操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS61で、カテゴリアイコンCにタッチ操作がされたか否かを判断する。たとえば、図18(B)に示すように、カテゴリアイコンCに対してタッチ操作がされたかが判断される。ステップS61で“NO”であれば、つまりカテゴリアイコンCに対してタッチ操作がされていなければ、ステップS11に戻る。一方、ステップS61で“YES”であれば、たとえば電話カテゴリアイコンCbに対してタッチ操作がされると、プロセッサ30はステップS63で、通知情報Nをカテゴリ別に表示し、ステップS11に戻る。つまり、電話カテゴリアイコンCbにタッチ操作がされた場合、通知テーブルから不在着信および留守番電話の通知情報が抽出され、抽出された通知情報が通知領域72に表示される。
【0116】
なお、第3実施例では、ロックオブジェクトObにタッチされた後に、機能に対応するカテゴリアイコンCがロックオブジェクトObによって選択された後にリリースされると、ロック状態が解除されると共に、選択されたカテゴリアイコンCに対応する機能が実行されてもよい。
【0117】
<第4実施例>
第4実施例では、通知領域72に表示される通知情報Nに代えて、通知情報としてタスクアイコンTaがディスプレイ14に表示される。以下、第4実施例について説明するが、上記のこと以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
【0118】
図20(A)を参照して、メール機能のタスクアイコンTaがディスプレイ14に表示される。このタスクアイコンTaは、たとえば携帯電話機10が新着メールを受信すると、状態表示領域60に表示される。そして、図20(B),(C)を参照して、ロック状態が設定されているときに、ユーザがロックオブジェクトObにタッチ操作を行い、そのロックオブジェクトObによってメール機能のタスクアイコンTaを選択した後に指をリリースすれば、新着メールを含む受信メールの一覧が機能表示領域62に表示される。このように、ユーザは、従来の携帯電話機でも利用されているタスクアイコンTaを利用して、ロック状態を解除すると共に、そのタスクアイコンTaに関する機能を実行することができる。
【0119】
また、図20(B)に示すように、ロックオブジェクトObによってタスクアイコンTaを選択すると、タスクアイコンTaが選択されていることを明確にするために、タスクアイコンTaの表示が拡大される。
【0120】
また、他の実施例では、電話機能の不在着信を示すタスクアイコンTaなどが、状態表示領域60に表示されてもよい。たとえば、電話機能の不在着信に対応するタスクアイコンTaに対して上述の操作がされ、電話機能が実行されると、不在着信を含む着信履歴が機能表示領域62に表示される。
【0121】
なお、第1実施例から第4実施例は、任意に組み合わせることが可能であり、具体的な組み合わせについては容易に想像できるので、詳細な説明は省略する。
【0122】
また、他の実施例では、ロック状態の解除操作がされるとパスワードの入力を求めるセキュリティ画面が表示される、セキュリティ設定がされていてもよい。たとえば、ロックオブジェクトObに対して解除操作がされると、ディスプレイ14には、図21に示すセキュリティ画面が表示される。そして、セキュリティ画面で正しいパスワードが入力されると、図4(C)に示す待機画面がディスプレイ14に表示される。ただし、誤ったパスワードが入力された場合は、パスワードの再入力が求められる。
【0123】
図22を参照して、セキュリティ設定がされている場合、ロック制御処理のステップS37でロックフラグ342がオフにされると、ステップS71でプロセッサ30は、セキュリティ設定がされているか否かを判断する。つまり、セキュリティ設定に対応するフラグがオンであるかが判断される。ステップS71で“NO”であれば、つまりセキュリティ設定がされていなければ、プロセッサ30はステップS39に進み、待機画面を表示する。一方、ステップS71で“YES”であれば、つまりセキュリティ設定がされている場合、プロセッサ30は、ステップS73でセキュリティ画面を表示し、ステップS75でパスワードが正しいか否かを判断する。つまり、図21に示すセキュリティ画面がディスプレイ14に表示され、その画面で入力されたパスワードが正しいかが判断される。ステップS75で“NO”であれば、つまり入力されたパスワードが誤っていれば、プロセッサ30はステップS73に戻る。一方、ステップS75で“YES”であれば、つまり入力されたパスワードが正しければ、プロセッサ30はステップS39で待機画面を表示する。そして、セキュリティ設定がされている場合、通知情報Nの表示領域内にロックオブジェクトObが含まれている状態でリリースされた後にも、上述のセキュリティ画面が表示される。そのため、他の実施例のロック制御処理では、ステップS31とステップS33との間にも、ステップS71−S75と同様のステップが追加される。
【0124】
また、その他の実施例では、通知情報Nは、ユーザが携帯電話機10に操作を行ったときに表示されてもよい。たとえば、ディスプレイ14の電源をオンにする操作がされたとき、通知テーブルに通知情報が記録されていても、この時点では、ディスプレイ14には通知情報Nが表示されない。そして、ユーザがメニューキー26を操作すれば、通知テーブル記録されている通知情報が、ディスプレイ14に表示される。
【0125】
また、ロックオブジェクトObによって通知情報Nの表示内容が隠れないようにするために、通知情報Nの表示領域内に移動したロックオブジェクトObは縮小されてもよい。また、通知情報Nの表示領域内にロックオブジェクトObが移動すれば、その通知情報Nが、拡大表示されてもよい。
【0126】
また、ロックオブジェクトObに対してタッチ操作が行われているときに電話着信が発生すると、ロックオブジェクトObの表示が消去されると共に、電話着信応答画面が表示される。この電話着信応答画面には、ロック状態を解除すると共に、電話着信に応答するための着信応答オブジェクトが含まれる。そして、着信応答オブジェクトに対して、ロックオブジェクトObに対する解除操作と同様の操作が行われると、通話が開始される。
【0127】
また、通知情報を記録する機能には、音楽プレーヤ機能などが含まれていてもよい。たとえば、音楽プレーヤ機能の通知情報は、ロック状態で再生されている音楽の曲名や再生時間などを含み、追加情報はアーティスト情報、ジャケット画像などを含む。
【0128】
また、他の実施例では、Facebook(登録商標)やMixi(登録商標)などのSNS(Social Network Service)に対応する機能が、通知情報を記録する機能に含まれていてもよい。そして、この場合、上記機能の通知情報として、上述した第1ブログ機能および第2ブログ機能に対応する通知情報Nがロック画面に表示される。
【0129】
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の携帯端末にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0130】
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0131】
10 … 携帯電話機
14 … ディスプレイ
16 … タッチパネル
30 … プロセッサ
40 … 入力装置
44 … フラッシュメモリ
46 … RAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部、前記表示部に設けられるタッチパネルおよび前記タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末であって、
所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部、
前記ロック状態が設定されているとき、前記ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクトと、前記通知情報とを前記表示部の表示領域に表示する表示処理部、
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する判断部、および
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、前記ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する実行部を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトが移動されたとき、その通知情報に対応する追加情報を表示する追加情報表示部をさらに備える、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記所定機能は、メッセージの送受信および閲覧を行うメッセージ機能を含み、
前記メッセージ機能に対応する通知情報は、少なくとも、前記メッセージ機能によってメッセージが発信された時刻または発信者名のいずれか一方を含み、
前記メッセージ機能に対応する通知情報の追加情報は、メッセージの本文の少なくとも一部を含み、
前記実行部は、前記メッセージの詳細が前記表示部に表示されるよう、メッセージ機能を実行する、請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記メッセージ機能は、メール機能を含み、
前記メール機能に対応する通知情報は、少なくとも、新着メールの受信時刻または発信者名のいずれか一方を含み、
前記メール機能に対応する通知情報の追加情報は、前記新着メールの本文の少なくとも一部を含み、
前記実行部は、前記新着メールが返信可能に表示されるよう、前記メール機能を実行する、請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記メッセージ機能は、ショートメッセージサービス機能を含み、
前記ショートメッセージ機能に対応する通知情報は、少なくとも、新着メッセージの着信時刻または発信者名のいずれか一方を含み、
前記ショートメッセージ機能に対応する通知情報の追加情報は、新着メッセージの本文の少なくとも一部を含み、
前記実行部は、前記新着メッセージが返信可能に表示されるよう、前記ショートメッセージ機能を実行する、請求項3または4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記メッセージ機能は、ブログ機能を含み、
前記ブログ機能に対応する通知情報は、少なくとも、前記ブログ機能によって投稿した記事に対する新着コメントの投稿時刻または投稿者名のいずれか一方を含み、
前記ブログ機能に対応する通知情報の追加情報は、前記新着コメントの少なくとも一部を含み、
前記実行部は、前記新着コメントが表示されるよう、前記ブログ機能を実行する、請求項3ないし5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記所定機能は、電話機能を含み、
前記電話機能に対応する通知情報は、不在着信の着信情報を含み、
前記電話機能に対応する通知情報の追加情報は、不在着信の電話番号を含み、
前記実行部は、前記電話番号に対して発信可能な状態で電話機能を実行する、請求項2ないし6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
表示部、前記表示部に設けられるタッチパネル、前記タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部および所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末のプロセッサを、
前記ロック状態が設定されているとき、前記ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクトと、前記通知情報とを前記表示部の表示領域に表示する表示処理部、
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する判断部、および
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、前記ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する実行部として機能させる、ロック制御プログラム。
【請求項9】
表示部、前記表示部に設けられるタッチパネル、前記タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部および所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末のロック制御方法であって、
前記ロック状態が設定されているとき、前記ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクトと、前記通知情報とを前記表示部の表示領域に表示し、
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断し、そして
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、前記ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する、ロック制御方法。
【請求項1】
表示部、前記表示部に設けられるタッチパネルおよび前記タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末であって、
所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部、
前記ロック状態が設定されているとき、前記ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクトと、前記通知情報とを前記表示部の表示領域に表示する表示処理部、
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する判断部、および
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、前記ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する実行部を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトが移動されたとき、その通知情報に対応する追加情報を表示する追加情報表示部をさらに備える、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記所定機能は、メッセージの送受信および閲覧を行うメッセージ機能を含み、
前記メッセージ機能に対応する通知情報は、少なくとも、前記メッセージ機能によってメッセージが発信された時刻または発信者名のいずれか一方を含み、
前記メッセージ機能に対応する通知情報の追加情報は、メッセージの本文の少なくとも一部を含み、
前記実行部は、前記メッセージの詳細が前記表示部に表示されるよう、メッセージ機能を実行する、請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記メッセージ機能は、メール機能を含み、
前記メール機能に対応する通知情報は、少なくとも、新着メールの受信時刻または発信者名のいずれか一方を含み、
前記メール機能に対応する通知情報の追加情報は、前記新着メールの本文の少なくとも一部を含み、
前記実行部は、前記新着メールが返信可能に表示されるよう、前記メール機能を実行する、請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記メッセージ機能は、ショートメッセージサービス機能を含み、
前記ショートメッセージ機能に対応する通知情報は、少なくとも、新着メッセージの着信時刻または発信者名のいずれか一方を含み、
前記ショートメッセージ機能に対応する通知情報の追加情報は、新着メッセージの本文の少なくとも一部を含み、
前記実行部は、前記新着メッセージが返信可能に表示されるよう、前記ショートメッセージ機能を実行する、請求項3または4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記メッセージ機能は、ブログ機能を含み、
前記ブログ機能に対応する通知情報は、少なくとも、前記ブログ機能によって投稿した記事に対する新着コメントの投稿時刻または投稿者名のいずれか一方を含み、
前記ブログ機能に対応する通知情報の追加情報は、前記新着コメントの少なくとも一部を含み、
前記実行部は、前記新着コメントが表示されるよう、前記ブログ機能を実行する、請求項3ないし5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記所定機能は、電話機能を含み、
前記電話機能に対応する通知情報は、不在着信の着信情報を含み、
前記電話機能に対応する通知情報の追加情報は、不在着信の電話番号を含み、
前記実行部は、前記電話番号に対して発信可能な状態で電話機能を実行する、請求項2ないし6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
表示部、前記表示部に設けられるタッチパネル、前記タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部および所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末のプロセッサを、
前記ロック状態が設定されているとき、前記ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクトと、前記通知情報とを前記表示部の表示領域に表示する表示処理部、
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断する判断部、および
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、前記ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する実行部として機能させる、ロック制御プログラム。
【請求項9】
表示部、前記表示部に設けられるタッチパネル、前記タッチパネルに対するタッチ操作を検出する検出部および所定機能に関する通知情報を記憶する記憶部を有し、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態が設定できる、携帯端末のロック制御方法であって、
前記ロック状態が設定されているとき、前記ロック状態を解除するためのタッチ操作を受け付けタッチ操作に応じて移動するオブジェクトと、前記通知情報とを前記表示部の表示領域に表示し、
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたかを判断し、そして
前記通知情報を表示する表示領域に前記オブジェクトを移動させてリリースするタッチ操作が検出されたと判断された場合、前記ロック状態を解除すると共に、その通知情報に関する機能を実行する、ロック制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【公開番号】特開2013−93699(P2013−93699A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233814(P2011−233814)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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