説明

携帯端末、情報処理方法およびプログラム

【課題】待ち合わせ場所への移動中、相手の人に到着予定を通知する際、ユーザの操作負荷を軽減可能にした携帯端末を提供する。
【解決手段】表示部と、無線通信部と、目的地、待ち合わせ日時および電子メールアドレスの情報を含む待ち合わせ情報、地図の情報、および目的地からの距離に対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルを記憶する記憶部と、現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になると、位置情報を一定時間毎に取得し、位置情報と目的地との距離を算出し、算出した距離に対応するメッセージをテーブルから読み出し、メッセージを含む電子メールを生成して待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛にネットワークを介して送信し、上記電子メールアドレスを送信元とする電子メールを受信すると、電子メールに添付されたメッセージを表示部に表示させる制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、情報処理方法、およびコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機およびPHS(Personal Handy-phone System)等の携帯端末のユーザは、急ぎの用事でなければ、主に、電子メールで用件を他の人に通知することが多い。例えば、待ち合わせなどのように、予め決められた日時に複数の人が参集する場合、待ち合わせ時刻よりも早い段階で遅れることがわかっているとき、待ち合わせ場所への到着予想時刻を代表者に電子メールで通知すればよい。待ち合わせ時刻に近くなった段階で遅れるとわかったときは、遅れる旨を急いで、かつ確実に通知するために、その旨を代表者に、電子メールではなく、電話で伝える傾向が高い。
【0003】
待ち合わせをしている相手に目的地の到着予想時間を連絡することを可能にした移動体用情報端末の一例が、特許文献1に開示されている。この文献に開示された方法では、移動体用情報端末が現在地を検出し、目的地の到着予想時間を算出し、到着予想時間が待ち合わせ時刻よりも遅くなる場合、ユーザが移動体用情報端末に到着予定時刻を入力することで、移動体用情報端末が到着予定時刻を相手の端末に通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−178279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
待ち合わせ時刻に遅れそうな場合、待ち合わせ場所への到着予定時刻を電話で他の人に知らせようとしても、電車内では、携帯端末での通話が禁止されていることが多い。電車内で携帯端末を操作して到着予定時刻を電子メールで他の人に通知しようとすると、現在、電車がどこを走っているかを把握し、続いて、現在地と待ち合わせ場所までにかかる時間を予測し、現在時刻にその時間を足した時刻を求め、その時刻をメッセージとして電子メールを作成して送信する必要があり、ユーザにとって手間がかかる。
【0006】
たとえ電子メールを送信できたとしても、現在地を確認してから電子メールを送信する間に電車が移動するため、通知した到着予定時刻と実際に到着した時刻とのズレが大きくなってしまうことがある。特許文献1に開示された移動体用端末では、より正確な到着予定時刻を他の人に通知することが可能であるが、ユーザ自身が到着予定時刻を端末に入力しなければならないので、ユーザに手間がかかるという問題は解決しない。
【0007】
徒歩で待ち合わせ場所に移動しながら携帯端末を操作して電話で話したり、電子メールを作成したりすることは交通事故に遭う危険性があり、立ち止まって到着予定時刻を他の人に通知しようとすると、到着時刻がさらに遅くなってしまう。
【0008】
本発明は上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、待ち合わせ場所へ移動している間、相手の人に到着予定を通知する際、ユーザによる操作の負荷を軽減可能にした携帯端末、情報処理方法、およびその方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の携帯端末は、
表示部と、
基地局を介してネットワークと接続するための無線通信部と、
目的地、待ち合わせ日時および電子メールアドレスの情報を含む待ち合わせ情報と、該目的地が書き込まれた地図の情報と、該目的地からの距離に対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルとを記憶する記憶部と、
前記地図上における、現在の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になると、前記位置情報取得部に前記位置情報を一定時間毎に取得させ、位置情報を取得する度に該位置情報と前記目的地との距離を算出し、算出した距離に対応する前記メッセージを前記テーブルから読み出し、該メッセージを含む電子メールを生成して前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛に前記ネットワークを介して送信し、また、該電子メールアドレスを送信元とする電子メールを受信すると、該電子メールに添付されたメッセージを前記表示部に表示させる制御部と、
を有する構成である。
【0010】
また、本発明の情報処理方法は、表示部、無線通信部、記憶部および制御部を有する携帯端末が実行する情報処理方法であって、
前記制御部は、目的地、待ち合わせ日時および電子メールアドレスの情報を含む待ち合わせ情報と、該目的地が書き込まれた地図の情報と、該目的地からの距離に対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルとを前記記憶部に予め格納し、
前記制御部は、前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になると、前記地図上における、現在の位置を示す位置情報を一定時間毎に取得し、
前記制御部は、前記位置情報を取得する度に該位置情報と前記目的地との距離を算出し、
前記制御部は、算出した距離に対応する前記メッセージを前記テーブルから読み出し、該メッセージを含む電子メールを生成して前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛に前記無線通信部を介してネットワークに接続された基地局に送信し、
前記制御部は、前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になった後、前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレスを送信元とする電子メールを前記無線通信部を介して受信すると、該電子メールに添付されたメッセージを前記表示部に表示させるものである。
【0011】
さらに、本発明のプログラムは、表示部、無線通信部、記憶部および制御部を有する携帯端末に実行させるためのプログラムであって、
目的地、待ち合わせ日時および電子メールアドレスの情報を含む待ち合わせ情報と、該目的地が書き込まれた地図の情報と、該目的地からの距離に対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルとを前記記憶部に予め格納し、
前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になると、前記地図上における、現在の位置を示す位置情報を一定時間毎に取得し、
前記位置情報を取得する度に該位置情報と前記目的地との距離を算出し、
算出した距離に対応する前記メッセージを前記テーブルから読み出し、該メッセージを含む電子メールを生成して前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛に前記無線通信部を介してネットワークに接続された基地局に送信し、
前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になった後、前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレスを送信元とする電子メールを前記無線通信部を介して受信すると、該電子メールに添付されたメッセージを前記表示部に表示させる処理を前記携帯端末に実行させるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自分で携帯端末を操作しなくても、待ち合わせしている人の携帯端末間で自分の待ち合わせ場所への到着予定がやり取りされ、他の人の到着予定を表示部で確認できるので、操作の負荷が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態における携帯端末の一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯端末を含む通信システムの一構成例を示す図である。
【図3】一実施形態における携帯端末の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の携帯端末の一構成例を示すブロック図である。
【図5】図4に示した記憶部に格納されるテーブルの一例を示す図である。
【図6】図4に示した移動予測部の動作を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態の携帯端末を含む通信システムの一例を示す図である。
【図8】図7に示す通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】第1の実施形態の携帯端末の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施形態の携帯端末の表示部における画面の一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態の携帯端末の表示部における画面の一例を示す図である。
【図12】第3の実施形態の携帯端末の動作の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態における携帯端末の構成を説明する。図1は一実施形態の携帯端末の一構成例を示すブロック図である。図2は図1に示す携帯端末を含む通信システムの一構成例を示す図である。
【0015】
図1に示すように、携帯端末10は、無線通信部11と、位置情報取得部12と、記憶部13と、表示部14と、制御部15とを有する。図2に示す携帯端末10a、10bのそれぞれは図1に示した携帯端末と同様な構成である。
【0016】
図2に示すように、携帯端末10aの無線通信部11は基地局20aを介してネットワーク30と接続される。携帯端末10bの無線通信部11は基地局20bを介してネットワーク30と接続される。そのため、携帯端末10aおよび携帯端末10bは基地局20a、20bおよびネットワーク30を介してデータを送受信することが可能となる。本実施形態では、図2に示すネットワークがインターネットであるものとし、携帯端末10a、10bのそれぞれは、互いに相手に対し、データをIP(Internet Protocol)にしたがってパケットでネットワーク30を介して送受信するものとし、以下では、その詳細な説明を省略する。
【0017】
なお、図2には、図1に示した携帯端末10が2つで、基地局が2つの場合を示しているが、携帯端末10および基地局の数は2つに限らない。また、図2に示すネットワーク30は、電子メールの送受信を制御するメールサーバおよびパケットを宛先に転送するルータ等の装置を含んでいるが、それらの装置を図2に示すことを省略している。
【0018】
次に、図1に示した携帯端末10の各構成について詳しく説明する。ここでは、図1に示した携帯端末10が図2に示した携帯端末10aであるものとし、携帯端末10aと電メールを送受信する他の携帯端末が携帯端末10bであるものとする。
【0019】
無線通信部11は、ネットワーク30に接続された基地局を介して他の携帯端末と電子メールを送受信する。記憶部13には、目的地、待ち合わせ時刻および電子メールアドレスの情報を含む待ち合わせ情報と、その目的地が書き込まれた地図の情報と、その目的地からの距離に対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルとが格納される。位置情報取得部12は、制御部15からの指示にしたがって、記憶部13に格納された地図における、現在の位置を示す位置情報を取得し、位置情報を制御部15に通知する。以下では、位置情報が緯度および経度を座標とする座標情報の場合で説明するが、他の座標を定義して、位置情報を決めてもよい。
【0020】
制御部15は、待ち合わせ情報の日時まで所定の時間以下になると、位置情報取得部12に位置情報を一定時間毎に取得させ、位置情報を取得する度に位置情報と目的地との距離を算出する。そして、制御部15は、算出した距離に対応するメッセージを記憶部13内のテーブルから読み出し、メッセージを含む電子メールを生成して待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛に送信する。待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレスが携帯端末10bのアドレスである場合、制御部15は携帯端末10b宛に電子メールを送信することになる。
【0021】
また、制御部15は、待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレスを送信元とする電子メールを受信すると、電子メールに含まれるメッセージを表示部14に表示させる。待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレスが携帯端末10bのアドレスである場合、制御部15は、携帯端末10bから受信する電子メールのメッセージを表示部14に表示させる。
【0022】
次に、図1に示した携帯端末10の動作手順を説明する。図3は一実施形態における携帯端末の動作手順を示すフローチャートである。ここでは、携帯端末10aのユーザと携帯端末10bのユーザが待ち合わせを行うものとし、動作主体が携帯端末10aとする。
【0023】
携帯端末10aは、記憶部13に格納された待ち合わせ情報に含まれる待ち合わせ日時が所定の時間に近づいたか否かを判定し(ステップ1001)、待ち合わせ日時が所定の時間に近づくと、現在位置の位置情報を取得し(ステップ1002)、位置情報と目的地との距離を算出する(ステップ1003)。算出した距離が所定の距離より大きければ、携帯端末10aは、距離に対応するメッセージを記憶部13に格納されたテーブルから選択し(ステップ1005)、選択したメッセージを含む電子メールを生成して携帯端末10b宛にネットワーク30を介して送信する(ステップ1006)。一方、携帯端末10aは、携帯端末10bから電子メールを受信したか否かを判定し(ステップ1007)、携帯端末10bから電子メールを受信すると、電子メールに含まれるメッセージを表示部14に表示させる(ステップ1008)。その後、制御部15は、算出した距離が所定の距離以下になるまで、ステップ1002〜1003、ステップ1005〜1008を一定時間毎に繰り返す(ステップ1004)。
【0024】
なお、図3に示すフローチャートでは、ステップ1007およびステップ1008の処理をステップ1006の後に実行されるように示しているが、ステップ1002からステップ1006の間のいずれかで実行されてもよい。
【0025】
本実施形態によれば、待ち合わせの日時に近づいた段階で、待ち合わせしている各メンバーは、自分で携帯端末を操作しなくても、待ち合わせ場所までにあとどのくらいの時間で到着するかの目安となるメッセージを他のメンバーの携帯端末に送信することが可能となる。また、他のメンバーからの電子メールを受信したとき、携帯端末を操作しなくても、他のメンバーが待ち合わせ場所にどのくらいの時間で行けるかを表示部の画面で確認することが可能となる。以下に、本発明の携帯端末の実施形態について詳細に説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
本実施形態の携帯端末の構成を説明する。本実施形態の携帯端末も、図1に示した携帯端末10と同様に、インターネットを介して他の携帯端末とIPにしたがってデータをパケットで送受信するものとする。
【0027】
図4は本実施形態の携帯端末の一構成例を示すブロック図である。図4に示すように、携帯端末50は、通信部110と、位置情報取得部12と、記憶部13と、表示部14と、操作部16と、加速度センサ17と、制御部15とを有する。通信部110は、近距離通信部111および無線通信部112を有する。制御部15は、スケジュール管理部151と、時刻を計測する時計部152と、電子メール制御部153と、移動予測部154とを有する。
【0028】
制御部15は、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(不図示)と、プログラムを格納するためのメモリ(不図示)とを有する。時計部152は専用の回路で構成されているが、スケジュール管理部151、電子メール制御部153および移動予測部154のそれぞれは、CPUがプログラムを実行することで携帯端末50に仮想的に構成される。なお、スケジュール管理部151、電子メール制御部153および移動予測部154のうち、一部または全部が専用回路で構成されてもよい。
【0029】
通信部110の無線通信部112は、図1に示した無線通信部11に相当し、基地局を介してインターネットと接続される。無線通信部112は、PHS(Personal Handy-phone System)用の通信部であってもよく、1つの基地局の通信圏がPHSよりも広いマクロセル用の通信部であってもよい。基地局は、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントであってもよい。
【0030】
表示部14は、液晶ディスプレイまたは有機EL(electro luminescence)ディスプレイである。近距離通信部111は、Bluetooth(登録商標)、FeliCa(登録商標)および赤外線通信などのNFC(Near Field Communication)用の通信部である。
【0031】
記憶部13には、緯度および経度を座標とし、主な地名や建物名が記述された地図の情報が格納される。地名、建物名とは、例えば、交通機関の駅名や停留所名、東京タワーおよび浅草寺などの観光地名、○○デパートおよび××レストランなどの店名である。
【0032】
記憶部13には、待ち合わせ情報が格納される。待ち合わせ情報は、待ち合わせ場所に指定される待ち合わせ場所(以下では、目的地とする)と、待ち合わせ日時と、待ち合わせ場所に参集するメンバーの携帯端末のアドレスと、メッセージ交換時間との情報を含む。メッセージ交換時間とは、待ち合わせ日時から逆算して、待ち合わせ場所への到着予定の通知のやり取りを開始すべき時刻を決める時間である。例えば、待ち合わせ日時を2011年3月1日の午後5時とし、メッセージ交換時間を2時間と設定すると、2011年3月1日の午後3時になると、電子メールで自分の到着予定を他のメンバーへの通知を開始する。
【0033】
記憶部13に格納される地図の範囲は、例えば、待ち合わせ場所として指定される目的地を中心とする半径10キロメートルの範囲である。また、記憶部13には、目的地から現在位置までの距離dに対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルが格納される。図5は図4に示した記憶部に格納されるテーブルの一例を示す図である。
【0034】
図5に示すテーブルには、距離dに対応してメッセージが記述されている。図5に示すテーブルでは、徒歩以外の移動手段の場合も考慮して、移動速度v(km/h)に対応してメッセージが記述されている。待ち合わせ場所に行くまでの移動手段のうち、徒歩以外の手段としては、自転車、自動車および電車などが考えられる。図5に示すテーブルでは、説明を簡単にするために、移動手段が徒歩の場合(v≦5km/h)と、それ以外の場合(v>5km/h)の2通りの場合としている。図5では、徒歩の場合、大人の男性の時速が約4km/hという情報に基づいて設定しているが、移動手段が徒歩であるか否かの判定方法は、この方法に限られない。
【0035】
また、図5において、5km≦d≦7kmの場合に移動速度によらずメッセージを同じにしているのは、5km以上離れたところから徒歩で待ち合わせ場所まで来ることは考えられないことから、徒歩以外の移動手段を用いているものとして、メッセージを1通りに設定している。100m≦d≦200mについても、移動手段が徒歩の場合と徒歩以外の場合とで、メッセージを同じにしている。その理由を説明する。徒歩以外の移動手段を利用している場合、待ち合わせ場所までの距離が200m以下になると、移動手段から徒歩に切り替わる可能性が高くなる。移動手段を自転車から徒歩に切り替えるとき、駐輪場に自転車を置くための時間がかかると考えられる。移動手段を電車から徒歩に切り替えるとき、人混みの多い改札を通過するのに時間がかかると考えられる。移動手段をタクシーから徒歩に切り替えるとき、金銭の授受に時間がかかると考えられる。このように、移動手段の切り替えの可能性のある人のメッセージを、徒歩で待ち合わせに向かっている人と同じメッセージにしている。
【0036】
なお、CPUがプログラムを実行することで、スケジュール管理部151、電子メール制御部153および移動予測部154のそれぞれが仮想的に構成される場合には、スケジュール管理部151、電子メール制御部153および移動予測部154のそれぞれに対応するアプリケーションソフトウェアプログラムが、記憶部13に予め格納されている。
【0037】
位置情報取得部12は、GPS(Global Positioning System)機能により、現在位置の緯度および経度を求める演算回路を備えている。位置情報取得部12は、GPS機能を実行することで、図に示さないGPSアンテナを介して、複数の人工衛星のそれぞれから受信する時刻の情報と、それぞれの人工衛星の緯度および経度の情報を含む軌道情報とに基づいて、現在位置の緯度および経度を所定の演算式から求める。位置情報取得部12は、スケジュール管理部151から制御信号を受信すると、一定時間毎に位置情報を取得し、取得した位置情報を移動予測部154に通知する。
【0038】
位置情報の取得方法は、上記のGPS機能を用いる方法に限らない。位置情報取得部12は、無線通信部11が複数の基地局と通信可能な状態であり、各基地局の緯度および経度の情報が携帯端末50に通知される場合、無線通信部11が複数の基地局から受信する電波の強度に基づいて、位置情報を求めてもよい。PHSでは、この方法で位置情報を取得可能にしている。具体例として、3つの基地局のそれぞれから受信した電波の強度に基づいて、3つの基地局のそれぞれと自装置との距離を予測し、3点方を用いて、予測した3つの距離から自装置の位置を求めることが可能である。また、ユーザが駅の改札を通過する際、近距離通信部111を改札機と通信させることで、位置情報取得部12は、近距離通信部111が改札機から通知される駅の情報を、現在、ユーザの居る駅を位置情報としてもよい。
【0039】
さらに、位置情報の取得方法として、上記の複数の方法のうち、いずれか1つの方法に限らず、2つ以上を組み合わせてもよい。2つを組み合わせた一例として、GPS機能と、複数の基地局からの電波の強度とを組み合わせたAGPS(Assisted GPS)が知られている。特に、地下道やビルの谷間など、人工衛星からの電波を受信しにくい場所では、GPS以外の方法が、位置情報の取得方法に有効である。以下では、位置情報取得部12が、GPS機能を実行することで、現在位置の位置情報を取得する場合で説明する。
【0040】
続いて、図4に示す制御部15内の各構成を説明する。
【0041】
スケジュール管理部151は、ユーザが操作部16を操作して、目的地、待ち合わせ日時、およびメッセージ交換時間が入力されると、これらの情報を含む待ち合わせ情報を記憶部13に格納する。また、電子メール制御部153から待ち合わせ情報の要求を受け付けると、待ち合わせ情報を電子メール制御部153に渡し、その後、電子メールアドレスの情報が追加された待ち合わせ情報を受け取ると、記憶部13に既に格納した待ち合わせ情報を、電子メールアドレスを追加した内容に更新する。スケジュール管理部151は、時計部152が計測する時刻を監視し、待ち合わせ日時までの残り時間がメッセージ交換時間以下になると、メッセージ交換処理の開始を指示するために、位置情報取得部12、電子メール制御部153および移動予測部154に制御信号を送信する。
【0042】
なお、スケジュール管理部151は、待ち合わせ情報以外のスケジュールを管理し、スケジュールに指定された日時になるとアラーム等でユーザに通知する管理を行ってもよい。また、スケジュール管理部151は、ユーザが操作部16を操作して、近距離通信部111を介して待ち合わせ情報を送信する旨の指示を入力すると、待ち合わせ情報を近距離通信部111を介して外部に送信する。
【0043】
時計部152は、自装置内のクロック信号にしたがって、時刻を計測する。時計部152は、計測する時刻と正しい時刻との間に誤差が生じる場合、無線通信部112が基地局と通信を行う際に、無線通信部112が基地局から正しい時刻を受信し、無線通信部112が基地局から受信した時刻の情報に基づいて時刻の誤差を補正してもよい。
【0044】
移動予測部154の構成を説明する。図6は移動予測部154の動作を示すフローチャートである。移動予測部154は、一時保存用メモリ(不図示)を備え、メッセージ交換処理を開始する旨の制御信号をスケジュール管理部151から受信すると、加速度センサ17で計測される加速度の経時変化を一時保存メモリに蓄積する(ステップ201)。移動予測部154は、位置情報取得部12から位置情報を取得すると、目的地と位置情報との距離dを算出する(ステップ202)。距離dの算出方法の一例として、目的地と位置情報のそれぞれにおける、緯度および経度の座標から三平方の定理を用いて算出する方法がある。ステップ202で算出した距離dが所定の距離以下であるか否かを判定し、距離dが所定の距離以下である場合、移動予測部154は処理を終了し、距離dが所定の距離よりも大きい場合、ステップ204に進む。図5に示すテーブルの場合、判定基準となる所定の距離は30mである。
【0045】
また、移動予測部154は、一時保存用メモリに蓄積した加速度の経時変化の情報に基づいて、携帯端末50の平均時速を算出する。この平均時速が図5に示したテーブルの移動速度vに相当する(ステップ204)。続いて、移動予測部154は、記憶部13に格納されたテーブルを参照し、算出した距離dおよび移動速度vに対応するメッセージを選択する(ステップ205)。その後、移動予測部154は、選択したメッセージを電子メール制御部153に渡し(ステップ206)、一時保存用メモリの情報を消去し、ステップ201に戻る。なお、記憶部13に格納されたテーブルにおいて、移動速度に数値が書かれていない場合、移動予測部154が、移動速度の大きさには依存せず、距離dに応じてメッセージを選択する。
【0046】
電子メール制御部153は、ユーザが操作部16を操作して待ち合わせ情報を選択し、宛先として電子メールアドレスを指定すると、待ち合わせ情報を添付した電子メールを作成し、無線通信部112を介して電子メールを送信する。そして、電子メール制御部153は、送信した電子メールの宛先となるアドレスの情報を待ち合わせ情報に含めてスケジュール管理部151に返送する。
【0047】
また、電子メール制御部153は、メッセージ交換処理を開始する旨の制御信号をスケジュール管理部151から受信した後、無線通信部112を介して電子メールを受信すると、受信した電子メールの送信元が待ち合わせ情報の電子メールアドレスと一致するか否かを判定する。判定の結果、これらの電子メールが一致する場合、電子メール制御部153は、電子メールに添付されたメッセージを表示部14に表示させ、これらの電子メールが一致しない場合、電子メールを受信したことを表示部14に表示させる。さらに、電子メール制御部153は、移動予測部154からメッセージを受け取ると、メッセージを含む電子メールを作成し、待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛に電子メールを送信する。
【0048】
ここで、記憶部13に複数の待ち合わせ情報が格納されている場合、電子メール制御部153が読み出す電子メールアドレスは、待ち合わせ時刻までの時間がメッセージ交換時間以下になっている待ち合わせ情報に記述されているアドレスが対象となる。スケジュール管理部151が、電子メール制御部153に送信する制御信号に、メッセージ交換処理の対象となる待ち合わせ情報を含めることで、電子メール制御部153が、メッセージ交換処理の対象となる待ち合わせ情報を特定できるようにしてもよい。
【0049】
なお、本実施形態では、ユーザの移動手段が徒歩またはそれ以外のいずれかの場合の制御方法を説明しているが、移動手段が「徒歩のみ」のように予め1つに決まっている場合、加速度センサ17を設ける必要がなく、距離dに応じたメッセージを記述したテーブルを用意し、移動予測部154は距離dに応じてメッセージを選択すればよい。
【0050】
次に、本実施形態の携帯端末の動作を説明する。図7は本実施形態の携帯端末を含む通信システムの一例を示す図である。
【0051】
図7に示す携帯端末50a、50bのそれぞれは図4を参照して説明した携帯端末50に相当する。図7に示すように、携帯端末50a、50bおよびサーバ40がネットワーク30に接続される。サーバ40は、緯度および経度を座標とし、主な地名や建物名が記述された地図の情報を記憶する記憶部41と、携帯端末50a、50bからの要求に応じて地図の情報を提供する制御部42とを有する。記憶部41が記憶する地図の範囲は、携帯端末50a、50bに格納される地図よりも広い。制御部42は、記憶部41に格納された地図を参照し、地名や建物名などの名称を、その名称が示す位置の緯度および経度の座標情報に変換する。
【0052】
図8は図7に示す通信システムの動作を示すシーケンス図である。図9は本実施形態の携帯端末の動作手順を示すフローチャートである。図9は携帯端末50aを主体とした場合のフローチャートであるが、携帯端末50bを主体としても同様である。
【0053】
携帯端末50aのユーザAが携帯端末50bのユーザBと直接にまたは電話で話をして、待ち合わせ場所と待ち合わせ日時を決める。ユーザAが携帯端末50aの操作部16を操作して、待ち合わせ場所、待ち合わせ日時およびメッセージ交換時間を設定した待ち合わせ情報を入力する。携帯端末50aは待ち合わせ情報を記憶部13に格納した後(ステップ1201)、待ち合わせ情報から待ち合わせ場所の名称を読み出し、座標情報を要求する旨とその名称の情報を含む座標情報要求信号をネットワーク30を介してサーバ40に送信する(ステップ1202)。
【0054】
サーバ40の制御部42は、携帯端末50aから座標情報要求信号を受信すると、座標情報要求信号から名称の情報を読み出し、記憶部41に格納された地図情報を参照し、読み出した名称が示す位置の緯度および経度の座標情報を読み出す(ステップ1203)。そして、制御部42は、緯度および経度の情報を含む位置情報を携帯端末50aに送信する(ステップ1204)。携帯端末50aは、サーバ40から位置情報を受信すると、待ち合わせ情報内の待ち合わせ場所を位置情報に書き換える。その後、ユーザAが携帯端末50aを操作して待ち合わせ情報を携帯端末50bに送信する旨の指示を入力すると、携帯端末50aは待ち合わせ情報を携帯端末50bに送信する(ステップ1205)。
【0055】
ここでは、ユーザAとユーザBとが待ち合わせする場合で説明するが、待ち合わせの人数は2人に限らず、3人以上であってもよい。また、待ち合わせ情報は、携帯端末50aから携帯端末50bに対して、近距離通信部111を用いて送信してもよく、待ち合わせ情報を添付した電子メールを無線通信部112を用いてネットワーク30経由で送信してもよい。
【0056】
待ち合わせの人数が2人以上で、近距離通信部111で待ち合わせ情報を通知する場合の一例を説明する。定期的に行われる会合において、ある日に行われた会合の最後に次の会合のスケジュールを幹事が決め、幹事が自分の携帯端末を操作して次回の会合のスケジュールを作成し、参加者が全員いる場において、近距離通信部111を用いて、幹事の携帯端末から他の参加者の携帯端末に直接にスケジュールを送信することが考えられる。
【0057】
また、ネットワーク30経由で待ち合わせ情報を電子メールで通知する場合の例を説明する。複数のメンバーが電話等の連絡手段で会合の日時を決めた後、幹事が携帯端末を操作して待ち合わせ情報を携帯端末に登録するとともに、待ち合わせ情報を電子メールに添付して他のメンバーの携帯端末宛に送信する。電子メールを受信した携帯端末は、電子メールに添付された待ち合わせ情報を記憶部に格納する。
【0058】
また、待ち合わせ情報を通知するための電子メール用フォーマットが予め決められていてもよい。上記のようにして、複数のメンバーが電話等の連絡手段で会合の日時を決めた後、幹事が携帯端末を操作して電子メール用フォーマットに位置情報および待ち合わせ時刻等を登録すると、待ち合わせ情報をスケジュールとして格納するとともに、電子メールを他のメンバーの携帯端末宛に送信する。電子メールを受信した携帯端末は、電子メールから位置情報および待ち合わせ情報等を読み出し、読み出した情報を待ち合わせ情報として記憶部に格納する。
【0059】
図8のステップ1205では、携帯端末50aは、待ち合わせ情報を電子メールに添付して携帯端末50bに送信した場合を示す。携帯端末50bは、携帯端末50aから受信した待ち合わせ情報を記憶部13に格納する(ステップ1206)。
【0060】
その後、待ち合わせ時刻までの時間がメッセージ交換時間以下になると、携帯端末50aは、図9に示すステップ1101の判定により、現在位置と目的地との距離dおよび移動速度vを算出し、距離dおよび移動速度vに対応するメッセージをテーブルから選択する(ステップ1102、1103、1105)。そして、携帯端末50aは、選択したメッセージを含む電子メールを携帯端末50bに送信する(図8に示すステップ1207、図9に示すステップ1106)。携帯端末50bも携帯端末50aと同様にして電子メールを作成して携帯端末50aに送信する(図8に示すステップ1209、図9に示すステップ1102、1103、1105、1106)。
【0061】
携帯端末50bは、電子メールを受信すると(図9のステップ1007)、電子メールの送信元が携帯端末50aであるか否かを判定し(図9のステップ1008)、受信した電子メールの送信元が携帯端末50aであれば、電子メールに添付されたメッセージを表示部14に表示させる(図9のステップ1009、図8のステップ1208)。一方、受信した電子メールの送信元が携帯端末50aでない場合、携帯端末50bは、電子メールを受信したことを表示部14に表示させる(ステップ1010)。携帯端末50aも携帯端末50aと同様にして、電子メールに添付されたメッセージを表示するか否かを判定する(図8に示すステップ1210、図9に示すステップ1007〜1010)。待ち合わせ場所までの距離dが所定の距離以下になるまで、携帯端末50a、50bは相手の携帯端末に対して、メッセージを含む電子メールを送信する(図9に示すステップ1104)。
【0062】
図10は表示部の画面の一例を示す図である。図10(a)は携帯端末50aの表示部14の画面の一例を示し、図10(b)は携帯端末50bの表示部14の画面の一例を示す。図10(a)に示すように、携帯端末50aの表示部14には、ユーザBが目的地まで「あと2、3分」で到着することが表示されている。図10(b)に示すように、携帯端末50bの表示部14には、ユーザAが目的地に到着したことが表示されている。また、図10(b)の画面には、携帯端末50a以外からの端末から電子メールを受信したことが表示されている。
【0063】
このようにして、ユーザAおよびユーザBのそれぞれについて、現在地から待ち合わせ場所までにかかる時間に見合ったメッセージが一定の時間間隔で他のユーザの携帯端末に通知され、表示部に表示される。その結果、ユーザAおよびユーザBは、待ち合わせ場所へ移動しながら、他のユーザに到着予定時刻を通知するための操作を行う必要がない。
【0064】
また、待ち合わせしている人以外の端末から受信した電子メールは通常のメールとして扱われるが、待ち合わせしている人の端末から受信した電子メールに関しては、その電子メールに添付されたメッセージが表示部に表示される。そのため、ユーザAおよびユーザBは、急いで開封すべき電子メールを選択し、かつ、選択した電子メールを開封する操作を行わなくても、他のメンバーがあとどのくらいで待ち合わせ場所に到着するかを知ることが可能となる。
【0065】
本実施形態によれば、待ち合わせの日時に近づいた段階で、待ち合わせしている各メンバーは、自分で携帯端末を操作しなくても、待ち合わせ場所までにあとどのくらいの時間で到着するかの目安となるメッセージを他のメンバーの携帯端末に送信することが可能となる。また、他のメンバーの携帯端末から受け取る電子メールのメッセージが表示部に表示されるため、自分で携帯端末を操作して電子メールを開く必要がない。そのため、自分で携帯端末を操作しなくても、他のメンバーが待ち合わせ場所にどのくらいの時間で行けるかを表示部の画面で確認することができる。その結果、ユーザの携帯端末の操作に対する負荷が軽減する。
【0066】
また、待ち合わせ場所に遅れて来るメンバーがいる場合でも、先に到着したメンバーは、遅れて来るメンバーがどのくらいの時間に到着するかを把握でき、待たされる場合に生じるストレスが軽減する。さらに、待ち合わせ場所まで移動している間、他のメンバーと何度もメッセージを交換することで、お互いの移動状態を確認することが可能となる。本実施形態により、操作に関する負荷を軽減可能にしたユーザインタフェースをユーザに提供することができる。
【0067】
なお、本実施形態では、位置情報取得部12が携帯端末50の位置情報をGPSから受信する電波または基地局から受信する電波で求める場合を説明したが、位置情報取得部12が実行する演算処理を制御部15内に設けられるCPU(不図示)に実行させてもよい。また、本実施形態では、メッセージ交換時間をユーザが入力する場合で説明したが、予め待ち合わせ情報に設定されていてもよい。
【0068】
また、本実施形態の携帯端末では、待ち合わせ日時までの時間がメッセージ交換時間以下になった後、受信した電子メールを開封するか否かの判定を、その電子メールの送信元のアドレスが待ち合わせ情報に登録されているか否かで行う場合で説明したが、電子メールの開封を指示する旨の特有のヘッダ情報を送信側の端末が電子メールに添付し、受信側の端末が、電子メールにヘッダ情報が添付されているか否かで電子メールのメッセージを表示部14に表示させるか否かを判定するようにしてもよい。
【0069】
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態において、待ち合わせしている他のメンバーからのメッセージとともに、待ち合わせしているメンバー毎に異なるキャラクタを表示部に表示させるようにしたものである。本実施形態では、第1の実施形態と異なる構成について詳しく説明し、第1の実施形態と同様な構成および動作についての詳細な説明を省略する。
【0070】
本実施形態の携帯端末の構成を、図4を参照して説明する。
【0071】
記憶部13には、複数種のキャラクタの画像が予め登録されている。記憶部13に複数の電子メールアドレスを含む待ち合わせ情報が格納されると、携帯端末50aのユーザは、操作部16を操作して、複数の電子メールアドレスのそれぞれに対して、複数種のキャラクタから、電子メールアドレス毎に異なるキャラクタを指定して待ち合わせ情報に登録する。
【0072】
電子メール制御部153は、待ち合わせ情報に登録されたアドレスを送信元とする電子メールのメッセージを表示部14に表示させる際、そのアドレスに付随して登録されているキャラクタをメッセージの隣に表示させる。
【0073】
なお、本実施形態では、携帯端末がメッセージとともにキャラクタを表示部に表示させる点を除いて、第1の実施形態の携帯端末と動作が同様になるため、動作についての詳細な説明を省略し、表示部の画面について詳しく説明する。
【0074】
図11は本実施形態の携帯端末の表示部の画面の例を示す図である。ここでは、第1の実施形態で説明した携帯端末50aのユーザAおよび携帯端末50bのユーザBの他に、携帯端末50cのユーザCが待ち合わせのメンバーとして追加されているものとする。
【0075】
図11(a)は携帯端末50aの表示部14の画面の一例を示し、図11(b)は携帯端末50bの表示部14の画面の一例を示し、図11(c)は携帯端末50cの表示部14の画面の一例を示す。
【0076】
図11(a)に示すように、携帯端末50aの表示部14には、ユーザBに対応するキャラクタ71の隣に「あと2、3分」で到着する旨のメッセージが表示され、ユーザCに対応するキャラクタ72の隣に「10分以上」かかる旨のメッセージが表示されている。図11(b)に示す、携帯端末50bの表示部14には、ユーザAに対応するキャラクタ73の隣に目的地に到着した旨のメッセージが表示され、ユーザCに対応するキャラクタ72の隣に「10分以上」かかる旨のメッセージが表示されている。また、図11(b)の画面には、携帯端末50a、50c以外からの端末から電子メールを受信したことが表示されている。図11(c)に示す、携帯端末50cの表示部14には、ユーザBに対応するキャラクタ71の隣に「あと2、3分」で到着する旨のメッセージが表示され、ユーザAに対応するキャラクタ73の隣に目的地に到着した旨のメッセージが表示されている。
【0077】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果が得られるだけでなく、待ち合わせしているメンバーの人数が3人以上であっても、メッセージのそれぞれにメンバーに対応したキャラクタが表示部に表示されるため、誰があとどのくらいで待ち合わせ場所に到着するかがわかりやすくなる。本実施形態では、メッセージとともにキャラクタを表示する場合で説明したが、待ち合わせしている人の名前などその人を特定するための情報であれば、キャラクタ以外であってもよい。
【0078】
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態において、待ち合わせ場所に近づくと、メッセージ交換の頻度を上げるようにしたものである。本実施形態は、第1の実施形態と同様な構成であるため、第1の実施形態と異なる動作について詳細に説明する。
【0079】
図12は本実施形態の携帯端末の動作の一部を示すフローチャートである。図12は、図9に示したフローチャートに追加する部分を示している。図12におけるステップ1104の第2の距離は図9におけるステップ1104に示した「所定の距離」に相当し、第1の距離は第2の距離よりも大きい。
【0080】
移動予測部154は、算出した距離dが第1の距離以下であるか否かを判定し(ステップ1301)、距離dが第1の距離以下である場合、位置情報取得部12に位置情報の取得頻度を上げさせるとともに、移動速度vの算出頻度を上げる。これにより、電子メール制御部153は、単位時間あたりに移動予測部154から通知されるメッセージの数が増えるため、電子メールの送信頻度を上げる(ステップ1302)。ステップ1301で、距離dが第1の距離より大きい場合、移動予測部154は、ステップ1104に進む。
【0081】
なお、図12に示すフローチャートでは、ループによりステップ1302の処理が複数回行われる可能性があるが、ステップ1302の処理を1度行えば、2回目にステップ1302に進んでも、ステップ1302の処理を行わないようにプログラムを記述してもよく、ループにしたがってステップ1302の処理を行う度に電子メールの送信頻度を段階的に上げるようにプログラムを記述してもよい。
【0082】
本実施形態では、第1の実施形態と同様な効果が得られるだけでなく、待ち合わせ場所までの距離が近づくと、メッセージ交換の頻度が上がると、待ち合わせ場所に先に到着した人は、遅れて来る人の到着予定の通知を頻繁に受け取れるので、待たされることで生じるストレスが軽減する。本実施形態を第2の実施形態に適用してもよい。
【0083】
本発明を、携帯電話機、PHS、PDA(Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末装置であって、電子メール等の通信機能、およびGPS等の位置情報取得機能を有する装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
10 携帯端末
11 無線通信部
12 位置情報取得部
13 記憶部
14 表示部
15 制御部
16 操作部
17 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
基地局を介してネットワークと接続するための無線通信部と、
目的地、待ち合わせ日時および電子メールアドレスの情報を含む待ち合わせ情報と、該目的地が書き込まれた地図の情報と、該目的地からの距離に対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルとを記憶する記憶部と、
前記地図上における、現在の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になると、前記位置情報取得部に前記位置情報を一定時間毎に取得させ、位置情報を取得する度に該位置情報と前記目的地との距離を算出し、算出した距離に対応する前記メッセージを前記テーブルから読み出し、該メッセージを含む電子メールを生成して前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛に前記ネットワークを介して送信し、また、該電子メールアドレスを送信元とする電子メールを受信すると、該電子メールに添付されたメッセージを前記表示部に表示させる制御部と、
を有する携帯端末。
【請求項2】
請求項1記載の携帯端末において、
前記制御部は、
前記メッセージを前記表示部に表示させる際、前記電子メールアドレスの携帯端末のユーザを特定するための情報を前記メッセージとともに前記表示部に表示させる、携帯端末。
【請求項3】
請求項1または2記載の携帯端末において、
加速度センサがさらに設けられ、
前記メッセージが前記距離および移動速度に応じて前記テーブルに記述され、
前記制御部は、
前記加速度センサで計測される加速度の経時変化に基づいて前記移動速度を算出し、算出した移動速度および距離に対応して、前記メッセージを前記テーブルから選択する、携帯端末。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の携帯端末において、
前記制御部は、
受信した電子メールの送信元が前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレスとは異なる場合、該電子メールを受信したことを表示部に表示させる、携帯端末。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載の携帯端末において、
前記制御部は、
算出した距離が第1の距離以下になると、前記位置情報の取得ならびに前記電子メールの作成および送信の頻度を上げる、携帯端末。
【請求項6】
請求項5記載の携帯端末において、
前記制御部は、
算出した距離が前記第1の距離よりも小さい第2の距離以下になると、前記電子メールの作成および送信を停止する、携帯端末。
【請求項7】
表示部、無線通信部、記憶部および制御部を有する携帯端末が実行する情報処理方法であって、
前記制御部は、目的地、待ち合わせ日時および電子メールアドレスの情報を含む待ち合わせ情報と、該目的地が書き込まれた地図の情報と、該目的地からの距離に対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルとを前記記憶部に予め格納し、
前記制御部は、前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になると、前記地図上における、現在の位置を示す位置情報を一定時間毎に取得し、
前記制御部は、前記位置情報を取得する度に該位置情報と前記目的地との距離を算出し、
前記制御部は、算出した距離に対応する前記メッセージを前記テーブルから読み出し、該メッセージを含む電子メールを生成して前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛に前記無線通信部を介してネットワークに接続された基地局に送信し、
前記制御部は、前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になった後、前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレスを送信元とする電子メールを前記無線通信部を介して受信すると、該電子メールに添付されたメッセージを前記表示部に表示させる、情報処理方法。
【請求項8】
表示部、無線通信部、記憶部および制御部を有する携帯端末に実行させるためのプログラムであって、
目的地、待ち合わせ日時および電子メールアドレスの情報を含む待ち合わせ情報と、該目的地が書き込まれた地図の情報と、該目的地からの距離に対応した、到着予定を知らせるメッセージが記述されたテーブルとを前記記憶部に予め格納し、
前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になると、前記地図上における、現在の位置を示す位置情報を一定時間毎に取得し、
前記位置情報を取得する度に該位置情報と前記目的地との距離を算出し、
算出した距離に対応する前記メッセージを前記テーブルから読み出し、該メッセージを含む電子メールを生成して前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレス宛に前記無線通信部を介してネットワークに接続された基地局に送信し、
前記待ち合わせ日時までの時間が所定の時間以下になった後、前記待ち合わせ情報に含まれる電子メールアドレスを送信元とする電子メールを前記無線通信部を介して受信すると、該電子メールに添付されたメッセージを前記表示部に表示させる処理を前記携帯端末に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−185559(P2012−185559A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46684(P2011−46684)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】