説明

携帯端末、携帯端末の制御方法、及びプログラム

【課題】画像の表示方向の切り替えの可否を認識可能な携帯端末、携帯端末の制御方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる携帯端末1は、表示部11と、切替部12と、判定部13と、通知部14と、を備える。切替部12は、ユーザの操作に基づいて、表示部11に表示された画像の表示部11に対する表示方向を切り替える。判定部13は、表示部11が、切替部12の切り替え処理に応じて、画像を複数の表示方向で表示可能か否かを判定する。 通知部14は、判定部13の判定結果をユーザに対して通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末、携帯端末の制御方法、及びプログラムに関し、特に画像の表示方向を切り替え可能な携帯端末、携帯端末の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワンセグやカメラ、ウェブ閲覧等の電話機能以外の機能を備える携帯電話機が普及している。一方、携帯電話機の表示画面は、一般的に縦長の長方形であり、通常、表示画面に表示される画像は、縦方向に表示される。
【0003】
このとき、上記した携帯電話機の機能によっては、縦方向の表示よりも横方向に表示した方が、利便性が向上する場合がある(例えば、ワンセグ放送を見る場合には、横画面の方が、縦方向の表示よりも画像が大きく表示され、画像の視認性に優れている)。
【0004】
そのため、近年の携帯電話機は、表示された画像の表示方向を縦方向及び横方向に切り替える機能を備えている。さらに、表示方向の切り替えをより直感的に行うために、ユーザが携帯電話機を傾けることにより、画像の表示方向が切り替わる機能を備える携帯電話機も提案されている。
【0005】
特許文献1には、ディスプレイの周りに複数の発光部を備える電子機器が開示されている。当該発光部は、表示画像の表示方向が変更した場合に、表示方向が変更した旨及び変更した表示方向をユーザに通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−321974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、携帯電話機が備える全ての機能において、その機能に応じて表示される画像の表示方向が変更できるとは限らない。つまり、携帯電話機が備える機能には、縦方向表示のみに対応する機能、横方向表示のみに対応する機能及び縦方向表示と横方向表示との双方に対応する機能とが混在する。したがって、ユーザにとっては、表示画面に表示された画像が縦方向または横方向に切り替え可能であるか否かを認識することが困難であるという問題があった。
【0008】
なお、特許文献1に記載の電子機器は、表示方向が変更した旨及び変更した表示方向を通知することはできるが、表示された画像が縦方向または横方向に切り替え可能であるか否かをユーザが認識することはできない。
【0009】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、画像の表示方向の切り替えの可否を認識可能な携帯端末、携帯端末の制御方法、及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる携帯端末は、表示手段と、ユーザの操作に基づいて、前記表示手段に表示された画像の前記表示手段に対する表示方向を切り替える切替手段と、前記表示手段が、前記切替手段の切り替え処理に応じて、前記画像を複数の前記表示方向で表示可能か否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を前記ユーザに対して通知する通知手段と、を備えるものである。
【0011】
本発明にかかる携帯端末の制御方法は、ユーザの操作に基づいて、表示手段に表示された画像を複数の表示方向で表示可能か否かを判定し、通知手段を用いて判定結果を前記ユーザに対して通知するものである。
【0012】
本発明にかかるプログラムは、上記の携帯端末の制御方法をコンピュータに行わせるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、画像の表示方向の切り替えの可否を認識可能な携帯端末、携帯端末の制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1にかかる携帯端末のブロック図である。
【図2】実施の形態2にかかる携帯端末のブロック図である。
【図3】実施の形態2にかかる機能・方向テーブルである。
【図4】実施の形態2にかかる方向・点灯テーブルである。
【図5】実施の形態2にかかる携帯端末の正面図である。
【図6】実施の形態2にかかる携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【図7】表示可能方向が縦方向のみの場合の携帯端末の正面図である。
【図8】表示可能方向が横方向のみの場合の携帯端末の正面図である。
【図9】表示可能方向が縦方向及び横方向の場合の携帯端末の正面図である。
【図10】表示可能方向が上方向、左方向及び右方向の場合の携帯端末の正面図である。
【図11】その他の実施例にかかる携帯端末の正面図である。
【図12】その他の実施例にかかる携帯端末の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態にかかる携帯端末1のブロック図を図1に示す。携帯端末1は、表示部11と、切替部12と、判定部13、通知部14と、を備える。ここで、携帯端末1とは、例えば、携帯電話機や携帯オーディオプレーヤー、タブレットPC(Personal Computer)、ゲーム機等であり、表示画面を備える携帯可能な端末である。
【0016】
表示部11は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、携帯端末1の機能や携帯端末1のユーザの操作に応じて画像を表示画面に表示する。
【0017】
切替部12は、ユーザの操作に基づいて、表示部11に表示された画像の表示部11に対する表示方向を切り替える。例えば、切替部12は、表示部に表示された画像を縦方向または横方向に切り替える。なお、ユーザの操作とは、携帯端末1のボタンの押下や携帯端末1の姿勢の変更等である
【0018】
なお、縦方向の表示とは、長方形の表示画面の長手方向を画像の上下方向として表示することをいう。同様に、横方向の表示とは、長方形の表示画面の短手方向を画像の上下方向として表示することをいう。勿論、正方形の表示画面であれば、いずれの方向を縦方向としてもよい。この場合、縦方向の表示から画像を略90°回転させた表示を横方向の表示とする。
【0019】
判定部13は、切替部12の切り替え処理に応じて、表示部11が、表示部11に表示された画像を複数の表示方向で表示可能か否かを判定する。例えば、表示部11が、表示された画像を縦方向及び横方向のいずれの方向でも表示可能な場合、判定部13は複数の表示方向で当該画像を表示可能であると判定する。一方、表示部11が、表示された画像を縦方向のみまたは横方向のみ表示可能な場合、判定部13は複数の表示方向で当該画像を表示可能でないと判定する。
【0020】
通知部14は、判定部13の判定結果を携帯端末1のユーザに通知する。判定結果の通知方法は、例えば、画像表示でもよいし、LED等の点灯でもよい。例えば、通知部14は、表示部11は複数の表示方向で表示可能である、と判定部13が判定した場合、LEDを点灯させる。一方、表示部11は縦方向のみ表示可能である、と判定部13が判定した場合、LEDを消灯させる。勿論、通知方法は、音を用いた通知でもよいし、バイブレーションを用いた通知でもよい。
【0021】
以上のように、本実施の形態にかかる携帯端末1の構成によれば、表示部11が、切替部12の切り替え処理に応じて、表示部11に表示された画像を複数の表示方向で表示可能か否かを、判定部13が判定する。そして、通知部14が、判定部13の判定結果をユーザに通知する。そのため、表示部11が現在表示されている画像を複数の方向で表示可能であるか否かをユーザが認識できる。つまり、ユーザは、表示されている画像の表示方向が切り替え可能か否かを認識することができる。
【0022】
<実施の形態2>
本発明にかかる実施の形態2について説明する。本実施の形態にかかる携帯端末2のブロック図を図2に示す。携帯端末2は、表示部11と、切替部12と、機能起動監視部21と、起動中機能記憶部22と、表示可能方向判定部23と、表示可能方向情報記憶部24と、LED点灯制御部25と、LED91〜94と、を備える。なお、表示部11及び切替部12の構成については、携帯端末1と同様であるので、説明を適宜省略する。
【0023】
機能起動監視部21は、携帯端末2において起動している機能の有無を監視する。機能起動監視部21は、起動している機能を検出した場合、当該起動中の機能を示す情報(以下、機能情報と称す)を起動中機能記憶部22に格納する。起動中機能記憶部22は、RAM(Random Access Memory)等のメモリであり、起動中の機能情報を記憶する。
【0024】
表示可能方向判定部23(判定手段)は、起動中機能記憶部22から起動中の機能情報を読み出す。表示可能方向判定部23は、当該機能情報に基づいて、表示部11が表示可能な表示方向を判定する。具体的には、表示可能方向判定部23は、携帯端末2の機能と、表示部11が表示可能な画像の表示方向(以下、表示可能方向と称す)と、が対応付けられて格納されたテーブル(図3参照、以下、機能・方向テーブルと称す)を参照して、表示可能方向を判定する。なお、図3に示した機能・方向テーブルの機能X、Y、Zとは、携帯端末2が備える機能であり、例えば、メール機能や、ワンセグ機能、ウェブ閲覧(インターネット)機能等である。携帯端末2は、これらの機能に応じたモードに切り替わる(例えば、メール機能を起動した場合、携帯端末2はメールモードに切り替わる)。そして、これらのモードに応じて、表示部11の表示レイアウトが切り替わる。
【0025】
図3に示した機能・方向テーブルにおいては、機能Xが起動中である場合、表示部11が表示できる表示方向(以下、表示可能方向と称す)は縦方向である。つまり、機能Xの起動中においては、表示部11は、機能Xに応じて表示される画像を縦方向でのみ表示可能である。同様に、表示部11は、機能Yに応じて表示される画像を横方向でのみ表示可能である。また、表示部11は、機能Zに応じて表示される画像を縦方向と横方向のいずれの表示方向でも表示可能である。なお、上記のように、縦方向及び横方向への表示方向の切り替えは、切替部12が行う。
【0026】
なお、機能・方向テーブルは、当該機能の特性に応じて予め設定される。勿論、ユーザの好みに合わせて設定を変更可能としてもよい。機能・方向テーブルは、表示可能方向判定部23に格納されていてもよいし、その他のメモリに格納されていてもよい。
【0027】
そして、表示可能方向判定部23は、判定した表示可能方向を示す情報(以下、表示可能方向情報と称す)を表示可能方向情報記憶部24に格納する。表示可能方向情報記憶部24は、RAM(Random Access Memory)等のメモリであり、表示可能方向情報を記憶する。
【0028】
LED点灯制御部25は、表示可能方向情報記憶部24から表示可能方向情報を読み出し、当該表示可能方向情報に基づいて、LED91〜94の点灯を制御する。具体的には、LED点灯制御部25は、表示可能方向と、点灯させるLEDと、が対応付けられたテーブル(図4参照、以下、方向・点灯テーブルと称す)を参照して、点灯すべきLEDを特定する。そして、LED点灯制御部25は、特定したLEDを点灯させる。つまり、LED点灯制御部25及びLED91〜94が、実施の形態1における通知部14に対応する。
【0029】
ここで、携帯端末2の具体的な構成について説明する。携帯端末2の正面図を図5に示す。携帯端末2は、表示画面111、操作ボタン30を備える携帯電話機である。表示画面111は、表示部11の一部であり、略矩形状をしている。操作ボタン30は、ユーザが携帯端末2に入力を行うためのユーザインターフェースである。
【0030】
LED91〜94は、表示画面111の各辺の中央部に近接して配置されている。より詳細には、LED91〜94は、表示画面111の外側に配置される。このように、LED91〜94を表示画面111の外側に配置して点灯させることにより、表示画面111に表示されている画像の視認性に影響を与えない。つまり、表示画面111内にLEDを配置して点灯させる場合よりも、LED91〜94を表示画面111の外側に配置して点灯させる方が、表示画面111に表示されている画像の視認性を低下させない。表示画面111の上にLED91が配置され、表示画面111の下にLED93が配置され、表示画面111の右にLED92が配置され、表示画面111の左にLED94が配置される。
【0031】
そして、LED92の上部に表示画面111が配置され、LED92の下部に操作ボタン30が配置される。縦方向に表示可能である場合、表示画面111を挟んで上下方向に並んでいるLED91、93が点灯する。横方向に表示可能である場合、表示画面111を挟んで左右方向に並んでいるLED92、94が点灯する。このような点灯動作により、ユーザは、表示可能方向を直感的に把握することができる。なお、図5に示した携帯端末2においては、表示画面111に表示された画像の上下方向がLED91、93の配置方向となる場合を縦方向の表示とし、画像の上下方向がLED92、94の配置方向となる場合を横方向の表示とする。
【0032】
続いて、本実施の形態にかかる携帯端末2の動作例について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。まず、機能起動監視部21が、現在起動している機能を監視する(ステップS101)。そして、機能起動監視部21は、起動中の機能があるか否かを検出する(ステップS102)。
【0033】
機能起動監視部21が起動している機能を検出した場合(ステップS102:Yes)、機能起動監視部21は、検出した機能情報を起動中機能記憶部22に格納する(ステップS103)。例えば、機能起動監視部21は、起動している機能として機能Xを検出した場合、起動中機能記憶部22に機能Xを示す情報を格納する。
【0034】
次に、表示可能方向判定部23は、起動中機能記憶部22から機能情報を読み出す。表示可能方向判定部23は、機能・方向テーブルを参照して、読み出した機能に対応する表示可能方向を判定する。そして、表示可能方向判定部23は、判定結果(表示可能方向情報)を表示可能方向情報記憶部24に格納する(ステップS104)。
【0035】
上記の例では、表示可能方向判定部23は、起動中機能記憶部22から機能Xの機能情報を読み出した場合、機能・方向テーブルを参照して、表示可能方向は縦方向であると判定する(図3参照)。そして、表示可能方向判定部23は、表示可能方向情報記憶部24に表示可能方向情報として縦方向を示す情報を格納する。
【0036】
LED点灯制御部25は、表示可能方向情報記憶部24から表示可能方向情報を読み出す(ステップS105)。そして、LED点灯制御部25は、読み出した表示可能方向情報に基づいて、表示可能方向を特定する(ステップS106)。LED点灯制御部25は、方向・点灯テーブルを参照して、表示可能方向に対応するLEDを特定する(図4参照)。
【0037】
上記の例では、LED点灯制御部25は、表示可能方向情報記憶部24から縦方向の表示可能方向情報を読み出し、方向・点灯テーブルを参照して、点灯すべきLEDはLED91、93であると特定する。そして、LED点灯制御部25は、LED91、93を点灯させる(ステップS107)。LED91、93を点灯した場合の携帯端末2の正面図を図7に示す。なお、斜線で示すLEDが点灯しているLEDである。
【0038】
同様に、LED点灯制御部25は、表示可能方向情報記憶部24から横方向の表示可能方向情報を読み出した場合、方向・点灯テーブルを参照して、点灯すべきLED92、94を点灯させる(ステップS108、図8参照)。これに対して、LED点灯制御部25は、表示可能方向情報記憶部24から縦方向及び横方向の表示可能方向情報を読み出した場合、方向・点灯テーブルを参照して、点灯すべきLED91〜94を点灯させる(ステップS109、図9参照)。
【0039】
このとき、LED点灯制御部25は、点灯すべきLEDを点灯させた後、所定時間経過後に、点灯しているLEDを消灯させてもよい。これにより、LED点灯に消費する電力を削減できる。さらに、LEDの消灯後に、携帯端末2の所定のキーを押すことにより、LED点灯制御部25が、再び点灯すべきLEDを点灯させる構成としてもよい。これにより、ユーザは、表示可能方向を再度確認することができる。
【0040】
一方、機能起動監視部21が起動中の機能を検出しなかった場合(例えば待ち受け状態の場合)(ステップS102:No)、LED点灯制御部25は、LED91〜94を消灯させる(ステップS110)。
【0041】
以上のように、本実施の形態にかかる携帯端末2の構成によれば、機能起動監視部21が起動中の機能を検出する。また、表示可能方向判定部23が、検出された機能に基づいて、表示可能方向を判定する。そして、LED点灯制御部25が、表示可能方向に基づいて、表示画面111の周囲に配置されたLED91〜94の点灯を制御する。そのため、携帯端末2のユーザは、点灯しているLEDを目視することにより、現在使用している機能の画像が対応している表示方向を認識することができる。
【0042】
さらに、機能毎に表示可能方向を設定しているため、表示可能方向判定部23が、表示される画像毎に、表示方向の切り替えの可否を判断する必要がない。
【0043】
加えて、本実施の形態においては、表示可能方向として縦方向と横方向の2通りであったが、4通りとしてもよい。つまり、画像の上側がLED91となる方向、画像の上側がLED92となる方向、画像の上側がLED93となる方向及び画像の上側がLED94となる方向の4通りとしてもよい。その場合、LED点灯制御部25は、画像の上側となるLEDを点灯させる。例えば、画像の上側がLED91となる方向、画像の上側がLED92となる方向、画像の上側がLED94となる方向の3通りの表示方向で、表示部11が画像を表示可能な場合、LED点灯制御部25は、LED91、92、94を点灯させる(図10参照)。
【0044】
なお、本実施の形態においては、LED点灯制御部25が、表示可能方向に対応するLEDを点灯させていたが、これに限られるものではない。例えば、表示可能方向に対応するLEDを点滅させてもよい。さらに、表示可能方向に対応するLEDを消灯させ、表示できない方向に対応するLEDを点灯させてもよい。また、複数の機能を起動させている場合、LED点灯制御部25は、アクティブとなっている機能(表示部11の最前面に表示されている機能)に基づいて、LED91〜94の点灯を制御する。
【0045】
<その他の実施例>
(他の実施例1)
本発明にかかるその他の実施例について説明する。他の実施例1にかかる携帯端末は、携帯端末1、2の構成に加えて、姿勢センサを備える。姿勢センサは、例えば、ジャイロセンサや加速度センサ等から構成され、携帯端末の傾きを検出する。他の実施例1にかかる携帯端末においては、切替部12が、姿勢センサの検出した角度に基づいて、表示部11が表示する画像の表示方向を切り替える。つまり、ユーザが携帯端末を傾けた場合に、表示部11に表示された画像の表示方向が切り替わる。
【0046】
通常、携帯端末の姿勢に基づいて、画像の表示方向を切り替える場合、当該画像の表示方向が切り替わるタイミングは、携帯端末の傾け方や姿勢センサの検出精度等によってばらつきが生じる。一方、ユーザは、起動中の機能に応じて表示された画像の表示方向が切り替え可能か否かを認識できない。そのため、1つの表示方向にしか対応していない機能の起動中に、ユーザが携帯端末を傾けたにも関わらず画像の表示方向が切り替わらない場合、ユーザは、傾け方が適切でない、姿勢センサが故障している等の誤認をする可能性ある。
【0047】
これに対して、他の実施例1にかかる携帯端末の構成によれば、ユーザは、表示画面111の周囲に配置されたLED91〜94の点灯を確認することにより、現在表示されている画像の表示可能方向を認識できる。そのため、上記のような誤解を回避することができる。
【0048】
(他の実施例2)
他の実施例2にかかる携帯端末は、携帯端末2のLED91〜94に替えて、操作ボタン30のバックライトを点灯させる。他の実施例2にかかる携帯端末においては、LED点灯制御部25は、現在表示されている画像の表示可能方向に対応して、操作ボタン30に設けられた点灯部材の点灯制御を行う。例えば、LED点灯制御部25は、表示画面111に表示された画像の表示可能方向が縦方向の場合、操作ボタンの「2」及び「8」を点灯させる(図11参照)。同様に、点灯制御部25は、表示画面111に表示された画像の表示可能方向が横方向の場合、操作ボタンの「4」及び「6」を点灯させる。さらに、点灯制御部25は、表示画面111に表示された画像の表示可能方向が縦方向及び横方向の場合、操作ボタンの「2」、「4」、「6」及び「8」を点灯させる。なお、他の実施例2にかかる携帯端末は、上述した他の実施例1にかかる携帯端末と同様に、姿勢センサ26を備えている。
【0049】
上記の動作においては、図5に示したLED91が操作ボタン30の「2」に対応している。同様に、LED92が操作ボタン30の「6」に対応し、LED93が操作ボタン30の「8」に対応し、LED94が操作ボタン30の「4」に対応している。ただし、対応関係はこれに限られない。例えば、LED92の替わりに操作ボタン30の「6」と「9」との間のLEDを点灯させてもよい。さらに、LED92の替わりに操作ボタン30の「6」及び「9」の両方を点灯させてもよい。
【0050】
このように、他の実施例2にかかる携帯端末の構成によれば、表示画面111の周囲に別途LEDを配置することなく、ユーザに対して、表示中の画像の表示可能方向を通知することができる。そのため、一般的な携帯電話機のデザインを変更することなく、ユーザに対して、現在表示されている画像の表示可能方向を通知することができる。さらに、表示可能方向を示す表示を表示画面111中に表示させてもよい。これにより、携帯端末にLEDを備える必要がなくなる。
【0051】
(他の実施例3)
他の実施例3にかかる携帯端末においては、LED91〜94の配置位置が携帯端末2と異なっている。図12に他の実施例3にかかる携帯端末の正面図を示す。LED91は、表示画面111の左上に配置される。同様に、LED92は、表示画面111の右上、LED93は表示画面111の右下、LED94は、表示画面111の左下に配置される。言い換えると、LED91〜94は、表示画面111の各コーナーの外側に近接して配置される。
【0052】
表示可能方向が縦方向である場合、LED点灯制御部25は、LED91、92を点灯させ、すぐに消灯させる。その後、LED点灯制御部25は、LED93、94を点灯させ、すぐに消灯させる。一方、表示可能方向が横方向である場合、LED点灯制御部25は、LED91、94を点灯させ、すぐに消灯させる。その後、LED点灯制御部25は、LED92、93を点灯させ、すぐに消灯させる。
【0053】
表示可能方向が3方向である場合、例えば、図10に示した方向に表示可能な場合、LED点灯制御部25は、LED91、94を点灯させ、すぐに消灯する。その後、LED点灯制御部25は、LED91、92を点灯させ、すぐに消灯させる。その後、LED点灯制御部25は、LED92、93を点灯させ、すぐに消灯させる。なお、表示可能方向が4方向である場合、LED点灯制御部25は、LED91、92を点灯させ、すぐに消灯させる。同様に、各辺を挟むLEDを順番に点灯させ、その後消灯させる。LED点灯制御部25がこのような点灯動作を繰り返すことにより、LED91〜94の配置位置を変更した場合であっても、ユーザに対して表示方向を通知することができる。
【0054】
さらに、LED91〜94の発光色を変更させることにより、表示可能方向をユーザに通知してもよい。例えば、表示可能方向が縦方向の場合、LED点灯制御部25は、LED91、92を赤色に点灯させ、LED93、94を青色に点灯させる。また、表示可能方向が横方向の場合、LED点灯制御部25は、LED91、94を赤色に点灯させ、LED92、93を青色に点灯させる。
【0055】
表示可能方向が3方向である場合、例えば、図10に示した方向に表示可能な場合、表示部11は、左右の方向(横方向)の表示に加えて、表示画面111の上辺を画像の上側として表示可能である。そのため、LED点灯制御部25は、LED94を赤色に点灯させ、LED93を青色に点灯させる。加えて、LED点灯制御部25は、LED91、92を緑色に点灯させる。つまり、LED点灯制御部25は、縦方向表示または横方向表示の点灯制御に加えて、表示部11が表示可能な3つ目の方向に位置する辺を挟むLEDの色を緑色に点灯させる。図10の場合、LED点灯制御部25は、横方向表示の点灯制御(LED91、94が赤色点灯、LED92、93が青色点灯)に加えて、3つ目の表示可能方向である上方向に位置する辺を挟むLED91、92を緑色に点灯させる。なお、表示可能方向が4方向である場合、LED点灯制御部25は、LED91〜94を同じ色に点灯させる。LED点灯制御部25がこのような点灯動作を繰り返すことにより、LED91〜94の配置位置を変更した場合であっても、ユーザに対して表示方向を通知することができる。勿論、発光色のパターンは、上記の色に限られない。
【0056】
上述の実施の形態で説明した携帯端末の処理は、いずれもASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)等の半導体処理装置を用いて実現してもよい。また、これらの機能は、マイクロプロセッサ等のコンピュータにプログラムを実行させることによって実現してもよい。具体的には、図6に示したアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含むプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータに供給すればよい。
【0057】
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給される。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせをすることが可能である。例えば、上述の実施の形態においては、画像の表示方向として、縦方向及び横方向のみを採用したが、これらの方向以外の表示方向(例えば斜め方向)であってもよい。また、携帯端末の構成は、図5に示した携帯電話機の構成に限られない。つまり、LED等の通知部を備えていれば、操作ボタン30を備えないタッチパネル式の携帯端末であってもよい。さらに、上述の実施の形態においては、表示画面111の一つの辺に対して、LEDが1つ又は2つ配置される構成を説明したが、これに限られるものではなく、一辺に3つ以上のLEDが設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1、2 携帯端末
11 表示部
12 切替部
13 判定部
14 通知部
21 機能起動監視部
22 起動中機能記憶部
23 表示可能方向判定部
24 表示可能方向情報記憶部
25 LED点灯制御部
26 姿勢センサ
30 操作ボタン
91〜94 LED
111 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記表示手段に表示された画像の前記表示手段に対する表示方向を切り替える切替手段と、
前記表示手段が、前記切替手段の切り替え処理に応じて、前記画像を複数の前記表示方向で表示可能か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果を前記ユーザに対して通知する通知手段と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記判定手段は、前記画像に対応する前記携帯端末の機能に基づいて、前記表示手段が前記画像を複数の前記表示方向で表示可能か否かを判定する請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記判定手段は、前記画像に対応する前記携帯端末の機能に基づいて、前記表示手段が表示可能な前記画像の前記表示方向を判定する請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記携帯端末の前記機能と、前記表示手段が表示可能な前記画像の前記表示方向と、が対応付けられて格納されたテーブルをさらに備え、
前記判定手段は、前記テーブルを参照して、前記表示手段が表示可能な前記画像の前記表示方向を判定する請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記表示手段の表示画面は、略矩形状であり、
前記通知手段は、前記表示手段の各辺に近接して設けられた点灯部材であり、前記表示手段が表示可能な前記画像の前記表示方向に対応して点灯を制御する請求項3または4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記表示手段が、前記画像を縦方向に表示可能な場合、
前記通知手段は、前記表示画面の上下の辺に近接して設けられた前記点灯部材を点灯させ、
前記表示手段が、前記画像を横方向に表示可能な場合、
前記通知手段は、前記表示画面の左右の辺に近接して設けられた前記点灯部材を点灯させる請求項5に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記携帯端末を操作する操作ボタンをさらに備え、
前記通知手段は、前記操作ボタンに設けられた点灯部材であり、前記表示手段が表示可能な前記画像の前記表示方向に対応して、前記操作ボタンの点灯を制御する請求項3または4に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記携帯端末の姿勢を検出する姿勢検出手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記姿勢検出手段の検出結果に基づいて、前記画像の前記表示方向を切り替える請求項1〜7のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項9】
ユーザの操作に基づいて、表示手段に表示された画像を複数の表示方向で表示可能か否かを判定し、
通知手段を用いて判定結果を前記ユーザに対して通知する携帯端末の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の前記携帯端末の制御方法をコンピュータに行わせるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−181319(P2012−181319A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43685(P2011−43685)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】