説明

携帯端末、携帯端末の制御方法並びにプログラム

【課題】SAR測定のコストを削減し、低価格の携帯端末を提供する。
【解決手段】複数のアンテナ103a、103bと、第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号の入出力を行う第1通信部106と、第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号の入出力を行う第2通信部107と、第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で複数のアンテナのうちの一つを共用するための第1アンテナ共用部104と、第1の通信方式に従った受信信号と、第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で複数のアンテナのうちの一つを共用するための第2アンテナ共用部105と、第2通信部107が出力した送信信号を送信するときに用いるアンテナを切り替える切り替え部108と、切り替え部108の動作を制御する制御信号を出力する制御部109と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、携帯端末の制御方法並びにプログラムに関し、特に無線通信を行う携帯端末、その携帯端末を制御するための制御方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯電話等の携帯端末では、複数の通信方式を使用して、音声通信とデータ通信を異なる方式で行うものが多い。このような携帯端末では、例えば音声通信をCDMA2000方式で行い、データ通信をLTE(Long Term Evolution)方式で行うことが考えられる。
【0003】
LTEでは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術が用いられる。MIMO技術を用いるには、携帯端末に複数本のアンテナを設けることが必須となる。このため、MIMO技術を用いた携帯端末では、携帯端末で送信ダイバシチ(Diversity、複数のアンテナで送信状態のよいものを自動的に選ぶこと)を行う場合に、特にアンテナを増やす必要がない。
【0004】
従来の移動端末では、送信ダイバシチを行うために移動端末に加速度センサを設け、その移動端末の傾きを検出して、加速度センサの検出結果に基づいて使用するアンテナを選択するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、LTE方式を用いた携帯端末では、受信信号の受信品質であるCQI(Channel Quality Indicator)を測定し、このCQIを基地局にフィードバックすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−64741号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、音声通信とデータ通信の両方で送信ダイバシチを行う場合、どの送信アンテナからどの通信方式の信号が出力されるのか、そのアンテナの使用パターンが複数種類考えられる。そして、携帯端末の製造過程において、それらのパターンすべてについてSAR(Specific Absorption Rate、電波の人体における吸収率)を測定する必要があり、携帯端末の製造コストが増大するという問題点があった。
【0008】
また、従来の移動端末では(例えば、特許文献1参照)、加速度センサ(方位センサ)を用いて送信ダイバシチの制御を行うため、回路規模が大きくなって消費電力が増大し、移動端末が大型化してしまうという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、複数のアンテナを用いて複数の通信方式に従った信号を送受信することができ、これらの複数のアンテナを状況に応じて切り替えることのできる携帯端末等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、信号の送受信を行う複数のアンテナと、第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号の入出力を行う第1通信部と、第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号の入出力を行う第2通信部と、前記第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用するための第1アンテナ共用部と、前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用するための第2アンテナ共用部と、前記第2通信部が出力した送信信号を送信するときに用いるアンテナを切り替える切り替え部と、前記切り替え部の動作を制御する制御信号を出力する制御部と、を備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る携帯端末の制御方法は、信号の送受信を行う複数のアンテナを備えた携帯端末の制御方法であって、第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用して、前記第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、を送受信する第1送受信ステップと、前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用して、前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、を送受信する第2送受信ステップと、前記第2通信部が出力した送信信号を送信するときに用いるアンテナを切り替えるアンテナ切り替えステップと、前記アンテナ切り替えステップにおけるアンテナの切り替えを制御する制御信号を出力する制御信号出力ステップと、を有することを特徴とするものである。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係るプログラムは、信号の送受信を行う複数のアンテナを備えた携帯端末を制御するコンピュータに、第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用して、前記第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、を送受信させる機能と、前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用して、前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、を送受信させる機能と、前記第2通信部が出力した送信信号を送信するときに用いるアンテナを切り替える機能と、前記アンテナの切り替えを制御する制御信号を出力する機能と、を実現させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る携帯端末では、複数のアンテナを用いて複数の通信方式に従った信号を送受信することができ、これらの複数のアンテナを状況に応じて切り替えることができるため、複数の通信方式に従った送信信号を送信するアンテナの使用パターンが限定され、SAR測定のコストや時間を削減することができ、低価格の携帯端末を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1に係る携帯端末の構成を示す構成ブロック図である。
【図2】実施形態1に係る携帯端末の切り替え部の構成例を示した構成図である。
【図3】実施形態1に係る携帯端末の第1アンテナ共用部の構成例を示す構成図である。
【図4】実施形態1に係る携帯端末の第2アンテナ共用部の構成例を示す構成図である。
【図5】実施形態1で行われるSAR測定を説明するための図である。
【図6】SAR測定における送信アンテナの選択の組み合わせを説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る携帯端末の構成を示す構成ブロック図である。
【図8】実施形態2に係る携帯端末の切り替え部の構成例を示す構成図である。
【図9】実施形態2で行われるSAR測定における送信アンテナの選択の組み合わせを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る携帯端末の構成を示す構成ブロック図である。なお、本実施形態に係る携帯端末100において、第1の通信方式は音声通信を行うための通信方式であり、音声通信を行う場合には、携帯端末100の持ち方や人体との位置関係等は固定されていると考えられる。このため、送信ダイバシチは行う必要がないと考えられ、本実施形態では、第1の通信方式で送信を行う際に、送信ダイバシチは行わないものとする。
【0016】
一方、本実施形態に係る携帯端末100において、第2の通信方式はデータ通信を行うためのLTE方式等の通信方式であり、データ通信を行う場合には、携帯端末100の持ち方や人体との位置関係等は一定ではないと考えられる。このため、本実施形態では、第2の通信方式で送信を行う際にのみ送信ダイバシチを行うものとする。また、LTE方式等の第2の通信方式で送信を行う場合に行われる送信ダイバシチでは、携帯端末100から基地局101へ送信されるCQIのデータを利用して、送信ダイバシチの制御を行うものとする。
【0017】
本実施形態に係る携帯端末100は、第1アンテナ103a、第2アンテナ103b、第1アンテナ共用部104、第2アンテナ共用部105、第1通信部106、第2通信部107、切り替え部108、制御部109を備えている。また、第1アンテナ103a及び第2アンテナ103bは、基地局101と無線によって通信を行う。なお、基地局101は、第1基地局アンテナ102a及び第2基地局アンテナ102bを備えている。
【0018】
ここで、携帯端末100の各構成要素の動作について説明する。第1通信部106は、第1の通信方式、例えばCDMA2000−1xやEv−DO等の通信方式に従った信号の入力及び出力を行う入出力回路を備えており、例えば800MHz帯や2GHz帯の信号の入出力を行う。また、第1通信部106は、受信ダイバシチを行うことができる。
【0019】
第2通信部107は、LTE(Long Term Evolution)方式等に従った信号の入力及び出力を行う入出力回路を備えており、例えば800MHz帯や1.5GHz帯の信号の入出力を行う。また、第2通信部107は基地局101との間で、基地局101から携帯端末100方向の通信(下り通信)では2×2MIMO(2×2 Multiple Input Multiple Output、基地局側アンテナ2本で携帯端末100側アンテナ2本でのMIMO)伝送を行うことができるようになっている。
【0020】
また、第2通信部107は、第1アンテナ103aで受信した信号の受信品質CQI−a(Channel Quality Indicator-a)第2アンテナ103bで受信した信号の受信品質CQI−bとをそれぞれ測定する機能を備えており、CQI−a及びCQI−bを基地局101に送信する送信信号に付随させることができる。また、第2通信部107は、CQI−a及びCQI−bを、制御部109へ出力する。
【0021】
制御部109は、第2通信部107が測定したCQI−a及びCQI−bを入力され、CQI−a及びCQI−bを比較して、第1アンテナ103aと第2アンテナ103bとでどちらが受信信号の受信品質がよいかを判定し、この判定の結果、受信品質のよい方のアンテナを送信アンテナとして使用するような制御信号を切り替え部108へ出力する。
【0022】
切り替え部108は、第2通信部107が出力した送信信号を、制御部109が出力した制御信号に基づいて、第1アンテナ103a又は第2アンテナ103bのどちらかに出力する。
【0023】
また、第1アンテナ共用部104は、第1通信部106が出力した送信信号及び切り替え部108が出力した第2通信部107からの送信信号を第1アンテナ103aに出力する。また、第1アンテナ共用部104は、第1アンテナ103aが受信した第1の通信方式の受信信号を第1通信部106へ出力し、第1アンテナ103aが受信した第2の通信方式の受信信号を第2通信部107へ出力する。
【0024】
第2アンテナ共用部105は、切り替え部108が出力した第2通信部107の送信信号を第2アンテナ103bに出力する。また、第2アンテナ共用部105は、第2アンテナ103bが受信した第1の通信方式の受信信号を第1通信部106へ出力し、第2アンテナ103bが受信した第2の通信方式の受信信号を第2通信部107へ出力する。
【0025】
次に、本実施形態に係る携帯端末100における受信動作及び送信動作について説明する。第1アンテナ103aより受信したRF(Radio Frequency)信号等の受信信号は、第1アンテナ共用部104へ入力される。第1アンテナ共用部104は、第1アンテナ103aから受信した受信信号を、第1の通信方式に従った受信信号と、第2の通信方式に従った受信信号とに分離する。分離された2つの受信信号は、それぞれ第1通信部106及び第2通信部107に入力される。
【0026】
第2アンテナ103bから受信した受信信号は、第2アンテナ共用部105に入力される。第2アンテナ共用部105は、第2アンテナ103bから入力された受信信号を第1の通信方式に従った受信信号と、第2の通信方式に従った受信信号とに分離する。分離された2つの受信信号は、それぞれ第1通信部106及び第2通信部107に入力される。
【0027】
第1通信部106では、第1アンテナ共用部104及び第2アンテナ共用部105よりそれぞれ入力された2つの第1の通信方式に従った受信信号をベースバンド信号に変換する。このとき、2つの第1の通信方式に従った受信信号を用いてダイバシチ受信を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0028】
第2通信部107では、第1アンテナ共用部104及び第2アンテナ共用部105から入力された2つの第2の通信方式に従った受信信号をベースバンド信号に変換する。このとき、第2通信部107は、2つの第2の通信方式に従った受信信号を用いてMIMO受信を行ってもよいし、あるいはダイバシチ受信を行ってもよい。また、第2通信部107は、第1アンテナ共用部104から入力された第2の通信方式に従った受信信号の受信品質CQI−a及び第2アンテナ共用部105から入力された第2の通信方式に従った受信信号の受信品質CQI−bをそれぞれ測定し、CQI−a及びCQI−bを制御部109へ出力する。
【0029】
ここで、送信動作について説明する。第1通信部106は、ベースバンド信号を、第1の通信方式に従った送信信号に変換して、第1アンテナ共用部104へ出力する。第2通信部107は、ベースバンド信号を、第2の通信方式に従った送信信号に変換して、切り替え部108へ出力する。本実施形態では、CQI−a及びCQI−bをベースバンド信号に含めるようにしている。
【0030】
制御部109は、第2通信部107より入力されたCQI−a及びCQI−bを比較して、第1アンテナ103aと第2アンテナ103bとでどちらが受信品質がよいかを判定し、判定の結果、受信品質のよい方のアンテナを送信アンテナとして使用するような制御信号を切り替え部108に出力する。
【0031】
切り替え部108は、制御部109から入力された制御信号に基づいて、第2通信部107から入力された第2の通信方式に従った送信信号を第1アンテナ共用部104又は第2アンテナ共用部105のどちらかへ出力する。
【0032】
第1アンテナ共用部104は、切り替え部108から第2の通信方式に従った送信信号が入力された場合には、第1通信部106が出力した第1の通信方式に従った送信信号及び切り替え部108から出力された第2の通信方式に従った送信信号を一つの信号にまとめて第1アンテナ103aに出力する。
【0033】
一方、切り替え部108から第2の通信方式に従った送信信号が入力されない場合には、第1通信部106が出力した第1の通信方式に従った送信信号を第1アンテナ103aへ出力する。
【0034】
第2アンテナ共用部105は、切り替え部108から第2の通信方式に従った送信信号が入力された場合には、切り替え部108が出力した第2の通信方式に従った送信信号を第2アンテナ103bへ出力する。
【0035】
第1アンテナ103aは、第1アンテナ共用部104から入力された送信信号を電波として出力する。また、第2アンテナ103bは、第2アンテナ共用部105から入力された送信信号を電波として出力する。
【0036】
図2は、本実施形態に係る携帯端末100の切り替え部108の構成例を示した構成図である。切り替え部108は、スイッチ201を備えている。スイッチ201は、第2通信部107から入力された第2の通信方式に従った送信信号を、制御部109から入力された制御信号に基づいて、第1アンテナ共用部104又は第2アンテナ共用部105のどちらかへ出力する。
【0037】
図3は、本実施形態に係る携帯端末100の第1アンテナ共用部104の構成例を示す構成図である。図3に示すように、第1アンテナ共用部104は、デュプレクサ301、302及び303を備えている。なお、デュプレクサ301、302及び303は、異なる通信方式の信号を分離する機能を有する。
【0038】
デュプレクサ301は、第1アンテナ103aが受信した受信信号の中から、第1の通信方式に従った受信信号のみをデュプレクサ302へ出力し、第2の通信方式に従った受信信号のみをデュプレクサ303へ出力する。
【0039】
デュプレクサ302は、デュプレクサ301が出力した第1の通信方式に従った受信信号を第1通信部106へ出力する。また、デュプレクサ303は、デュプレクサ301が出力した第2の通信方式に従った受信信号を第2通信部107へ出力する。
【0040】
ここで、第1アンテナ共用部104の送信動作について説明する。デュプレクサ302は、第1通信部106が出力した第1の通信方式に従った送信信号をデュプレクサ301へ出力する。また、デュプレクサ303は、切り替え部108から入力された第2の通信方式に従った送信信号をデュプレクサ301へ出力する。一方、デュプレクサ303は、切り替え部108から第2の通信方式に従った送信信号が入力されない場合には、デュプレクサ301への出力は行わない。
【0041】
デュプレクサ301は、デュプレクサ303から入力された第2の通信方式に従った送信信号及びデュプレクサ302から出力された第1の通信方式に従った送信信号を一つの送信信号にまとめて第1アンテナ103aへ出力する。一方、デュプレクサ301は、デュプレクサ303から第2の通信方式に従った送信信号が入力されない場合には、デュプレクサ302から出力された第1の通信方式に従った送信信号のみを第1アンテナ103aへ出力する。
【0042】
図4は、本実施形態に係る携帯端末100の第2アンテナ共用部105の構成例を示す構成図である。図4に示すように、第2アンテナ共用部105は、デュプレクサ401及び402を備えている。
【0043】
デュプレクサ401は、第2アンテナ103bが受信した受信信号の中から、第1の通信方式に従った受信信号のみを第1通信部106へ出力し、第2アンテナ103bが受信した受信信号の中から、第2の通信方式に従った受信信号のみをデュプレクサ402へ出力する。デュプレクサ402は、デュプレクサ401が出力した第2の通信方式に従った受信信号を第2通信部107へ出力する。
【0044】
ここで、第2アンテナ共用部105の送信動作について説明する。デュプレクサ402は、切り替え部108から出力された第2の通信方式に従った送信信号をデュプレクサ401へ出力する。一方、デュプレクサ402は、切り替え部108から第2の通信方式に従った送信信号が入力されない場合には、デュプレクサ401への出力は行わない。
【0045】
デュプレクサ401は、デュプレクサ402から入力された第2の通信方式に従った送信信号を第2アンテナ103bへ出力する。一方、デュプレクサ401は、デュプレクサ402から第2の通信方式に従った送信信号が入力されない場合には、第2アンテナ103bへの出力を行わない。
【0046】
図5は、本実施形態で行われるSAR測定を説明するための図である。SAR(Specific Absorption Rate)測定とは、電磁波が人体に及ぼす影響を低減するために、人体の特定部分に加えられる電磁波エネルギーの吸収率を測定するものである。SAR測定では、SAR電界プローブ501と、人体ファントム502と、測定対象物である携帯端末100を使用する。携帯端末100からは、第1の通信方式及び第2の通信方式のどちらか、あるいは両方の送信信号を、可能な限り強い電力で出力する。そして、出力された送信信号を、SAR電界プローブ501を用いて測定する。
【0047】
このとき、携帯端末100から出力される送信信号の一部は、人体ファントム502によって吸収されるため、SAR電界プローブ501で測定される送信信号の電力は、携帯端末100から実際に出力された送信信号の電力よりも弱くなり、差が生じることとなる。このときの差を、SARの指標とする。
【0048】
一般に、SAR測定では、送信アンテナとSAR電界プローブ501の位置関係が重要になる。そのため、送信アンテナを複数備えており、複数のアンテナで送信ダイバシチを行う場合には、選択される送信アンテナの組み合わせごとにSAR測定を行う必要がある。
【0049】
図6は、SAR測定における送信アンテナの選択の組み合わせを説明するための図である。ここでは、2本の送信アンテナとしてアンテナ603及びアンテナ604を備え、2種類の通信方式として第1の通信方式に従った送信信号601及び第2の通信方式に従った送信信号602を送信可能な携帯端末100について考える。
【0050】
図6に示すように、第1の通信方式に従った送信信号601及び第2の通信方式に従った送信信号602のそれぞれが、アンテナ603及びアンテナ604で選択されて送信ダイバシチを行った場合、送信アンテナの選択の組み合わせは4種類となる。この4種類の組み合わせを図6(a)から図6(d)に示す。図6(a)では、アンテナ603のみから第1の通信方式及び第2の通信方式の信号が送信される。図6(b)では、アンテナ604のみから第1の通信方式及び第2の通信方式の信号が送信される。
【0051】
図6(c)では、アンテナ603から第1の通信方式に従った送信信号601が、アンテナ604から第2の通信方式に従った送信信号602が送信される。また、図6(d)では、アンテナ603から第2の通信方式に従った送信信号602が、アンテナ604から第1の通信方式に従った送信信号601が送信される。
【0052】
図5に示すSAR測定では、図6(a)から図6(d)の4種類すべての組み合わせに対して測定を行う必要がある。これを本実施形態の携帯端末100に適用すると、アンテナ603は第1アンテナ103aであり、アンテナ604は第2アンテナ103bとなる。
【0053】
ここで、本実施形態に係る携帯端末100の場合について考えると、上述のとおり、第1の通信方式に従った送信信号は、第1アンテナ103aのみから出力される。従って、図6(b)に示すパターンと図6(d)に示すパターンを除外することができる。
【0054】
本実施形態では、第1の通信方式で送信を行う際に送信ダイバシチを行わず、第2の通信方式で送信を行う際にのみ送信ダイバシチを行うため、アンテナの使用パターンが限定され、SAR測定のコストや時間を削減することができ、低価格の携帯端末を提供することができる。また、従来の移動端末のように加速度センサ等を用いて送信ダイバシチを行わないため、携帯端末100を小型化することができ、低消費電力の携帯端末100を提供することが可能となる。
【0055】
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る携帯端末の構成を示す構成ブロック図である。本実施形態に係る携帯端末700は、第1アンテナ703a、第2アンテナ703b、第3アンテナ703c、第4アンテナ703d、第1アンテナ共用部704a、第2アンテナ共用部704b、第3アンテナ共用部704c、第4アンテナ共用部704dを備えている。
【0056】
また、本実施形態に係る携帯端末700は、第1通信部706、第2通信部707、切り替え部708、制御部709を備えている。また本実施形態に係る携帯端末700は、第1アンテナ703aから第4アンテナ703dを介して基地局701と無線による通信を行う。
【0057】
本実施形態では、基地局701が、第1基地局アンテナ702a、第1基地局アンテナ702b、第1基地局アンテナ702c、第1基地局アンテナ702dを備えている。
【0058】
次に、携帯端末700の各構成要素の動作について説明する。第1通信部706は、第1の通信方式、例えばCDMA2000−1xやEv−DO方式に従った信号の入力及び出力を行う入出力回路を備えており、例えば800MHz帯や2GHz帯の信号の入出力ができるようになっている。また、第1通信部706は、一つの送信信号を出力し、4つの受信信号を入力されることが可能であり、これら4つの受信信号を用いて受信ダイバシチを行うことが可能である。
【0059】
第2通信部707は、LTE方式等の第2の通信方式に従った信号の入力及び出力を行う入出力回路を備えており、例えば800MHz帯や1.5MHz帯の信号の入出力を行う。
【0060】
また、第2通信部707は、基地局701との間で、基地局701から携帯端末700方向の通信(下り通信)において、4×4MIMO(基地局側アンテナが4本で携帯端末側のアンテナが4本のMIMO)の伝送を行うことが可能である。また、第2通信部707は、基地局701との間で、携帯端末700から基地局701方向への通信(上り通信)において、2×2MIMOの伝送を行うことができる。
【0061】
また、第2通信部707は、第1アンテナ703aで受信した受信信号の受信品質CQI−a、第2アンテナ703bで受信した受信信号の受信品質CQI−b、第3アンテナ703cで受信した受信信号の受信品質CQI−c、第4アンテナ703dで受信した受信信号の受信品質CQI−dをそれぞれ測定する機能を備えている。さらに第2通信部707は、CQI−a、CQI−b、CQI−c、CQI−dを基地局701に送信することができ、CQI−a、CQI−b、CQI−c、CQI−dを制御部709へ出力する。
【0062】
制御部709は、第2通信部707が測定したCQI−a、CQI−b、CQI−c、CQI−dを入力され、CQI−a、CQI−b、CQI−c、CQI−dを比較して、第1アンテナ703aから第4アンテナ703dの中から、受信した信号の受信品質が最もよいアンテナを2本選択し、選択の結果、受信品質のよい2本のアンテナを送信アンテナとして使用するような制御信号を、切り替え部708に出力する。
【0063】
切り替え部708は、第2通信部707が出力する2つの送信信号を、制御部709が出力した制御信号に基づいて、第1アンテナ703aから第4アンテナ703dの中の2本のアンテナからそれぞれ出力する。
【0064】
第1アンテナ共用部704aは、第1通信部706が出力した送信信号及び切り替え部708が出力した第2通信部707の送信信号を第1アンテナ703aに出力する。また、第1アンテナ共用部704aは、第1アンテナ703aが受信した第1の通信方式に従った受信信号を第1通信部706へ出力し、第1アンテナ703aが受信した第2の通信方式に従った受信信号を第2通信部707へ出力する。
【0065】
第2アンテナ共用部704bは、切り替え部708が出力した第2通信部707の送信信号を第2アンテナ703bに出力する。また、第2アンテナ共用部704bは、第2アンテナ703bが受信した第1の通信方式に従った受信信号を第1通信部706へ出力し、第2アンテナ703bが受信した第2の通信方式に従った受信信号を第2通信部707へ出力する。
【0066】
第3アンテナ共用部704cは、切り替え部708が出力した第2通信部707の送信信号を第3アンテナ703cに出力する。また、第3アンテナ共用部704cは、第3アンテナ703cが受信した第1の通信方式に従った受信信号を第1通信部706へ出力し、第3アンテナ703cが受信した第2の通信方式に従った受信信号を第2通信部707へ出力する。
【0067】
第4アンテナ共用部704dは、切り替え部708が出力した第2通信部707の送信信号を第4アンテナ703dに出力する。また、第4アンテナ共用部704dは、第4アンテナ703dが受信した第1の通信方式に従った受信信号を第1通信部706へ出力し、第4アンテナ703dが受信した第2の通信方式に従った受信信号を第2通信部707へ出力する。
【0068】
次に、本実施形態に係る携帯端末700の受信動作及び送信動作について説明する。第1アンテナ703aから受信した受信信号は、第1アンテナ共用部704aへ入力される。第1アンテナ共用部704aは、第1アンテナ703aから入力された受信信号を、第1の通信方式に従った受信信号と第2の通信方式に従った受信信号に分離する。分離された2つの受信信号は、それぞれ第1通信部706及び第2通信部707に入力される。
【0069】
第2アンテナ703bから受信した受信信号は、第2アンテナ共用部704bへ入力される。第2アンテナ共用部704bは、第2アンテナ703bから入力された受信信号を、第1の通信方式に従った受信信号と第2の通信方式に従った受信信号とに分離する。分離された2つの受信信号は、それぞれ第1通信部706及び第2通信部707に入力される。
【0070】
第3アンテナ703cから受信した受信信号は、第3アンテナ共用部704cへ入力される。第3アンテナ共用部704cは、第3アンテナ703cから入力された受信信号を、第1の通信方式に従った受信信号と第2の通信方式に従った受信信号とに分離する。分離された2つの受信信号は、それぞれ第1通信部706及び第2通信部707に入力される。
【0071】
第4アンテナ703dから受信した受信信号は、第4アンテナ共用部704dへ入力される。第4アンテナ共用部704dは、第4アンテナ703dから入力された受信信号を、第1の通信方式に従った受信信号と第2の通信方式に従った受信信号とに分離する。分離された2つの受信信号は、それぞれ第1通信部706及び第2通信部707に入力される。
【0072】
第1通信部706では、第1アンテナ共用部704a〜第4アンテナ共用部704dから入力された、4つの第1の通信方式に従った受信信号をベースバンド信号に変換する。このとき、4つの第1の通信方式に従った受信信号を用いてダイバシチ受信を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0073】
第2通信部707では、第1アンテナ共用部704a〜第4アンテナ共用部704dから入力された、4つの第2の通信方式に従った受信信号をベースバンド信号に変換する。このとき、4つの第2の通信方式に従った受信信号を用いてMIMO受信を行ってもよいし、ダイバシチ受信を行ってもよい。
【0074】
また、第2通信部707は、受信信号の受信品質CQI−a〜CQI−dをそれぞれ測定し、CQI−a〜CQI−dを制御部709へ出力する。
【0075】
第1通信部706は、ベースバンド信号を第1の通信方式に従った送信信号に変換して、第1アンテナ共用部704aへ出力する。第2通信部707は、2×2MIMO伝送を行うために、ベースバンド信号を、第2の通信方式に従った2つの送信信号に変換して、切り替え部708へそれぞれ出力する。このときCQI−a〜CQI−dをベースバンド信号に含めるようにしてもよい。
【0076】
制御部709は、第2通信部707から入力されたCQI−a〜CQI−dを比較して、第1アンテナ703a〜第4アンテナ703dの中から、受信品質がよいアンテナを2本選択し、選択された2本のアンテナを送信アンテナとするような制御信号を切り替え部708に出力する。
【0077】
切り替え部708は、制御部709から入力された制御信号に基づいて、第2通信部707から入力された第2の通信方式に従った2つの送信信号を、第1アンテナ共用部704a〜第4アンテナ共用部704dの中のどれか2つへそれぞれ出力する。
【0078】
第1アンテナ共用部704aは、切り替え部708から、第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちどちらかが入力された場合には、第1の通信方式に従った送信信号及び第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちのどちらかを、一つの送信信号にまとめて第1アンテナ703aへ出力する。
【0079】
一方、切り替え部708から第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちのどちらも入力されない場合には、第1の通信方式に従った送信信号のみを第1アンテナ703aへ出力する。
【0080】
第2アンテナ共用部704bは、切り替え部708から、第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちのどちらかが入力された場合には、切り替え部708から入力された第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちのどちらかを第2アンテナ703bへ出力する。
【0081】
第3アンテナ共用部704cは、切り替え部708から、第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちのどちらかが入力された場合には、切り替え部708から入力された第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちのどちらかを第3アンテナ703cへ出力する。
【0082】
第4アンテナ共用部704dは、切り替え部708から、第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちのどちらかが入力された場合には、切り替え部708から入力された第2の通信方式に従った2つの送信信号のうちのどちらかを第4アンテナ703dへ出力する。
【0083】
第1アンテナ703aは、第1アンテナ共用部704aから入力された送信信号を電波として出力する。また、第2アンテナ703bは、第2アンテナ共用部704bから入力された送信信号を電波として出力する。
【0084】
第3アンテナ703cは、第3アンテナ共用部704cから入力された送信信号を電波として出力する。また、第4アンテナ703dは、第4アンテナ共用部704dから入力された送信信号を電波として出力する。
【0085】
図8は、本実施形態に係る携帯端末700の切り替え部708の構成例を示す構成図である。本実施形態の切り替え部708は、スイッチ801及びスイッチ802を備えている。なお、スイッチ801とスイッチ802は、同一の構成である。
【0086】
スイッチ801及びスイッチ802は、第2通信部707から入力された第2の通信方式に従った2つの送信信号のうち片方を、制御部709から入力された制御信号に基づいて、第1アンテナ共用部704a〜第4アンテナ共用部704dのどれか一つへ出力する。このとき、制御信号は、スイッチ801及びスイッチ802に対して、同じアンテナ共用部を選択することがないように制御されているものとする。
【0087】
次に、本実施形態の第1アンテナ共用部704a〜第4アンテナ共用部704dの動作について簡単に説明する。本実施形態の第1アンテナ共用部704aの構成は、図3に示す第1アンテナ共用部104の構成と同様であり、説明を省略する。また、第2アンテナ共用部704b〜第4アンテナ共用部704dの構成は、図4に示す第2アンテナ共用部105の構成と同様であり、説明を省略する。
【0088】
図9は、本実施形態で行われるSAR測定における送信アンテナの選択の組み合わせを説明するための図である。一般に、SAR測定では、送信アンテナとSAR電界プローブ501の位置関係が重要になる。そのため、送信アンテナを複数備え、複数の送信アンテナの組み合わせが複数通りある場合には、選択される送信アンテナの組み合わせごとにSAR測定を行う必要がある。
【0089】
図9に示すように、本実施形態では、4本の送信アンテナ901、902、903、904が備えられており、これら4本の送信アンテナの中から、2本を選択して、送信信号905を送信する。このとき選択される送信アンテナの組み合わせは、合計6通り存在する。この6通りの組み合わせを図9(a)から図9(f)に示す。
【0090】
図9(a)では、アンテナ901及びアンテナ902を選択して、送信信号905を送信する。また、図9(b)では、アンテナ901及びアンテナ903を選択して、送信信号905を送信する。図9(c)では、アンテナ901及びアンテナ904を選択して、送信信号905を送信する。
【0091】
また、図9(d)では、アンテナ902及びアンテナ903を選択して、送信信号905を送信する。図9(e)では、アンテナ902及びアンテナ904を選択して、送信信号905を送信する。さらに、図9(f)では、アンテナ903及びアンテナ904を選択して、送信信号905を送信する。
【0092】
これを本実施形態に係る携帯端末700に適用すると、アンテナ901が第1アンテナ703aに、アンテナ902が第2アンテナ703bに、アンテナ903が第3アンテナ703cに、アンテナ904が第4アンテナ703dにそれぞれ対応する。そして、送信信号905は、第2の通信方式に従った送信信号に対応する。
【0093】
ここで、第1の通信方式に従った送信信号が、4本の送信アンテナのいずれか一つから送信される場合を考える。この場合、上記の6通りの組み合わせのそれぞれに対して、第1の通信方式に従った送信信号が出力される組み合わせが4種類存在するため、合計で24種類の組み合わせが存在することになる。
【0094】
本実施形態では、第1の通信方式に従った送信信号は、上述の通り、第1アンテナ703aのみから出力される。そのため、図9(a)から図9(f)の6通りの組み合わせでSAR測定を行えばよい。
【0095】
本実施形態では、実施形態1と同様に、第1の通信方式で送信を行う際に送信ダイバシチを行わず、第2の通信方式で送信を行う際にのみ送信ダイバシチを行うため、アンテナの使用パターンが限定され、SAR測定のコストや時間を削減することができ、低価格の携帯端末を提供することができる。また、従来の移動端末のように加速度センサ等を用いて送信ダイバシチを行わないため、携帯端末700を小型化することができ、低消費電力の携帯端末700を提供することが可能となる。
【0096】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうる様々な変更、改良が含まれることは言うまでもない。例えば、本発明の実施形態1及び2に係る携帯端末は携帯電話であるが、本発明を携帯電話以外の無線通信機能を持った携帯端末に適用することもできる。
【符号の説明】
【0097】
100、700…携帯端末、101、701…基地局、102a、102b、702a〜702d…基地局アンテナ、103a、103b、703a〜703d…アンテナ、104…第1アンテナ共用部、105…第2アンテナ共用部、106、706…第1通信部、107、707…第2通信部、108、708…切り替え部、109、709…制御部、201、801、802…スイッチ、301〜303…デュプレクサ、401、402…デュプレクサ、501…SAR電界プローブ、502…人体ファントム、601…第1の通信方式に従った送信信号、602…第2の通信方式に従った送信信号、603、604…アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の送受信を行う複数のアンテナと、
第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号の入出力を行う第1通信部と、
第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号の入出力を行う第2通信部と、
前記第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用するための第1アンテナ共用部と、
前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用するための第2アンテナ共用部と、
前記第2通信部が出力した送信信号を送信するときに用いるアンテナを切り替える切り替え部と、
前記切り替え部の動作を制御する制御信号を出力する制御部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第2通信部は、前記複数のアンテナのそれぞれが受信した前記第2の通信方式に従った受信信号を入力され、
前記入力された各受信信号の受信品質を測定する機能と、
前記測定された受信品質を前記第2の通信方式に従った送信信号に付随させて出力する機能と、
前記測定された受信品質を前記制御部に出力する機能と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2通信部が測定した前記第2の通信方式に従った各受信信号の受信品質に基づいて、前記複数のアンテナのうちの一つを、前記第2通信部が出力する前記第2の通信方式に従った送信信号を送信するアンテナとなるような前記制御信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御部は、最も受信品質の高い受信信号が得られたアンテナを、前記第2の通信方式に従った送信信号を送信するアンテナとなるような前記制御信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記切り替え部は、前記制御部が出力した制御信号に基づいて、前記第2通信部が出力する前記第2の通信方式に従った送信信号を送信するアンテナを切り替えることを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記第1の通信方式は、音声通信を行う通信方式であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記第2の通信方式は、データ通信を行う通信方式であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
信号の送受信を行う複数のアンテナを備えた携帯端末の制御方法であって、
第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用して、前記第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、を送受信する第1送受信ステップと、
前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用して、前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、を送受信する第2送受信ステップと、
前記第2通信部が出力した送信信号を送信するときに用いるアンテナを切り替えるアンテナ切り替えステップと、
前記アンテナ切り替えステップにおけるアンテナの切り替えを制御する制御信号を出力する制御信号出力ステップと、
を有することを特徴とする携帯端末の制御方法。
【請求項9】
信号の送受信を行う複数のアンテナを備えた携帯端末を制御するコンピュータに、
第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用して、前記第1の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、を送受信させる機能と、
前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、で前記複数のアンテナのうちの一つを共用して、前記第1の通信方式に従った受信信号と、前記第2の通信方式に従った送信信号及び受信信号と、を送受信させる機能と、
前記第2通信部が出力した送信信号を送信するときに用いるアンテナを切り替える機能と、
前記アンテナの切り替えを制御する制御信号を出力する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−135341(P2011−135341A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293067(P2009−293067)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】