説明

携帯端末、放送サービス提示方法、及びプログラム

【課題】携帯端末の利便性を損ねることなく、広告主の意図するタイミングで広告映像音声を視聴者に提示する。
【解決手段】ストリーミング受信部208は、受信開始通知があると、ストリーミング映像音声の受信を開始し、受信中のストリーミング映像音声が広告コンテンツの箇所に到達したか否かを判定する。ストリーミング再生部210は、広告コンテンツの箇所に到達していない場合には、受信中のストリーミング映像音声をそのまま再生する一方、広告コンテンツの箇所に到達した場合には、受信レベルの平均値avnが閾値th以下であるか判定し、受信レベルの平均値avnが閾値th以下である場合には、ストリーミングに代えて、ダウンロードしておいた品質補完映像音声、または代替補完映像音声を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話やカー・ナビゲーション・システムなどで放送波を受信可能な携帯端末に対して、TV放送中のニュースや、ドラマなどの番組映像音声、商品広告のための広告映像音声などをストリーミングとして視聴者に提供するサービスに係り、ストーミングとして放送される番組映像音声、広告映像音声を視聴者に提示する携帯端末、放送サービス提示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、FOMA(フォーマ:登録商標)などの携帯電話に対して、地上デジタル放送1セグメント部分受信サービス(ワンセグ)により、TV放送サービスが提供されている。そして、視聴者に対する各種商品の宣伝としてTV放送の番組映像音声の前後や、途中などで広告映像音声が放送されている。
【0003】
また、カー・ナビゲーション・システムや、携帯オーディオ機器などにおいても、ワンセグ用のチューナが搭載され、携帯電話同様にTV放送サービス内で広告映像音声が放送されている。
【0004】
また、ワンセグの受信エリアの拡大や、放送波の安定した受信のために、ダイバーシティ受信を用いた方式が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
さらには、録画機能を搭載し、TV放送を録画しておいて、視聴者の都合の良い時に見ることができるようになっている。
【非特許文献1】岡野他,“携帯端末向けダイバーシティ受信によるワンセグの野外受信実験”,信学技報,EMCJ,Vol.106,No.579(20070302)pp.23−28
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような従来のワンセグにおいて、TV放送中の広告映像音声は、番組映像音声と同様に放送波の受信状態が時々刻々と変化する中でストリーミングとして配信される。広告主にとって、広告映像音声は、顧客獲得のために番組映像音声以上に重要であり、広告チャンネルや広告時間を獲得して広告主の意図するタイミングで提示したい。しかしながら、従来のワンセグでは、受信状態の劣化によって、広告映像音声の映像や、音声が停止、またはスキップされることがあり、広告映像音声を視聴者に正しく提示できないという問題がある。
【0007】
また、受信状態の良い場所に携帯電話を置いておき、その間に番組映像音声、及び広告映像音声を含めて録画をし、録画後に視聴する方法がある。しかしながら、この場合も、録画後に視聴するため、あるいは、視聴者によって広告映像音声の早送りをされてしまう場合もあり、広告主の意図するタイミングで広告映像音声を視聴者に提示できないという問題がある。
【0008】
さらに、録画をしておく方法の場合、劣化の少ない番組映像音声、及び広告映像音声の録画を行うためには、録画中に受信状況の良い場所に携帯電話や、カー・ナビゲーション・システムなどの携帯端末を配置しておかなければならず、携帯端末の利便性を損ねることになってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、携帯端末の利便性を損ねることなく、広告主の意図する内容、タイミングで広告映像音声を提示することができる携帯端末、放送サービス提示方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は、番組映像音声及び広告映像音声を含む放送波をストリーミング映像音声として受信可能な携帯端末であって、放送波の受信状態を監視する監視手段と、受信中のストリーミング映像音声とは別に放送波の受信状態が良いときに広告映像音声をダウンロードするダウンロード手段と、前記ダウンロード手段によりダウンロードされた広告映像音声を保存する保存手段と、前記受信中のストリーミング映像音声において前記広告映像音声の箇所に到達したか否かを判定する到達判定手段と、前記到達判定手段により広告映像音声の箇所に到達したと判定されると、前記監視手段による受信状態に基づいて、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に代えて、前記保存手段に保存されている前記ダウンロードされた広告映像音声を提示する提示手段とを備えることを特徴とする携帯端末である。
【0011】
本発明は、上記の発明において、前記監視手段は、前記放送波の受信状態を監視するに際し、放送波の受信レベルの一定周期における平均値を取得する平均値取得手段を備え、所定の閾値を予め記憶する記憶手段と、前記平均値取得手段により取得された受信レベルの平均値と前記記憶手段に記憶されている所定の閾値とを比較する比較手段を更に備え、前記提示手段は、前記比較手段による比較の結果、前記受信レベルの平均値が前記所定の閾値以上である場合、受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の再生を行い、前記受信レベルの平均値が前記所定の閾値を下回った場合、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に代えて、前記保存手段に保存されている前記ダウンロードされた広告映像音声を提示する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記の発明において、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に付加されたメタデータと、前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータとを取得するメタデータ取得手段と、前記メタデータ取得手段により取得された、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に付加されたメタデータと前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータとに基づいて、前記ダウンロードされた広告映像音声の中から、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声と同一の広告映像音声を検索する第1の検索手段と、を有し、前記提示手段は、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の代わりに、前記第1の検索手段により検索された、前記ダウンロードされた広告映像音声を提示する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記の発明において、視聴者の個人特性情報を予め記憶する個人特性情報記憶手段と、前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータと前記個人特性情報記憶手段から読み出した個人特性情報との相関関係を取得する相関取得手段と、前記相関取得手段により取得された相関関係に基づいて、前記ダウンロードされた広告映像音声の中から、前記視聴者の個人特性に合致する広告映像音声を検索する第2の検索手段と、を有し、前記提示手段は、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の代わりに、前記第2の検索手段により検索された、ダウンロードされた広告映像音声を提示する、ことを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、番組映像音声及び広告映像音声を含む放送波をストリーミング映像音声とし携帯端末で受信して視聴者に提示する放送サービス提示方法であって、放送波の受信状態を監視するステップと、受信中のストリーミング映像音声とは別に放送波の受信状態が良いときに広告映像音声をダウンロードするステップと、前記ダウンロードされた広告映像音声を保存するステップと、前記受信中のストリーミング映像音声において前記広告映像音声の箇所に到達したか否かを判定するステップと、広告映像音声の箇所に到達したと判定されると、前記放送波の受信状態に基づいて、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に代えて、前記ダウンロードされた広告映像音声を提示するステップとを含むことを特徴とする放送サービス提示方法である。
【0015】
本発明は、上記の発明において、前記放送波の受信状態を監視するステップは、放送波の受信レベルの一定周期における平均値を取得するステップを含み、前記放送サービス提示方法は、所定の閾値を予め記憶するステップと、前記取得された受信レベルの平均値と前記所定の閾値とを比較するステップとを更に含み、前記広告映像音声を提示するステップにおいて、前記比較の結果、前記受信レベルの平均値が前記所定の閾値以上である場合、受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の再生を行い、前記受信レベルの平均値が前記所定の閾値を下回った場合、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に代えて、前記ダウンロードされた広告映像音声を提示する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記の発明において、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に付加されたメタデータと、前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータとを取得するステップと、前記取得された受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に付加されたメタデータと前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータとに基づいて、前記ダウンロードされた広告映像音声の中から、受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声と同一の広告映像音声を検索するステップとを更に含み、前記広告映像音声を提示するステップにおいて、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の代わりに、前記検索された、ダウンロードされた広告映像音声を提示する、ことを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記の発明において、視聴者の個人特性情報を記憶するステップと、前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータと前記個人特性情報との相関関係を取得するステップと、前記取得された相関関係に基づいて、ダウンロードされた広告映像音声の中から、視聴者の個人特性に合致する広告映像音声を検索するステップとを更に含み、前記広告映像音声を提示するステップにおいて、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の代わりに、前記検索された、ダウンロードされた広告映像音声を提示する、ことを特徴とする。
【0018】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、上述の放送サービス提示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、放送波の受信状態が時々刻々と変化する中でストリーミングとして配信されるTV放送中の広告映像音声を補完した上で視聴者に提示することで、携帯端末の利便性を損ねることなく、広告主の意図する内容、タイミングで広告映像音声を提示することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態による携帯端末向け放送サービス提供システムの全体的な構成を示すブロック図である。本携帯端末向け放送サービス提供システムは、携帯電話や、カー・ナビゲーション・システムなどの携帯端末200、放送局の設備である放送装置100、及び放送アンテナ300から構成される。
【0022】
携帯端末200は、放送装置100から放送される番組映像音声、及び広告映像音声をストリーミング(ストリーミング映像音声)として受信する。また、携帯端末200は、放送装置100からストリーミングが行われていない時間帯(例えば、深夜)に、ダウンロードファイルとして送信される品質補完映像音声と代替補完映像音声とを受信する。ここで、品質補完映像音声は、ストリーミング映像音声中の広告映像音声と同一のものであり、放送波の受信状態が悪いときの品質補完用に、代替補完映像音声は、ストリーミング映像音声中の広告映像音声と異なり、代替のものとして使用される。
【0023】
なお、ダウンロードファイルは、ストリーミング用と別の周波数帯域を用いて、自由な時間帯に受信されても良い。また、ダウンロードファイルは、携帯端末200での受信成功率を高めるため、一定周期で同じ内容を送り続けるカルーセル伝送を用いて受信されても良い。また、携帯端末200が携帯電話のように通信機能を有している場合、ダウンロードファイルは、通信機能を用いて受信されても良い。
【0024】
また、携帯端末200は、放送装置100から送信される放送プログラムを受信する。ここで、放送プログラムとは、EPG(Electronic Program Guide;電子番組案内)や、ECG(Electronic Contents Guide;電子コンテンツ案内)と類似のものを意味する。
【0025】
放送装置100は、番組映像音声、及び広告映像音声を含むストリーミング(ストリーミング映像音声)をストリーミングファイルとして管理し、品質補完映像音声、及び代替補完映像音声をダウンロードファイルとして管理し、放送アンテナ300経由で携帯端末200に放送する。また、放送装置100は、放送プログラムを放送アンテナ300経由で携帯端末200に放送する。
【0026】
放送アンテナ300は、放送装置100にて管理されているストリーミングファイル、ダウンロードファイル、及び放送プログラムを、放送波で送出するためのアンテナ設備である。
【0027】
次に、上述した携帯端末向け放送サービス提供システムの動作を概略的に説明する。
オペレータは、放送装置100に番組映像音声、及び広告映像音声を含むストリーミングファイルと、品質補完映像音声、及び代替補完映像音声であるダウンロードファイルとを登録する。
【0028】
放送装置100は、登録されたストリーミングファイルを、既存のTV放送と同様に放送時間にストリーミングで放送し、ダウンロードファイルを、ストリーミングファイルの放送が行われていない時間帯(例えば、深夜)や、ストリーミングファイル用と別の周波数帯域を利用して、放送アンテナ300経由で携帯端末200に放送する。
【0029】
携帯端末200は、放送アンテナ300経由で放送されるダウンロードファイルを受信し、携帯端末200内に保存する。また、携帯端末200は、放送時間に放送されるストリーミングファイルをストリーミングとして受信し、視聴者のチャンネル選択に基づいて、該当するチャンネルのストリーミング映像音声を視聴者に提示する。
【0030】
また、携帯端末200は、携帯端末200の入力機能を用いて登録される視聴者の性別や、年齢、噂好などを示した情報を個人特性情報として保存する。
【0031】
携帯端末200は、視聴者へのストリーミング映像音声の提示中に、放送波の受信状態の監視を行い、広告映像音声の提示の際に、受信状態に応じて品質補完映像音声、ないしは代替補完映像音声への切り替え判断を行う。例えば、携帯端末200は、放送波の受信状態の低下により、広告映像音声の再生が行えないと判断した場合に、携帯端末200に保存されているダウンロードファイルの中から、当該広告映像音声の品質補完映像音声の探索を行い、品質補完映像音声を視聴者に提示する。
【0032】
また、携帯端末200は、ダウンロードファイルの中に当該広告映像音声の品質補完映像音声が存在しない場合に、携帯端末200に保存されている個人特性情報とダウンロードファイル中の代替補完映像音声とを用いて、視聴者の個人特性に近い代替補完映像音声を視聴者に提示する。
【0033】
次に、図2は、本実施形態による放送装置の機能構成の概要を示すブロック図であり、図3は、本実施形態による携帯端末の機能構成の概要を示すブロック図である。
【0034】
図2において、放送装置100は、放送波送信処理部101、放送プログラム送信部102、放送プログラム生成部103、放送プログラム保存部104、ストリーミング送信部105、ストリーミング保存部106、ダウンロード送信部107、ダウンロード保存部108、ユーザインタフェース部109から構成される。
【0035】
放送波送信処理部101は、放送プログラム送信部102から放送プログラムの通知を受けた後、携帯端末200に対して、放送プログラムを放送する。なお、放送装置100での放送プログラムの放送タイミングと携帯端末200での受信タイミングとは、同期しており、1日複数回実施されるものとする。また、放送波送信処理部101は、ストリーミング映像音声の放送時間に、ストリーミング送信部105からストリーミング映像音声の通知を受けた際に、ストリーミング映像音声を携帯端末200に放送する。さらに、放送波送信処理部101は、ダウンロードファイルの放送時間に、ダウンロード送信部107からダウンロードファイルの通知を受けた際に、ダウンロードファイルを携帯端末200に放送する。
【0036】
ここで、放送プログラムは、EPGや、ECGに類似するものであり、ストリーミング放送用プログラムとダウンロード放送用プログラムとがある。ストリーミング放送用プログラムは、ストリーミング映像音声用の番組表であり、ストリーミング送信部105でのストリーミング映像音声の通知契機や、携帯端末200の視聴者への番組表や、各番組内容の提示に用いられる。また、ダウンロード放送用プログラムは、ダウンロードファイル用の番組表であり、ダウンロード送信部107でのダウンロードファイルの通知契機や、携帯端末200でのダウンロードファイルの受信契機の制御のために用いられる。
【0037】
ここで、図4は、本実施形態による、ストリーミング映像音声の放送用に用いられるストリーミングファイルの一例を示す概念図である。ストリーミングファイルは、番組コンテンツ(番組映像音声用)と広告コンテンツ(広告映像音声用)とから構成される。
【0038】
ここで、ストリーミングファイル中の構造は、MPEG−4や、H.264で用いられているISOベースメディアファイルフォーマット(ISO/IEC14496−12)を用いている。そして、当該フォーマットのmoovボックスに、各番組コンテンツと各広告コンテンツの開始位置、終了位置や、広告コンテンツのための各種メタデータを格納する。携帯端末200は、moovボックス内の情報を参照することにより、後述する処理を実施する。
【0039】
番組コンテンツは、既存の地上アナログテレビ放送や、地上デジタルテレビ放送と同様なニュース/報道、ドラマ、バラエティなどの番組の番組映像音声である。広告コンテンツは、番組コンテンツの前後や、途中に挿入されるものであり、品質補完映像音声用メタデータ、代替補完映像音声用メタデータ、及び広告映像音声から構成される。
【0040】
品質補完映像音声用メタデータは、広告主、広告タイトル、広告時間にから構成され、後述する携帯端末200での視聴者への品質禰完映像音声の提示判断に用いられる。代替補完映像音声用メタデータは、広告主と広告時間とにより構成され、後述する携帯端末200での視聴者の個人特性に応じた代替補完映像音声の提示判断に用いられる。
【0041】
広告映像音声は、後述する携帯端末200での放送波の受信状態の監視により、広告映像音声の正常再生が可能と判断された場合に、視聴者に提示されるものである。もしくは、前述の品質補完映像音声の提示判断、及び代替補完映像音声の提示判断の結果、ダウンロードファイルに視聴者に提示すべき品質補完映像音声や、代替補完映像音声がない場合に、視聴者に提示されるものである。
【0042】
図5は、本実施形態による、ダウンロードファイルの一例を示す概念図である。ダウンロードファイルは、広告提示判断メタデータと提示広告映像音声とから構成される。ここで、ダウンロードファイル中の構造は、MPEG−4や、H.264で用いられているISOベースメディアファイルフォーマット(ISO/IEC14496−12)を用いている。そして、当該フォーマットのmoovボックスに、広告提示判断メタデータを格納する。携帯端末200は、moovボックス内の情報を参照することにより、後述する処理を実施する。
【0043】
広告提示判断メタデータは、広告主や、広告タイトル、広告期間などから構成され、後述する携帯端末200での品質補完映像音声の提示判断、及び視聴者の個人特性に応じた代替補完映像音声の提示判断に用いられる。提示広告映像音声は、品質補完映像音声、または代替補完映像音声であり、後述する携帯端末200での当該視聴者への品質補完映像音声の提示判断、及び代替補完映像音声の提示判断の後、視聴者に提示される映像音声である。
【0044】
次に、図2に説明を戻すと、放送プログラム送信部102は、放送プログラム保存部104に保存されている放送プログラム(ストリーミング放送用プログラム、及びダウンロード放送用プログラム)を定期的(例えば、1時間に1回)に取得し、放送波送信処理部101に通知する。
【0045】
放送プログラム生成部103は、ストリーミング保存部106に保存されているストリーミングファイルに基づいて、ストリーミング放送用プログラムを作成し、放送プログラム保存部104に保存する。また、放送プログラム生成部103は、ダウンロード保存部108に保存されているダウンロードファイルに基づいて、ダウンロード放送用プログラムを作成し、放送プログラム保存部104に保存する。放送プログラム保存部104は、放送プログラム生成部103にて生成された放送プログラム(ストリーミング放送用プログラム、及びダウンロード放送用プログラム)を保存する。
【0046】
ストリーミング送信部105は、放送プログラム保存部104中のストリーミング放送用プログラムを取得し、各ストリーミング映像音声の放送時間に、放送波送信処理部101に該当のストリーミング映像音声の通知を行い、携帯端末200へのストリーミング映像音声の放送を実施する。ストリーミング保存部106は、ユーザインタフェース部109を用いてオペレータが登録したストリーミングファイルを保存する。
【0047】
ダウンロード送信部107は、放送プログラム保存部104中のダウンロード放送用プログラムを取得し、各ダウンロードファイルの放送時間に、放送波送信処理部101に該当のダウンロードファイルの通知を行い、携帯端末200へのダウンロードファイルの放送を実施する。ダウンロード保存部108は、ユーザインタフェース部109を用いてオペレータが登録したダウンロードファイルを保存する。
【0048】
ユーザインタフェース部109は、オペレータに対して、ストリーミングファイルとダウンロードファイルを登録する環境を提供し、ストリーミングファイルをストリーミング保存部106に、ダウンロードファイルをダウンロード保存部108に保存する。
【0049】
次に、図3において、携帯端末200は、ユーザインタフェース部201、個人特性情報保存部202、放送波受信処理部203、放送プログラム受信部204、放送プログラム保存部205、ダウンロード受信部206、ダウンロード保存部207、ストリーミング受信部208、ストリーミング一時記憶部209、ストリーミング再生部210、現在日時管理部211、及び記録部212から構成される。
【0050】
ユーザインタフェース部201は、視聴者に対する入出力インタフェースであり、映像表示装置、音声出力装置、入力キーなどを含む。個人特性情報保存部202は、ユーザインタフェース部201を用いて、視聴者が入力する視聴者の個人特性を示す個人特性情報を保存する。
【0051】
ここで、図6は、本実施形態による、個人特性情報の一例を示す概念図である。個人特性情報は、生体情報、状況情報、嗜好情報から構成される。生体情報は、性別、年齢などを含む。状況情報は、携帯端末200内のシステム情報であり、現在日付や、現在時刻などを含む。嗜好情報は、ジャンル、サブジャンル、キーワードなどを含む。
【0052】
放送波受信処理部203は、放送プログラム受信部204から放送プログラム受信開始通知を受けると、放送装置100からの放送プログラムを受信し、該放送プログラムを放送プログラム受信部204に供給する。また、放送波受信処理部203は、ダウンロード受信部206からダウンロードファイルの受信開始通知を受けると、放送装置100からのダウンロードファイルを受信し、ダウンロード受信部206にダウンロードファイルを供給する。さらに、放送波受信処理部203は、ストリーミング受信部208からストリーミング映像音声の受信開始通知を受けると、放送装置100からのストリーミング映像音声を受信し、ストリーミング受信部208にストリーミング映像音声を供給する。
【0053】
また、放送波受信処理部203は、放送波の受信状態を常時監視し、一定周期(例えば、15秒周期)で平均値を取り、保存する。保存先は、例えば、放送波受信処理部内のバッファメモリとする。
【0054】
放送プログラム受信部204は、定期的(例えば、1時間に1回)に放送波受信処理部203に放送プログラムの受信開始通知を行い、放送装置100が放送する放送プログラムを放送波受信処理部203経由で受信する。また、受信した放送プログラムを放送プログラム保存部205に保存する。放送プログラム保存部205は、放送プログラム受信部204から供給される放送プログラムを保存する。
【0055】
ダウンロード受信部206は、放送プログラム保存部205中のダウンロード放送用プログラムを取得し、各ダウンロードファイルの放送時間に、放送波受信処理部203に該当のダウンロードファイルの受信開始通知を行い、ダウンロードファイルを放送波受信処理部203経由で受信する。また、受信したダウンロードコンテンツをダウンロード保存部207に保存する。ダウンロード保存部207は、ダウンロード受信部206から供給されるダウンロードファイルを保存する。
【0056】
ストリーミング受信部208は、ユーザインタフェース部201から通知される視聴者の視聴開始、及び希望チャンネルに応じて、放送波受信処理部203に該当のストリーミング映像音声の受信開始通知を行い、ストリーミング映像音声を放送波受信処理部203経由で受信する。また、受信中のストリーミング映像音声をストリーミング一時記憶部209に保存する。ストリーミング再生部210は、ストリーミング一時記憶部209に保存されているストリーミングコンテンツの再生を行う。また、ストリーミング再生部210は、ストリーミングコンテンツ再生において、広告コンテンツの箇所に到達したか否かを判定し、広告コンテンツに到達したと判定すると、後述するように、受信状態に応じて、ストリーミング映像音声中の広告映像音声の再生を継続するか、ダウンロードファイル(品質補完映像音声、または代替補完映像音声)への切り替え再生を実行する。記録部212は、放送波の受信状態を判定する際に用いる閾値thを保持している。
【0057】
図7は、ストリーミング映像音声の再生処理の一例を示す概念図である。
ストリーミング再生部210は、ストリーミング映像音声の再生時に、放送波受信処理部203にて管理されている放送波受信レベルの平均値avn(当該広告コンテンツの直前の平均値)を取得する。そして、平均値avnの閾値thに対する上下によって、放送波の受信状態を判断し、平均値avnが閾値th以上の場合には、当該ストリーミング映像音声中の広告映像音声の再生を行い、平均値avnが閾値thより小さい場合には、ダウンロードファイル(品質補完映像音声、または代替補完映像音声)の再生処理を行う。
【0058】
なお、放送波の受信状態が非常に悪く、ストリーミング映像音声中のメタデータの検出ができない場合には、当該ストリーミング映像音声の再生を継続する。
【0059】
図8は、本実施形態による携帯端末向け放送サービス提供システムの全体動作を説明するためのフローチャートである。まず、携帯端末200において、ユーザインタフェース部201がユーザの操作情報を取得し(ステップSa1)、続いて、ユーザ指示を取得する(ステップSa2)。次に、ユーザインタフェース部201がストリーミング映像音声の受信開始通知があるか否かを判定し(ステップSa3)、ストリーミング映像音声の受信開始通知がない場合には、ステップSa1に戻る。
【0060】
一方、ストリーミング映像音声の受信開始通知がある場合には、ストリーミング受信部208がストリーミング映像音声の受信を開始し(ステップSa4)、受信中のストリーミング映像音声が広告コンテンツの箇所に到達したか否かを判定する(ステップSa5)。ここで、受信中のストリーミング映像音声が広告コンテンツの箇所に到達していない場合には、ストリーミング再生部210で受信中のストリーミング映像音声をそのまま再生する(ステップSa9)。
【0061】
一方、受信中のストリーミング映像音声が広告コンテンツの箇所に到達した場合には、ストリーミング受信部208が放送波受信処理部203から放送波の受信レベルの平均値avnを取得し(ステップSa6)、受信レベルの平均値avnが閾値th以下であるか否かを判定する(ステップSa7)。そして、受信レベルの平均値avnが閾値th以下でない場合、すなわち、十分な受信信号強度がある場合には、上述したステップSa9に進み、ストリーミング再生部210で受信中のストリーミング映像音声をそのまま再生する。
【0062】
一方、受信レベルの平均値avnが閾値th以下である場合には、受信状態の劣化によって、広告コンテンツ映像や、音声が停止、またはスキップされる可能性があるので、ダウンロードファイル再生処理を実施する(ステップSa8)。
【0063】
ダウンロードファイル再生処理では、当該広告映像音声に対する品質補完映像音声の有無判断、代替補完映像音声の有無の判断が実施され、品質補完映像音声、及び代替補完映像音声のいずれも存在しない場合には、当該ストリーム映像音声中の広告映像音声の再生が行われる。
【0064】
図9は、本実施形態によるダウンロードコンテンツ再生処理の動作を説明するためのフローチャートである。まず、ダウンロードファイルがあるか否かを判定し(ステップSb1)、ダウンロードファイルがない場合には、そのまま、ストリーミング再生部210で広告コンテンツ映像音声の再生を継続する(ステップSb8)。一方、ダウンロードファイルがある場合には、品質補完映像音声を検索する(ステップSb2)。
【0065】
品質補完映像音声有無判断は、品質補完映像音声用メタデータの「広告主」、「広告タイトル」、「広告時間」とダウンロードファイルの広告提示判断メタデータの「広告主」、「広告タイトル」、「広告時間」との各項目の比較により行われる。各項目比較後の結果の論理積を取り、真となるものが、当該ストリーム映像音声中の広告映像音声の品質補完映像音声として選択される。なお、品質補完映像音声の検索処理の詳細については後述する。
【0066】
次に、品質補完映像音声の検索結果に基づいて、該当する品質補完映像音声があったか否かを判定し(ステップSb3)、該当する品質補完映像音声があれば、該品質補完映像音声を再生する(ステップSb4)。一方、該当する品質補完映像音声がない場合には、代替補完映像音声を検索する(ステップSb5)。
【0067】
代替補完映像音声有無判断は、図9に示すように、一次選択、二次選択、三次選択と段階的に処理される。一次選択は、代替補完映像音声用メタデータの「広告主」、「広告時間」と広告提示判断メタデータの「広告主」、「広告時間」との各項目、及び個人特性情報の「現在日付」、「現在時刻」と広告判断メタデータの「広告期間」、「広告時刻」との各項目の比較により行われる。各項目比較後の結果の論理積を取り、真となるものが、一次選択結果として複数選択される。
【0068】
二次選択は、一次選択により選択されたものに対して、まず、代替補完映像音声用メタデータの「ジャンル」、「サブジャンル」と広告提示判断メタデータの「ジャンル」、「サブジャンル」との比較を行い、各項目比較後の結果の論理積を取り、真となるものが、キーワード処理の対象となる。キーワード処理は、代替補完映像音声用メタデータの「キーワード」と広告判断提示メタデータの「キーワード」との比較を行い、キーワード一致数のカウントを行う。二次選択結果では、キーワードの一致数に応じて点数付けをされたものが複数選択される。
【0069】
三次選択は、二次選択結果のうち、点数の最も高いものが選択される。一次選択、二次選択、三次選択の過程の中で、選択候補がなくなった際には、代替補完映像音声有無判断結果は、代替補完映像音声なしとなる。なお、代替補完映像音声の検索処理の詳細については後述する。
【0070】
次に、代替補完映像音声の検索結果に基づいて、該当する代替補完映像音声があったか否かを判定し(ステップSb6)、該当する代替補完映像音声があれば、該代替補完映像音声を再生する(ステップSb7)。一方、該当する代替補完映像音声がない場合には、上述したステップSb8で、そのまま、ストリーミング再生部210で広告コンテンツ映像音声の再生を継続する。
【0071】
次に、図10は、本実施形態による、上述した品質補完映像音声の検索処理(Sb2)の一例を説明するためのフローチャートである。まず、品質補完映像音声用メタデータを取得し(ステップSc1)、ダウンロードファイル数をカウントし、nとする(ステップSc2)。次に、ループカウンタiを「1」とし(ステップSc3)、ダウンロードファイル数n分、次のステップSc4〜Sc11を繰り返し実行する。
【0072】
まず、i番目のダウンロードファイルを取得し(ステップSc5)、広告提示判断メタデータを取得する(ステップSc6)。次に、品質補完映像音声用メタデータの「広告主」と広告提示判断メタデータの「広告主」とが一致するか否かを判定し(ステップSc7)、双方が一致すれば、次に、品質補完映像音声用メタデータの「広告タイトル」と広告提示判断メタデータの「広告タイトル」とが一致するか否かを判定し(ステップSc8)、双方が一致すれば、次に、品質補完映像音声用メタデータの「広告時間」と広告提示判断メタデータの「広告時間」とが一致するか否かを判定する(ステップSc9)。
【0073】
そして、上記判定のうち、いずれか1つでも一致しなければ(ステップSc7のNO or ステップSc8のNO or ステップSc9のNO)、ループカウンタiを「1」だけインクリメントし(ステップSc10)、ステップSc11でステップSc4に戻り、次のダウンロードファイルについて同様の処理を繰り返す。
【0074】
一方、上記判定で、全ての項目が一致した場合には(ステップSc7のYES and ステップSc8のYE Sand ステップSc9のYES)、その時点のダウンロードファイル、すなわち、i番目のダウンロードファイルのファイル名を記録し(ステップSc13)、図9のステップSb3へ進む。
【0075】
上述したように、ダウンロードファイル数n分繰り返すまで、ループカウンタiを「1」づつインクリメントしながら、順次、ダウンロードファイルに対して、品質補完映像音声用メタデータと広告提示判断メタデータとの各項目を比較し、全てが一致したダウンロードファイルが、当該ストリーム映像音声中の広告映像音声の品質補完映像音声として選択され、ストリーミング映像音声(広告映像音声)に代えて、再生されることになる。
【0076】
図11乃至図13は、本実施形態による、上述した代替補完映像音声の検索処理(Sb5)の一例を説明するためのフローチャートである。まず、代替補完映像音声用メタデータを取得し(ステップSd1)、個人特性情報から「現在日付」、「現在時刻」を取得し(ステップSd2)、ダウンロードファイル数をカウントし、nとする(ステップSd3)。次に、ループカウンタiを「1」とし(ステップSd4)、ダウンロードファイル数n分、次のステップSd5〜Sd14を繰り返し実行する。
【0077】
まず、i番目のダウンロードファイルを取得し(ステップSd6)、広告提示判断メタデータを取得する(ステップSd7)。次に、代替補完映像音声用メタデータの「広告主」と広告提示判断メタデータの「広告主」とが一致するか否かを判定し(ステップSd8)、双方が一致すれば、次に、代替補完映像音声用メタデータの「広告時間」と広告提示判断メタデータの「広告時間」とが一致するか否かを判定し(ステップSd9)、双方が一致すれば、次に、個人特性情報の「現在日付」と広告判断メタデータの「広告期間」とを比較して、現在日付が広告期間内であるか否かを判定し(ステップSd10)、現在日付が広告期間内であれば、さらに、個人特性情報の「現在時刻」と広告判断メタデータの「広告時刻」とを比較し、現在時刻が広告時刻であるか判定する(ステップSd11)。
【0078】
そして、上記判定のうち、いずれか1つでも一致しなければ(ステップSd8のNO or ステップSd9のNO or ステップSd10のNO or ステップSd11のNO)、ループカウンタiを「1」だけインクリメントし(ステップSd13)、ステップSd14でステップSd5に戻り、次のダウンロードファイルについて同様の処理を繰り返す。
【0079】
一方、上記判定で、全ての項目が一致した場合には(ステップSd8のYES and ステップSd9のYES and ステップSd10のYES and ステップSd11のYES)、i番目のダウンロードファイルのファイル名を記録し(ステップSd12)、上述したステップSd13で、ループカウンタiを「1」だけインクリメントし、ステップSd14でステップSd5に戻り、次のダウンロードファイルについて同様の処理を繰り返す。
【0080】
そして、ダウンロードファイル数分(n回)の処理が終わると、記録済みのダウンロードファイル名の有無、記録した数、ファイル名を出力する(ステップSd15)。これにより、上述した一次選択結果が得られる。
【0081】
次に、一次選択結果数をカウントし、nとする(ステップSd16)。次に、一次選択結果数nがゼロ、すなわち1つも選択されなかったか否かを判定し(ステップSd17)、一次選択結果数nがゼロであれば、前述した図9のステップSb6で「NO」となり、ステップSb8へ進み、広告コンテンツ映像音声が再生されることになる。
【0082】
一方、一次選択結果数nがゼロでなければ、すなわち、少なくとも1つでもダウロードファイルが選択されていれば、個人特性情報「ジャンル」、「サブジャンル」、「キーワード」を取得する(ステップSd18)。次に、ループカウンタiを「1」とし(ステップSd19)、一次選択結果数n分、次のステップSd20〜Sd28を繰り返し実行する。
【0083】
まず、一次選択結果の中のi番目のダウンロードファイルを取得し(ステップSd21)、広告提示判断メタデータを取得する(ステップSd22)。次に、個人特性情報の「ジャンル」と広告提示判断メタデータの「ジャンル」とが一致するか否かを判定し(ステップSd23)、双方が一致すれば、次に、個人特性情報の「サブジャンル」と広告提示判断メタデータの「サブジャンル」とが一致するか否かを判定する(ステップSd24)。
【0084】
そして、上記判定のうち、1つでも一致しなければ(ステップSd23のNO or ステップSd24のNO)、ループカウンタiを「1」だけインクリメントし(ステップSd27)、ステップSd28でステップSd20に戻り、次の一次候補結果のダウンロードファイルについて同様の処理を繰り返す。
【0085】
一方、上記判定で、全ての項目が一致した場合には(ステップSd23のYES and ステップSd24のYES)、キーワード一致数をカウントし(ステップSd25)、i番目のダウンロードファイル名とキーワード一致数とを記録し(ステップSd26)、上述したステップSd27で、ループカウンタiを「1」だけインクリメントし、ステップSd28でステップSd20に戻り、次のダウンロードファイルについて同様の処理を繰り返す。
【0086】
そして、一次選択結果数分(n回)の処理が終わると、記録済みのダウンロードファイル名の有無、数、キーワード一致数、ファイル名を出力する(ステップSd29)。これにより、上述した二次選択結果として、キーワードの一致数に応じて点数付けをされたものが複数選択される。
【0087】
次に、二次選択結果数をカウントし、nとする(ステップSd30)。次に、二次選択結果数nがゼロ、すなわち1つも選択されなかったか否かを判定し(ステップSd31)、二次選択結果数nがゼロであれば、前述した図9のステップSb6で「NO」となり、ステップSb8へ進み、広告コンテンツ映像音声が再生されることになる。
【0088】
一方、二次選択結果数nがゼロでなければ、すなわち、一次選択で少なくとも1つでもダウロードファイルが選択されていれば、ループカウンタiを「1」とし(ステップSd32)、二次選択結果の中のi番目のファイル名、キーワード一致数を取得し、File_cmpに保存する(ステップSd33)。次に、ループカウンタiを「1」だけインクリメントし(ステップSd34)、二次選択結果数n分、次のステップSd35〜Sd40を繰り返し実行する。
【0089】
まず、二次選択結果の中のi番目のファイル名、キーワード一致数を取得し、File_tmpに保存する(ステップSd36)。このとき、ループカウンタiは、既に「1」だけインクリメントされているので、ステップSd33でのFile_cmpと、ステップS36でのFile_tmpとは、二次選択結果の中の異なるダウンロードファイルのファイル名、キーワード一致数であることに注意されたい。
【0090】
次に、File_tmpのキーワード一致数がFile_cmpのキーワード一致数より大であるか否かを判定する(ステップSd37)。そして、File_tmpのキーワード一致数の方が小さいならば(ステップSd37のNO)、ループカウンタiを「1」だけインクリメントし(ステップSd38)、ステップSd40でステップSd35に戻り、次の二次候補結果のダウンロードファイルについて同様の処理を繰り返す。
【0091】
一方、File_tmpのキーワード一致数の方が大きければ(ステップSd37のYES)、File_tmpの内容を、File_cmpにコピーし(ステップSd39)、ステップSd40でステップSd35に戻り、次の二次候補結果のダウンロードファイルについて同様の処理を繰り返す。
【0092】
上記ステップSd35〜Sd40を繰り返すことにより、二次候補のうち、キーワード一致数が最も大きいダウンロードファイルのファイル名、キーワード一致数がFile_cmpに残ることになる。
【0093】
そして、二次次選択結果数分(n回)の処理が終わると、検索結果の有無、もしくはFile_cmpの内容(最終的に三次選択候補として残ったダウンロードファイルのファイル名)を出力する(ステップSd41)。これにより、三次選択結果として、二次選択結果のうち、点数(キーワード一致数)の最も高いものが選択される。
【0094】
上述した実施形態によれば、携帯電話や、カー・ナビゲーション・システムなどで放送波を受信可能な携帯端末に対して、TV放送中のニュースや、ドラマなどの番組映像音声や、商品広告のための広告映像音声をストリーミングとして視聴者に提供するサービスにおいて、放送波の受信状態が悪く、ストリーミング中の広告映像音声を視聴者に正しく提示できない場合であっても、携帯端末に既にダウンロードされている広告映像音声を視聴者に提示することにより、ストリーミング中の広告映像音声を補完することができる。
【0095】
また、携帯端末にダウンロードされている広告映像音声を視聴者に提示するときにおいて、受信中のストリーミング映像音声の広告映像音声と同一のダウンロードされた広告映像音声を視聴者に提示することにより、ストリーミング中の広告映像音声の品質補完をすることができる。
【0096】
また、ダウンロードされている広告映像音声からストリーミング中の広告映像音声と同一の広告映像音声を検索できなかった場合であっても、ダウンロードされている広告映像音声の中から、視聴者の個人特性に近い広告映像音声を代替広告映像音声として視聴者に提示することができる。
【0097】
なお、上述した実施形態において、上述した放送装置100、携帯端末200による各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、各種処理を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0098】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施形態による携帯端末向け放送サービス提供システムの全体的な構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による放送装置の機能構成の概要を示すブロック図である。
【図3】本実施形態による携帯端末の機能構成の概要を示すブロック図である。
【図4】本実施形態による、ストリーミング映像音声の放送用に用いられるストリーミングファイルの一例を示す概念図である。
【図5】本実施形態による、ダウンロードファイルの一例を示す概念図である。
【図6】本実施形態ストリーミング映像音声の再生処理の一例を示す概念図である。による、個人特性情報の一例を示す概念図である。
【図7】本実施形態による、ストリーミング映像音声の再生処理の一例を示す概念図である。
【図8】本実施形態による携帯端末向け放送サービス提供システムの全体動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態によるダウンロードコンテンツ再生処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態による、上述した品質補完映像音声の検索処理(Sb2)の一例を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施形態による、上述した代替補完映像音声の検索処理(Sb5)の一例を説明するためのフローチャートである。
【図12】本実施形態による、上述した代替補完映像音声の検索処理(Sb5)の一例を説明するためのフローチャートである。
【図13】本実施形態による、上述した代替補完映像音声の検索処理(Sb5)の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
100 放送装置
101 放送波送信処理部
102 放送プログラム送信部
103 放送プログラム生成部
104 放送プログラム保存部
105 ストリーミング送信部
106 ストリーミング保存部
107 ダウンロード送信部
108 ダウンロード保存部
109、201 ユーザインタフェース部
200 携帯端末
202 個人特性情報保存部
203 放送波受信処理部
204 放送プログラム受信部
205 放送プログラム保存部
206 ダウンロード受信部
207 ダウンロード保存部
208 ストリーミング受信部
209 ストリーミング一時記憶部
210 ストリーミング再生部
211 現在日時管理部
300 放送アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組映像音声及び広告映像音声を含む放送波をストリーミング映像音声として受信可能な携帯端末であって、
放送波の受信状態を監視する監視手段と、
受信中のストリーミング映像音声とは別に放送波の受信状態が良いときに広告映像音声をダウンロードするダウンロード手段と、
前記ダウンロード手段によりダウンロードされた広告映像音声を保存する保存手段と、
前記受信中のストリーミング映像音声において前記広告映像音声の箇所に到達したか否かを判定する到達判定手段と、
前記到達判定手段により広告映像音声の箇所に到達したと判定されると、前記監視手段による受信状態に基づいて、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に代えて、前記保存手段に保存されている前記ダウンロードされた広告映像音声を提示する提示手段と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記監視手段は、前記放送波の受信状態を監視するに際し、放送波の受信レベルの一定周期における平均値を取得する平均値取得手段を備え、
所定の閾値を予め記憶する記憶手段と、
前記平均値取得手段により取得された受信レベルの平均値と前記記憶手段に記憶されている所定の閾値とを比較する比較手段を更に備え、
前記提示手段は、
前記比較手段による比較の結果、前記受信レベルの平均値が前記所定の閾値以上である場合、受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の再生を行い、前記受信レベルの平均値が前記所定の閾値を下回った場合、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に代えて、前記保存手段に保存されている前記ダウンロードされた広告映像音声を提示する、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に付加されたメタデータと、前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータとを取得するメタデータ取得手段と、
前記メタデータ取得手段により取得された、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に付加されたメタデータと前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータとに基づいて、前記ダウンロードされた広告映像音声の中から、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声と同一の広告映像音声を検索する第1の検索手段と、
を有し、
前記提示手段は、
前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の代わりに、前記第1の検索手段により検索された、前記ダウンロードされた広告映像音声を提示する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
視聴者の個人特性情報を予め記憶する個人特性情報記憶手段と、
前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータと前記個人特性情報記憶手段から読み出した個人特性情報との相関関係を取得する相関取得手段と、
前記相関取得手段により取得された相関関係に基づいて、前記ダウンロードされた広告映像音声の中から、前記視聴者の個人特性に合致する広告映像音声を検索する第2の検索手段と、
を有し、
前記提示手段は、
前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の代わりに、前記第2の検索手段により検索された、ダウンロードされた広告映像音声を提示する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
番組映像音声及び広告映像音声を含む放送波をストリーミング映像音声とし携帯端末で受信して視聴者に提示する放送サービス提示方法であって、
放送波の受信状態を監視するステップと、
受信中のストリーミング映像音声とは別に放送波の受信状態が良いときに広告映像音声をダウンロードするステップと、
前記ダウンロードされた広告映像音声を保存するステップと、
前記受信中のストリーミング映像音声において前記広告映像音声の箇所に到達したか否かを判定するステップと、
広告映像音声の箇所に到達したと判定されると、前記放送波の受信状態に基づいて、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に代えて、前記ダウンロードされた広告映像音声を提示するステップと
を含むことを特徴とする放送サービス提示方法。
【請求項6】
前記放送波の受信状態を監視するステップは、放送波の受信レベルの一定周期における平均値を取得するステップを含み、
前記放送サービス提示方法は、
所定の閾値を予め記憶するステップと、
前記取得された受信レベルの平均値と前記所定の閾値とを比較するステップと
を更に含み、
前記広告映像音声を提示するステップにおいて、
前記比較の結果、前記受信レベルの平均値が前記所定の閾値以上である場合、受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の再生を行い、前記受信レベルの平均値が前記所定の閾値を下回った場合、前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に代えて、前記ダウンロードされた広告映像音声を提示する、
ことを特徴とする請求項5記載の放送サービス提示方法。
【請求項7】
前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に付加されたメタデータと、前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータとを取得するステップと、
前記取得された受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声に付加されたメタデータと前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータとに基づいて、前記ダウンロードされた広告映像音声の中から、受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声と同一の広告映像音声を検索するステップと
を更に含み、
前記広告映像音声を提示するステップにおいて、
前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の代わりに、前記検索された、ダウンロードされた広告映像音声を提示する、
ことを特徴とする請求項5または6記載の放送サービス提示方法。
【請求項8】
視聴者の個人特性情報を記憶するステップと、
前記ダウンロードされた広告映像音声に付加されたメタデータと前記個人特性情報との相関関係を取得するステップと、
前記取得された相関関係に基づいて、ダウンロードされた広告映像音声の中から、視聴者の個人特性に合致する広告映像音声を検索するステップと
を更に含み、
前記広告映像音声を提示するステップにおいて、
前記受信中のストリーミング映像音声に含まれる広告映像音声の代わりに、前記検索された、ダウンロードされた広告映像音声を提示する、
ことを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の放送サービス提示方法。
【請求項9】
請求項5から8のいずれかに記載の放送サービス提示方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−154010(P2010−154010A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327442(P2008−327442)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】