説明

携帯端末およびアラーム通知方法

【課題】乗客が列車の揺れを予測することが困難であるという問題を解決することが可能な携帯端末を提供する。
【解決手段】GPS受信機102は、現在位置を測位する。入力部107は、列車の線区を検索するための検索条件を受け付ける。制御部108は、検索条件に適合した線区上の不安定位置をメモリ101から検索し、その検索した不安定位置と現在位置とに基づいて、列車が不安定位置に到達したか否かを判断する。列車が不安定位置に到達した場合、音声入出力部109は、アラームを通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末およびアラーム通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運行中の列車がカーブに差し掛かるなどして揺れると、列車の乗客がバランスを崩してよろけたり転倒したりするなどの危険性がある。特に列車が混雑している場合、ある乗客がバランスを崩すと、他の乗客が押されたりするので、危険性がより高くなる。
【0003】
これに対して、特許文献1には、列車がカーブに差し掛かる前に警告を出力する列車運転支援装置が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の列車運転支援装置は、列車の運転士用に開発されたものであり、運転士が列車を測定モードで開始駅から終点駅まで走行させた際に、開始駅から終点駅までの走行方向のGPS(Global Positioning System)装置を用いて監視する。列車運転支援装置は、走行方向に基づいて、開始駅から終点駅までのカーブの位置を特定し記録する。そして、列車運転支援装置は、列車の通常運転時に列車がカーブの位置の手間に達すると、警告を出力する。
【0005】
特許文献1に記載の技術を乗客が用いれば、乗客は列車の揺れを予測することができるので、揺れる前に吊革を掴むなど、揺れに対応することが可能となり、転倒などの危険性を低くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−236308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の列車運転支援装置は、列車の運転士用に開発されたものであるため、乗客には使用し辛いという問題がある。具体的には、乗客が列車を測定モードで開始駅から終点駅まで走行させることは困難なため、カーブの位置を特定して列車の揺れを予測することは困難である。特に乗客は様々な線区の列車に乗車するため、その全ての線区において列車を測定モードで走行させることは非常に困難である。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題である、乗客が列車の揺れを予測することが困難であるという問題を解決することが可能な携帯端末およびアラーム通知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による携帯端末は、移動体の路線情報と前記移動体が不安定となる不安定位置とを含む路線図データを格納するデータベースと接続される携帯端末であって、現在位置を測位する測位部と、前記移動体の線区を検索するための検索条件を受け付ける入力部と、前記検索条件に適合した線区上の前記不安定位置を前記データベースから検索し、当該不安定位置と前記現在位置とに基づいて、前記移動体が当該不安定位置に到達したか否かを判断する制御部と、前記移動体が前記不安定位置に到達した場合、アラームを通知する通知部と、を有する。
【0010】
また、本発明によるアラーム通知方法は、移動体の路線情報と前記移動体が不安定となる不安定位置とを含む路線図データを格納するデータベースと接続可能な携帯端末によるアラーム通知方法であって、現在位置を測位し、前記移動体の線区を検索するための検索条件を受け付け、前記検索条件に適合した線区上の前記不安定位置を前記データベースから検索し、当該不安定位置と前記現在位置とに基づいて、前記移動体が当該不安定位置に到達したか否かを判断し、前記移動体が前記不安定位置に到達した場合、アラームを通知する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、乗客が列車の揺れを容易に予測することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】乗車区間情報の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の携帯端末の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】選択画面の一例を示す図である。
【図5】GPSチェックポイントリストの一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の携帯端末の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】選択画面の他の例を示す図である。
【図8】GPSチェックポイントリストの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態の携帯端末の構成を示す図である。図1において、携帯端末100は、メモリ101と、GPS受信機102と、慣性計測部103と、ディスプレイ部104と、無線部105と、アンテナ106と、入力部107と、制御部108と、音声入出力部109とを有する。
【0015】
メモリ101は、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体であり、コンピュータの動作を規定するための種々のプログラムを記録する。このプログラムには、OS(Operating System)だけでなく、通信機能、GPSを用いたナビゲーション機能およびゲーム機能などを実現するためのアプリケーションプログラムも含まれる。
【0016】
また、メモリ101は、携帯端末100のユーザの電話帳や、路線図データを格納するデータベースとして機能する。路線図データは、移動体である列車の路線情報を含む地図情報と、路線上のチェックポイントとを含む。
【0017】
チェックポイントは、列車が不安定となる不安定位置や駅の位置などである。不安定位置は、列車が揺れやすくなる位置などであり、例えば、図2で示したA点およびB点のような、路線上のカーブに差し掛かる位置や、図2で示したC点のような分岐点の位置である。また、チェックポイントには、そのチェックポイントの属性情報が結び付けられてもよい。属性情報は、例えば、チェックポイントの種別(カーブに差し掛かる位置、分岐点の位置、駅の位置など)やチェックポイントの状態(カーブの向きなど)などを示す。
【0018】
GPS受信機102および慣性計測部103は測位部を構成する。
【0019】
GPS受信機102は、不図示のGPS衛星から測位用の電波を受信し、その電波を用いて、携帯端末100の現在位置を測位する。
【0020】
慣性計測部103は、加速度センサやジャイロセンサなどからで構成され、携帯端末100の角速度と加速度とを計測する。
【0021】
慣性計測部103は、GPS受信機102が電波を受信できない場所における、GPS受信機102による測位計算の補助機能としての役割を行う。具体的には、GPS受信機102が電波を受信できない場合、慣性計測部103は、自身の計測結果と、GPS受信機102が最後に測位した現在位置とに基づいて、現在位置の測位を行う。なお、慣性計測部103は、不図示のカメラの手振れ補正のために使用されたり、ゲーム機能のコントローラとして使用されたりしてもよい。
【0022】
ディスプレイ部104は、文字や画像などの種々の情報を表示する表示部である。ディスプレイ部104は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイなどである。
【0023】
無線部105は、不図示の基地局と無線通信を行う。より具体的には、無線部105は、アンテナ106が基地局から受信した電波をベースバンド信号に復調し、また、送信用のベースバンド信号を変調して、アンテナ106を介して基地局に送信する。
【0024】
入力部107は、キーボタンまたはディスプレイ部104と一体化されたタッチパネルなどであり、ユーザから数字や文字などの種々の情報を受け付ける。例えば、入力部107は、列車の線区を検索するための検索条件が入力される。検索条件は、乗車駅名および降車駅名などである。
【0025】
制御部108は、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータにて構成され、メモリ101に記録されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行して、以下で説明するような携帯端末100を制御するための種々の処理を行う。
【0026】
例えば、制御部108は、無線部105が基地局と無線通信を行うためのベースバンド信号の符号化および復号化などの通信データに対する信号処理を行う。
【0027】
また、制御部108は、入力部107が受け付けた検索条件に適合する乗車区間情報をメモリ101内の路線図データから検索し、その乗車区間情報と、測位部にて測定された現在位置とに基づいて、列車がチェックポイントに到達したか否かを判断する。なお、乗車区間情報は、乗車駅から降車駅までの線区と、その線区上のチェックポイントとを有する。
【0028】
音声入出力部109は、音声通話用の通話音声データなどの音声データの入出力を行う。また、音声入出力部109は、制御部108にて列車がチェックポイントに到達したと判断された場合にアラームをユーザに通知する通知部として機能する。なお、アラームはディスプレイ部104に表示されてもよい。この場合、音声入出力部109およびディスプレイ部104が通知部として機能することになる。
【0029】
音声入出力部109は、マイク110と、レシーバ111と、スピーカ112と、バイブレータ113と、ヘッドセットジャック114と、オーディオインターフェイス部115とを有する。
【0030】
マイク110およびレシーバ111は、音声データを受け付ける音声入力装置であり、スピーカ112は、音声データを出力する音声出力装置である。バイブレータ113は、携帯端末100を振動させる振動発生装置である。ヘッドセットジャック114は、外部音声入出力装置であるヘッドセット120が着脱可能な着脱部である。
【0031】
オーディオインターフェイス部115は、音声入出力部109全体を制御して、音声データの入出力を行う。このとき、オーディオインターフェイス部115は、バイブレータ113をスピーカ112の代替手段として用いてもよい。例えば、オーディオインターフェイス部115は、着信音をスピーカ112から出力する代わりに、バイブレータ113を用いて携帯端末100を振動させることにより、ユーザに着信を通知してもよい。
【0032】
また、オーディオインターフェイス部115は、ヘッドセットジャック114にヘッドセット120が接続されているか否かに応じて、音声データの入出力先を切り換える。より具体的には、オーディオインターフェイス部115は、ヘッドセット120が接続されていない場合、マイク110、レシーバ111およびスピーカ112を用いて音声データの入出力を行い、ヘッドセット120が接続されている場合、ヘッドセット120を用いて音声データの入出力を行う。
【0033】
また、制御部108にて列車がチェックポイントに到達したと判断された場合、オーディオインターフェイス部115は、アラームをユーザに通知する通知制御部として機能する。
【0034】
例えば、オーディオインターフェイス部115は、スピーカ112およびバイブレータ113の少なくとも一方を制御して、音声および振動の少なくとも一方を用いてアラームをユーザに通知する。また、ヘッドセットジャック114にヘッドセット120が接続されている場合、オーディオインターフェイス部115は、ヘッドセット120を介してアラームを音声で通知してもよい。なお、ヘッドセット120にそのヘッドセット120を振動させるバイブレーション機能が備わっていれば、オーディオインターフェイス部115は、そのバイブレーション機能を用いて、アラームを振動で通知してもよい。
【0035】
また、アラームの通知方法として音声による通知が選択されているときには、ヘッドセットジャック114にヘッドセット120が接続されている場合にのみ、オーディオインターフェイス部115は、アラームを通知してもよい。
【0036】
また、チェックポイントの属性情報に応じて、アラームの音声内容や振動パタンなどが変更されてもよい。
【0037】
次に携帯端末100の動作を説明する。
【0038】
図3は、携帯端末100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0039】
先ず、線区を検索するためのナビゲーションプログラムが起動されると(ステップs100)、制御部108は、図4に示すような、乗車駅名および降車駅名の入力とアラームの通知方法の選択とを行うための選択画面200をディスプレイ部104に表示する。その後、ユーザが入力部107を用いて、乗車駅名および降車駅名を入力し、かつ通知方法を選択すると、制御部108は、その入力された乗車駅名および降車駅名に基づいて、乗車駅から降車駅までの線区と、その線区上のチェックポイントとを乗車区間情報としてメモリ101から検索する(ステップs101)。ここでは、図2で示したような乗車区間情報が検索されたとする。
【0040】
制御部108は、乗車区間情報内のチェックポイントと、そのチェックポイントに結び付けられた属性情報とに基づいて、アラームの通知が必要なチェックポイントおよびアラームの内容であるメッセージを、乗車駅から到着順に示すGPSチェックポイントリストを生成する(ステップs102)。メッセージは、例えば、チェックポイントがB点であれば、左カーブになる旨を示し、チェックポイントがC点であれば、揺れに注意する旨を示す。
【0041】
図5は、GPSチェックポイントリストの一例を示す図である。図5に示すように、GPSチェックポイントリスト300では、チェックポイントに対して、乗車駅からの到着順を示すポイント番号Pnが付けられる。また、各チェックポイントにおけるアラームの内容であるメッセージには、チェックポイントのポイント番号Pnと同じメッセージ番号Mnが付けられている。なお、乗車駅に対応するポイント番号Pnおよびメッセージ番号Mnを0とし、降車駅に対応するポイント番号Pnおよびメッセージ番号Mnをe(e>1)としている。
【0042】
なお、ステップs102において、制御部108は、チェックポイントに結び付けられた属性情報に基づいて、図2で示したB点などの、列車が乗車駅から降車駅に進む際には、列車が不安定とならないチェックポイントを、GPSチェックポイントリストから除外している。
【0043】
GPSチェックポイントリストを生成すると、制御部108は、自身の保持しているカウンタ値nを0に初期化する(ステップs103)。
【0044】
その後、制御部108は、動作命令をGPS受信機102に出力する。GPS受信機102は、動作命令を受け付けると、測位用の電波に基づいて現在位置を測位し、その測位した現在位置を制御部108に通知する。このとき、GPS受信機102は、電波を受信できない場合、慣性計測部103に動作命令を出力し、慣性計測部103が現在位置を測位して制御部108に通知する(ステップs104)。
【0045】
制御部108は、現在位置を受け付けると、その現在位置と、現在のカウンタ値nと同じポイント番号Pnのチェックポイントとが一致したか否かを判断する(ステップs105)。
【0046】
現在位置とチェックポイントとが一致しない場合、制御部108は、ステップs104の処理に戻り、現在位置が更新される。
【0047】
一方、現在位置およびチェックポイントが一致した場合、制御部108は、現在のカウンタ値nと同じメッセージ番号Mnのメッセージをディスプレイ部104に表示する。また、制御部108は、ステップs101で選択された通知方法に従って、通知情報をオーディオインターフェイス部115に出力する。
【0048】
通知方法として音声による通知が選択された場合、通知情報は、図2で示したA点では「左カーブです」、図2で示したC点では「ゆれにご注意ください」などの音声データとなる。また、通知方法として振動による通知が選択された場合、通知情報は、メッセージに応じた振動パタン、または予め設定された振動パタンを示す振動データとなる。
【0049】
オーディオインターフェイス部115は、通知情報を受け付けると、その通知情報に従ってスピーカ112、バイブレータ113およびヘッドセット120などを駆動して、音声および振動の少なくとも一方でアラームを通知する(ステップs106)。
【0050】
また、制御部108は、通知情報をオーディオインターフェイス部115に出力すると、カウンタ値nが最大値e(降車駅に対応するポイント番号Pn)か否かを判断する(ステップs107)。
【0051】
カウンタ値nが最大値eでない場合、制御部108は、カウンタ値をカウントアップし(ステップs108)、ステップs104の処理に戻る。
【0052】
一方、カウンタ値nが最大値eである場合、制御部108は、処理を終了する(ステップs109)。
【0053】
以上説明したように本実施形態によれば、GPS受信機102は、現在位置を測位する。入力部107は、列車の線区を検索するための検索条件を受け付ける。制御部108は、検索条件に適合した線区上の不安定位置をメモリ101から検索し、その検索した不安定位置と現在位置とに基づいて、列車が不安定位置に到達したか否かを判断する。列車が不安定位置に到達した場合、音声入出力部109は、アラームを通知する。
【0054】
このため、列車が検索条件に適合して線区上の不安定位置に到達した場合にアラームが通知されるので、ユーザは、検索条件を入力するだけで、様々な線区における列車の揺れを予測することが可能になり、列車の揺れを容易に予測することが可能になる。
【0055】
また、本実施形態では、乗車マナーを考慮して、ヘッドセット120がヘッドセットジャック114に接続された場合にのみアラームがヘッドセット120を介して通知される。このため、アラームである音声が他の乗客に聞こえる可能性を低減することが可能になる。
【0056】
また、本実施形態では、不安定位置の属性情報に応じたアラームが通知されるので、細やかなサービスを提供することが可能になる。
【0057】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
【0058】
本実施形態では、路線図データに運行ダイヤ情報を付加し、検索条件に出発時刻や到着時刻を追加することにより、制御部108が各チェックポイントに到達する到達予定時刻を有する乗車区間情報をメモリ101から検索できるようにする。そして、制御部108は、GPS受信機102で現在位置が測位できない場合、現在時刻と到達予定時刻とに基づいて、列車がチェックポイントに到達したか否かを判断する。
【0059】
図6は、本実施形態の携帯端末100の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0060】
先ず、ナビゲーションプログラムが起動されると(ステップs200)、制御部108は、図7に示すような、乗車駅名および降車駅名の入力、出発時刻または到着時刻の入力、そして、アラームの通知方法の選択を行うための選択画面400をディスプレイ部104に表示する。その後、ユーザが入力部107を用いて、乗車駅名および降車駅名を入力し、出発時間または到着時間の入力、そして通知方法の選択を行うと、制御部108は、その入力された乗車駅名および降車駅名と、出発時間または到着時間とに基づいて、乗車駅から降車駅までの線区と、その線区上のチェックポイントと、各チェックポイントの到着時刻とを乗車区間情報としてメモリ101から検索する(ステップs201)。ここでは、図2で示したような乗車区間情報が検索されたとする。
【0061】
制御部108は、乗車区間情報内のチェックポイントと、そのチェックポイントに結び付けられた属性情報とに基づいて、アラームの通知が必要なチェックポイント、アラームの内容であるメッセージ、チェックポイントの到達時間を、乗車駅から到着順に示すGPSチェックポイントリストを生成する(ステップs202)。
【0062】
図8は、GPSチェックポイントリストの一例を示す図である。図8に示すように、GPSチェックポイントリスト500では、チェックポイントに対して、乗車駅からの到着順を示すポイント番号Pnが付けられている。チェックポイントにおけるアラームの内容であるメッセージには、そのチェックポイントのポイント番号Pnと同じメッセージ番号Mnが付けられている。また、各チェックポイントの到着時間には、そのチェックポイントPnと同じ時間番号Tnが付けられている。
【0063】
GPSチェックポイントリストを生成すると、制御部108は、カウンタ値nを0に初期化する(ステップs203)。
【0064】
その後、制御部108は、動作命令をGPS受信機102に出力する。GPS受信機102は、動作命令を受け付けると、測位用の電波に基づいて現在位置を測位し、その測位した現在位置を制御部108に通知する。このとき、GPS受信機102は、電波を受信できず現在位置を測位できない場合、エラー情報を制御部108に通知する(ステップs204)。
【0065】
制御部108は、通知された情報が現在位置かエラー情報かを確認して、現在位置が測位できなか否かを判断する(ステップs205)。
【0066】
通知された情報がエラー情報であると、制御部108は、現在位置が測定できなかったと判断して、現在時刻と、現在のカウンタ値nと同じ時間番号Tnの到着予定時刻とが一致したか否かを判断する(ステップs206)。
【0067】
現在時刻と到着予定時刻とが一致していない場合、ステップs204の処理が再び実行される。一方、現在時刻と到着予定時刻とが一致した場合、ステップs106〜s109の処理が実行される。
【0068】
また、ステップs205において通知された情報が現在位置であると、制御部108は、現在位置と、現在のカウンタ値nと同じポイント番号Pnのチェックポイントとが一致したか否かを判断する(ステップs207)。
【0069】
現在位置とチェックポイントが一致した場合、ステップs106〜s109の処理が実行される。
【0070】
一方、現在位置とチェックポイントが一致しなかった場合、制御部108は、現在位置とチェックポイントとの距離が閾値d以内か否かを判断する(ステップs208)。その距離が閾値d以内の場合、ステップs206の処理が実行され、その距離が閾値dより大きい場合、ステップs204の処理が実行される。
【0071】
以上説明したように本実施形態によれば、現在位置が測位できない場合でも、チェックポイントの到着予定時刻と現在時刻に基づいて、列車が不安定位置に到達したときにアラームを通知できるので、アラームをより確実に通知することができる。
【0072】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0073】
例えば、図3のステップS105において、制御部108は、現在位置とチェックポイントとの距離が閾値d以下になると、現在位置とチェックポイントとが一致したと判断してもよい。
【0074】
また、路線図データは、不図示のサーバ上に格納されてもよい。この場合、制御部108は、無線部105を用いて、基地局や不図示のネットワーク網を介してサーバにアクセスし、乗車区間情報をサーバからダウンロードしメモリ101に格納する。
【0075】
また、路線図データがメモリ101に格納されている場合、ナビゲーションプログラムの起動中は無線部105が使用されないため、制御部108によって無線部105への電源供給が停止されてもよい。また、路線図データがサーバにある場合でも、乗車区間情報のダウンロード後に無線部105が使用されることがないため、乗車区間情報のダウンロード後に無線部105への電源供給が停止されてもよい。
【0076】
また、制御部108はメッセージをディスプレイ部104に表示させなくてもよい。この場合、ナビゲーションプログラムの起動中は、ディスプレイ部104への電源供給が停止されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
100 携帯端末
101 メモリ
102 GPS受信機
103 慣性計測部
104 ディスプレイ部
105 無線部
106 アンテナ
107 入力部
108 制御部
109 音声入出力部
110 マイク
111 レシーバ
112 スピーカ
113 バイブレータ
114 ヘッドセットジャック
115 オーディオインターフェイス
120 ヘッドセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の路線情報と前記移動体が不安定となる不安定位置とを含む路線図データを格納するデータベースと接続される携帯端末であって、
現在位置を測位する測位部と、
前記移動体の線区を検索するための検索条件を受け付ける入力部と、
前記検索条件に適合した線区上の前記不安定位置を前記データベースから検索し、当該不安定位置と前記現在位置とに基づいて、前記移動体が当該不安定位置に到達したか否かを判断する制御部と、
前記移動体が前記不安定位置に到達した場合、アラームを通知する通知部と、を有する携帯端末。
【請求項2】
前記路線図データは、前記不安定位置に到着する到着予定時刻をさらに含み、
前記制御部は、前記測位部にて前記現在位置が測位できない場合、前記線区上の前記不安定位置に到着する到着予定時刻と、現在時刻とに基づいて、前記移動体が前記不安定位置に到達したか否かを判断する、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記通知部は、
外部音声出力装置が着脱可能な着脱部と、
前記着脱部に前記外部音声出力装置が接続されている場合、前記外部音声出力装置を用いて、前記アラームを通知する通知制御部と、を有する、請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記通知制御部は、前記着脱部に前記外部音声出力装置が接続されている場合のみ、前記アラームを通知する、請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記通知部は、音声および振動の少なくとも一方を用いて、前記アラームを通知する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記路線情報は、前記不安定位置の属性情報をさらに含み、
前記通知部は、前記線区上の前記不安定位置の属性情報に応じた前記アラームを通知する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
移動体の路線情報と前記移動体が不安定となる不安定位置とを含む路線図データを格納するデータベースと接続可能な携帯端末によるアラーム通知方法であって、
現在位置を測位し、
前記移動体の線区を検索するための検索条件を受け付け、
前記検索条件に適合した線区上の前記不安定位置を前記データベースから検索し、当該不安定位置と前記現在位置とに基づいて、前記移動体が当該不安定位置に到達したか否かを判断し、
前記移動体が前記不安定位置に到達した場合、アラームを通知する、アラーム通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−96574(P2012−96574A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243502(P2010−243502)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】