説明

携帯端末およびプログラム

【課題】停電時に店頭販売を支援することができる携帯端末を提供する。
【解決手段】情報処理部と、商品識別情報を含むシンボル像を入力する画像入力部と、記憶部と、情報処理部と画像入力部と記憶部とに電力を供給するバッテリとを有する携帯端末において、商品識別情報に対応して少なくとも単価を含む商品情報を記憶した商品マスタを記憶部に記憶するマスタ記憶手段と、画像入力部から入力したシンボル像から商品識別情報を読み取る読み取り手段と、読み取られた商品識別情報に応じて商品マスタから単価を検索して商品販売データ処理を実行する販売処理手段と、読み取られた商品識別情報に応じて商品販売データ処理以外の業務処理を実行する業務処理手段と、業務処理を実行する業務処理モードと商品販売データ処理を実行する商品販売モードとを切り替えるモード切替手段と、販売処理手段により処理されたデータを記憶部に記憶するデータ記憶手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、携帯端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア等の店舗では、商品管理装置である店舗コンピュータから発注商品についての発注データ(発注商品の商品コードを含む)を統括部の商品管理装置である上位コンピュータに送信する。統括部は、上位コンピュータが受信した発注データに基づき発注先に発注を行う。発注を受けた発注先は、店舗に商品を納入する。また、発注先から店舗への納品に先立ち、統括部の上位コンピュータからは、店舗に納入される商品についての納品データ(納入商品の商品コードを含む)が店舗の店舗コンピュータに送信される。店舗は、店舗コンピュータが受信した納品データに基づき、納入される商品についての情報を得ることができる。そして、発注先から商品が納入されたならば、店舗では、納入商品についての検品及び品出し業務が行われる。
【0003】
特許文献1には、店舗で納入商品についての検品業務に用いられる検品端末装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、計画停電などの停電の影響によって店舗コンピュータやPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末が使用できないような場合においては、コンビニエンスストア等の店舗における販売は全て手作業に頼らざるを得ない。
【0005】
しかしながら、コンビニエンスストア等の店舗では、商品の価格は商品に貼り付けられておらず、店舗コンピュータやPOS端末で管理されていることが多く、また、店員が全ての商品単価を把握することは難しいものとなっている。
【0006】
したがって、停電時においてコンビニエンスストア等の店舗で手作業による販売に切り替えた場合には、商品の価格が分からずに混乱を招く恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の携帯端末は、情報処理を実行する情報処理部と、商品識別情報を含むシンボル像を入力する画像入力部と、各種データを記憶する記憶部と、前記情報処理部と前記画像入力部と前記記憶部とに電力を供給するバッテリとを有する携帯端末において、前記商品識別情報に対応して少なくとも単価を含む商品情報を記憶した商品マスタを前記記憶部に記憶するマスタ記憶手段と、前記画像入力部から入力した前記シンボル像から前記商品識別情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段によって読み取られた前記商品識別情報に応じて前記商品マスタから前記単価を検索して商品販売データ処理を実行する販売処理手段と、前記読み取り手段によって読み取られた前記商品識別情報に応じて前記商品販売データ処理以外の業務処理を実行する業務処理手段と、前記業務処理を実行する業務処理モードと前記商品販売データ処理を実行する商品販売モードとを切り替えるモード切替手段と、前記販売処理手段により処理されたデータを前記記憶部に記憶するデータ記憶手段と、を備える。
【0008】
実施形態のプログラムは、商品識別情報を含むシンボル像を入力する画像入力部と各種データを記憶する記憶部とともにバッテリによって電力が供給され、前記画像入力部と前記記憶部とを制御するコンピュータに、前記商品識別情報に対応して少なくとも単価を含む商品情報を記憶した商品マスタを前記記憶部に記憶するマスタ記憶手段と、前記画像入力部から入力した前記シンボル像から前記商品識別情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段によって読み取られた前記商品識別情報に応じて前記商品マスタから前記単価を検索して商品販売データ処理を実行する販売処理手段と、前記読み取り手段によって読み取られた前記商品識別情報に応じて前記商品販売データ処理以外の業務処理を実行する業務処理手段と、前記業務処理を実行する業務処理モードと前記商品販売データ処理を実行する商品販売モードとを切り替えるモード切替手段と、前記販売処理手段により処理されたデータを前記記憶部に記憶するデータ記憶手段と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施形態の商品管理システムを示すシステム構成図である。
【図2】図2は、上位コンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、店舗コンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、発注データファイルのデータ構成を示す模式図である。
【図5】図5は、納品データファイルのデータ構成を示す模式図である。
【図6】図6は、発注端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、検品端末を表面側から見て示す斜視図である。
【図8】図8は、検品端末を裏面側から見て示す斜視図である。
【図9】図9は、検品端末のキーボードを示す平面図である。
【図10】図10は、検品端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、売上商品情報記憶エリアを示す模式図である。
【図12】図12は、検品端末のCPUの機能を示す機能ブロック図である。
【図13】図13は、商品を発注する発注処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図14は、発注入力画面の一例を示す模式図である。
【図15】図15は、店舗への納品前に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】図16は、検品処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】図17は、検品処理モード画面の初期画面の一例を示す模式図である。
【図18】図18は、店頭販売支援処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】図19は、店頭販売支援画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を図1ないし図19に基づいて説明する。本実施の形態は、携帯端末として検品端末601へ適用した例である。
【0011】
図1は、本実施形態の商品管理システム101を示すシステム構成図である。本実施形態の商品管理システム101は、統括部102に設置された上位コンピュータ201と、コンビニエンスストア103に設置されて店舗業務を統括管理する店舗コンピュータ301とを有する。上位コンピュータ201と店舗コンピュータ301とは、通信ネットワーク111によって互いにデータ通信可能に接続されている。また、統括部102に設置された上位コンピュータ201は、発注先104のコンピュータ(図示せず)ともデータ通信可能に接続されている。
【0012】
店舗コンピュータ301は、キーボード312及びポインティングデバイスであるマウス313を備える。また、ユーザである店員に対する情報報知機能を有するユーザインターフェースとしてのLCD(Liquid Crystal Display)311を備える。
【0013】
店舗コンピュータ301には、LAN(Local Area Network)ケーブル131を介して複数台のPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末401がデータ通信可能に接続されている。POS端末401は、コンビニエンスストア103の店頭に配置されて、商品販売データ処理を実行する。
【0014】
また、コンビニエンスストア103には、統括部102に対して発注を行うための発注端末501と納入された商品を検品するための検品端末601とが備えられている。発注端末501及び検品端末601は、無線中継器121とLANケーブル131とを介して店舗コンピュータ301とデータ通信可能となっている。
【0015】
発注端末501は、厚みを有する平板状のハウジング501aを有する。ハウジング501aの一面側には、タッチパネル511付きのLCD512と、LCD512の側方に配置されたキーボード513とが設けられている。ハウジング501aには、肩掛け紐(図示せず)が取り付けられている。コンビニエンスストア103の店員は、この肩掛け紐を肩にかけて発注端末501を使用する。
【0016】
検品端末601は、持ち手部分を形成する筐体613を有する。筐体613の持ち手部分に相当する部分には、キーボード612が設けられている。筐体613の先端側には、検品端末ユーザインターフェースとしてのLCD611が設けられている。また、筐体613のLCD611と反対側の部分には、商品識別情報(商品コード)をコードシンボルの形態で付したシンボル像(例えば、バーコード)をCCD(Charge Coupled Device)などにより入力する画像入力部であるバーコードスキャナ614(図8参照)が設けられている。
【0017】
図2は、上位コンピュータ201のハードウェア構成を示すブロック図である。上位コンピュータ201は、各部を駆動制御するマイクロコンピュータ251を備える。マイクロコンピュータ251は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)252に、バスライン255を介して、制御プログラム等の固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)253と、各種データを書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)254とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ251は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。
【0018】
マイクロコンピュータ251には、バスライン255を介して、表示コントローラ256、キーボードコントローラ257、HDD258、及び、通信インターフェース259が接続されている。
【0019】
表示コントローラ256は、画像データに基づいてLCD211を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD211に表示させる。キーボードコントローラ257は、キーボード212からの入力信号をマイクロコンピュータ251に取り込む。通信インターフェース259は、通信ネットワーク111と接続されている。つまり、通信ネットワーク111を介して複数の店舗コンピュータ301とのデータ通信を可能とする。
【0020】
HDD258には、商品を特定する商品コードに対応付けて商品名、単価、分類名等を記憶する商品マスタファイルF1、店舗コンピュータ301から送信される後述する発注データに含まれる商品コード、発注数を記憶する発注マスタファイルF2が格納されている。
【0021】
図3は、店舗コンピュータ301のハードウェア構成を示すブロック図である。店舗コンピュータ301は、各部を駆動制御するマイクロコンピュータ351を備える。マイクロコンピュータ351は、各部を集中的に制御するCPU352に、バスライン355を介して、制御プログラム等の固定的データを予め記憶するROM353と、各種データを書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM354とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ351は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。
【0022】
マイクロコンピュータ351には、バスライン355を介して、表示コントローラ356、キーボードコントローラ357、ポインティングデバイスコントローラ358、HDD359、第1の通信インターフェース360、及び第2の通信インターフェース361が接続されている。
【0023】
表示コントローラ356は、画像データに基づいてLCD311を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD311に表示させる。キーボードコントローラ357は、テンキー312a及び「Enter」と表示された登録キー312bを含むキーボード312からの入力信号をマイクロコンピュータ351に取り込む。ポインティングデバイスコントローラ358は、ポインティングデバイスであるマウス313からの入力信号をマイクロコンピュータ351に取り込む。第1の通信インターフェース360は、LANケーブル131を介して他の機器、つまり、POS端末401及び無線中継器121との間でのデータ通信を可能とする。第2の通信インターフェース361は、通信ネットワーク111と接続されている。つまり、通信ネットワーク111を介して上位コンピュータ201とのデータ通信を可能とする。
【0024】
HDD359には、商品コードに対応付けて商品名、単価、分類名等を記憶する商品データファイルF4が格納され、さらに、発注データファイルF5及び納品データファイルF6が格納されている。なお、商品データファイルF4は、例えば精算時における上位コンピュータ201に対するデータ送信のタイミングで、更新される。また、HDD359には、アプリケーションソフトウェアASも格納されている。
【0025】
図4は、発注データファイルF5のデータ構成を示す模式図である。発注データファイルF5は、商品コードに対応付けて発注数を記憶するデータ構成を有する。発注データファイルF5は、さらに、商品コードに対応付けて、受注先、日付等を記憶するデータ構成を有していても良い。
【0026】
図5は、納品データファイルF6のデータ構成を示す模式図である。納品データファイルF6は、商品コードに対応付けて納品予定数を記憶するデータ構成を有する。納品データファイルF6は、さらに、商品コードに対応付けて、納品予定時等を記憶するデータ構成を有していてもよい。
【0027】
図6は、発注端末501のハードウェア構成を示すブロック図である。発注端末501は、各部を駆動制御するマイクロコンピュータ551を備える。マイクロコンピュータ551は、各部を集中的に制御するCPU552に、バスライン555を介して、制御プログラム等の固定的データを予め記憶するROM553と、各種データを書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM554とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ551は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。
【0028】
マイクロコンピュータ551には、バスライン555を介して、タッチパネルコントローラ556、表示コントローラ557、キーボードコントローラ558、無線通信インターフェース559、及び不揮発性のフラッシュメモリ562が接続されている。
【0029】
タッチパネルコントローラ556は、タッチパネル511からの入力信号をマイクロコンピュータ551に取り込む。表示コントローラ557は、画像データに基づいてLCD512を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD512に表示させる。キーボードコントローラ558は、テンキー513a及び「Enter」と表示された登録キー513bを含むキーボード513からの入力信号をマイクロコンピュータ551に取り込む。
【0030】
無線通信インターフェース559は、無線部560を駆動制御する。無線部560は、アンテナ561を介して無線中継器121との間で無線通信を実行する。発注端末501に入力された発注データ等の各種データは、無線部560から無線中継器121に送信される。この場合、発信されるデータは宛先を店舗コンピュータ301としている。したがって、発注端末501から発信されたデータは、店舗コンピュータ301に向けて送信される。
【0031】
次いで、検品端末601について詳述する。ここで、図7は検品端末601を表面側から見て示す斜視図、図8は検品端末601を裏面側から見て示す斜視図である。図7および図8に示す検品端末601は、店舗の店員等に操作される携帯型の情報処理端末でありコンピュータとして構成されている。検品端末601は、外形が概略直方体に形成されており、当該検品端末601を携帯した店員が片手で操作できるように構成されている。検品端末601は、筐体613の正面にLCD611とキーボード612とを有し、筐体613の裏面にバーコードスキャナ614とバッテリ615とを有する。また、筐体613の裏面には、バーコードスキャナ614のコード読取口616が形成されている。
【0032】
また、検品端末601は、筐体613の左右両側面の略中央部に、トリガスイッチ617,618を有している。これらのトリガスイッチ617,618は、バーコードスキャナ614でバーコード等のコードシンボルを読取るときのトリガとなるものである。
【0033】
バッテリ615は、筐体613の裏面下部に着脱自在に装着されている。バッテリ615は、筐体613の右側面の下部に設けられたリリーススイッチ619が操作されることで、筐体613から取り外しされる。検品端末601は、バッテリ615の電力によって動作する。
【0034】
ここで、図9は検品端末601のキーボード612を示す平面図である。キーボード612は、図9に示すように、「0」〜「9」の値数キーや小数点キーを含むテンキー621、エンターキー622、バックスペースキー623、クリアキー624、シフトキー625、電源キー626、第1のモードキー627、第2のモードキー628を有する。
【0035】
検品端末601のキーボード612上の第1のモードキー627は、後述する検品処理機能を実行する場合に、店員により操作される。一方、検品端末601のキーボード612上の第2のモードキー628は、後述する店頭販売支援機能を実行する場合に、店員により操作される。
【0036】
バーコードスキャナ614は、商品に付されたバーコードを光学的に読み取る。ここで、各商品には、商品識別情報としての商品コードが設定されており、各商品には、バーコードの形態で商品コードが付されている。
【0037】
図10は、検品端末601のハードウェア構成を示すブロック図である。検品端末601は、各部を駆動制御するマイクロコンピュータ651を備える。マイクロコンピュータ651は、各部を集中的に制御するCPU652に、バスライン655を介して、制御プログラム等の固定的データを予め記憶するROM653と、各種データを書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM654とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ651は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。CPU652は、ROM653に記憶された制御プログラムを実行することにより、検品端末601を制御する。なお、RAM654は、バッテリ615によって電源がバックアップされており、電源オフ時にも記憶したデータが保持されるようになっている。
【0038】
マイクロコンピュータ651には、バスライン655を介して、表示コントローラ656、キーボードコントローラ658、スキャナコントローラ659、無線通信インターフェース660、及び記憶部である不揮発性のフラッシュメモリ663が接続されている。
【0039】
表示コントローラ656は、画像データに基づいてLCD611を駆動制御し、画像データに応じた画像をLCD611に表示させる。キーボードコントローラ658は、キーボード612やトリガスイッチ617,618からの入力信号をマイクロコンピュータ651に取り込む。スキャナコントローラ659は、バーコードスキャナ614を駆動制御して、バーコードスキャナ614が読み取った商品コードをマイクロコンピュータ651に取り込む。
【0040】
無線通信インターフェース660は、無線部661を駆動制御する。無線部661は、アンテナ662を介して無線中継器121との間で無線通信を実行する。本実施の形態では、検品端末601と無線中継器121とは、無線LAN方式を用いた無線LANシステムを構成している。検品端末601に入力された各種データは、無線部661から無線中継器121に送信される。この場合、発信されるデータは宛先を店舗コンピュータ301としている。したがって、検品端末601から発信されたデータは、店舗コンピュータ301に向けて送信される。
【0041】
フラッシュメモリ663には、商品コードに対応付けて商品名、単価、分類名等を記憶する商品マスタである商品データファイルF7および発注データファイルF8が格納されている。
【0042】
また、RAM654には、図11に示すように、売上商品情報記憶エリア654aが形成されている。売上商品情報記憶エリア654aは、バーコードスキャナ614によって商品コードが読み取られた商品毎に、商品コード、商品名、単価、売上個数等を記憶するものである。売上商品情報記憶エリア654aに記憶される商品名および単価は、商品データファイルF7から取得する。即ち、RAM654の売上商品情報記憶エリア654aは、バーコードスキャナ614によって読み取られた商品コードなどを記憶する記憶部である。
【0043】
検品端末601は、制御プログラムをROM653に実装している。この制御プログラムが起動すると、検品端末601のCPU652は、図12に示すように、マスタ記憶手段10と、読み取り手段20と、販売処理手段30と、業務処理手段40と、モード切替手段50と、データ記憶手段60と、マスタ更新手段70と、として機能する。
【0044】
次いで、本実施形態の商品管理システム101における、商品発注処理、納品前処理、検品処理について簡単に説明する。
【0045】
図13は、商品を発注する発注処理の流れを示すフローチャートである。商品の発注は、コンビニエンスストア103の店員が発注端末501を携帯し、商品棚(図示せず)の在庫等を確認しながら行う。まず、発注端末501のマイクロコンピュータ551は、LCD512に発注入力画面571を表示させる(ステップS101)。
【0046】
図14は、発注入力画面571の一例を示す模式図である。発注入力画面571は、発注商品リスト574を主体に構成されて、さらに、発注ボタン572とキャンセルボタン573とを含む。発注商品リスト574は、発注対象の商品名が表示される商品名エリア574aと、数字が入力されて発注数として表示される発注数エリア574bと、発注先名称や前回発注数等の発注参考情報が表示される発注参考情報エリア574cとから構成されている。発注端末501のマイクロコンピュータ551は、店舗コンピュータ301のHDD359に格納されている商品データファイルF4に記憶されている各商品の発注条件情報を参照して、時計部(図示せず)にて計時されている現在日時において発注が必要な商品を抽出して、その商品名と発注参考情報とを発注商品リスト574に表示する。
【0047】
図13のフローチャートの説明に戻る。次に、発注端末501のマイクロコンピュータ551は、発注数の入力を待機する(ステップS102)。つまり、発注数エリア574bの1つがタッチ操作により選択されて、キーボード513のテンキー513aの押下操作により発注数が入力され、登録キー513bが押下されたならば(ステップS102のYes)、発注端末501のマイクロコンピュータ551は、入力された発注数をRAM554に記憶させる(ステップS103)。発注数の入力は、発注ボタン572がタッチ操作されるまで(ステップS104)、行うことができる。発注ボタン572がタッチ操作されたならば(ステップS104のYes)、発注端末501のマイクロコンピュータ551は、発注数が入力されてRAM554に記憶された全ての商品の商品コードとその発注数とを含む発注データを生成し、生成した発注データを店舗コンピュータ301に無線中継器121を経由して送信する(ステップS105)。
【0048】
店舗コンピュータ301のマイクロコンピュータ351は、発注端末501から発注データを受信したならば(ステップS106のYes)、受信した発注データを、通信ネットワーク111を介して統括部102の上位コンピュータ201に送信するとともに、受信した発注データに含まれる商品コード及び発注数を発注データファイルF5に記憶させる(ステップS107)。上位コンピュータ201のマイクロコンピュータ251は、店舗コンピュータ301から受信した発注データに含まれる商品コード及び発注数を発注マスタファイルF2に記憶させる。
【0049】
図15は、店舗への納品前に実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、上位コンピュータ201のマイクロコンピュータ251は、店舗への納入が予定されている商品を特定する商品コードとその納品予定数を含む納品データを生成して、RAM254に一時記憶させる(ステップS301)。商品コード及び納品予定数は、キーボード212によってマイクロコンピュータ251に入力される。次に、上位コンピュータ201のマイクロコンピュータ251は、キーボード212等によって所定の送信指示操作がなされたならば(ステップS302のYes)、通信ネットワーク111を介して納品データをコンビニエンスストア103の店舗コンピュータ301に向けて送信する(ステップS303)。
【0050】
店舗コンピュータ301のマイクロコンピュータ351は、上位コンピュータ201から納品データを受信したならば(ステップS309のYes)、受信した納品データに含まれる商品コードと納品予定数とを納品データファイルF6に記憶させる(ステップS310)。
【0051】
次に、検品端末601による検品処理について説明する。検品処理は、図12に示した読み取り手段20と、業務処理手段40と、モード切替手段50と、マスタ更新手段70とが、図16のフローチャートに示す手順で各部を制御することにより実行される。発注先104からコンビニエンスストア103に納品されたならば、コンビニエンスストア103の店員は、商品の検品を行う。検品は、店員が検品端末601を携帯し、納入された商品にバーコードの形態で付されている商品コードの読み取りを行うことになる。
【0052】
図16に示すように、検品端末601のキーボード612上の第1のモードキー627が店員によって操作されると、検品端末601のマイクロコンピュータ651は、検品処理モードに移行し、LCD611に検品処理モード画面を表示する(ステップS401:モード切替手段50、業務処理手段40)。
【0053】
図17は、検品処理モード画面の初期画面671の一例を示す模式図である。検品処理モード画面の初期画面671は、マスタ受信ボタン672と検品処理ボタン673とキャンセルボタン674とを含む。
【0054】
検品端末601のマイクロコンピュータ651は、エンターキー622、バックスペースキー623、クリアキー624、シフトキー625などに対する店員のキー操作を介してマスタ受信ボタン672と検品処理ボタン673とキャンセルボタン674との何れが選択されたかを判断する(ステップS402〜S404)。
【0055】
検品端末601のマイクロコンピュータ651は、マスタ受信ボタン672が選択されたと判断した場合には(ステップS403のYes)、マスタ受信処理を実行し(ステップS405〜S406:マスタ記憶手段10、マスタ更新手段70)、検品処理ボタン673が選択されたと判断した場合には(ステップS402のYes)、検品処理を実行し(ステップS407〜S409:業務処理手段40)、キャンセルボタン674が選択されたと判断した場合には(ステップS404のYes)、検品処理モードを終了する。
【0056】
検品端末601のマイクロコンピュータ651は、マスタ受信ボタン672が選択されたと判断した場合には(ステップS403のYes)、無線中継器121とLANケーブル131とを介して店舗コンピュータ301にアクセスして、店舗コンピュータ301のHDD359に格納された発注データファイルF5のデータを取得し、取得した発注データファイルF5のデータをフラッシュメモリ663の発注データファイルF8にコピーするとともに(ステップS405)、HDD359に格納された商品データファイルF4のデータを取得し、取得した商品データファイルF4のデータをフラッシュメモリ663の商品データファイルF7にコピーする(ステップS406:マスタ記憶手段10、マスタ更新手段70)。
【0057】
なお、検品端末601のマイクロコンピュータ651は、予め規定された時間を時計部(図示せず)にて計時した場合に、店舗コンピュータ301のHDD359に格納されている発注データファイルF5のデータおよび商品データファイルF4のデータを、定期的に取得するようにしても良い。
【0058】
また、計画停電などのように停電時間が予め分かっているような場合には、予め決められた停電開始時間の所定時間前を時計部(図示せず)にて計時した場合に、店舗コンピュータ301からHDD359に格納された商品データファイルF4のデータを検品端末601側に送信するようにしても良い。
【0059】
一方、検品端末601のマイクロコンピュータ651は、検品処理ボタン673が選択されたと判断した場合には(ステップS402のYes)、バーコードスキャナ614による商品コードの読み取りを待機する(ステップS407:読み取り手段20)。
【0060】
検品端末601のマイクロコンピュータ651は、バーコードスキャナ614が商品コードを読み取ったと判定した場合(ステップS407のYes)、発注データファイルF5を検索し、読み取った商品コードに対応する発注数を取得して、取得した発注数に基づく発注数表示(図示せず)をLCD611に表示させる(ステップS408:業務処理手段40)。このようなステップS407〜S408の処理は、すべての商品について検品処理が終了するまで(ステップS409のYes)、繰り返される。
【0061】
続いて、停電時における検品端末601の店頭販売支援処理について説明する。店頭販売支援処理は、図12に示した読み取り手段20と、販売処理手段30と、モード切替手段50と、データ記憶手段60とが、図18のフローチャートに示す手順で各部を制御する。
【0062】
停電時において、検品端末601のキーボード612上の第2のモードキー628が店員によって操作されると、検品端末601のマイクロコンピュータ651は、店頭販売支援モードに移行し、LCD611に店頭販売支援画面を表示する(ステップS501:モード切替手段50、販売処理手段30)。
【0063】
図19は、店頭販売支援画面681の一例を示す模式図である。店頭販売支援画面681は、日時エリア682と、商品名エリア683と、単価エリア684と、個数エリア685と、合計金額エリア686と、預り金額エリア687と、釣りエリア688とを含む。
【0064】
日時エリア682は、時計部(図示せず)から取得した日時を表示するエリアである。商品名エリア683は、バーコードスキャナ614で読み取った商品コードに基づいて商品データファイルF7から取得した商品名を表示するエリアである。単価エリア684は、バーコードスキャナ614で読み取った商品コードに基づいて商品データファイルF7から検索した単価を表示するエリアである。個数エリア685は、検品端末601のキーボード612のテンキー621により入力された売上個数を表示するエリアである。合計金額エリア686は、売上合計金額を表示するエリアである。預り金額エリア687は、検品端末601のキーボード612のテンキー621により入力された預り金額を表示するエリアである。釣りエリア688は、売上合計金額と預り金額との差額である釣り銭金額を表示するエリアである。
【0065】
そして、検品端末601のマイクロコンピュータ651は、LCD611に店頭販売支援画面681を表示した後、バーコードスキャナ614による商品コードの読み取りを待機する(ステップS502:読み取り手段20)。
【0066】
検品端末601のマイクロコンピュータ651(販売処理手段30)は、バーコードスキャナ614が商品コードを読み取ったと判定した場合(ステップS502のYes)、商品データファイルF7を検索し、読み取った商品コードに対応する商品名を取得して、取得した商品名を店頭販売支援画面681の商品名エリア683に表示させるとともに(ステップS503)、商品データファイルF7を検索し、読み取った商品コードに対応する単価を取得して、取得した単価を店頭販売支援画面681の単価エリア684に表示させる(ステップS504)。
【0067】
また、検品端末601のマイクロコンピュータ651(販売処理手段30)は、取得した単価に基づいて売上合計金額を算出して、算出した売上合計金額を店頭販売支援画面681の合計金額エリア686に表示する(ステップS505)。
【0068】
なお、検品端末601のマイクロコンピュータ651(販売処理手段30)は、バーコードスキャナ614による商品コードの読み取り後に(ステップS502)、続けて検品端末601のキーボード612のテンキー621により売上個数が入力された場合には(ステップS506のYes)、入力された売上個数を店頭販売支援画面681の個数エリア685に表示するとともに(ステップS507)、入力された売上個数に応じて増額した売上合計金額を算出して、算出した売上合計金額を店頭販売支援画面681の合計金額エリア686に表示する(ステップS508)。
【0069】
上述したステップS502〜S508の処理は、締めの宣言がなされるまで、繰り返される。
【0070】
検品端末601のマイクロコンピュータ651(販売処理手段30)は、締めキー(例えば、エンターキー622)が操作されたと判断すると、締めの宣言がなされたとして(ステップS509のYes)、預り金額の入力に待機する(ステップS510)。
【0071】
検品端末601のマイクロコンピュータ651(販売処理手段30)は、検品端末601のキーボード612のテンキー621により預り金額が入力された場合には(ステップS510のYes)、入力された預り金額を店頭販売支援画面681の預り金額エリア687に表示するとともに(ステップS511)、入力された預り金額と売上合計金額との差額である釣り銭金額を算出して、算出した釣り銭金額を店頭販売支援画面681の釣りエリア688に表示する(ステップS512)。
【0072】
最後に、検品端末601のマイクロコンピュータ651は、バーコードスキャナ614によって商品コードが読み取られた商品毎に、商品コード、商品名、単価、売上個数をRAM654の売上商品情報記憶エリア654aに売上登録データおよびジャーナルデータとして記憶して(ステップS513:データ記憶手段60)、処理を終了する。
【0073】
なお、RAM654の売上商品情報記憶エリア654aに記憶された売上登録データおよびジャーナルデータは、停電の復旧後における所定のタイミングで、無線中継器121とLANケーブル131とを介して店舗コンピュータ301に送信される。
【0074】
このように本実施形態によれば、マイクロコンピュータ651、バーコードスキャナ614、RAM654やフラッシュメモリ663に電力を供給するバッテリ615を有する検品端末601において、商品識別情報に応じて商品販売データ処理以外の業務処理を実行する業務処理モードから商品販売データ処理を実行する商品販売モードに切り替えられた場合に、スキャナから入力したシンボル像から読み取られた商品識別情報に応じて商品データファイルF7から単価を検索して商品販売データ処理を実行し、商品販売データ処理されたデータを記憶部に記憶する。これにより、計画停電などの停電の影響によって店舗コンピュータ301やPOS端末401が使用できないような場合であっても、検品端末601はバッテリ615にて数時間であれば稼動できることを活かし、商品のスキャン等による商品販売データ処理機能にて、店頭販売の支援を実施することができる、という効果を奏する。
【0075】
すなわち、事前に停電が予想された場合(例えば、計画停電)には、店舗コンピュータ301より検品端末601の商品データファイルF7を更新しておき、事前に更新された商品データファイルF7を基に、停電時は、店員が検品端末601のLCD611に店頭販売支援画面681を表示し、バーコードスキャナ614にて商品コードのスキャン、キーボード612にて販売個数を入力する。販売個数を入力することにより、合計金額(税計算済み)が店頭販売支援画面681に表示され、その金額を基に店頭販売を実施することができる。
【0076】
なお、本実施形態の携帯端末である検品端末601で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0077】
さらに、本実施形態の携帯端末である検品端末601で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の携帯端末である検品端末601で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0078】
本実施形態の携帯端末である検品端末601で実行される制御プログラムは、上述した各部(マスタ記憶手段10、読み取り手段20、販売処理手段30、業務処理手段40、モード切替手段50、データ記憶手段60、マスタ更新手段70)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、マスタ記憶手段10、読み取り手段20、販売処理手段30、業務処理手段40、モード切替手段50、データ記憶手段60、マスタ更新手段70が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10 マスタ記憶手段
20 読み取り手段
30 販売処理手段
40 業務処理手段
50 モード切替手段
60 データ記憶手段
70 マスタ更新手段
601 携帯端末
614 画像入力部
651 情報処理部
654a 記憶部
663 記憶部
F7 商品マスタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2002−87524号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理を実行する情報処理部と、商品識別情報を含むシンボル像を入力する画像入力部と、各種データを記憶する記憶部と、前記情報処理部と前記画像入力部と前記記憶部とに電力を供給するバッテリとを有する携帯端末において、
前記商品識別情報に対応して少なくとも単価を含む商品情報を記憶した商品マスタを前記記憶部に記憶するマスタ記憶手段と、
前記画像入力部から入力した前記シンボル像から前記商品識別情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によって読み取られた前記商品識別情報に応じて前記商品マスタから前記単価を検索して商品販売データ処理を実行する販売処理手段と、
前記読み取り手段によって読み取られた前記商品識別情報に応じて前記商品販売データ処理以外の業務処理を実行する業務処理手段と、
前記業務処理を実行する業務処理モードと前記商品販売データ処理を実行する商品販売モードとを切り替えるモード切替手段と、
前記販売処理手段により処理されたデータを前記記憶部に記憶するデータ記憶手段と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記販売処理手段は、前記モード切替手段によって前記商品販売モードに切り替えられた場合、前記単価を表示するエリアである単価エリアを含む販売支援画面を表示し、前記画像入力部からの前記シンボル像の入力に待機する、
請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
所定のタイミングで前記商品マスタを更新するマスタ更新手段を備える、
請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記マスタ更新手段は、停電開始時間が予め分かっている場合、停電前に前記商品マスタを更新する、
請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
商品識別情報を含むシンボル像を入力する画像入力部と各種データを記憶する記憶部とともにバッテリによって電力が供給され、前記画像入力部と前記記憶部とを制御するコンピュータに、
前記商品識別情報に対応して少なくとも単価を含む商品情報を記憶した商品マスタを前記記憶部に記憶するマスタ記憶手段と、
前記画像入力部から入力した前記シンボル像から前記商品識別情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によって読み取られた前記商品識別情報に応じて前記商品マスタから前記単価を検索して商品販売データ処理を実行する販売処理手段と、
前記読み取り手段によって読み取られた前記商品識別情報に応じて前記商品販売データ処理以外の業務処理を実行する業務処理手段と、
前記業務処理を実行する業務処理モードと前記商品販売データ処理を実行する商品販売モードとを切り替えるモード切替手段と、
前記販売処理手段により処理されたデータを前記記憶部に記憶するデータ記憶手段と、
を実行させるプログラム。
【請求項6】
所定のタイミングで前記商品マスタを更新するマスタ更新手段を前記コンピュータに実行させる、
請求項5記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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