説明

携帯端末および受付機器およびそれらを用いた受付システム

【課題】 適宜に認証することができ、且つ必要なデータのみを出力する使い勝手と秘密保持性の良い携帯端末を提供する。
【解決手段】 携帯端末1は、演算部2,接続部3,登録認証データや登録受付データを記憶する記憶部4,認証部5,入力部6,出力部7,通知部8,時計部9などを備え、入力部6が認証信号やデータ指定信号を入力し、一方の認証信号に基づいて通知部8が利用者に本人確認を要請することにより、認証部5が利用者から現在認証データを取得し、他方のデータ指定信号に基づいて記憶部4が登録受付データの中から指定受付データを検索し、演算部2が取得した現在認証データと記憶した登録認証データとの比較判定から、当該利用者は正規利用者であると認証した場合に、出力部7が上記指定受付データを出力する構成であり、この構成により、適宜に認証し、且つ必要なデータのみを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証機能を備える携帯端末及び受付機器、およびそれらを用いた受付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話は、定期券機能、学生証機能、クレジットカード機能などを有し、多機能化している。このような携帯電話では、携帯電話の利用者が予め登録された正規な利用者であることを認証する必要があり、この認証に関する技術として、カメラ付き携帯電話端末及びその認証方法がある。(例えば、特許文献1参照)
図15は従来のカメラ付き携帯電話端末及びその認証方法を示す構成ブロック図である。
このカメラ付き携帯電話端末では、携帯電話端末90の利用者(被認証者)は、電源をオンし、カメラ91で顔を撮影する。カメラ91は、撮影した画像情報を顔認証システム94と虹彩認証システム93へ渡す。顔認証システム94と虹彩認証システム93は、登録してあるものと一致しているかどうかそれぞれ判定する。類似度が所定値以上だった場合、マイク92に所定の言葉を利用者に発声させる。類似度が所定値以上でない場合には、携帯電話端末90のダイアルロックの解除はされない。次に、声紋認証システム95は、利用者の声紋が登録使用者の声紋と一致しているかどうか判定する。同様に類似度が所定値以上の場合のみ、待ち受け画面へ遷移し、発着信など携帯電話端末90の各種機能が使えるようになる。
上記構成により正規に登録された利用者であることをより確実に認証可能とし、セキュリテイの強化、プライバシーの保護をより確実にするカメラ付き携帯電話端末が提供される。
【特許文献1】特開2006−93934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記カメラ付き携帯電話端末では、認証の時期やデータの遣り取りに関して記述がなく、利用者の使い勝手の点に課題が残っている。また、携帯電話端末からの情報漏れや携帯電話端末を紛失した場合の悪用防止の点にも課題が残っている。
したがって本発明は、適宜に認証することができるとともに、必要なデータのみを与えることができ、使い勝手と秘密保持性の良い携帯端末を提供することを目的としている。
また、適宜に認証し且つ必要とするデータを得て受け付けすることができ、使い勝手と秘密保持性の良い受付機器を提供することを目的としている。
更に、適宜に認証することができるとともに、正しく認証情報やデータを受け渡しすることができ、使い勝手と秘密保持性の良い携帯端末及び受付機器を用いた受付システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の本発明の携帯端末は、利用者に関する登録認証データや登録受付データを記憶するデータ記憶手段と、認証信号及びデータ指定信号を入力する信号入力手段と、前記認証信号に基づいて、その時点で利用者が本人確認した現在認証データを取得する認証データ取得手段と、前記データ指定信号に基づいて、前記登録受付データの中から指定受付データを検索する受付データ検索手段と、前記現在認証データと前記登録認証データとを用いて利用者が正規利用者であることを認証する利用者認証手段と、前記指定受付データを出力する受付データ出力手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明の携帯端末は、受付機器との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる携帯端末であって、前記認証を実行した従前認証時点から新たに前記認証を実行しようとする現在時点までの経過期間から判定し、新たなる該認証の実行を省略して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明の携帯端末は、受付機器との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる携帯端末であって、前記認証を実行した認証時刻から所定時間を経過したら、改めて前記認証を実行して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明の受付機器は、携帯端末との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる受付機器であって、当該受付機器の前記携帯端末に出力する前記信号が、該受付機器を特定することのできるキーワードを有したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明の受付機器は、携帯端末との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる受付機器であって、当該受付機器が、前記携帯端末に登録された携帯端末用の登録認証データと同一の認証情報を当該受付機器用の登録認証データとして登録し、前記携帯端末から前記携帯端末用の登録認証データを取得し、取得した該携帯端末用の登録認証データと登録した前記受付機器用の登録認証データとを照合して、前記認証と前記受付とを実行する構成にしたことを特徴とする。
【0005】
請求項6記載の本発明の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムは、携帯端末と受付機器との間で信号とデータとを入出力し、前記携帯端末と前記受付機器とが協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムであって、前記受付機器が、認証信号及びデータ指定信号を出力し、前記携帯端末が、前記認証信号を入力して前記認証を行うとともに前記データ指定信号を入力して利用者に関する指定受付データを出力し、前記受付機器が、前記指定受付データを入力して前記受付を行う構成にしたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムは、利用者に関する登録認証データ及び登録受付データを保有する携帯端末が受付機器に協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムであって、前記受付機器が、本人確認を要請して利用者から現在認証データを取得し、その後に認証信号を出力し、前記携帯端末が、前記認証信号を入力して前記登録認証データを出力し、前記受付機器が、入力した前記登録認証データと取得した前記現在認証データとを用いて前記認証を実行し、その後にデータ指定信号を出力し、前記携帯端末が、前記データ指定信号を入力して前記登録受付データの中から指定受付データを出力し、前記受付機器が、前記指定受付データを入力して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする。
【0006】
請求項8記載の本発明の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムは、利用者に関する登録認証データ及び登録受付データを保有する携帯端末が受付機器に協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムであって、前記受付機器が、本人確認を要請して利用者から現在認証データを取得するとともに、前記携帯端末に前記現在認証データ及びデータ指定信号を出力し、前記携帯端末が、前記現在認証データを入力して前記登録認証データを検索し、前記データ指定信号を入力して前記登録受付データの中から指定受付データを検索し、前記現在認証データと前記登録認証データとを用いて前記認証を実行し、その後に前記指定受付データを出力し、前記受付機器が、前記指定受付データを入力して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする。
請求項9記載の本発明の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムは、利用者に関する携帯端末用登録認証データや登録受付データを保有する携帯端末と、利用者に関する受付機器用登録認証データを保有する受付機器とが協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムであって、前記受付機器が、前記携帯端末に認証信号を出力し、前記携帯端末が、前記認証信号を入力して前記携帯端末用登録認証データを出力し、前記受付機器が、前記携帯端末用登録認証データを入力し、当該携帯端末用登録認証データと前記受付機器用登録認証データとを用いて前記認証を実行し、その後にデータ指定信号を出力し、前記携帯端末が、前記データ指定信号を入力して前記登録受付データの中から指定受付データを出力し、前記受付機器が、前記指定受付データを入力して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする。
請求項10記載の本発明の携帯端末は、受付機器との間で信号とデータとを遣り取りし、前記受付機器に協働して利用者の認証と受付とを実行する携帯端末であって、当該携帯端末が、認証信号を入力することが可能な入力手段を備え、該入力手段によって入力した前記認証信号に基づき、現時点で取得した現在認証データと前記携帯端末に記憶した登録認証データとを用いて前記認証を実行し、前記受付機器から入力したデータ指定信号に基づき、前記携帯端末に記憶した登録受付データの中から検索した指定受付データを前記受付機器に出力して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の携帯端末および受付機器およびそれらを用いた受付システムによれば、その時その場で最適な認証が行える、不必要な認証情報やデータの受け渡しを防止して秘密が保持される、携帯端末紛失時の悪用が防止される、自分の意志で認証ができるなどの効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の第1の実施の形態による携帯端末は、利用者に関する登録認証データや登録受付データを記憶するデータ記憶手段と、認証信号及びデータ指定信号を入力する信号入力手段と、認証信号に基づいて、その時点で利用者が本人確認した現在認証データを取得する認証データ取得手段と、データ指定信号に基づいて、登録受付データの中から指定受付データを検索する受付データ検索手段と、現在認証データと登録認証データとを用いて利用者が正規利用者であることを認証する利用者認証手段と、指定受付データを出力する受付データ出力手段と、を備えたものである。
本実施の形態によれば、適宜に認証することができるとともに、必要なデータのみを与えることができる。従って、使い勝手と秘密保持性の良い携帯端末が提供される。
本発明の第2の実施の形態による携帯端末は、認証を実行した従前認証時点から新たに認証を実行しようとする現在時点までの経過期間から判定し、新たなる該認証の実行を省略して受付を実行する構成にしたものである。本実施の形態によれば、認証の手間が省け、使い勝手の良い携帯端末が提供される。
本発明の第3の実施の形態による携帯端末は、認証を実行した認証時刻から所定時間を経過したら、改めて認証を実行して受付を実行する構成にしたものである。本実施の形態によれば、紛失時の悪用が防止でき、秘密保持性の良い携帯端末が提供される。
本発明の第4の実施の形態による受付機器は、当該受付機器の携帯端末に出力する信号が、該受付機器を特定することのできるキーワードを有したものである。本実施の形態によれば、特定した受付機器に限定してデータを与えることが可能となり、別の受付機器に余計なデータを渡すことが回避される。従って、秘密保持性の良い受付機器が提供される。
本発明の第5の実施の形態による受付機器は、当該受付機器が、携帯端末に登録された携帯端末用の登録認証データと同一の認証情報を当該受付機器用の登録認証データとして登録し、携帯端末から携帯端末用の登録認証データを取得し、取得した該携帯端末用の登録認証データと登録した受付機器用の登録認証データとを照合して、認証と受付とを実行する構成にしたものである。本実施の形態によれば、適宜に認証し且つ必要とするデータを得て受け付けすることができる。従って、使い勝手と秘密保持性の良い受付機器が提供される。
【0009】
本発明の第6の実施の形態による携帯端末及び受付機器を用いた受付システムは、受付機器が、認証信号及びデータ指定信号を出力し、携帯端末が、認証信号を入力して認証を行うとともにデータ指定信号を入力して利用者に関する指定受付データを出力し、受付機器が、指定受付データを入力して受付を行う構成にしたものである。
本実施の形態によれば、適宜に認証することができるとともに、正しく認証情報やデータを受け渡しすることができる。従って、使い勝手と秘密保持性の良い携帯端末及び受付機器を用いた受付システムが提供される。
本発明の第7の実施の形態による携帯端末及び受付機器を用いた受付システムは、受付機器が、本人確認を要請して利用者から現在認証データを取得し、その後に認証信号を出力し、携帯端末が、認証信号を入力して登録認証データを出力し、受付機器が、入力した登録認証データと取得した現在認証データとを用いて認証を実行し、その後にデータ指定信号を出力し、携帯端末が、データ指定信号を入力して登録受付データの中から指定受付データを出力し、受付機器が、指定受付データを入力して受付を実行する構成にしたものである。
本実施の形態によれば、適宜に認証することができるとともに、正しく認証情報やデータを受け渡しすることができる。従って、使い勝手と秘密保持性の良い携帯端末及び受付機器を用いた受付システムが提供される。
【0010】
本発明の第8の実施の形態による携帯端末及び受付機器を用いた受付システムは、受付機器が、本人確認を要請して利用者から現在認証データを取得するとともに、携帯端末に現在認証データ及びデータ指定信号を出力し、携帯端末が、現在認証データを入力して登録認証データを検索し、データ指定信号を入力して登録受付データの中から指定受付データを検索し、現在認証データと登録認証データとを用いて認証を実行し、その後に指定受付データを出力し、受付機器が、指定受付データを入力して受付を実行する構成にしたものである。本実施の形態によれば、適宜に認証するとともに正しく受け付けすることができ、使い勝手が良く悪用防止が図られる携帯端末及び受付機器を用いた受付システムが提供される。
本発明の第9の実施の形態による携帯端末及び受付機器を用いた受付システムは、受付機器が、携帯端末に認証信号を出力し、携帯端末が、認証信号を入力して携帯端末用登録認証データを出力し、受付機器が、携帯端末用登録認証データを入力し、当該携帯端末用登録認証データと受付機器用登録認証データとを用いて認証を実行し、その後にデータ指定信号を出力し、携帯端末が、データ指定信号を入力して登録受付データの中から指定受付データを出力し、受付機器が、指定受付データを入力して受付を実行する構成にしたものである。
本実施の形態によれば、適宜に認証するとともに正しく受け付けすることができ、使い勝手が良く悪用防止が図られる携帯端末及び受付機器を用いた受付システムが提供される。
本発明の第10の実施の形態による携帯端末は、当該携帯端末が、認証信号を入力することが可能な入力手段を備え、該入力手段によって入力した認証信号に基づき、現時点で取得した現在認証データと携帯端末に記憶した登録認証データとを用いて認証を実行し、受付機器から入力したデータ指定信号に基づき、携帯端末に記憶した登録受付データの中から検索した指定受付データを受付機器に出力して受付を実行する構成にしたものである。本実施の形態によれば、事前認証によって円滑に受付を済ませることができ、使い勝手の良い携帯端末が提供される。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の実施例1について説明する。図1は本発明の一実施例の携帯端末を示す要部ブロック図である。
本実施例の携帯端末1は、例えば携帯電話やICカードなどであり、演算部2と、接続部3と、記憶部4と、認証部5と、入力部6と、出力部7と、通知部8と、時計部9とを含み構成される。
演算部2は、中央処理装置であり各部と連携して携帯端末1を制御する。接続部3は、バスであり、演算部2と各部とを接続する。記憶部4は、ROMやRAMなどのメモリであり、各種の制御用プログラムや利用者に関するデータを格納する。
認証部5は、カメラや指紋センサであり、このカメラや指紋センサにより得た顔や指紋の認証情報を用いて、演算部2や記憶部4とともに、携帯端末1を用いる利用者が予め登録された正規な利用者であることを認証する。
入力部6は、各種の信号(含むデータ)を入力する。出力部7は各種の信号(含むデータ)を出力する。入力部6及び出力部7は通信部でもある。
通知部8は、音声出力や画面表示によって指示や警告などを通知する。時計部9は、時間を計測する。
そして、演算部2が、接続部3,記憶部4,認証部5,入力部6,出力部7,通知部8,時計部9などと協働し、制御用プログラムやデータを用いて、信号やデータの入出力制御(通信制御)や解読制御、データ等の記憶・検索制御、認証制御、音声出力・画面表示制御、時間計測・期間算出制御などを実行する構成となっている。
【0012】
上記の記憶部4に格納するデータは、登録認証データや登録受付データなどである。登録認証データは、顔,指紋,虹彩などの生体情報である。登録受付データは、基本データやコードデータなどである。基本データは、名前,生年月日,性別,住所,血液型などである。コードデータは、クレジットカードの会員番号,預金通帳の口座番号,運転免許証の番号,健康保険証の番号や保険者番号,診察券の患者番号,パスポートナンバー,住基ネットの住民票番号,基礎年金番号などである。
携帯電話の場合、一台の携帯電話に上記データの全てを登録することが可能である。
ICカードの場合は、少なくとも二枚のカードにデータを登録することができる。例えば、一枚目のカードに、定期券、クレジット&キャッシュ・カード、ポイントカード、銀行カードのような、日常的に使用するデータを登録する。二枚目のカードに、健康保険証、住基カード、年金カード、運転免許証、パスポートのような、一週間やそれ以上の期間を空けて、非日常的に使用するデータを登録する。尚、携帯電話とICカードの併用も可である。
【0013】
登録認証データや基本データは、例えば携帯電話の販売店で登録される。即ち、携帯電話の購入者がその携帯電話の正規利用者であると定めて、販売店がその場で登録認証データと基本データを登録する。コードデータは、例えば運転免許証の番号は、免許証の交付のとき警察署で登録される。即ち、登録認証データや基本データが登録された携帯電話を、利用者が警察署に持参し、警察関係者の立会いの元に本人確認を行い、警察署がその場で運転免許証の番号を登録する。また、健康保険証の番号は、例えば携帯電話の通信機能を利用して、あるいは近隣の支部や代行業者に携帯電話を持参して、本人確認が行われて登録される。
一方、ICカードでは、最初にカードを発行するクレジット会社や公官庁等が、利用者の申込や申請によって、登録認証データや基本データを登録するとともに、利用者毎にコードデータを登録する。そして、当該ICカードにコードデータを二回目以降に登録する銀行や病院等が、利用者が持参する発行済みのICカードに、当該銀行や病院等のコードデータを登録する。
【0014】
上記のコードデータは、クレジット会社、公官庁、銀行、病院などから利用者に個別に付与される番号情報である。そして、この個別のコードデータに、クレジット会社、公官庁、銀行、病院など各自に固有のキーワードを付随する構成とする。
換言すれば、携帯端末1は、個別のコードデータを固有のキーワードで分類して記憶部4に格納している。そして、固有のキーワードで個別のコードデータを記憶部4から検索することができる構成となっている。このキーワードの機能(動作)については、本実施例1の後段で、また次の実施例2で説明する。
【0015】
次に、本実施例の携帯端末1の動作について、第1から第4の動作に分けて説明する。
先ず、第1の動作は次のとおりである。図2は図1における携帯端末の第1の制御用プログラムを示すフローチャートである。
ステップ21では、携帯端末1の入力部6が認証信号を入力する。この認証信号は、利用者の本人確認のために現時点で認証することを要求する信号である。即ち、現在認証データの出力を要求する信号である。換言すれば、認証信号の入力が在るから現在認証データの出力が在り、適宜に認証することができ、使い勝手が向上する。
尚、認証信号や後述のデータ指定信号は、携帯端末1の内外から入力する。即ち、携帯端末1に内蔵のアンテナ(図示せず)を介して外部から入力し、携帯端末1のキーやボタン(図示せず)を介して内部から入力する。
ステップ22では、入力した認証信号が更新かを判定する。即ち、認証信号に更新期間Tが含まれている場合を更新であると、含まれていない場合を更新でないと判定する。
この更新を判定するステップ22は、後述する図4の第3の制御用プログラムと連繋している。勿論、ステップ22の更新判定手段のない構成であっても可である。
そして、更新である場合は、図4に示すプログラムに進み、更新でない場合は、ステップ23に進む。
【0016】
ステップ23では、認証信号に基づいて、通知部8が利用者に本人確認の要請を通知する。この要請・通知時点で、認証部5を用いて例えば顔を撮影して利用者が本人確認を行うと、顔の現在認証データが携帯端末1に提供される。尚、この要請・通知があって一定時間を経過しても、利用者が本人確認を実行しない場合は、警告するまたは携帯電話の使用を停止するなど、別の制御用プログラムを実行するも可である。
ステップ24では、現在認証データを取得する。取得した現在認証データは記憶部4に一時的に記憶される。ステップ25では、記憶部4から顔の登録認証データが検索される。
そして、ステップ26では、顔の現在認証データと登録認証データとを用いて、比較や照合等を行い、利用者が正規利用者であるかを判定する。即ち、両方の顔データの一致より、携帯端末1の保持者が正規利用者であると認証する。尚、顔データの代わりに指紋データでも良い。
【0017】
ステップ26で、正規利用者であると認証した場合は、ステップ27に進み、通知部8が利用者に認証の終了を通知する。同時に、時計部9を用いて認証時点の月日・時刻を把握し、その日時を記憶部4に認証日時として記録する。
そして、ステップ28で、出力部7を介して、記憶部4から提供されるデータを出力することを許可する。このとき許可タイマー(後述)を起動する。尚、携帯端末1の使用を許可することも可である。また出力許可や使用許可の旨を通知するも可である。
一方、ステップ26で、正規利用者であると認証しない場合は、ステップ29に進み、認証の回数をカウントする。そして、ステップ30で、カウントが所定回数を超えているかを判定する。
カウントが所定回数を超えない場合は、ステップ23に戻り、本人確認を再要請し認証を繰り返す。カウントが所定回数を超えた場合は、ステップ31に進み、携帯端末1の使用を停止する。尚、この使用停止を通知するも可である。
【0018】
次に、第2の動作について説明する。図3は図1における携帯端末の第2の制御用プログラムを示すフローチャートである。
ステップ41では、携帯端末1の入力部6がデータ指定信号(含むキーワード)を入力する。ステップ42では、データ指定信号の指定からデータの種類を解読する。且つキーワードからデータ指定信号を出力して来る相手を解読する。そして、記憶部4の登録受付データの中から、データの種類と相手とに該当する指定受付データを検索する。そして、記憶部4はその指定受付データを提供する。換言すれば、データ指定信号の入力が在るから指定受付データの出力が在り、必要とするデータのみを与えることができ、秘密保持性が向上する。
次に、ステップ43では、図2の第1の制御用プログラム(のステップ28)において、記憶部4のデータを出力することが許可されているかを判定する。そして、データの出力許可が肯定されていれば、更に、ステップ44で、記憶部4のデータを出力することが不許可となっているかを判定する。
尚、データの出力不許可を判定するステップ44は、後述する図5の第4の制御用プログラムと連繋している。このデータ出力不許可の判定手段のない構成であっても可である。
【0019】
そして、ステップ44でデータの出力不許可が否定されていれば、ステップ45において、記憶部4から出力部7を介して、指定受付データを出力する。例えば、キーワードより受付相手がA病院であると判別した場合、指定受付データとして、A病院の患者番号や利用者の健康保険証の番号などを出力する。尚、指定受付データを一度出力したら、同じ指定受付データの二度の出力は拒否する構成とするも可である。
一方、ステップ43でデータの出力許可が否定される、またはステップ44でデータの出力不許可が肯定されるならば、ステップ46へ進み、例えば、再認証プログラムや携帯端末の使用停止などの処理を実行する。
【0020】
以上のように、本実施例の携帯端末1は、演算部2,接続部3,記憶部4,認証部5,入力部6,出力部7,通知部8,時計部9などを備える。
そして、入力部6に認証信号とデータ指定信号とを入力する。一方の認証信号に基づいて、通知部8による本人確認の要請通知により利用者が現時点で本人確認をすることによって、認証部5により利用者から現在認証データを取得する。
他方のデータ指定信号に基づいて、記憶部4に記憶する利用者に関する登録受付データの中から指定受付データを検索する。そして、記憶部4に記憶した利用者に関する登録認証データと取得した上記現在認証データとを比較して、当該携帯端末を使用する利用者は正規利用者であると認証した場合に、出力部7から上記指定受付データを出力する構成となっている。
このような構成によって、適宜に認証することが可能になり、且つ必要なデータを出力することが可能になるので、使い勝手の良い携帯端末を提供することができる。
尚、本実施例におけるデータ記憶手段とは、演算部2,接続部3,記憶部4,入力部6等の複合体であり、信号入力手段とは、演算部2,接続部3,入力部6等の複合体である。認証データ取得手段とは、演算部2,接続部3,認証部5,通知部8等の複合体であり、受付データ検索手段とは、演算部2,接続部3,記憶部4等の複合体である。利用者認証手段とは、演算部2,接続部3,記憶部4等の複合体であり、受付データ出力手段とは、演算部2,接続部3,出力部7等の複合体である。
【0021】
ところで、利用者は何時認証行為をするべきか判断に迷い、また必要のない認証行為は無駄であると思う。本実施例のように相手の要求(即ち、認証信号等の出力)に応じて認証行為をすることによって、その時その場で最適な認証が行えることになる。
尚、自分の意志で認証する場合は図2のステップ23の通知は必要ではなく、従って上記通知手段は必ずしも要る構成ではない。また、通知部を後述する受付機器に設ける構成でも良く、携帯端末1の通知部8は必ずしも要る構成ではない。
また、本実施例の携帯端末によれば、指定したデータのみが出力される、換言すれば不必要なデータは出力されないので、秘密が保持されるという利点がある。
更に、本実施例では、認証信号やデータ指定信号を用いたが、これらの信号に限定するものではない。また認証信号とデータ指定信号とを統合した信号であっても良い。
【0022】
次に、第3の動作について説明する。図4は図1における携帯端末の第3の制御用プログラムを示すフローチャートである。
連繋している図2のプログラム(図2のS22)から来ると、図4のステップ51では、認証信号を解読し更新期間Tを把握する(または更新期間Tを知る)。尚、更新期間Tは、認証更新を要求する者(後述する病院など)が任意に設定する。
ステップ52では、記憶部4に記録した従前の認証日時(従前認証時点)と、時計部9から得られる現在の日時(現在時点)とから、今回新たに認証しようとするまでの経過期間を算出する。
ステップ53では、経過期間を更新期間Tと比較する。経過期間が更新期間Tを超えている場合は、図2のプログラム(図2のS23)に戻って、認証することを要求する。
経過期間が更新期間Tを超えていない場合は、ステップ54で、利用者に認証終了を通知して、図2のプログラム(図2のS28)に進む。尚、更新期間内の場合は、新たに認証日時の記録を行わない。この認証終了の通知は、「新たに認証をする必要はありません」という確認通知であっても可である。
【0023】
以上のように、本実施例の携帯端末では、更新期間T内に正規利用者であると認証済みであるので、認証信号を入力した時点での認証は必要でないと判断して、無駄に認証行為を繰り返すことを回避する。即ち、認証信号から更新期間Tを把握して、利用者認証手段による認証後からの経過期間が更新期間Tを超えないとき、認証データ取得手段と利用者認証手段とのそれぞれの動作を不実行とする本実施例の携帯端末の構成によって、認証の手間が省け、認証の煩わしさから逃れられるという利点が得られる。
換言すれば、本実施例は、受付機器との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる携帯端末が、認証行為を実行した従前認証時点から新たに認証行為を実行しようとする現在時点までの経過期間から判定し、新たなるその認証行為の実行を省略して受付行為を実行する構成である。この構成によって認証の手間が省ける。
ところで、更新期間Tを設ける構成は、更新期間Tを過ぎると必ず認証をする構成でもあり、認証の手間を省く効果以外に携帯端末の安全性を向上するという効果を有する。
【0024】
更に、第4の動作について説明する。図5は図1における携帯端末の第4の制御用プログラムを示すフローチャートである。
例えば、第1の制御用プログラム(のステップ26〜28)において、利用者が正規利用者であると認証してデータの出力を許可すると、ステップ61で、携帯端末1の時計部9の許可タイマーが起動し、ステップ62で、認証時刻からの経過時間の計測が始まる。
次に、ステップ63では、経過時間が所定時間tを超えたかを判断する。この判断は、経過時間が所定時間tを超えるまで繰り返される。
そして、利用者が本人であると確認した認証時刻から所定時間tを経過すると、ステップ64において、データの出力を不許可とする、即ち、出力部7が指定受付データを出力する動作を停止する。尚、携帯端末1の使用を不許可とすることも可である。
【0025】
以上のように、本実施例の携帯端末では、認証後に所定時間tを超えたらデータの出力は必要でないと判断して、データの出力許可が長時間継続することを回避する。即ち、利用者認証手段が認証してから所定時間tを経過したら、受付データ出力手段の出力動作を停止する本実施例の携帯端末の構成によって、携帯端末紛失時の悪用が防止できる。
換言すれば、本実施例の携帯端末は、受付機器との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる携帯端末であって、認証行為を実行した認証時刻から所定時間tを経過したら、改めて認証行為を実行してから受付行為を実行する構成である。この構成によって紛失時の悪用が防止できる。
例えば、病院の受付に要する時間は、認証時間を含めても2〜3分くらいである。従って、上記の所定時間tを3分に設定する。病院の受付が終了した後に、万一、携帯端末を紛失しても、3分後にはデータの出力が不許可となっている。従って携帯端末が拾われても、所定時間tを経過したら、その携帯端末で改めて認証しないと受け付けて貰えず、すなわち携帯端末が使えないので、携帯端末の悪用防止が図られる。
尚、携帯端末1の販売者や利用者により所定時間tを設定することができる構成、携帯端末1の製造者により所定時間tを予め設定する構成などが望ましい。
【実施例2】
【0026】
次に、実施例2について説明する。図6は本発明の一実施例の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムを示す斜視図である。
本実施例の受付システム20は、受付機器30と、携帯端末としての携帯電話40やICカード50(以下、携帯電話40等)とを含み構成される。この受付機器30は、受付端末31を備え、この受付端末31は、電波や光(赤外線)方式や電磁誘導方式などにより、携帯電話40等との間で信号を入出力する通信手段を備えている。
【0027】
本実施例の受付システムの構成とその動作について、A病院におけるシステム例で説明する。
図7は図6における受付機器の制御用プログラムを示すフローチャートである。尚、図6における携帯端末の制御用プログラムは、図2から図5のフローチャートに依る。
まず、診察を受けに来た利用者は、受付機器30の前に立って携帯電話40等を受付機器30の受付端末31に翳す。
翳された携帯電話40等に向かって、受付端末31が、実施例1で説明した認証信号を出力する(図7のステップ71)。また、実施例1で説明したデータ指定信号(A病院のキーワードを含む病院固有のデータ指定信号)を出力する(図7のステップ72)。
携帯電話40等が、これらの信号を入力する。認証信号に基づいて、携帯電話40等において、利用者が本人確認を実行する。そして、正規利用者であると認証されると、データ指定信号に基づいて、携帯電話40等から受付端末31に向かって、指定受付データが出力される(実施例1の説明に依る)。
そして、携帯電話40等が受付端末31に翳されている間に、受付端末31が、A病院の患者番号や利用者の健康保険証番号等の指定受付データを入力する(図7のステップ73)。
このようにして携帯電話40等と協働した受付機器30による病院の受付が実施される。
【0028】
上記を纏めれば、受付システム20は、病院の受付機器30から、認証信号及び病院固有のデータ指定信号が出力されると、病院の受付に必要な指定受付データ(名前や生年月日などの基本データや患者番号や保険証番号などのコードデータ)が、利用者の携帯電話40等から病院に提供される。一方、銀行の受付機器30であれば、認証信号及び銀行固有のデータ指定信号が出力され、銀行が必要とする指定受付データ(顧客名や口座番号など)が、携帯電話40等から銀行に提供される構成となっている。
このように受付に必要な受付データを指定するデータ指定信号を出力する受付機器と、データ指定信号により指定された指定受付データを出力する携帯端末とを用いた受付システムにおいて、受付機器が出力するデータ指定信号に当該受付機器に固有のキーワードを含有する構成とすることによって、余計なデータが渡されることが回避され、秘密保持や不正防止が図られる。
【0029】
上記の秘密保持や不正防止と、前述のキーワードとの関係について説明する。
前述のように、A病院の診察券に付加する患者番号はA病院から利用者(患者)に付与され、利用者の携帯端末に登録される個別の番号である。このA病院の患者番号に、A病院に公的機関等から割り当てられた固有のキーワード(例えば、割当て番号)が付いている構成とする。一方、A病院が設置(所有)している受付機器が携帯端末に対して出力するデータ指定信号に、上記のA病院固有のキーワードが含まれている構成とする。
従って、データ指定信号を入力した携帯端末は、このデータ指定信号からキーワードを解読し、そのキーワードに基づいて受付の相手がA病院であると判別することができる。そして、A病院から利用者に付与されたA病院の患者番号を携帯端末から出力する構成となっている。このとき、受付の相手が病院であると判別したので、利用者の健康保険証の番号や保険者番号などを、患者番号以外に病院が必要とする関連データであると判断して、携帯端末から一緒に出力する構成にもなっている。このような関連データの出力は、必要に応じて行う構成とする。
【0030】
即ち、本実施例の受付機器は、携帯端末との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる受付機器であって、当該受付機器の携帯端末に出力する信号としてのデータ指定信号が、該受付機器(の設置者または所有者)を特定することのできるキーワードを有した構成である。換言すれば、受付機器が携帯端末に発信する信号に、登録済みコードデータの付与元を特定することのできる固有のキーワードを含めた構成とする。
このようなキーワードの導入により、別の受付機器に余計な受付データが渡されることが回避され、秘密保持や不正防止が図られる。即ち、受付機器が適宜に認証し且つ必要とする受付データのみを入手して受け付けするので、使い勝手と秘密保持性の良い受付機器を提供することができる。
尚、上記説明では、キーワードはデータ指定信号に含まれている構成としたが、キーワード信号とデータ指定信号とが別々に分かれている構成であっても可である。
【0031】
ところで、本実施例の受付システムの考え方は、利用者に相対する受付の相手が損害を蒙らないよう相手の意志で認証を行うことが基本である。例えば、病院が誤ったデータで診察費用を請求すると、保険者にその診察費用の支払いを拒否される。このような支払いの拒否という損害を蒙らないように、病院の意志で認証を行うものである。
一方、受付機器に携帯電話などを翳すと、本人確認が要求されることは自明であるので、受付の前に利用者が認証することが考えられる。この場合、利用者が認証信号を携帯端末(例えば、携帯電話のキー)から入力する。例えば、予め決めてある「認証キー」をワンタッチで押すことにより、認証信号を入力する。そして、利用者が保持している携帯端末で、事前に認証を済ませ、受付機器の前で逡巡することを回避する。
このような「認証信号をワンタッチで入力することのできる携帯端末の構成」によって、事前に認証を済ませることができ、円滑なる受付事務が行えるという利点が得られる。
尚、病院の受付にかかる「待ち時間」は3分から10分くらいである。従って、病院の受付システムにおける「更新期間T」を5分に設定することが、悪用防止の点から望ましい。このような病院では、認証の手間を省くための事前認証は早過ぎても拙く、5分前に行うことが望ましいと言える。
また、更新期間Tを受付システムの種類に応じて設定することができる構成とすることが好ましい。また、更新期間Tの設定は受付相手または利用者の両方が行える構成とするも可である。
【0032】
以上のように、本実施例の携帯端末を用いた受付システム20では、受付機器30が、認証信号やデータ指定信号を出力する。それらの認証信号やデータ指定信号は、受付機器30に翳された携帯電話40等に入力される。そして、携帯電話40等が、入力した認証信号に基づいて利用者が正規利用者であるとの認証を行い、データ指定信号に基づいて指定受付データを検索して、その指定受付データを携帯電話40等から出力する。その指定受付データを受付端末31が入力して、受付機器30による受付を実施する構成となっている。
このような構成によって、適宜に認証し、且つ必要なデータのみを与えるので、使い勝手と秘密保持性の良い携帯端末を用いた受付システムが提供される。
尚、前後2台の受付機器を設置し、前段の受付機器で認証を終了し、後段の受付機器で指定受付データを取得する構成にした携帯端末を用いた受付システムでも可である。このような構成の受付システムであれば、受付事務が円滑化されるとともに、更新期間Tを1分以内にすることも可能となり、更なる悪用防止が図られる。
【実施例3】
【0033】
次に、実施例3について説明する。図8は本発明の他の実施例の携帯端末を示す平面図である。
本実施例の図8に示す携帯端末としてのICカード51は、ICチップ52と、入力手段53と、通知兼取得手段54とを含み構成される。
ICチップ52は、実施例1の携帯端末と同様の演算部、記憶部、入出力部、認証部などから構成される。それらの動作は実施例1と同様でありその説明を省略する。
入力手段53は、ICチップ52に信号を入力する装置である。入力手段53は例えば圧電素子から成り、利用者が指等で押圧することによって、ICチップ52に電気信号を入力する。即ち、入力手段53とICチップ52の間は有線方式で接続されている。従って、ICチップ52の入出力部には、入力手段53からの有線方式の信号と、電波や電磁誘導等の無線方式の信号とが入力される構成となっている。
通知兼取得手段54は、微弱な電気で情報の通知及び取得を行う装置であり、認証部の一部である。即ち、ICチップ52の指令で本人確認の要請を通知するとともに、生体情報を取得する。例えば通知兼取得手段54の表面に押された指から指紋情報を取得する。この指紋情報はICチップ52に入力される。尚、微弱な電気は、例えば太陽電池などをICカード51に設ける構成により得ることができる。また微弱な電気を電波方式や電磁誘導方式で外部から得る構成でも可である。一方、通知兼取得手段54は、例えば発光ダイオード,液晶,指紋センサ,電荷結合素子等の単品、またはその組合せ品から成る。
【0034】
本実施例のICカード51では、次のような動作が行われる。
実施例2の動作と同様に、図6に示す受付機器30(以下、受付機器)にICカード51を翳すと、本人確認が要求されるので、利用者が自分の意志で事前に認証をする。この事前認証に入力手段53を用いる。
即ち、利用者が入力手段53を押すと、入力手段53は電気信号を作り出す。この電気信号を自請信号としてICチップ52に入力する。電気信号は、入力手段53を例えばトントン−(空き)−トントンと押すことによって、パターン(モールス信号のようなパターン)を有する信号とする。このような特定のパターン信号を自請信号と予め定める。パターン信号であれば、いたずらや偶然の押し間違いによる誤動作を防止することができる。尚、パターンを変えていろいろな意味(意志)を持つ自請信号を定めることが可能である。自請信号のうち認証を請う信号が認証信号である。
この認証信号が入力手段53からICチップ52に入力されると、通知兼取得手段54がICチップ52の指令で本人確認の要請を通知する。この通知に従って利用者が通知兼取得手段54の表面に指を押すと、通知兼取得手段54が指紋情報を取得する。そして、ICチップ52により実施例1と同様な認証動作(現在認証データと登録認証データの比較判定)が行われる。尚、本実施例のICカード51の制御用プログラムは当業者であれば自明であるので割愛する。
【0035】
即ち、「ICチップを備える携帯端末を、当該ICチップに利用者の意志を伝える自請信号(含む認証信号)を接触方式(押捺方式)で入力することのできる構成にする」ことよって、電波や電磁誘導等の非接触方式で認証信号を発信している受付機器等が無くても、利用者が自らの意志で事前認証を行えるので、円滑なる受付処理が行えるという利点が得られる。
一方、事前認証を怠った場合は、受付機器にICカード51を翳すと、ICカード51が受付機器から例えば電磁誘導方式により認証信号を受信し、通知兼取得手段54が認証要求を通知する。通知により利用者が通知兼取得手段54の表面に指を押すと、通知兼取得手段54が指紋情報を取得し、その指紋情報をICチップ52に送る。そして、ICチップ52によって利用者の認証が行われる。この動作は実施例1とほぼ同様である。
【0036】
ところで、本実施例3の携帯端末では、利用者が損害を蒙らないよう利用者の意志で行う認証である。例えば紛失した携帯端末が悪用されて、利用者でない他人が診察を受けていたような事態になることを防止するための認証である。従って、利用者は自分の意志で認証データや受付データを受付相手に与えるという考え方である。
これに対して実施例1の携帯端末では、相手が損害を蒙らないように相手の意志で利用者に行わせる認証である。従って、利用者は認証データや受付データを必要としている受付相手に渡すという考え方である。
【0037】
以上のように、本実施例のICカード51は、認証信号を入力することが可能な入力手段53を備え、該入力手段53によって入力した認証信号に基づき、通知兼取得手段54によって現時点で取得した現在認証データとICチップ52に記憶した登録認証データとを用いて認証を実行し、受付機器から入力したデータ指定信号に基づき、ICチップ52に記憶した登録受付データの中から検索した指定受付データを受付機器に出力して受付を実行する構成になっている。この構成によって、適宜に認証することができる、事前認証により円滑に受付を済ませることができる、認証信号をパターン化することにより誤動作を防止することができるという利点が得られる。
尚、入力手段53を圧電素子から構成するとしたが、光の照射と遮蔽とにより電気信号を発生する受光素子から構成しても可である。これらの構成は、入力手段からICチップに信号を有線で入力する方式であり、電波妨害や雑音誤動作などが生じる無線で入力する方式に比べて、誤りなくはっきりと自分の意志を伝えることができるので望ましい。
また、上記実施例3の入力手段53は、携帯電話のキーに相当する。これに関しては実施例2で記述したとおりである。
【実施例4】
【0038】
次に、実施例4について説明する。図9は本発明の他の実施例の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムを示す斜視図である。
本実施例の図9に示す受付システム60は、受付システムに用いられる受付機器70と、利用者に関する登録認証データや登録受付データを保有する携帯端末としての携帯電話40やICカード50(以下、携帯電話40等)とを含み構成される。そして、受付機器70は、受付端末71と、認証手段72と、通知手段73とを備える。尚、受付機器70はカード挿入口78を備え、該カード挿入口78にICカード50が挿入されることで受け付ける構成であっても可である。
そして、上記受付端末71は実施例2の受付端末31と同様に通信手段を有し、認証手段72は利用者の認証を行う手段を有し、通知手段73は利用者に本人確認の要請を通知する手段を有する構成となっている。
【0039】
本実施例の受付システムの動作について、B銀行における受付システム例で説明する。
B銀行に来た利用者が受付機器70の前に立つと、その利用者を受付機器70が感知して、利用者ならびに携帯電話40等と、受付機器70との間で、下記のそれぞれのフローチャートに示すように、信号とデータの遣り取りが行われる。
図10は図9における受付機器の制御用プログラムを示すフローチャートである。
一方の受付機器70では、ステップ81で、通知手段73は利用者に本人確認の要請を通知する。例えば、利用者に指紋情報の提供を促す音声や画面表示を出力する。この通知に従って、利用者が認証手段72に指を押すと、ステップ82で、認証手段72は、利用者の指紋の現在認証データを取得する。
次に、ステップ83で、通知手段73は利用者に携帯電話40等を受付端末71に翳す要請を通知する。この通知とともに、ステップ84で、受付端末71は携帯電話40等に認証信号を出力する。
尚、本実施例は利用者に指紋情報を要求する例であり、上記の認証信号には、指紋の登録認証データを要求する信号が含まれている。利用者に顔情報を要求する場合であれば、認証信号に顔の登録認証データを要求する信号が含まれている。
そして、利用者が通知に従い携帯電話40等を受付端末71に翳すと、ステップ85では、受付端末71が、上記の認証信号に基づいて携帯電話40等が出力した、利用者の指紋の登録認証データを入力する。
【0040】
次に、ステップ86では、認証手段72が取得した現在認証データと、受付端末71が入力した登録認証データとを比較して、利用者が正規利用者であるかを判定する。
利用者が正規利用者である場合は、ステップ87で、受付端末71は携帯電話40等にデータ指定信号を出力する。このとき、受付機器70がB銀行所有(据付)の受付機器であるので、データ指定信号には、B銀行固有のキーワードが含まれている。
そして、ステップ88では、受付端末71が、上記のデータ指定信号に基づいて携帯電話40等が出力した、指定受付データとしてB銀行の口座番号などを入力する。
一方、利用者が正規利用者でない場合は、携帯電話40等による再認証、または受付機器70の受付拒否などの処置が行われる。
【0041】
図11は図9における携帯端末の制御用プログラムを示すフローチャートである。
他方の携帯電話40等では、ステップ91で、受付端末71から認証信号を入力する。そして、ステップ92では、その認証信号に基づいて、当該携帯電話40等の記憶部に格納している登録認証データを、例えば利用者の指紋の登録認証データを出力する。尚、本実施例の認証信号は、登録認証データの提供を要求する信号である。
ほぼ同時に、ステップ93で、受付端末71からのデータ指定信号を入力する。そして、データ指定信号の中のキーワードを解読して、受付相手がB銀行であると判別する。
次に、ステップ94では、データ指定信号が入力しているかを判定する。
データ指定信号が入力している場合は、ステップ95で、そのデータ指定信号(含むキーワード)に基づいて記憶部から検索した指定受付データを出力する。即ち、指定受付データとして、利用者の氏名・住所のほかに、相手がB銀行であるので利用者のB銀行の口座番号などを出力する。
一方、データ指定信号が入力していない場合は、携帯電話40等による再認証、または携帯電話40等の使用停止などの処置が行われる。
このようにして、B銀行の受付が実施される。尚、上記のごとき信号とデータの入出力は、利用者が受付機器70の前に立ち、携帯電話40等を受付端末71に翳している短い時間の間に行われる。
【0042】
以上のように、本実施例の受付システムでは、利用者に関する登録認証データ及び登録受付データを保有する携帯端末が受付機器に協働して、利用者の認証と受付とを実行する。
即ち、一方の受付機器は、本人確認を要請することにより利用者から現在認証データを取得する。その後、認証信号を出力して携帯端末から登録認証データを入力する。それらの現在認証データと登録認証データとを比較して利用者の認証を実行する。そして、データ指定信号を出力する。このデータ指定信号を出力することにより、携帯端末から指定受付データを入力して受付を実行する。
他方の携帯端末は、受付機器から認証信号を入力して登録認証データを出力する。そして、受付機器からデータ指定信号が入力したら指定受付データを出力する。このように、受付機器と携帯端末の間で信号とデータを入出力して、利用者の認証と受付を実行する構成となっている。
上記構成によって、適宜に認証することが可能になり、且つ必要なデータのみを与えることが可能になるので、使い勝手と秘密保持性の良い携帯端末を用いた受付システムが提供される。
尚、本実施例の携帯端末を用いた受付システム60は、利用者自らが積極的に認証することができる構成であるので、より一層の悪用防止が図られる。特に金銭的損害が伴うクレジットカードの不正使用防止に大いに役立つという利点がある。
【実施例5】
【0043】
次に、実施例5として、本発明の別の実施例の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムについて説明する。本実施例の受付システムは、実施例4の図9に示す受付システム70において、その受付機器70及び携帯電話40等の制御用プログラムが異なる構成である。他の構成は実施例4の構成と同じであるので、本実施例の受付システムの異なる構成及びその動作について、以下説明する。
【0044】
本実施例の受付システムの構成及びその動作について、それぞれの制御用プログラムから説明する。
利用者が受付機器70の前に立つと、その利用者を受付機器70が感知して、利用者ならびに携帯電話40等と、受付機器70との間で、下記のそれぞれのフローチャートに示すように、信号とデータの遣り取りが行われる。
図12は本実施例5の受付機器の制御用プログラムを示すフローチャートである。
一方の受付機器70は、ステップ101で、利用者に本人確認の要請を通知する。この通知に従って利用者が本人確認を行うと、ステップ102で、現在認証データを取得する。
次に、ステップ103で、携帯電話40等を受付機器70に翳す要請を通知する。この通知とともに、ステップ104で、携帯電話40等に現在認証データおよびデータ指定信号を出力する。
そして、ステップ105では、受付機器70は、上記データ指定信号に基づく指定受付データを携帯電話40等から入力する。
【0045】
図13は本実施例5の携帯端末の制御用プログラムを示すフローチャートである。
他方の携帯電話40等は、ステップ111で、受付機器70から現在認証データおよびデータ指定信号を入力する。そして、ステップ112では、現在認証データの入力に基づいて、当該携帯電話40等に登録している利用者の登録認証データを検索する。
更に、ステップ113で、入力したデータ指定信号に基づいて、当該携帯電話40等に登録している登録受付データの中から利用者に関する指定受付データを検索する。
次に、ステップ114では、入力した現在認証データと検索した登録認証データとを比較して、利用者が正規利用者かを判定する。利用者が正規利用者である場合は、ステップ115で、受付機器70に指定受付データを出力する。このようなデータと信号の入出力によって受付が実施される。
【0046】
以上のように、本実施例は、利用者に関する登録認証データ及び登録受付データを保有する携帯端末が受付機器に協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムにおいて、受付機器が、本人確認の要請を通知した利用者から現在認証データを取得するとともに、携帯端末に現在認証データ及びデータ指定信号を出力し、携帯端末が、現在認証データを入力して登録認証データを検索し、データ指定信号を入力して登録受付データの中から利用者に関する指定受付データを検索し、現在認証データと登録認証データとを比較して利用者の認証を実行し、正規利用者であると認証した後に指定受付データを出力し、受付機器が、指定受付データを入力して受付を実行する構成にしたものである。
本実施例の構成によって、適宜に認証することができるとともに、正しく受け付けすることができ、使い勝手が良く悪用防止が図られる携帯端末及び受付機器を用いた受付システムが提供される。
【0047】
ところで、実施例4および実施例5の受付システムの考え方は、利用者が損害を蒙らないよう利用者の意志で認証を行うことが基本である。換言すれば、利用者が能動的な形で認証情報やデータを受付相手に与えるという考え方である。
これに対して、前述の実施例2の受付システムは、利用者が受動的な形で認証情報やデータを受付相手に渡すという考え方である。尚、実施例2と、実施例4や実施例5との両方を一緒に合わせた受付システムでも可である。
【0048】
近い将来、悪用防止のために、各種の受付やレジカウンタなどにおいて、携帯端末を利用するとき必ず認証してから受け付ける受付システムが採り入れられる。具体的には、レジカウンタにて利用者がクレジットカードで料金を支払うときに、利用者が正規利用者であることを自ら積極的に認証して、紛失による悪用を防止する受付システムが採用される。この場合、支払い手続きは1分から2分で終了するので、前述した所定時間t(および更新期間T)を3分以内に設定することが望ましい。そして、その都度認証することは自衛上から止むを得ないことになり、また認証に要する時間が極短くなり認証の煩わしさから逃れられることになると思われる。
【実施例6】
【0049】
次に、実施例6について説明する。図14は本発明のもう一つ別の実施例の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムを示す斜視図である。
本実施例の受付システム80は、例えばETC(自動料金収受)システムであり、受付機器用の登録認証データを保有する受付機器76と、携帯端末用の登録認証データや登録受付データを保有する携帯端末56とを含み構成される。
そして、受付機器76は、例えばETC車載機(以下、車載機76)であり、内部に認証手段77を備え、外部にカード挿入口78を備える。この認証手段77は、利用者に関する受付機器用の登録認証データを記憶する。例えば、車載機76を購入した利用者が暗証番号や生体情報などの認証情報(以下、暗証番号等)を認証手段77に登録することにより、受付機器76が受付機器用の登録認証データを保有する構成となっている。
カード挿入口78は、携帯端末56を受け付けるための挿入口である。即ち、受付機器76は、カード挿入口78に携帯端末56が挿し込まれることによって受付を実行する構成となっている。
尚、暗証番号を受付機器用の登録認証データとして登録することは、車載機76にキーやボタンを設ける構成(図示せず)によって可能である。また、車載機76が前述実施例4の受付機器70と同様の構成であれば、受付機器70の認証手段72を用いて、生体情報を受付機器用の登録認証データとして登録することが可能である。
【0050】
一方、携帯端末56は、例えばETCカード(以下、ETCカード56)であり、ICチップ57を備える。このICチップ57は、利用者に関する携帯端末用の登録認証データを記憶する。例えば、クレジット会社がETCカード56を利用者に発行するとき、予め利用者より入手していた暗証番号をICチップ57に登録することにより、携帯端末56が携帯端末用の登録認証データを保有する構成となっている。
尚、ETCカード56が前述実施例3のICカード51と同様の構成であれば、暗証番号の代わりに生体情報を携帯端末用の登録認証データとして登録することが可能である。
また車載機76やETCカード56への暗証番号等の登録は一回限りとして悪用防止を図る構成にする。即ち暗証番号等の書き換えが容易にできない構成であることが望ましい。
また車載機76に登録する暗証番号等と、ETCカード56に登録する暗証番号等とは、同一とする。
【0051】
本実施例の受付システムの動作について、ETCシステムの例で説明する。
利用者により、ETCカード56がカード挿入口78に挿し込まれると、車載機76がETCカード56に認証信号を出力する。そして、ETCカード56が車載機76から認証信号を入力して、ICチップ57に登録しているカード用の暗証番号等を出力する。
次に、車載機76がカード用の暗証番号等を入力し、入力したカード用の暗証番号等と、車載機76の認証手段77に登録した車載機用の暗証番号等とを照合して、利用者の認証を実行する。そして、両方の暗証番号等が一致して正規な利用であると認証すれば、車載機76がデータ指定信号を出力する。
次に、ETCカード56が、車載機76からデータ指定信号を入力し、登録受付データの中から検索して指定受付データを出力する。最後に、車載機76が、ETCカード56から指定受付データを入力して、利用者の受付を実行する。この受付とは、クレジット会社を介して利用者が高速道路使用料金を支払うための手続等である。
一方、暗証番号等が一致しない場合は正規な利用ではないと認証する。この場合、車載機76からのデータ指定信号の出力が停止する、即ち、車載機76はETCカード56の受付を拒否する。即ち、紛失したETCカードを別の車載機に挿入しても、そのETCカードによる受付が拒否されるので、ETCカードの不正使用が防止される。尚、本実施例の受付システムの制御用プログラムは当業者であれば自明であるので割愛する。
【0052】
以上のように、本実施例は、利用者に関する携帯端末用登録認証データや登録受付データを保有する携帯端末と、利用者に関する受付機器用登録認証データを保有する受付機器とが協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムにおいて、受付機器が、携帯端末に認証信号を出力し、携帯端末が、認証信号を入力して携帯端末用登録認証データを出力する。そして、受付機器が、携帯端末用登録認証データを入力し、当該携帯端末用登録認証データと受付機器用登録認証データとを用いて利用者の認証を実行し、その認証後にデータ指定信号を出力する。さらに、携帯端末が、データ指定信号を入力して登録受付データの中から利用者に関する指定受付データを検索するとともにその指定受付データを出力し、受付機器が、その指定受付データを入力して利用者の受付を実行する構成となっている。
この構成によって、適宜に認証することができるとともに、正しく受け付けすることができ、使い勝手が良く悪用防止が図られる携帯端末及び受付機器を用いた受付システムが提供される。
【0053】
一方、本実施例の受付機器は、携帯端末との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる受付機器であり、この受付機器は、携帯端末に登録された携帯端末用の登録認証データと同一の認証情報を当該受付機器用の登録認証データとして登録し、別途携帯端末から携帯端末用の登録認証データを取得し、取得した携帯端末用の登録認証データと登録した受付機器用の登録認証データとを照合して、利用者の認証と受付とを実行する構成となっている。
この構成によって、受付機器用の登録認証データに一致する登録認証データを有する特定の携帯端末に対してのみ受付を行うので、携帯端末の不正使用が防止される。即ち、適宜に認証することができるとともに、正しく受け付けすることができ、使い勝手が良く悪用防止が図られる受付機器が提供される。
尚、本実施例の受付システム80で示したETCシステム以外に、前述の実施例4や実施例5の受付機器70とICカード50とから成るETCシステムの構成でも可である。
ところで、上記の実施例1から実施例6において、入力と受信とを、出力と発信とを、取得と入力とを、通知と出力とを、それぞれ置き換えても良い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明にかかる携帯端末および受付機器およびそれらを用いた受付システムは、その時その場の状況に応じて最適な認証が行える、秘密保持が図られる、悪用が防止されるという効果を有し、認証機能などを備える携帯電話、ICカード等や、それらを用いた受付システムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施例の携帯端末を示す要部ブロック図
【図2】図1における携帯端末の第1の制御用プログラムを示すフローチャート
【図3】図1における携帯端末の第2の制御用プログラムを示すフローチャート
【図4】図1における携帯端末の第3の制御用プログラムを示すフローチャート
【図5】図1における携帯端末の第4の制御用プログラムを示すフローチャート
【図6】本発明の一実施例の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムを示す斜視図
【図7】図6における受付機器の制御用プログラムを示すフローチャート
【図8】本発明の他の実施例の携帯端末を示す平面図
【図9】本発明の他の実施例の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムを示す斜視図
【図10】図9における受付機器の制御用プログラムを示すフローチャート
【図11】図9における携帯端末の制御用プログラムを示すフローチャート
【図12】本実施例5の受付機器の制御用プログラムを示すフローチャート
【図13】本実施例5の携帯端末の制御用プログラムを示すフローチャート
【図14】本発明のもう一つ別の実施例の携帯端末及び受付機器を用いた受付システムを示す斜視図
【図15】従来のカメラ付き携帯電話端末及びその認証方法を示す構成ブロック図
【符号の説明】
【0056】
1 携帯端末
2 演算部
3 接続部
4 記憶部
5 認証部
6 入力部
7 出力部
8 通知部
9 時計部
20,60,80 受付システム
30,70,76 受付機器
31,71 受付端末
40 携帯電話
50,51 ICカード
52,57 ICチップ
53 入力手段
54 通知兼取得手段
56 ETCカード(携帯端末)
72,77 認証手段
73 通知手段
76 車載機(受付機器)
78 カード挿入口



【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に関する登録認証データや登録受付データを記憶するデータ記憶手段と、
認証信号及びデータ指定信号を入力する信号入力手段と、
前記認証信号に基づいて、その時点で利用者が本人確認した現在認証データを取得する認証データ取得手段と、
前記データ指定信号に基づいて、前記登録受付データの中から指定受付データを検索する受付データ検索手段と、
前記現在認証データと前記登録認証データとを用いて利用者が正規利用者であることを認証する利用者認証手段と、
前記指定受付データを出力する受付データ出力手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
受付機器との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる携帯端末であって、
前記認証を実行した従前認証時点から新たに前記認証を実行しようとする現在時点までの経過期間から判定し、新たなる該認証の実行を省略して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
受付機器との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる携帯端末であって、
前記認証を実行した認証時刻から所定時間を経過したら、改めて前記認証を実行して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
携帯端末との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる受付機器であって、
当該受付機器の前記携帯端末に出力する前記信号が、該受付機器を特定することのできるキーワードを有したことを特徴とする受付機器。
【請求項5】
携帯端末との間で信号とデータとを遣り取りし、利用者の認証と受付とを実行する受付システムに用いられる受付機器であって、
当該受付機器が、前記携帯端末に登録された携帯端末用の登録認証データと同一の認証情報を当該受付機器用の登録認証データとして登録し、
前記携帯端末から前記携帯端末用の登録認証データを取得し、
取得した該携帯端末用の登録認証データと登録した前記受付機器用の登録認証データとを照合して、
前記認証と前記受付とを実行する構成にしたことを特徴とする受付機器。
【請求項6】
携帯端末と受付機器との間で信号とデータとを入出力し、前記携帯端末と前記受付機器とが協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムであって、
前記受付機器が、認証信号及びデータ指定信号を出力し、
前記携帯端末が、前記認証信号を入力して前記認証を行うとともに前記データ指定信号を入力して利用者に関する指定受付データを出力し、
前記受付機器が、前記指定受付データを入力して前記受付を行う構成にしたことを特徴とする携帯端末及び受付機器を用いた受付システム。
【請求項7】
利用者に関する登録認証データ及び登録受付データを保有する携帯端末が受付機器に協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムであって、
前記受付機器が、本人確認を要請して利用者から現在認証データを取得し、その後に認証信号を出力し、
前記携帯端末が、前記認証信号を入力して前記登録認証データを出力し、
前記受付機器が、入力した前記登録認証データと取得した前記現在認証データとを用いて前記認証を実行し、その後にデータ指定信号を出力し、
前記携帯端末が、前記データ指定信号を入力して前記登録受付データの中から指定受付データを出力し、
前記受付機器が、前記指定受付データを入力して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする携帯端末及び受付機器を用いた受付システム。
【請求項8】
利用者に関する登録認証データ及び登録受付データを保有する携帯端末が受付機器に協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムであって、
前記受付機器が、本人確認を要請して利用者から現在認証データを取得するとともに、前記携帯端末に前記現在認証データ及びデータ指定信号を出力し、
前記携帯端末が、前記現在認証データを入力して前記登録認証データを検索し、前記データ指定信号を入力して前記登録受付データの中から指定受付データを検索し、前記現在認証データと前記登録認証データとを用いて前記認証を実行し、その後に前記指定受付データを出力し、
前記受付機器が、前記指定受付データを入力して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする携帯端末及び受付機器を用いた受付システム。
【請求項9】
利用者に関する携帯端末用登録認証データや登録受付データを保有する携帯端末と、利用者に関する受付機器用登録認証データを保有する受付機器とが協働して、利用者の認証と受付とを実行する携帯端末及び受付機器を用いた受付システムであって、
前記受付機器が、前記携帯端末に認証信号を出力し、
前記携帯端末が、前記認証信号を入力して前記携帯端末用登録認証データを出力し、
前記受付機器が、前記携帯端末用登録認証データを入力し、当該携帯端末用登録認証データと前記受付機器用登録認証データとを用いて前記認証を実行し、その後にデータ指定信号を出力し、
前記携帯端末が、前記データ指定信号を入力して前記登録受付データの中から指定受付データを出力し、
前記受付機器が、前記指定受付データを入力して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする携帯端末及び受付機器を用いた受付システム。
【請求項10】
受付機器との間で信号とデータとを遣り取りし、前記受付機器に協働して利用者の認証と受付とを実行する携帯端末であって、
当該携帯端末が、認証信号を入力することが可能な入力手段を備え、
該入力手段によって入力した前記認証信号に基づき、現時点で取得した現在認証データと前記携帯端末に記憶した登録認証データとを用いて前記認証を実行し、
前記受付機器から入力したデータ指定信号に基づき、前記携帯端末に記憶した登録受付データの中から検索した指定受付データを前記受付機器に出力して前記受付を実行する構成にしたことを特徴とする携帯端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−10747(P2010−10747A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164292(P2008−164292)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(308016138)
【Fターム(参考)】