説明

携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法

【課題】不適正な状態でアプリケーションソフトが使用されることを防止でき、最新のバージョンに更新された状態で使用することができる携帯端末用アプリケーションソフトの使用制限方法の提供。
【解決手段】携帯端末5がデータベースサーバー1からアプリケーションソフト11の使用制限情報を取得格納する工程と、携帯端末5に取得格納されたアプリケーションソフト11を選択する工程と、携帯端末5がアプリケーションソフト11の使用制限情報を取得格納したか否かを判断する工程と、携帯端末5は、アプリケーションソフト11の使用制限情報を取得していないと判断した場合に、選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とし、アプリケーションソフト11の使用制限情報を取得したと判断した場合に、選択されたアプリケーションソフト11の起動を可能とする工程とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末のアプリケーションソフトの使用を制限する携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビル内にはマイクロコンピューターで制御され稼働するエレベータ、エスカレータをはじめとする多種多様の設備が備えられ、年々進化している。そのため、これらのエレベータ等の機種やエレベータ制御ソフトのバージョンが新しいものに更新される度に、更新されたエレベータ等の機種やエレベータ制御ソフトのバージョンに対応した保守管理システムが必要になる。
【0003】
このような保守管理システムの従来技術の1つとして、エレベータの運転を制御すると共に運転データを記憶部に記憶してなるエレベータ制御盤と、エレベータの機種及びエレベータ制御ソフトのバージョンに対応した故障対応のアプリケーションソフトを複数記憶したメンテナンスソフトデータベースを有する管理センターと、管理センターから指定した機種及びエレベータ制御ソフトのバージョンに対応したアプリケーションソフトを読み出し、読み出されたアプリケーションソフトに基づいて、エレベータ制御盤から故障時の運転データを読み出して解析し、解析した結果得られる故障処置を行うための故障状態と原因を表示部に表示する携帯端末とを備えたエレベータの保守管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−41674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示された従来技術のエレベータの保守管理システムでは、エレベータ等の機種及びエレベータ制御ソフトのバージョンに対応した最新の故障対応のアプリケーションソフトを常に利用することができるが、アプリケーションソフトが新しいエレベータの機種及びエレベータ制御ソフトのバージョンに対応していてもアプリケーションソフト自体に不具合があったり、あるいはアプリケーションソフトを旧バージョンで使用した場合には、エレベータ等の故障や修理等のメンテナンス作業に時間がかかったり、新たな別の故障の原因になる虞がある。特に、このような故障等の原因究明に使用するアプリケーションソフトは、専門の教育を受けた保守員が正しく使用することを前提とした特殊なソフトであることが多く、使用者が携帯端末に登録されたアプリケーションソフトが最新のバージョンに更新されていないことに気付き難いので、このような不適正な状態でアプリケーションソフトが使用されることを防ぐ必要がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、不適正な状態でアプリケーションソフトが使用されることを防止でき、最新のバージョンに更新された状態で使用することができ、適切な教育を受けた保守員が正しく使用できる携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法は、アプリケーションソフトを複数格納するとともに、前記アプリケーションソフトのそれぞれに使用制限情報が付加されるデータベースサーバーと、前記データベースサーバーから前記アプリケーションソフトを少なくとも一つ格納して選択起動させる携帯端末とを備え、前記データベースサーバーは、前記情報を格納する記録手段と、前記携帯端末の指示を受けて前記情報を前記携帯端末へ送信する送信手段とを有し、前記携帯端末の前記アプリケーションソフトの使用を制限する携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法において、前記携帯端末が前記データベースサーバーから前記アプリケーションソフトの前記情報を取得格納する工程と、前記携帯端末に格納された前記アプリケーションソフトを選択する工程と、前記携帯端末が前記データベースサーバーから前記アプリケーションソフトの前記情報を取得格納したか否かを判断する工程と、前記携帯端末は、前記アプリケーションソフトの前記情報を取得したと判断した場合に、選択された前記アプリケーションソフトの起動を可能とし、前記アプリケーションソフトの前記情報を取得していないと判断した場合に、選択された前記アプリケーションソフトの起動を不可とする工程とを備えたことを特徴としている。
【0008】
このように構成した本発明は、携帯端末がデータベースサーバーの記録手段に格納されているアプリケーションソフトの使用制限情報を送信するようにデータベースサーバーへ指示を行うと、指示を受けたデータベースサーバーは送信手段によってアプリケーションソフトの使用制限情報を携帯端末へ送信する。これにより、携帯端末がデータベースサーバーからアプリケーションソフトの使用制限情報を取得し、この使用制限情報からアプリケーションソフトのバージョン等に不具合等のない最新のものかどうかを確認可能な環境を提供できる。そして、本発明は、携帯端末がデータベースサーバーからアプリケーションソフトの使用制限情報を取得したか否かを判断し、アプリケーションソフトの使用制限情報を取得していないと判断した場合には、選択されたアプリケーションソフトの起動を不可とすることにより、アプリケーションソフトの使用制限情報が最新のものかどうかが分からない状態でアプリケーションソフトが使用されることを防止することができる。
【0009】
一方、携帯端末は、アプリケーションソフトの使用制限情報を取得したと判断した場合には、選択されたアプリケーションソフトの起動を可能とすることにより、取得した使用制限情報に基づいて使用するアプリケーションソフトが最新のものであることが確認できるので、例えばエレベータ等の設備が故障した場合に修理等のメンテナンス作業を迅速に行うことができ、また設備の故障の再発を予防することもできる。このように、不適正な状態でアプリケーションソフトが使用されることを防止することができる。
【0010】
また、本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法は、前記発明において、前記使用制限情報は、前記アプリケーションソフトの更新来歴を示すバージョン情報と、前記アプリケーションソフトの使用期限を示す日時情報とし、前記携帯端末が選択された前記アプリケーションソフトの前記使用制限情報を取得したと判断し、選択された前記アプリケーションソフトの起動を可能とした場合であっても、前記データベースサーバーから取得格納した前記使用制限情報と前記携帯端末に予め格納される前記選択したアプリケーションソフトの前記使用制限情報と比較する工程と、この比較する工程にて一致と判断したときに、選択された前記アプリケーションソフトの起動を可能とする工程と、前記比較する工程にて不一致したと判断したときに、選択した前記アプリケーションソフトを起動不可とする或いは削除する工程とを備えたことを特徴としている。
【0011】
このように構成した本発明は、携帯端末が選択起動しようとする携帯端末に格納されているアプリケーションソフトの使用制限情報であるバージョン情報と日時情報とをデータベースサーバーから取得格納したアプリケーションソフトの使用制限情報であるバージョン情報と日時情報に合致するものであれば起動し、反するもので有る場合は、起動を不可或いは削除することにより、使用制限情報であるバージョン情報と日時情報から使用不可とされるアプリケーションソフトの使用を常時防止することができる。一方、携帯端末は、アプリケーションソフトの使用制限情報であるバージョン情報と日時情報から最新のアプリケーションソフトを安心して使用できることを確認できるので、例えばエレベータ等の設備が故障した場合に、保守員は最新のアプリケーションソフトを安心して使用し、修理等のメンテナンス作業を迅速に行うことができ、また設備の故障の原因を予防することもできる。このように、不適正な状態でアプリケーションソフトが使用されることを防止でき、常に最新のバージョンで更新された使用有効期限以内のアプリケーションソフトを使用することができる。
【0012】
また、本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法は、前記発明において、前記使用制限情報は前記アプリケーションソフト及び前記携帯端末の使用者を制限する属性情報を含み、前記バージョン情報かつ前記日時情報が一致して起動可能であっても、前記属性情報が不一致と判断したときは、前記選択したアプリケーションソフトの起動を不可とする工程を備えたことを特徴としている。
【0013】
このように構成すると、携帯端末に登録されたアプリケーションソフトの中にはエレベータの制御プログラムを変更する機能を持つアプリケーションソフトもあり、このようなアプリケーションソフトは使用を間違えるとエレベータの大事故にも繋がりかねないので、このアプリケーションソフトを使用できる保守員は高度な教育を受けた保守員に限定する必要がある。アプリケーションソフトの使用制限情報に使用者を制限する属性情報も含めているので、携帯端末内のアプリケーションソフトの起動時、使用する保守員の属性情報を確認することにより、適切な教育を受けた技術レベルの高い保守員に限定して使用させることが可能となる。この結果、操作ミスやデータ入力エラー等による故障や事故の発生を防止することができるので、安全・安心な保守サービスの提供が可能となる。
【0014】
また、本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法は、前記発明において、前記比較する工程で不一致と判断したとき、前記選択したアプリケーションソフトが使用不可で更新を促す報知を行うか、前記データベースサーバーの当該アプリケーションソフトに更新するかのいずれかとする工程を備えたことを特徴としている。このように構成すると、携帯端末で選択・実行されるアプリケーションソフトのバージョン情報や有効期限を含む日時情報が不一致であっても、最新のアプリケーションソフトへの更新を促す報知を行うか自動的に更新することにより、何時も最新のアプリケーションソフトを入手し使用することが可能となるので、使用する保守員は安心して携帯端末を使用することができ、旧バージョンのアプリケーションソフトを使用することにより発生する事故や故障の防止が可能となる。またこれにより、アプリケーションソフトの更新の管理を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法は、携帯端末がデータベースサーバーからアプリケーションソフトの使用制限情報を取得格納する工程と、携帯端末に取得格納されたアプリケーションソフトを選択する工程と、携帯端末がデータベースサーバーからアプリケーションソフトの使用制限情報を取得格納したか否かを判断する工程と、携帯端末は、アプリケーションソフトの使用制限情報を取得したと判断した場合に、選択されたアプリケーションソフトの起動を可能とし、アプリケーションソフトの使用制限情報を取得していないと判断した場合に、選択された前記アプリケーションソフトの起動を不可とする工程とを備えている。これにより、アプリケーションソフトのバージョンが最新のものかどうかが分からない状態でアプリケーションソフトが使用されることを防止することができ、データベースサーバーから取得した使用制限情報のバージョン情報や日時情報を参照してアプリケーションソフトのバージョンが最新のものであることを確認した上でアプリケーションソフトを使用することができる。このように、不適正な状態でアプリケーションソフトが使用されることを防止でき、最新のバージョンに更新された状態で使用することができるので、携帯端末に登録されたアプリケーションソフトに対する信頼性を従来よりも高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法の一実施形態に用いられる携帯端末及びデータベースサーバーの構成を示す図である。
【図2】本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法の一実施形態に備えられる工程を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0018】
本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法の一実施形態は、例えば図1に示すようにデータベースサーバー1と、アプリケーションソフト11を格納して起動させる携帯端末5とを備え、データベースサーバー1は、情報を格納する図示しない記録手段と、携帯端末5からの要求を受信する要求受信手段6及び記録手段に格納された情報を携帯端末5へ送信するデータ送信手段7とを有し、記録手段には、アプリケーションソフト21とアプリケーションソフト21の図示しない使用制限情報が複数登録されており、使用制限情報にはバージョン情報2と日時情報3と属性情報4で構成されている。
【0019】
携帯端末5にはアプリケーションソフト11が複数登録されており、アプリケーションソフト11毎に図示しない使用制限情報が付帯されており、使用制限情報はバージョン情報8と日時情報9と属性情報10で構成されている。データベースサーバー1のアプリケーションソフト21には使用制限情報が含まれており、アプリケーションソフト21がある時点で通信等により携帯端末5に記録されアプリケーションソフト11となる。
【0020】
具体的には、データベースサーバー1の記録手段は使用制限情報を記録しており、使用制限情報はアプリケーションソフト21のバージョン情報2の他に、例えばアプリケーションソフト21の使用期限を示す日時情報3やアプリケーションソフト21を使用する使用者の所属する部門や教育履歴、所有する資格等を記録した属性情報4で構成されている。
【0021】
一方、携帯端末5は、データベースサーバー1から受信するバージョン情報2が登録されたバージョン情報8と、データベースサーバー1から受信する日時情報3が登録された日時情報9と、データベースサーバー1から受信する属性情報4が登録された属性情報10とを格納している。また、携帯端末5は、アプリケーションソフト11を選択して起動させるアプリケーションソフト選択手段13と、アプリケーションソフト11のバージョンチェックを行うバージョンチェック手段16と、アプリケーションソフト11の使用有効期限のチェックを行う使用期限チェック手段18と、アプリケーションソフト11の使用者の属性情報のチェックを行う使用条件チェック手段17と、アプリケーションソフト11の使用者の属性情報の入力を行う使用者情報入力手段19とを有し、さらにデータベースサーバー1に対して記録手段に格納された情報を送信するように指示する要求送信手段14と、データベースサーバー1のデータ送信手段7によって送信された情報を受信するデータ受信手段15とを有している。
【0022】
上述した携帯端末5のバージョンチェック手段16は、データベースサーバー1から取得格納したバージョン情報8に登録されたバージョン情報に含まれるバージョン番号と登録されたアプリケーションソフト11のバージョン情報に含まれるバージョン番号とを比較するようになっている。また、携帯端末5の使用条件チェック手段17は、データベースサーバー1から取得格納した属性情報10と登録されたアプリケーションソフト11の使用者を特定する属性情報とを比較するようになっている。さらに、携帯端末5の使用期限チェック手段18は、アプリケーションソフト11のデータベースサーバー1から取得格納した日時情報9とアプリケーションソフト11の起動日時とを比較するようになっている。なお、本実施形態に用いられる情報システムでは、データベースサーバー1及び携帯端末5は例えばコンピュータシステムを備え、演算処理装置等のハードウェアが図示しない記憶装置に記憶されるソフトウェアに従って動作することにより、上述した各手段が機能するようになっている。また、コンピュータシステムが備えるメモリ等の記憶装置に情報が格納され、上述した記録装置等に格納した情報として機能するようになっている。さらに、携帯端末5は、アプリケーションソフト11を起動させて表示する図示しない表示装置を有している。
【0023】
本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法の一実施形態は、アプリケーションソフト21を複数格納するとともに、アプリケーションソフト21のそれぞれに使用制限情報が付加されるデータベースサーバー1と、データベースサーバー1からアプリケーションソフト21を取得格納しアプリケーションソフト11として選択起動させる携帯端末5とを備え、データベースサーバー1は、使用制限情報を格納する記録手段と、携帯端末5の指示を受けて使用制限情報を携帯端末5へ送信するデータ送信手段7とを有し、携帯端末5がデータベースサーバー1からアプリケーションソフト21の使用制限情報を取得格納する工程と、携帯端末5に格納されたアプリケーションソフト11を選択する工程と、携帯端末5がデータベースサーバー1からアプリケーションソフト11の使用制限情報を取得格納したか否かを判断する工程と、携帯端末5は、アプリケーションソフト11の使用制限情報を取得したと判断した場合に、選択されたアプリケーションソフト11の起動を可能とし、アプリケーションソフト11の使用制限情報を取得していないと判断した場合に、選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とする工程とを備えている。
【0024】
また、本実施形態は、使用制限情報は、前記アプリケーションソフト11の更新来歴を示すバージョン情報8とアプリケーションソフトの使用期限を示す日時情報9とし、アプリケーションソフト11の使用制限情報を取得したと判断し、選択されたアプリケーションソフト11の起動を可能とした場合であっても、データベースサーバー1から取得格納した使用制限情報と携帯端末5に予め格納される選択したアプリケーションソフト11の使用制限情報と比較する工程と、この比較する工程にて一致と判断したときに、選択されたアプリケーションソフト11の起動を可能とする工程と、比較する工程にて不一致したと判断したときに、選択したアプリケーションソフト11を起動不可とする或いは削除する工程とを備えている。
【0025】
さらに、本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法の一実施形態は、使用制限情報はアプリケーションソフト11の使用者を制限する属性情報10を含み、バージョン情報8かつ日時情報9が一致して起動可能であっても、属性情報10が不一致と判断したときは、選択したアプリケーションソフト11の起動を不可とする工程を備えている。
【0026】
また、本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法の一実施形態は、使用制限情報を比較する工程で不一致と判断したとき、選択したアプリケーションソフト11が使用不可で更新を促す報知を行うか、データベースサーバー1の当該アプリケーションソフト21に更新するかのいずれかとする工程を備えている。
【0027】
次に、本実施形態に備えられる工程を図2のフローチャートに基づいて具体的に説明する。なお、図2に示すフローチャートにおいてアプリケーションソフトはAPの略語で表されている。
【0028】
図2は本発明に係る携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法の一実施形態に備えられる工程を説明するフローチャートである。
【0029】
本実施形態は、図1に示すように予めデータベースサーバー1には複数のアプリケーションソフト21が記録されていると同時に、アプリケーションソフト21毎の使用制限情報として、バージョン情報2、アプリケーションソフト21毎の使用有効期限に関する日時情報3、及びアプリケーションソフト21毎の使用者に関する属性情報4が記録手段に記録されている(ステップ(以下、Sと記す)1)。なお、エレベーターが設置されている場所で携帯端末5を使用する以前に、データベースサーバー1の複数のアプリケーションソフト21を携帯端末5に組み込んでおき、現地でアプリケーションソフト11として使用する。
【0030】
次に、夜間等の携帯端末5の未使用の時間帯に、携帯端末5は携帯端末5内に格納しているアプリケーションソフト11の使用制限情報のデータ要求を、要求送信手段14からデータベースサーバー1へ送信する。データベースサーバー1が要求受信手段6によって携帯端末5からデータ要求を受信すると、データベースサーバー1は、要求されたアプリケーションソフト21のバージョン情報2、日時情報3、及び属性情報4からなる使用制限情報をデータ送信手段7によって携帯端末5へ送信する。携帯端末5のデータ受信手段15は、データベースサーバー1からこれらの各情報を受信し、バージョン情報8、日時情報9及び属性情報10として取得格納する(S2)。ここでは、夜間未使用の時間帯に使用制限情報を入手する例で説明したが、使用者がアプリケーションソフト11を使用する以前、例えば、携帯端末5を使用する使用者が操作して、エレベーターが設置されているビルへ出動するため事務所を出発するとき、または、現地にて携帯端末を使用する直前でも良い。また、携帯端末5のデータ受信手段15は使用制限情報の取得日時を記録する(S3)。
【0031】
次に、使用者は携帯端末5のアプリケーションソフト選択手段13により任意のアプリケーション11を選択する(S4)。そして、携帯端末5は、選択されたアプリケーションソフト11が適正に使用できるものであるか否かのチェックを開始する(S5)。次に、携帯端末5において、図示しない使用制限情報入力チェック手段により最新の使用制限情報を入手しているかチェックを行う。選択したアプリケーションソフト11の使用制限情報のS3で記録した入手日時が、使用する日時の例えば24時間以内か否かを判断する(S6)。そして、携帯端末5は、選択されたアプリケーションソフト11の最新の使用制限情報を取得していないと判断した場合に、選択されたアプリケーションソフト11が使用できないことを示すエラーメッセージを表示装置に表示し(S15)、選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とする(S19)。その後、手順S2の動作に戻る。なお、手順S15において携帯端末5の表示装置には、例えば図2に示すように「使用できません」と表示される。
【0032】
一方、手順S6において携帯端末5が、選択されたアプリケーションソフト11の最新の使用制限情報を取得したと判断した場合には、携帯端末5のバージョンチェック手段16が選択されたアプリケーションソフト11のバージョン情報と取得したバージョン情報8のバージョン情報を比較し、選択されたアプリケーションソフト11のバージョン情報に含まれるバージョン番号が取得したアプリケーションソフト11のバージョン情報8に含まれるバージョン番号以上であるか否かを判断する(S8)。
【0033】
そして、携帯端末5のバージョンチェック手段16は、選択されたアプリケーションソフト11のバージョン番号が選択されたアプリケーションソフト11の取得したバージョン情報8に含まれるバージョン番号以上でないと判断した場合には、選択されたアプリケーションソフト11に対してバージョンの更新が必要であることを示すエラーメッセージを表示装置に表示し(S14)、選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とする(S18)。その後、手順S4の動作に戻る。なお、手順S14において携帯端末5の表示装置には、例えば図2に示すように「バージョンアップが必要です」と表示される。このとき、新しいバージョン番号のアプリケーションソフトが存在するため、旧バージョンのアプリケーションソフトを自動的に削除することもできる。
【0034】
一方、手順S8において携帯端末5のバージョンチェック手段16は、選択されたアプリケーションソフト11のバージョン番号が選択されたアプリケーションソフト11の取得したバージョン情報に含まれるバージョン番号以上であると判断した場合、携帯端末5の使用条件チェック手段17は、例えば携帯端末5を使用するために電源を投入した際、使用者情報入力手段19により入力された使用者の情報が、選択されたアプリケーションソフト11の使用者の属性情報10に一致するか否かを判断する(S9)。
【0035】
そして、携帯端末5の使用条件チェック手段17は、入力された使用者の情報が、選択されたアプリケーションソフト11の属性情報10に一致していないと判断した場合には、選択されたアプリケーションソフト11の使用条件を満たしていないことを示すエラーメッセージを表示装置に表示し(S13)、選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とする(S17)。その後、手順S2の動作に戻る。なお、手順S13において携帯端末5の表示装置には、例えば図2に示すように「使用条件が不一致です」と表示される。
【0036】
手順S9において携帯端末5の使用条件チェック手段17は、入力された使用者の情報が、選択されたアプリケーションソフト11の属性情報10に一致したと判断した場合には、携帯端末5の使用期限チェック手段18は、取得した日時情報9を参照して、選択されたアプリケーションソフト11の起動日時が選択されたアプリケーションソフト11の取得した日時情報9の有効期限以内であるか否かを判断する(S10)。そして、携帯端末5の使用期限チェック手段18は、選択されたアプリケーションソフト11の起動日時が選択されたアプリケーションソフト11の取得した日時情報9の有効期限以内でないと判断した場合には、選択されたアプリケーションソフト11の使用期限が切れていることを示すエラーメッセージを表示装置に表示し(S12)、選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とする(S16)。その後、手順S2の動作に戻る。なお、手順S12において携帯端末5の表示装置には、例えば図2に示すように「使用期限が切れました」と表示される。このとき、使用期限が切れているアプリケーションソフトを自動的に削除することもできる。
【0037】
一方、携帯端末5の使用期限チェック手段18は、選択されたアプリケーションソフト11の起動日時が選択されたアプリケーションソフト11の取得した日時情報9の有効期限以内であると判断した場合には、選択されたアプリケーションソフト11の起動を可能とする(S11)。そして、携帯端末5は選択されたアプリケーションソフト11を起動して表示装置に表示し、本実施形態の動作を終了する。
【0038】
このように構成した本実施形態によれば、手順S2において携帯端末5の要求送信手段14によってデータ要求の指示を受けたデータベースサーバー1はデータ送信手段7によってアプリケーションソフト11の使用制限情報を携帯端末5へ送信することより、携帯端末5がデータベースサーバー1からアプリケーションソフト11の使用制限情報を取得し、この使用制限情報からアプリケーションソフト11のバージョンが不具合等のない最新のものかどうかを把握することができる。そして、手順S6において携帯端末5がデータベースサーバー1からアプリケーションソフト11の使用制限情報を取得していないと判断した場合には、手順S19において選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とすることにより、アプリケーションソフト11のバージョンが最新のものかどうかが分からない状態でアプリケーションソフト11が使用されることを防止することができる。また、携帯端末5のアプリケーションソフト11を使用する場所に、地下深くデータ通信が困難なところがあるので、これを考慮して使用する以前に使用制限情報を取得格納しておき、安心してしようするため使用時に使用制限情報を取得格納したかの確認を実施している。
【0039】
一方、手順S6において携帯端末5は、選択されたアプリケーションソフト11の使用制限情報を取得したと判断した場合には、手順S8〜10の判断に応じて手順S11において選択されたアプリケーションソフト11の起動を可能とすることにより、取得した使用制限情報からアプリケーションソフト11のバージョンが最新のものであることを確認した上でアプリケーションソフト11を使用することができるので、例えばエレベータ等の設備が故障した場合に修理等のメンテナンス作業を迅速に行うことができ、また設備の故障の原因を予防することもできる。このように、不適正な状態でアプリケーションソフト11が使用されることを防止でき、最新のバージョンに更新された状態で使用することができるので、携帯端末5に登録されたアプリケーションソフト11に対する信頼性を高めることができる。
【0040】
また、本実施形態は、手順S8において、携帯端末5のバージョンチェック手段16は、選択されたアプリケーションソフト11のバージョン情報例えばバージョン番号が選択されたアプリケーションソフト11の取得したバージョン情報8に含まれるバージョン番号以上でないと判断した場合には、手順S18において選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とすることにより、選択されたアプリケーションソフト11のバージョンが最新のものに更新されているかどうかを容易かつ迅速に判断することができる。これにより、携帯端末5における高い処理能力を実現することができる。
【0041】
また、本実施形態は、携帯端末5の使用条件チェック手段17は、手順S9において選択されたアプリケーションソフト11の取得した使用者の属性情報10に、使用者情報入力手段19から入力された選択されたアプリケーションソフト11の使用者の属性情報が一致していないと判断した場合には、手順S17において選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とする。例えば必要な資格を保有していなかったり、あるいは使用許可されていない役職や部門に属している使用者が携帯端末5のアプリケーションソフト11を選択しても携帯端末5の表示装置にエラーメッセージが表示されてアプリケーションソフト11を使用することができないので、携帯端末5に登録されたアプリケーションソフト11が不適切に使用されることを確実に防ぐことができる。このように、アプリケーションソフト11に対する使用条件への配慮を十分に行うことができ、適切に扱うことが可能な使用者を判断してアプリケーションソフト11を有効に活用させることができる。
【0042】
携帯端末5に登録されたアプリケーションソフト11の中にはエレベータの制御プログラムを変更する機能を持つアプリケーションソフト11もあり、このようなアプリケーションソフト11を使用しプログラムの変更を間違えると、プログラムが暴走しエレベータの大事故にも繋がる可能性が大いにあり、このようなアプリケーションソフト11を使用できる保守員は高度な教育を受けた保守員に限定する必要がある。アプリケーションソフト11の使用制限情報に使用者を制限する属性情報10も含めているので、携帯端末5内のアプリケーションソフト11の起動時、使用する保守員の属性情報を確認することにより、適切な教育を受けた技術レベルの高い保守員に限定して使用させることが可能となる。この結果、操作ミスやデータ入力エラー等による故障や事故の発生を防止することができるので、安全・安心な保守サービスの提供が可能となる。
【0043】
また、本実施形態は、携帯端末5の使用期限チェック手段18は、手順S10において選択されたアプリケーションソフト11の起動日時が取得したアプリケーションソフト11の日時情報9に含まれる期限以内でないと判断した場合には、手順S16において選択されたアプリケーションソフト11の起動を不可とすることにより、使用者が携帯端末5のアプリケーションソフト11を選択しても携帯端末5の表示装置に使用期限が切れている旨のエラーメッセージが表示されてアプリケーションソフト11を使用することができないので、携帯端末5に登録されたアプリケーションソフト11の使用期間が更新されていないことを知ることができる。これにより、最新のマイコン制御エレベーターの保守業務に必須の携帯端末5及びアプリケーションソフト11の使用・更新の管理を容易に行うことができ、使用者の利便性を向上させることができる。
【0044】
なお、上述した本実施形態は、図2に示す手順S8、S9は実行順序を適宜変更しても良い。また、バージョンチェックを実施した結果旧バージョンと判明したり、起動日時が有効期限外と判明した場合は、自動的に削除したり、自動的に最新バージョンのアプリケーションソフト21の取得格納や有効期限の自動更新をするようにしても良い。ここで、手順S9は別のルーチンで実行しても良い。また、本実施形態では、手順S2において未使用の時間帯に自動的に携帯端末5からデータ要求を送信して使用制限情報を取得した場合について説明したが、この場合に限らず、例えば携帯端末5の起動時やアプリケーションソフト11の選択時に自動的にデータ要求を送信して使用制限情報を取得するようにしても良い。さらに、本実施形態は、ビル設備保全用の携帯端末に限らず、適宜更新されるアプリケーションソフトが搭載される携帯端末についても実施することができる。
【0045】
携帯端末5で実行されるアプリケーションソフト11は、バージョン情報8や日時情報9が不一致の場合、このアプリケーションソフト11は旧バージョンなので自動的に更新することが可能であり、使用場所によりデータ通信が困難なところでは最新のアプリケーションソフト11への更新を促す報知を行うことにより、何時も最新のアプリケーションソフト11を入手し使用することが可能となる。これにより、旧バージョンのアプリケーションソフト11を使用することにより発生する事故や故障の防止が可能となる。また、これによりデータベースサーバー1において、アプリケーションソフト11の更新の管理を容易かつ確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0046】
1 データベースサーバー
2 バージョン情報
3 日時情報
4 属性情報
5 携帯端末
6 要求受信手段
7 データ送信手段
8 バージョン情報
9 日時情報
10 属性情報
11 アプリケーションソフト
13 アプリケーションソフト選択手段
14 要求送信手段
15 データ受信手段
16 バージョンチェック手段
17 使用条件チェック手段
18 使用期限チェック手段
19 使用者情報入力手段
21 アプリケーションソフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションソフトを複数格納するとともに、このアプリケーションソフトのそれぞれに使用制限情報が付加されるデータベースサーバーと、前記データベースサーバーから前記アプリケーションソフトを少なくとも一つ格納して選択起動させる携帯端末とを備え、前記データベースサーバーは、前記情報を格納する記録手段と、前記携帯端末の指示を受けて前記情報を前記携帯端末へ送信する送信手段とを有し、前記携帯端末の前記アプリケーションソフトの使用を制限する携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法において、
前記携帯端末が前記データベースサーバーから前記アプリケーションソフトの前記情報を取得格納する工程と、
前記携帯端末に取得格納された前記アプリケーションソフトを選択する工程と、
前記携帯端末が前記データベースサーバーから前記アプリケーションソフトの前記情報を取得格納したか否かを判断する工程と、
前記携帯端末は、前記アプリケーションソフトの前記情報を取得したと判断した場合に、選択された前記アプリケーションソフトの起動を可能とし、前記アプリケーションソフトの前記情報を取得していないと判断した場合に、選択された前記アプリケーションソフトの起動を不可とする工程とを備えたことを特徴とする携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法において、
前記使用制限情報は、前記アプリケーションソフトの更新来歴を示すバージョン情報と、前記アプリケーションソフトの使用期限を示す日時情報とし、
前記アプリケーションソフトの前記使用制限情報を取得したと判断し、選択された前記アプリケーションソフトの起動を可能とした場合であっても、前記データベースサーバーから取得格納した前記使用制限情報と前記携帯端末に予め格納される前記選択したアプリケーションソフトの前記使用制限情報と比較する工程と、
この比較する工程にて一致と判断したときに、選択された前記アプリケーションソフトの起動を可能とする工程と、
前記比較する工程にて不一致したと判断したときに、選択した前記アプリケーションソフトを起動不可とする或いは削除する工程とを備えたことを特徴とする携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法において、
前記使用制限情報は、前記アプリケーションソフトの使用者を制限する属性情報を含み、
前記バージョン情報かつ前記日時情報が一致して起動可能であっても、前記属性情報が不一致と判断したときは、前記選択したアプリケーションソフトの起動を不可とする工程を備えたことを特徴とする携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法において、
前記比較する工程で不一致と判断したとき、前記選択したアプリケーションソフトが使用不可で更新を促す報知を行うか、前記データベースサーバーの当該アプリケーションソフトに更新するかのいずれかとする工程を備えたことを特徴とする携帯端末におけるアプリケーションソフトの使用制限方法。

【図1】
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【図2】
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