説明

携帯端末による代金支払システム

【課題】 携帯端末による双方向の通信機能により支払に関する情報のチェックや設定等が可能であり、代金支払時に本人確認の煩雑な手続をなくす。
【解決手段】 各種代金を、金融機関4の金融機関サーバ40から振込を行うことでキャッシュレスによる支払を行う代金支払システムにおいて、利用者2と支払先3とを特定する識別情報と、支払う金額を表す金額情報とを含む情報を送信することによる振込処理要求の機能と、利用者2の支払限度額の設定と変更の機能を有する携帯端末20と、振込処理要求を受信し、利用者2及び支払先3の口座を認識する機能と、金額情報の金額と支払限度額とを比較する機能と、振出元の金融機関サーバ40において振込が可能であるかを認識しかつ認識結果を送信する機能と、金融機関サーバに対し支払先3への振込処理を要求する管理サーバ10を備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種代金をキャッシュレスで支払う代金支払システムに関し、特に携帯端末を用いて代金を支払う代金支払システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種代金をキャッシュレスで支払う代金支払システムは、利用者が現金を持ち歩くことに伴う盗難、置忘れの防止や、また支払時における代金や釣銭の受渡しのために直接紙幣、硬貨を数える手間を省き、かつ数え間違いのミスを防止すること等を目的として広く利用されている。
【0003】従来の、各種代金をキャッシュレスで支払う代金支払システムには、プリペイドカード、クレジットカード、デビットカード等がある。
【0004】こうした従来のシステムでは、盗難時の安全対策のために、予め前払した金額分のみの利用とし代金の貸出や振込を行わない方法や、又は支払時にサインや暗証番号の入力等の本人確認を行う方法がとられている。
【0005】前者の予め前払した金額分のみの利用とする方法には、プリペイドカードによる代金支払がある。
【0006】プリペイドカードによる代金支払システムは、商品券と同様にして、特定の商品の購入、特定のサービスの利用、又は特定の店舗における利用等のために、予めプリペイドカードを購入することでプリペイドカードの額面分の利用ができるシステムである。
【0007】プリペイドカードでは、支払代金の貸出や振込を行わないため、現金と同様に盗難時等にはその残高分の金額を損失するが、他に預金口座等には被害が及ばない。このため、一般に支払時に暗証番号の入力等の本人確認は行っていない。
【0008】後者の支払時にサインや暗証番号の入力等による本人確認を行う方法には、クレジットカードや、デビットカード等による代金支払がある。
【0009】クレジットカードによる代金支払システムは、利用者がクレジットカードの会員となることで、代金の支払時にクレジットカード発行会社が、支払うべき代金を利用者に貸出し支払先に立替払いをすることによりキャッシュレスでの支払を行うものである。クレジットカードによる代金の支払は、支払先が利用者のサインとクレジットカードの番号等を確認することにより行われる。
【0010】デビットカードによる代金支払システムは、金融機関のキャッシュカードを用いて、各種支払先の店舗において金融機関から代金を引出し支払先に振込むものである。デビットカードによる代金の支払は、現金自動預払機の利用と同様にして支払先にキャッシュカードを渡し四桁の暗証番号を打ちこむ等の操作により行われる。
【0011】クレジットカードやデビットカードは、プリペイドカードと異なり代金の貸出や振込を行うものであるため、予め代金分のプリペイドカードを購入する等の事前の出費を必要としない。
【0012】しかし、支払代金の貸出や振込を行うシステムであるため、盗難時等に不正使用され多額の被害を被ることを防ぐ必要があり、支払時にサインや暗証番号の入力等の煩雑な本人確認の手続を行っている。
【0013】また、電子マネーのシステムに中には、ICカードを利用する電子財布といわれるシステムがある。ICカードに電子マネーの残高が記録され、この残高は利用者が入金や引出しをすることで増減が可能である。この電子マネーのシステムによる代金の支払も、支払時にICカードを渡すと共に暗証番号を打込み本人確認を行っている。
【0014】また、これら上記のカードを用いたキャッシュレスでの代金支払システムでは、使用した金額の明細等の情報を得ることや、システムの利用に関る設定やその変更が不便である。これらのためには、利用者のために設置された公衆端末を用いて確認等の操作を行うこと等が必要であった。
【0015】一方、銀行振込を行うシステムにおいては、携帯端末を用いることで利用者が金融機関等と双方向の通信を行い、残高照会や入出金明細の表示等の様々な便利な機能を利用できるシステムがある。これには、携帯電話から銀行に接続し銀行振込の操作を行うシステム等があり、NTTのiモード等により行われている。しかし、この携帯端末を用いるシステムでは銀行振込を行うためのシステムであり、商店のレジ等における代金の支払には適さない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来のキャッシュレスでの代金支払システムでは、以下に述べるような問題点があった。
【0017】第1に、プリペイドカードでは、前払のシステムであるため、予め代金分のプリペイドカードを購入する必要があるという問題点がある。
【0018】第2に、クレジットカードやデビットカードでは、支払時にサインや暗証番号の入力等の煩雑な本人確認の手続が必要であるという問題点がある。このため、スーパーマーケットやコンビニなど代金の支払を短時間で行う支払先での利用に不向きである。また、サイン等の手続が不要なカードもあるが、これにはカードを盗難等で紛失した場合銀行口座から自由に引出しを行われるという問題がある。
【0019】第3に、クレジットカードでは、立替払いを行うシステムであるため、利用者はクレジットカード発行会社に対し借金をすることになるという問題がある。このため、利用者は代金の他にさらに利子、手数料等をクレジットカード発行会社に支払う必要がある。
【0020】第4に、これらカードによるキャッシュレスでの支払システムでは、残高や入出金明細等の利用に関する情報のチェックや、システムの利用に関る設定やその変更が困難であるという問題点がある。例えば、デビットカードでは、盗難等の対策のため使用可能な金額をカードに登録することができるが、使用可能な金額をカードに登録するためには、登録するための端末のあるところに行く必要がある。
【0021】第5に、従来の携帯端末を用いた銀行振込のシステムでは、携帯端末により残高や入出金明細等の利用に関する情報のチェックを行うことができるが、これは銀行振込の手続を携帯電話を操作して行うシステムであり、振込の操作に時間と手間が掛るため、商店のレジ等における代金の支払には適さない。
【0022】本発明の第1の目的は、上記従来技術の欠点を解決し、携帯端末による双方向の通信の機能により支払に関する情報のチェックや設定等が可能であり、かつ、利用者と支払い先の双方にとって手間や時間が掛らず容易であり、安全性のある、各種の代金の支払に適した携帯端末による代金支払システムを提供することにある。
【0023】本発明の第2の目的は、予め代金を前払する必要がなく、かつ代金支払時に本人確認の煩雑な手続がなく、かつ盗難時等における安全性を備えた携帯端末による代金支払システムを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明の携帯端末による代金支払システムは、各種代金を、金融機関の金融機関サーバから振込を行うことでキャッシュレスによる支払を行う代金支払システムにおいて、利用者の代金支払時において利用者を特定する利用者識別情報と、支払先を特定する支払先識別情報と、支払う金額を表す金額情報とを含む情報を送信することによる振込処理要求の機能と、前記利用者の支払限度額の設定と変更を行う機能を有する携帯端末と、前記振込処理要求を受信し、前記利用者識別情報と前記支払先識別情報に基き当該利用者及び当該支払先の口座を認識する機能と、前記金額情報の金額とを前記支払限度額と比較する機能と、振出元の前記金融機関サーバにおいて前記振込処理要求に基く振込が可能であるかを認識しかつ認識結果を送信する機能と、前記金融機関サーバに対し支払先への振込処理を要求する機能を有する管理サーバを備えることを特徴とする。
【0025】請求項2の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記管理サーバは、振込毎に、振込額を前記支払限度額から減額する機能を備えることを特徴とする。
【0026】請求項3の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記管理サーバは、前記支払限度額の設定を増額する変更に対して、利用者の本人確認を要する手続的制限、前回の前記支払限度額の設定を増額する変更からの定められた期間の経過を要する時間的制限、一定期間内に前記支払限度額の設定を増額する変更の回数を定められた回数以下に制限する回数制限、増額する金額を定められた一定額以下に制限する金額的制限の内少なくとも1つの制限を設ける機能を備え、前記支払限度額の設定を増額する変更時において、前記管理サーバに設けた制限を満たすことの判断を行い、前記条件を満たす場合に限り前記設定の変更を行うことを特徴とする。
【0027】請求項4の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記管理サーバは、前記振込処理要求の受信後に前記携帯端末との間で通信を行い、前記振込の前に前記振込処理要求の金額の修正を求める機能を備えることを特徴とする。
【0028】請求項5の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記管理サーバは、前記振込処理要求の受信後に前記携帯端末との間で通信を行い、前記振込の前に前記支払限度額の金額の修正を求める機能を備えることを特徴とする。
【0029】請求項6の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記管理サーバは、前記利用者毎に、前記支払限度額に対する前記振込処理要求の金額の、許容超過額を設定する機能と、前記振込処理要求の金額が前記支払限度額を超過する場合に、前記振込処理要求の金額が前記支払限度額を超過する額と前記許容超過額を比較する機能を備えることを特徴とする。
【0030】請求項7の本発明の携帯端末による代金支払システムは、前記支払先に、前記支払先から前記利用者への請求の内容を表す情報である請求情報を、前記利用者の前記携帯端末に対し送信する集金端末を備えることを特徴とする。
【0031】請求項8の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記請求情報は、前記支払先識別情報と、前記金額情報を含むことを特徴とする。
【0032】請求項9の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記管理サーバは、前記振込処理の状態を表す振込情報を、前記集金端末に対し送信する機能を備えることを特徴とする。
【0033】請求項10の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記振込情報は、前記利用者の前記振込処理が完了した旨の情報を含むことを特徴とする。
【0034】請求項11の本発明の携帯端末による代金支払システムは、複数の前記金融機関を備え、かつ、前記金融機関は、それぞれに前記金融機関サーバを備え、かつ、前記管理サーバは、前記利用者からの前記振込処理要求に応じ、振込元の前記金融機関の前記金融機関サーバを選択し接続する機能を備えることを特徴とする。
【0035】請求項12の本発明の携帯端末による代金支払システムは、1つ又は複数の前記金融機関を備え、かつ、前記金融機関は、それぞれに前記金融機関サーバと、前記管理サーバを備え、かつ、各前記金融機関サーバに対する前記振込処理は、同じ前記金融機関内に備えられた各前記管理サーバが行うことを特徴とする。
【0036】請求項13の本発明の携帯端末による代金支払システムにおける前記管理サーバは、前記利用者による前記代金支払システムの利用に関するデータを、ネットワークにより接続された送信先へ送信する機能を持つことを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】図1は、本発明の第1の実施の形態による携帯端末による代金支払システムの構成を示すブロック図である。
【0039】図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態による携帯端末による代金支払システムは、管理サーバ10と、携帯端末20と、集金端末30と、金融機関サーバ40から構成される。
【0040】管理サーバ10は、各利用者2、各支払先3、各金融機関4との間で無線や、専用回線等で接続し、利用者2からの振込処理の要求を受けて金融機関4に対する振込処理を仲介する。
【0041】管理サーバ10は、携帯端末20に対しては,携帯端末20からの振込処理要求を受信し、この振込処理要求に基き金融機関サーバ40に対し振込処理を行う。また、携帯端末20に対し振込操作の途中経過の状態を送信したり、またこの振込処理要求に基く振込ができない場合や、振込の手続が完了した場合にはその旨を送信する。また、振込処理の中で利用者2に確認を求める必要がある場合には、携帯端末20と通信しその確認を求める。また、携帯端末20から、利用の前に予め各利用者の支払限度額を設定を行い、かつ以後も支払限度額の変更等は携帯端末20から行うことができる。
【0042】ここで、振込処理要求とは、携帯端末20が管理サーバ10に送信する振込処理のために必要な情報で、支払先を特定するための支払先識別情報、支払う金額を表す金額情報、振込元を特定するための利用者識別情報等を含む。
【0043】ここで、支払限度額とは、各利用者毎に利用者2が設定した代金の支払に用いる上限の額であり、振込毎に支払限度額から振込額分を減額する。支払限度額は、盗難時等の被害を抑える目的で備えられたもの、これの設定や変更(特に増額する変更)をするには暗証番号の入力による本人確認を行う。
【0044】管理サーバ10は、集金端末30に対しては,振込処理の結果である振込の完了又は振込の不可の情報を送信する等必要な情報の送受信を行う。
【0045】管理サーバ10は、金融機関サーバ40に対しては、利用者2からの振込処理要求に基く振込処理を行う。
【0046】携帯端末20は、各利用者2が携帯するものであり、支払先3からの代金の請求を受け、管理サーバ10に対し通信を行い利用者2の口座から支払先3に振込を行う。
【0047】携帯端末20は、集金端末30から、赤外線や無線やコネクタでつなぐ等の方法で自動的に、代金の請求の内容を表す情報である請求情報を受信する機能を持つ。これは、管理サーバ10に対する振込処理の要求のために必要な情報を得るために、手間や時間が掛ることを防ぎ、かつ入力ミスを防止することを目的とする。
【0048】また、携帯端末20は、集金端末30から請求情報を受信した時には、集金端末30に対し無事に終了した旨を送信する機能を持つことが好ましい。
【0049】ここで、請求情報とは、代金の請求の内容を表す情報であり、前述の支払先識別情報と金額情報を含む。
【0050】携帯端末20は、管理サーバ10に対し、無線により振込処理要求の送信や支払限度額の設定や変更等の振込のために必要な情報のやり取りを行う。また、振込処理要求の金額が支払限度額を超過した場合等に、エラーメッセージを受信したり、振込処理の要求を行う金額の修正等を、管理サーバ10との通信により対話的に行う。
【0051】携帯端末20は、携帯電話やPHS等にこれら代金支払のための機能を付加することにより実現する。ただし、従来の携帯電話やPHS等によっても代金の額や支払先を特定する情報等をボタンから入力し管理サーバ10に送信することによる振込処理を行っても良い。
【0052】また、携帯端末20は、管理サーバ10との通信により利用の明細等の利用者の利用に関する情報を得られることが望ましい。
【0053】また、携帯端末20は、振込処理要求の金額が支払限度額を超過することの防止のため、支払限度額が少なくなった時には警告のメッセージ等が表示される機能を持つことが望ましい。
【0054】集金端末30は、各支払先3に設置され、代金の請求に関る処理を行う。
【0055】集金端末30は、各支払先3のレジ等に接続されており、代金の額等の情報を得て利用者2の携帯端末20に対し請求情報として送信する。また振込が無事終了した場合や、失敗した場合、また代金の一部のみの振込を行い残額を現金等により支払うことにした場合には、その旨の情報を管理サーバ10から受信をする。
【0056】金融機関サーバ40は、各金融機関4内に設置され、管理サーバ10からの振込要求を受け、使用者2の口座から支払先3への振込の実行等を行う。
【0057】金融機関サーバ40は、管理サーバ10から受けた振込要求の金額と、各利用者の振込可能額との比較をし、振込が可能であるかどうかの判断をし、振込ができない場合にはその旨を管理サーバ10に対し送信する。また振込が可能である場合には、振込が完了した時にその旨を管理サーバ10に対し送信する。
【0058】ここで、振込可能額とは、利用者2の口座からの振込が可能な上限の金額であり、これは利用者2の口座の残高や、各金融機関4が設定する振込の上限額等により決定する。
【0059】図2は、本発明の第1の実施の形態の、管理サーバ10、携帯端末20、集金端末30の構成を示すブロック図である。
【0060】図2を参照すると、管理サーバ10は、管理サーバ10全体の動作を制御する制御部11と、携帯端末20と通信する無線通信部12と、プログラム及び各利用者2が設定した支払限度額や各携帯端末20と振込元の金融機関4を対応させるデータベースを格納する記憶部13と、管理者により管理サーバ10をメンテナンス等の操作を行うための操作部14と、金融機関サーバ40と通信するための金融機関通信部15と、集金端末と通信するためのネットワーク通信部16を備える。
【0061】携帯端末20は、携帯端末20の操作や通信等を制御する制御部21と、送受信するデータや操作内容等を表示する表示部22と、制御部21の動作に関係するプログラムや送受信データ等を格納する記憶部23と、利用者2が携帯端末20に対し操作を行うための操作部24と、集金端末30から送信される請求情報を受信する請求情報受信部25と、管理サーバ10との通信を行う無線通信部26を備える。
【0062】集金端末30は、集金端末30の操作や通信等を制御する制御部31と、送受信するデータや操作内容等を表示する表示部32と、制御部31の動作に関係するプログラムや送受信データ等を格納する記憶部33と、支払先3が集金端末30に対し操作を行うための操作部34と、携帯端末20に対し請求情報を送信するための請求情報送信部35と、管理サーバ10との通信を行うネットワーク通信部36を備える。
【0063】図3は、本発明の第1の実施の形態の代金振込の処理を説明するためのフローチャートである。
【0064】図3を参照すると、本実施の形態の代金振込の処理は、まずコンビニのレジ等にて商品の購入等により利用者2が支払先3に対し代金を支払う時に、支払い先3の集金端末30から携帯端末20に対し請求情報の送信を受ける(ステップ301)。集金端末30はレジ等に接続されており代金の額の情報を受け、請求情報として携帯端末20に対し支払先を特定する情報と共に送信する。
【0065】次に、携帯端末20から管理サーバ10に対し、振込処理要求として、集金端末30から受信した請求情報に利用者2を特定する情報等を加え管理サーバ10に対し送信する(ステップ302)。
【0066】次に、管理サーバ10においては振込処理要求を受信すると、まず受信した振込処理要求の金額と利用者2が設定した支払限度額との比較を行う(ステップ303)。
【0067】そして、振込処理要求の金額が支払限度額以下ならば、振込元の金融機関4の金融機関サーバ40と通信し、この振込処理要求の金額が振込可能かどうかを調べる(ステップ304)。
【0068】そして、この振込処理要求の金額が振込可能であれば金融機関サーバに対し振込を実行し(ステップ305)、支払限度額から振込額を減額し(ステップ306)、”振込終了”の情報を、携帯端末20と集金端末30に対し送信し(ステップ307)、この振込が完了した通信を受けて支払先3から商品等が渡され、利用者2と支払先3との間の取引が成立する(ステップ308)。
【0069】ここで振込処理要求の金額が支払限度額を超過する場合、又は振込処理要求の金額が振込可能額を超過する場合には、”振込不可”の情報を、携帯端末20と集金端末30に対し送信し(ステップ309)振込処理を中断する(ステップ310)。この場合には、代金全額の振込ができないため、現金により支払うか、又は振込む金額を支払限度額以下に減額し再び振込処理要求を行い不足分を現金により支払うことが考えられる。また、この場合支払限度額を代金以上の額に増額する修正をすることもできるが、この修正には本人確認のため暗証番号の打込みを要するため、レジの前を離れて行うか、また暗証番号の入力が他人から見られないようにするため手や指を隠す覆いを用いる等の対策を行うことが好ましい。
【0070】以上のように、本実施の形態では、支払先3からの請求を受けることや、この請求に基く金融機関4に対する振込の手続を、携帯端末20の通信機能により自動的に行うため、利用者と支払い先の双方にとって手間や時間が掛らず容易であり、各種の代金の支払にきわめて適している。
【0071】また、本実施の形態では、代金を利用者の口座から振込むシステムにおいて暗証番号の入力の操作なしで支払うことのできる支払限度額を設定する機能を設けたため、盗難時等における安全性を持ちながら、予め代金を前払する必要がなく、かつ代金支払時に本人確認の煩雑な手続がないキャッシュレスの代金支払システムが実現できる。
【0072】次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0073】図4は、本発明の第2の実施の形態による携帯端末による代金支払システムの構成を示すブロック図である。
【0074】図4を参照すると、本発明の第2の実施の形態による携帯端末による代金支払システムの、図1における第1の実施の形態による携帯端末による代金支払システムとの違いは、管理サーバ10aを、金融機関サーバ40と共に金融機関4a内に備えたことであり、かつ、金融機関サーバ40に対する振込処理は、同じ金融機関4a内に備えられた管理サーバ10aが行う。
【0075】本実施例も、金融機関4aを複数とする実施ができるが、この場合には管理サーバ10aは各金融機関4a毎に独立しており、同じ金融機関4a内の金融機関サーバ40に対してのみ振込処理を行う。
【0076】以上のように、本実施の形態では管理サーバ10aを金融機関4a内に備えたため、第1の実施の形態の効果に加えて、より小規模の代金支払システムや、また1つの金融機関4aが代金支払システムを独自に構築する場合等に適している。
【0077】次に、本発明の第3の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0078】代金が支払限度額を超えることは、注意をしていても、また携帯端末20に支払限度額が少なくなった時に警告のメッセージを表示する機能を備えていてもしばしば起きるものと予想される。しかし、コンビニやスーパーのレジ等にて、この事態が発生した時に暗証番号を入力し支払限度額を修正するため一旦レジや店から離れることは面倒であり、その場で修正することは好ましくない。本実施の形態では、支払限度額の超過が一定額内に限り、暗証番号の入力を必要とせず時間や手間を掛けずに支払を行うものである。
【0079】本発明の第3の実施の形態による携帯端末による代金支払システムの、第1の実施の形態による携帯端末による代金支払システムとの違いは、振込む金額が利用者が設定した支払限度額を超えた場合の処理であり、ここでさらに利用者は許容超過額を設定しておくことで、超過額がこの許容超過額以下の場合には、利用者の同意を受けた上で、暗証番号の入力等の本人確認の手続なしで支払限度額を超えた代金全額の振込を実行する。
【0080】ここで、許容超過額は、支払限度額と同様に管理サーバ10内の記憶部13に利用者2毎に納められ、利用者2は携帯端末20によりこの許容超過額の設定を行う。
【0081】図5は、本発明の第3の実施の形態の代金振込の処理を説明するためのフローチャートである。
【0082】図5を参照すると、本実施の形態の代金振込の処理は、図3における第1の実施の形態の代金振込の処理と、処理の開始から振込処理要求の金額と支払限度額の比較(ステップ503)までは同様であり、かつ、振込処理要求の金額が支払限度額以下の場合においては、その後の処理(ステップ507からステップ514)も同様である。
【0083】ここで、振込処理要求の金額が支払限度額を超過する場合には、図3における第1の実施の形態の代金振込の処理とは異なり、直ちに振込不可と判断せず、支払限度額を超過する旨を携帯端末20に送信し利用者2に通知し、まず支払限度額が”0”であるかどうかを調べ(ステップ504)、支払限度額が”0”でない場合には超過額を利用者2が定めた許容超過額と比較し(ステップ504)、もし許容超過額内である場合には利用者2に対し支払限度額を超過する振込を実行するかどうかを尋ね、もし利用者2が同意する場合にはこの振込処理要求の金額による振込処理を第1の実施の形態の代金振込の処理と同様にして続行する(ステップ505)。
【0084】また、支払限度額が”0”である場合、超過額が許容超過額を超過する場合、又は支払限度額を超過する振込の同意の確認を受けた利用者2がこれを拒否した場合には、振込不可と判断し以下の振込処理を中断する(ステップ512、513)。
【0085】ここで、支払限度額が”0”であるかどうかを調べるのは、暗証番号の入力による本人確認を得ずに利用できる額を、利用者が設定した支払限度額とその許容超過額内に制限することにより、盗難等における不正使用による被害を制限するためである。
【0086】これは、支払限度額を超過する振込を実行した場合には、支払限度額は0となるので、再び使用するには支払限度額の変更のために暗証番号を入力する必要があるため、本人確認を得ずに利用できる額が制限されることになる。
【0087】以上のように、本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加えて、よく起きるものと思われる振込処理要求の金額が支払限度額を超過した場合の処理を柔軟に行うことができる。
【0088】次に、本発明の第4の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0089】図6は、本発明の第4の実施の形態の管理サーバの構成を示すブロック図である。
【0090】図6を参照すると、本発明の第4の実施の形態の管理サーバの、図1における第1の実施の形態の管理サーバのとの違いは、利用者2による代金支払システムの利用に関するデータを、要求された送信先へ、又は予め設定された送信先へ送信する情報通信部17を備えたことである。
【0091】情報通信部17により送信するデータの内容は、残高やこれまでの利用の明細等である。
【0092】情報通信部17が、これらのデータを送信する時期の設定としては、利用者2による利用の度に、また、利用の一定回数毎や、利用した金額の累計が一定額を交信する度に、また一定の期間毎に、若しくはこれらを組合わせたものが考えられる。
【0093】情報通信部17がデータを送信する送信先と送信方法としては、インターネット等の通信網を経由して利用者2の指定するEメールアドレスにEメールとして送信するものや、利用者2の指定するサーバのデータベースに送信しデータベースを交信するもの等が考えられる。
【0094】以上のように、本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加えて、残高や入出金明細等の利用に関する情報をEメール等により送信する機能を持つため、これらをチェックすることが容易であり、かつ家計簿などの元データとして利用することが可能である。
【0095】以上好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0096】例えば、上記の実施の形態では、支払先3への支払時に本人確認を行っていないがキャッシュカード等と同様に、暗証番号の入力や、利用者2の指紋等による本人確認を併せて行うものとしても良い。特に、利用者2の指紋等による本人確認の方法は、より安全性が有り暗証番号の漏洩等の心配がないため、コンビニやスーパーのレジ等での支払に用いる本発明の目的に適している。
【0097】これは、図7に示すように支払先端末30aに指紋認識部37を設置し、この指紋認識部37により支払時に利用者2の指紋を認識し、指紋の情報を管理サーバ10に送信し、管理サーバ20に記録された利用者2本人の指紋と照合することにより本人確認を行う。
【0098】さらに、同様に携帯端末20に対して指紋等による本人確認の機能を備えることで、利用者2の本人確認を要する支払限度額の設定等の場合に、暗証番号の入力ではなく指紋等により本人確認を行えるものとしても良い。この場合には、支払限度額の設定等の変更が場所を選ばずに、コンビニやスーパー内等の人ゴミの中や、支払に際しレジの前でも安全に行うことができ本発明の目的に適している。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように本発明の携帯端末による代金支払システムによれば、以下のような効果が達成される。
【0100】第1に、代金の支払時において支払先の端末から利用者の携帯端末に対し、請求内容の情報を送信することにより自動的に振込を行うシステムであるため、利用者と支払い先の双方にとって手間が全く掛らず容易であり、短時間に支払が可能である。
【0101】第2に、支払先に振込を行うシステムであるため、プリペイドカードの問題点である代金の前払の必要がなく、かつクレジットカードの問題点である代金を立替払いのために借入れる必要がない。
【0102】第3に、カードではなく携帯端末を用いた代金支払システムであるため、残高照会や入出金明細の表示等、カードではできない携帯端末による様々な機能を利用することが可能である。
【0103】第4に、盗難等の対策のため使用可能な限度額を登録することができるため安全性を持ち、かつこのため本人確認の煩雑な手続のない支払が可能である。
【0104】第5に、使用可能な限度額の登録が、携帯端末を用いて容易に行うことが可能である。
【0105】第6に、残高や入出金明細等の利用に関する情報をEメール等により送信する機能を持つため、これらをチェックすることが容易であり、かつ家計簿などの元データとして利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による携帯端末による代金支払システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の、管理サーバ、携帯端末、集金端末の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態の代金振込の処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】 本発明の第2の実施の形態による携帯端末による代金支払システムの構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態の代金振込の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】 本発明の第4の実施の形態の管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明のその他の実施の形態による携帯端末による代金支払システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、10a 管理サーバ
17 情報通信部
2 利用者
20 携帯端末
3 支払先
30 集金端末
4、4a 金融機関
40 金融機関サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 各種代金を、金融機関の金融機関サーバから振込を行うことでキャッシュレスによる支払を行う代金支払システムにおいて、利用者の代金支払時において利用者を特定する利用者識別情報と、支払先を特定する支払先識別情報と、支払う金額を表す金額情報とを含む情報を送信することによる振込処理要求の機能と、前記利用者の支払限度額の設定と変更を行う機能を有する携帯端末と、前記振込処理要求を受信し、前記利用者識別情報と前記支払先識別情報に基き当該利用者及び当該支払先の口座を認識する機能と、前記金額情報の金額とを前記支払限度額と比較する機能と、振出元の前記金融機関サーバにおいて前記振込処理要求に基く振込が可能であるかを認識しかつ認識結果を送信する機能と、前記金融機関サーバに対し支払先への振込処理を要求する機能を有する管理サーバを備えることを特徴とする代金支払システム。
【請求項2】 前記管理サーバは、振込毎に、振込額を前記支払限度額から減額する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の代金支払システム。
【請求項3】 前記管理サーバは、前記支払限度額の設定を増額する変更に対して、利用者の本人確認を要する手続的制限、前回の前記支払限度額の設定を増額する変更からの定められた期間の経過を要する時間的制限、一定期間内に前記支払限度額の設定を増額する変更の回数を定められた回数以下に制限する回数制限、増額する金額を定められた一定額以下に制限する金額的制限の内少なくとも1つの制限を設ける機能を備え、前記支払限度額の設定を増額する変更時において、前記管理サーバに設けた制限を満たすことの判断を行い、前記条件を満たす場合に限り前記設定の変更を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の代金支払システム。
【請求項4】 前記管理サーバは、前記振込処理要求の受信後に前記携帯端末との間で通信を行い、前記振込の前に前記振込処理要求の金額の修正を求める機能を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の代金支払システム。
【請求項5】 前記管理サーバは、前記振込処理要求の受信後に前記携帯端末との間で通信を行い、前記振込の前に前記支払限度額の金額の修正を求める機能を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の代金支払システム。
【請求項6】 前記管理サーバは、前記利用者毎に、前記支払限度額に対する前記振込処理要求の金額の、許容超過額を設定する機能と、前記振込処理要求の金額が前記支払限度額を超過する場合に、前記振込処理要求の金額が前記支払限度額を超過する額と前記許容超過額を比較する機能を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の代金支払システム。
【請求項7】 前記支払先に、前記支払先から前記利用者への請求の内容を表す情報である請求情報を、前記利用者の前記携帯端末に対し送信する集金端末を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の代金支払システム。
【請求項8】 前記請求情報は、前記支払先識別情報と、前記金額情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の代金支払システム。
【請求項9】 前記管理サーバは、前記振込処理の状態を表す振込情報を、前記集金端末に対し送信する機能を備えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の代金支払システム。
【請求項10】 前記振込情報は、前記利用者の前記振込処理が完了した旨の情報を含むことを特徴とする請求項9に記載の代金支払システム。
【請求項11】 前記代金支払システムは、複数の前記金融機関を備え、かつ、前記金融機関は、それぞれに前記金融機関サーバを備え、かつ、前記管理サーバは、前記利用者からの前記振込処理要求に応じ、振込元の前記金融機関の前記金融機関サーバを選択し接続する機能を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項10に記載の代金支払システム。
【請求項12】 前記代金支払システムは、1つ又は複数の前記金融機関を備え、かつ、前記金融機関は、それぞれに前記金融機関サーバと、前記管理サーバを備え、かつ、各前記金融機関サーバに対する前記振込処理は、同じ前記金融機関内に備えられた各前記管理サーバが行うことを特徴とする請求項1乃至請求項10に記載の代金支払システム。
【請求項13】 前記管理サーバは、前記利用者による前記代金支払システムの利用に関するデータを、ネットワークにより接続された送信先へ送信する機能を持つことを特徴とする請求項1乃至請求項12に記載の代金支払システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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