説明

携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法

【課題】 各舗装現場の現場管理者が現場の工事進捗状況等に応じ、携帯する携帯端末よりインターネット回線を介してプラントの製造管理装置へ修正を直接指示可能にして、現場管理者の負担を軽減可能とした携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法を提供する。
【解決手段】 アスファルトプラント本体2に製品の製造・出荷を指示する製造管理装置4を接続し、この製造管理装置4には各舗装現場9への製品の製造量や出荷時間等の製造・出荷スケジュールを予め設定登録しておく。一方、各舗装現場9の現場管理者12には製造管理装置4とインターネット回線13を介して相互通信可能な携帯端末14を携帯させ、各現場管理者12は製造・出荷スケジュールを携帯端末14の画面上で参照しつつ、各舗装現場9の進捗状況に応じて携帯端末14より製造管理装置4に製造・出荷スケジュールの修正を指示る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト混合物を製造するアスファルトプラントから複数の舗装現場に向けて製品を製造・出荷する際の製造・出荷スケジュールの調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アスファルト混合物製造工場に設置されるアスファルトプラントでは、該プラントに対して製品であるアスファルト混合物の製造・出荷を指示・管理する製造管理装置を配設している。前記製造管理装置には出荷先である各舗装現場に対する製品の製造量や出荷時間等の製造・出荷スケジュールを予め設定登録しておき、プラントではこの製造・出荷スケジュールに基づいて製品であるアスファルト混合物を製造し、搬送車両にて各舗装現場に向けて出荷するようにしている。一方、製品の出荷先である各舗装現場では、到着した搬送車両より払い出されるアスファルト混合物を順次道路へ敷き均して舗装処理を施していく。
【0003】
ところで、上記舗装現場においては様々な要因によって当初の予定通りに工事作業が進まない場合も少なくなく、例えば、工事が予定よりも遅延した場合には製品払い出し待ちの搬送車両が現場で渋滞することとなる一方、工事が予定以上に進んだ場合であっても現場では一時的に製品不足を来し、次に出荷される製品が到着するまで作業を中断せざるを得ずに時間を無駄にすることとなる。
【0004】
したがって、各舗装現場の現場管理者は、携帯電話等を介して自身が管理する現場の工事の進捗状況や、それに応じた以降の製造・出荷希望時間等をアスファルト混合物製造工場側に頻繁に連絡を入れて製造・出荷スケジュールを調整するようにしており、現場管理者にとっては大きな負担となっている。なお、アスファルトプラントにおける単位時間あたりの製品の製造・出荷能力は予め決まっているため、必ずしも各舗装現場の現場管理者の希望通りに製造・出荷スケジュールを調整できるとは限らず、例えば、各現場の製造・出荷時間が重複してしまうような場合には調整作業は容易ではない。
【0005】
他方、特許文献1(特開2002−188290号公報)や、特許文献2(特開2006−331021号公報)には、インターネット回線を利用して各工事現場の工事進捗状況等を管理する方法が開示されている。特許文献1のインターネットを活用した施工管理システムでは、施工管理者が所持する携帯端末を用いて、サーバから毎日の施工予定データを閲覧して施工管理を行うと共に、作業の進捗状況や、人員・資機材の稼働状況等の施工実績データを前記サーバに送信する一方、工事管理事務所ではコンピュータを用いて、前記サーバから施工実績データを取得し、以降の工程計画を見直し、更新された工事工程、人員の業務予定及び資機材の搬入予定等の施工予定データをサーバのデータファイルに入力することを日々繰り返すようにしたことにより、現場の施工管理業務の効率化を図っている。
【0006】
また、特許文献2のインターネットを用いた工事進捗状況管理方法では、管理者側の管理サーバ上に多数の工事現場に関する工事工程予定、工事進捗状況表、予め分かっている施工上の情報等のコメント欄、及び工事現場のコメント欄を設けている一方、工事関係者はインターネット回線を介して携帯端末等により管理サーバ上の前記各表やコメント欄を常時閲覧可能としていると共に、工事現場の特記事項を書き込んで双方向の情報交換が可能なようにしており、前記管理サーバからは各工事現場について定期的かつ自動的に各工事現場の工事担当者の携帯端末に報告催促の信号を送信し、その工事担当者のみが携帯端末により当日の工事進捗状況を管理サーバに送信し、これを前記工事工程予定及び工事進捗状況表に入力するようにしたことにより、管理者が各工事現場の工事進捗状況を効率よくかつ正確に管理できるように図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−188290号公報
【特許文献2】特開2006−331021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来、各工事現場の現場管理者が携帯電話等の音声連絡によって施工管理者側と頻繁に連絡を取り合い、当日の工事工程予定を確認したり、自身が管理する現場の工事進捗状況等を報告することで施工管理者側が工程計画を見直したりしていたところ、上記特許文献に開示されているように、相互通信可能なインターネット回線を利用するようにしたことにより、各工事現場における工事進捗状況等を施工管理者側が効率よくかつリアルタイムで把握でき、好適な施工管理を実現可能にしている。
【0009】
そこで、本発明者は、アスファルト混合物製造工場と各舗装現場との連絡においても、従来の携帯電話等の音声連絡に代えてインターネット回線を採用するようにすれば、各現場管理者側が製造・出荷スケジュールをいつでも参照できると共に、その製造・出荷スケジュールを参照しながら自身が管理する現場の工事の進捗状況等を考慮して、手元の携帯端末より工場側の製造管理装置に製造・出荷スケジュールの修正を直接指示できるようになり、各舗装現場における工事の進捗状況等に応じた適当なタイミングにて製品の製造・出荷が可能となり、現場管理者の負担を軽減することが可能になると考えた。
【0010】
本発明は上記の点に鑑み、各舗装現場の現場管理者が現場の工事進捗状況等に応じ、携帯する携帯端末よりインターネット回線を介してプラントの製造管理装置へ修正を直接指示可能にして、現場管理者の負担を軽減可能とした携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載の携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法では、アスファルト混合物を製造するアスファルトプラントの操作盤に製品の製造・出荷を指示する製造管理装置を接続し、該製造管理装置には出荷先である各舗装現場に対する製品の製造量や出荷時間等の製造・出荷スケジュールを予め設定登録しておく一方、各舗装現場の現場管理者には前記製造管理装置とインターネット回線を介して相互通信可能な携帯端末を携帯させておき、各舗装現場にて舗装工事を行うときには各舗装現場の現場管理者は製造管理装置より製造・出荷スケジュールを携帯端末に随時取り込んで携帯端末の画面上に表示させ、各自が管理する舗装現場に対する製造・出荷スケジュールを参照しつつ、舗装工事の進捗状況に応じて携帯端末より製造管理装置に製造・出荷スケジュールの修正を指示し、修正の指示を受けた製造管理装置では製造・出荷スケジュールを更新すると共に、更新した製造・出荷スケジュールに基づいて以降の製品の製造・出荷を行うようにしたことを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法では、前記製造管理装置には当日の製造・出荷履歴を記憶格納させ、各舗装現場にて舗装工事を行うときには各舗装現場の現場管理者は製造管理装置より製造・出荷スケジュールと共に製造・出荷履歴を携帯端末に随時取り込んで携帯端末の画面上に表示させ、全ての舗装現場に対する製造・出荷スケジュールと製造・出荷履歴とを参照しつつ、舗装工事の進捗状況に応じて携帯端末より製造管理装置に製造・出荷スケジュールの修正を指示するようにしたことを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法では、前記製造管理装置にはプラントにおける製品の単位時間あたりの製造・出荷能力を予め設定登録しておき、舗装現場の現場管理者より指示された修正製造・出荷スケジュールが前記単位時間あたりの製造・出荷能力を上回る場合には、製造管理装置より現場管理者の携帯端末に警告情報を送信するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る請求項1記載の携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法によれば、アスファルト混合物を製造するアスファルトプラントの操作盤に製品の製造・出荷を指示する製造管理装置を接続し、該製造管理装置には出荷先である各舗装現場に対する製品の製造量や出荷時間等の製造・出荷スケジュールを予め設定登録しておく一方、各舗装現場の現場管理者には前記製造管理装置とインターネット回線を介して相互通信可能な携帯端末を携帯させておき、各舗装現場にて舗装工事を行うときには各舗装現場の現場管理者は製造管理装置より製造・出荷スケジュールを携帯端末に随時取り込んで携帯端末の画面上に表示させ、各自が管理する舗装現場に対する製造・出荷スケジュールを参照しつつ、舗装工事の進捗状況に応じて携帯端末より製造管理装置に製造・出荷スケジュールの修正を指示し、修正の指示を受けた製造管理装置では製造・出荷スケジュールを更新すると共に、更新した製造・出荷スケジュールに基づいて以降の製品の製造・出荷を行うようにしたので、各舗装現場の現場管理者は手元の携帯端末にてインターネット回線を介してプラントの製造管理装置より製造・出荷スケジュールをいつでも参照できると共に、それを参照しながら現場工事の進捗状況に応じて製造・出荷スケジュールの修正を手元の携帯端末より直接指示できて、現場管理者の負担を軽減することが可能となる。
【0015】
また、請求項2記載の携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法によれば、前記製造管理装置には当日の製造・出荷履歴を記憶格納させ、各舗装現場にて舗装工事を行うときには各舗装現場の現場管理者は製造管理装置より製造・出荷スケジュールと共に製造・出荷履歴を携帯端末に随時取り込んで携帯端末の画面上に表示させ、全ての舗装現場に対する製造・出荷スケジュールと製造・出荷履歴とを参照しつつ、舗装工事の進捗状況に応じて携帯端末より製造管理装置に製造・出荷スケジュールの修正を指示するようにしたので、各舗装現場の現場管理者が製造・出荷スケジュールの修正を指示する際に、製造・出荷スケジュールのみならず製造・出荷履歴も併せて参照することができ、プラント側の製造・出荷状況をより詳細に把握した上で適当な修正指示を行うことが可能となる。
【0016】
また、請求項3記載の携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法によれば、前記製造管理装置にはプラントにおける製品の単位時間あたりの製造・出荷能力を予め設定登録しておき、舗装現場の現場管理者より指示された修正製造・出荷スケジュールが前記単位時間あたりの製造・出荷能力を上回る場合には、製造管理装置より現場管理者の携帯端末に警告情報を送信するようにしたので、各舗装現場の現場管理者にはプラント側の製造・出荷状況に即した修正を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法にあっては、アスファルト混合物製造工場に設置されるアスファルトプラントの操作盤に製品の製造・出荷を指示する製造管理装置を接続し、該製造管理装置には出荷先である各舗装現場に対する製品の製造量や出荷時間等の製造・出荷スケジュールを予め設定登録しておくと共に、当日の製造・出荷履歴を記憶格納させるようにしておく一方、各舗装現場の現場管理者には前記製造管理装置とインターネット回線を介して相互通信可能な携帯端末、例えば、スマートフォンやノートパソコン、タブレットパソコン等、インターネット通信機能を有する適宜の端末装置を所持・携帯させておく。
【0019】
そして、アスファルト混合物製造工場のアスファルトプラントにおいて製造・出荷スケジュールに基づいて製造・出荷されるアスファルト混合物を各舗装現場にて舗装処理するときには、各舗装現場の現場管理者はインターネット回線を介してプラントの製造管理装置側より製造・出荷スケジュールや、当日の製造・出荷履歴等を手元の携帯端末に随時取り込んで画面上に表示させる。各現場管理者は、手元の携帯端末の画面上に表示される製造・出荷スケジュールのうち、自身が管理する舗装現場に対する製造・出荷スケジュールや、当日の製造・出荷履歴等を参照しつつ、舗装工事の進捗状況等に応じ、製造・出荷スケジュールの修正が必要がどうかを判断し、もし必要と判断すれば手元の携帯端末より製造管理装置に向けて製造・出荷スケジュールの修正を直接指示する。一方、修正の指示を受けた製造管理装置側では製造・出荷スケジュールを更新すると共に、この更新した製造・出荷スケジュールに基づいて以降の製品の製造・出荷を行っていく。
【0020】
なお、プラントにおける単位時間あたりの製品の製造・出荷能力は決まっているため、これを予め製造管理装置に設定登録しておき、各舗装現場の現場管理者より指示された修正製造・出荷スケジュールが前記単位時間あたりの製造・出荷能力を上回る場合には、製造管理装置より現場管理者の携帯端末に対して直ちに警告情報を発信するようにしておけば、各舗装現場の現場管理者に対してプラント側の現時点乃至以降の製造・出荷状況に即した修正指示を促すことが可能となる。
【0021】
このように、本発明に係る携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法によれば、各舗装現場の現場管理者は、プラント側の製造管理装置よりインターネット回線を介して手元の携帯端末に製造・出荷スケジュールや当日の製造・出荷履歴等の各種情報を随時取り込んで携帯画面にて参照することができると共に、それらを参照しつつ現場の工事進捗状況等に応じて手元の携帯端末から製造・出荷スケジュールの修正指示を直接行え、現場管理者の負担を軽減することが可能となる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1中の1は道路舗装用に用いられるアスファルト混合物を製造・出荷するアスファルト混合物製造工場であって、各種粒径の骨材を所定温度にて加熱乾燥処理するドライヤ、該ドライヤにて加熱乾燥処理した骨材や石粉、溶融アスファルト等の各種材料を貯蔵する貯蔵槽、該貯蔵槽より排出される各種材料を計量する計量器、該計量器にて計量した各種材料を混合処理するミキサ等を備えたアスファルトプラント本体2と、該プラント本体2のドライヤや貯蔵槽、計量槽、ミキサ等の各機器を操作・制御する操作盤3と、該操作盤3を介してプラント本体2に製品であるアスファルト混合物の製造・出荷を指示する製造管理装置4等から構成している。
【0024】
前記製造管理装置4は、コンピュータ本体5と、各種情報表示用の表示モニター6と、各種設定項目や情報等を入力するキーボード7、及び各種情報をプリント出力するプリンタ8等から成り、前記コンピュータ本体5に内蔵される記憶部には、製品の出荷先である各アスファルト舗装現場9に対する製品の製造量や出荷時間等の製造・出荷スケジュールを設定登録し、操作盤3ではこの製造・出荷スケジュールに基づいてプラント本体2の各機器を操作・制御して製品であるアスファルト混合物を製造し、搬送車両10に順次排出して各舗装現場9に向けて出荷するようにしている。また、前記コンピュータ本体5の記憶部には、当日の製品の製造・出荷履歴を記憶格納するようにしている。
【0025】
一方、各舗装現場9にはロードローラ等の転圧機11を待機させるなどして、前記搬送車両10より搬入されて払い出されるアスファルト混合物を順次敷き均して転圧させて舗装処理するようにしている。また、各舗装現場9の現場管理者12には、アスファルト混合物製造工場1の製造管理装置4とインターネット回線13を介して相互通信可能な携帯端末14、例えば、スマートフォンやノートパソコン、タブレットパソコン等、インターネット通信機能を有する適宜の端末装置を所持・携帯させておく。
【0026】
次に、上記システムによるアスファルト混合物製造工場からアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュールの調整方法を説明する。
【0027】
先ず、アスファルト混合物製造工場1の製造管理装置4では、当日予定されている各舗装現場9への製品の製造量や出荷時間等の製造・出荷スケジュールを予め設定登録しておく。そして、プラント本体2ではこの製造・出荷スケジュールに基づいて製品であるアスファルト混合物を順次製造し、搬送車両10にて各舗装現場9に向けて出荷していくと共に、製造管理装置4では製品の製造・出荷履歴を記憶格納していく。
【0028】
一方、各舗装現場9では、前記搬送車両10より搬入されて払い出されるアスファルト混合物を順次敷き均して、待機していた転圧機11等にて転圧させて舗装処理していく。このとき、各舗装現場9の現場管理者12は、インターネット回線13を介してアスファルト混合物製造工場1の製造管理装置4より製造・出荷スケジュールや、製造・出荷履歴等の諸データを手元の携帯端末14に直接取り込んで携帯端末14の画面上に表示させることができる。
【0029】
そして、例えば、各現場管理者12は、自身が管理する舗装現場9に対する製造・出荷スケジュール等を参照しつつ、舗装工事の進捗状況等に応じ、製造・出荷スケジュールの修正が必要かどうかを判断した上で、もし修正が必要であると判断すれば(例えば、舗装工事が遅延しており、当初のスケジュール通りに製品の製造・出荷が行われれば、製品払い出し待ちの搬送車両10が舗装現場9で渋滞を引き起こしかねない場合や、舗装工事が予定以上に進んでおり、当初のスケジュール通りに製品の製造・出荷が行われると、舗装現場9では一時的に製品不足を来して、次に出荷される製品が到着するまで作業を中断せざるを得ない場合等)、手元の携帯端末14よりインターネット回線13を介してアスファルト混合物製造工場1の製造管理装置4に向けて製造・出荷スケジュールの修正を直接(例えば、携帯端末14の画面上に表示される操作ボタン等を操作することにより)指示する。
【0030】
なお、各舗装現場9の現場管理者12が製造・出荷スケジュールの修正を指示する際には、自身が管理する舗装現場9だけでなく、その他の舗装現場9も含めたトータル的な製造・出荷スケジュールや、当日の製造・出荷履歴等の諸データも参照するなどして、アスファルト混合物製造工場1の現時点乃至以降の製造・出荷状況に即した修正指示を行うようにすればより好ましい。
【0031】
また、プラントにおける単位時間あたりの製品の製造・出荷能力は決まっているため、これを予め製造管理装置4に設定登録しておき、各舗装現場9の現場管理者12より指示される修正製造・出荷スケジュールが前記単位時間あたりの製造・出荷能力を上回る場合(例えば、修正の結果、各舗装現場9への製品の製造・出荷時間が重複してしまう場合など)には、製造管理装置4より現場管理者12の携帯端末14に対して直ちに警告情報を発信するようにしておけば、各舗装現場9の現場管理者12に対してプラント側の現時点乃至以降の製造・出荷状況に即した修正指示を促すことが可能となる。
【0032】
そして、各舗装現場9の現場管理者12から修正の指示を受けたアスファルト混合物製造工場1の製造管理装置4では、製造・出荷スケジュールを更新すると共に、この更新した製造・出荷スケジュールに基づいて以降の製品の製造・出荷を実行していく。
【0033】
このように、本発明に係る携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法によれば、各舗装現場9の現場管理者12は、アスファルト混合物製造工場1側の製造管理装置4よりインターネット回線を介して手元の携帯端末14に製造・出荷スケジュールや当日の製造・出荷履歴等の各種情報を随時取り込んで携帯画面にて直接参照することができると共に、それらを参照しつつ現場の工事進捗状況等に応じ、手元の携帯端末14からアスファルト混合物製造工場1の現時点乃至以降の製造・出荷状況に即した製造・出荷スケジュールの修正指示を直接行え、従来携帯電話等の音声連絡等にて行っていた煩雑な調整方法と比較して現場管理者12の負担を軽減することが可能となるだけでなく、現場管理者12自らが画面を見ながら直接操作することで誤指示を防止できる。
【符号の説明】
【0034】
1…アスファルト混合物製造工場 2…アスファルトプラント本体
3…操作盤 4…製造管理装置
9…アスファルト舗装現場 10…搬送車両
12…現場管理者 13…インターネット回線
14…携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト混合物を製造するアスファルトプラントの操作盤に製品の製造・出荷を指示する製造管理装置を接続し、該製造管理装置には出荷先である各舗装現場に対する製品の製造量や出荷時間等の製造・出荷スケジュールを予め設定登録しておく一方、各舗装現場の現場管理者には前記製造管理装置とインターネット回線を介して相互通信可能な携帯端末を携帯させておき、各舗装現場にて舗装工事を行うときには各舗装現場の現場管理者は製造管理装置より製造・出荷スケジュールを携帯端末に随時取り込んで携帯端末の画面上に表示させ、各自が管理する舗装現場に対する製造・出荷スケジュールを参照しつつ、舗装工事の進捗状況に応じて携帯端末より製造管理装置に製造・出荷スケジュールの修正を指示し、修正の指示を受けた製造管理装置では製造・出荷スケジュールを更新すると共に、更新した製造・出荷スケジュールに基づいて以降の製品の製造・出荷を行うようにしたことを特徴とする携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法。
【請求項2】
請求項1記載の携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法において、前記製造管理装置には当日の製造・出荷履歴を記憶格納させ、各舗装現場にて舗装工事を行うときには各舗装現場の現場管理者は製造管理装置より製造・出荷スケジュールと共に製造・出荷履歴を携帯端末に随時取り込んで携帯端末の画面上に表示させ、全ての舗装現場に対する製造・出荷スケジュールと製造・出荷履歴とを参照しつつ、舗装工事の進捗状況に応じて携帯端末より製造管理装置に製造・出荷スケジュールの修正を指示するようにしたことを特徴とする携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法において、前記製造管理装置にはプラントにおける製品の単位時間あたりの製造・出荷能力を予め設定登録しておき、舗装現場の現場管理者より指示された修正製造・出荷スケジュールが前記単位時間あたりの製造・出荷能力を上回る場合には、製造管理装置より現場管理者の携帯端末に警告情報を送信するようにしたことを特徴とする携帯端末を利用したアスファルト舗装現場への製品の製造・出荷スケジュール調整方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−45170(P2013−45170A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180687(P2011−180687)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【出願人】(000226493)日工電子工業株式会社 (3)