説明

携帯端末及び携帯端末におけるメール表示規制方法

【課題】携帯端末に多大な処理の負担をかけることなく受信メールまたは送信メールの表示規制をかける。
【解決手段】アドレス抽出部104にて送信メールまたは受信メールから抽出されたメールアドレスと表示規制アドレス記憶部105に予め設定された表示が規制される表示規制対象の電子メールのメールアドレスとが表示規制判断部106にて比較され、その比較結果に基づいた、当該電子メールが表示規制対象の電子メールであるか否かを示す表示規制情報が、当該電子メールと対応付けられて記憶され、記憶された表示規制情報に対応付けられた電子メールを表示部111に表示するか否かが表示制御部110にて制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール表示機能を有する携帯端末及び携帯端末におけるメール表示規制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子メール(以下、メールと称する)機能付きの携帯端末が急速に普及してきている。それに伴い、その携帯端末にて受信されたメール、または携帯端末から送信されたメールの内容を、無許可で他人に見られてしまうという虞が出てきている。
【0003】
そこで、受信されたメール、または送信されたメールの内容等の個人情報を他人が閲覧できないように表示規制するために、様々な技術が考えられている。
【0004】
例えば、メールが受信された際、当該メールの送信元のメールアドレスや電話番号等が、予め設定されたメールアドレスや電話番号等であるかどうかを判断し、予め設定されたメールアドレスや電話番号等であると判断された場合には、当該メールを表示せず(規制し)、予め決められた所定キーが入力された後に、当該メール情報を表示する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、送信者が送信メールを他人に閲覧されたくない場合、送信されるメールにパスワードを付加して送信し、受信者が所持する携帯端末にて当該メールが受信された際に受信メール一覧表示を行うと共にパスワードの入力を要求する。入力されたパスワードとメールに付加されたパスワードとの照合を行い、一致した場合、選択された一つのメール内容を表示する技術が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、受信メールを表示させたくない当該受信メールの受信(送信元)メールアドレス、または送信メールを表示させたくない当該送信メールの送信(送信先)メールアドレスを、当該携帯端末に保存されている受信メール一覧、または送信メール一覧の中から設定し、当該携帯端末に保存されている受信メールまたは送信メールのうち、設定された受信メールアドレスを持つ受信メールまたは送信メールアドレスを持つ送信メールを表示させない技術が考えられている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平11−308360号公報
【特許文献2】特開2003−196218号公報
【特許文献3】特開2002−373140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、メールの表示規制を解除するために、当該メールに対して1件毎にパスワードを入力しなければならないため、利用者がメールを閲覧するときに、非常に手間がかかってしまうという問題点がある。
【0008】
また、特許文献2に記載された技術においては、メールの表示規制を解除するために、送信者と受信者との間にて、共通のパスワードを予め設定しておかなくてはならないという問題点がある。
【0009】
さらに、特許文献3に記載の技術においては、表示させたくないメール、つまり表示規制の対象となるメールを、保存されている受信メールまたは送信メールから検索する処理が必要となってしまうという問題点がある。
【0010】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、携帯端末に多大な処理の負担をかけることなく受信メールまたは送信メールの表示規制をかけることができる携帯端末及び携帯端末におけるメール表示規制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、
電子メールを表示する機能を有する携帯端末であって、
送信または受信された電子メールからメールアドレスを抽出するアドレス抽出手段と、
表示が規制される表示規制対象の電子メールのメールアドレスを予め記憶する表示規制アドレス記憶手段と、
前記アドレス抽出手段にて抽出されたメールアドレスと前記表示規制アドレス記憶手段にて記憶されているメールアドレスとを比較し、その比較結果に基づいた、前記電子メールが表示規制対象の電子メールであるか否かを示す情報である表示規制情報と前記電子メールとを対応付ける表示規制判断手段と、
前記表示規制判断手段にて対応付けられた前記電子メールと前記表示規制情報との対応付けを記憶するメール記憶手段と、
前記表示規制情報に基づいて、該表示規制情報と対応付けられた電子メールを表示するか否かを制御する表示制御手段とを有する。
【0012】
また、前記電子メールの表示規制を解除するパスワードを予め記憶するパスワード記憶手段と、
入力されたパスワードと、前記パスワード記憶手段に記憶されているパスワードとを比較する表示規制パスワード判断手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記表示規制パスワード判断手段にて、入力されたパスワードと、前記パスワード記憶手段に記憶されているパスワードとが一致した場合、前記表示が規制された電子メールの表示の規制を解除することを特徴とする。
【0013】
また、前記表示規制情報は、1ビットの情報であることを特徴とする携帯端末。
【0014】
また、前記表示制御手段は、前記表示規制判断手段における前記受信された電子メールから抽出されたメールアドレスと前記表示規制アドレス記憶手段にて記憶されているメールアドレスとの比較結果が一致である場合、表示規制の対象であるメールが受信された旨を示す情報を表示する制御を行い、また、前記比較結果が不一致である場合、表示規制の対象でないメールが受信された旨を示す情報を表示する制御を行うことを特徴とする。
【0015】
また、電子メールを表示する機能を有する携帯端末におけるメール表示規制方法であって、
送信または受信された電子メールからメールアドレスを抽出する処理と、
前記抽出されたメールアドレスと予め記憶されているメールアドレスとを比較する処理と、
前記比較の結果に基づいた、前記電子メールが表示規制対象の電子メールであるか否かを示す情報である表示規制情報と前記電子メールとを対応付ける処理と、
前記表示規制情報に基づいて、該表示規制情報と対応付けられた電子メールを表示するか否かを制御する処理とを有する。
【0016】
また、入力されたパスワードと、予め記憶されているパスワードとを比較する処理と、
前記入力されたパスワードと、前記記憶されているパスワードとが一致した場合、前記表示が規制された電子メールの表示の規制を解除する処理とを有することを特徴とする。
【0017】
また、前記電子メールが受信されたとき、前記比較の結果が一致である場合、表示規制の対象であるメールが受信された旨を示す情報を表示する処理と、
前記電子メールが受信されたとき、前記比較の結果が不一致である場合、表示規制の対象でないメールが受信された旨を示す情報を表示する処理とを有することを特徴とする。
【0018】
上記のように構成された本発明においては、アドレス抽出手段にて送信メールまたは受信メールから抽出されたメールアドレスと表示規制アドレス記憶手段に予め設定された表示が規制される表示規制対象の電子メールのメールアドレスとが表示規制判断手段にて比較され、その比較結果に基づいた、当該電子メールが表示規制対象の電子メールであるか否かを示す表示規制情報が、当該電子メールと対応付けられて記憶され、記憶された表示規制情報に対応付けられた電子メールを表示するか否かが表示制御手段にて制御される。
【0019】
これにより、当該電子メールを表示するか否かを判断するには表示規制情報のみを参照すれば良い。また、表示規制が設定された後、電子メールが送信または受信された時点で、当該電子メールが表示規制対象の電子メールかどうかが判断され、その結果と共にメール記憶手段に記憶されるため、すでに記憶されている送信メールまたは受信メールを検索する必要はない。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明においては、アドレス抽出手段にて送信メールまたは受信メールから抽出されたメールアドレスと表示規制アドレス記憶手段に予め設定された表示が規制される表示規制対象の電子メールのメールアドレスとを表示規制判断手段が比較し、その比較結果に基づいた、当該電子メールが表示規制対象の電子メールであるか否かを示す表示規制情報を、当該電子メールと対応付けて記憶し、記憶された表示規制情報に対応付けられた電子メールを表示するか否かを表示制御手段が制御する構成としたため、携帯端末に多大な処理の負担をかけることなく受信メールまたは送信メールの表示規制をかけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の携帯端末の実施の一形態を示す図である。
【0023】
本形態は図1に示すように、アンテナ101と、無線部102と、ベースバンド処理部103と、アドレス抽出部104と、表示規制アドレス記憶部105と、表示規制判断部106と、メール振り分け部107と、送信メール記憶部108と、受信メール記憶部109と、表示制御部110と、表示部111と、入力部112と、パスワード記憶部113と、表示規制パスワード判断部114とから構成されている。ここで、図1において示した構成要素は、本発明に関わる構成要素のみを示した。
【0024】
アンテナ101は、通話やメールにて使用される電波を発信及び受信する。無線部102は、アンテナ101にて受信された電波であるRF信号を周波数変換やA/D(アナログ−デジタル)変換等を行って、ベースバンド処理部103へ出力する。また、ベースバンド処理部103にて処理された信号についてD/A(デジタル−アナログ)変換、帯域制限、増幅、周波数変換を行って、RF信号をアンテナ101へ出力する。ベースバンド処理部103は、無線部102から出力された信号、または無線部102へ出力する信号について、通常のベースバンド処理を行う。アドレス抽出部104は、当該携帯端末から送信される送信メールから当該送信メールの送信先である送信メールアドレス、または当該携帯端末にて受信された受信メールから当該受信メールの発信元である受信メールアドレスを抽出する。表示規制アドレス記憶部105は、表示規制するメールのメールアドレスを記憶する。表示規制アドレス記憶部105に記憶されるメールアドレスは、利用者によって入力部112から予め設定される。表示規制判断部106は、アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスと表示規制アドレス記憶部105に設定されたメールアドレスとを比較して、当該メールアドレスが抽出された送信メールまたは受信メールの表示を規制、つまりシークレット状態にするかどうかを判断する。メール振り分け部107は、当該携帯端末から送信されたメールを送信メール記憶部105へ、また当該携帯端末にて受信されたメールを受信メール記憶部106へ振り分ける。送信メール記憶部108は、メール振り分け部107によって振り分けられた送信メールを記憶する。受信メール記憶部109は、メール振り分け部107によって振り分けられた受信メールを記憶する。表示制御部110は、表示部111に表示する内容を制御する。表示部111は、送信メールアドレスや受信メールアドレスを含む情報を表示する一般的なディスプレイである。ここでは、表示制御部110は、送信メール記憶部108に記憶された送信メールのうち、表示が規制されていない送信メール、及び受信メール記憶部109に記憶された受信メールのうち、表示が規制されていない受信メールが表示部111に表示されるように制御を行う。入力部112は、利用者によって情報が入力されるキーボード等の入力手段である。パスワード記憶部113は、表示が規制された送信メールまたは受信メールの表示の規制を解除するためのパスワードを記憶する。パスワード記憶部113に記憶されるパスワードは、利用者によって入力部112から予め設定される。表示規制パスワード判断部114は、入力部112から入力されたパスワードとパスワード記憶部113に記憶されたパスワードとを比較して、表示規制を解除するかどうかを判断する。
【0025】
以下に、上記のように構成された携帯端末におけるメール表示規制方法について説明する。
【0026】
図2は、図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、送信メールの表示の規制を設定する方法を説明するためのフローチャートである。
【0027】
携帯端末からメールが送信されると(ステップS1)、当該送信メールの宛て先である送信メールアドレスがアドレス抽出部104にて抽出される(ステップS2)。
【0028】
アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスが、表示規制判断部106にて表示規制対象のメールアドレスかどうかが判断される(ステップS3)。具体的には、表示規制アドレス記憶部105に予め設定されたメールアドレスとアドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスとが比較され、それらが一致した場合、アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスは、表示規制対象のメールアドレスであると判断されることとなる。また、表示規制アドレス記憶部105に予め設定されたメールアドレスとアドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスとが比較され、それらが不一致である場合は、アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスは、表示規制対象のメールアドレスではないと判断されることとなる。
【0029】
アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスが、表示規制判断部106にて表示規制対象のメールアドレスであることが、ステップS3にて判断された場合、フラグに「1」が設定される(ステップS4)。このフラグは、本メールが表示規制対象のメールであるかを示す表示規制情報として、当該メールアドレスの情報に付加される1ビットの情報である。
【0030】
一方、アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスが、表示規制判断部106にて表示規制対象のメールアドレスではないことが、ステップS3にて判断された場合、フラグに「0」が設定される(ステップS5)。
【0031】
そして、これらのメールアドレスを有する送信メールが、メール振り分け部107にて送信メールに振り分けられ、ステップS4及びステップS5にて設定されたフラグに対応付けられて送信メール記憶部108に記憶される(ステップS6)。
【0032】
図3は、送信メール記憶部108に記憶された、送信メールと送信メールそれぞれに設定されたフラグとの対応付けを示す図である。
【0033】
図3に示すように、送信メール記憶部108には、送信メールの内容である、メールアドレス、本文、及び添付ファイルが記憶されており、ステップS4またはステップS5にてそれぞれ設定されたフラグが対応付けられて記憶されている。
【0034】
例えば、ab@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールには、フラグ「0」が対応付けられて記憶されている。つまり、ab@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールは、表示規制対象外であることが示されている。また、bc@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールには、フラグ「0」が対応付けられて記憶されている。つまり、bc@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールは、表示規制対象外であることが示されている。また、cd@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールには、フラグ「0」が対応付けられて記憶されている。つまり、cd@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールは、表示規制対象外であることが示されている。また、de@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールには、フラグ「0」が対応付けられて記憶されている。つまり、de@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールは、表示規制対象外であることが示されている。また、ef@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールには、フラグ「0」が対応付けられて記憶されている。つまり、ef@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールは、表示規制対象外であることが示されている。また、fg@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールには、フラグ「0」が対応付けられて記憶されている。つまり、fg@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールは、表示規制対象外であることが示されている。また、vb@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールには、フラグ「1」が対応付けられて記憶されている。つまり、vb@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールは、表示規制対象のメールであることが示されている。また、yy@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールには、フラグ「1」が対応付けられて記憶されている。つまり、yy@xxx.xxが送信メールアドレスである送信メールは、表示規制対象のメールであることが示されている。
【0035】
図4は、図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、受信メールの表示の規制を設定する方法を説明するためのフローチャートである。
【0036】
携帯端末にてメールが受信されると(ステップS11)、アンテナ101、無線部102、及びベースバンド処理部103を介して受信された当該受信メールの発信元である受信メールアドレスがアドレス抽出部104にて抽出される(ステップS12)。
【0037】
アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスが、表示規制判断部106にて表示規制対象のメールアドレスかどうかが判断される(ステップS13)。具体的には、表示規制アドレス記憶部105に予め設定されたメールアドレスとアドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスとが比較され、それらが一致した場合、アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスは、表示規制対象のメールアドレスであると判断されることとなる。また、表示規制アドレス記憶部105に予め設定されたメールアドレスとアドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスとが比較され、それらが不一致である場合は、アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスは、表示規制対象のメールアドレスではないと判断されることとなる。
【0038】
アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスが、表示規制判断部106にて表示規制対象のメールアドレスであることが、ステップS13にて判断された場合、フラグに「1」が設定される(ステップS14)。このフラグは、送信メールの場合と同様に、当該メールアドレスの情報に付加される1ビットの情報である。
【0039】
一方、アドレス抽出部104にて抽出されたメールアドレスが、表示規制判断部106にて表示規制対象のメールアドレスではないことが、ステップS13にて判断された場合、フラグに「0」が設定される(ステップS15)。
【0040】
またこのとき、メールが受信された旨を示す情報が表示部111に表示されるものであっても良い。
【0041】
図5は、本発明の携帯端末にてメールが受信された旨を示す情報が表示された表示部111の一例を示す図である。
【0042】
図5に示すように、携帯端末にて受信されたメールの受信メールアドレスが表示規制対象のメールアドレスではない場合、表示規制の対象でないメールが受信された旨を示す情報である「通常Mail」のアイコンが表示される。また、携帯端末にて受信されたメールの受信メールアドレスが表示規制対象のメールアドレスである場合は、表示規制の対象であるメールが受信された旨を示す情報である「規制Mail」のアイコンが表示される。
【0043】
そして、これらのメールアドレスを有する受信メールが、メール振り分け部107にて受信メールに振り分けられ、ステップS14及びステップS15にて設定されたフラグに対応付けられて受信メール記憶部109に記憶される(ステップS16)。
【0044】
受信メール記憶部108に記憶される、受信メールと受信メールそれぞれに設定されたフラグとの対応付けは、図3に示した送信メールの場合と同様である。
【0045】
次に、図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、送信メールの表示を規制する方法について説明する。
【0046】
図6は、図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、送信メールの表示を規制する方法を説明するためのフローチャートである。
【0047】
まず、携帯端末の利用者によって携帯端末の表示部111に送信メール一覧の表示が指示されると(ステップS21)、表示制御部110にて、送信メール記憶部108から、記憶されている送信メールが1つ抽出される(ステップS22)。利用者による送信メール一覧の表示指示は、表示部111に表示されたメニューの中から利用者によって送信メール一覧表示が選択されるものである。そして、抽出された送信メールに対応付けられたフラグが「1」であるか「0」であるかが判断される(ステップS23)。
【0048】
表示制御部110にて、フラグが「1」であると判断された場合、表示制御部110によって当該送信メールは表示部111に表示されない(ステップS24)。ここで、送信メール一覧を示すリストに当該送信メールが表示されないものであっても良い。
【0049】
一方、表示制御部110にて、フラグが「0」であると判断された場合は、表示制御部110によって当該送信メールは表示部111に表示される(ステップS25)。ここで、送信メール一覧を示すリストに当該送信メールが表示されるものであっても良い。
【0050】
その後、送信メール記憶部108にステップS23のフラグの判断が行われていない送信メールがあるかどうかが判断され(ステップS26)、送信メール記憶部108にステップS23のフラグの判断が行われていない送信メールがなくなるまで、ステップS22〜25の処理が繰り返し行われる。
【0051】
これにより、フラグが「0」である送信メール、つまり表示規制対象ではない送信メールのみが表示部111に表示されることとなる。
【0052】
図7は、図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、受信メールの表示を規制する方法を説明するためのフローチャートである。
【0053】
まず、携帯端末の利用者によって携帯端末の表示部111に受信メール一覧の表示が指示されると(ステップS31)、表示制御部110にて、受信メール記憶部109から、記憶されている受信メールが1つ抽出される(ステップS32)。利用者による受信メール一覧の表示指示は、表示部111に表示されたメニューの中から利用者によって受信メール一覧表示が選択されるものである。そして、抽出された受信メールに対応付けられたフラグが「1」であるか「0」であるかが判断される(ステップS33)。
【0054】
表示制御部110にて、フラグが「1」であると判断された場合、表示制御部110によって当該受信メールは表示部111に表示されない(ステップS34)。ここで、受信メール一覧を示すリストに当該受信メールが表示されないものであっても良い。
【0055】
一方、表示制御部110にて、フラグが「0」であると判断された場合は、表示制御部110によって当該受信メールは表示部111に表示される(ステップS35)。ここで、受信メール一覧を示すリストに当該受信メールが表示されるものであっても良い。
【0056】
その後、受信メール記憶部109にステップS33のフラグの判断が行われていない受信メールがあるかどうかが判断され(ステップS36)、受信メール記憶部109にステップS33のフラグの判断が行われていない受信メールがなくなるまで、ステップS32〜35の処理が繰り返し行われる。
【0057】
これにより、フラグが「0」である受信メール、つまり表示規制対象ではない受信メールのみが表示部111に表示されることとなる。
【0058】
次に、図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、送信メールまたは受信メールの表示の規制を解除する方法について説明する。
【0059】
図8は、図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、送信メールまたは受信メールの表示の規制を解除する方法を説明するためのフローチャートである。
【0060】
利用者によって、入力部112からパスワードが入力されると(ステップS41)、入力されたパスワードとパスワード記憶部113に予め記憶されているパスワードとが、表示規制パスワード判断部114にて比較される(ステップS42)。
【0061】
入力部112から入力されたパスワードとパスワード記憶部113に予め記憶されているパスワードとが一致しないと判断された場合、処理は終了する。
【0062】
一方、入力部112から入力されたパスワードとパスワード記憶部113に予め記憶されているパスワードとが一致したと判断された場合は、表示規制パスワード判断部114によって、送信メール記憶部108及び受信メール記憶部109に記憶されている送信メール及び受信メールのフラグが「0」に書き換えられる(ステップS43)。
【0063】
これにより、フラグが「1」であることにより表示規制されていた送信メール及び受信メールが表示部111に表示されることとなる。
【0064】
ここで、入力部112から入力されたパスワードとパスワード記憶部113に予め記憶されているパスワードとが一致したと判断された場合、表示規制パスワード判断部114によって、送信メール記憶部108及び受信メール記憶部109に記憶されている送信メール及び受信メールのフラグが「0」に書き換えられるのではなく、図6にて説明したステップS23及び図7にて説明したステップS33のフラグを判断する処理を行わずに、図6にて説明したステップS24及び図7にて説明したステップS34の処理をすべての送信メール及び受信メールに対して行うものであっても良い。この場合、ステップS42にて、入力部112から入力されたパスワードとパスワード記憶部113に予め記憶されているパスワードとが一致したと判断された後、図6にて説明したステップS21の送信メール一覧表示指示、または図7にて説明したステップS31の受信メール一覧表示指示が行われる初回だけ、フラグが「1」であることにより表示規制されていた送信メール及び受信メールが他の規制対象外の送信メール及び受信メールとともに表示部111に表示されるものであっても良いし、初回だけではなく、所定の回数や、所定の時間において、表示されるものであっても良い。
【0065】
ここで、表示規制を解除するためのパスワードは、送信メールと受信メールとで別個に設定されるものであっても良いし、さらにメールアドレス毎にそれぞれのパスワードが設定されるものであってもかまわない。
【0066】
図9は、表示規制された状態での表示部111の受信メール一覧の表示と表示規制が解除された状態での表示部111の受信メール一覧の表示とを示す図である。
【0067】
図9の左図に示すように、表示規制された状態では、表示規制されたメールアドレスが受信メール一覧に表示されない。
【0068】
その後、「Menu」キーから表示規制解除を選択し、パスワードを入力すると、図9の右図に示すように、表示規制されていたメールアドレスであるvb@xxx.xx、及びyy@xxx.xxが表示される。
【0069】
以上説明したように本発明においては、送信または受信されたメールが表示規制されたメールアドレスを有するメールであると判断された場合、表示規制されたメールである旨を示すフラグと共に送信メール記憶部108または受信メール記憶部109に記憶されるため、表示部111に表示するか否かを判断するにはフラグのみを参照すれば良い。また、表示規制が設定された後、メールが送信または受信された時点で、当該メールが表示規制対象のメールかどうかが判断され、その結果と共に送信メール記憶部108または受信メール記憶部109に記憶されるため、すでに記憶されている送信メールまたは受信メールを検索する必要はない。
【0070】
なお、以上説明した表示の規制とは、メールを表示させないように制御するものである。これは、メール全体を表示させないように制御するものであっても良いし、メールアドレスだけを表示してメールアドレス以外の件名や本文等を表示させないように制御するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の携帯端末の実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、送信メールの表示の規制を設定する方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】送信メール記憶部に記憶された、送信メールと送信メールそれぞれに設定されたフラグとの対応付けを示す図である。
【図4】図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、受信メールの表示の規制を設定する方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の携帯端末にてメールが受信された旨を示す情報が表示された表示部の一例を示す図である。
【図6】図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、送信メールの表示を規制する方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、受信メールの表示を規制する方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に示した携帯端末におけるメール表示規制方法のうち、送信メールまたは受信メールの表示の規制を解除する方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】表示規制された状態での表示部の受信メール一覧の表示と表示規制が解除された状態での表示部の受信メール一覧の表示とを示す図である。
【符号の説明】
【0072】
101 アンテナ
102 無線部
103 ベースバンド処理部
104 アドレス抽出部
105 表示規制アドレス記憶部
106 表示規制判断部
107 メール振り分け部
108 送信メール記憶部
109 受信メール記憶部
110 表示制御部
111 表示部
112 入力部
113 パスワード記憶部
114 表示規制パスワード判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールを表示する機能を有する携帯端末であって、
送信または受信された電子メールからメールアドレスを抽出するアドレス抽出手段と、
表示が規制される表示規制対象の電子メールのメールアドレスを予め記憶する表示規制アドレス記憶手段と、
前記アドレス抽出手段にて抽出されたメールアドレスと前記表示規制アドレス記憶手段にて記憶されているメールアドレスとを比較し、その比較結果に基づいた、前記電子メールが表示規制対象の電子メールであるか否かを示す情報である表示規制情報と前記電子メールとを対応付ける表示規制判断手段と、
前記表示規制判断手段にて対応付けられた前記電子メールと前記表示規制情報との対応付けを記憶するメール記憶手段と、
前記表示規制情報に基づいて、該表示規制情報と対応付けられた電子メールを表示するか否かを制御する表示制御手段とを有する携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記電子メールの表示規制を解除するパスワードを予め記憶するパスワード記憶手段と、
入力されたパスワードと、前記パスワード記憶手段に記憶されているパスワードとを比較する表示規制パスワード判断手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記表示規制パスワード判断手段にて、入力されたパスワードと、前記パスワード記憶手段に記憶されているパスワードとが一致した場合、前記表示が規制された電子メールの表示の規制を解除することを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記表示規制情報は、1ビットの情報であることを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末において、
前記表示制御手段は、前記表示規制判断手段における前記受信された電子メールから抽出されたメールアドレスと前記表示規制アドレス記憶手段にて記憶されているメールアドレスとの比較結果が一致である場合、表示規制の対象であるメールが受信された旨を示す情報を表示する制御を行い、また、前記比較結果が不一致である場合、表示規制の対象でないメールが受信された旨を示す情報を表示する制御を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
電子メールを表示する機能を有する携帯端末におけるメール表示規制方法であって、
送信または受信された電子メールからメールアドレスを抽出する処理と、
前記抽出されたメールアドレスと予め記憶されているメールアドレスとを比較する処理と、
前記比較の結果に基づいた、前記電子メールが表示規制対象の電子メールであるか否かを示す情報である表示規制情報と前記電子メールとを対応付ける処理と、
前記表示規制情報に基づいて、該表示規制情報と対応付けられた電子メールを表示するか否かを制御する処理とを有するメール表示規制方法。
【請求項6】
請求項5に記載のメール表示規制方法において、
入力されたパスワードと、予め記憶されているパスワードとを比較する処理と、
前記入力されたパスワードと、前記記憶されているパスワードとが一致した場合、前記表示が規制された電子メールの表示の規制を解除する処理とを有することを特徴とするメール表示規制方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のメール表示規制方法において、
前記電子メールが受信されたとき、前記比較の結果が一致である場合、表示規制の対象であるメールが受信された旨を示す情報を表示する処理と、
前記電子メールが受信されたとき、前記比較の結果が不一致である場合、表示規制の対象でないメールが受信された旨を示す情報を表示する処理とを有することを特徴とするメール表示規制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−59441(P2008−59441A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237657(P2006−237657)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】