説明

携帯端末及び携帯端末のガタツキ防止機構

【課題】 ガタツキを防止可能な構造の回転式携帯端末を提供すること。
【解決手段】携帯端末200は第1の筐体6、第1の筐体6の正面側へその背面が重ねられている第2の筐体7、第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられ、第1の筐体6と第2の筐体7を回転可能に連結し、かつ所定の角度に保持する回転ユニットa、および第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられたガタツキ防止機構100とを有しており、ガタツキ防止機構100は、所定の角度で第2の筐体7を押圧して傾斜させ、一部を第1の筐体6に接触させることによりガタツキを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を有する表示側筐体を、操作部を有する操作側筐体に対して摺動しつつ回転するように取り付ける(直接的に取り付ける場合のみでなく、他の独立した部材を介して間接的に取り付ける場合も含まれる。)ための回転ユニットを有する携帯端末、および当該携帯端末を回転させた際のガタツキ防止機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PDA、ノートパソコン等の電子機器では、表示側筐体を操作側筐体に対してヒンジ部を介して折畳み可能に連結したものや、縦長の操作側筐体と表示側筐体とを重なる状態で長さ方向に沿ってスライド可能に連結したものが使用されている。
【0003】
そして、多くの場合表示側筐体は縦長又は横長であり、このように縦長又は横長に表示姿勢を固定すると、種々の異なった用途で使用するときに使い勝手が悪いと言った問題がある。
【0004】
前記のような課題を解決するため、縦長の操作側筐体と表示側筐体とを相対的にスライド回転するように連結する回転連結機構を備えたものが提案されている。
【0005】
前記回転連結機構は、表示側筐体が操作側筐体を覆って閉じた状態と、表示側筐体が操作側筐体の操作部を露出するとともに操作側筐体の長さ方向中心線に対して対称となる開いた状態との、いずれか一方の状態から他方の状態へ回転操作により移行できるように構成されている(後記特許文献1参照)。
【0006】
また、ともに縦長の操作側筐体と表示側筐体とを、ヒンジ部とスライド回転部とを含む連結機構によって折畳み可能に連結し、通常はヒンジ部を利用して開閉操作をして使用し、必要な場合にはスライド回転部により表示側筐体を90度回転させ、その表示姿勢を縦長姿勢と横長姿勢とに選択変換して使用できるように構成した携帯端末が提案されている(後記特許文献2の図1〜図7参照。)。
【0007】
しかし、前記特許文献1の携帯端末における回転連結機構は、一方の状態から他方の状態へ回転操作により移行させたときは、縦長の表示側筐体が同様な操作側筐体の正面へ重なった状態で横長の表示姿勢に移行し、あるいは、その逆に横長の表示姿勢から縦長で操作側筐体へ重なった姿勢に移行するのみである。
【0008】
従って、操作側筐体の操作部が露出するのは表示側筐体が横長姿勢に移行したときのみであり、表示側筐体が縦長の表示姿勢では操作側筐体の操作部は常に表示側筐体により覆われて遮蔽されているので、例えば携帯端末を電話機として使用する場合にはかえって使い勝手が悪いという問題があった。
【0009】
さらに、近年、携帯電話機において、ワンセグ、フルブラウザ等、横大画面操作が必要な機能が搭載されている。
【0010】
そのため、表示側筐体が操作側筐体を全面覆っている「閉じた状態」、表示側筐体の一部が操作側筐体の一部と長さ方向に沿って重なって縦長姿勢になった「開いた状態」に加え、表示側筐体が90度回転して横画面で閲覧できる「T字形状の状態」を実現した操作性の良い回転ユニットが望まれている。
【0011】
そこで、上記した3つの状態を片手で簡易に操作できる回転ユニットが提案されている(特許文献3)。
【0012】
具体的には、特許文献3の回転ユニット(摺動・回転取付ユニット)は、ベース板が操作側筐体の表面に固定され、可動板が表示側筐体の裏面に固定されている。可動板にカシメ固定された固定軸はベース板のガイドスリットを貫通してベース板と可動板を摺動可能に抜け止めしている。可動板はベース板にカシメ固定された2本の軸ピンが中心軸となって回転し、固定軸がガイドスリットに沿って摺動することにより、上記の3種類の状態を形作ることが可能である。
【0013】
一方、上記のようにスライド機構や回転機構を設けた携帯電話は、筐体間にスライドや回転のためのユニットを設けていることから、ガタツキが生じやすい。
【0014】
このガタツキの原因は大きく2つに分けて「ユニットを構成するプレート間の隙間」と「筐体間の隙間」があるが、前者の隙間を小さくするとスライドや回転に悪影響があり、後者の隙間を小さくすると筐体同士の擦れ傷や塗装剥がれが発生する。
【0015】
そこで、スライド式の携帯電話において、筐体同士を引き離す方向に反発するバネを設けて一定のクリアランスを確保し、ガタツキを押さえる構造を設けた構造が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2006−019925号公報
【特許文献2】特開2004−215180号公報
【特許文献3】特願2008−093851号
【特許文献4】特開2007−295116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、特許文献4の構造は、一方向にのみ移動するスライド式の携帯端末のガタツキ防止機構であり、回転式の携帯端末においては、回転角度によらず、一定のクリアランスを保つのは困難であり、適用が困難であるという問題があった。
【0018】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、ガタツキを防止可能な構造の回転式携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記した課題を解決するため、本発明の第1の形態は、第1の筐体および第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体の間に設けられ、前記第1の筐体と前記第2の筐体を互いに相対回転可能に、かつ所定の回転角度で保持可能に連結する回転ユニットと、前記第1の筐体と前記第2の筐体の間に設けられ、前記所定の回転角度で保持された状態の前記第2の前記筐体を押圧して前記第1の前記筐体に対して傾斜させ、前記第2の前記筐体の、押圧した部分以外の部分を前記第1の筐体に接触させる押圧手段と、を有することを特徴とする携帯端末である。
【0020】
本発明の第2の形態は、互いに相対回転可能に、かつ所定の回転角度で保持可能に連結された第1の筐体および第2の筐体との間に設けられ、前記所定の回転角度で保持された状態の前記第2の筐体筐体を押圧して前記第1の筐体に対して傾斜させ、前記第2の筐体の、押圧した部分以外の部分を他方の前記第1の筐体に接触させる押圧手段を有することを特徴とする携帯端末のガタツキ防止機構である。
【0021】
本発明の第3の形態は、第1の形態に記載の携帯端末を用いたことを特徴とする携帯端末の姿勢変換方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ガタツキを防止可能な構造の回転式携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態に係る携帯端末200の分解斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る携帯端末200の分解斜視図である。
【図3】図3(a)は第1パッド103aの拡大斜視図であって、図3(b)は図3(a)を下側から見た斜視図である。
【図4】図2の第1パッド103a付近のA1−A1断面図であって、(a)は分解図、(b)は第1パッド103aが第1の筐体6に係合した状態を示す図である。
【図5】回転ユニットaを示す平面図である。
【図6】携帯端末200を示す平面図であって、(a)は第1の筐体6と第2の筐体7が重なった状態(第1の角度)、(b)は携帯端末200が全体として実質的にT字状を呈する状態(第2の角度)、(c)は第1の筐体6と第2の筐体7が縦型に連結された状態(第3の角度)をそれぞれ示している。
【図7】図6を第1の筐体6の長辺8a側から見た側面図である。
【図8】第2の実施形態に係る携帯端末201の分解斜視図である。
【図9】図8の第2パッド121b付近のA2−A2断面図であって、(a)は分解図、(b)は第2パッド121bを第1の筐体6に貼り付けた状態を示す図である。
【図10】第1の角度における携帯端末201を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のα―α断面図、(c)は(b)の第1パッド103b付近の拡大図、(d)は(b)の第3パッド123付近の拡大図である。
【図11】第2の角度における携帯端末201を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のβ―β断面図、(c)は(a)のγ―γ断面図、(d)は(b)の第1パッド103a、103b付近の拡大図、(e)は(c)の第2パッド121a、121b付近の拡大図である。
【図12】第3の角度における携帯端末201を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のδ―δ断面図、(c)は(a)の第1パッド103bおよび第2パッド121b付近の拡大図である。
【図13】携帯端末201における第2の筐体7の回転角度と第2の筐体7側の形状、クリアランス、荷重の関係を示す図である。
【図14】第3の実施形態に係る携帯端末202を示す図であって、(a)は第2の角度における平面図、(b)は(a)の第1パッド151a付近のε−ε断面図である。
【図15】第1パッド151aの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る携帯端末200の構成および動作の概略を説明する。
【0026】
図1に示すように、携帯端末200は縦長(平面形状が長方形)で、ボタン等の操作部6aを有する操作側筐体である第1の筐体6、正面に液晶等の表示部7aを有し、第1の筐体6の正面側へその背面が重ねられている縦長(平面形状が長方形)の表示側筐体である第2の筐体7、第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられ、第1の筐体6と第2の筐体7を回転可能に、かつ所定の角度で保持可能に連結する回転ユニットa、および第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられたガタツキ防止機構100とを有している。なお、回転ユニットaは、第1の筐体6の短辺8c側(第2の筐体7の短辺12c側)に設けられている。
【0027】
次に、上記構成要素のうち、回転ユニットaおよびガタツキ防止機構100の構造について図1〜図6を参照して説明する。
【0028】
まず、ガタツキ防止機構100の構造について、図1〜図4を参照して説明する。
【0029】
図1に示すように、ガタツキ防止機構100は第2の筐体7を押圧する押圧手段101a、101bを有している。
【0030】
図1では押圧手段101a、101bは第1の筐体6の短辺のうち、回転ユニットaが設けられている側の短辺である短辺8cと回転ユニットaの間に設けられており、より具体的には、短辺8cと長辺8a、8bの交差する角部に沿って設けられている。
【0031】
図2に示すように、押圧手段101a、101bは、第1パッド103a、103bおよび第1パッド103a、103bを押圧する、バネ105a、105bをそれぞれ有している。
【0032】
図3に示すように、第1パッド103aは、第2の筐体7と接触する山形(ドーム形)の第1部分107aと、第1部分107aの下部に設けられ、第1の筐体6と係合し、かつバネ105aと接触する筒状の第2部分107bとを有している。第2部分107bは、対向する側面の一部が突出した嵌合爪109aを有している。
【0033】
第1部分107aは第2の筐体7と接触する部分であるため、第2の筐体7側への擦れ跡を付きにくくするために摺動性に優れる樹脂で形成するのが望ましく、具体的にはPOM(PolyOxyMethylene)、エラストマーなどで形成するのが望ましい。また、形状は断面形状が山形(立体形状がドーム形)とするのが望ましい。
【0034】
一方、第2部分107bはバネ105aの反力による変形を防止し、第1の筐体6との係合を確保するため、剛性の優れた樹脂で形成するのが望ましく、具体的にはPC(ポリカーボネート)やABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂を用いるのが望ましい。
【0035】
なお、第1部分107aと第2部分107bとはそれぞれ摺動性に優れた樹脂と剛性に優れた樹脂との2色成形で製作することが望ましいが、POMの様な摺動性と剛性を備える材料を用いるのであれば2色成形にする必要はない。
【0036】
図4に示すように、第1パッド103aは第1の筐体6に係合される。
【0037】
より具体的に説明すると、図4(a)に示すように、第1の筐体6の、第1パッド103aが設けられる部分は、第1の空間6bを形成しており、第1の空間6bから第1の筐体6の表面に向けて貫通孔6cが形成されている。また、第1の空間6bの底面から貫通孔6cに向けて、バネ105aを保持するための突起6dが設けられている。
【0038】
貫通孔6cは、第1パッド103aの形状(ただし、嵌合爪109aの突出部分を除く)に対応した形状を有しているが、内径は嵌合爪109aの突出部間の距離よりも小さくなっている。
【0039】
ガタツキ防止機構100を第1の筐体6に設ける場合は、バネ105aを突起6dに挿入し、その上から第1パッド103aを、嵌合爪109aが第1の空間6b内に配置される位置まで貫通孔6cに挿入する。
【0040】
この状態では、図4(b)に示すように第1パッド103aは、バネ105aの伸縮に応じて上下動可能であるが(図4(b)の白矢印参照)、嵌合爪109aが第1の筐体6に係合されているため、その移動は制限を受ける。
【0041】
なお、第2パッド103bおよびバネ105bの形状および配置は第1パッド103a、およびバネ105aと同様であるため、説明を省略する。
【0042】
以上がガタツキ防止機構100の構造である。
【0043】
次に、回転ユニットaの構造について、図1、図5および図6を参照して説明する。
【0044】
図5に示すように、回転ユニットaは、所定距離離間した第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aが設けられたベース板1と、第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aとそれぞれ係合する第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20aが形成された可動板2とを具備し、ベース板1と可動板2は相対回動(回転)するように接合部分としての取付軸4により接合される。
【0045】
可動板2は、第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20aのうち、少なくとも一方が常に第1の軸ピン10または第2の軸ピン10aと係合するように構成されている。
【0046】
例えば、図5(a)においては、第1の軸ピン10と第1の鉤状部20とが係合して第2の軸ピン10aから第2の鉤状部20aが離脱した状態であるが、この状態から可動板2を90度右に回動させると図5(b)に示すように、第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20aと第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aが共に係合した状態になる。
【0047】
さらに、図5(b)の状態から可動板2を90度右に回動させると、図5(c)に示すように、第2の軸ピン10aと第2の鉤状部20aとが係合して第1の軸ピン10から第1の鉤状部20が離脱した状態になる。
【0048】
一方、ベース板1には、第1の軸ピン10を中心とした円弧と第2の軸ピン10aを中心とした円弧が第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aの間の中間位置で交わる形状のガイドスリット11が設けられている。
【0049】
他方、可動板2には、第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20aの中間位置に円形孔からなる図示しない取付部が設けられており、取付軸4は取付部へ固定されかつガイドスリット11内を抜け止め状態で摺動できるように構成されている。
【0050】
第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aの中間位置は第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aを結ぶ直線上の実質的な中点であり、第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20aの中間位置は当該第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20aを結ぶ直線上の実質的な中点である。
【0051】
なお、第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aの中間位置は必ずしも直線上の実質的な中点である必要はなく、第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aから互いに等距離な中間地点であってもよい。
【0052】
また、回転ユニットaは、可動板2の作動を付勢し、ガイドスリット11及びそれに沿って摺動する取付軸4とともに可動板2の作動を規制するため、図示しないばねが設けられている。
【0053】
ガイドスリット11には、第1の凹部11a、第2の凹部11b、第3の凹部11cが形成されている。
【0054】
第1の凹部11aは、第1の軸ピン10を中心とした円弧の一方の端部であり、かつ第2の軸ピン10aを中心とした円弧の一方の端部である。即ち、図5(b)で示すように、可動板2の第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20aが第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aとそれぞれ係合しているときに取付軸4が図示しないばねの付勢により案内される凹部である。
【0055】
第2の凹部11bは、第1の軸ピン10を中心とした円弧の他方の端部である。即ち、図5(a)で示すように、第1の軸ピン10と第1の鉤状部20とが係合して第2の軸ピン10aから第2の鉤状部20aが離脱したときに取付軸4が図示しないばねの付勢により案内される凹部である。
【0056】
第3の凹部11cは、第2の軸ピン10aを中心とした円弧の他方の端部である。即ち、図5(c)で示すように、第2の軸ピン10aと第2の鉤状部20aとが係合して第1の軸ピン10から第1の鉤状部20が離脱したときに取付軸4が図示しないばねの付勢により案内される凹部である。
【0057】
なお、ガイドスリット11は第1の凹部11aを中心として1/4円弧を2つ組み合せた「ほぼくの字状」となるように形成するのが好ましい。
【0058】
ガイドスリット11は、より具体的には、第1の軸ピン10を中心とした円弧と、第2の軸ピン10aを中心とした円弧が、第1の軸ピン10と第2の軸ピン10a相互の中間位置(すなわち第1の凹部11a)で交わったスリット形状に形成してある。
【0059】
なお、ガイドスリット11において、円弧が中間位置で交わった部分の一方の内周は前述のように第1の凹部11aを形成するが、他方の内周は凸状部11dを形成している。
【0060】
ただし、ガイドスリット11は、各円弧の半径が2つの第1の軸ピン10と第2の軸ピン10a間の距離よりも小さければ、前記形状のスリットに限定されない。
【0061】
ベース板1はステンレス板等の金属板をプレス加工したものであり、図示しないねじ等により第1の筐体6へ取り付けられる。
【0062】
可動板2もステンレス板等の金属板をプレス加工したものであり、図示しないねじ等により第2の筐体7へ取り付けられる。
【0063】
なお、回転ユニットaは、図6(a)に示すように第1の筐体6と第2の筐体7が重なり合った状態で、図5(a)に示す形態となるように、第1の筐体6および第2の筐体7に設けられている。
【0064】
より具体的に説明すると、ベース板1は、第1の凹部11a、第2の凹部11b、第3の凹部11cがそれぞれ第1の筐体6の長辺8a、短辺8d、短辺8cと対向するように第1の筐体6に取り付けられており(図1参照)、可動板2は、第1の筐体6と第2の筐体7が重なり合った状態で、第1の軸ピン10と第1の鉤状部20とが係合して第2の軸ピン10aから第2の鉤状部20aが離脱し、取付軸4が第2の凹部11bに案内された状態となるように第2の筐体7に取り付けられている。
【0065】
なお、図示しないばねにはトーションばねが使用されており、その可動側アームのカール部を取付軸4へ係合させる一方、その固定側アームのカール部をベース板1の背面側へ一体にプレス成形した鍔付きの図示しない軸部へ係合ないし係止している。
【0066】
回転ユニットaは、構成上、ベース板1における第1及び第2の(一対の)第1の軸ピン10と第2の軸ピン10a相互の間隔と可動板2における第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20aの中心相互の間隔は等しく、可動板2の背面における取付軸4は第1の鉤状部20及び第2の鉤状部20a相互の中間位置にあるから、ガイドスリット11における第1の凹部11aの中心は第1の軸ピン10と第2の軸ピン10a相互の中間に位置している。
【0067】
第1の軸ピン10及び第2の軸ピン10aと第1の凹部11aとの間隔、第1の軸ピン10と第2の凹部11bとの間隔、及び第2の軸ピン10aと第3の凹部11cとの間隔はそれぞれ等しく、第1の凹部11aと第2の凹部11b及び第3の凹部11cとの間の距離も等しい。
【0068】
以上が回転ユニットaの構造である。
【0069】
次に、回転ユニットaを用いて第2の筐体7を第1の筐体6に対して相対回転させた場合のガタツキ防止機構100の動作について、図5〜図7を参照して説明する。
【0070】
図6および図7に示すように、携帯端末200は、回転ユニットaを用いて第2の筐体7を第1の筐体6に対して相対回転させることにより、以下の3つの状態に第2の筐体7を保持することができる。
【0071】
(1)第1の筐体6と第2の筐体7が重なり合った状態(第1の角度、0度)。
(2)第1の角度から第2の筐体7を右に90度回転させた状態であって、携帯端末200が全体として実質的にT字状を呈する状態(第2の角度、90度)。
(3)第1の角度から第2の筐体7を右に180度回転させた状態であって、第1の筐体6と第2の筐体7が縦型に連結された状態(第3の角度、180度)。
【0072】
以下に、各状態について詳細に説明する。
【0073】
[第1の角度]
図6(a)および図7(a)に示すように、第1の角度は第1の筐体6と第2の筐体7が重なり合った状態、より正確には重なり合う部分の面積が最も大きい状態であり、第1の筐体6の操作部6aを露出させないコンパクトな状態であるため、第2の筐体7の表示部7aを縦長状態あるいは横長状態として利用することができる。
【0074】
第1の角度においては、回転ユニットaは、可動板2における第1の鉤状部20がベース板1の第1の軸ピン10と係合し、第2の鉤状部20aが第2の軸ピン10aから離脱している状態である(図5(a)参照)。
【0075】
ここで、図7(a)に示すように、第1の角度においては、第1パッド103a、103b(103bは図示せず)は、バネ105a、105b(105bは図示せず)に押圧されて第2の筐体7の短辺12cを押圧する。
【0076】
押圧された第2の筐体7は傾斜し、短辺12cと対向する短辺12dが第1の筐体6の短辺8dと接触する(押し付けられる)。
【0077】
この状態では第1の筐体6と第2の筐体7は、上部(短辺8c、12c側)が第1パッド103a、103bを介して接触し、下部(短辺8d、12d側)が第1パッド103a、103bの押圧力により直接接触するため、回転ユニットaを設けたことによるクリアランスを確保しつつ、ガタツキを防止することができる。
【0078】
[第2の角度]
図6(b)および図7(b)に示すように、第2の角度は第1の角度から第2の筐体7を右に90度回転させた状態である。
【0079】
より具体的は、第1の角度から第2の筐体7を時計方向へ回動させると、可動板2が第1の軸ピン10を中心として第2の軸ピン10aの方向へ90回動したとき、第2の鉤状部20aが第2の軸ピン10aへ係合し、同時に取付軸4がガイドスリット11の第1の凹部11aへ案内される(図5(b)参照)。
【0080】
すると、携帯端末200は、第1の角度のような重なった姿勢から、携帯端末200全体として実質的にT字状を呈する状態に変換され、この状態で保持される。
【0081】
第2の筐体7がこの姿勢にあるときは、例えば携帯端末200においてテレビジョン放送を受信したり、ウェブサイトを表示したりするのに適する。
【0082】
ここで、図7(b)に示すように、第2の角度においては、第1パッド103a、103b(103bは図示せず)は、バネ105a、105b(105bは図示せず)に押圧されて第2の筐体7の長辺12bを押圧する。
【0083】
押圧された第2の筐体7は傾斜し、長辺12bと対向する長辺12aが第1の筐体6における長辺12aの交差部分8e(図1参照)と接触する。
【0084】
この状態では第1の筐体6と第2の筐体7は、上部(短辺8c、長辺12b側)が第1パッド103a、103bを介して接触し、下部(交差部分8e、長辺12a側)が第1パッド103a、103bの押圧力により直接接触するため、回転ユニットaを設けたことによるクリアランスを確保しつつ、ガタツキを防止することができる。
【0085】
[第3の角度]
図6(c)および図7(c)に示すように、第3の角度は第1の角度から第2の筐体7を右に180度回転させた状態である。即ち、第2の状態から、第2の筐体7をさらに時計方向へ回動させると、第1の鉤状部20は第1の軸ピン10から離脱し、可動板2は第2の軸ピン10aを中心として回動する。
【0086】
この回動に伴い、取付軸4はガイドスリット11における第3の凹部11cへ案内されるので(図5(c)参照)、携帯端末200は、携帯電話機は第1の筐体6の上端部領域へ第2の筐体7の下端部領域が重なって連結された状態となり、全体として最も細長い形態になる。
【0087】
この状態は例えば携帯電話機を既存の電話機と同様にして使用するのに適する。
【0088】
ここで、図7(c)に示すように、第3の角度においては、第1パッド103a、103b(103bは図示せず)は、バネ105a、105b(105bは図示せず)に押圧されて第2の筐体7の、第1の筐体6の短辺8cと交差する部分を押圧する。
【0089】
押圧された第2の筐体7は傾斜し、第2の筐体7の短辺12cと、第1の筐体6における短辺12cの交差部分8eとが接触する(押し付けられる)。
【0090】
この状態では第1の筐体6と第2の筐体7は、上部(短辺8c側)が第1パッド103a、103bを介して接触し、下部(短辺12c側)が第1パッド103a、103bの押圧力により直接接触するため、回転ユニットaを設けたことによるクリアランスを確保しつつ、ガタツキを防止することができる。
【0091】
このように第1の実施形態によれば、携帯端末200は第1の筐体6、第2の筐体7、第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられ、第1の筐体6と第2の筐体7を回転可能に連結する回転ユニットa、および第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられたガタツキ防止機構100とを有しており、ガタツキ防止機構100の第1パッド103a、103bが第2の筐体7を押圧することにより第2の筐体7を傾斜させ、第2の筐体7の一部(第1パッド103a、103bが押圧した部分以外の部分)を第1の筐体6に接触させている(押し付けている)。
【0092】
そのため、回転ユニットaを設けたことによるクリアランスを確保しつつ、ガタツキを防止することができる。
【0093】
次に、第2の実施形態に係る携帯端末201について、図8〜図13を参照して説明する。
【0094】
第2の実施形態に係る携帯端末201は、第1の実施形態において、ガタツキ防止機構101の構成要素として、第1の筐体6と第2の筐体7の間に、第2の筐体7を傾斜させた際に接触する部分に第2パッド121a、121bおよび第3パッド123を設けたものである。
【0095】
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0096】
まず、携帯端末201の構造について、図8および図9を参照して説明する。
【0097】
図8および図9に示すように、携帯端末201のガタツキ防止機構101は、第2の筐体7を傾斜させた際に第1の筐体6と第2の筐体7が接触する部分に設けられた、第2パッド121a、121bおよび第3パッド123を有している。
【0098】
より具体的には、第2パッド121a、121bは断面形状が角が丸い四角形の柱状体であり、上端には溝部125a、125bがそれぞれ設けられている。
【0099】
第2パッド121a、121bはそれぞれ、交差部分8eと長辺8a、8bの交差する部分の内側(回転ユニットa側)に沿うように、かつ、溝部125a、125bが長辺8a、8bと平行になるように第1の筐体6に設けられている。
【0100】
なお、図9に示すように、第2パッド121bは両面テープ127bによって、第1の筐体6に固定される。図示はしていないが第2パッド121aも同様に両面テープで第1の筐体6に固定される。
【0101】
一方、第3パッド123は第1の筐体6の短辺8dの形状に対応した短冊状の形状を有し、短辺8dに沿うようにして図示しない両面テープ等で第1の筐体6に固定されている。
【0102】
なお、第2パッド121および第3パッド123を構成する材料は、摺動性の優れた材料であるのが望ましく、例えば第1パッド103aの第1部分107aと同様にPOM、エラストマーで構成するのが望ましい。
【0103】
次に、回転ユニットaを用いて第2の筐体7を第1の筐体6に対して相対回転させた場合のガタツキ防止機構101の動作について、図10〜図12を参照して説明する。
【0104】
図10〜図12に示すように、携帯端末201は、携帯端末200と同様、回転ユニットaを用いて第2の筐体7を第1の筐体6に対して相対回転させることにより、第1の角度、第2の角度、第3の角度の3つの状態に保持可能である。
【0105】
以下、各状態について詳細に説明する。
【0106】
[第1の角度]
図10に示すように、第1の角度においては、第1パッド103a(図12では図示せず)、103bはバネ105a(図12では図示せず)、105bに押圧されて第2の筐体7の短辺12cを押圧する。
【0107】
押圧された第2の筐体7は回転ユニットaにおけるにおけるベース板1と可動板2の接合部分である取付軸4を支点に傾斜し、短辺12dが、第3パッド123と接触する。
【0108】
即ち、上記動作においては、取付軸4が支点、第1パッド103a、103bが力点、第3パッド123が作用点となり、この3点で第1の筐体6と第2の筐体7を支持している。
【0109】
そのため、回転ユニットaを設けたことによるクリアランスを確保しつつ、ガタツキを防止することができる。
【0110】
また、この状態では第1の筐体6と第2の筐体7は、第1パッド103a、103bおよび第3パッド123を介して接触するため、直接接触することはなく、筐体同士の擦れ傷や塗装剥がれを防止できる。
【0111】
[第2の角度]
図11に示すように、第2の角度においては、第1パッド103a、103bはバネ105a、105bに押圧されて第2の筐体7の長辺12bを押圧する。
【0112】
押圧された第2の筐体7は取付軸4を支点に傾斜し、長辺12a(図7参照)が、第2パッド121a、121bと接触する。
【0113】
即ち、上記動作においては、取付軸4が支点、第1パッド103a、103bが力点、第2パッド121a、121bが作用点となり、この3点で第1の筐体6と第2の筐体7を支持している。
【0114】
そのため、回転ユニットaを設けたことによるクリアランスを確保しつつ、ガタツキを防止することができる。
【0115】
また、この状態では第1の筐体6と第2の筐体7は、第1パッド103a、103bおよび第2パッド121a、121bを介して接触するため、直接接触することはなく、筐体同士の擦れ傷や塗装剥がれを防止できる。
【0116】
[第3の角度]
図12に示すように、第3の角度においては、第1パッド103a(図12では図示せず)、103bはバネ105a(図12では図示せず)、105bに押圧されて、第2の筐体7の、短辺8cと交差する部分を押圧する。
【0117】
押圧された第2の筐体7は取付軸4を支点に傾斜し、短辺12cが、第2パッド121a(図示せず)、121bと接触する。
【0118】
即ち、上記動作においては、第2の角度と同様に、取付軸4が支点、第1パッド103a、103bが力点、第2パッド121a、121bが作用点となり、この3点で第1の筐体6と第2の筐体7を支持している。
【0119】
そのため、回転ユニットaを設けたことによるクリアランスを確保しつつ、ガタツキを防止することができる。
【0120】
また、この状態では第1の筐体6と第2の筐体7は、第1パッド103a、103bおよび第2パッド121を介して接触するため、直接接触することはなく、筐体同士の擦れ傷や塗装剥がれを防止できる。
【0121】
なお、第1パッド103a、103bは、第1〜第3の角度以外の角度、具体的には回転中の角度においても第2の筐体7に接触している場合があるため、回転中に第1パッド103a、103bと第2の筐体7が摺動することにより、第2の筐体7側に擦り傷が発生する可能性がある。
【0122】
そのため、本発明では第1パッド103a、103bを摺動性に優れる材料で構成し、コイルバネを組み込み可動させることによって、擦り傷を抑制している。
【0123】
なお、コイルバネのバネ係数や各角度のときのたわみ量、即ち、第1パッド103a、103bの突出量、第2の筐体7側との干渉量を適切に設定する必要があるのは無論である。
【0124】
また、図13に示すように、第2の筐体7の、第1パッド103a、103bと接触する部分をスロープ形状とすることで第2の筐体7側の回転摺動性を確保するのが望ましい。
【0125】
具体的には、図13に示すように、第2の筐体7側の形状を、0°(第1の角度)、90°(第2の角度)、180°(第3の角度)では第1パッド103aと第2の筐体7側が突き当たるような形状にし、そこから回転する際に徐々にクリアランスが増大する様なスロープ形状とする。再び0°、90°、180°に近づくときはクリアランスが減少するようなスロープ形状とする。
【0126】
このような構造にすることにより、第2の筐体7側の回転摺動性を確保することができ、さらに付加効果として、0°、90°、180°に近づく際にブレーキのような効果が働き各角度で緩やかに回転させることができる。
【0127】
このように、第2の実施形態によれば、携帯端末201は第1の筐体6、第2の筐体7、第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられ、第1の筐体6と第2の筐体7を回転可能に連結する回転ユニットa、および第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられたガタツキ防止機構101とを有しており、ガタツキ防止機構101の第1パッド103a、103bが第2の筐体7を押圧することにより第2の筐体7を傾斜させ、第2の筐体7の一部を第1の筐体6に接触させている。
【0128】
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0129】
また、第2の実施形態によれば、携帯端末201はガタツキ防止機構101が第2パッド121a、121bおよび第3パッド123を有している。
【0130】
そのため、第1の筐体6と第2の筐体7が直接接触することがなく、筐体同士の擦れ傷や塗装剥がれを防止できる。
【0131】
次に、第3の実施形態について図14及び図15を参照して説明する。
【0132】
第3の実施形態に係る携帯端末202は、第1の実施形態において、第1パッド151a、151bの上端面に溝部153a、153bを設け、第2の筐体7の、第1パッド151a、151bと接触する部分に凸部を設けたものである。
【0133】
なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の機能を果たす要素については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0134】
図14に示すように、携帯端末202は、第1パッド151aの上端面(第2の筐体7と接触する面)に溝部153aが設けられている。
【0135】
溝部153aは、第2パッド121に設けられた溝と同方向、即ち、第1の筐体6の長辺8a、8bに平行に設けられており、長手方向の側面は底面側から上面側へ広がるように傾斜した形状を有している。
【0136】
一方、第2の筐体7側には、第2の角度で第1パッド151aに接触する部分に第4パッド161aが設けられている。
【0137】
第4パッド161aは、溝部153aに対応した形状の凸部163aを有しており、第2の角度において凸部163aが溝部153aに係合されるようになっている。
【0138】
なお、図14では右側の第1パッド151a側の構造のみを図示しているが、左側の第1パッド側の構造も同様である。
【0139】
即ち、図示はしないが、左側の第1パッド151bの上端面には溝部153bが設けられ、第2の筐体7側には、第2の角度で第1パッド151bに接触する部分に第4パッド161bが設けられている。第4パッド161bは、溝部153bに対応した形状の凸部163bを有しており、第2の角度において凸部163bが溝部153bに係合されるようになっている。
【0140】
また、図14では第2の角度で第1パッド151aに接触する部分に設けられた凸部163aの構造のみを開示しているが、第1の角度および第3の角度で第1パッド151aに接触する部分にも、同様に溝部153aと係合する図示しない凸部が設けられている。
【0141】
このように、第1パッド151aに溝部153aを設け、各角度で第1パッド151aと接触する部分に凸部163aを係合させる構造とすることにより、溝部153aと直交する方向、即ち回転方向のガタツキを抑制することができる。
【0142】
なお、溝部153aは長手方向の側面が底面側から上端面側へ広がるように傾斜した形状を有しているため、回転の際に摺動性を損なうことはない(摺動の邪魔になることはない)。
【0143】
このように、第3の実施形態によれば、携帯端末202は第1の筐体6、第2の筐体7、第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられ、第1の筐体6と第2の筐体7を回転可能に連結する回転ユニットa、および第1の筐体6と第2の筐体7の間に設けられたガタツキ防止機構102とを有しており、ガタツキ防止機構102の第1パッド151a、151bが第2の筐体7を押圧することにより第2の筐体7を傾斜させ、第2の筐体7の一部を第1の筐体6に接触させている。
【0144】
従って、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0145】
また、第3の実施形態によれば、第1パッド151a、151bは、上端面に溝部153a、153bを有し、第2の筐体7は、第1〜第3の角度で第1パッド151a、151bと接触する部分に溝部153a、153bと係合する凸部を有している。
【0146】
そのため、第1の実施形態と比較し、さらに回転方向のガタツキを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0147】
上記した実施形態では、ガタツキ防止機構を、携帯端末に適用した場合について説明したが、本発明は、何等、これに限定されることなく、2つの筐体を相対的にスライド回転させて使用する全ての装置に適用できる。
【符号の説明】
【0148】
a 回転ユニット
1 ベース板
2 可動板
4 取付軸
10、10a 第1、第2の軸ピン
11 ガイドスリット
11a、11b、11c 第1、第2及び第3の凹部
20、20a 第1、第2の鉤状部
6 第1の筐体
7 第2の筐体
100 ガタツキ防止機構
101a、101b 押圧手段
103a、103b 第1パッド
105a、105b バネ
121a、121b 第2パッド
123 第3パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体および第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体の間に設けられ、前記第1の筐体と前記第2の筐体を互いに相対回転可能に、かつ所定の回転角度で保持可能に連結する回転ユニットと、
前記第1の筐体と前記第2の筐体の間に設けられ、前記所定の回転角度で保持された状態の前記第2の前記筐体を押圧して前記第1の前記筐体に対して傾斜させ、前記第2の前記筐体の、押圧した部分以外の部分を前記第1の筐体に接触させる押圧手段と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第1の筐体と前記第2の筐体は平面形状が長方形であり、
前記所定の角度は、
前記第1の筐体と前記第2の筐体が重なり合った状態である第1の角度と、
前記第1の角度に保持された状態から90度回転したT字型の状態の第2の角度と、
前記第1の角度に保持された状態から180度回転した縦方向に連結された開いた状態の第3の角度と、
を有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記押圧手段は、
前記第1の筐体に移動可能に係合された第1パッドと、
前記第1パッドと前記第1の筐体の間に間に設けられ、前記第1パッドを前記第2の筐体側に押圧するバネと、
を有することを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第1パッドは溝部を有し、
前記第2の筐体は、前記第1〜第3の角度において前記第1パッドに押圧される部分に設けられ、前記溝部に対応した形状の凸部を有することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第2の角度において、前記第1の筐体と前記第2の筐体が接触する部分に設けられた第2パッドと、
前記第1の角度において、前記第1の筐体と前記第2の筐体が接触する部分に設けられた第3パッドと、を有することを特徴とする請求項3または4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記第2パッドは、前記第3の角度において、前記第1の筐体と前記第2の筐体が接触する部分に設けられていることを特徴とする請求項5記載の携帯端末。
【請求項7】
前記回転ユニットは前記長方形の一方の短辺側に設けられ、
前記第1パッドは、前記第1の筐体における前記回転ユニットと前記一方の短辺の間に設けられていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記第1パッドは前記一方の短辺側の2箇所の角部に沿うようにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項7のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記第2パッドは、前記第2の角度および前記第3の角度において、前記第1の筐体と前記第2の筐体が交差する部分に沿うように設けられていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記第2パッドは、前記第1の筐体の2つの長辺に沿うように2箇所設けられていることを特徴とする請求項9記載の携帯端末
【請求項11】
前記第3パッドは、前記第1の筐体における、前記長方形の他の短辺側に設けられていることを特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項12】
前記回転ユニットは、
ベース板と、
前記ベース板と相対回動するように接合された可動板と、
を有し、
前記接合された部分は、前記押圧手段が一方の前記筐体を傾斜させる際に支点となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項13】
前記回転ユニットは、
所定距離離間した第1及び第2の軸ピンが設けられたベース板と、前記第1及び第2の軸ピンとそれぞれ係合する第1及び第2の鉤状部が形成された可動板とを有し、前記ベース板と前記可動板とが相対回動するように接合され、
前記可動板は、一方向へ回動するときは前記第1の軸ピンと前記第1の鉤状部が係合して前記第2の軸ピンから前記第2の鉤状部が離脱し、他方向へ回動するときは前記第2の軸ピンと前記第2の鉤状部が係合して前記第1の軸ピンから前記第1の鉤状部が離脱するように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の携帯端末。
【請求項14】
前記ベース板と前記可動板とを接合する取付軸をさらに有し、
前記ベース板には、前記第1の軸ピンを中心とした円弧と前記第2の軸ピンを中心とした円弧が前記第1及び第2の軸ピンの間の中間位置で交わる形状のガイドスリットが設けられており、
前記可動板には、前記第1及び第2の鉤状部の中間位置に取付部が設けられており、前記取付軸は前記取付部に固定されかつ前記ガイドスリット内を移動可能となるように配置されていることを特徴とする請求項13に記載の携帯端末。
【請求項15】
前記ガイドスリットは、前記第1及び第2の軸ピンが前記第1及び第2の鉤状部とそれぞれ係合しているときに前記取付軸がばね付勢により案内される第1の凹部と、前記第1及び第2の軸ピンが前記第1及び第2の鉤状部がそれぞれ係合している状態から前記可動板が一方向へ90度回動したときに前記取付軸がばね付勢により案内される第2の凹部と、
前記第1及び第2の軸ピンが前記第1及び第2の各鉤状部へそれぞれ係合している状態から前記可動板が他方向へ90度回転したときに前記取付軸がばね付勢により案内される第3の凹部とがそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項14に記載の携帯端末。
【請求項16】
互いに相対回転可能に、かつ所定の回転角度で保持可能に連結された第1の筐体および第2の筐体との間に設けられ、前記所定の回転角度で保持された状態の前記第2の筐体筐体を押圧して前記第1の筐体に対して傾斜させ、前記第2の筐体の、押圧した部分以外の部分を他方の前記第1の筐体に接触させる押圧手段を有することを特徴とする携帯端末のガタツキ防止機構。
【請求項17】
前記第1の筐体と前記第2の筐体は平面形状が長方形であり、
前記所定の角度は、
前記第1の筐体と前記第2の筐体が重なり合った状態である第1の角度と、
前記第1の角度に保持された状態から90度回転したT字型の状態である第2の角度と、
前記第1の角度に保持された状態から180度回転した縦方向に連結された開いた状態である第3の角度と、
を有することを特徴とする請求項16に記載の携帯端末のガタツキ防止機構。
【請求項18】
前記押圧手段は、
前記第1の筐体に移動可能に嵌合された第1パッドと、
前記第1パッドと前記他方の筐体の間に間に設けられ、前記第1パッドを前記第2の筐体側に押圧するバネと、
を有することを特徴とする請求項17記載の携帯端末のガタツキ防止機構。
【請求項19】
前記第1パッドは、脱落防止用の嵌合爪を有することを特徴とする請求項18記載の携帯端末のガタツキ防止機構。
【請求項20】
前記第1パッドは、前記第2の筐体と接触する第1部分と、前記第1部分に設けられ、前記第1の筐体に移動可能に係合される第2部分とを有し、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1部分が相対的に摺動性に優れた材料で構成され、前記第2部分が相対的に剛性の優れた材料で構成されていることを特徴とする請求項18または19のいずれか一項に記載の携帯端末のガタツキ防止機構。
【請求項21】
前記第2の角度において、前記第1の筐体と前記第2の筐体が接触する部分に設けられた第2パッドと、
前記第1の角度において、前記第1の筐体と前記第2の筐体が接触する部分に設けられた第3パッドと、
を有することを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の携帯端末のガタツキ防止機構。
【請求項22】
前記第2パッドは、前記第3の角度において、前記第1の筐体と前記第2の筐体が接触する部分に設けられていることを特徴とする請求項21記載の携帯端末のガタツキ防止機構。
【請求項23】
前記第1パッドは溝部を有し、
一方の前記筐体の前記第1パッドに押圧される部分に設けられ、前記溝部に対応した形状の凸部をさらに有することを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の携帯端末のガタツキ防止機構。
【請求項24】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の携帯端末を用いたことを特徴とする携帯端末の姿勢変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−114614(P2011−114614A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269612(P2009−269612)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】