説明

携帯端末機器および確認音出力制御方法

【課題】携帯端末機器において、タッチパネルの入力操作時に、明確でクリアな確認音を鳴動させる機構を提供する。
【解決手段】タッチパネルからの通知により、タッチパネルへの入力操作の状態を検出し、入力操作が行われた場合には、入力手段がタッチパネルから離れた後に、フラットパネルスピーカーにより、入力操作があったことを示す確認音を鳴動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末機器に関し、特に、タッチパネルと、該タッチパネルへの入力操作がなされたときの確認音を出力する機構を備えた携帯電話端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
入力内容に応じた処理を行うタッチパネルを供えた装置として、携帯型の携帯端末機器、画像表示装置や、据え置き型の自動取引装置が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、視覚障害者の自動取引を可能とする自動取引装置が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示される自動取引装置は、タッチパネルを振動させる振動機構を備えるものであり、入力手段としての指が、タッチパネルの特定のエリア内に触れている間は、タッチパネルを振動させ、指がタッチパネルから離れたときには、その時点で指が触れていたエリアに対して定められた内容の入力を受け付ける。
【0005】
また、特許文献1には、上記自動取引装置に、スピーカなどの音声出力部を設け、指が、タッチパネルの特定のエリア内に触れている間は、音声出力部が触れているエリアに対応する特定の音声を出力し、指がタッチパネルから離れたときには、音声出力部がその時点で指が触れていたエリアに対して定められた内容の入力を受け付けた旨の音声を出力する構成も開示されている。
【0006】
特許文献2には、画像表示装置であり、LCD(Liquid Crystal Display)およびLCD上に配置されたタッチパネルからなる液晶タッチパネルと、液晶タッチパネルの背面に設置された磁歪アクチュエータを備え、液晶タッチパネルへの入力に応じて、LCDに表示させる画像を変化させ、また、磁歪アクチュエータを駆動して音声を出力させる画像表示装置が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、上記の画像表示装置で、振動板やスピーカユニットを備えた画像表示装置も開示されている。
【0008】
特許文献2には、上記の画像表示装置は、液晶タッチパネルが大型の場合にも、液晶タッチパネルを十分振動させ、比較的大きな音量を持つ音声を出力させることができるなど、音声を効果的に出力させることができると記載されている。
【0009】
特許文献1に記載された据え置き型の自動取引装置のタッチパネルへの入力操作に関する手法を、携帯端末機器上のタッチパネルの場合に適用することを考えた場合、下記の課題が存在する。
【0010】
タッチパネルへの入力に際し、入力手段がタッチパネルに触れている間はタッチパネルを振動させ、さらには音声を出力させる構成であるため、電力消費量が激しいものとなる。特許文献1に記載の自動取引装置は据え置き型を前提とするものであるため、電力消費量についての要求は特に厳しいものではないが、携帯型機器に要求される電力消費量は、連続使用時間に直結するため、より低くすることが要求されており、特許文献1に開示される構成を携帯端末機器に適用することは難しい。
【0011】
特許文献2に記載される装置構成は、複雑で、小型化および薄型化が困難であるため、携帯端末機器へ適用することは難しい。
【0012】
そこで、LCDとフラットパネルスピーカの間にタッチパネルを設置し、入力操作として、指やタッチペンなどの入力手段でフラットスピーカを介して、タッチパネルを押下し、当該フラットパネルスピーカに音声や確認音を鳴動させることが有効であると考えられる。
【0013】
フラットパネルスピーカは、小サイズで薄型であり、無指向性の明確でクリアな音を発することができる。
【0014】
タッチパネルは、LCDとフラットパネルスピーカの間に配置されているため、入力手段で、タッチパネルに直接触れることはできないが、タッチパネルとして、投光器から発した光をイメージセンサで検出する光学式パネルを採用すれば、入力手段でフラットパネルスピーカを介してタッチパネルを押下することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2005−129072号公報
【特許文献2】特開2007−104602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述した特許文献1、特許文献2の構成を携帯機器に適用することは、携帯機器に要求される低消費電力化、小型化の要求にそぐわない。
【0017】
また、タッチパネルをLCDとフラットパネルスピーカの間に設ける構成では、タッチパネルを押下したときに、音声や確認音を鳴動させるときに、フラットパネルスピーカも入力手段で押されているため、振動が妨げられてしまい、確認音がこもってしまう。
【0018】
本発明の目的は、タッチパネル式の携帯端末機器において、入力操作時に、明確でクリアな確認音を鳴動させる機構を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の携帯端末機器は、LCDと、フラットパネルスピーカと、前記LCDとフラットパネルスピーカの間に配置され、前記フラットパネルスピーカを介して入力手段による入力操作を受け付けるタッチパネルと、を備えた表示部を有する携帯端末機器であって、
前記タッチパネルからの通知により、該タッチパネルへの入力手段による入力操作の状態を検出し、前記入力手段で入力操作が行われた場合には、前記入力手段が前記タッチパネルから離れた後に前記フラットパネルスピーカにより前記入力操作があったことを示す確認音を鳴動させる制御部を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の確認音出力制御方法は、LCDと、フラットパネルスピーカと、前記LCDとフラットパネルスピーカの間に配置され、前記フラットパネルスピーカを介して入力手段による入力操作を受け付けるタッチパネルと、を備えた表示部を有する携帯端末機器で行われる確認音出力制御方法であって、
制御手段が、前記タッチパネルからの通知により、該タッチパネルへの入力手段による入力操作の状態を検出し、前記入力手段で入力操作が行われた場合には、前記入力手段が前記タッチパネルから離れた後に前記フラットパネルスピーカにより前記入力操作があったことを示す確認音を鳴動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明においては、入力操作時に、明確でクリアな確認音を鳴動させる機構を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態の表示部付き携帯端末機器の概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の入力操作時の確認音の出力の動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、指やタッチペンなどを入力手段とする。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の表示部付き携帯端末機器の概略構成を表すブロック図である。
【0024】
図1に示される携帯端末機器10は、表示部1と、制御部2と、データ記憶部3と、音声処理部4と、から構成される。
【0025】
表示部1は、フラットパネルスピーカ11と、タッチパネル12と、LCD13と、から構成される。図1はブロック図であるため、その配置は示されないが、タッチパネル12は、LCD13とフラットパネルスピーカ11の間に配置されている。
【0026】
そのため、入力手段で、タッチパネル12に直接触れることはできないが、タッチパネル12として、投光器から発した光をイメージセンサで検出する光学式パネルを採用すれば、入力手段でフラットパネルスピーカ11を介してタッチパネル12を押下することが可能である。
【0027】
LCD13は、文字や画像等を表示する。
【0028】
タッチパネル12に対して、ユーザーが、入力手段により、フラットパネルスピーカ11を介してタッチパネル12を押下している間は、タッチパネル12は、押下された位置を示す入力通知の送信を制御部2のCPU21へ続けて行う。
【0029】
データ記憶部3は、確認音のデータを示す確認音データ信号を格納している。
【0030】
音声処理部4は、制御部2から送られてきた確認音データ信号を、フラットパネルスピーカ11を鳴動させる信号に変換して、フラットパネルスピーカ11を駆動する。
【0031】
CPU21は、LCD13が表示するデータを示す表示データ信号をLCD13に送信する。表示データ信号を受信したLCD13は、該信号に示される文字や画像等を表示する。
【0032】
CPU21は、タッチパネル12からの入力通知を受け付けると、データ記憶部3から確認音のデータを取得し、確認音データ信号を音声処理部4へ送信する。
【0033】
図2は、本実施形態の入力操作時の確認音の出力の動作を表すフローチャートである。
【0034】
制御部2は、タッチパネル12からの入力通知により、タッチパネル12が押下されたかどうかを判断する(S1)。ステップS1で、タッチパネル12が押下されていないと確認された場合には、本処理から抜ける。
【0035】
制御部2は、ステップS1で、タッチパネル12が押下されたと確認された場合には、続くステップS2において、タッチパネル12が開放されたかを確認する。この後、タッチパネル12が開放されると、ステップS3へ移動する。
【0036】
続くステップS3では、制御部2は、データ記憶部3から確認音のデータを取得し(S3)、音声処理部4へ送信する(S4)。
【0037】
音声処理部4は、制御部2が送信した確認音データ信号を受信して、確認音を鳴動させる信号に変換して、フラットパネルスピーカ11は確認音を鳴動させる(S5)。
(第2の実施形態)
次に、本発明による携帯端末機器の第2の実施形態について説明する。本実施形態の携帯端末機器の概略構成は、図1に示された第1の実施形態と同様のものであるため、本実施形態について図1を参照して説明する。
【0038】
本実施形態は、入力操作に応じてそれぞれ異なる確認音を鳴動させるものである。入力操作の種類としては、例えば、タッチパネル12の入力手段で押下された位置の変化に示される動きによって定まるタッチ、フリック、ピッチ等が挙げられ、各入力操作の種類に応じて、予め設定された確認音が鳴動する。
【0039】
本実施形態のデータ記憶部3には、各入力操作に対応する様々な確認音のデータが格納されている。各確認音のデータは、初期状態に格納済みのものに加えて、ユーザーにより設定されたものが含まれる。
【0040】
本実施形態では、入力操作に応じて、確認音が変わるので、利便性が向上する。また、入力操作毎の確認音をユーザーが設定可能なものとして、入力操作毎にユーザーが指定した確認音を鳴動させているため、ユーザー毎の差別化が可能となる。
【0041】
以下、本実施形態の入力操作時の確認音の出力の動作を説明する。
【0042】
タッチパネル12は、入力手段で押下されると、その位置を表す通知を制御部2のCPU21へ送信する。
【0043】
制御部2は、タッチパネル12から通知を受け付けると、該通知に示される入力操作が、対応する確認音が定められた入力操作であるかを確認し、対応する確認音が定められている場合には、データ記憶部3から当該入力操作に対して設定された確認音のデータを取得し、当該確認音データ信号を音声処理部4へ送信する。
【0044】
音声処理部4は、制御部2から送られてきた確認音データ信号を、フラットパネルスピーカ11を鳴動させる信号に変換して、フラットパネルスピーカ11を駆動する。
【符号の説明】
【0045】
1 表示部
2 制御部
3 データ記憶部
4 音声処理部
10 携帯端末機器
11 フラットパネルスピーカ
12 タッチパネル
13 LCD
21 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LCDと、フラットパネルスピーカと、前記LCDとフラットパネルスピーカの間に配置され、前記フラットパネルスピーカを介して入力手段による入力操作を受け付けるタッチパネルと、を備えた表示部を有する携帯端末機器であって、
前記タッチパネルからの通知により、該タッチパネルへの入力手段による入力操作の状態を検出し、前記入力手段で入力操作が行われた場合には、前記入力手段が前記タッチパネルから離れた後に前記フラットパネルスピーカにより前記入力操作があったことを示す確認音を鳴動させる制御部を有することを特徴とする携帯端末機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末機器において、
前記入力操作の種類に応じて異なる複数の確認音をそれぞれ示す複数の確認音データを格納するデータ記憶部を有し、
前記制御部は、前記入力操作が行われた場合には、前記データ記憶部から該入力操作に対応する確認音のデータを取得し、前記フラットパネルスピーカにより前記入力操作が行われたことを示す確認音を鳴動させることを特徴とする携帯端末機器。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末機器において、
前記入力操作の種類は、前記入力手段により押下された前記タッチパネルの位置の変化に示される動きに対して定められたものであることを特徴とする携帯端末機器。
【請求項4】
LCDと、フラットパネルスピーカと、前記LCDとフラットパネルスピーカの間に配置され、前記フラットパネルスピーカを介して入力手段による入力操作を受け付けるタッチパネルと、を備えた表示部を有する携帯端末機器で行われる確認音出力制御方法であって、
制御手段が、前記タッチパネルからの通知により、該タッチパネルへの入力手段による入力操作の状態を検出し、前記入力手段で入力操作が行われた場合には、前記入力手段が前記タッチパネルから離れた後に前記フラットパネルスピーカにより前記入力操作があったことを示す確認音を鳴動させることを特徴とする確認音出力制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の確認音出力制御方法において、
前記入力操作の種類に応じて異なる複数の確認音をそれぞれ示す複数の確認音データを格納するデータ記憶部を有し、
前記制御手段は、前記入力操作が行われた場合には、前記データ記憶部から該入力操作に対応する確認音のデータを取得し、前記フラットパネルスピーカにより前記入力操作が行われたことを示す確認音を鳴動させることを特徴とする確認音出力制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の確認音出力制御方法において、
前記入力操作の種類は、前記入力手段により押下された前記タッチパネルの位置の変化に示される動きに対して定められたものであることを特徴とする確認音出力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−114497(P2013−114497A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260790(P2011−260790)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】