説明

携帯端末機器用スタンド

【課題】タブレット端末機器等を卓上等に保持するための携帯端末機器用スタンドを提供する。
【解決手段】携帯端末機器を背部から保持する保持手段(2)と支柱(3)を連結する連結手段(4)に、前記保持手段(2)の背面に沿って延びる水平軸(X)と、該水平軸に直交すると共に前記携帯端末機器の中央を貫通する垂直軸(Y)に関して、前記保持手段を前記水平軸(X)の廻りに回動自在かつ固定保持自在とする第1枢結手段(5)と、前記保持手段を前記垂直軸(Y)の廻りに回動自在かつ固定保持自在とする第2枢結手段(6)を構成している。前記第2枢結手段(6)は、携帯端末機器を所定姿勢とする基準位置(P)と、該基準位置から90度回動した回動位置(P1)との間で、前記保持手段を回動させる回動機構(11)を構成すると共に、保持手段が基準位置(P)と回動位置(P1)に回動されたとき、嵌脱自在に嵌合することにより固定保持する停止保持機構(12)を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやタブレット端末機器、その他の携帯端末機器を卓上等に保持するための携帯端末機器用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、携帯電話機器の販売店等において、スマートフォンやタブレット端末機器等を商品として展示しており、顧客が手を触れながら商品を吟味できるようにスタンドに保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−4508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の携帯端末機器は、機器を縦向き又は横向きに回動すると、液晶パネル等のディスプレイに表示された画面が追従することにより回動した状態で表示されるように構成され、この点が重要なセールスポイントとされている。従って、携帯端末機器を展示するスタンドは、顧客がこのような動作を自由に行うことができるように構成することが望ましい。
【0005】
本発明は、携帯端末機器の背部に沿って延びる水平軸と、該水平軸に直交すると共に前記携帯端末機器の中心を貫通する垂直軸に関して、前記水平軸の廻りに回動自在かつ固定保持自在であると共に、前記垂直軸の廻りに回動自在かつ固定保持自在とした携帯端末機器用スタンドを提供するものである。
【0006】
尚、本発明のスタンドは、販売店等において携帯端末機器を商品として展示する展示装置として利用できる他、携帯端末機器を購入したユーザ等が自ら使用するための保持装置としても利用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明が手段として構成したところは、固定可能な支柱と、携帯端末機器を背部から保持する保持手段と、前記支柱と保持手段を連結する連結手段により構成され、前記連結手段は、前記保持手段の背面に沿って延びる水平軸と、該水平軸に直交すると共に前記携帯端末機器の中央を貫通する垂直軸に関して、前記保持手段を前記水平軸の廻りに回動自在かつ固定保持自在とする第1枢結手段と、前記保持手段を前記垂直軸の廻りに回動自在かつ固定保持自在とする第2枢結手段を構成しており、前記第2枢結手段は、携帯端末機器を水平姿勢又は直立姿勢とさせた基準位置と、該基準位置から前記垂直軸の廻りで時計針方向又は反時計針方向に向けて少なくとも90度回動した回動位置との間で、前記保持手段を回動させる回動機構を構成し、更に、前記第2枢結手段は、保持手段が基準位置と回動位置に回動されたとき、嵌脱自在に嵌合することにより該保持手段を固定保持する停止保持機構を構成して成る点にある。
【0008】
本発明の好ましい実施形態において、携帯端末機器の背部の中央部にエンブレムが表示されており、前記第2枢結手段の回動機構は、筒軸と、該筒軸を回動自在に保持する軸受孔により構成され、前記筒軸に臨む窓孔を保持手段に開設することにより、第2枢結手段の背後から前記エンブレムを透視可能とするように構成している。
【0009】
前記第2枢結手段の停止保持機構は、前記筒軸の周囲に位置して前記回動機構を回動したとき、垂直軸を中心とする円周方向に相互に摺動する第1摺動部材と第2摺動部材を構成し、第1摺動部材は、前記円周方向に間隔をあけてソケットを配置すると共に、該ソケットに第2摺動部材に向けて弾発付勢されたボールを設け、第2摺動部材は、前記円周方向に間隔をあけて前記ボールを嵌入自在とする凹部を配設しており、前記保持手段を基準位置と回動位置に回動したとき、前記ボールが所定の凹部に嵌入するように構成することが好ましい。
【0010】
前記保持手段は、携帯端末機器の背部を保持した状態で、該携帯端末機器を分離不能に固着するロック装置を設けており、前記ロック装置は、保持手段の背部に固設されたハウジングと、携帯端末機器を分離不能に拘束するロック手段を備え、前記ロック手段は、ハウジングに挿脱自在に挿入される挿入部と、該挿入部をハウジングに挿入したとき携帯端末機器を分離不能に拘束するロック部を設けており、前記ハウジングの内部に専用の解錠装置により外部から解錠可能な施錠手段を設け、前記挿入部をハウジングに挿入したとき前記施錠手段により挿入部をハウジングから抜き出し不能に施錠するように構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯端末機器1の背部に沿って延びる水平軸Xと、該水平軸に直交すると共に前記携帯端末機器1の中心を貫通する垂直軸Yに関して、前記水平軸Xの廻りに回動自在かつ固定保持自在であると共に、前記垂直軸Yの廻りに回動自在かつ固定保持自在とした携帯端末機器用スタンドを提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に関して携帯端末機器を保持した状態を正面側から示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に関して携帯端末機器を取外した状態を正面側から示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に関して携帯端末機器を保持した状態を背面側から示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態を分解した状態で背面側から示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態における第2枢結手段を分解した状態で示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態における第2枢結手段の停止保持機構の作用に関して、基準位置又は回動位置においてボールが凹部に嵌入した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態における第2枢結手段の停止保持機構の作用に関して、保持手段を回動中の状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を背面側から示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態における第1枢結手段を分解した状態で示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態における第2枢結手段を分解した状態で示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態における第2枢結手段の停止保持機構の作用に関して、基準位置においてボールが凹部に嵌入した状態を示す展開図である。
【図12】本発明の第2実施形態における第2枢結手段の停止保持機構の作用に関して、回動位置においてボールが凹部に嵌入した状態を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0014】
(第1実施形態)
図1ないし図7は、本発明の第1実施形態を示している。図1ないし図3に示すように、携帯端末機器用スタンドは、スマートフォンやタブレット端末機器等の矩形盤状形態とされた携帯端末機器1を背部から保持する板状の保持手段2と、卓上等に固定可能な支柱3と、前記支柱3と保持手段2を連結する連結手段4により構成されている。
【0015】
前記連結手段4は、図3に示すように、前記保持手段2の背面に沿って延びる水平軸Xと、該水平軸に直交すると共に前記携帯端末機器1の中央を貫通する垂直軸Yに関して、前記保持手段2を前記水平軸Xの廻りに回動自在かつ固定保持自在とする第1枢結手段5と、前記保持手段2を前記垂直軸Yの廻りに回動自在かつ固定保持自在とする第2枢結手段6を構成している。
【0016】
前記第1枢結手段5は、図4に示すように、支柱3から延設された固定ブラケット7、7と、第2枢結手段6から延設された回動ブラケット8、8をそれぞれ重ね合わせた状態で、前記水平軸Xを規定するボルト・ナット等の枢軸9で枢結することにより構成され、ワッシャ等から成る固定保持手段10を設けている。後述するように、回動ブラケット8、8を有する第2枢結手段6は、保持手段2に設けられるので、これにより、保持手段2は、支柱3に対して水平軸Xの廻りに回動自在とされる。前記固定保持手段10は、多例えば、可撓性樹脂製又はスプリング製のワッシャ等により摩擦抵抗手段を構成し、保持手段2を水平軸Xの廻りの任意の回動位置で固定保持する。
【0017】
前記第2枢結手段6は、図4ないし図7に示すように、保持手段2に保持された携帯端末機器1を水平姿勢又は直立姿勢とさせた基準位置Pと、該基準位置から前記垂直軸Yの廻りで時計針方向又は反時計針方向に向けて少なくとも90度回動した回動位置P1、P2との間で、前記保持手段2を回動させる回動機構11を構成し、更に、保持手段2が基準位置と回動位置に回動されたとき、嵌脱自在に嵌合することにより該保持手段2を固定保持する停止保持機構12を構成している。
【0018】
前記回動機構11は、垂直軸Yを中心とする円筒状の筒軸13を保持手段2の中央部から背後に向けて突設し、該筒軸13を回動自在に保持する軸受孔14を形成している。
【0019】
図示実施形態の場合、前記筒軸13を挿通させた状態で保持手段2の背面にハウジング状の第1摺動部材15が固着され、前記回動ブラケット8、8と前記軸受孔14を設けた環板状の第2摺動部材16を第1摺動部材15に重ね合わせ、前記軸受孔14に筒軸13を回動自在に保持させた状態で、第1摺動部材15及び第2摺動部材16をカバー部材17により抱持すると共に、該カバー部材17をビス18等で第1摺動部材15の側部に固着している。これにより、第1枢結手段5を構成する第2摺動部材16に対して、保持手段2に固着された第1摺動部材15及び筒軸13を垂直軸Yの廻りに回動自在とする回動機構11が構成されている。
【0020】
この際、回動機構11は、回動規制手段19を設けることが好ましく、図例の場合、前記筒軸13と同心円となる円周上の基準位置Pから、時計針方向に90度の角度θ1の範囲と、反時計針方向に90度の角度θ2の範囲を有して円周方向に連続して延びるスロット20を第1摺動部材15に形成し、該スロット20に挿入されるピン21を第2摺動部材16に固設している。従って、図示実施形態の場合、垂直軸Yの廻りの回動方向に関して、保持手段2が携帯端末機器1を横長姿勢とさせた回動位置を基準位置Pとして、ピン21がスロット20の中間位置に停止し、この状態から保持手段2を角度θ1に向けて回動すると、携帯端末機器1を縦長姿勢とさせた回動位置P1でピン21がスロット20の一端に当接し、反対に、保持手段2を角度θ2に向けて回動すると、携帯端末機器1を倒立した縦長姿勢とさせた回動位置P2でピン21がスリット20の他端に当接するように構成されている。
【0021】
携帯端末機器1は、例えば「iPad」(登録商標)のタブレット端末機器のように、通常、背部の中央部にロゴマーク等のエンブレム(図示省略)が表示されている。従って、販売店等における商品展示の際に、これを隠蔽することは好ましくない。そこで、前記保持手段2は、前記筒軸13に臨む窓孔22を開設している。この窓孔22は、筒軸13、第2摺動部材16の軸受孔14、カバー部材17の開口部17aにより開放されており、従って、図3に示すように、第2枢結手段6の背後から前記エンブレムを透視できるように構成されている。
【0022】
前記停止保持機構12は、図4及び図5に示すように、第1摺動部材15の垂直軸Yを中心とする円周方向に間隔をあけて配設された鋼球等のボール23と、第2摺動部材16の前記円周に対応する円周方向に間隔をあけて配設された凹部24により構成されている。前記ボール23は、第1摺動部材15に設けられたソケット25にスプリング26を介して没入自在に装入され、該スプリング26により第2摺動部材16に向けて弾発付勢されている。前記凹部24は、図例の場合、第2摺動部材16に貫設された小穴により構成されているが、プレス成形された凹みにより構成しても良い。
【0023】
前記複数のボール23と複数の凹部24の配設レイアウトは、上述のように、保持手段2を回動して基準位置Pと、回動位置P1及びP2に位置させたとき、少なくとも1個以上のボール23が基準位置又は回動位置に対応する凹部24に嵌入するように構成されている。そして、この位置から保持手段2を垂直軸Yの廻りに回動したとき、ボール23はスプリング26に抗してソケット25の内部に向けて没入することにより凹部24から後退し、回転しながら第2摺動部材16の円周に沿って移動する。
【0024】
図6は、保持手段2を基準位置P又は回動位置P1若しくは回動位置P2に位置させた状態を示しており、スプリング26により弾発付勢されたボール23が所定の凹部24に嵌入し、これにより回動機構11の自由な回動を妨げ、保持手段2を基準位置P又は回動位置P1若しくは回動位置P2に固定保持している。尚、保持手段2は、第1枢結手段5を介して、矢印XRで示すように、水平軸Xの廻りに回動自在であると共に、所定の回動位置で前記固定保持手段10により固定保持自在であり、携帯端末機器1を保持する保持手段2を上下首振り方向に角度調整可能とすることにより、携帯端末機器1の画面を見やすい姿勢に保持する。
【0025】
図7は、保持手段2を垂直軸Yの廻りに回動させているときの状態を示しており、前記停止位置から保持手段2を垂直軸Yの廻りに回動すると、ボール23が前記凹部24から後退し、第2摺動部材16の円周に沿って転動することにより、矢印YRで示すように、2摺動部材16に対する第1摺動部材15の回動を許す。
【0026】
本発明の携帯端末機器用スタンドは、販売店等において携帯端末機器1を商品として展示する展示装置として利用する場合、顧客を装う不正者により、携帯端末機器1が盗難にあわないように、携帯端末機器1を保持手段2に保持した状態で分離不能に固着するロック装置27を設けることが好ましい。
【0027】
図1及び図2に示すように、保持手段2は、矩形盤状形態とされた携帯端末機器1の四隅を保持するようにL形に形成された4個のコーナ保持部材28を固設しており、1辺において隣り合う一対のコーナ保持部材28a、28aに差込みポケット29を形成する一方、他辺において隣り合う一対のコーナ保持部材28b、28bの正面を開放している。従って、携帯端末機器1は、1辺における隅部を前記差込みポケット29、29に挿入した後、携帯端末機器1の背面を保持手段2の表面に重ね合わせることにより、他辺における隅部を開放されたコーナ保持部材28b、28bに嵌合させ、これにより保持手段2に保持される。携帯端末機器1を保持手段2から取外すときは、前記と逆の動作を行えば良い。
【0028】
そこで、正面を開放した前記一対のコーナ保持部材28b、28bの間に位置してロック装置27が設けられており、ロック装置27は、保持手段2の背部に固設されたハウジング30と、携帯端末機器1を分離不能に拘束するロック手段31を備えている。
【0029】
前記ロック手段31は、ハウジング30の差込み口32に挿脱自在に挿入される挿入部33と、該挿入部33を差込み口32からハウジング30に挿入したとき携帯端末機器1が前記コーナ保持部材28b、28bの開放部から脱出しないように該携帯端末機器1の縁部表面に係止することにより拘束するロック部34を設けている。
【0030】
前記挿入部33をハウジング30に挿入したとき、該挿入部33を抜き出し不能となるように施錠する施錠手段がハウジング30の内部に設けられている。この施錠手段は、図示省略しているが、挿入部33を挿入したとき自動的に施錠ロックが働いて該挿入部33の抜き出しを阻止し、販売店等の店員が管理する専用の解錠装置を使用したときだけ解錠可能である。このような施錠手段及び解錠装置は、例えば、本出願人が過去に提案した特開2007−331843号公報や特開2010−282452号公報により公知とされた構造を採用することができる。
【0031】
尚、図示実施形態の場合、図3に示すように、携帯端末機器1の電源等は、支柱3にアダプター35を添設することにより提供されるが、支柱3の内部にアダプター35を内装するように構成しても良い。
【0032】
(第2実施形態)
図8ないし図12は、本発明の第2実施形態を示している。上記第1実施形態と同様に、携帯端末機器用スタンドは、スマートフォンやタブレット端末機器等の矩形盤状形態とされた携帯端末機器1を保持する板状の保持手段2と、卓上等に固定可能な支柱3と、前記支柱3と保持手段2を連結する連結手段4により構成されている。
【0033】
第2実施形態は、支柱3、連結手段4を構成する第1枢結手段5及び第2枢結手段6、第2枢結手段6を構成する回動機構11、停止保持機構12を構成する第1摺動部材15及び第2摺動部材等、構成部材の可及的多数を合成樹脂により成形すると共に、ユニット化することにより、量産に適し、組立て作業が容易な携帯端末機器用スタンドを提供するものである。従って、上記第1実施形態と同一又は類似の構成部分は、上記第1実施形態について図示した符号と同じ符号に基づいて説明する。
【0034】
支柱3は、合成樹脂により中空柱状に形成され、内部に上述のアダプター等の電源を内装する収容室3aを形成し、正面側を開閉自在な蓋3bにより施蓋すると共に、背面にAC電源の取入れ口3cを開設している。
【0035】
支柱3の頂部両側に設けた固定ブラケット7、7と、第2摺動部材16に設けた回動ブラケット8、8を重ね合わせ、枢軸9で枢結することにより、第1枢結手段5を構成している点は、上記第1実施形態と同様である。
【0036】
第2実施形態において、第2枢結手段6は、図10に示すように、保持手段2の背面に配置される第1摺動部材15と、該第1摺動部材15に重ね合わせられる第2摺動部材16と、重ね合わせた第1摺動部材15と第2摺動部材16を抱持した状態で保持手段2の背面に固着されるカバー部材17により構成され、それぞれが合成樹脂により一体成形されている。
【0037】
第1摺動部材15は、中央部に円形の軸受孔14を開口し、四隅にビス孔36を設けた矩形板部37の背面に、前記軸受孔14に沿う環状突部38を設けており、該環状突部38の直径方向に対向する位置に凹入形成したソケット25にスプリング26を介してボール23を装入するように構成され、前記一対のソケット25、25の間に延びる環状突部38に沿ってスロット20、20を形成している。
【0038】
第2摺動部材16は、前記環状突部38に重ね合わせられる環状板部39の内周部から前記軸受孔12に回動自在に挿入される筒軸13を突設しており、環状板部39の背面に前記回動ブラケット8、8を突設し、環状板部39の正面には、前記ボール23を嵌脱自在に嵌入可能とする凹部24を周方向に間隔をあけて凹設すると共に、前記スロット20、20にそれぞれ挿入されるピン21、21を突出形成している。
【0039】
従って、第1摺動部材15に第2摺動部材16を重ね合わせると、相互に回動自在に嵌合される軸受孔14と筒軸13により、第2摺動部材16に対して第1摺動部材15を回動自在とする回動機構11が構成されている。
【0040】
図例の場合、一対のスロット20、20は、それぞれ軸受孔14の中心により規定される円周に対して90度の範囲で延びるように形成され、第1摺動部材15を基準位置Pに回動位置させたとき、該スロット20の一端部をピン21に当接させ、第1摺動部材15を基準位置Pから時計針方向又は反時計針方向の1方向に90度だけ回動させることにより回動位置P1に位置させたとき、該スロット20の他端部をピン21に当接させるように構成され、これにより回動規制手段19が構成されている。
【0041】
図示実施形態の場合、第2摺動部材16に対する第1摺動部材15の回動範囲を90度としているため、環状板部39の周方向に90度の等間隔をあけて4個の凹部24が配置されており、第1摺動部材15を基準位置Pに回動位置させた状態で、ボール23、23が所定の一対の凹部24、24に嵌入し、第1摺動部材15を回動位置P1に回動位置させたとき、ボール23、23が別の一対の凹部24、24に嵌入するように構成され、これにより停止保持機構12を構成している。
【0042】
第1摺動部材15と第2摺動部材16は、相互に重ね合わせられた状態でカバー部材17により抱持され、ユニットを構成した状態で保持手段2の背面に固着される。カバー部材17は、フランジ部40の内側に抱持室41を形成し、該抱持室41の四隅にボス41bを設けている。そこで、重ね合わせられた第1摺動部材15と第2摺動部材16を抱持室41に収容させ、第1摺動部材15の矩形板部37をボス41bに対して、ビス孔36を介してビス止めすることにより、第1摺動部材15と第2摺動部材16とカバー部材17の三者を組付けたユニットが形成される。この状態で、第2摺動部材16は、回動ブラケット8、8を抱持室41の壁面41aの開口部17aから突出し、環状板部39を第1摺動部材15の環状突部38とカバー部材17の壁面41aの間に保持される。
【0043】
前記ユニットは、カバー部材17のフランジ40を保持手段2の背面に沿わせ、該フランジ40のビス孔42を介してビス止め等により保持手段2に固着される。従って、回動ブラケット8、8を支柱3に連結した状態で、第2摺動部材16に対して、保持手段2と共にカバー部材17及び第1摺動部材15が垂直軸Yの廻りに回動自在とされる。
【0044】
図示実施形態の場合、カバー部材17と第2摺動部材16の間に第2の回動規制手段43が設けられている。第2の回動規制手段43は、第2摺動部材16の環状板部39の外周縁から直径方向に突設された一対の受止め部44と、カバー部材17の抱持室41の内周部に突設された当接片45により構成されている。図例の場合、上述のように基準位置Pと回動位置P1の間の回動範囲を90度としているので、垂直軸Yの廻りに等間隔で4個の当接片45が設けられており、第1摺動部材15を基準位置Pに回動位置させた状態で、所定の当接片45が受止め部44に当接して第1摺動部材15のそれ以上の回動を阻止し、第1摺動部材15を回動位置P1に回動位置させたとき、別の当接片45が受止め部44に当接して第1摺動部材15のそれ以上の回動を阻止するように構成され、これにより第2の回動規制手段43を構成している。
【0045】
尚、第2実施形態においても、前記保持手段2は、前記筒軸13及び開口部17aに臨む窓孔22を開設しており、ユニットを構成するカバー部材17の背後から携帯端末機器1のエンブレムを透視できるように構成されている。
【0046】
図11及び図12は、垂直軸Yの廻りに回動自在なカバー部材17及び第1摺動部材15に対して、垂直軸Yの廻りに回動不能な第2摺動部材16を左右に展開配置した状態を示しており、これに基づく作用を説明している。
【0047】
図11は、保持手段2に固着されたカバー部材17及び第1摺動部材15を矢印R1で示すように回動することにより基準位置Pに位置させた状態を示している。この状態で、停止保持機構12を構成するスプリング26により弾発付勢されたボール23が第2摺動部材16の所定の凹部24に嵌入し、これにより回動機構11の自由な回動を妨げ、保持手段2を基準位置P又に固定保持している。また、回動規制手段19を構成するスロット20の一端部がピン21に当接し、更に、第2の回動規制手段43を構成する当接片45が受止め部44に当接することにより、矢印R1方向への更なる回動を阻止している。
【0048】
図12は、前記基準位置Pから保持手段2に固着されたカバー部材17及び第1摺動部材15を矢印R2で示すように逆転方向に回動することにより回動位置P1に位置させた状態を示している。この状態で、停止保持機構12を構成するスプリング26により弾発付勢されたボール23が第2摺動部材16の所定の凹部24に嵌入し、これにより回動機構11の自由な回動を妨げ、保持手段2を回動位置P1又に固定保持している。また、回動規制手段19を構成するスロット20の他端部がピン21に当接し、更に、第2の回動規制手段43を構成する当接片45が受止め部44に当接することにより、矢印R2方向への更なる回動を阻止している。
【符号の説明】
【0049】
1 携帯端末機器
2 保持手段
3 支柱
4 連結手段
5 第1枢結手段
6 第2枢結手段
7 固定ブラケット
8 回動ブラケット
9 枢軸
10 固定保持手段
11 回動機構
12 停止保持機構
13 筒軸
14 軸受孔
15 第1摺動部材
16 第2摺動部材
17 カバー部材
17a 開口部
19 回動規制手段
20 スロット
21 ピン
22 窓孔
23 ボール
24 凹部
25 ソケット
26 スプリング
27 ロック装置
28 コーナ保持部材
29 差込みポケット
30 ハウジング
31 ロック手段
32 差込み口
33 挿入部
34 ロック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定可能な支柱(3)と、携帯端末機器を背部から保持する保持手段(2)と、前記支柱と保持手段を連結する連結手段(4)により構成され、
前記連結手段(4)は、前記保持手段(2)の背面に沿って延びる水平軸(X)と、該水平軸に直交すると共に前記携帯端末機器の中央を貫通する垂直軸(Y)に関して、前記保持手段を前記水平軸(X)の廻りに回動自在かつ固定保持自在とする第1枢結手段(5)と、前記保持手段を前記垂直軸(Y)の廻りに回動自在かつ固定保持自在とする第2枢結手段(6)を構成しており、
前記第2枢結手段(6)は、携帯端末機器を水平姿勢又は直立姿勢とさせた基準位置(P)と、該基準位置から前記垂直軸(Y)の廻りで時計針方向又は反時計針方向に向けて少なくとも90度回動した回動位置(P1)との間で、前記保持手段を回動させる回動機構(11)を構成し、
更に、前記第2枢結手段(6)は、保持手段が基準位置(P)と回動位置(P1)に回動されたとき、嵌脱自在に嵌合することにより該保持手段を固定保持する停止保持機構(12)を構成して成ることを特徴とする携帯端末機器用スタンド。
【請求項2】
携帯端末機器の背部の中央部にエンブレムが表示されており、
前記第2枢結手段(6)の回動機構(11)は、筒軸(13)と、該筒軸を回動自在に保持する軸受孔(14)により構成され、前記筒軸に臨む窓孔(22)を保持手段(2)に開設することにより、第2枢結手段(6)の背後から前記エンブレムを透視可能とするように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機器用スタンド。
【請求項3】
前記第2枢結手段(6)の停止保持機構(12)は、前記筒軸(13)の周囲に位置して前記回動機構(11)を回動したとき、垂直軸(Y)を中心とする円周方向に相互に摺動する第1摺動部材(15)と第2摺動部材(16)を構成し、
第1摺動部材(15)は、前記円周方向に間隔をあけてソケット(25)を配置すると共に、該ソケットに第2摺動部材に向けて弾発付勢されたボール(23)を設け、
第2摺動部材(16)は、前記円周方向に間隔をあけて前記ボールを嵌入自在とする凹部(24)を配設しており、
前記保持手段を基準位置(P)と回動位置(P1)に回動したとき、前記ボール(23)が所定の凹部(24)に嵌入するように構成して成ることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機器用スタンド。
【請求項4】
前記保持手段(2)は、携帯端末機器の背部を保持した状態で、該携帯端末機器を分離不能に固着するロック装置(27)を設けており、
前記ロック装置(27)は、保持手段(2)の背部に固設されたハウジング(30)と、携帯端末機器を分離不能に拘束するロック手段(31)を備え、
前記ロック手段(31)は、ハウジング(30)に挿脱自在に挿入される挿入部(33)と、該挿入部をハウジングに挿入したとき携帯端末機器(1)を分離不能に拘束するロック部(34)を設けており、
前記ハウジング(30)の内部に専用の解錠装置により外部から解錠可能な施錠手段を設け、前記挿入部(33)をハウジング(30)に挿入したとき前記施錠手段により挿入部(33)をハウジング(30)から抜き出し不能に施錠するように構成して成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の携帯端末機器用スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−42254(P2013−42254A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176543(P2011−176543)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(392025238)株式会社サンエイ (43)
【Fターム(参考)】