携帯端末用ボタン
【課題】ボタンを利用者の意図した場所に配置して使用できるようにすること。
【解決手段】ボタンを取り付ける吸着部32と、ボタンの押圧を検出するスイッチ部21と、情報を格納する格納手段22と、無線で近距離の送受信を行う近距離信号送受信部29と、制御部23とを備え、前記制御部23は、前記スイッチ部21で前記ボタンの押圧を検出した際に、前記格納手段22内の予め決められた信号を前記近距離信号送受信部29より発信する。
【解決手段】ボタンを取り付ける吸着部32と、ボタンの押圧を検出するスイッチ部21と、情報を格納する格納手段22と、無線で近距離の送受信を行う近距離信号送受信部29と、制御部23とを備え、前記制御部23は、前記スイッチ部21で前記ボタンの押圧を検出した際に、前記格納手段22内の予め決められた信号を前記近距離信号送受信部29より発信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話のような携帯可能な情報処理装置である端末の情報の入力手段として使用される携帯端末用ボタンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯端末では、あらかじめ固定の位置に取り付けられているボタンを押すことによって、携帯端末の機能を実現するのが一般的であった。
【0003】
また、従来、携帯電話用文字入力装置として、携帯電話機の側面に脱着可能に取り付けられた補助入力装置を備えるものがあった。この補助入力装置は複数の補助キーを備え、接続ケーブルで携帯電話機と電気的に接続されるものであった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−228701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、携帯電話のようにサービス提供会社と契約しないと利用できない固定のボタンが存在し、利用者は間違ってそのボタンを操作すると、エラーメッセージが表示されるなどの問題があった。また、携帯端末を制御するボタンは、あらかじめ固定の位置に取り付けられているため、利用者が使いやすい位置にボタンがなく、ボタン位置、機能等を確認しないと操作できない等の操作に手間がかかるといった課題があった。
【0005】
また、補助入力装置を携帯電話機の側面に脱着可能に取り付けるものは、接続ケーブルの長さの範囲しか移動できず、複数の補助キーの相互間の位置の移動(変更)もできないものであった。
【0006】
本発明はこのような従来の課題を解決し、ボタンを利用者が意図した場所に配置できるようにし、ボタンを押すことにより、無線で携帯端末本体にボタン押下信号を通知できるようにすることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1は本発明の原理説明図である。図1中、4はボタン、21はスイッチ部、22は格納手段(メモリ)、23は制御部、24はボタン固有識別コード処理部、25は暗号化処理部、27は充電可能電池、28は給電コイル部、29は近距離信号送受信部、32は吸着部(吸着装置)である。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するため、次のように構成した。
【0009】
(1):ボタンを取り付ける吸着部32と、ボタンの押圧を検出するスイッチ部21と、情報を格納する格納手段22と、無線で近距離の送受信を行う近距離信号送受信部29と、制御部23とを備え、前記制御部23は、前記スイッチ部21で前記ボタンの押圧を検出した際に、前記格納手段22内の予め決められた信号を前記近距離信号送受信部29より発信する。このため、ボタンを利用者の意図した場所に配置して使用できる。
【0010】
(2):前記(1)の携帯端末用ボタンにおいて、充電可能電池27と、前記充電可能電池27を充電する給電コイル部28を備え、前記給電コイル部28は、携帯端末から無線誘導で給電される。このため、ボタン内の電池の交換が不要となる。また、この充電は携帯端末の電圧レベルの低下に応じて自動停止して携帯端末の電池の保護ができ、携帯端末の充電時に自動で充電をすることもできる。
【0011】
(3):前記(1)又は(2)の携帯端末用ボタンにおいて、書き換え処理部を備え、外部から前記近距離信号送受信部29を利用して、前記書き換え処理部により、前記ボタンが発信する信号を変更できるようにする。このため、ボタンに必要な機能を容易に持たせることができる。また、携帯端末紛失時の対応として、電話着信時やショートメッセージサービス又はメールの着信時に、特定の番号、アドレス、キーワード等によってボタンの初期化(付加情報の)やボタンの機能を無効にすることができ、さらに、お店のキャンペーン期間のみアクセスが可能なようにタイマーである期間を過ぎるとボタンの機能を無効にすることもできる。
【0012】
(4):前記(1)〜(3)の携帯端末用ボタンにおいて、前記ボタンが発信する信号は、前記携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行する制御コードとする。このため、ボタンを押すことで、携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行することができる。
【0013】
(5):前記(4)の携帯端末用ボタンにおいて、前記ボタンが発信する信号は、前記制御コードと共に、電話番号やメールアドレス等の付加情報を転送する。このため、ボタンを押すことで、携帯端末の電話番号やメールアドレス等を容易に設定(又は電話やメールの送信)をすることができる。この制御コードと付加情報の書き換えは前記ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータ(パソコン)から行うことができる。
【0014】
(6):前記(1)〜(5)の携帯端末用ボタンにおいて、前記吸着部32により、前記ボタンの取り付け位置を繰り返し変更できるようにする。このため、シリコン吸着等を用いてボタンを利用者の意図した場所に変更して使用できる。
【0015】
(7):前記(1)〜(6)の携帯端末用ボタンにおいて、光源を備え、前記近距離信号送受信部29で特定の信号を受信した際に前記光源を発光させる。このため、LED(発光ダイオード)等の光源により夜間でもボタンの位置やラベルを容易に確認することができる。
【0016】
(8):前記(1)〜(7)の携帯端末用ボタンにおいて、前記近距離信号送受信部29で送受信する信号に識別コードを付加する。このため、他の携帯端末に取り付けられたボタンが発信する信号による誤動作を防止することができる。
【0017】
(9):前記(8)の携帯端末用ボタンにおいて、前記ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータから、前記近距離信号送受信部29を利用して前記ボタンの識別コードを書き換えできるようにする。このため、ボタンの制御対象とする携帯端末又は他のコンピュータ(パソコン)から、ボタンの制御対象とする携帯端末専用のボタンとすることができる。また、前記ボタンが前記携帯端末の識別コードを保持していない場合(ボタンの初期化状態)でも識別コードを書き込む(更新)することができる。
【0018】
(10):前記(1)〜(9)の携帯端末用ボタンにおいて、暗号化処理部25を備え、前記近距離信号送受信部29で送受信する信号を暗号化する。このため、第三者にボタン操作をスキャンされることを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば次のような効果がある。
【0020】
(1):制御部で、スイッチ部でボタンの押圧を検出した際に、格納手段内の予め決められた信号を近距離信号送受信部より無線で発信するため、ボタンを利用者の意図した場所に配置して使用することができる
(2):充電可能電池を充電する給電コイル部に、携帯端末から無線誘導で給電されるため、ボタン内の電池の交換が不要となる。また、この充電は携帯端末の電圧レベルの低下に応じて自動停止して携帯端末の電池の保護ができ、携帯端末の充電時に自動で充電をすることもできる。
【0021】
(3):前記書き換え処理部により、ボタンが発信する信号を変更できるようにするため、ボタンに必要な機能を容易に持たせることができる。また、携帯端末紛失時の対応として、ボタンの初期化(付加情報の)やボタンの機能を無効にすることができ、さらに、ある期間を過ぎるとボタンの機能を無効にすることもできる。
【0022】
(4):ボタンが発信する信号は、携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行する制御コードとするため、ボタンを押すことで、携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行することができる。
【0023】
(5):ボタンが発信する信号は、制御コードと共に、電話番号やメールアドレス等の付加情報を転送するため、ボタンを押すことで、携帯端末の電話番号やメールアドレス等を容易に設定(又は電話やメールの送信)をすることができる。
【0024】
(6):吸着部により、ボタンの取り付け位置を繰り返し変更できるようにするため、シリコン吸着等を用いてボタンを利用者の意図した場所に変更して使用できる。
【0025】
(7):近距離信号送受信部で特定の信号を受信した際に光源を発光させるため、LED(発光ダイオード)等の光源により夜間でもボタンの位置やラベルを容易に確認することができる。
【0026】
(8):近距離信号送受信部で送受信する信号に識別コードを付加するため、他の携帯端末に取り付けられたボタンが発信する信号による誤動作を防止することができる。
【0027】
(9):ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータ(パソコン)から、ボタンの識別コードを書き換えできるようにするため、ボタンの制御対象とする携帯端末又は他のコンピュータ(パソコン)から、ボタンの制御対象とする携帯端末専用のボタンとすることができる。また、前記ボタンが前記携帯端末の識別コードを保持していない場合(ボタンの初期化状態)でも識別コードを書き込む(更新)することができる。
【0028】
(10):近距離信号送受信部で送受信する信号を暗号化するため、第三者にボタン操作をスキャンされることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、携帯端末に使用される一つ一つのボタンの中にCPU、メモリ、電源、電源供給(給電)コイル、短距離信号送受信装置、個別識別コード(ボタン固有識別コード、端末識別コード)、制御コード、付加情報、暗号機能を実装する。そして、このボタンには、吸着装置を取り付け、携帯端末本体の好きな位置に取り付けることにより、ボタンと携帯端末をつなぐ配線が無い状態でも、ボタンを押すことにより、携帯端末にボタン押下信号を通知することを可能とするものである。
【0030】
ボタンが押された際は、ボタン内の電源を利用してボタン固有の識別コード、制御コード、付加情報を近距離通信用無線電波に載せて端末に向けて発信する。その信号を受けた携帯端末は、受信したデータを分析して、押下されたボタンに一致した処理を行う。暗号機能は、近距離無線の秘匿性を高める目的で使用する。また、ボタン内にある電源には、給電用コイルから電気を充電する機能を実装するため、携帯端末に取り付けた状態で、携帯端末からの誘導電流により、ボタン内の電源(電池)に蓄電(充電)することが可能となる。
【0031】
(1):携帯端末(装置)の説明
図2は携帯端末の説明図である。図2において、携帯端末1には、表示画面2、固定の数字等の入力ボタン3、携帯端末本体の表面に1つと側面に2つの移動可能なボタン4が設けてある。
【0032】
携帯端末1は、携帯電話、携帯可能な端末装置等である。表示画面2は、情報を表示する液晶等の表示手段(装置)の画面である。ボタン3は、数字等の情報を入力する固定の入力ボタンである。ボタン4は、携帯端末本体の表面と側面に取り付けられた移動可能な情報入力手段(装置)である。なお、ボタン3を移動可能なボタンとすることもできる。
【0033】
(2):携帯端末本体の説明
図3は携帯端末本体のハードブロック図である。図3において、携帯端末1の本体10には、メモリ11、CPU12、近距離信号送受信部13、誘導電流発信部14、ボタン固有識別コード処理部15、暗号化処理部16、書き換え処理部17、制御コード処理部18、基本処理部(既存)19が設けてある。
【0034】
メモリ11は、ボタンの識別子や暗号化等に必要なデータを記憶する格納手段である。CPU12は、基本処理に加え、ボタンと携帯端末の信号送受信、暗号化、識別コード書き換え、信号処理、誘導電流発信といった制御を行う制御部(制御手段)である。近距離信号送受信部13は、携帯端末とボタン間の信号の送受信を無線で行うものである。誘導電流発信部14は、誘導電流を発生させ、ボタンに組み込まれている充電可能電池の充電を行う部品である。ボタン固有識別コード処理部15は、近距離信号送受信部13にて受信したデータに含まれる識別コードを解読する処理を行うものである。暗号化処理部16は、ボタンと携帯端末間で送受信されるデータの暗号化とデコード処理を行うものである。書き換え処理部17は、ボタンの識別コードとそのコードに応じた携帯端末内の処理内容の変更を行うものである。制御コード処理部18は、特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行するための制御コードの処理を行うものである。基本処理部(既存)19は、携帯端末の基本処理を行う(従来技術)ものである。
【0035】
(3):ボタンの説明
図4はボタンのハードブロック図である。図4において、移動可能なボタン4には、スイッチ部21、メモリ22、CPU23、ボタン固有識別コード処理部24、暗号化処理部25、書き換え処理部26、充電可能電池27、給電コイル部28、近距離信号送受信部29、制御コード処理部30、LED31、吸着装置32が設けてある。
【0036】
スイッチ部21は、ボタンの押圧であるオン、オフ(ON,OFF)を感知するものである。メモリ22は、ボタンの識別コード、暗号化に必要なデータ、電話番号、URL(Uniform Resource Locators )等の情報を保存する格納手段である。CPU23は、ボタンの信号送受信、識別コード書き換えの処理等のボタン全体の制御する制御部(制御手段)である。ボタン固有識別コード処理部24は、メモリ22からボタン固有識別コードである端末の固有ID+ボタンの固有IDを読みだしたり受信したデータにボタン固有識別コードが含まれているか調べる等の処理を行うものである。
【0037】
暗号化処理部25は、ボタンと携帯端末間で送受信されるデータの暗号化とデコード処理を行うものである。書き換え処理部26は、携帯端末やPC(パーソナルコンピュータ)などからボタンの識別コードの書き換え要求を受け、メモリ内の識別コードを書き換える処理を行うものである。充電可能電池27は、ボタンのCPU23やメモリ22、LED31といった部品に電源を供給するものである。給電コイル部28は、携帯端末から発せられた誘導電流を受電して充電可能電池の充電を行うものである。近距離信号送受信部29は、携帯端末とボタン間の信号送受信を無線で行うものである。制御コード処理部30は、特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行するための設定や読み出し等の処理を行うものである。LED31は、携帯端末から特定の信号を受信した際、LEDを発光させ、夜間でもボタンのラベルが確認しやすくする光源(照明手段)である。吸着装置32は、利用者が意図した場所に配置できるようにする取り付け取り外し可能なシリコン吸着部等である。
【0038】
(4):ボタン押下処理の説明
移動可能なボタン内にCPU(ICチップ)、電源、コイル、発光部品(光源)、信号送受信部品、書き換え可能なメモリ、ボタンを携帯端末等の制御対象装置に取り付け取り外し可能とする吸着装置等を備え、この携帯端末などの装置を制御するボタンを利用者が意図した場所に配置できるようにするものである。
【0039】
図5はボタン押下処理フローチャートである。以下、図5の処理S1〜S12にしたがって説明する。
【0040】
S1:ボタンが押下されるとボタン内のCPU23は、スイッチ部21でボタンの押下を検出し、処理S2に移る。
【0041】
S2:CPU23は、ボタン固有識別コード処理部24によりボタンのメモリ22からボタン固有の識別コード(ID)を取得し、処理S3に移る。
【0042】
S3:CPU23は、ボタン固有の識別コードがあったかどうかを判断する。この判断で、ボタン固有の識別コードがあった場合は処理S4に移り、なかった場合はこの処理を終了する。
【0043】
S4:CPU23は、制御コード処理部30によりボタンのメモリ22から制御コードを取得し、処理S5に移る。
【0044】
S5:CPU23は、制御コードがあったかどうかを判断する。この判断で、制御コードがあった場合は処理S6に移り、なかった場合はこの処理を終了する。
【0045】
S6:CPU23は、ボタンのメモリ22から付加情報を取得し、処理S7に移る。
【0046】
S7:CPU23は、ボタン固有識別コード、制御コード、付加情報(メモリ22に在った場合のみ)を近距離信号送受信部29より携帯端末本体に送信し、処理S8に移る。なお、この送信の場合、送信する情報(データ)を暗号化処理部25で暗号化して送ることもできる。
【0047】
S8:携帯端末本体のCPU12は、近距離信号送受信部13でボタンからの信号(データ)を受信し、処理S9に移る。この場合、押下されたボタンから近距離信号送受信部13で受信した信号が暗号化されていた場合、暗号化データを暗号化処理部16でデコードする。
【0048】
S9:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により受信したデータのボタン固有識別コードと携帯端末本体内のメモリ11に登録されているボタン固有識別コードとを取り出し、一致するかどうかを判断する。この判断で、登録されているボタン固有識別コードと一致する場合は処理S10に移り、一致しない場合はこの処理を終了する。
【0049】
S10:CPU12は、制御コード処理部18により制御コードを解析し、処理S11に移る。
【0050】
S11:CPU12は、付加情報を解析し、処理S12に移る。
【0051】
S12:CPU12は、制御コード及び付加情報に設定された処理(基本処理部19で既存の処理等)を実行し、この処理を終了する。
【0052】
(5):蓄電処理の説明
ボタン内にある電源である充電可能電池27には、給電コイル部28から電気を充電する機能を実装する。これは、携帯端末本体10にボタン4を吸着装置32で取り付けた状態で、携帯端末の誘導電流発信部14からの誘導電流(無線)により、ボタン内の電源(充電可能電池27)に蓄電することが可能となる。
【0053】
図6は蓄電処理の説明図である。図6において、ボタン4が携帯端末本体10に吸着装置32で固定されている。携帯端末本体10ではCPU12の指示により、誘導電流発信部14から誘導電流を発信し、ボタン4内の給電コイル部28で誘導電流を受信(受電)し、この受信した電流を整流装置等で直流にして充電可能電池27を充電するものである。
【0054】
なお、ボタン固有識別コード処理部15の処理で移動可能なボタンが固定されたのを携帯端末本体10が認識して、誘導電流を発信するようにすることもできる。また、携帯端末内の電圧レベルに応じて、携帯端末の電池容量確保のためボタンへの給電処理を自動停止することもできる。さらに、携帯端末充電時に、ボタンへの給電も自動で行うようにすることもできる。
【0055】
このように、ボタン内の電源は、ボタンを取り付けた携帯端末が生成する誘導磁場で確保することでボタン内の電源となる電池を交換不要とすることがきる。
【0056】
(6):書き換え処理の説明
ボタン内に組み込まれた信号送受信装置(近距離信号送受信部29)を利用し、外部からボタンが発する信号を書き換え可能とするものである。書き換えは、携帯端末本体又は別のPCから行うことができる。なお、別のPCで行う時は、ボタンと携帯端末とで送受信するための識別コード(ID)を携帯端末等からコピーする必要がある。
【0057】
携帯端末本体にボタンの設定登録のプログラムを設け、ボタンが押された時に発する信号を携帯端末本体からボタンに送り、ボタン内に書き込むことができるようにする。これにより、ボタン固有識別コード(ボタン固有識別子)及びメモリ内のメールアドレス、URL等を書き換えることができる。
【0058】
(ボタンの識別コード(ID)の説明)
ボタンと該ボタンを取り付ける端末内で送受信する信号に、識別コード(ID)を付加することで、他の端末に取り付けられたボタンが発信する信号による誤動作を防ぐことができる。
【0059】
例えば、新しくお店等で購入したボタンにはIDがない(初期化されている)。このボタンを携帯端末に付けてボタンを押した時に、携帯端末側からIDを送ってボタン内に保有する。次回からは、このボタンはこの携帯端末でしか動作しなくなる。このIDは、例えば、携帯端末装置固有の番号等を使用することができる。
【0060】
図7、図8は携帯端末からボタン固有識別コードの初期化を行う処理フローチャートである。以下、図7、図8の処理S21〜S34に従って説明する。
【0061】
S21:携帯端末のCPU12は、ボタンが初期化済みかどうか判断する。この判断で、ボタンが初期化済みの場合は処理S26に移り、初期化済みでない場合は処理S22に移る。
【0062】
S22:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15によりメモリ11にボタン固有識別コードを取得し、ボタン固有識別コードが設定されているかどうか判断する。この判断で、ボタン固有識別コードが設定されている場合は処理S23に移り、ボタン固有識別コードが設定されていない場合は処理S26に移る。なお、この処理S26に移る場合は、ボタン固有識別コードは設定されていないが、制御コードや付加情報が設定されているボタン(お店等で配付されるボタンを携帯端末で最初に利用する場合などに該当する)である。
【0063】
S23:ユーザが、携帯端末のボタン初期化アプリケーションを実行する。ここでCPU12は、書き換え処理部17によりボタン初期化アプリケーションを実行し、処理S24に移る。
【0064】
S24:CPU12は、ボタン固有識別コードを初期化してよいかどうかユーザの判断を待つ、ユーザの操作でボタン固有識別コードを初期化してよい場合は処理S25に移り、初期化してはだめな場合は処理を停止しこの処理を終了する。
【0065】
S25:CPU12は、書き換え処理部17により端末内のボタン固有識別コードの初期化(端末、ボタン両方)し処理S26に移る。
【0066】
S26:ユーザが、携帯端末のボタン設定アプリケーションを起動する。ここでCPU12は、書き換え処理部17によりボタン設定アプリケーションを実行し、処理S27に移る。
【0067】
S27:ユーザが、初期化するボタンを押し、処理S28に移る。ここでCPU12は、ボタン設定アプリケーションを起動して、ボタンが押された信号を受け取れるようにする。
【0068】
S28:ボタンのCPU23は、ボタンのIDを携帯端末に送信し、処理S29に移る。ここで、ボタン固有識別コード処理部24によりボタンのメモリ22に記録されているボタンの固有IDを取りだし、携帯端末に近距離信号送受信部29を利用して、取り出したボタンの固有IDを送るものである。
【0069】
S29:携帯端末でボタンの固有IDを受信し、処理S30に移る。ここで、CPU12が、近距離信号送受信部13によりボタンの固有IDを受信するものである。
【0070】
S30:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15によりメモリ11から端末の固有IDを取り出し、処理S31に移る。
【0071】
S31:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により携帯端末の固有ID+ボタンの固有IDをボタン固有識別コードに設定し、処理S32に移る。
【0072】
S32:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により生成されたボタン固有識別コードを携帯端末内のメモリ11に保存し、処理S33に移る。
【0073】
S33:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により近距離信号送受信部13を利用してボタン固有識別コードをボタンに送信し、処理S34に移る。
【0074】
S34:ボタンのCPU23は、ボタン固有識別コード処理部24により近距離信号送受信部29で受信したボタン固有識別コードをボタン内のメモリ22に保存してこの処理を終了する。
【0075】
このように、ボタンと取り付ける携帯端末内で送受信する信号に識別コードを付加することで、他の携帯端末に取り付けられたボタンが発信する信号による誤動作を防ぐことができる。また、ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末もしくは、その制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持しているパソコン(PC)などで、ボタンの識別コードを書き換えることができる。そして、ボタンが制御する携帯端末の識別コードを保持していない状態(ボタンの初期化状態)でも、携帯端末や携帯端末の識別コードのコピーを保持しているパソコンなどからユーザ操作により、識別コードをボタンに送信して、ボタン内の識別コードを更新することで、ボタンを利用可能にすることができる。
【0076】
(制御コードの説明)
図9、図10は制御コードの設定を行う処理フローチャートである。以下、図9、図10の処理S41〜S58に従って説明する。
【0077】
S41:ユーザが、携帯端末のボタン設定アプリケーションを起動する。ここでCPU12は、書き換え処理部17によりボタン設定アプリケーションを実行し、処理S42に移る。
【0078】
S42:CPU12は、携帯端末に備え付けられているキーと同じ割り当てを行うかどうか判断する。この判断で、携帯端末に備え付けられているキーと同じ割り当てを行う場合は処理S46に移り、そうでない場合は処理S43に移る。
【0079】
S43:ユーザが、携帯端末の制御処理の選択を行い、処理S44に移る。ここで制御処理とは、LEDの制御、アプリケーション起動,文字のコピー,貼り付け等である。
【0080】
S44:CPU12は、付加情報を作成するかどうか判断する。この判断で、付加情報を作成する場合は処理S45に移り、作成しない場合は処理S48に移る。
【0081】
S45:ユーザが、付加情報を作成し、処理S48に移る。ここで付加情報とは、電話番号、メールアドレス、文字列などである。
【0082】
S46:ユーザが、ボタンに割り当てるキーを選択し、処理S47に移る。
【0083】
S47:ユーザが、キーと一致する動作を制御コードに設定し、処理S48に移る。
【0084】
S48:CPU12は、書き換え処理部17により対象ボタンのスキャンを開始し、処理S49に移る。
【0085】
S49:ユーザが、変更対象となるボタンを押し、処理S50に移る。
【0086】
S50:ボタンのCPU23は、ボタン固有識別コード処理部24によりメモリ22からボタン固有識別コードを取り出し近距離信号送受信部29から送信し、処理S51に移る。
【0087】
S51:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により近距離信号送受信部29でボタン固有識別コードを受信し、処理S52に移る。
【0088】
S52:CPU12は、書き換え処理部17により制御コード処理部18と近距離信号送受信部13で、携帯端末で生成した制御コードと付加情報をボタンに送信し、処理S53に移る。
【0089】
S53:ボタンのCPU23は、近距離信号送受信部29から制御コード、付加情報を受信し、処理S54に移る。
【0090】
S54:CPU23は、制御コード処理部30により受信した制御コード、付加情報をボタン内のメモリ22に保存し、処理S55に移る。
【0091】
S55:CPU23は、ボタン内のメモリ22に制御コードと付加情報の保存が成功したかどうか判断する。この判断で、保存が成功し場合は処理S56に移り、保存が失敗し場合は処理S58に移る。
【0092】
S56:CPU23は、近距離信号送受信部29で保存完了を携帯端末に送信し、処理S57に移る。
【0093】
S57:携帯端末のCPU12は、近距離信号送受信部13で保存完了により、制御コード処理部18で携帯端末内のメモリ11に新しい制御コード、付加情報を保存し、この処理を終了する。
【0094】
S58:CPU23は、近距離信号送受信部29で保存失敗を携帯端末に送信し、この処理を終了する。
【0095】
このように、ボタンが押された際に信号を受信した端末にて、起動するアプリケーションやその動作を制御するための制御コード(又は付加情報)を、制御される端末もしくは、他のパソコン(PC)で書き換えることができる。
【0096】
(7):吸着装置の説明
ボタンを端末に取り付ける吸着方法(吸着装置)としてシリコン吸着等を利用することで、ボタンの取り付け位置を繰り返し変更可能とすることができる。
【0097】
吸着装置として、取り付け取り外し可能な接着部を設ける以外に磁気的吸着、機械的に挟持等で固着することもできる。
【0098】
(8):ボタン照明の説明
ボタンが、携帯端末から特定の信号を受信した際、LED(発光ダイオード)等の照明を発光させ、夜間でもボタンのラベルが確認しやすくすることができる。これはボタンを押すとそれを携帯端末が認識し、携帯端末から特定の信号をボタンに送り、ボタン内のLEDが発光するものである。
【0099】
ボタンの発光は、ボタンを押したとき以外に携帯端末がメールや電話を受信したときにも発光させることができる。
【0100】
図11はボタン押下時にLEDを点灯する処理フローチャートである。以下、図11の処理S61〜S71に従って説明する。
【0101】
S61:ユーザが、ボタンを押下し、処理S62に移る。
【0102】
S62:ボタンのCPU23は、ボタン固有識別コード処理部24によりボタンのメモリ22からボタン固有識別コードを取得し、処理S63に移る。
【0103】
S63:CPU23は、ボタン固有識別コードがあるかどうか判断する。この判断で、ボタン固有識別コードがある場合は処理S64に移り、ない場合はこの処理を終了する。
【0104】
S64:CPU23は、制御コード処理部30によりボタンのメモリ22から制御コードの取得を行い、処理S65に移る。
【0105】
S65:CPU23は、制御コードがあるかどうか判断する。この判断で、制御コードがある場合は処理S66に移り、ない場合はこの処理を終了する。
【0106】
S66:CPU23は、ボタンのメモリ22から付加情報を取得し、処理S67に移る。
【0107】
S67:CPU23は、ボタン固有識別コードと制御コードと付加情報(ある場合のみ)を近距離信号送受信部29で送信し、処理S68に移る。
【0108】
S68:携帯端末のCPU12は、近距離信号送受信部13でボタンの信号を受信し、処理S69に移る。
【0109】
S69:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により受信したデータのボタン固有識別コードが携帯端末内のメモリ11に登録されているコードと一致するかどうか判断する。この判断で、メモリ11に登録されているコードと一致する場合は処理S70に移り、一致しない場合はこの処理を終了する。
【0110】
S70:CPU12は、携帯端末の設定が、キー押下時にLED点灯にセットされているかを判断する。この判断で、LED点灯にセットされている場合は処理S71に移り、されていない場合はこの処理を終了する。
【0111】
S71:CPU12は、近距離信号送受信部13でボタンのLED点灯を送信すると共に、携帯端末のLEDを点灯し、この処理を終了する。
【0112】
(9):端末の特定条件発生時にボタンの制御を行う処理の説明
電話着信やSMS(ショートメッセージサービス)、メール着信時に特定の番号、アドレス、本文のキーワード等によって、ボタンに登録されている付加情報の初期化を可能とすることができる。また、電話着信やSMS、メール着信時に特定の番号、アドレス、本文のキーワード等によって、ボタンを無効にすることもできる。さらに、ある期間を過ぎるとボタンの機能を無効にする設定がボタン内のタイマ(図示せず)等で行うこともできる。
【0113】
図12は携帯端末の特定条件発生時にボタンの制御を行う処理フローチャートである。以下、端末で特定のイベント発生時にボタンのLEDを点灯したりボタン内に保存されている情報の削除や初期化を行う例を図12の処理S81〜S91に従って説明する。
【0114】
S81:携帯端末のイベント発生があると、処理S82に移る。例えば、メール受信、電話着信などのイベントが携帯端末で発生する場合である。
【0115】
S82:以下、処理S83〜処理S91の処理が携帯端末に登録されているボタンの数、繰り返すため、処理S83に移る。
【0116】
S83:携帯端末のCPU12は、制御コード処理部18により携帯端末内に登録されているボタンの制御コードでイベント発生時に処理を行うボタンを検索し、処理S84に移る。すなわち、携帯端末の特定イベント発生時にボタンの動作を制御する設定を「図9、図10の制御コードの設定を行う処理フローチャート」、で行っているボタンで、その登録されているイベントが、今回発生したイベントと一致しているかを判定するものである。
【0117】
S84:CPU12は、制御コード処理部18により対象のボタンがあるかどうか判断する。この判断で、対象のボタンがある場合は処理S85に移り、ない場合は処理を終了する。
【0118】
S85:CPU12は、近距離信号送受信部13でボタンに制御コード、付加情報を送信し、処理S86に移る。
【0119】
S86:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15によりボタン固有識別コードと一致するボタンが携帯端末に取り付けられているか判断する。この判断で、ボタン固有識別コードと一致するボタンが携帯端末に取り付けられている場合は処理S87移り、取り付けられていない場合は処理を終了する。
【0120】
S87:ボタンのCPU23は、近距離信号送受信部29で制御コードと付加情報を受信し、処理S88に移る。
【0121】
S88:CPU23は、ボタンのLEDの点灯が指示されているか判断する。この判断で、LEDの点灯が指示されている場合は処理S89に移り、指示されていない場合は処理S90に移る。
【0122】
S89:CPU23は、ボタンのLED31を点灯し、処理S90に移る。このように端末の特定イベント発生時にボタンの動作を制御する設定がLED31の点灯だった場合はこのボタンのLED31を点灯するものである。
【0123】
S90:CPU23は、ボタン無効化処理が設定されているかを判断する。この判断で、ボタン無効化処理が設定されている場合は処理S91に移り、されていない場合はこの処理を終了する。
【0124】
S91:CPU23は、ボタン無効化処理を行い、この処理を終了する。すなわち、携帯端末の特定イベント発生時にボタンの動作を制御する設定がボタンの無効化や初期化だった場合はこのボタンの情報を初期化するものである。
【0125】
(10):携帯端末外(パソコン等)からボタンと端末の設定を変更する場合の説明
図13はパソコンからボタンと端末の設定を変更する場合の接続の説明図である。図13において、近距離信号送受信装置5にボタン4が取り付けられている。そして、制御対象端末である携帯端末1と近距離信号送受信装置5がUSBケーブル等でパソコンPCと接続されている。
【0126】
近距離信号送受信装置5は、パソコンPCからボタン固有識別コードを生成する際に、ボタンの固有IDを取得したり、生成されたボタン固有識別コードをボタン内に保存する処理を行うものである。制御コード、付加情報の設定を保存する場合も、この接続を利用する。
【0127】
制御対象端末である携帯端末1は、パソコンPCからボタン固有識別コードを生成する際に、携帯端末1の固有IDをパソコンPCに送信したり、生成されたボタン固有識別コードを携帯端末内に保存する処理を行うものである。制御コード、付加情報の設定を保存する場合も、この接続を利用する。
【0128】
(11):付記の記載
(付記1) ボタンを取り付ける吸着部と、
ボタンの押圧を検出するスイッチ部と、
情報を格納する格納手段と、
無線で近距離の送受信を行う近距離信号送受信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記スイッチ部で前記ボタンの押圧を検出した際に、前記格納手段内の予め決められた信号を前記近距離信号送受信部より発信することを特徴とした携帯端末用ボタン。
【0129】
(付記2) 充電可能電池と、
前記充電可能電池を充電する給電コイル部を備え、
前記給電コイル部は、携帯端末から無線誘導で給電されることを特徴とした付記1記載の携帯端末用ボタン。
【0130】
(付記3) 書き換え処理部を備え、
外部から前記近距離信号送受信部を利用して、前記書き換え処理部により、前記ボタンが発信する信号を変更できるようにすることを特徴とした付記1又は2記載の携帯端末用ボタン。
【0131】
(付記4) 前記ボタンが発信する信号は、前記携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行する制御コードであることを特徴とした付記1〜3のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0132】
(付記5) 前記ボタンが発信する信号は、前記制御コードと共に、電話番号やメールアドレス等の付加情報を転送することを特徴とした付記4記載の携帯端末用ボタン。
【0133】
(付記6) 外部から前記近距離信号送受信部を利用して、前記携帯端末又は他のコンピュータにより前記制御コード又は付加情報を変更できるようにすることを特徴とした付記4又は5記載の携帯端末用ボタン。
【0134】
(付記7) 前記吸着部により、前記ボタンの取り付け位置を繰り返し変更できるようにすることを特徴とした付記1〜6のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0135】
(付記8) 光源を備え、
前記近距離信号送受信部で特定の信号を受信した際に前記光源を発光させることを特徴とした付記1〜7のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0136】
(付記9) 前記近距離信号送受信部で送受信する信号に識別コードを付加することを特徴とした付記1〜8のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0137】
(付記10) 前記ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータから前記近距離信号送受信部を利用して前記ボタンの識別コードを書き換えできるようにすることを特徴とした付記9記載の携帯端末用ボタン。
【0138】
(付記11) 前記ボタンが前記携帯端末の識別コードを保持していない場合、前記携帯端末や前記携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータからの識別コードを前記近距離信号送受信部を利用して受信することにより前記ボタン内の識別コードを更新することを特徴とした付記10記載の携帯端末用ボタン。
【0139】
(付記12) 暗号化処理部を備え、
前記近距離信号送受信部で送受信する信号を暗号化することを特徴とした付記1〜11のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0140】
(付記13) 前記携帯端末の電話着信時や前記携帯端末のショートメッセージサービス又はメールの着信時に、特定の番号、アドレス、キーワードによって前記携帯端末より、前記ボタンの付加情報の初期化をできるようにすることを特徴とした付記5又は6記載の携帯端末用ボタン。
【0141】
(付記14) 前記携帯端末の電話着信時や前記携帯端末のショートメッセージサービス又はメールの着信時に、特定の番号、アドレス、キーワードによって前記携帯端末より、前記ボタンの機能を無効にできるようにすることを特徴とした付記1〜13のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0142】
(付記15) タイマーを備え、
ある期間が過ぎると前記ボタンの機能を無効にできるようにすることを特徴とした付記1〜14のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0143】
(付記16) 前記給電コイル部への給電は、前記携帯端末内の電圧レベルの低下に応じて停止されることを特徴とした付記2記載の携帯端末用ボタン。
【0144】
(付記17) 前記給電コイル部への給電は、前記携帯端末の充電時に自動で行われることを特徴とした付記2記載の携帯端末用ボタン。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の携帯端末の説明図である。
【図3】本発明の携帯端末本体のハードブロック図である。
【図4】本発明のボタンのハードブロック図である。
【図5】本発明のボタン押下処理フローチャートである。
【図6】本発明の蓄電処理の説明図である。
【図7】本発明の携帯端末からボタン固有識別コードの初期化を行う処理フローチャートである。
【図8】本発明の携帯端末からボタン固有識別コードの初期化を行う処理フローチャートである。
【図9】本発明の制御コードの設定を行う処理フローチャートである。
【図10】本発明の制御コードの設定を行う処理フローチャートである。
【図11】本発明のボタン押下時にLEDを点灯する処理フローチャートである。
【図12】本発明の携帯端末の特定条件発生時にボタンの制御を行う処理フローチャートである。
【図13】本発明のパソコンからボタンと端末の設定を変更する場合の接続の説明図である。
【符号の説明】
【0146】
21 スイッチ部
22 格納手段(メモリ)
23 制御部
24 ボタン固有識別コード処理部
25 暗号化処理部
27 充電可能電池
28 給電コイル部
29 近距離信号送受信部
32 吸着部(吸着装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話のような携帯可能な情報処理装置である端末の情報の入力手段として使用される携帯端末用ボタンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯端末では、あらかじめ固定の位置に取り付けられているボタンを押すことによって、携帯端末の機能を実現するのが一般的であった。
【0003】
また、従来、携帯電話用文字入力装置として、携帯電話機の側面に脱着可能に取り付けられた補助入力装置を備えるものがあった。この補助入力装置は複数の補助キーを備え、接続ケーブルで携帯電話機と電気的に接続されるものであった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−228701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、携帯電話のようにサービス提供会社と契約しないと利用できない固定のボタンが存在し、利用者は間違ってそのボタンを操作すると、エラーメッセージが表示されるなどの問題があった。また、携帯端末を制御するボタンは、あらかじめ固定の位置に取り付けられているため、利用者が使いやすい位置にボタンがなく、ボタン位置、機能等を確認しないと操作できない等の操作に手間がかかるといった課題があった。
【0005】
また、補助入力装置を携帯電話機の側面に脱着可能に取り付けるものは、接続ケーブルの長さの範囲しか移動できず、複数の補助キーの相互間の位置の移動(変更)もできないものであった。
【0006】
本発明はこのような従来の課題を解決し、ボタンを利用者が意図した場所に配置できるようにし、ボタンを押すことにより、無線で携帯端末本体にボタン押下信号を通知できるようにすることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1は本発明の原理説明図である。図1中、4はボタン、21はスイッチ部、22は格納手段(メモリ)、23は制御部、24はボタン固有識別コード処理部、25は暗号化処理部、27は充電可能電池、28は給電コイル部、29は近距離信号送受信部、32は吸着部(吸着装置)である。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するため、次のように構成した。
【0009】
(1):ボタンを取り付ける吸着部32と、ボタンの押圧を検出するスイッチ部21と、情報を格納する格納手段22と、無線で近距離の送受信を行う近距離信号送受信部29と、制御部23とを備え、前記制御部23は、前記スイッチ部21で前記ボタンの押圧を検出した際に、前記格納手段22内の予め決められた信号を前記近距離信号送受信部29より発信する。このため、ボタンを利用者の意図した場所に配置して使用できる。
【0010】
(2):前記(1)の携帯端末用ボタンにおいて、充電可能電池27と、前記充電可能電池27を充電する給電コイル部28を備え、前記給電コイル部28は、携帯端末から無線誘導で給電される。このため、ボタン内の電池の交換が不要となる。また、この充電は携帯端末の電圧レベルの低下に応じて自動停止して携帯端末の電池の保護ができ、携帯端末の充電時に自動で充電をすることもできる。
【0011】
(3):前記(1)又は(2)の携帯端末用ボタンにおいて、書き換え処理部を備え、外部から前記近距離信号送受信部29を利用して、前記書き換え処理部により、前記ボタンが発信する信号を変更できるようにする。このため、ボタンに必要な機能を容易に持たせることができる。また、携帯端末紛失時の対応として、電話着信時やショートメッセージサービス又はメールの着信時に、特定の番号、アドレス、キーワード等によってボタンの初期化(付加情報の)やボタンの機能を無効にすることができ、さらに、お店のキャンペーン期間のみアクセスが可能なようにタイマーである期間を過ぎるとボタンの機能を無効にすることもできる。
【0012】
(4):前記(1)〜(3)の携帯端末用ボタンにおいて、前記ボタンが発信する信号は、前記携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行する制御コードとする。このため、ボタンを押すことで、携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行することができる。
【0013】
(5):前記(4)の携帯端末用ボタンにおいて、前記ボタンが発信する信号は、前記制御コードと共に、電話番号やメールアドレス等の付加情報を転送する。このため、ボタンを押すことで、携帯端末の電話番号やメールアドレス等を容易に設定(又は電話やメールの送信)をすることができる。この制御コードと付加情報の書き換えは前記ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータ(パソコン)から行うことができる。
【0014】
(6):前記(1)〜(5)の携帯端末用ボタンにおいて、前記吸着部32により、前記ボタンの取り付け位置を繰り返し変更できるようにする。このため、シリコン吸着等を用いてボタンを利用者の意図した場所に変更して使用できる。
【0015】
(7):前記(1)〜(6)の携帯端末用ボタンにおいて、光源を備え、前記近距離信号送受信部29で特定の信号を受信した際に前記光源を発光させる。このため、LED(発光ダイオード)等の光源により夜間でもボタンの位置やラベルを容易に確認することができる。
【0016】
(8):前記(1)〜(7)の携帯端末用ボタンにおいて、前記近距離信号送受信部29で送受信する信号に識別コードを付加する。このため、他の携帯端末に取り付けられたボタンが発信する信号による誤動作を防止することができる。
【0017】
(9):前記(8)の携帯端末用ボタンにおいて、前記ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータから、前記近距離信号送受信部29を利用して前記ボタンの識別コードを書き換えできるようにする。このため、ボタンの制御対象とする携帯端末又は他のコンピュータ(パソコン)から、ボタンの制御対象とする携帯端末専用のボタンとすることができる。また、前記ボタンが前記携帯端末の識別コードを保持していない場合(ボタンの初期化状態)でも識別コードを書き込む(更新)することができる。
【0018】
(10):前記(1)〜(9)の携帯端末用ボタンにおいて、暗号化処理部25を備え、前記近距離信号送受信部29で送受信する信号を暗号化する。このため、第三者にボタン操作をスキャンされることを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば次のような効果がある。
【0020】
(1):制御部で、スイッチ部でボタンの押圧を検出した際に、格納手段内の予め決められた信号を近距離信号送受信部より無線で発信するため、ボタンを利用者の意図した場所に配置して使用することができる
(2):充電可能電池を充電する給電コイル部に、携帯端末から無線誘導で給電されるため、ボタン内の電池の交換が不要となる。また、この充電は携帯端末の電圧レベルの低下に応じて自動停止して携帯端末の電池の保護ができ、携帯端末の充電時に自動で充電をすることもできる。
【0021】
(3):前記書き換え処理部により、ボタンが発信する信号を変更できるようにするため、ボタンに必要な機能を容易に持たせることができる。また、携帯端末紛失時の対応として、ボタンの初期化(付加情報の)やボタンの機能を無効にすることができ、さらに、ある期間を過ぎるとボタンの機能を無効にすることもできる。
【0022】
(4):ボタンが発信する信号は、携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行する制御コードとするため、ボタンを押すことで、携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行することができる。
【0023】
(5):ボタンが発信する信号は、制御コードと共に、電話番号やメールアドレス等の付加情報を転送するため、ボタンを押すことで、携帯端末の電話番号やメールアドレス等を容易に設定(又は電話やメールの送信)をすることができる。
【0024】
(6):吸着部により、ボタンの取り付け位置を繰り返し変更できるようにするため、シリコン吸着等を用いてボタンを利用者の意図した場所に変更して使用できる。
【0025】
(7):近距離信号送受信部で特定の信号を受信した際に光源を発光させるため、LED(発光ダイオード)等の光源により夜間でもボタンの位置やラベルを容易に確認することができる。
【0026】
(8):近距離信号送受信部で送受信する信号に識別コードを付加するため、他の携帯端末に取り付けられたボタンが発信する信号による誤動作を防止することができる。
【0027】
(9):ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータ(パソコン)から、ボタンの識別コードを書き換えできるようにするため、ボタンの制御対象とする携帯端末又は他のコンピュータ(パソコン)から、ボタンの制御対象とする携帯端末専用のボタンとすることができる。また、前記ボタンが前記携帯端末の識別コードを保持していない場合(ボタンの初期化状態)でも識別コードを書き込む(更新)することができる。
【0028】
(10):近距離信号送受信部で送受信する信号を暗号化するため、第三者にボタン操作をスキャンされることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、携帯端末に使用される一つ一つのボタンの中にCPU、メモリ、電源、電源供給(給電)コイル、短距離信号送受信装置、個別識別コード(ボタン固有識別コード、端末識別コード)、制御コード、付加情報、暗号機能を実装する。そして、このボタンには、吸着装置を取り付け、携帯端末本体の好きな位置に取り付けることにより、ボタンと携帯端末をつなぐ配線が無い状態でも、ボタンを押すことにより、携帯端末にボタン押下信号を通知することを可能とするものである。
【0030】
ボタンが押された際は、ボタン内の電源を利用してボタン固有の識別コード、制御コード、付加情報を近距離通信用無線電波に載せて端末に向けて発信する。その信号を受けた携帯端末は、受信したデータを分析して、押下されたボタンに一致した処理を行う。暗号機能は、近距離無線の秘匿性を高める目的で使用する。また、ボタン内にある電源には、給電用コイルから電気を充電する機能を実装するため、携帯端末に取り付けた状態で、携帯端末からの誘導電流により、ボタン内の電源(電池)に蓄電(充電)することが可能となる。
【0031】
(1):携帯端末(装置)の説明
図2は携帯端末の説明図である。図2において、携帯端末1には、表示画面2、固定の数字等の入力ボタン3、携帯端末本体の表面に1つと側面に2つの移動可能なボタン4が設けてある。
【0032】
携帯端末1は、携帯電話、携帯可能な端末装置等である。表示画面2は、情報を表示する液晶等の表示手段(装置)の画面である。ボタン3は、数字等の情報を入力する固定の入力ボタンである。ボタン4は、携帯端末本体の表面と側面に取り付けられた移動可能な情報入力手段(装置)である。なお、ボタン3を移動可能なボタンとすることもできる。
【0033】
(2):携帯端末本体の説明
図3は携帯端末本体のハードブロック図である。図3において、携帯端末1の本体10には、メモリ11、CPU12、近距離信号送受信部13、誘導電流発信部14、ボタン固有識別コード処理部15、暗号化処理部16、書き換え処理部17、制御コード処理部18、基本処理部(既存)19が設けてある。
【0034】
メモリ11は、ボタンの識別子や暗号化等に必要なデータを記憶する格納手段である。CPU12は、基本処理に加え、ボタンと携帯端末の信号送受信、暗号化、識別コード書き換え、信号処理、誘導電流発信といった制御を行う制御部(制御手段)である。近距離信号送受信部13は、携帯端末とボタン間の信号の送受信を無線で行うものである。誘導電流発信部14は、誘導電流を発生させ、ボタンに組み込まれている充電可能電池の充電を行う部品である。ボタン固有識別コード処理部15は、近距離信号送受信部13にて受信したデータに含まれる識別コードを解読する処理を行うものである。暗号化処理部16は、ボタンと携帯端末間で送受信されるデータの暗号化とデコード処理を行うものである。書き換え処理部17は、ボタンの識別コードとそのコードに応じた携帯端末内の処理内容の変更を行うものである。制御コード処理部18は、特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行するための制御コードの処理を行うものである。基本処理部(既存)19は、携帯端末の基本処理を行う(従来技術)ものである。
【0035】
(3):ボタンの説明
図4はボタンのハードブロック図である。図4において、移動可能なボタン4には、スイッチ部21、メモリ22、CPU23、ボタン固有識別コード処理部24、暗号化処理部25、書き換え処理部26、充電可能電池27、給電コイル部28、近距離信号送受信部29、制御コード処理部30、LED31、吸着装置32が設けてある。
【0036】
スイッチ部21は、ボタンの押圧であるオン、オフ(ON,OFF)を感知するものである。メモリ22は、ボタンの識別コード、暗号化に必要なデータ、電話番号、URL(Uniform Resource Locators )等の情報を保存する格納手段である。CPU23は、ボタンの信号送受信、識別コード書き換えの処理等のボタン全体の制御する制御部(制御手段)である。ボタン固有識別コード処理部24は、メモリ22からボタン固有識別コードである端末の固有ID+ボタンの固有IDを読みだしたり受信したデータにボタン固有識別コードが含まれているか調べる等の処理を行うものである。
【0037】
暗号化処理部25は、ボタンと携帯端末間で送受信されるデータの暗号化とデコード処理を行うものである。書き換え処理部26は、携帯端末やPC(パーソナルコンピュータ)などからボタンの識別コードの書き換え要求を受け、メモリ内の識別コードを書き換える処理を行うものである。充電可能電池27は、ボタンのCPU23やメモリ22、LED31といった部品に電源を供給するものである。給電コイル部28は、携帯端末から発せられた誘導電流を受電して充電可能電池の充電を行うものである。近距離信号送受信部29は、携帯端末とボタン間の信号送受信を無線で行うものである。制御コード処理部30は、特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行するための設定や読み出し等の処理を行うものである。LED31は、携帯端末から特定の信号を受信した際、LEDを発光させ、夜間でもボタンのラベルが確認しやすくする光源(照明手段)である。吸着装置32は、利用者が意図した場所に配置できるようにする取り付け取り外し可能なシリコン吸着部等である。
【0038】
(4):ボタン押下処理の説明
移動可能なボタン内にCPU(ICチップ)、電源、コイル、発光部品(光源)、信号送受信部品、書き換え可能なメモリ、ボタンを携帯端末等の制御対象装置に取り付け取り外し可能とする吸着装置等を備え、この携帯端末などの装置を制御するボタンを利用者が意図した場所に配置できるようにするものである。
【0039】
図5はボタン押下処理フローチャートである。以下、図5の処理S1〜S12にしたがって説明する。
【0040】
S1:ボタンが押下されるとボタン内のCPU23は、スイッチ部21でボタンの押下を検出し、処理S2に移る。
【0041】
S2:CPU23は、ボタン固有識別コード処理部24によりボタンのメモリ22からボタン固有の識別コード(ID)を取得し、処理S3に移る。
【0042】
S3:CPU23は、ボタン固有の識別コードがあったかどうかを判断する。この判断で、ボタン固有の識別コードがあった場合は処理S4に移り、なかった場合はこの処理を終了する。
【0043】
S4:CPU23は、制御コード処理部30によりボタンのメモリ22から制御コードを取得し、処理S5に移る。
【0044】
S5:CPU23は、制御コードがあったかどうかを判断する。この判断で、制御コードがあった場合は処理S6に移り、なかった場合はこの処理を終了する。
【0045】
S6:CPU23は、ボタンのメモリ22から付加情報を取得し、処理S7に移る。
【0046】
S7:CPU23は、ボタン固有識別コード、制御コード、付加情報(メモリ22に在った場合のみ)を近距離信号送受信部29より携帯端末本体に送信し、処理S8に移る。なお、この送信の場合、送信する情報(データ)を暗号化処理部25で暗号化して送ることもできる。
【0047】
S8:携帯端末本体のCPU12は、近距離信号送受信部13でボタンからの信号(データ)を受信し、処理S9に移る。この場合、押下されたボタンから近距離信号送受信部13で受信した信号が暗号化されていた場合、暗号化データを暗号化処理部16でデコードする。
【0048】
S9:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により受信したデータのボタン固有識別コードと携帯端末本体内のメモリ11に登録されているボタン固有識別コードとを取り出し、一致するかどうかを判断する。この判断で、登録されているボタン固有識別コードと一致する場合は処理S10に移り、一致しない場合はこの処理を終了する。
【0049】
S10:CPU12は、制御コード処理部18により制御コードを解析し、処理S11に移る。
【0050】
S11:CPU12は、付加情報を解析し、処理S12に移る。
【0051】
S12:CPU12は、制御コード及び付加情報に設定された処理(基本処理部19で既存の処理等)を実行し、この処理を終了する。
【0052】
(5):蓄電処理の説明
ボタン内にある電源である充電可能電池27には、給電コイル部28から電気を充電する機能を実装する。これは、携帯端末本体10にボタン4を吸着装置32で取り付けた状態で、携帯端末の誘導電流発信部14からの誘導電流(無線)により、ボタン内の電源(充電可能電池27)に蓄電することが可能となる。
【0053】
図6は蓄電処理の説明図である。図6において、ボタン4が携帯端末本体10に吸着装置32で固定されている。携帯端末本体10ではCPU12の指示により、誘導電流発信部14から誘導電流を発信し、ボタン4内の給電コイル部28で誘導電流を受信(受電)し、この受信した電流を整流装置等で直流にして充電可能電池27を充電するものである。
【0054】
なお、ボタン固有識別コード処理部15の処理で移動可能なボタンが固定されたのを携帯端末本体10が認識して、誘導電流を発信するようにすることもできる。また、携帯端末内の電圧レベルに応じて、携帯端末の電池容量確保のためボタンへの給電処理を自動停止することもできる。さらに、携帯端末充電時に、ボタンへの給電も自動で行うようにすることもできる。
【0055】
このように、ボタン内の電源は、ボタンを取り付けた携帯端末が生成する誘導磁場で確保することでボタン内の電源となる電池を交換不要とすることがきる。
【0056】
(6):書き換え処理の説明
ボタン内に組み込まれた信号送受信装置(近距離信号送受信部29)を利用し、外部からボタンが発する信号を書き換え可能とするものである。書き換えは、携帯端末本体又は別のPCから行うことができる。なお、別のPCで行う時は、ボタンと携帯端末とで送受信するための識別コード(ID)を携帯端末等からコピーする必要がある。
【0057】
携帯端末本体にボタンの設定登録のプログラムを設け、ボタンが押された時に発する信号を携帯端末本体からボタンに送り、ボタン内に書き込むことができるようにする。これにより、ボタン固有識別コード(ボタン固有識別子)及びメモリ内のメールアドレス、URL等を書き換えることができる。
【0058】
(ボタンの識別コード(ID)の説明)
ボタンと該ボタンを取り付ける端末内で送受信する信号に、識別コード(ID)を付加することで、他の端末に取り付けられたボタンが発信する信号による誤動作を防ぐことができる。
【0059】
例えば、新しくお店等で購入したボタンにはIDがない(初期化されている)。このボタンを携帯端末に付けてボタンを押した時に、携帯端末側からIDを送ってボタン内に保有する。次回からは、このボタンはこの携帯端末でしか動作しなくなる。このIDは、例えば、携帯端末装置固有の番号等を使用することができる。
【0060】
図7、図8は携帯端末からボタン固有識別コードの初期化を行う処理フローチャートである。以下、図7、図8の処理S21〜S34に従って説明する。
【0061】
S21:携帯端末のCPU12は、ボタンが初期化済みかどうか判断する。この判断で、ボタンが初期化済みの場合は処理S26に移り、初期化済みでない場合は処理S22に移る。
【0062】
S22:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15によりメモリ11にボタン固有識別コードを取得し、ボタン固有識別コードが設定されているかどうか判断する。この判断で、ボタン固有識別コードが設定されている場合は処理S23に移り、ボタン固有識別コードが設定されていない場合は処理S26に移る。なお、この処理S26に移る場合は、ボタン固有識別コードは設定されていないが、制御コードや付加情報が設定されているボタン(お店等で配付されるボタンを携帯端末で最初に利用する場合などに該当する)である。
【0063】
S23:ユーザが、携帯端末のボタン初期化アプリケーションを実行する。ここでCPU12は、書き換え処理部17によりボタン初期化アプリケーションを実行し、処理S24に移る。
【0064】
S24:CPU12は、ボタン固有識別コードを初期化してよいかどうかユーザの判断を待つ、ユーザの操作でボタン固有識別コードを初期化してよい場合は処理S25に移り、初期化してはだめな場合は処理を停止しこの処理を終了する。
【0065】
S25:CPU12は、書き換え処理部17により端末内のボタン固有識別コードの初期化(端末、ボタン両方)し処理S26に移る。
【0066】
S26:ユーザが、携帯端末のボタン設定アプリケーションを起動する。ここでCPU12は、書き換え処理部17によりボタン設定アプリケーションを実行し、処理S27に移る。
【0067】
S27:ユーザが、初期化するボタンを押し、処理S28に移る。ここでCPU12は、ボタン設定アプリケーションを起動して、ボタンが押された信号を受け取れるようにする。
【0068】
S28:ボタンのCPU23は、ボタンのIDを携帯端末に送信し、処理S29に移る。ここで、ボタン固有識別コード処理部24によりボタンのメモリ22に記録されているボタンの固有IDを取りだし、携帯端末に近距離信号送受信部29を利用して、取り出したボタンの固有IDを送るものである。
【0069】
S29:携帯端末でボタンの固有IDを受信し、処理S30に移る。ここで、CPU12が、近距離信号送受信部13によりボタンの固有IDを受信するものである。
【0070】
S30:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15によりメモリ11から端末の固有IDを取り出し、処理S31に移る。
【0071】
S31:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により携帯端末の固有ID+ボタンの固有IDをボタン固有識別コードに設定し、処理S32に移る。
【0072】
S32:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により生成されたボタン固有識別コードを携帯端末内のメモリ11に保存し、処理S33に移る。
【0073】
S33:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により近距離信号送受信部13を利用してボタン固有識別コードをボタンに送信し、処理S34に移る。
【0074】
S34:ボタンのCPU23は、ボタン固有識別コード処理部24により近距離信号送受信部29で受信したボタン固有識別コードをボタン内のメモリ22に保存してこの処理を終了する。
【0075】
このように、ボタンと取り付ける携帯端末内で送受信する信号に識別コードを付加することで、他の携帯端末に取り付けられたボタンが発信する信号による誤動作を防ぐことができる。また、ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末もしくは、その制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持しているパソコン(PC)などで、ボタンの識別コードを書き換えることができる。そして、ボタンが制御する携帯端末の識別コードを保持していない状態(ボタンの初期化状態)でも、携帯端末や携帯端末の識別コードのコピーを保持しているパソコンなどからユーザ操作により、識別コードをボタンに送信して、ボタン内の識別コードを更新することで、ボタンを利用可能にすることができる。
【0076】
(制御コードの説明)
図9、図10は制御コードの設定を行う処理フローチャートである。以下、図9、図10の処理S41〜S58に従って説明する。
【0077】
S41:ユーザが、携帯端末のボタン設定アプリケーションを起動する。ここでCPU12は、書き換え処理部17によりボタン設定アプリケーションを実行し、処理S42に移る。
【0078】
S42:CPU12は、携帯端末に備え付けられているキーと同じ割り当てを行うかどうか判断する。この判断で、携帯端末に備え付けられているキーと同じ割り当てを行う場合は処理S46に移り、そうでない場合は処理S43に移る。
【0079】
S43:ユーザが、携帯端末の制御処理の選択を行い、処理S44に移る。ここで制御処理とは、LEDの制御、アプリケーション起動,文字のコピー,貼り付け等である。
【0080】
S44:CPU12は、付加情報を作成するかどうか判断する。この判断で、付加情報を作成する場合は処理S45に移り、作成しない場合は処理S48に移る。
【0081】
S45:ユーザが、付加情報を作成し、処理S48に移る。ここで付加情報とは、電話番号、メールアドレス、文字列などである。
【0082】
S46:ユーザが、ボタンに割り当てるキーを選択し、処理S47に移る。
【0083】
S47:ユーザが、キーと一致する動作を制御コードに設定し、処理S48に移る。
【0084】
S48:CPU12は、書き換え処理部17により対象ボタンのスキャンを開始し、処理S49に移る。
【0085】
S49:ユーザが、変更対象となるボタンを押し、処理S50に移る。
【0086】
S50:ボタンのCPU23は、ボタン固有識別コード処理部24によりメモリ22からボタン固有識別コードを取り出し近距離信号送受信部29から送信し、処理S51に移る。
【0087】
S51:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により近距離信号送受信部29でボタン固有識別コードを受信し、処理S52に移る。
【0088】
S52:CPU12は、書き換え処理部17により制御コード処理部18と近距離信号送受信部13で、携帯端末で生成した制御コードと付加情報をボタンに送信し、処理S53に移る。
【0089】
S53:ボタンのCPU23は、近距離信号送受信部29から制御コード、付加情報を受信し、処理S54に移る。
【0090】
S54:CPU23は、制御コード処理部30により受信した制御コード、付加情報をボタン内のメモリ22に保存し、処理S55に移る。
【0091】
S55:CPU23は、ボタン内のメモリ22に制御コードと付加情報の保存が成功したかどうか判断する。この判断で、保存が成功し場合は処理S56に移り、保存が失敗し場合は処理S58に移る。
【0092】
S56:CPU23は、近距離信号送受信部29で保存完了を携帯端末に送信し、処理S57に移る。
【0093】
S57:携帯端末のCPU12は、近距離信号送受信部13で保存完了により、制御コード処理部18で携帯端末内のメモリ11に新しい制御コード、付加情報を保存し、この処理を終了する。
【0094】
S58:CPU23は、近距離信号送受信部29で保存失敗を携帯端末に送信し、この処理を終了する。
【0095】
このように、ボタンが押された際に信号を受信した端末にて、起動するアプリケーションやその動作を制御するための制御コード(又は付加情報)を、制御される端末もしくは、他のパソコン(PC)で書き換えることができる。
【0096】
(7):吸着装置の説明
ボタンを端末に取り付ける吸着方法(吸着装置)としてシリコン吸着等を利用することで、ボタンの取り付け位置を繰り返し変更可能とすることができる。
【0097】
吸着装置として、取り付け取り外し可能な接着部を設ける以外に磁気的吸着、機械的に挟持等で固着することもできる。
【0098】
(8):ボタン照明の説明
ボタンが、携帯端末から特定の信号を受信した際、LED(発光ダイオード)等の照明を発光させ、夜間でもボタンのラベルが確認しやすくすることができる。これはボタンを押すとそれを携帯端末が認識し、携帯端末から特定の信号をボタンに送り、ボタン内のLEDが発光するものである。
【0099】
ボタンの発光は、ボタンを押したとき以外に携帯端末がメールや電話を受信したときにも発光させることができる。
【0100】
図11はボタン押下時にLEDを点灯する処理フローチャートである。以下、図11の処理S61〜S71に従って説明する。
【0101】
S61:ユーザが、ボタンを押下し、処理S62に移る。
【0102】
S62:ボタンのCPU23は、ボタン固有識別コード処理部24によりボタンのメモリ22からボタン固有識別コードを取得し、処理S63に移る。
【0103】
S63:CPU23は、ボタン固有識別コードがあるかどうか判断する。この判断で、ボタン固有識別コードがある場合は処理S64に移り、ない場合はこの処理を終了する。
【0104】
S64:CPU23は、制御コード処理部30によりボタンのメモリ22から制御コードの取得を行い、処理S65に移る。
【0105】
S65:CPU23は、制御コードがあるかどうか判断する。この判断で、制御コードがある場合は処理S66に移り、ない場合はこの処理を終了する。
【0106】
S66:CPU23は、ボタンのメモリ22から付加情報を取得し、処理S67に移る。
【0107】
S67:CPU23は、ボタン固有識別コードと制御コードと付加情報(ある場合のみ)を近距離信号送受信部29で送信し、処理S68に移る。
【0108】
S68:携帯端末のCPU12は、近距離信号送受信部13でボタンの信号を受信し、処理S69に移る。
【0109】
S69:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15により受信したデータのボタン固有識別コードが携帯端末内のメモリ11に登録されているコードと一致するかどうか判断する。この判断で、メモリ11に登録されているコードと一致する場合は処理S70に移り、一致しない場合はこの処理を終了する。
【0110】
S70:CPU12は、携帯端末の設定が、キー押下時にLED点灯にセットされているかを判断する。この判断で、LED点灯にセットされている場合は処理S71に移り、されていない場合はこの処理を終了する。
【0111】
S71:CPU12は、近距離信号送受信部13でボタンのLED点灯を送信すると共に、携帯端末のLEDを点灯し、この処理を終了する。
【0112】
(9):端末の特定条件発生時にボタンの制御を行う処理の説明
電話着信やSMS(ショートメッセージサービス)、メール着信時に特定の番号、アドレス、本文のキーワード等によって、ボタンに登録されている付加情報の初期化を可能とすることができる。また、電話着信やSMS、メール着信時に特定の番号、アドレス、本文のキーワード等によって、ボタンを無効にすることもできる。さらに、ある期間を過ぎるとボタンの機能を無効にする設定がボタン内のタイマ(図示せず)等で行うこともできる。
【0113】
図12は携帯端末の特定条件発生時にボタンの制御を行う処理フローチャートである。以下、端末で特定のイベント発生時にボタンのLEDを点灯したりボタン内に保存されている情報の削除や初期化を行う例を図12の処理S81〜S91に従って説明する。
【0114】
S81:携帯端末のイベント発生があると、処理S82に移る。例えば、メール受信、電話着信などのイベントが携帯端末で発生する場合である。
【0115】
S82:以下、処理S83〜処理S91の処理が携帯端末に登録されているボタンの数、繰り返すため、処理S83に移る。
【0116】
S83:携帯端末のCPU12は、制御コード処理部18により携帯端末内に登録されているボタンの制御コードでイベント発生時に処理を行うボタンを検索し、処理S84に移る。すなわち、携帯端末の特定イベント発生時にボタンの動作を制御する設定を「図9、図10の制御コードの設定を行う処理フローチャート」、で行っているボタンで、その登録されているイベントが、今回発生したイベントと一致しているかを判定するものである。
【0117】
S84:CPU12は、制御コード処理部18により対象のボタンがあるかどうか判断する。この判断で、対象のボタンがある場合は処理S85に移り、ない場合は処理を終了する。
【0118】
S85:CPU12は、近距離信号送受信部13でボタンに制御コード、付加情報を送信し、処理S86に移る。
【0119】
S86:CPU12は、ボタン固有識別コード処理部15によりボタン固有識別コードと一致するボタンが携帯端末に取り付けられているか判断する。この判断で、ボタン固有識別コードと一致するボタンが携帯端末に取り付けられている場合は処理S87移り、取り付けられていない場合は処理を終了する。
【0120】
S87:ボタンのCPU23は、近距離信号送受信部29で制御コードと付加情報を受信し、処理S88に移る。
【0121】
S88:CPU23は、ボタンのLEDの点灯が指示されているか判断する。この判断で、LEDの点灯が指示されている場合は処理S89に移り、指示されていない場合は処理S90に移る。
【0122】
S89:CPU23は、ボタンのLED31を点灯し、処理S90に移る。このように端末の特定イベント発生時にボタンの動作を制御する設定がLED31の点灯だった場合はこのボタンのLED31を点灯するものである。
【0123】
S90:CPU23は、ボタン無効化処理が設定されているかを判断する。この判断で、ボタン無効化処理が設定されている場合は処理S91に移り、されていない場合はこの処理を終了する。
【0124】
S91:CPU23は、ボタン無効化処理を行い、この処理を終了する。すなわち、携帯端末の特定イベント発生時にボタンの動作を制御する設定がボタンの無効化や初期化だった場合はこのボタンの情報を初期化するものである。
【0125】
(10):携帯端末外(パソコン等)からボタンと端末の設定を変更する場合の説明
図13はパソコンからボタンと端末の設定を変更する場合の接続の説明図である。図13において、近距離信号送受信装置5にボタン4が取り付けられている。そして、制御対象端末である携帯端末1と近距離信号送受信装置5がUSBケーブル等でパソコンPCと接続されている。
【0126】
近距離信号送受信装置5は、パソコンPCからボタン固有識別コードを生成する際に、ボタンの固有IDを取得したり、生成されたボタン固有識別コードをボタン内に保存する処理を行うものである。制御コード、付加情報の設定を保存する場合も、この接続を利用する。
【0127】
制御対象端末である携帯端末1は、パソコンPCからボタン固有識別コードを生成する際に、携帯端末1の固有IDをパソコンPCに送信したり、生成されたボタン固有識別コードを携帯端末内に保存する処理を行うものである。制御コード、付加情報の設定を保存する場合も、この接続を利用する。
【0128】
(11):付記の記載
(付記1) ボタンを取り付ける吸着部と、
ボタンの押圧を検出するスイッチ部と、
情報を格納する格納手段と、
無線で近距離の送受信を行う近距離信号送受信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記スイッチ部で前記ボタンの押圧を検出した際に、前記格納手段内の予め決められた信号を前記近距離信号送受信部より発信することを特徴とした携帯端末用ボタン。
【0129】
(付記2) 充電可能電池と、
前記充電可能電池を充電する給電コイル部を備え、
前記給電コイル部は、携帯端末から無線誘導で給電されることを特徴とした付記1記載の携帯端末用ボタン。
【0130】
(付記3) 書き換え処理部を備え、
外部から前記近距離信号送受信部を利用して、前記書き換え処理部により、前記ボタンが発信する信号を変更できるようにすることを特徴とした付記1又は2記載の携帯端末用ボタン。
【0131】
(付記4) 前記ボタンが発信する信号は、前記携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行する制御コードであることを特徴とした付記1〜3のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0132】
(付記5) 前記ボタンが発信する信号は、前記制御コードと共に、電話番号やメールアドレス等の付加情報を転送することを特徴とした付記4記載の携帯端末用ボタン。
【0133】
(付記6) 外部から前記近距離信号送受信部を利用して、前記携帯端末又は他のコンピュータにより前記制御コード又は付加情報を変更できるようにすることを特徴とした付記4又は5記載の携帯端末用ボタン。
【0134】
(付記7) 前記吸着部により、前記ボタンの取り付け位置を繰り返し変更できるようにすることを特徴とした付記1〜6のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0135】
(付記8) 光源を備え、
前記近距離信号送受信部で特定の信号を受信した際に前記光源を発光させることを特徴とした付記1〜7のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0136】
(付記9) 前記近距離信号送受信部で送受信する信号に識別コードを付加することを特徴とした付記1〜8のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0137】
(付記10) 前記ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータから前記近距離信号送受信部を利用して前記ボタンの識別コードを書き換えできるようにすることを特徴とした付記9記載の携帯端末用ボタン。
【0138】
(付記11) 前記ボタンが前記携帯端末の識別コードを保持していない場合、前記携帯端末や前記携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータからの識別コードを前記近距離信号送受信部を利用して受信することにより前記ボタン内の識別コードを更新することを特徴とした付記10記載の携帯端末用ボタン。
【0139】
(付記12) 暗号化処理部を備え、
前記近距離信号送受信部で送受信する信号を暗号化することを特徴とした付記1〜11のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0140】
(付記13) 前記携帯端末の電話着信時や前記携帯端末のショートメッセージサービス又はメールの着信時に、特定の番号、アドレス、キーワードによって前記携帯端末より、前記ボタンの付加情報の初期化をできるようにすることを特徴とした付記5又は6記載の携帯端末用ボタン。
【0141】
(付記14) 前記携帯端末の電話着信時や前記携帯端末のショートメッセージサービス又はメールの着信時に、特定の番号、アドレス、キーワードによって前記携帯端末より、前記ボタンの機能を無効にできるようにすることを特徴とした付記1〜13のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0142】
(付記15) タイマーを備え、
ある期間が過ぎると前記ボタンの機能を無効にできるようにすることを特徴とした付記1〜14のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【0143】
(付記16) 前記給電コイル部への給電は、前記携帯端末内の電圧レベルの低下に応じて停止されることを特徴とした付記2記載の携帯端末用ボタン。
【0144】
(付記17) 前記給電コイル部への給電は、前記携帯端末の充電時に自動で行われることを特徴とした付記2記載の携帯端末用ボタン。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の携帯端末の説明図である。
【図3】本発明の携帯端末本体のハードブロック図である。
【図4】本発明のボタンのハードブロック図である。
【図5】本発明のボタン押下処理フローチャートである。
【図6】本発明の蓄電処理の説明図である。
【図7】本発明の携帯端末からボタン固有識別コードの初期化を行う処理フローチャートである。
【図8】本発明の携帯端末からボタン固有識別コードの初期化を行う処理フローチャートである。
【図9】本発明の制御コードの設定を行う処理フローチャートである。
【図10】本発明の制御コードの設定を行う処理フローチャートである。
【図11】本発明のボタン押下時にLEDを点灯する処理フローチャートである。
【図12】本発明の携帯端末の特定条件発生時にボタンの制御を行う処理フローチャートである。
【図13】本発明のパソコンからボタンと端末の設定を変更する場合の接続の説明図である。
【符号の説明】
【0146】
21 スイッチ部
22 格納手段(メモリ)
23 制御部
24 ボタン固有識別コード処理部
25 暗号化処理部
27 充電可能電池
28 給電コイル部
29 近距離信号送受信部
32 吸着部(吸着装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタンを取り付ける吸着部と、
ボタンの押圧を検出するスイッチ部と、
情報を格納する格納手段と、
無線で近距離の送受信を行う近距離信号送受信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記スイッチ部で前記ボタンの押圧を検出した際に、前記格納手段内の予め決められた信号を前記近距離信号送受信部より発信することを特徴とした携帯端末用ボタン。
【請求項2】
充電可能電池と、
前記充電可能電池を充電する給電コイル部を備え、
前記給電コイル部は、携帯端末から無線誘導で給電されることを特徴とした請求項1記載の携帯端末用ボタン。
【請求項3】
書き換え処理部を備え、
外部から前記近距離信号送受信部を利用して、前記書き換え処理部により、前記ボタンが発信する信号を変更できるようにすることを特徴とした請求項1又は2記載の携帯端末用ボタン。
【請求項4】
前記ボタンが発信する信号は、前記携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行する制御コードであることを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項5】
前記ボタンが発信する信号は、前記制御コードと共に、電話番号やメールアドレス等の付加情報を転送することを特徴とした請求項4記載の携帯端末用ボタン。
【請求項6】
前記吸着部により、前記ボタンの取り付け位置を繰り返し変更できるようにすることを特徴とした請求項1〜5のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項7】
光源を備え、
前記近距離信号送受信部で特定の信号を受信した際に前記光源を発光させることを特徴とした請求項1〜6のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項8】
前記近距離信号送受信部で送受信する信号に識別コードを付加することを特徴とした請求項1〜7のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項9】
前記ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータから前記近距離信号送受信部を利用して前記ボタンの識別コードを書き換えできるようにしたことを特徴とした請求項8記載の携帯端末用ボタン。
【請求項10】
暗号化処理部を備え、
前記近距離信号送受信部で送受信する信号を暗号化することを特徴とした請求項1〜9のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項1】
ボタンを取り付ける吸着部と、
ボタンの押圧を検出するスイッチ部と、
情報を格納する格納手段と、
無線で近距離の送受信を行う近距離信号送受信部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記スイッチ部で前記ボタンの押圧を検出した際に、前記格納手段内の予め決められた信号を前記近距離信号送受信部より発信することを特徴とした携帯端末用ボタン。
【請求項2】
充電可能電池と、
前記充電可能電池を充電する給電コイル部を備え、
前記給電コイル部は、携帯端末から無線誘導で給電されることを特徴とした請求項1記載の携帯端末用ボタン。
【請求項3】
書き換え処理部を備え、
外部から前記近距離信号送受信部を利用して、前記書き換え処理部により、前記ボタンが発信する信号を変更できるようにすることを特徴とした請求項1又は2記載の携帯端末用ボタン。
【請求項4】
前記ボタンが発信する信号は、前記携帯端末の特定のアプリケーションの起動やアプリケーションの特定の機能を実行する制御コードであることを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項5】
前記ボタンが発信する信号は、前記制御コードと共に、電話番号やメールアドレス等の付加情報を転送することを特徴とした請求項4記載の携帯端末用ボタン。
【請求項6】
前記吸着部により、前記ボタンの取り付け位置を繰り返し変更できるようにすることを特徴とした請求項1〜5のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項7】
光源を備え、
前記近距離信号送受信部で特定の信号を受信した際に前記光源を発光させることを特徴とした請求項1〜6のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項8】
前記近距離信号送受信部で送受信する信号に識別コードを付加することを特徴とした請求項1〜7のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【請求項9】
前記ボタンを取り付けて制御対象とする携帯端末又は該制御対象とする携帯端末の識別コードのコピーを保持するコンピュータから前記近距離信号送受信部を利用して前記ボタンの識別コードを書き換えできるようにしたことを特徴とした請求項8記載の携帯端末用ボタン。
【請求項10】
暗号化処理部を備え、
前記近距離信号送受信部で送受信する信号を暗号化することを特徴とした請求項1〜9のいずれかに記載の携帯端末用ボタン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−134910(P2008−134910A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321824(P2006−321824)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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