説明

携帯端末用充電器

【課題】充電用プラグを開閉する蓋体を備える携帯端末用充電器にあって、簡単で壊れ難い蓋体開閉機構を提供する。
【解決手段】携帯端末に電力を供給するための電池11と、該電池11を収容するケース体10と、該ケース体10から突出するように設けられた充電用プラグ13と、ケース体10に脱着可能に装着されて充電用プラグ13を開閉する蓋体3とを備える構成において、ケース体10と蓋体3に夫々連結された、弾性材からなる環状の伸縮バンド4を設け、伸縮バンド4が、蓋体3を装着したケース体10に外嵌し、伸縮バンド4の収縮力によってケース体10と蓋体3を一体的に緊締保持する蓋体閉止状態と、蓋体3がケース体10から分離して、ケース体10と蓋体3とが伸縮バンド4によって連係される蓋体開放状態とに変換可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外出先等で携帯端末に充電するための携帯端末用充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの携帯端末は、高機能化に伴って消費電力が向上しており、使用者は、頻繁に携帯端末を充電しなくてはならず、定期的な充電を怠ると外出先で不意に電池切れとなってしまうことが多い。そして、外出中の電池切れによるトラブルを解決するために、緊急用の充電器が知られている(例えば、特許文献1)。かかる携帯端末用充電器は、電源としての電池と、充電回路と、携帯端末のソケットに挿入するための充電用プラグなどからなる小型なものであり、携帯端末と一緒に持ち運ぶことで、外出先でも携帯端末に充電することができる。
【0003】
そして、こうした緊急用の携帯端末用充電器にあっては、ケース体から突出する充電用プラグを開閉する蓋体を具備したものが知られている(例えば、特許文献2)。かかる携帯端末用充電器では、蓋体閉止状態にあって、充電用プラグを塵埃から保護するとともに、蓋体がケース体と一体となって意匠的外形を形成する。また、ケース体に収容された電池は二次電池であり、ケース体には二次電池に充電するための被充電用ソケットの開口部が開口し、該開口部を別の蓋体によって開閉するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−288953号公報
【特許文献2】意匠登録第1394884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2の携帯端末用充電器では、充電用プラグや充電用ソケットを覆う蓋体は、ヒンジによってケース体に枢支されているが、携帯端末用充電器を持ち運んでいると、多様な振動や衝撃が加わるため、振動や衝撃による負荷がヒンジ部分に集中してヒンジ部分が壊れてしまうことが多い。かかる問題に対して、ヒンジ部分の耐久性を向上させることが考えられるが、強度の高い金属材料などを用いると、加工の手間が大きくコスト高となり、また重くなって、持ち運びに不向きとなる。
【0006】
本発明はかかる問題の解決を試みたものであり、充電用プラグを開閉する蓋体を備える携帯端末用充電器にあって、簡単で壊れ難い蓋体開閉機構を備える携帯端末用充電器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、携帯端末に電力を供給するための電池と、該電池を収容するケース体と、該ケース体から突出するように設けられた充電用プラグと、ケース体に脱着可能に装着されて充電用プラグを開閉する蓋体とを備える携帯端末用充電器であって、ケース体と蓋体に夫々連結された、弾性材からなる環状の伸縮バンドを備え、蓋体を装着したケース体に伸縮バンドが外嵌し、伸縮バンドの収縮力によってケース体と蓋体が一体的に緊締保持される蓋体閉止状態と、ケース体から蓋体が分離して、伸縮バンドを介してケース体と蓋体が連係される蓋体開放状態とに変換可能に構成されたことを特徴とする携帯端末用充電器である。
【0008】
かかる構成にあっては、伸縮バンドの収縮力によってケース体と蓋体とを一体的に緊締保持するため、ヒンジによって開閉する従来構成に比べて、振動や衝撃によって蓋体が不用意に外れたり、連結機構が破損したりし難くなる。なお、本発明の携帯端末用充電器は、ケース体に外嵌した伸縮バンドを伸張させて蓋体を取り外すことで、蓋体閉止状態から蓋体開放状態に簡単に変換することができる。また、本発明では、蓋体開放状態にあっても、ケース体と蓋体が伸縮バンドで連係されているため、蓋体を取り外してもケース体と蓋体がバラバラにならず、蓋体が紛失するおそれがない。また、伸縮バンドがケース体と蓋体を連係することで、ヒンジ機構に比べて、蓋体開放状態にあって、蓋体をケース体から離間させることができ、充電時に蓋体が邪魔となり難い。
【0009】
また、本発明にあって、前記電池は二次電池であって、ケース体には、該電池に充電するための被充電用ソケットの開口部が形成されており、該開口部は、伸縮バンドが外嵌する部分に形成されており、蓋体閉止状態で伸縮バンドによって閉止され、蓋体開放状態で開放される構成が提案される。
【0010】
かかる構成にあっては、被充電用ソケットを覆う蓋体を別途配設することなく、伸縮バンドを用いて被充電用ソケットを開閉することができる。また、充電用プラグの蓋体の脱着に合わせて、被充電用プラグが開閉することとなるため、充電用プラグと被充電用プラグを同時に開閉することができ、開閉操作が容易となる。
【0011】
また、本発明にあって、伸縮バンドは、蓋体と連結する部位と略対向する部位でケース体と連結している構成が提案される。
【0012】
かかる構成にあっては、蓋体閉止状態にあって、伸縮バンドの収縮力が偏り難くなり、ケース体と蓋体とを適切に緊締保持可能となる。また、蓋体をケース体から引っ張って伸縮バンドを伸張させるときに、伸縮バンドの連結部分に負荷がかかり難く、伸縮バンドを適切に伸張させることができる。
【0013】
また、本発明にあって、ケース体には、ストラップを連結するストラップ連結部が突設されており、伸縮バンドに形成された貫通孔にストラップ連結部を挿通した状態で、該ストラップ連結部にストラップを連結することで、伸縮バンドがケース体に連結される構成が提案される。
【0014】
かかる構成にあっては、伸縮バンドに貫通孔を形成するだけで、ケース体に伸縮バンドを簡単に連結することができ、また、ケース体からストラップを外すだけで、伸縮バンドとケース体の連結を簡単に解除することができる。
【0015】
また、本発明にあって、ケース体及び蓋体の外表面に、蓋体閉止状態でケース体に外嵌した伸縮バンドを保持する保持溝が形成されている構成が提案される。
【0016】
かかる構成にあっては、蓋体閉止状態で、ケース体に装着した蓋体を伸縮バンドによってより確実に保持可能となる。
【0017】
また、本発明にあって、ケース体の内部に発光ダイオードが配設されており、ケース体には、伸縮バンドが外嵌する部分に、前記発光ダイオードの光を外部に導く照明用貫通孔が開口しており、さらに、伸縮バンドは、光透過性材料で構成されている構成が提案される。
【0018】
かかる構成にあっては、簡単な構成によって、携帯端末用充電器に照明機能を付与することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の携帯端末用充電器によれば、伸縮バンドの収縮力でケース体と蓋体を一体的に緊締保持することで、蓋体をヒンジで連結する従来構成に比べて、蓋体を確実に保持することができ、衝撃や振動によって蓋体が外れたり、破損したりし難くなる。また、弾性材からなる伸縮バンドは、蓋体閉止状態でケース体に外嵌することで、ケース体内部の電池などを衝撃から保護する衝撃吸収材としても機能することができる。また、本発明では、ケース体と蓋体を伸縮バンドで連係することで、蓋体開放状態にあって蓋体を紛失するおそれがなく、かつ、蓋体がケース体から離間することで、ヒンジ機構に比べて蓋体が充電作業の邪魔となり難いという利点がある。また、弾性材からなる伸縮バンドは、製造が簡単で、低廉かつ軽量な材料で製造できるため、本発明の携帯端末用充電器は、低コストで、持ち運びに適した重量を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】携帯端末用充電器1の正面図である。
【図2】携帯端末用充電器1の右側面図である。
【図3】携帯端末用充電器1の内部構造を示す断面図である。
【図4】充電器本体2の正面図である。
【図5】ケース体10を切断して充電器本体2の内部構造を示す断面図である。
【図6】図4中のA方向から見た充電器本体2の側面図である。
【図7】(a)は、蓋体3の正面図であり、(b)は、蓋体3の底面図である。
【図8】(a)は、図7(a)中のB方向から見た蓋体3の側面図であり、(b)は、図7(b)中のC−C線断面図である。
【図9】(a)は、伸縮バンド4の正面図であり、(b)は、伸縮バンド4の平面図であり、(c)は、(b)中のD−D線断面図である。
【図10】蓋体閉止状態から蓋体開放状態に変換する操作を示す説明図である。
【図11】携帯端末Xへの充電方法を示す説明図である。
【図12】二次電池11への充電方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
【0022】
実施例の携帯端末用充電器1は、充電器本体2と、該充電器本体2に脱着可能に装着される蓋体3と、環状の伸縮バンド4とを備えてなり、図1〜3に示すように、その蓋体閉止状態にあっては、蓋体3を装着した充電器本体2に伸縮バンド4が外嵌し、伸縮バンド4の収縮力によって、充電器本体2と蓋体3とが一体的に保持される。また、携帯端末用充電器1は、携帯端末等に連結するためのストラップ5を備えている。
【0023】
充電器本体2は、図4〜6に示すように、硬質樹脂からなるケース体10に、二次電池11や充電回路基板12などを収容してなるものである。充電回路基板12は、二次電池11の充放電を制御する充電回路を備え、二次電池11と接続されている。この充電回路基板12は既存構成を好適に採用できる。
【0024】
図4に示すように、ケース体10は、ハート形の左下部を直線状に切り欠いた形状をなしており、かかる切欠き部位15を蓋体3を装着する蓋体装着部としている。この蓋体装着部15には、図5に示すように、開口部17が形成されており、該開口部17から充電用プラグ13がケース体10の外側に突出している。
【0025】
充電用プラグ13は、充電対象の携帯端末に設けられたソケットに適合するものであり、かかる充電用プラグ13を携帯端末に接続することで、二次電池11に蓄積された電力を携帯端末に供給することができる。
【0026】
図5,6に示すように、ケース体10の外周面には、蓋体装着部15を除いて、伸縮バンド4を保持するための保持溝16が形成される。この保持溝16は、伸縮バンド4と同程度の幅寸法をなしており、伸縮バンド4は、ケース体10に外嵌した状態でこの保持溝16に嵌合し、幅方向に動かないよう保持される(図2,3参照)。
【0027】
また、図5,6に示すように、ケース体10の右側部には、保持溝16の内底面にスリット状の開口部18が形成されており、該開口部18を介して、ケース体10の内部に設けられた被充電用ソケット14に接続できるよう構成されている。
【0028】
被充電用ソケット14は、充電対象の携帯端末に設けられたソケットと同形状のものであり、かかる被充電用ソケット14に別の充電器の充電用端子を接続することで、二次電池11に充電することができる。
【0029】
また、図4〜6に示すように、ケース体10は、発光ダイオード(LED)19を内蔵しており、ケース体10の正面に設けられた点灯ボタン20を押圧操作するとこのLED19が点灯するよう構成されている。具体的には、LED19及び点灯ボタン20は、充電回路基板12と接続され、充電回路基板12は、点灯ボタン20の押圧を検知してLED19を点灯させる点灯回路を備えている。LED19は、ケース体10の内部の右上部に収容されており、ケース体10の右上部には、LED19の光を外部に導く照明用貫通孔21が、保持溝16の内底面に開口している。また、本実施例では、充電回路基板12は、被充電用ソケット14を介して二次電池11がフル充電された時にもLED19を点灯させるよう構成されている。
【0030】
また、図4,5に示すように、ケース体10の上部中央には、保持溝16の内底面に、連結孔23を備えるストラップ連結部22が突成されており、該ストラップ連結部22の連結孔23に、ストラップ5の一端が脱着可能に連結される。
【0031】
蓋体3は、図7,8に示すように、右上部に開口部30が形成された椀形状をなしており、図3に示すように、充電用プラグ13を内空部31に収容するようにして、ケース体10の蓋体装着部15に対して脱着可能に装着される。蓋体3は、ケース体10と同じ硬質樹脂によって構成されており、蓋体3をケース体10に装着することで、充電用プラグ13が覆われて外部から保護されるとともに、ケース体10と蓋体3によってハート形の意匠形状が形成される。
【0032】
また、蓋体3の外周面には、伸縮バンド4を保持するための保持溝32が形成される。この保持溝32は、図2,3に示すように、伸縮バンド4と同程度の幅寸法をなしており、蓋体3をケース体10に装着した状態にあって、ケース体10と蓋体3の保持溝16,32が円環状に連続するよう構成され、蓋体閉止状態にあってこの保持溝16,32に伸縮バンド4を勘合させることで、ケース体10と蓋体3に外嵌した伸縮バンド4が脱落しないように保持される。
【0033】
また、蓋体3には、保持溝32の内底面に、伸縮バンド4と連結するための連結溝孔33a,33bが形成される。また、蓋体3の外表面には、開口部30付近に表裏一対のリブ34,34が形成されており、かかるリブ34を指掛かりにして、伸縮バンド4に抗して蓋体3を充電器本体2から引き離し得るよう構成されている。
【0034】
伸縮バンド4は、図9に示すように、正面視ハート形をなす環状帯片であり、シリコンゴムなどの弾性材によって構成される。伸縮バンド4の内周下部には、二つの連結用突片40a,40bが内方に突成される。図3に示すように、伸縮バンド4は、これらの連結用突片40a,40bを蓋体3の連結溝孔33a,33bに嵌合させることで蓋体3の保持溝32に連結される。
【0035】
また、図9に示すように、伸縮バンド4の上部中央には貫通孔41が形成される。図3に示すように、かかる貫通孔41には、ケース体10のストラップ連結部22が挿通しており、かかる挿通状態でストラップ連結部22にストラップ5を連結することで、伸縮バンド4は、ケース体10の上部中央に脱着可能に連結される。
【0036】
図1〜3に示すように、伸縮バンド4は、蓋体閉止状態にあって、蓋体3を装着したケース体10の側面を囲繞するように外嵌する。伸縮バンド4は、蓋体装着時のケース体10の外周長よりも短く、ケース体10に外嵌した伸縮バンド4は伸張状態となり、その弾性収縮力によってケース体10と蓋体3とが一体的に緊締保持される。また、かかる蓋体閉止状態にあって、伸縮バンド4は、ケース体10と蓋体3の保持溝16,32によって、ケース体10及び蓋体3の外周部から脱落しないよう保持される。
【0037】
また、かかる蓋体閉止状態にあっては、図3に示すように、ケース体10の被充電用ソケット14は、伸縮バンド4によって開口部18を覆われて閉塞状態となる。また、ケース体10の照明用貫通孔21も、伸縮バンド4によって覆われて閉塞状態となる。したがって、蓋体閉止状態では、ケース体10の外周部に形成された開口部17,18,22は全て覆われて保護されることとなる。
【0038】
ここで、伸縮バンド4は、光透過性の材料で構成されており、照明用貫通孔21が伸縮バンド4で覆われていても、LED19の光を、伸縮バンド4を透過して外部に放出し、照明として使用することができる。また、伸縮バンド4の、ケース体10の照明用貫通孔21と対向する位置には、照明用凹部42が形成されており、かかる照明用凹部42の形成によって、照明用貫通孔21に対向する部位を薄肉にすることで、伸縮バンド4を透過する光の減衰を抑え、LED19の光を多量に外部に放出できるようになっている。
【0039】
本実施例の携帯端末用充電器1は、図10(a)に示すように、充電器本体2と蓋体3とを伸縮バンド4の収縮力に抗して引っ張り、充電用プラグ13が蓋体3の開口部30から完全に脱落した状態で、蓋体3を充電器本体2の上方に捲り上げるように移動させることで、図10(b)に示す蓋体開放状態に変換することができる。なお、蓋体開放状態から蓋体閉止状態にする場合には、図10(a),10(b)の手順を逆に行えばよい。かかる蓋体開放状態では、伸縮バンド4がケース体10の保持溝16から脱落しており、蓋体3を放しても蓋体3はケース体10の蓋体装着部15には付勢されず、ケース体10から分離した状態に留まることとなる。また、かかる蓋体開放状態では、伸縮バンド4がケース体10の保持溝16から脱落することで、伸縮バンド4に覆われていた被充電用ソケット14の開口部18も開放される。したがって、本実施例では、蓋体閉止状態から蓋体開放状態に変換することで、充電用プラグ13及び被充電用ソケット14を同時に開放することができる。また、伸縮バンド4は、充電器本体2と蓋体3の両方に連結しているため、蓋体開放状態では、蓋体3が充電器本体2から分離していても、充電器本体2と蓋体3は伸縮バンド4によってバラバラにならずに連係される。
【0040】
そして、蓋体開放状態にあっては、充電用プラグ13と被充電用ソケット14が開放されることで、携帯端末への充電や、二次電池11への充電が可能となる。具体的には、本実施例の携帯端末用充電器1を用いて携帯端末Xに充電する場合は、図11に示すように、蓋体開放状態で、携帯端末Xのソケットに充電用プラグ13を接続するだけでよい。また、二次電池11に充電する場合には、図12に示すように、蓋体開放状態で、別の充電器の充電用端子Yを被充電用ソケット14に接続すればよい。
【0041】
以上に説明したように、本実施例の携帯端末用充電器1では、蓋体閉止状態にあって、蓋体3を伸縮バンド4の収縮力によってケース体10に緊締保持しているから、蓋体3をヒンジ構造で開閉する従来構成に比べて、蓋体3が不用意に外れ難く、また、蓋体3とケース体10の連結機構が破損するおそれが少ない。
【0042】
また、図1に示すように、蓋体閉止状態にあって、弾性材からなる伸縮バンド4が、ケース体10や蓋体3の外周を取り巻くように外嵌しているため、携帯端末用充電器1を落としたり、ぶつけたりした時に、伸縮バンド4が衝撃吸収作用を発揮し、二次電池11や充電回路基板12などを衝撃から保護することができる。なお、伸縮バンド4は、蓋体閉止状態で、ケース体10及び蓋体3の保持溝16,32に保持されており、振動や衝撃が加わってもケース体10から脱落しない。
【0043】
また、本実施例では、蓋体閉止状態から蓋体開放状態にすることで、充電用プラグ13と被充電用ソケット14とを同時に開放できるという利点がある。また、被充電用ソケット14の開口部18は、伸縮バンド4によって開閉されるため、本実施例の携帯端末用充電器1では、当該開口部18を開閉する専用の蓋体を省略することができる。
【0044】
また、本実施例では、伸縮バンド4は、ケース体10と蓋体3に夫々連結されて、両者を連係しているため、蓋体3を充電器本体2から取り外しても、充電器本体2と蓋体3がバラバラにならず、充電中に蓋体3が紛失するおそれがない。一方で、ケース体10と蓋体3を、伸縮バンド4を介して連係することで、ヒンジ機構に比して、蓋体開放状態にあって、蓋体3を充電用プラグ13や被充電用ソケット14から離間させることができ、蓋体3が充電作業の邪魔になり難い。
【0045】
また、伸縮バンド4にあって、ケース体10と連結するための貫通孔41と、蓋体3と連結するための連結用突片40a,40bが、上下に対向するように形成されており、伸縮バンド4は、蓋体装着部15の略反対側でケース体10と連結するよう構成されているから、蓋体閉止状態にあって、伸縮バンド4の収縮力が左右に偏り難く、ケース体10と蓋体3とを適切に緊締保持できる。また、このように、伸縮バンド4の収縮力が左右で略等しくなることで、図10(a)に示すように、蓋体3をケース体10から引っ張ったときに、伸縮バンド4の連結部分に負荷がかかり難いという利点もある。また、伸縮バンド4にあって、蓋体連結部位とケース体連結部位とを上下に対向させることで、図10(b)に示すように、蓋体開放状態にあって、伸縮バンド4の長さに比して、蓋体3をケース体10から大きく離間させることができ、携帯端末Xへの充電時に蓋体3が邪魔になり難い。
【0046】
なお、本発明の携帯端末用充電器は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 携帯端末用充電器
2 充電器本体
3 蓋体
4 伸縮バンド
5 ストラップ
10 ケース体
11 二次電池
12 充電回路基板
13 充電用プラグ
14 被充電用ソケット
15 蓋体装着部
16 保持溝
17 開口部
18 開口部(被充電用ソケットの開口部)
19 発光ダイオード(LED)
20 点灯ボタン
21 照明用貫通孔
22 ストラップ連結部
23 連結孔
30 開口部
31 内空部
32 保持溝
33a、33b 連結溝孔
34 リブ
40a,40b 連結用突片
41 貫通孔
42 照明用凹部
X 携帯端末
Y 充電用端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末に電力を供給するための電池と、該電池を収容するケース体と、該ケース体から突出するように設けられた充電用プラグと、ケース体に脱着可能に装着されて充電用プラグを開閉する蓋体とを備える携帯端末用充電器であって、
ケース体と蓋体に夫々連結された、弾性材からなる環状の伸縮バンドを備え、
蓋体を装着したケース体に伸縮バンドが外嵌し、伸縮バンドの収縮力によってケース体と蓋体が一体的に緊締保持される蓋体閉止状態と、
ケース体から蓋体が分離して、伸縮バンドを介してケース体と蓋体が連係される蓋体開放状態とに変換可能に構成されたことを特徴とする携帯端末用充電器。
【請求項2】
前記電池は二次電池であって、ケース体には、該電池に充電するための被充電用ソケットの開口部が形成されており、
該開口部は、伸縮バンドが外嵌する部分に形成されており、蓋体閉止状態で伸縮バンドによって閉止され、蓋体開放状態で開放されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末用充電器。
【請求項3】
伸縮バンドは、蓋体と連結する部位と略対向する部位でケース体と連結していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯端末用充電器。
【請求項4】
ケース体には、ストラップを連結するストラップ連結部が突設されており、
伸縮バンドに形成された貫通孔にストラップ連結部を挿通した状態で、該ストラップ連結部にストラップを連結することで、伸縮バンドがケース体に連結されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の携帯端末用充電器。
【請求項5】
ケース体及び蓋体の外表面に、蓋体閉止状態でケース体に外嵌した伸縮バンドを保持する保持溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の携帯端末用充電器。
【請求項6】
ケース体の内部に発光ダイオードが配設されており、
ケース体には、伸縮バンドが外嵌する部分に、前記発光ダイオードの光を外部に導く照明用貫通孔が開口しており、
さらに、伸縮バンドは、光透過性材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の携帯端末用充電器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−196075(P2012−196075A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59242(P2011−59242)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(503221610)株式会社シンユーテック (2)
【出願人】(511069404)有限会社 ant hill design (1)
【出願人】(511069415)株式会社レプウェイブ (1)
【Fターム(参考)】