説明

携帯端末管理システム

【課題】カードと携帯端末との組合せについて認証を行うことである。
【解決手段】ハンディ端末30は、NFCカード50のカードIDを読み取り、読み取られたカードIDが、許可されているカードIDとして記憶されているか否かを判別し、記憶されている場合に、カードID、端末ID、及びカードIDを許可する旨のID許可フラグをNFCメモリ363に記憶する。管理PC10は、NFCメモリ363からカードID、端末ID及びID許可フラグを読み取り、ID許可フラグが許可を示し且つカードID及び端末IDの組合せが、許可されている組合せとして記憶されているか否かを判別し、記憶されている場合に、NFCメモリ363に動作許可の管理装置許可フラグを書き込む。ハンディ端末30は、NFCメモリ363の管理装置許可フラグに応じて、自機の動作の許可又は不許可を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触IC(Integrated Circuit)カードを読み取る携帯端末を管理する携帯端末管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リーダライタとの間で非接触通信が可能な非接触ICカードが知られている。非接触ICカードは、コイルアンテナと、各種情報が記憶可能なメモリと、を備える。コイルアンテナをリーダライタに近づけた状態で、リーダライタにより非接触ICカードのメモリに記憶された情報が読み取られ、あるいはこのメモリに情報が書き込まれる。
【0003】
また、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の小売業の店舗において使用され、各種情報の入力及び記憶の機能や、商品等に付されたバーコードを読み取る機能を有するハンディ端末(HT:Handy Terminal)が知られている。また、商品に付されたRF (Radio Frequency)タグの情報読み取り及び情報書き込みの機能を有するハンディ端末も知られている。
【0004】
大型店舗等においては、複数のハンディ端末が複数の店員に同時に使用される。このため、各ハンディ端末に、ハンディ端末の識別情報を含むバーコードシール又はRFタグシールが貼られ、ハンディ端末管理用の管理PC(Personal Computer)に接続されたスキャナ又はリーダライタにより、バーコードシール又はRFタグシールの情報が読み取られる。この読み取りにより、ハンディ端末の識別情報が管理PCに取得される。そして、管理PCにより、どのハンディ端末が使用されているかの持ち出し管理がなされていた。
【0005】
また、非接触ICカードの読み取り機能を有する携帯端末において、店舗側のリーダライタのIDを読み取り、読み取った店舗のIDと、現在時間と、が使用許可されているものである場合に、携帯端末の使用許可のロックを解除する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、使用許可された時間及び店舗において、携帯端末をユーザに使用させることができる。
【0006】
また、ICカードの読み取り機能を有する携帯端末において、ログイン時に、ログイン画面のURL(Uniform Resource Locator)、社員証等のICカードの使用UIM(User Identity Module)、ログインID及びパスワードを紐付けて登録した後、再ログイン時に、ログイン画面のURL及び使用UIMに対応する登録済のID及びパスワードから、ICカードに記憶されたID及びパスワードを検索してICカード認証する構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−276363号公報
【特許文献2】特開2008−97210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のハンディ端末(携帯端末)の持ち出し管理の構成と、従来の使用可能時間及び店舗で携帯端末を使用許可する構成とでは、携帯端末を使用するユーザの認証を行っていなかった。このため、使用中のユーザが正規のユーザであるか否かの管理をすることができなかった。また、現在どのユーザがどのハンディ端末を使用しているかの管理をすることができなかった。
【0009】
また、従来のログインID及びパスワードを自動入力する構成では、ICカード認証によりユーザ認証を行うことができるが、携帯端末とそのユーザ(ユーザに対応するICカード)との組合せについて、ユーザにその携帯端末の使用許可を与える(認証する)ことができなかった。
【0010】
本発明の課題は、カードと携帯端末との組合せについて認証を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の携帯端末管理システムは、
携帯端末と、当該携帯端末を管理する管理装置と、を備え、
前記携帯端末は、
非接触通信により、カードIDが記憶されたNFCカードから情報を読み取る又は書き込む第1のNFCリーダライタ手段と、
前記管理装置から情報を読み取り及び書き込み可能なNFCメモリと、
使用可能なNFCカードのカードIDを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1のNFCリーダライタ手段によりNFCカードのカードIDを読み取り、当該読み取られたカードIDが前記第1の記憶手段に記憶されているか否かを判別し、当該カードIDが記憶されている場合に、当該カードID、自機の端末ID、及び前記カードIDを許可する旨のID許可フラグを前記NFCメモリに記憶し、当該NFCメモリに記憶される自機の動作の許可又は不許可を示す管理装置許可フラグに応じて、自機の動作を許可又は不許可に設定する第1の制御手段と、を備え、
前記管理装置は、
非接触通信により、前記第1の非接触通信用メモリから情報を読み取る又は書き込む第2のNFCリーダライタ手段と、
使用可能なNFCカードのカードIDと端末装置の端末IDとの組合せを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリからカードID、端末ID及びID許可フラグを読み取り、当該読み取られたID許可フラグが許可を示し、且つ前記読み取られたカードID及び端末IDの組合せが前記第2の記憶手段に記憶されているか否かを判別し、ID許可フラグが許可であり且つカードID及び端末IDの組合せが記憶されている場合に、前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリに前記携帯端末の動作の許可の旨の管理装置許可フラグを書き込み、ID許可フラグが許可でない又はカードID及び端末IDの組合せが記憶されていない場合に、前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリに前記携帯端末の動作の不許可の旨の管理装置許可フラグを書き込む第2の制御手段と、を備える。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯端末管理システムにおいて、
前記第2の記憶手段は、カードID及び端末IDの組合せと、当該端末IDの端末装置が動作中であるか否かを示す端末状況情報とを対応付けて記憶し、
前記第2の制御手段は、前記管理装置許可フラグの動作許可への変更に応じて、許可されたカードID及び端末IDの前記端末状況情報を動作中に変更する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の携帯端末管理システムにおいて、
前記第2の制御手段は、携帯端末の動作終了後に、前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリからカードID及び端末IDを読み取り、当該読み取られたカードID及び端末IDの組合せに対応する前記端末状況情報を動作中でない旨に変更し、前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリに記憶されている管理装置許可フラグに前記携帯端末の動作の許可の未設定の旨を書き込む。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の携帯端末管理システムにおいて、
前記管理装置は、表示手段を備え、
前記第2の制御手段は、前記第2の記憶手段に記憶されている前記端末状況情報を前記表示手段に表示する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、NFCカードと携帯端末との組合せについて認証を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る実施の形態のハンディ端末管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】管理PCの機能構成を示すブロック図である。
【図3】ハンディ端末の機能構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は、NFCカードに記憶されるNFCカード情報の構成を示す図である。(b)は、ハンディ端末に記憶されるカードID許可ファイルの構成を示す図である。(c)は、ハンディ端末に記憶されるNFC情報の構成を示す図である。(d)は、管理PCに記憶されるカードID・ハンディ端末IDファイルの構成を示す図である。
【図5】ハンディ端末で実行されるハンディ端末動作許可処理を示すフローチャートである。
【図6】管理PCで実行されるハンディ端末管理処理を示すフローチャートである。
【図7】ハンディ端末で実行されるハンディ端末使用終了処理を示すフローチャートである。
【図8】管理PCで実行されるハンディ端末使用終了管理処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0018】
先ず、図1〜図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態のハンディ端末管理システム1の構成を示す。
【0019】
本実施の形態のハンディ端末管理システム1は、ユーザ使用によるハンディ端末30の動作を管理するシステムである。本実施の形態では、一例として、ある企業Aに設置されたハンディ端末管理システム1において、その企業Aに所属するユーザとしての社員のハンディ端末30の使用を管理する構成を説明する。図1に示すように、本実施の形態のハンディ端末管理システム1は、管理装置としての管理PC(Personal Computer)10と、携帯端末としてのハンディ端末30と、NFC(Near Field Communication)カード50と、を備える。
【0020】
NFCとは、非接触ICカードの近距離無線通信の規格の一つである。NFCのチップは、非接触ICカードとしても、非接触ICカードのリーダライタとしても動作可能である。
【0021】
管理PC10は、企業Aの社員のハンディ端末30の使用を管理するサーバ装置としてのPCである。管理PC10は、NFCアンテナ22を備える。管理PC10は、NFCアンテナ22を介してハンディ端末30と非接触通信を行う。
【0022】
ハンディ端末30は、企業Aに所属する社員で共用のハンディ端末であり、管理者により許可された少なくとも一人の社員により、商品の倉庫等で使用される。ハンディ端末30は、各種情報の入力及び記憶、(商品、商品棚等に付された)バーコードの読み取り、NFCカード若しくはNFCタグの情報の読み取り等の機能を有する。
【0023】
ハンディ端末30は、NFCアンテナ361及びNFCメモリ363を備える。ハンディ端末30は、NFCアンテナ361を介してハンディ端末30及びNFCカード50と非接触通信を行う。また、管理PC10は、ハンディ端末30との非接触通信により、NFCメモリ363の情報の読み取り及び書き込みを行う。
【0024】
NFCアンテナ361及びNFCメモリ363を含むNFCチップとしての後述するNFC部36は、NFCの非接触ICカードとして、又はNFCのリーダライタとして、動作する。
【0025】
NFCカード50は、社員毎に異なる社員証等としてのIDカードである。NFCカード50は、NFCアンテナ52及びNFCメモリ51を備える。NFCカード50は、NFCアンテナ52を介してハンディ端末30と非接触通信を行う。また、ハンディ端末30は、NFCカード50との非接触通信により、NFCメモリ51の情報の読み取り及び書き込みを行う。
【0026】
また、NFCカード50は、NFCの非接触ICカードとしてのみ動作するものである。また、NFCメモリ51には、後述するNFCカードID61が記憶されている。
【0027】
図1において、ハンディ端末30、NFCカード50は、それぞれ1台づつで表されているが、それぞれ、複数あるものとする。なお、ハンディ端末30、NFCカード50は、それぞれ少なくとも1台であればよい。
【0028】
次いで、図2及び図3を用いて、管理PC10及びハンディ端末30の内部構成を説明する。図2に、管理PC10の機能構成を示す。図3に、ハンディ端末30の機能構成を示す。
【0029】
図2に示すように、管理PC10は、第2の制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示手段としての表示部14と、第2の記憶手段としての記憶部15と、I/F(InterFace)部16と、通信部17と、NFCリーダライタ20と、を備える。CPU11、操作部12、RAM13、表示部14、記憶部15、I/F部16及び通信部17は、バス18を介して互いに接続されている。
【0030】
CPU11は、管理PC10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0031】
CPU11は、ハンディ端末管理プログラムに従い、ハンディ端末30のNFCメモリ363から、ハンディ端末30で許可されたNFCカードID、ハンディ端末ID及びID許可フラグを読み取り、ID許可フラグが許可を示し且つNFCカードID及びハンディ端末IDの組合せが、記憶部15に記憶され許可されているNFCカードID及びハンディ端末IDの組合せにあるか否かを判別する。そして、CPU11は、ID許可フラグが許可を示しNFCカードID及びハンディ端末IDの組合せが記憶されている場合に、NFCメモリ363に使用許可の旨の管理PC許可フラグを書き込み、このNFCカードID及びハンディ端末IDに対応して使用中である旨にハンディ端末使用状況ファイルの使用中フラグを更新し、それ以外の場合に、NFCメモリ363に使用不許可の旨の管理PC許可フラグを書き込む。
【0032】
また、CPU11は、ハンディ使用終了端末管理プログラムに従い、ハンディ端末30の使用終了後に、NFCメモリ363から、NFCカードID及びハンディ端末IDを読み取り、このNFCカードID及びハンディ端末IDに対応してハンディ端末使用状況ファイルの使用中フラグをリセットし、NFCメモリ363に未設定の旨の管理PC許可フラグを書き込む。
【0033】
操作部12は、各種キー操作入力を受け付けるキーボードを備え、キー操作入力に応じた操作情報をCPU11に出力する。また、操作部12は、マウス等のポインティングデバイスを備え、位置情報の操作入力を受け付ける構成としてもよい。
【0034】
RAM13は、情報を一時的に記憶する揮発性のメモリであり、各種データ及び各種プログラムを格納するワークエリアを有する。
【0035】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示情報に応じて各種表示を行う。
【0036】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)等により構成され、各種データ及び各種プログラムを読み出し及び書き込み可能に記憶する。記憶部15には、後述するカードID・ハンディ端末IDファイル90、ハンディ端末使用状況ファイル100、ハンディ端末管理プログラム及びハンディ端末使用終了管理プログラムが記憶されている。
【0037】
I/F部16は、各種機器が接続可能で、接続された機器との通信を仲介する、USB(Universal Serial Bus)コネクタ等の接続部である。I/F部16は、NFCリーダライタ20に接続されている。
【0038】
通信部17は、ネットワークカード等で構成され、インターネット等の通信ネットワークに接続されている。通信部17は、通信ネットワーク上の機器と通信を行う。
【0039】
NFCリーダライタ20は、CPU11の制御に従い、外部機器(ハンディ端末30)と非接触通信を行い、当該外部機器のメモリ(NFCメモリ363)の情報の読み取り及び書き込みを行う。NFCリーダライタ20は、第2のNFCリーダライタ手段としてのNFCリーダライタ部21と、NFCアンテナ22と、を有する。
【0040】
NFCアンテナ22は、コイルアンテナ等である。NFCリーダライタ部21は、NFCアンテナ22を介して、電磁界を介するNFCの非接触通信により、外部機器(ハンディ端末30)に電源供給するとともに、当該外部機器に備えられたNFCメモリ(NFCメモリ363)の情報の読み書きを行う。
【0041】
図3に示すように、ハンディ端末30は、第1の制御手段としてのCPU31と、操作部32と、RAM33と、表示部34と、ROM(Read Only Memory)35と、NFC部36と、第1の記憶手段としてのフラッシュメモリ37と、スキャナ部38と、I/F部39と、を備える。ハンディ端末30の各部は、バス40を介して接続されている。
【0042】
CPU31は、ハンディ端末30の各部を制御する。CPU31は、ROM35に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM33に展開し、RAM33に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0043】
CPU31は、ハンディ端末動作許可プログラムに従い、NFCカード50のNFCカードIDを読み取り、当該読み取られたNFCカードIDがフラッシュメモリ37の使用許可するNFCカードIDに記憶されているか否かを判別し、NFCカードIDが記憶されている場合に、NFCカードID、自機のハンディ端末ID、及び前記NFCカードIDを許可する旨のID許可フラグをNFCメモリ363に記憶する。そして、CPU31は、管理PC10により、NFCメモリ363に記憶されているNFCカードID及びハンディ端末IDが許可されているか否かを示す管理PC許可フラグが書き込まれた後、この管理PC許可フラグに応じて、自機の動作(使用)の許可又は不許可を設定する。
【0044】
CPU31は、ハンディ端末使用終了プログラムに従い、ハンディ端末30の使用終了後に、管理PC10から使用終了に対応する未設定の管理PC許可フラグがNFCメモリ363に書き込まれるのを待つ。
【0045】
操作部32は、各種キーによる操作入力を受け付けるキーパッドを備え、キー操作入力に応じた操作情報をCPU31に出力する。操作部32の各種キーは、数字、文字の入力キー、各種機能キー、スキャナ部38によるスキャン実行のトリガキー、電源キー等を含む。
【0046】
RAM33は、RAM13と同様のメモリである。表示部34は、LCD、ELD(Electro Luminescent Display)等により構成され、CPU31から入力される表示情報に応じて各種表示を行う。
【0047】
ROM35は、各種情報を記憶している読み出し専用のメモリである。ROM35には、自機のハンディ端末30の識別情報であるハンディ端末ID、ハンディ端末動作許可プログラム及びハンディ端末使用終了プログラムが記憶されている。
【0048】
NFC部36は、NFCアンテナ361と、第1のNFCリーダライタ手段としてのNFCリーダライタ部362と、NFCメモリ363と、を有する。
【0049】
NFCアンテナ361は、コイルアンテナ等である。NFCリーダライタ部362は、NFCアンテナ361を介して、電磁界を介するNFCの非接触通信により、外部機器(NFCカード50)に電源供給するとともに、当該外部機器に備えられたNFCメモリ(NFCメモリ51)の情報の読み書きを行う。
【0050】
NFCメモリ363は、NFCアンテナ361を介する非接触通信により、通信先の機器(管理PC10)からの信号に従い、NFCリーダライタ部362を介して情報が読み取り及び書き込みされるNFCメモリである。NFCメモリ363には、後述するNFC情報80が記憶される。
【0051】
フラッシュメモリ37は、情報を読み書き自在に記憶する半導体メモリである。フラッシュメモリ37には、後述するカード許可IDファイル70が記憶されている。
【0052】
スキャナ部38は、発光部、受光部、ゲイン回路、2値化回路を備え、1次元のバーコードを読み取るスキャナ部である。スキャナ部38において、発光部から出射されたレーザ光等の光束がバーコードに照射され、その反射光が受光部により受光されて電気信号に変換され、その電気信号がゲイン回路により増幅されて2値化回路により2値データに変換され、その2値データがCPU31に出力される。CPU31において、スキャナ部38から入力された2値データが、スキャンしたバーコードが含む情報に変換されて取得される。スキャナ部38は、1次元バーコード、2次元コードの画像を撮影し、その撮影画像データを解析することにより、1次元バーコード、2次元コードに含まれる情報を取得するイメージスキャナとしてもよい。
【0053】
I/F部39は、所定機器と接続可能であり、接続された機器との通信を仲介する接続部である。I/F部39は、例えば、ハンディ端末30が載置されるクレードルに接続され、このクレードルを介して管理PC10等の各種機器に通信接続される。
【0054】
次に、図4を参照して、NFCカード50、管理PC10、ハンディ端末30及びNFCカード50に記憶される情報を説明する。図4(a)に、NFCカード50に記憶されるNFCカードID61の構成を示す。図4(b)に、ハンディ端末30に記憶されるカード許可IDファイル70の構成を示す。図4(c)に、ハンディ端末30に記憶されるNFC情報80の構成を示す。図4(d)に、管理PC10に記憶されるカードID・ハンディ端末IDファイル90の構成を示す。図4(e)に、管理PC10に記憶されるハンディ端末使用状況ファイル100の構成を示す。
【0055】
NFCカード50のNFCメモリ51には、図4(a)に示すNFCカードID61が記憶されている。NFCカードID61は、NFCカード50毎にユニークな識別情報である。NFCカードID61は、社員証としてのNFCカード50の所有者である社員の社員番号又は社員番号に対応する番号であるものとする。
【0056】
また、ハンディ端末30のフラッシュメモリ37には、図4(b)に示すカード許可IDファイル70が記憶される。カード許可IDファイル70は、許可数71と、NFCカードID72と、を項目として有する。
【0057】
許可数71は、管理者により自機のハンディ端末30が使用可能となりうることが許可されているNFCカード50の数である。許可数71は、例えば、企業Aの全社員数とする。NFCカードID72は、許可数71に対応するハンディ端末30が使用可能であることが許可されているNFCカード50の識別情報である。NFCカードID72は、例えば、全社員分のNFCカード50のNFCカードIDが含まれるものとする。
【0058】
また、ハンディ端末30のNFCメモリ363には、図4(c)に示すNFC情報80が記憶される。NFC情報80は、NFCカードID81と、ハンディ端末ID82と、ID許可フラグ83と、管理PC許可フラグ84と、を項目として有する。
【0059】
NFCカードID81は、NFCリーダライタ部362により読み取られたNFCカード50のNFCカードIDである。ハンディ端末ID82は、自機のハンディ端末30の識別情報である。ID許可フラグ83は、NFCカードID81のNFCカード50を所有するユーザがハンディ端末ID82のハンディ端末30が使用可能となりうることを管理者(ハンディ端末30)に許可されているか否かを示すフラグである。ID許可フラグ83は、ハンディ端末30が使用可能であることを許可されている場合にオンされ、許可されていない場合に、オフされる。
【0060】
管理PC許可フラグ84は、NFCカードID81のNFCカード50を所有するユーザによるハンディ端末ID82のハンディ端末30の使用を管理者(管理PC10)に許可されているか否かを示すフラグである。管理PC許可フラグ84は、ハンディ端末30の使用を許可されていない場合に“9”の値にされ、許可されている場合に“1”の値にされ、未設定の場合に“0”の値にされる。
【0061】
また、管理PC10の記憶部15には、図4(d)に示すカードID・ハンディ端末IDファイル90が記憶されている。カードID・ハンディ端末IDファイル90は、ハンディ端末ID91と、許可数92と、NFCカードID93と、を項目として有する。
【0062】
ハンディ端末ID91は、管理者による使用許可の対象のハンディ端末30の識別情報である。許可数92は、管理者によりハンディ端末ID91のハンディ端末30の使用が許可されているNFCカード50の数である。許可数92は、例えば、企業Aの全社員のうちの所定のグループの社員数であるものとする。NFCカードID93は、管理者によりハンディ端末ID91のハンディ端末30の使用が許可されている社員が所有するNFCカード50の識別情報である。
【0063】
また、管理PC10の記憶部15には、図4(e)に示すハンディ端末使用状況ファイル100が記憶されている。ハンディ端末使用状況ファイル100は、ハンディ端末ID101と、使用中フラグ102と、NFCカードID103と、を項目として有する。
【0064】
ハンディ端末ID101は、使用状況管理対象のハンディ端末30の識別情報である。即ち、ハンディ端末ID101によって、どのハンディ端末であるかを知ることができる。
使用中フラグ102は、ハンディ端末ID101のハンディ端末30が使用中か否かを示す情報である。使用中フラグ102は、ハンディ端末30が使用中の場合にオンされ、ハンディ端末30が使用中でない(使用した後の)場合に、オフされる。即ち、使用中フラグ102がオンかオフかによって、ハンディ端末ID101に対応するハンディ端末30が使用中か否かを知ることができる。
NFCカードID103は、使用中フラグ102に対応し、ハンディ端末ID101のハンディ端末30を使用する(又は使用した)社員が所有するNFCカード50の識別情報である。即ち、NFCカードID103によって、どの社員がハンディ端末を使用しているかを知ることができる。
【0065】
次に、図5〜図8を参照して、ハンディ端末管理システム1の動作を説明する。図5に、ハンディ端末30で実行されるハンディ端末動作許可処理を示す。図6に、管理PC10で実行されるハンディ端末管理処理を示す。図7に、ハンディ端末30で実行されるハンディ端末使用終了処理を示す。図8に、管理PC10で実行されるハンディ端末使用終了管理処理を示す。
【0066】
先ず、図5を参照して、ハンディ端末30で実行されるハンディ端末動作許可処理を説明する。予め、NFCカード50のNFCメモリ51にNFCカードID61が記憶され、ハンディ端末30のフラッシュメモリ37にカード許可IDファイル70が記憶され、管理PC10の記憶部15にカードID・ハンディ端末IDファイル90が記憶されているものとする。
【0067】
ハンディ端末30において、例えば、操作部32を介して、ユーザ(ハンディ端末30を使用しようとする社員等)からハンディ端末動作許可処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、ROM35から読み出されて適宜RAM33に展開されたハンディ端末動作許可プログラムと、CPU31との協働により、ハンディ端末動作許可処理が実行される。
【0068】
図5に示すように先ず、ハンディ端末30の動作モードが、リーダライタモードに設定される(ステップS11)。リーダライタモードとは、ハンディ端末30のNFC部36がリーダライタとして動作するモードであり、NFCリーダライタ部362を介してNFCカード50等の情報を読み取り又は書き込みするモードである。ステップS11では、例えば、表示部34に、リーダライタモードの設定により、NFCカード50をハンディ端末30にかざす旨の指示情報(例えば「NFCカードをNFC部に近づけてください」等のメッセージ)が表示される。この指示情報の表示がユーザに参照され、このユーザにより、このユーザ所有のNFCカード50がNFC部36へ非接触通信可能な距離に近づけられる。
【0069】
そして、NFCアンテナ361及びNFCリーダライタ部362を介してNFCカード50のNFCメモリ51に記憶されているNFCカードID61が読み取られる(ステップS12)。そして、フラッシュメモリ37に記憶されているカード許可IDファイル70が読み出される(ステップS13)。
【0070】
そして、ステップS12で読み取られたNFCカードIDが、ステップS13で読み出されたカード許可IDファイル70のNFCカードID72にあるか否かが判別される(ステップS14)。ステップS12で読み取られたNFCカードIDがNFCカードID72にない場合(ステップS14;NO)、NFCカード50を所有するユーザによるハンディ端末30の使用が管理者(管理PC10)に許可されておらず、自機のハンディ端末30にユーザ使用による動作を許可しない設定がなされ(ステップS15)、ハンディ端末動作許可処理が終了する。ステップS15の後、使用されたNFCカード50所有のユーザは、ハンディ端末30を使用できない。
【0071】
ステップS12で読み取られたNFCカードIDがNFCカードID72にある場合(ステップS14;YES)、NFCカード50を所有するユーザによるハンディ端末30が使用可能となりうることが許可されており、ROM35に記憶されているハンディ端末IDが読み出され、ステップS12で読み取られたNFCカードIDと、読み出されたハンディ端末IDと、NFCカード50によりハンディ端末30が使用可能となりうることが許可されている旨とが、NFC情報80のNFCカードID81と、ハンディ端末ID82と、ID許可フラグ83(オン)として対応付けられてNFCメモリ363に記憶される(ステップS16)。そして、NFCメモリ363内のNFC情報80の管理PC許可フラグ84に0がセットされる(ステップS17)。
【0072】
そして、ハンディ端末30の動作モードが、カードモードに設定される(ステップS18)。カードモードとは、ハンディ端末30のNFC部36がNFCカードとして動作するモードであり、NFCアンテナ361を介してNFCメモリ363の情報が管理PC10により読み取られ又は書き込みされるモードである。
【0073】
そして、カードモードの設定により、ハンディ端末30を管理PC10にかざす旨の指示情報(例えば「ハンディ端末を管理PCのNFCリーダライタに近づけてください」等のメッセージ)が、表示部34に表示される(ステップS19)。ステップS19で表示された指示情報がユーザに参照され、このユーザにより、ハンディ端末30のNFC部36がNFCリーダライタ20へ非接触通信可能な距離に近づけられる。
【0074】
そして、NFC情報80の管理PC許可フラグ84が参照され、“1(許可)”又は“9(不許可)”であるか否かが判別される(ステップS20)。ステップS20は、管理PC10におけるハンディ端末管理処理により、管理PC許可フラグ84が“0(未設定)”から“1”又は“9”に変更されるのを待つステップである。
【0075】
管理PC許可フラグ84が“0”である場合(ステップS20;NO)、ステップS20に移行される。管理PC許可フラグ84が“1”又は“9”である場合(ステップS20;YES)、管理PC許可フラグ84が参照され、“1”であるか否かが判別される(ステップS21)。
【0076】
管理PC許可フラグ84が“9”である場合(ステップS21;NO)、ステップS15に移行される。管理PC許可フラグ84が“1”である場合(ステップS21;YES)、自機のハンディ端末30にユーザ使用による動作を許可する設定がなされ(ステップS22)、ハンディ端末動作許可処理が終了する。ステップS22の後、使用されたNFCカード50所有のユーザは、ハンディ端末30を使用できなくなる。
【0077】
次いで、図6を参照して、管理PC10で実行されるハンディ端末管理処理を説明する。ハンディ端末管理処理は、上記ハンディ端末動作許可処理と並行して実行される。また、予め、記憶部15に、カードID・ハンディ端末IDファイル90、ハンディ端末使用状況ファイル100が記憶されているものとする。
【0078】
管理PC10において、例えば、操作部12を介して、ハンディ端末30の管理者からハンディ端末管理処理の実行指示が入力され、NFCリーダライタ20により、非接触通信が可能な距離に近づけられたハンディ端末30が検出されたことをトリガとして、記憶部15から読み出されて適宜RAM13に展開されたハンディ端末管理プログラムと、CPU11との協働により、ハンディ端末管理処理が実行される。
【0079】
図6に示すように先ず、NFCリーダライタ20を介して、ハンディ端末30のNFCメモリ363に記憶されているNFC情報80が読み取られる(ステップS31)。そして、ステップS31で読み取られたNFC情報80のID許可フラグ83がオンにされているか否かが判別される(ステップS32)。ID許可フラグ83がオフにされている場合(ステップS32;NO)、ハンディ端末動作許可処理のステップS20に対応して、NFCリーダライタ20を介して、NFCメモリ363のNFC情報80の管理PC許可フラグ84に“9”が書き込まれ(ステップS33)、ハンディ端末管理処理が終了する。
【0080】
ID許可フラグ83がオンにされている場合(ステップS32;YES)、記憶部15に記憶されているカードID・ハンディ端末IDファイル90が読み出される(ステップS34)。そして、ステップS31で読み取られたNFC情報80のNFCカードID81、ハンディ端末ID82の組合せが、ステップS34で読み出されたカードID・ハンディ端末IDファイル90にNFCカードID93、ハンディ端末ID91の組合せとして登録されているか否かが判別される(ステップS35)。
【0081】
NFCカードID、ハンディ端末IDの組合せが登録されていない場合(ステップS35;NO)、ステップS33に移行される。NFCカードID、ハンディ端末IDの組合せが登録されている場合(ステップS35;YES)、ハンディ端末動作許可処理のステップS20に対応して、NFCリーダライタ20を介して、NFCメモリ363のNFC情報80の管理PC許可フラグ84に“1”が書き込まれる(ステップS36)。
【0082】
そして、記憶部15に記憶されているハンディ端末使用状況ファイル100において、ステップS31で読み取られたハンディ端末ID82に対応するハンディ端末101の使用中フラグ102がオンされ、同じく対応するNFCカードID103に、ステップS31で読み取られたNFCカードID81が書き込まれて更新され、更新後のハンディ端末使用状況ファイル100の内容が表示部34に表示される(ステップS37)。
このステップS37の処理によって、更新されたハンディ端末使用状況ファイル100の内容が表示部34に表示されるので、管理PC10のユーザ(管理者)は、ハンディ端末の使用状況を知ることができる。即ち、ハンディ端末使用状況ファイル100は、図4(e)に示すように、ハンディ端末ID101と、使用中フラグ102と、NFCカードID103を記憶しているので、ハンディ端末使用状況ファイル100の内容を表示部34に表示することによって、どのハンディ端末を誰が使用中であるかを知ることができる。ステップS37の後、ハンディ端末管理処理が終了する。
【0083】
次いで、図7を参照して、ハンディ端末30で実行されるハンディ端末使用終了処理を説明する。ハンディ端末使用終了処理は、ハンディ動作許可処理により動作(使用)が許可された場合に、ユーザによりハンディ端末30が使用(動作)され、その使用後に実行される。
【0084】
ハンディ端末30において、例えば、操作部32を介して、ユーザ(ハンディ端末30を使用した社員)からハンディ端末動作許可処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、ROM35から読み出されて適宜RAM33に展開されたハンディ端末使用終了プログラムと、CPU31との協働により、ハンディ端末使用終了処理が実行される。
【0085】
図7に示すように先ず、ハンディ端末30の動作モードが、カードモードに設定される(ステップS41)。そして、カードモードの設定により、ハンディ端末30を管理PC10にかざす旨の指示情報(例えば「ハンディ端末を管理PCのNFCリーダライタに近づけてください」等のメッセージ)が、表示部34に表示される(ステップS42)。ステップS42で表示された指示情報がユーザに参照され、このユーザにより、ハンディ端末30のNFC部36がNFCリーダライタ20へ非接触通信可能な距離に近づけられる。
【0086】
そして、NFC情報80の管理PC許可フラグ84が参照され、“0”であるか否かが判別される(ステップS43)。ステップS43は、管理PC10におけるハンディ端末使用終了管理処理により、管理PC許可フラグ84が“1”から“0”に変更されるのを待つステップである。
【0087】
管理PC許可フラグ84が“1”である場合(ステップS43;NO)、ステップS43に移行される。管理PC許可フラグ84が“0”である場合(ステップS43;YES)、ハンディ端末使用終了処理が終了する。ハンディ端末使用終了の終了後、使用されたFNCカード50を所有するユーザは、ハンディ端末30を使用できない。
【0088】
次いで、図8を参照して、管理PC10で実行されるハンディ端末使用終了管理処理を説明する。ハンディ端末使用終了管理処理は、上記ハンディ端末使用終了処理と並行して実行される。
【0089】
管理PC10において、例えば、操作部12を介して、ハンディ端末30の管理者からハンディ端末使用終了管理処理の実行指示が入力され、NFCリーダライタ20により、非接触通信が可能な距離に近づけられたハンディ端末30が検出されたことをトリガとして、記憶部15から読み出されて適宜RAM13に展開されたハンディ端末使用終了管理プログラムと、CPU11との協働により、ハンディ端末使用終了管理処理が実行される。
【0090】
図8に示すように先ず、NFCリーダライタ20を介して、ハンディ端末30のNFCメモリ363に記憶されているNFC情報80のNFCカードID81及びハンディ端末ID82が読み取られる(ステップS51)。そして、記憶部15に記憶されているハンディ端末使用状況ファイル100において、ステップS51で読み取られたNFCカードID81及びハンディ端末ID82に対応するNFCカードID103及びハンディ端末ID101に対応する使用中フラグ102がリセット(オフ(使用中で無い状態)に)され、更新後のハンディ端末使用状況ファイル100の内容が表示部34に表示される(ステップS52)。
このステップS52の処理によって、使用中フラグ102がリセットされたハンディ端末使用状況ファイル100の内容が表示部34に表示されるので、管理PC10のユーザ(管理者)は、ハンディ端末の使用状況を知ることができる。即ち、ハンディ端末使用状況ファイル100は、図4(e)に示すように、ハンディ端末ID101と、使用中フラグ102と、NFCカードID103を記憶しているので、ハンディ端末使用状況ファイル100の内容を表示部34に表示することによって、どのハンディ端末を誰が使用しなくなったか(使用を終了したか)を知ることができる。
【0091】
そして、ハンディ端末使用終了処理のステップS43に対応して、NFCリーダライタ20を介して、NFCメモリ363のNFC情報80の管理PC許可フラグ84に“0”が書き込まれ(ステップS53)、ハンディ端末使用終了管理処理が終了する。
【0092】
以上、本実施の形態によれば、ハンディ端末30は、NFCリーダライタ部362によりNFCカード50のNFCカードIDを読み取り、当該読み取られたNFCカードIDがカード許可IDファイル70のNFCカードID72に記憶されているか否かを判別する。ハンディ端末30は、読み取られたNFCカードIDが記憶されている場合に、NFCカード50のNFCカードID、自機のハンディ端末ID、及び前記NFCカードIDを許可するID許可フラグを含むNFC情報80をNFCメモリ363に記憶する。
【0093】
管理PC10は、NFCリーダライタ20によりNFCメモリ363からNFC情報80を読み取り、当該読み取られたID許可フラグ83が許可であり、且つ前記読み取られたNFCカードID81及びハンディ端末ID82の組合せがカードID・ハンディ端末IDファイル90に記憶されているか否かを判別する。管理PC10は、ID許可フラグ83が許可であり且つNFCカードID81及びハンディ端末ID82の組合せが記憶されている場合に、NFCリーダライタ20によりNFCメモリ363にハンディ端末30の動作の許可の旨の管理PC許可フラグ84を書き込み、それ以外の場合に、NFCリーダライタ20によりNFCメモリ363にハンディ端末30の動作の不許可の旨の管理PC許可フラグ84を書き込む。ハンディ端末30は、NFCメモリ363に記憶される自機の動作の許可又は不許可を示す管理PC許可フラグ84に応じて、自機の動作を許可又は不許可する。
【0094】
このため、ハンディ端末30とNFCカード50との組合せについて認証を行うことができる。また、ハンディ端末30と、管理PC10とで、二重に、ユーザによるハンディ端末30の使用(動作)を認証でき、ハンディ端末30の使用におけるセキュリティを高めることができる。
【0095】
また、管理PC10は、管理PC許可フラグ84の使用許可への変更に応じて、記憶部15に記憶されているハンディ端末使用状況ファイル100において、使用許可されたNFCカードID81及びハンディ端末ID82に対応する使用中フラグ102を使用中に変更する。このため、NFCカード50の所有者によるハンディ端末30の使用中の状況を確実に管理できる。
【0096】
また、管理PC10は、ハンディ端末30の使用終了後に、NFCメモリ363からNFCカードID81及びハンディ端末ID82を読み取り、当該読み取られたNFCカードID81及びハンディ端末ID82の組合せに対応するハンディ端末使用状況ファイル100の使用中フラグ102を動作中でない状態に変更し、ハンディ端末30のNFCメモリ363に記憶されている管理PC許可フラグ84に使用許可の未設定の旨を書き込む。このため、NFCカード50の所有者によるハンディ端末30の使用終了の状況を確実に管理できる。
【0097】
また、管理PC10は、ハンディ端末使用状況ファイル100の内容を表示する。このため、管理者は、NFCカード50の所有者によるハンディ端末30の使用状況を目視により確実に把握できる。
【0098】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る携帯端末管理システムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0099】
例えば、上記実施の形態では、NFCカードIDとユーザの識別情報(社員番号)とが、一対一の関係であるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザの識別情報は、学校における学籍番号等、他の一対一の関係の識別情報としてもよい。また、ユーザの識別情報は、企業のグループ(部署、課等)で共通のNFCカードを使用する場合のグループの識別情報等とし、NFCカードIDとユーザの識別情報とが一対複数の関係であることとしてもよい。
【0100】
また、上記実施の形態におけるハンディ端末管理システム1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0101】
1 ハンディ端末管理システム
10 管理PC
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 I/F部
17 通信部
18 バス
20 NFCリーダライタ
21 NFCリーダライタ部
22 NFCアンテナ
30 ハンディ端末
31 CPU
32 操作部
33 RAM
34 表示部
35 ROM
36 NFC部
361 NFCアンテナ
362 NFCリーダライタ部
363 NFCメモリ
37 フラッシュメモリ
38 スキャナ部
39 I/F部
40 バス
50 NFCカード
51 NFCメモリ
52 NFCアンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、当該携帯端末を管理する管理装置と、を備え、
前記携帯端末は、
非接触通信により、カードIDが記憶されたNFCカードから情報を読み取る又は書き込む第1のNFCリーダライタ手段と、
前記管理装置から情報を読み取り及び書き込み可能なNFCメモリと、
使用可能なNFCカードのカードIDを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1のNFCリーダライタ手段によりNFCカードのカードIDを読み取り、当該読み取られたカードIDが前記第1の記憶手段に記憶されているか否かを判別し、当該カードIDが記憶されている場合に、当該カードID、自機の端末ID、及び前記カードIDを許可する旨のID許可フラグを前記NFCメモリに記憶し、当該NFCメモリに記憶される自機の動作の許可又は不許可を示す管理装置許可フラグに応じて、自機の動作を許可又は不許可に設定する第1の制御手段と、を備え、
前記管理装置は、
非接触通信により、前記第1の非接触通信用メモリから情報を読み取る又は書き込む第2のNFCリーダライタ手段と、
使用可能なNFCカードのカードIDと端末装置の端末IDとの組合せを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリからカードID、端末ID及びID許可フラグを読み取り、当該読み取られたID許可フラグが許可を示し、且つ前記読み取られたカードID及び端末IDの組合せが前記第2の記憶手段に記憶されているか否かを判別し、ID許可フラグが許可であり且つカードID及び端末IDの組合せが記憶されている場合に、前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリに前記携帯端末の動作の許可の旨の管理装置許可フラグを書き込み、ID許可フラグが許可でない又はカードID及び端末IDの組合せが記憶されていない場合に、前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリに前記携帯端末の動作の不許可の旨の管理装置許可フラグを書き込む第2の制御手段と、を備える携帯端末管理システム。
【請求項2】
前記第2の記憶手段は、カードID及び端末IDの組合せと、当該端末IDの端末装置が動作中であるか否かを示す端末状況情報とを対応付けて記憶し、
前記第2の制御手段は、前記管理装置許可フラグの動作許可への変更に応じて、許可されたカードID及び端末IDの前記端末状況情報を動作中に変更する請求項1に記載の携帯端末管理システム。
【請求項3】
前記第2の制御手段は、携帯端末の動作終了後に、前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリからカードID及び端末IDを読み取り、当該読み取られたカードID及び端末IDの組合せに対応する前記端末状況情報を動作中でない旨に変更し、前記第2のNFCリーダライタ手段により前記NFCメモリに記憶されている管理装置許可フラグに前記携帯端末の動作の許可の未設定の旨を書き込む請求項2に記載の携帯端末管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、表示手段を備え、
前記第2の制御手段は、前記第2の記憶手段に記憶されている前記端末状況情報を前記表示手段に表示する請求項2又は3に記載の携帯端末管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−8458(P2011−8458A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150461(P2009−150461)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】