説明

携帯端末装置、携帯端末装置の制御方法及びプログラム

【課題】人体の影響を抑制し、複数のアンテナ素子を備えて複数の周波数帯の電波を利用して通信を行うことを、装置の製造コストの大きな上昇、及び大型化を回避して実現する。
【解決手段】センサ部130から、携帯端末装置100に人体が触れているかどうか示す情報信号を取得し、情報信号に基づいて、スイッチ105,106,121,122の接続の制御を行う。スイッチ105,106,121,122の接続の制御により、アンテナ素子101,102,103、スイッチ105及びスイッチ106からなるアンテナとアンテナ素子104からなるアンテナの2本のアンテナで送受信を行うか、アンテナ素子101,102,104、スイッチ105及びスイッチ106からなるアンテナとアンテナ素子103からなるアンテナの2本のアンテナで送受信を行うかが設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、携帯端末装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末装置においては、複数の周波数帯の電波を利用して通信が行われている。例えば、一台の携帯端末装置で800MHz帯と2GHz帯の両方の周波数帯を利用した通信が行われている。このような携帯端末装置では、複数の周波数帯に対応するために、複数のアンテナ素子を備えている。
【0003】
また、第4世代の携帯電話機や、デジタルテレビジョン放送信号を受信することができる携帯端末装置のように広帯域の無線信号を送受信する携帯端末装置においては、より高い信号品質が求められるため、携帯端末装置が備える複数のアンテナ素子の放射効率をすべて高くする必要がある。
【0004】
しかしながら、携帯端末装置は人間によって保持されて使用されるため、当該携帯端末装置と人体頭部との接触、胴体との距離及び手の位置などによって、アンテナ素子の放射効率が大きく低下することが知られている。
【0005】
そこで、特許文献1に開示されている移動無線端末装置は、インピーダンス整合回路に加えて、少なくとも一つのインピーダンス整合補正回路と人体接触認識部とを備えている。そして、人体接触認識部から出力される人体認識信号によって当該移動無線端末装置に人体が接触しているか否かを認識し、人体が接触している場合は、当該移動無線端末装置の受信入力レベルに応じて、少なくとも一つのインピーダンス整合補正回路とインピーダンス整合回路のいずれか一つに受信信号を送るようにしている。
【0006】
また、特許文献2に開示されている携帯端末装置は、携帯端末装置内に少なくとも3個以上のアンテナ素子を備え、携帯端末装置の傾き或いは受信感度に応じて通信に使用するアンテナ素子として、3個以上のアンテナ素子の中から1つを選択するようにしている。
【0007】
また、特許文献3に開示されている「携帯無線機」は、携帯無線機内に3個のアンテナ素子を備え、携帯無線機の傾きに応じて通信に使用するアンテナとして、3個のアンテナ素子の中から2つを選択するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−136157号公報
【特許文献2】特開2008−187485号公報
【特許文献3】特開2005−347855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に示された「移動無線端末装置」では、複数の周波数帯域での通信を行うために複数のアンテナ素子を備えていた場合、アンテナ素子一つにつき少なくとも一つのインピーダンス整合補正回路が必要となる。そのため、装置の構成が複雑になると共に、装置の製造コストが上昇するといった問題が生じる。
【0010】
また、特許文献2に示す「携帯端末装置」では、少なくとも3個のアンテナを備えている。そのため、当該無線端末装置により、複数の周波数帯の電波を利用して通信を行う場合など、2種類以上のアンテナを必要とした場合には、種類毎に少なくとも3個、すなわち少なくとも6個のアンテナを備える必要がある。さらに、ある瞬間に通信に用いられるアンテナは、その少なくとも6個のアンテナの中の2つのみである。このような構成では、装置の製造コストが大きく上昇し、さらには装置が大型化する。
【0011】
また、特許文献3に示す「携帯無線機」では、当該携帯無線機は3個のアンテナ素子を備えている。そのため、当該無線端末装置が複数の周波数帯の電波を利用して通信を行う場合などに、例えば2種類のアンテナを必要とした場合は6個のアンテナを備える必要があり、さらにある瞬間に通信に用いられるアンテナは、前記6個のアンテナの中の4つのみである。このような構成では、装置の製造コストが大きく上昇し、さらには装置が大型化する。
【0012】
本発明の目的は、以上の課題を解決し、当該携帯端末装置を保持する人体の影響を抑制し、且つ、複数のアンテナ素子を備えて複数の周波数帯の電波を利用して通信を行う携帯端末装置を、装置の製造コストの大きな上昇、及び、大型化を回避して、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置は、
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置であって、
一つの給電点をそれぞれに備えた少なくとも二つの第1のアンテナ素子と、
第2のアンテナ素子と、
前記第2のアンテナ素子の接続先を、前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する少なくとも一つの素子スイッチと、
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を、入力或いは出力する高周波回路部と、
前記高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続するための少なくとも二つの給電点スイッチと、
全ての前記少なくとも1つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御することが可能な制御信号を出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、当該携帯端末装置の状態を示す情報信号に基づいて全ての前記少なくとも1つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御することを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る携帯端末装置の制御方法は、
一つの給電点をそれぞれに備えた少なくとも二つの第1のアンテナ素子と、
第2のアンテナ素子と、
前記第2のアンテナ素子の接続先を、前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する少なくとも一つの素子スイッチと、
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を、入力或いは出力する高周波回路部と、
前記高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続するための少なくとも二つの給電点スイッチと、
を備え、少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置の制御方法であって、
当該携帯端末装置の状態を示す情報信号を入力する情報信号入力処理と、
前記情報信号に基づいて全ての前記少なくとも1つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御するスイッチ制御処理と、
を行うことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置を制御するコンピュータに、
前記携帯端末装置の状態を示す情報信号を受信する受信処理と、
前記情報信号に基づいて、第2のアンテナ素子を、少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する素子スイッチ接続処理と、
前記情報信号に基づいて、少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を入力或いは出力する高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続する給電点スイッチ接続処理と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、携帯端末装置を保持する人体の影響を抑制し、且つ、複数のアンテナ素子を備えて複数の周波数帯の電波を利用して通信を行うことを、装置の製造コストの大きな上昇、及び大型化を回避して実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】一般的な折り返し形状を有するダイポールアンテナの模式図である。
【図3】携帯端末装置の使用状況を例示した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯端末装置100の構成を示すブロック図である。
【0019】
この携帯端末装置100は、4個のアンテナ素子101,102,103,104を備えている。アンテナ素子101の両端には、スイッチ105,106が備えられている。アンテナ素子102の一端にはスイッチ105の接点aが備えられている。アンテナ素子102の他端にはスイッチ106の接点aが備えられている。
【0020】
アンテナ素子103の一端には、給電点Q−1が備えられている。アンテナ素子103の他端には、スイッチ105の接点bが備えられている。
アンテナ素子104の一端には、給電点Q−2が備えられている。アンテナ素子104の他端には、スイッチ106の接点bが備えられている。
【0021】
スイッチ105は、アンテナ素子101と接続するアンテナ素子を、アンテナ素子102とアンテナ素子103のいずれかから選択する。また、スイッチ106は、アンテナ素子101と接続するアンテナ素子を、アンテナ素子102とアンテナ素子104のいずれかから選択する。
【0022】
この携帯端末装置100は、更に、無線通信回路120、センサ部130と、を備えている。
無線通信回路120は、スイッチ121と、スイッチ122と、highband整合回路123と、lowband整合回路124と、制御部125と、高周波回路部126と、変復調部127と、入出力端子128と、を備えている。
【0023】
給電点Q−1は、スイッチ121の接点b及びスイッチ122の接点aに接続されている。
給電点Q−2は、スイッチ121の接点a及びスイッチ122の接点bに接続されている。
【0024】
スイッチ121は、当該スイッチ121の接点aに接続した場合にはhighband整合回路123を給電点Q−2に接続し、当該スイッチ121の接点bに接続した場合にはhighband整合回路123を給電点Q−1に接続する。
【0025】
スイッチ122は、当該スイッチ122の接点aに接続された場合にはlowband整合回路124を給電点Q−1に接続し、当該スイッチ122の接点bに接続された場合にはlowband整合回路124を給電点Q−2に接続する。
【0026】
ここで、スイッチ121がスイッチ121の接点aに接続され、スイッチ106がスイッチ106の接点aに接続された場合、highband整合回路123は、アンテナ素子104によって構成されるアンテナのインピーダンスと高周波回路部126のインピーダンス(50Ωである)とを整合させることができる。
【0027】
また、スイッチ121がスイッチ121の接点bに接続され、スイッチ105がスイッチ105の接点aに接続された場合、highband整合回路123は、アンテナ素子103によって構成されるアンテナのインピーダンスと高周波回路部126のインピーダンス(50Ωである)とを整合させることができる。
【0028】
また、スイッチ122がスイッチ122の接点aに接続され、スイッチ105がスイッチ105の接点bに接続され、スイッチ106がスイッチ106の接点aに接続された場合、lowband整合回路124は、アンテナ素子103、アンテナ素子101、アンテナ素子102、スイッチ105及びスイッチ106によって構成されるアンテナのインピーダンスと、高周波回路部126のインピーダンス(50Ωである)とを整合させることができる。
【0029】
また、スイッチ122がスイッチ122の接点bに接続され、スイッチ106がスイッチ106の接点bに接続され、スイッチ105がスイッチ105の接点aに接続された場合、lowband整合回路124は、アンテナ素子104、アンテナ素子101、アンテナ素子102、スイッチ105及びスイッチ106によって構成されるアンテナのインピーダンスと、高周波回路部126のインピーダンス(50Ωである)とを整合させることができる。
【0030】
高周波回路部126は、highband整合回路123、lowband整合回路124、及び変復調部127にそれぞれ接続されている。高周波回路部126は、highband整合回路123との間では、高い周波数帯域であるhighband(例えば、2GHz帯)の無線信号であるhighband無線信号を入出力することが可能である。
【0031】
高周波回路部126は、lowband整合回路124との間では、低い周波数帯であるlowband(例えば800MHz帯)の無線信号であるlowband無線信号を入出力することが可能でる。
【0032】
高周波回路部126は、変復調部127との間で高い周波数のhighband変調信号及び低い周波数のlowband変調信号を入出力することが可能である。
【0033】
高周波回路部126は、highband無線信号と高い周波数のhighband変調信号との相互変換を行うために必要な図示しない高周波フィルタ、高周波増幅器及び高周波混合器等で構成された高域処理回路126Aと、lowband無線信号と低い周波数のlowband変調信号との相互変換を行うために必要な図示しない高周波フィルタ、高周波増幅器及び高周波混合器等で構成された低域処理回路126Bと、を含む。
【0034】
変復調部127は、入出力端子128を介してベースバンド信号を入出力する回路であり、ベースバンド信号と高い周波数のhighband変調信号あるいは低い周波数のlowband変調信号との相互変換を行うための図示しない変調器及び復調器を備えている。
【0035】
制御部125は、センサ部130からセンサ情報を入力し、センサ情報に基づいて、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ121及びスイッチ122に制御信号を出力し、各スイッチ105、スイッチ106、スイッチ121及びスイッチ122の接続する接点を制御する。センサ部130は、例えば位置姿勢センサで構成され、携帯端末装置100の姿勢(傾き)を検出し、検出結果をセンサ情報として制御部125に出力する。
【0036】
ここで、制御部125は、スイッチ105をスイッチ105の接点aに接続する場合には、スイッチ106をスイッチ106の接点bに接続するように制御する。また、制御部125は、スイッチ105をスイッチ105の接点bに接続する場合には、スイッチ106をスイッチ106の接点aに接続するように制御する。また、制御部125は、スイッチ121及びスイッチ122を、どちらもそれぞれのスイッチの接点aに接続するか、どちらもそれぞれのスイッチの接点bに接続するかを制御する。
【0037】
以上に説明したとおり、制御部125はセンサ部130が出力するセンサ情報をもとに、スイッチ105、106、121、122の接続を制御する。この制御を行う理由について図を用いて説明する。
【0038】
図2は、一般的な折り返し形状を有するダイポールアンテナ150の模式図であり、アンテナ素子151における電流分布を矢印で示している。
このアンテナ150は、折り返し形状を有するアンテナ素子151で構成されている。アンテナ素子151は給電点152に接続されている。アンテナ素子151の各部の電流の強さが、図2の矢印の長さで示されている。
【0039】
アンテナ素子151のような折り返し形状を有する場合、折り返し部分153の電流が強くなることが知られている。このとき、電流の強い部分、すなわちアンテナ素子151の折り返し部分153付近に人体の一部(例えば、親指など)が存在した場合、人体の影響により、特に高周波帯域のアンテナ特性が大きく変化することが知られている。一方、電流の弱い部分、すなわちアンテナ素子151の給電点152付近に人体の一部が存在した場合は、アンテナ特性の変化は大きくはないことが知られている。
【0040】
以上に説明した人体によるアンテナ特性の変化の特徴を踏まえ、携帯端末装置100の動作を説明する。
【0041】
アンテナ素子101〜104、及びスイッチ105,106は、スイッチ105,106の接続が制御部125に制御されて2本のアンテナを構成する。
【0042】
携帯端末装置100を用いて受信を行う場合、2本のアンテナは、受信信号を送受波する。アンテナで送受波する信号は、highband整合回路123或いはlowband整合回路124によって整合されて高周波回路部126にhighband無線信号及びlowband無線信号として出力される。
【0043】
高周波回路部126は、highband無線信号をhighband変調信号に変換し、lowband無線信号をlowband変調信号に変換し、highband変調信号及びlowband変調信号を変復調部127に出力する。変復調部127は、highband変調信号及びlowband変調信号に対する復調を行い、highband変調信号及びlowband変調信号をそれぞれベースバンド信号に変換する。変復調部127は、ベースバンド信号を入出力端子128から出力する。
【0044】
携帯端末装置100を用いて送信を行う場合、高周波数帯域で送信するベースバンド信号及び低周波数帯域で送信するベースバンド信号が入出力端子128から入力される。変復調部127は、ベースバンド信号を変調し、highband変調信号及びlowband変調信号を生成して高周波回路部126に出力する。
【0045】
高周波回路部126は、highband変調信号をhighband無線信号に変換し、lowband変調信号をlowband無線信号に変換する。高周波回路部126は、highband無線信号をhighband整合回路123を介してアンテナに与える。又、高周波回路部126は、lowband無線信号をlowband整合回路124を介してアンテナに与える。アンテナは、lowband無線信号及びhighband無線信号を放射する。
【0046】
ここで、携帯端末装置100の使用状態を説明する。
図3(a),(b),(c)は、携帯端末装置100の使用状況を例示した図である。
図3(a)は、例えば、使用者が、携帯端末装置100を右手親指160と、図示しない右手の親指を除いた指とで保持しており、アンテナ素子103がアンテナ素子104よりも上側に位置し、使用者の右手親指160がアンテナ素子101に接近していると共に、使用者の右手親指160の先端が携帯端末装置100の略中央に位置する状態を示している。アンテナ素子101,102,104を含むアンテナの折り返し部分に相当するスイッチ105に対して、右手親指の先端は、アンテナの特性に影響を与えるほどアンテナに近接していない。
【0047】
センサ部130は、位置姿勢センサであるため、携帯端末装置100の姿勢を検出する。センサ部130の検出した姿勢の情報をセンサ情報として制御部125に与える。
【0048】
制御部125は、センサ情報に基づいて図3(a)中の矢印204−aに示す方向で携帯端末装置100が使用されていることを想定することができる。つまり、アンテナ素子103が上側にあり、アンテナ素子104が下側にある状態で、携帯端末装置100が使用されていることを、想定することができる。
【0049】
センサ情報が入力された制御部125では、スイッチ105をスイッチ105の接点aに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点bに接続し、無線通信回路120が含むスイッチ121をスイッチ120の接点bに接続し、スイッチ122をスイッチ122の接点bに接続するように、制御信号を各スイッチ105,106,121,122に出力する。
【0050】
以上のスイッチ制御により、アンテナ素子104とアンテナ素子101とアンテナ素子102とスイッチ106とスイッチ105とからなるアンテナと、アンテナ素子103からなるアンテナとが構成される。アンテナ素子104とアンテナ素子101とアンテナ素子102とスイッチ106とスイッチ105とからなるアンテナは、図2のアンテナ150と同様の折り返し形状となり、且つ低い周波数帯の電波に共振するので、lowband無線信号を送受信するのに適したアンテナとなる。そのため、右手親指160によるアンテナ特性の変化を小さなものとすることが可能となる。
【0051】
また、同時に、アンテナ素子103からなるアンテナは、高い周波数帯の電波に共振するので、highband無線信号を送受信するのに適したアンテナを構成することができる。このとき、アンテナ素子103は右手親指160から離れているため、アンテナ特性の変化は起こらない。
【0052】
携帯端末装置100の使用中に使用者が携帯端末装置100を左手に持ち替えると、例えば図3(b)に示すように、使用者は携帯端末装置100を左手親指170と、図示しない左手親指170を除いた指とで保持する。この状態では例えばアンテナ素子104がアンテナ素子103よりも上側に位置し、使用者の左手親指170がアンテナ素子101に接近していると共に、使用者の左手の親指170の先端が携帯端末装置100の略中央に位置する。そして、アンテナ素子104とアンテナ素子101とアンテナ素子102とスイッチ106とスイッチ105とからなるアンテナの折り返し部分のスイッチ5に左手親指が接近する。そのため、アンテナ素子104とアンテナ素子101とアンテナ素子102とスイッチ106とスイッチ105とからなるアンテナの特性が大きく変化することになる。
【0053】
この状態で携帯端末装置100が使用されている場合、センサ部130は、携帯端末装置100の姿勢を検出する。センサ部130の検出した姿勢の情報をセンサ情報として制御部125に与える。
【0054】
制御部125は、センサ情報に基づいて図3(b)中の矢印204−bに示す方向で携帯端末装置100が使用されていることを想定することができる。つまり、アンテナ素子104が上側にあり、アンテナ素子103が下側にある状態で、携帯端末装置100が使用されていることを、想定することができる。
【0055】
センサ情報が入力された制御部125では、アンテナの特性劣化を解消するために、図3(c)に示すように、スイッチ105をスイッチ105の接点bに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点aに接続すると共に、無線通信回路120が含むスイッチ121をスイッチ121の接点aに接続し、スイッチ122をスイッチ122の接点aに接続するように、制御信号を各スイッチ105,106,121,122に出力する。
【0056】
以上のスイッチ制御により、アンテナ素子103とアンテナ素子101とアンテナ素子102とスイッチ106とスイッチ105とからなるアンテナと、アンテナ素子104からなるアンテナとが構成される。アンテナ素子103とアンテナ素子101とアンテナ素子102とスイッチ106とスイッチ105とからなるアンテナは、アンテナ素子150と同様の折り返し形状となり、且つ低い周波数帯の電波に共振するので、lowband無線信号を送受信するのに適したアンテナとなる。そのため、左手親指170によるアンテナ特性の変化を小さなものとすることが可能となる。
【0057】
また、同時に、アンテナ素子104からなるアンテナは、高い周波数帯の電波に共振するので、highband無線信号を送受信するのに適したアンテナを構成することができる。このとき、アンテナ素子104は左手親指170から離れているため、アンテナ特性の変化は起こらない。
【0058】
なお、ここでは、センサ部130は、携帯端末装置100の姿勢を検出する位置姿勢センサ用いたが、温度センサを携帯端末装置100の筐体に組み込んでこれを用いてもよいし、あるいは、人体接触センサを筐体に組込んで用いてもよい。温度センサ或いは人体接触センサを用いる場合には、本発明に係る携帯端末装置に対して近接している人体の位置を、より直接的に検出することが可能となる。
【0059】
また、さらに、無線通信回路120はhighband整合回路123及びlowband整合回路124を備えたが、アンテナ素子103のみによって構成されるアンテナ或いはアンテナ素子104のみによって構成されるアンテナのインピーダンスと、高周波回路部126のインピーダンスとが整合しているときは、highband整合回路123を備えなくてもよい。
【0060】
また、アンテナ素子103、アンテナ素子101、アンテナ素子102、スイッチ105及びスイッチ106によって構成されるアンテナ或いはアンテナ素子104、アンテナ素子101、アンテナ素子102、スイッチ106及びスイッチ105によって構成されるアンテナのインピーダンスと、高周波回路部126のインピーダンスとが整合しているときは、lowband整合回路124を備えなくてもよい。
【0061】
以上のように、本実施形態の携帯端末装置100によれば、当該携帯端末装置100を保持する人体の影響を抑制し、且つ、複数のアンテナ素子101から104を備えて複数の周波数帯の電波を利用して通信を行うことを、装置の製造コストの大きな上昇、および、大型化を回避して実現できる。
【0062】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る携帯端末装置200の構成を示すブロック図であり、図1中の要素と共通する要素には、共通の符合が付されている。る。
【0063】
この携帯端末装置200は、第1の実施形態の携帯端末装置100と同様のアンテナ素子101〜104及びスイッチ105,106と、携帯端末装置100とは異なる無線通信回路220とを備えている。この携帯端末装置200は、携帯端末装置100で備えていたセンサ部130は備えていない。
【0064】
無線通信回路220は、第1の実施形態の無線通信回路120と同様のスイッチ121と、スイッチ122と、highband整合回路123と、lowband整合回路124と、高周波回路部126と、入出力端子128とを備え、無線通信回路120とは異なる変復調部221及び制御部222を備えている。
即ち、無線通信回路220は、無線通信回路120の変復調部127を変復調部221に置換し、制御部125を制御部222に置換したものである。無線通信回路部220の他の部分は、無線通信回路120と同様の構成である。
【0065】
変復調部221は、高周波回路部126と入出力端子128と制御部222とに接続されている。変復調部221は、高周波回路部126から与えられるhighband変調信号をhighbandベースバンド信号に復調し、lowband変調信号をlowbandベースバンド信号に復調し、入出力端子128から出力する。
【0066】
また、変復調部221は、高い周波数帯で送信するためのhighbandベースバンド信号を入出力端子128から入力し、highband変調信号に変換して高周波回路部126に出力し、低い周波数帯で送信するためのlowbandベースバンド信号を入出力端子128から入力し、lowband変調信号に変換して高周波回路部126に出力する。
【0067】
さらに、変復調部221は、高周波回路部126から与えられるhighband変調信号を復調したhighbandベースバンド信号の信号品質であるBER(Bit Error Rate)を測定し、また、高周波回路部126から入力されるlowband変調信号を復調したlowbandベースバンド信号の信号品質であるBERを測定し、これら測定した2のBERの両方あるいはどちらか一方を表現する品質信号を制御部222へ出力する。
【0068】
制御部222は、変復調部221から品質信号を入力し、品質信号に基づいて、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ121及びスイッチ122に制御信号を出力し、各スイッチ105、スイッチ106、スイッチ121及びスイッチ122の接続する接点を制御する。
即ち、制御部222は、品質信号に基づいて、スイッチ105をスイッチ105の接点bに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点aに接続し、スイッチ121,122を各スイッチ121,122の接点aに接続するか、又は、スイッチ105をスイッチ105の接点aに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点bに接続し、スイッチ121,122を各スイッチ121,122の接点bに接続する。
【0069】
ここで、制御部222は、スイッチ105をスイッチ105の接点bに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点aに接続し、スイッチ121,122を各スイッチ121,122の接点aに接続したときに変復調部221から与えられる品質信号と、スイッチ105をスイッチ105の接点aに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点bに接続し、スイッチ121,122を各スイッチ121,122の接点bに接続したときに変復調部221からの与えられる品質信号とを比較し、品質信号が良好な値を示すように、スイッチ105、106、121、122の接続を制御するための制御信号を出力する。
【0070】
尚、変復調部221は、highbandベースバンド信号又はlowbandベースバンド信号或いはその両方の品質であるBERを測定するが、BERでは無くてもよい。PER(Packet Error Rate)、あるいはBLER(Block Error Rate)、あるいは通信速度を表現するスループット、を測定または算出して、制御部222に与える品質信号に表現させてもよい。
【0071】
本実施形態の携帯端末装置200は、highband変調信号を復調したhighbandベースバンド信号或いはlowband変調信号を復調したlowbandベースバンド信号或いはその両方のBERを表現する品質信号により、スイッチ105、106、121、122を制御するため、第1の実施形態の携帯端末装置100と同様に、携帯端末装置200を保持する人体の影響を抑制し、且つ、複数のアンテナ素子101から104を備えて複数の周波数帯の電波を利用して通信を行うことを、装置の製造コストの大きな上昇、および、大型化を回避して実現できる。
【0072】
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態に係る携帯端末装置300を示す構成図であり、図1中の要素と共通する要素には、共通の符合が付されている。。
【0073】
この携帯端末装置300は、第1の実施形態の携帯端末装置100と同様のアンテナ素子101〜104及びスイッチ105,106と、携帯端末装置100とは異なる無線通信回路320とを備えている。この携帯端末装置300は、携帯端末装置100で備えていたセンサ部130は備えていない。
【0074】
無線通信回路320は、第1の実施形態の無線通信回路120と同様のでスイッチ121と、スイッチ122と、highband整合回路123と、lowband整合回路124と、変復調回路127と、入出力端子128とを備え、無線通信回路120とは異なる高周波回路部321及び制御部322を備えている。
【0075】
即ち、無線通信回路320は第1の実施形態の無線通信回路120中の高周波回路部126を高周波回路部321に置換し、無線通信回路120中の制御部125を制御部322に置換したものであり、他の構成は無線通信回路120と同様になっている。
【0076】
高周波回路部321は、highband整合回路123に入出力されるhighband無線信号と変復調部127に入出力されるhighband変調信号とを相互変換する。また、高周波回路部321は、lowband整合回路124に入出力されるlowband無線信号と変復調部127に入出力されるlowband変調信号とを相互変換する。
【0077】
更に、高周波回路部321は、highband整合回路123から入力されたhighband無線信号が変換されたhighband変調信号の電力レベルと、lowband整合回路124から入力されるlowband無線信号が変換されたlowband変調信号の電力レベルとを測定する図示しないレベル検出回路を有する。高周波回路部126は、レベル検出回路を用いて、highband変調信号又はlowband変調信号或いはその両方を表現する品質信号を生成して制御部322に出力する。
【0078】
尚、品質信号は、highband変調信号又はlowband変調信号或いは両方の電力を表現するものでなくてもよい。例えば、highband変調信号又はlowband変調信号或いはその両方のRSSI(Received Signal Strength Indicator;受信信号強度表示)値を算出し、RSSI値を前記品質信号に表現させてもよい。
【0079】
制御部322は、高周波回路部321から品質信号を入力し、品質信号に基づいて、スイッチ105、スイッチ106、スイッチ121及びスイッチ122に制御信号を出力し、各スイッチ105、スイッチ106、スイッチ121及びスイッチ122の接続する接点を制御する。
【0080】
即ち、制御部322は、品質信号に基づいて、スイッチ105をスイッチ105の接点bに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点aに接続し、スイッチ121,122を各スイッチ121,122の接点aに接続する。又は、制御部322は、品質信号に基づいて、スイッチ105をスイッチ105の接点aに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点bに接続し、スイッチ121,122を各スイッチ121,122の接点bに接続する。
【0081】
ここで、制御部322は、スイッチ105をスイッチ105の接点bに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点aに接続し、スイッチ121,122を各スイッチ121,122の接点aに接続したときに高周波回路部321から与えられる品質信号と、スイッチ105をスイッチ105の接点aに接続し、スイッチ106をスイッチ106の接点bに接続し、スイッチ121,122を各スイッチ121,122の接点bに接続したときに高周波回路部321からの与えられる品質信号と、を比較する。そして、品質信号の比較結果に基づいて、制御部322は品質信号が良好な値を示すように、スイッチ105、106、121、122を制御するための制御信号を出力する。
【0082】
本実施形態の携帯端末装置300は、highband変調信号又はlowband変調信号或いはその両方の電力を表す品質信号により、スイッチ105、106、121、122を制御するため、第1の実施形態の携帯端末装置100と同様に、携帯端末装置300を保持する人体の影響を抑制し、且つ、複数のアンテナ素子101から104を備えて複数の周波数帯の電波を利用して通信を行うことを、装置の製造コストの大きな上昇、および、大型化を回避して実現できる。
【0083】
尚、本願発明は、上記実施形態に関わらず種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば次のようなものが考えられる。
【0084】
上記第1〜3の実施形態で説明した携帯端末装置100,200,300は、2つの周波数帯域の電波を利用して通信を行う構成となっているが、アンテナ素子101〜104の数を増加させ、例えば3つ以上の周波数帯域の電波を利用して通信を行ってもよい。
【0085】
また、各携帯端末装置100,200,300において、スイッチ105,106121,122は4つであったが、本発明はこれに限らず、3つ以下であってもよいし、5つ以上であっても良い。
【0086】
また、各携帯端末装置100,200,300において、アンテナ素子101〜104が構成するアンテナの形状は、折り返し形状のダイポールアンテナであったが、折り返し形状のダイポールアンテナでなくてもよい。
【0087】
尚、本発明は上記した装置の機能をコンピューターに実現させるためのプログラムを含むものである。これらのプログラムは、記録媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0088】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0089】
(付記1)
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置であって、
一つの給電点をそれぞれに備えた少なくとも二つの第1のアンテナ素子と、
第2のアンテナ素子と、
前記第2のアンテナ素子の接続先を、前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する少なくとも一つの素子スイッチと、
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を、入力或いは出力する高周波回路部と、
前記高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続するための少なくとも二つの給電点スイッチと、
全ての前記少なくとも1つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御することが可能な制御信号を出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、当該携帯端末装置の状態を示す情報信号に基づいて全ての前記少なくとも1つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御することを特徴とする携帯端末装置。
【0090】
(付記2)
当該携帯端末装置の傾きを検出し、該検出結果を前記情報信号として前記制御部に与えるセンサを備えることを特徴とする付記1に記載の携帯端末装置。
【0091】
(付記3)
当該携帯端末装置の温度を検出し、該検出結果を前記情報信号として前記制御部に与えるセンサを備えることを特徴とする付記1に記載の携帯端末装置。
【0092】
(付記4)
当該携帯端末装置への人の接触状態を検出し、該検出結果を前記情報信号として前記制御部に与えるセンサを備えることを特徴とする付記1に記載の携帯端末装置。
【0093】
(付記5)
前記高周波回路部に入力された前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号の全て又は1部の復調信号の信号品質を検知する第1の検知手段を備え、
前記第1の検知手段は、検知した前記無線信号の全て又は1部の復調信号の信号品質を前記情報信号として前記制御部に出力することを特徴とする付記1に記載の携帯端末装置。
【0094】
(付記6)
前記高周波回路部に入力された前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号の全て又は一部の信号レベルを検知する第2の検知手段を備え、
前記第2の検知手段は、検知した前記無線信号の全て又は一部の信号レベルをを前記情報信号として前記制御部に出力することを特徴とする付記1に記載の携帯端末装置。
【0095】
(付記7)
一つの給電点をそれぞれに備えた少なくとも二つの第1のアンテナ素子と、
第2のアンテナ素子と、
前記第2のアンテナ素子の接続先を、前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する少なくとも一つの素子スイッチと、
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を、入力或いは出力する高周波回路部と、
前記高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続するための少なくとも二つの給電点スイッチと、
を備え、少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置の制御方法であって、
当該携帯端末装置の状態を示す情報信号を入力する情報信号入力処理と、
前記情報信号に基づいて全ての前記少なくとも一つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御するスイッチ制御処理と、
を行うことを特徴とする携帯端末装置の制御方法。
【0096】
(付記8)
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置を制御するコンピュータに、
前記携帯端末装置の状態を示す情報信号を受信する受信処理と、
前記情報信号に基づいて、第2のアンテナ素子を、少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する素子スイッチ接続処理と、
前記情報信号に基づいて、少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を入力或いは出力する高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続する給電点スイッチ接続処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0097】
100,200,300 携帯端末装置
101〜104 アンテナ素子
105,106,121,122 スイッチ
120,220,320 無線通信回路
125,222,322 制御部
126,321 高周波回路部
127,221 変復調部
128 入出力端子
130 センサ部
Q−1,Q−2 給電点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置であって、
一つの給電点をそれぞれに備えた少なくとも二つの第1のアンテナ素子と、
第2のアンテナ素子と、
前記第2のアンテナ素子の接続先を、前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する少なくとも一つの素子スイッチと、
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を、入力或いは出力する高周波回路部と、
前記高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続するための少なくとも二つの給電点スイッチと、
全ての前記少なくとも一つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御することが可能な制御信号を出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、当該携帯端末装置の状態を示す情報信号に基づいて全ての前記少なくとも一つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
当該携帯端末装置の傾きを検出し、該検出結果を前記情報信号として前記制御部に与えるセンサを備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
当該携帯端末装置の温度を検出し、該検出結果を前記情報信号として前記制御部に与えるセンサを備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
当該携帯端末装置への人の接触状態を検出し、該検出結果を前記情報信号として前記制御部に与えるセンサを備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記高周波回路部に入力された前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号の全て又は1部の復調信号の信号品質を検知する第1の検知手段を備え、
前記第1の検知手段は、検知した前記無線信号の全て又は1部の復調信号の信号品質を前記情報信号として前記制御部に出力することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記高周波回路部に入力された前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号の全て又は一部の信号レベルを検知する第2の検知手段を備え、
前記第2の検知手段は、検知した前記無線信号の全て又は一部の信号レベルをを前記情報信号として前記制御部に出力することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
一つの給電点をそれぞれに備えた少なくとも二つの第1のアンテナ素子と、
第2のアンテナ素子と、
前記第2のアンテナ素子の接続先を、前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する少なくとも一つの素子スイッチと、
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を、入力或いは出力する高周波回路部と、
前記高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続するための少なくとも二つの給電点スイッチと、
を備え、少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置の制御方法であって、
当該携帯端末装置の状態を示す情報信号を入力する情報信号入力処理と、
前記情報信号に基づいて全ての前記少なくとも一つの素子スイッチ及び前記少なくとも二つの給電点スイッチの接続を制御するスイッチ制御処理と、
を行うことを特徴とする携帯端末装置の制御方法。
【請求項8】
少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を送受信することにより通信を行う携帯端末装置を制御するコンピュータに、
前記携帯端末装置の状態を示す情報信号を受信する受信処理と、
前記情報信号に基づいて、第2のアンテナ素子を、少なくとも二つの第1のアンテナ素子の中から一つだけ選択して接続する素子スイッチ接続処理と、
前記情報信号に基づいて、少なくとも二つの周波数帯域の無線信号を入力或いは出力する高周波回路部中の前記少なくとも二つの周波数帯域の無線信号をそれぞれ処理する少なくとも二つの回路と前記少なくとも二つの第1のアンテナ素子がそれぞれに備えている一つの給電点の中のいずれか一つと、を一対一に接続する給電点スイッチ接続処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−55624(P2013−55624A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194420(P2011−194420)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】