説明

携帯端末装置、画像制御方法及び画像制御プログラム

【課題】ユーザの操作性を向上させた携帯端末装置、画像制御方法及び画像制御プログラムを提供する。
【解決手段】タッチセンサ102−1及び102−2は、ユーザによる接触を検出する。制御部110は、タッチセンサ102−1及び102−2による接触の検出結果に基づいて、ユーザが筐体を右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定する。更に、制御部110は、右手により保持されている場合には、右手での操作がしやすい右手操作用入力指示画像をタッチパネル式ディスプレイ103に表示させ、左手により保持されていると判定した場合には、左手での操作がしやすい左手操作用入力指示画像をタッチパネル式ディスプレイ103に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、画像制御方法及び画像制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の携帯端末装置は、ユーザの使い勝手を向上させるために、様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、ユーザによる携帯端末装置の保持の態様に応じて、アプリケーションプログラムを選択して実行する。
【0003】
ところで、いわゆるスマートフォンの需要の増加に伴い、携帯端末装置のディスプレイが大型化し、更には、タッチパネル式のディスプレイが採用されるようになっている。タッチパネル式のディスプレイは、キーやボタン等のソフトキーの画像が配置された入力指示のための画像を表示する。ユーザは、入力指示のための画像が表示された部分に指を接触させることで、携帯端末装置に所望の動作を行わせることができる。タッチパネル式のディスプレイが操作部として用いられることにより、物理的なボタン等の構成に伴う操作の制約がなくなり、ソフトウェアによる多様な操作が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−302734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の携帯端末装置は、ユーザが片手で携帯端末装置を保持しつつ、当該片手でタッチパネル式のディスプレイに接触しようとする場合、接触する手が右手であるか、左手であるかについて何ら考慮されていない。このため、保持する手が右手か左手かによって、ソフトキーが接触しづらい位置に配置されることがある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの操作性を向上させた携帯端末装置、画像制御方法及び画像制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る携帯端末装置は、
入力指示のための画像を表示する表示手段と、
物体の接触を検出する検出手段と、
前記検出手段による接触の検出結果に基づいて、前記入力指示のための画像の表示を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る画像制御方法は、
携帯端末装置において表示される画像を制御する画像制御方法であって、
前記携帯端末装置が、物体の接触を検出するステップと、
前記携帯端末装置が、接触の検出結果に基づいて、入力指示のための画像の表示を制御するステップと、
を備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る画像制御プログラムは、
コンピュータを、
入力指示のための画像を表示する表示手段、
物体の接触を検出する検出手段、
前記検出手段による接触の検出結果に基づいて、前記入力指示のための画像の表示を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の詳細な構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る接触の検出を説明するための第1の図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る接触の検出を説明するための第2の図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る接触状態情報の一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係るユーザが筐体を保持する手と入力指示画像との対応の一例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る携帯端末装置の詳細な構成を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る携帯端末装置の詳細な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置、画像制御方法及び画像制御プログラムを説明する。
【0013】
(1)携帯端末装置の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の外観斜視図である。図1に示す携帯端末装置100は、例えば、携帯電話機や携帯情報端末である。携帯端末装置100は、筐体101、検出手段としてのタッチセンサ102−1、検出手段としてのタッチセンサ102−2、表示手段としてのタッチパネル式ディスプレイ103を備える。
【0014】
タッチパネル式ディスプレイ103は、筐体101の主面に配置される。タッチパネル式ディスプレイ103は、キーやボタン等のソフトキーの画像である入力指示のための画像(入力指示画像)等の様々な画像を表示する。
【0015】
タッチセンサ102−1は、筐体101の側面105−1に配置される。側面105−1は、筐体101の主面方向からみて左側の側面である。タッチセンサ102−2は、筐体の側面105−2に配置される。側面105−2は、筐体101の主面方向からみて右側の側面である。側面105−1と側面105−2は、対向している。従って、タッチセンサ102−1とタッチセンサ102−2は、対向して配置される。タッチセンサ102−1及びタッチセンサ102−2は、ユーザの指等の接触を検出する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成を示す図である。図2に示すように、携帯端末装置100は、制御手段としての制御部110、検出手段としてのタッチセンサ102−1、検出手段としてのタッチセンサ102−2、表示手段としてのタッチパネル式ディスプレイ103を備える。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の詳細な構成を示す図である。図3に示す携帯端末装置100は、図2に示す携帯端末装置100に、駆動バッファ111−1乃至111−5(以下、これら駆動バッファ111−1乃至111−5をまとめて、適宜「駆動バッファ111」と称する)、駆動バッファ112−1乃至112−5(以下、これら駆動バッファ112−1乃至112−5をまとめて、適宜「駆動バッファ112」と称する)、メモリ118を追加した構成である。
【0018】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等により構成される。制御部110は、メモリ118に記憶されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することにより、携帯端末装置100が具備する各種機能を制御する。例えば、制御部110は、ユーザの指等の接触に応じて、タッチパネル式ディスプレイ103に入力指示画像を表示するための制御プログラムに従ってソフトウェア処理を実行する。メモリ118は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)である。メモリ118は、制御部110における制御等に用いられる各種情報(プログラム等)を記憶する。
【0019】
タッチセンサ102−1及びタッチセンサ102−2は、それぞれ静電容量型のタッチセンサである。タッチセンサ102−1は、内部に、駆動電極113−1乃至113−5(以下、これら駆動電極113−1乃至113−5をまとめて、適宜「駆動電極113」と称する)と、受信電極115−1乃至115−5(以下、これら受信電極115−1乃至115−5をまとめて、適宜「受信電極115」と称する)とを備える。駆動電極113と受信電極115とは、交互に一対となって、側面105−1の長手方向に沿って配置されている。駆動電極113は、それぞれ対応する駆動バッファ111を介して、制御部110に接続される。受信電極115は、制御部110に接続される。タッチセンサ102−1は、駆動電極113と受信電極115との間の静電容量の変化を検出する。
【0020】
同様に、タッチセンサ102−2は、内部に、駆動電極114−1乃至114−5(以下、これら駆動電極114−1乃至114−5をまとめて、適宜「駆動電極114」と称する)と、受信電極116−1乃至116−5(以下、これら受信電極116−1乃至116−5をまとめて、適宜「受信電極116」と称する)とを備える。駆動電極114と受信電極116とは、交互に一対となって、側面105−2の長手方向に沿って配置されている。駆動電極116は、それぞれ対応する駆動バッファ112を介して、制御部110に接続される。受信電極116は、制御部110に接続される。タッチセンサ102−2は、駆動電極114と受信電極116との間の静電容量の変化を検出する。
【0021】
(2)携帯端末装置の動作
図4に示すように、携帯端末装置100内の制御部110は、タッチセンサ102−1及び102−2の少なくとも何れかがユーザの指400の接触を検出したか否かを判定する(ステップS101)。
【0022】
具体的には、制御部110は、駆動バッファ111及び駆動バッファ112に対して、所定のパルス信号である、駆動パルス信号の送出を指示する。駆動バッファ111は、制御部110の指示に応じて、接続している駆動電極113を介して、駆動パルス信号を送出する。駆動バッファ112は、制御部110の指示に応じて、接続している駆動電極114を介して、駆動パルス信号を送出する。
【0023】
受信電極115は、駆動バッファ111によって送出される駆動パルス信号を受信する。更に、受信電極115は、受信した駆動パルス信号を制御部110へ出力する。受信電極116は、駆動バッファ114によって送出される駆動パルス信号を受信する。更に、受信電極116は、受信した駆動パルス信号を制御部110へ出力する。
【0024】
ユーザの指400がタッチセンサ102−1に接触していない状態では、駆動電極113が駆動パルス信号を送出すると、タッチセンサ102−1の近傍には、図5の点線に示す電界300が形成される。一方、ユーザの指400がタッチセンサ102−1における一対の駆動電極113と受信電極115とが設置された領域に接触している状態では、駆動電極113が駆動パルス信号を送出すると、タッチセンサ102−1の近傍には、図6の点線に示す電界300が形成される。
【0025】
制御部110は、受信電極115からの駆動パルス信号の強度、換言すれば、駆動電極113と受信電極115との間の静電容量に基づいて、タッチセンサ102−1に対してユーザの指400が接触したか否かを判定する。この際、制御部110は、受信電極115のそれぞれからの駆動パルス信号の強度が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。駆動パルス信号の強度が閾値未満である場合、制御部110は、当該駆動パルス信号の送信元の受信電極115と、当該受信電極115と対をなす駆動電極113とが設置された領域(設置領域)に、ユーザの指400が接触していると判定する。一方、駆動パルス信号の強度が閾値以上である場合、制御部110は、当該駆動パルス信号の送信元の受信電極115を含む設置領域に、ユーザの指400が接触していないと判定する。次に、制御部110は、受信電極115毎に、当該受信電極115を含む設置領域にユーザの指400が接触している場合には「1」を設定し、接触していない場合には「0」を設定する。更に、制御部110は、受信電極115の配列順に、当該受信電極115に設定した「0」及び「1」を配列した第1接触状態情報を生成する。同様に、制御部110は、受信電極116の配列順に、当該受信電極116に設定した「0」及び「1」を配列した第1接触状態情報を生成する。第1接触状態情報は、例えば、図7(A)及び図7(B)に示すような情報である。
【0026】
同様に、制御部110は、受信電極116からの駆動パルス信号の強度、換言すれば、駆動電極114と受信電極116との間の静電容量に基づいて、タッチセンサ102−2に対してユーザの指400が接触したか否かを判定する。この際、制御部110は、受信電極116のそれぞれからの駆動パルス信号の強度が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。駆動パルス信号の強度が閾値未満である場合、制御部110は、当該駆動パルス信号の送信元の受信電極116と、当該受信電極116と対をなす駆動電極114とが設置された領域(設置領域)に、ユーザの指400が接触していると判定する。一方、駆動パルス信号の強度が閾値以上である場合、制御部110は、当該駆動パルス信号の送信元の受信電極116を含む設置領域に、ユーザの指400が接触していないと判定する。次に、制御部110は、受信電極116毎に、当該受信電極116を含む設置領域にユーザの指等が接触している場合には「1」を設定し、接触していない場合には「0」を設定する。更に、制御部110は、受信電極116の配列順に、当該受信電極116に設定した「0」及び「1」を配列した第2接触状態情報を生成する。第2接触状態情報は、例えば、図7(C)及び図7(D)に示すような情報である。
【0027】
タッチセンサ102−1及び102−2の少なくとも何れかがユーザの指400の接触を検出しなかった場合(ステップS101:NO)、制御部110は、タッチセンサ102−1及び102−2の少なくとも何れかがユーザの指400の接触を検出したか否かの判定を繰り返す(ステップS101)。一方、タッチセンサ102−1及び102−2の少なくとも何れかがユーザの指400の接触を検出した場合(ステップS101:YES)、制御部110は、接触の検出結果に基づいて、ユーザが筐体101を右手で保持したか否かを判定する(ステップS102)。
【0028】
タッチセンサ102−1は、筐体101の主面、換言すれば、筐体101におけるタッチパネル式ディスプレイ103が設置された面から見て、左側の側面105−1に配置され、タッチセンサ102−2は、筐体101の主面から見て、右側の側面105−2に配置されている。この場合、ユーザがタッチパネル式ディスプレイ103を正面にして筐体101を右手で保持していれば、ユーザの右手の親指以外の複数の指がタッチセンサ102−1に接触し、ユーザの右手の親指又は親指の腹がタッチセンサ102−2に接触する。
【0029】
制御部110は、このような接触状態を第1接触状態情報及び第2接触状態情報に基づいて判定する。具体的には、制御部110は、第1接触状態情報及び第2接触状態情報における「0」及び「1」の配列を検証する。第1接触状態情報の検証の結果、図7(A)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されている場合には、制御部110は、タッチセンサ102−1における接触箇所が複数である、換言すれば、ユーザの複数の指がタッチセンサ102−1に接触していると判定する。更に、第2接触状態情報の検証の結果、「1」が1つのみの場合、あるいは、図7(D)に示すように、全ての「1」が連続して配置されている場合には、制御部110は、タッチセンサ102−2における接触箇所が1つである、換言すれば、ユーザの親指又は親指の腹がタッチセンサ102−2に接触していると判定する。ユーザの複数の指がタッチセンサ102−1に接触し、ユーザの親指又は親指の腹がタッチセンサ102−2に接触している場合には、制御部110は、ユーザが筐体101を右手で保持したと判定し、それ以外の場合には、ユーザが筐体101を右手で保持していないと判定する。
【0030】
ユーザが筐体101を右手で保持した場合(ステップS102:YES)には、制御部110は、ソフトキーの画像の配置が右手による操作に適したものであるとして定められた入力指示画像(右手操作用入力指示画像)を表示する制御を行う(ステップS103)。
【0031】
具体的には、制御部110は、右手操作用入力指示画像のデータを生成してタッチパネル式ディスプレイ103に出力する。タッチパネル式ディスプレイ103は、入力された右手操作用入力指示画像のデータに応じて、右手操作用入力指示画像を表示する。例えば、右手操作用入力指示画像は、図8(A)に示すように、タッチパネル式ディスプレイ103の中央より右寄りに表示され、ユーザによって操作される頻度が高いものとして定められ、右手の親指での接触が容易なソフトキーの画像317と、タッチパネル式ディスプレイ103の中央より左寄りに表示され、右手の他の指での接触が容易なソフトキーの画像318とにより構成される。
【0032】
一方、ユーザが筐体101を右手で保持していない場合(ステップS102:NO)には、制御部110は、接触の検出結果に基づいて、ユーザが筐体101を左手で保持したか否かを判定する(ステップS104)。
【0033】
ユーザがタッチパネル式ディスプレイ103を正面にして筐体101を左手で保持していれば、ユーザの左手の親指以外の複数の指がタッチセンサ102−2に接触し、ユーザの左手の親指又は親指の腹がタッチセンサ102−1に接触する。
【0034】
制御部110は、このような接触状態を第1接触状態情報及び第2接触状態情報に基づいて判定する。具体的には、制御部110は、第1接触状態情報及び第2接触状態情報における「0」及び「1」の配列を検証する。第1接触状態情報の検証の結果、「1」が1つのみの場合、あるいは、図7(B)に示すように、全ての「1」が連続して配置されている場合には、制御部110は、ユーザの親指又は親指の腹がタッチセンサ102−1に接触していると判定する。更に、第2接触状態情報の検証の結果、図7(C)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されている場合には、制御部110は、ユーザの複数の指がタッチセンサ102−2に接触していると判定する。ユーザの親指又は親指の腹がタッチセンサ102−1に接触し、ユーザの複数の指がタッチセンサ102−2に接触している場合には、制御部110は、ユーザが筐体101を左手で保持したと判定し、それ以外の場合には、ユーザが筐体101を左手で保持していないと判定する。
【0035】
ユーザが筐体101を左手で保持した場合(ステップS104:YES)には、制御部110は、ソフトキーの画像の配置が左手による操作に適したものであるとして定められた入力指示画像(左手操作用入力指示画像)を表示する制御を行う(ステップS105)。
【0036】
具体的には、制御部110は、左手操作用入力指示画像のデータを生成してタッチパネル式ディスプレイ103に出力する。タッチパネル式ディスプレイ103は、入力された左手操作用入力指示画像のデータに応じて、左手操作用入力指示画像を表示する。例えば、左手操作用入力指示画像は、図8(B)に示すように、タッチパネル式ディスプレイ103の中央より左寄りに表示され、ユーザによって操作される頻度が高いものとして定められ、左手の親指での接触が容易なソフトキーの画像317と、タッチパネル式ディスプレイ103の中央より右寄りに表示され、左手の他の指での接触が容易なソフトキーの画像318とにより構成される。
【0037】
一方、ユーザが筐体101を左手で保持していない場合(ステップS104:NO)、換言すれば、ユーザが右手で保持したか、左手で保持したか判別できない場合には、制御部110は、タッチパネル式ディスプレイ103に、標準の入力指示画像を表示させる制御を行う(ステップS106)。具体的には、制御部110は、標準入力指示画像のデータを生成してタッチパネル式ディスプレイ103に出力する。タッチパネル式ディスプレイ103は、入力された標準入力指示画像のデータに応じて、標準入力指示画像を表示する。ここで、標準入力指示画像は、右手操作用入力指示画像及び左手操作用入力指示画像とは別の画像でもよく、右手操作用入力指示画像及び左手操作用入力指示画像の何れかでもよい。
【0038】
(3)作用効果
上述したように、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置100において、タッチセンサ102−1及び102−2は、ユーザによる接触を検出する。制御部110は、タッチセンサ102−1及び102−2による接触の検出結果に基づいて、ユーザが筐体101を右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定する。更に、制御部110は、右手により保持されている場合には、右手での操作がしやすい右手操作用入力指示画像をタッチパネル式ディスプレイ103に表示させ、左手により保持されていると判定した場合には、左手での操作がしやすい左手操作用入力指示画像をタッチパネル式ディスプレイ103に表示させる。
【0039】
このため、ユーザは、筐体101を右手で保持する場合にも、左手で保持する場合にも、入力指示画像であるソフトキー画像の表示位置に接触する動作をしやすくなり、操作性が向上する。また、タッチパネル式ディスプレイ103における、右手操作用入力指示画像の表示位置と、左手操作用入力指示画像の表示位置とが異なる。このため、選択される頻度の多いソフトキーが存在する場合であっても、タッチパネル式ディスプレイ103の特定の箇所に接触位置が集中し、当該箇所の劣化が他の箇所よりも進行してしまうことが抑制される。
【0040】
(4)他の実施形態
上述した実施形態では、制御部110は、タッチセンサ102−1に対する接触状態を示す第1接触状態情報と、タッチセンサ102−2に対する接触状態を示す第2接触状態情報との双方に基づいて、ユーザが右手で接触しているか、左手で接触しているかを判定した。しかし、より簡易な判定手法として、制御部110は、第1接触状態情報と第2接触状態情報との何れか一方に基づいて、ユーザが右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定してもよい。
【0041】
第1接触状態情報のみに基づく判定の場合、制御部110は、第1接触状態情報が図7(A)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されている構成である場合には、ユーザが筐体101を右手で保持したと判定し、第1接触状態情報が、「1」が1つのみの場合、あるいは、図7(B)に示すように、全ての「1」が連続して配置されている場合には、ユーザが筐体101を左手で保持したと判定する。
【0042】
また、第2接触状態情報のみに基づく判定の場合、制御部110は、第2接触状態情報が図7(C)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されている構成である場合には、ユーザが筐体101を左手で保持したと判定し、第2接触状態情報が、「1」が1つのみの場合、あるいは、図7(D)に示すように、全ての「1」が連続して配置されている場合には、ユーザが筐体101を右手で保持したと判定する。
【0043】
上述した実施形態では、携帯端末装置100は、検出手段として、タッチセンサ102−1及び102−2と、駆動バッファ111及び112を備え、タッチセンサ102−1及び102−2が、駆動電極113及び114と、受信電極115及び116を備える構成であった。しかし、検出手段の構成は、これに限定されない。
【0044】
図9は、本発明の他の実施形態に係る携帯端末装置の詳細な構成を示す図である。図9では、タッチセンサ102−1は、内部に、生体電気信号検出センサ120−1を備え、タッチセンサ102−2は、内部に、生体電気信号検出センサ120−2を備える。
【0045】
生体電気信号検出センサ120−1は、ユーザの指等がタッチセンサ102−1に接触した時に、ユーザの筋肉の動きによって発せられる微弱な電気信号を検出し、制御部110へ出力する。同様に、生体電気信号検出センサ120−2は、ユーザの指等がタッチセンサ102−2に接触した時に、ユーザの筋肉が発する微弱な電気信号を検出し、制御部110へ出力する。
【0046】
制御部110は、生体電気信号検出センサ120−1から入力される電気信号のレベルに基づいて、ユーザが筐体101を右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定する。具体的には、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−1からの電気信号のレベルが閾値以上、且つ、生体電気信号検出センサ120−2からの電気信号のレベルが閾値未満である場合、ユーザが筐体101を右手で保持していると判定する。一方、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−1からの電気信号のレベルが閾値未満、且つ、生体電気信号検出センサ120−2からの電気信号のレベルが閾値以上である場合、ユーザが筐体101を左手で保持していると判定する。また、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−1からの電気信号のレベルと、生体電気信号検出センサ120−2からの電気信号のレベルとが、何れも閾値以上、又は、閾値未満である場合には、不定とする。
【0047】
また、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−1からの電気信号のレベルのみに基づいて、ユーザが筐体101を右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定してもよい。この場合、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−1からの電気信号のレベルが予め定められた閾値以上である場合、ユーザが筐体101を右手で保持していると判定する。一方、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−1からの電気信号のレベルが予め定められた閾値未満である場合、ユーザが筐体101を左手で保持していると判定する。
【0048】
また、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−2からの電気信号のレベルのみに基づいて、ユーザが筐体101を右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定してもよい。この場合、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−2からの電気信号のレベルが予め定められた閾値以上である場合、ユーザが筐体101を左手で保持していると判定する。一方、制御部110は、生体電気信号検出センサ120−2からの電気信号のレベルが予め定められた閾値未満である場合、ユーザが筐体101を右手で保持していると判定する。
【0049】
図10は、本発明の他の実施形態に係る携帯端末装置の詳細な構成を示す図である。図10では、タッチセンサ102−1は、内部に、押下式のスイッチ124−1乃至124−5(以下、これらスイッチ124−1乃至124−5をまとめて、適宜「スイッチ124」と称する)を備える。スイッチ124は、側面105−1の長手方向に沿って配置されている。スイッチ124は、押下状態を示す信号を制御部110へ出力する。また、タッチセンサ102−2は、内部に、押下式のスイッチ125−1乃至125−5(以下、これらスイッチ125−1乃至125−5をまとめて、適宜「スイッチ125」と称する)を備える。スイッチ125は、側面105−2の長手方向に沿って配置されている。スイッチ125は、押下状態を示す信号を制御部110へ出力する。
【0050】
制御部110は、スイッチ124の押下の状態に基づいて、タッチセンサ102−1及び102−2に対するユーザの指400の接触の状態を判定する。
【0051】
具体的には、制御部110は、スイッチ124毎に、当該スイッチ124が押下されている場合(オンの場合)には「1」を設定し、押下されていない場合(オフの場合)には「0」を設定する。次に、制御部110は、スイッチ124の配列順に、当該スイッチ124に設定した「0」及び「1」を配列した第1接触状態情報を生成する。また、制御部110は、スイッチ125毎に、当該スイッチ125が押下されている場合(オンの場合)には「1」を設定し、押下されていない場合(オフの場合)には「0」を設定する。次に、制御部110は、スイッチ125の配列順に、当該スイッチ125に設定した「0」及び「1」を配列した第2接触状態情報を生成する。
【0052】
更に、制御部110は、第1接触状態情報及び第2接触状態情報における「0」及び「1」の配列を検証し、ユーザが筐体101を右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定する。具体的には、制御部110は、第1接触状態情報が図7(A)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されており、第2接触状態情報が、「1」が1つのみの場合、あるいは、図7(D)に示すように、全ての「1」が連続して配置されている場合には、ユーザが筐体101を右手で保持したと判定する。また、制御部110は、第1接触状態情報が、「1」が1つのみの場合、あるいは、図7(B)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されており、第2接触状態情報が、図7(C)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されている場合には、ユーザが筐体101を左手で保持したと判定する。
【0053】
また、制御部110は、第1接触状態情報のみに基づいて、ユーザが筐体101を右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定してもよい。この場合、制御部110は、第1接触状態情報が図7(A)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されている場合には、ユーザが筐体101を右手で保持したと判定する。また、制御部110は、第1接触状態情報が、「1」が1つのみの場合、あるいは、図7(B)に示すように、全ての「1」が連続して配置されている場合には、ユーザが筐体101を左手で保持したと判定する。
【0054】
また、制御部110は、第2接触状態情報のみに基づいて、ユーザが筐体101を右手で保持しているか、左手で保持しているかを判定してもよい。この場合、制御部110は、第2接触状態情報が図7(C)に示すように、「1」と「1」との間に「0」が配列されている場合には、ユーザが筐体101を左手で保持したと判定する。また、制御部110は、第2接触状態情報が、「1」が1つのみの場合、あるいは、図7(D)に示すように、全ての「1」が連続して配置されている場合には、ユーザが筐体101を右手で保持したと判定する。
【0055】
その他、本発明は、上記実施形態の説明及び図面によって限定されるものではなく、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、携帯端末装置100の機能を実現してもよい。また、携帯端末装置100の機能を実現するためのプログラムは、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【0056】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0057】
(付記1)
入力指示のための画像を表示する表示手段と、
物体の接触を検出する検出手段と、
前記検出手段による接触の検出結果に基づいて、前記入力指示のための画像の表示を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【0058】
(付記2)
前記制御手段は、前記検出手段による接触の検出結果に基づいて、ユーザが右手及び左手の何れにより筐体を保持しているかを判定し、右手により保持されていると判定した場合と、左手により保持されていると判定した場合とにおいて、前記表示手段に表示される前記入力指示のための画像を異ならせることを特徴とする付記1に記載の携帯端末装置。
【0059】
(付記3)
前記制御手段は、前記右手により保持されていると判定した場合に、右手による操作に適したものとして定められた入力指示のための画像を表示する制御を行い、前記左手により保持されていると判定した場合に、左手による操作に適したものとして定められた入力指示のための画像を表示する制御を行うことを特徴とする付記2に記載の携帯端末装置。
【0060】
(付記4)
前記検出手段は、第1の検出手段と第2の検出手段とを備え、
前記第1の検出手段は、前記筐体における第1の側面に配置され、
前記第2の検出手段は、前記筐体における前記第1の側面と対向する第2の側面に配置されることを特徴とする付記2又は3に記載の携帯端末装置。
【0061】
(付記5)
前記制御手段は、前記第1の検出手段により複数箇所の接触が検出されたこと、及び、前記第2の検出手段により1箇所の接触が検出されたことの少なくとも何れかを満たす場合に、前記ユーザが一方の手により前記筐体を保持していると判定し、前記第1の検出手段により1箇所の接触が検出されたこと、及び、前記第2の検出手段により複数箇所の接触が検出されたことの少なくとも何れかを満たす場合に、前記ユーザが他方の手により前記筐体を保持していると判定することを特徴とする付記4に記載の携帯端末装置。
【0062】
(付記6)
前記検出手段は、静電容量に基づいて、接触を検出することを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の携帯端末装置。
【0063】
(付記7)
前記検出手段は、ユーザの筋肉の動きにより発せされる電気信号に基づいて、接触を検出することを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の携帯端末装置。
【0064】
(付記8)
前記検出手段は、複数の押下式のスイッチを備え、前記スイッチの押下の状態に基づいて、接触を検出することを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の携帯端末装置。
【0065】
(付記9)
携帯端末装置において表示される画像を制御する画像制御方法であって、
前記携帯端末装置が、物体の接触を検出するステップと、
前記携帯端末装置が、接触の検出結果に基づいて、入力指示のための画像の表示を制御するステップと、
を備えることを特徴とする画像制御方法。
【0066】
(付記10)
コンピュータを、
入力指示のための画像を表示する表示手段、
物体の接触を検出する検出手段、
前記検出手段による接触の検出結果に基づいて、前記入力指示のための画像の表示を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とする画像制御プログラム。
【符号の説明】
【0067】
100 携帯端末装置
101 筐体
102−1、102−2 タッチセンサ
103 タッチパネル式ディスプレイ
105−1、105−2 側面
111−1乃至111−5、112−1乃至112−5 駆動バッファ
113−1乃至113−5、114−1乃至114−5 駆動電極
115−1乃至115−5、116−1乃至116−5 受信電極
118 メモリ
120−1、120−2 生体電気信号検出センサ
124−1乃至124−5、125−1乃至125−5 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力指示のための画像を表示する表示手段と、
物体の接触を検出する検出手段と、
前記検出手段による接触の検出結果に基づいて、前記入力指示のための画像の表示を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出手段による接触の検出結果に基づいて、ユーザが右手及び左手の何れにより筐体を保持しているかを判定し、右手により保持されていると判定した場合と、左手により保持されていると判定した場合とにおいて、前記表示手段に表示される前記入力指示のための画像を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記右手により保持されていると判定した場合に、右手による操作に適したものとして定められた入力指示のための画像を表示する制御を行い、前記左手により保持されていると判定した場合に、左手による操作に適したものとして定められた入力指示のための画像を表示する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記検出手段は、第1の検出手段と第2の検出手段とを備え、
前記第1の検出手段は、前記筐体における第1の側面に配置され、
前記第2の検出手段は、前記筐体における前記第1の側面と対向する第2の側面に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の検出手段により複数箇所の接触が検出されたこと、及び、前記第2の検出手段により1箇所の接触が検出されたことの少なくとも何れかを満たす場合に、前記ユーザが一方の手により前記筐体を保持していると判定し、前記第1の検出手段により1箇所の接触が検出されたこと、及び、前記第2の検出手段により複数箇所の接触が検出されたことの少なくとも何れかを満たす場合に、前記ユーザが他方の手により前記筐体を保持していると判定することを特徴とする請求項4に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記検出手段は、静電容量に基づいて、接触を検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記検出手段は、ユーザの筋肉の動きにより発せされる電気信号に基づいて、接触を検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記検出手段は、複数の押下式のスイッチを備え、前記スイッチの押下の状態に基づいて、接触を検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
携帯端末装置において表示される画像を制御する画像制御方法であって、
前記携帯端末装置が、物体の接触を検出するステップと、
前記携帯端末装置が、接触の検出結果に基づいて、入力指示のための画像の表示を制御するステップと、
を備えることを特徴とする画像制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、
入力指示のための画像を表示する表示手段、
物体の接触を検出する検出手段、
前記検出手段による接触の検出結果に基づいて、前記入力指示のための画像の表示を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とする画像制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−69165(P2013−69165A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208022(P2011−208022)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】