説明

携帯端末装置およびその表示装置の色調調整方法

【課題】 製造工程短縮およびコスト削減可能な携帯端末装置およびその表示装置の色調調整方法を提供する。
【解決手段】 表示面12を有する表示部56と、表示面12に対面可能に設けられたカメラ部22と、を備えた携帯端末装置1であって、表示部56に白色を表示する白色表示指示部103と、表示部56に白色が表示された状態で、カメラ部22が撮像した表示面12の画像の3原色データをカメラ部22からカメラ制御部50を介して取得する3原色データ取得部105と、3原色データの基準値110を記憶するメモリ54と、3原色データ取得部105が取得した3原色データで、メモリ54の3原色データの基準値110を除算し、各色の補正パラメータ112を算出し、メモリ54に記憶する補正パラメータ算出部107と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関し、特に、携帯端末装置の表示装置の色調調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディジタルカメラ技術の進歩により、カメラ付き携帯端末装置が一般に広く普及してきている。カメラ付き携帯端末装置としては、たとえば、特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載されたディジタルカメラ付き携帯情報端末は、カメラ部および表示部の液晶面を共に携帯端末装置の内面に向けて折り畳むことが可能な構造を有する。これにより、カメラ部および表示部の液晶面へのゴミの付着や傷や破損を回避させることができる。
【特許文献1】特開2000−270069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に携帯端末装置は、液晶表示器などの表示装置を有するが、この表示装置の色調が目的のものからズレを生じる場合があるため、製造工程においては、色調調整が必要となる。この色調のズレによって、たとえば、表示装置に白色を表示させても、実際には、黄色っぽい色や青っぽい色に表示されてしまう。色調のズレの原因としては、たとえば、表示装置の液晶表示器の色調がずれていたり、液晶表示器の前面に設けられたクリアケースの透明度が濁っていたり、あるいは、液晶表示器の背面に設けられたバックライトの光の色が着色していたりすることなどが考えられる。
【0004】
従来の携帯端末装置の製造時において、表示装置の色調調整は特別な専用治具、たとえば、携帯端末装置の表示装置の表示面に対向して設けられたカメラと、カメラ撮影時に撮影された画像が周辺状況に左右されないような遮光用の大きな囲いなどを用いて行われ、このカメラで撮影された画像に基づいて、色調の自動調整が行われたり、あるいは目視によって調整されたりしていたため、調整工程時間も長く必要としていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造工程短縮およびコスト削減可能な携帯端末装置およびその表示装置の色調調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、表示面を有する表示装置と、前記表示面に対面可能に設けられた撮像部と、を備えた携帯端末装置であって、
前記表示装置の前記表示面に基準色を表示する基準色表示部と、
前記表示装置に基準色が表示された状態で、前記撮像部が撮像した前記表示面の画像の色データを前記撮像部から取得する色データ取得部と、
基準色データを記憶する基準値記憶部と、
前記色データ取得部が取得した前記色データ、および前記基準値記憶部の前記基準色データを用いて、補正パラメータを算出する補正パラメータ算出部と、
前記補正パラメータを記憶する補正値記憶部と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置が提供される。
【0007】
ここで、携帯端末装置とは、たとえば、携帯電話、PDA、ノート型パソコンなどを含む。また、基準色とは、たとえば、白色であり、たとえば、32ビットの3原色データで表現すると、rgb(255,255,255)という基準値を有する。
【0008】
この発明によれば、携帯端末装置内に内蔵されている撮像部を用いて、表示装置の色調調整を行うための補正パラメータを算出することができるので、色調調整専用の治具が不要となり、調整も自動的に行えるので、製造工程短縮およびコスト削減が図られる。
【0009】
上記携帯端末装置において、前記色データ取得部が取得する前記色データは、3原色データであり、前記基準値記憶部は、前記基準色データを3原色毎に有し、前記補正パラメータ算出部は、前記色データ取得部が取得した前記3原色データ、および前記基準値記憶部の前記3原色毎の前記基準色データを用いて、各色の補正パラメータを算出することができる。
【0010】
上記携帯端末装置において、前記補正パラメータ算出部は、前記色データ取得部が取得した前記色データで、前記基準値記憶部の前記基準色データを除算し、補正パラメータを算出することができる。
【0011】
たとえば、色データ取得部が3原色データを取得する場合は、補正パラメータ算出部は、基準値記憶部の3原色毎の基準色データを、各3原色データで除算し、各色の補正パラメータを算出する。
【0012】
上記携帯端末装置において、前記補正値記憶部の前記補正パラメータを用いて前記画像を補正して前記表示装置に表示させる表示制御部を備えることができる。
【0013】
この構成によれば、携帯端末装置の表示装置の表示画像に基づいて算出された補正パラメータを用いて表示画像を補正することができ、表示装置の色調調整を自動的に行うことができる。
【0014】
上記携帯端末装置において、前記表示制御部は、前記表示装置に表示させる画像を展開するVRAMと、前記VRAMに展開する画像を、前記補正値記憶部の前記補正パラメータを用いて補正する補正部と、前記VRAM上の前記画像を前記表示面に表示させる表示ドライバと、
を含むことができる。
【0015】
この構成によれば、表示ドライバが、補正パラメータの指定に対応していない場合であっても、表示装置の色調調整を行うことができる。
【0016】
上記携帯端末装置において、前記表示制御部は、前記表示装置に表示させる画像を展開するVRAMと、前記VRAM上の前記画像を前記表示面に表示させる表示ドライバと、を含み、前記表示ドライバに前記補正値記憶部の前記補正パラメータを指示する指示部を含み、前記表示ドライバが前記補正パラメータを用いて前記VRAM上の前記画像を補正して前記表示面に表示することができる。
【0017】
ここで、表示ドライバは、補正パラメータの指定の受け付けが可能であり、この構成によれば、補正パラメータの指示を行うだけで、表示装置の色調調整を行うことができる。
【0018】
上記携帯端末装置において、前記表示面が設けられた蓋部と、前記撮像部が設けられた本体部と、前記蓋部の前記表示面および前記本体部の前記撮像部が対面可能に前記蓋部および前記本体部を連結する連結部と、を備えた折り畳み型携帯端末装置とすることができる。
【0019】
この構成によれば、携帯端末装置を折り畳んだ状態で、内蔵の撮像部を用いて表示装置の色調調整を容易に行うことが可能となる。
【0020】
本発明によれば、表示面を有する表示装置と、前記表示面に対面可能に設けられた撮像部と、を備えた携帯端末装置の表示装置の色調調整方法であって、
前記表示装置の前記表示面に基準色を表示するステップと、
前記表示するステップで前記基準色が表示された前記表示面を撮像するステップと、
前記撮像するステップで得られた画像の色データを出力するステップと、
基準色データおよび補正パラメータを記憶する記憶部を準備するステップと、
前記出力するステップで出力した前記色データおよび前記記憶部の前記基準色データを用いて、補正パラメータを算出するステップと、
前記補正パラメータを前記記憶部に記憶するステップと、
を含むことを特徴とする携帯端末装置の表示装置の色調調整方法が提供される。
【0021】
本発明によれば、表示面を有する表示装置と、
前記表示面に対面可能に設けられた撮像部と、
前記表示面に基準色を表示させたときの画像の基準色データを記憶する記憶部と、
前記表示面に画像を表示させる表示制御部と、
を備えた携帯端末装置を、
前記表示装置の前記表示面に基準色を表示する手段と、
前記表示面を撮像する手段と、
前記撮像する手段で得られた画像の色データを出力する手段と、
前記色データで、前記記憶部の前記基準色データを除算し、各色の補正パラメータを算出する手段と、
前記補正パラメータを前記記憶部に記憶する手段と、
前記表示制御部に前記記憶部の前記補正パラメータを用いて画像を補正させる手段と、
として機能させるための前記携帯端末装置の前記表示装置の色調調整プログラムが提供される。
【0022】
本発明によれば、上記色調調整プログラムを実行する実行部と、
外部の端末と接続する外部接続端子と、
前記外部の端末から前記色調調整プログラムの起動コマンドを受信する受信部と、
を備え、
前記受信部が前記起動コマンドを受信したとき、前記実行部に前記色調調整プログラムを実行させることを特徴とする携帯端末装置が提供される。
【0023】
この発明によれば、色調調整を行うプログラムは、外部装置から起動コマンドを受信したときに実行されるので、通常の使用時にユーザの誤操作などによって誤って起動されることもなく、また製造時の調整工程において、外部装置に接続して外部から起動コマンドを送信するだけで、自動的にプログラムを実行することができる。さらにメンテナンス時にも、外部装置に接続して、外部から起動コマンドを送信するだけで、プログラムを実行させ、色調調整を自動的に行うことができるので、保守性も向上する。
【0024】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、製造工程短縮およびコスト削減可能な携帯端末装置およびその表示装置の色調調整方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0027】
本発明の実施の形態に係る携帯端末装置(携帯端末装置1)は、表示面(表示面12)を有する表示装置(表示部56)と、表示面に対面可能に設けられた撮像部(カメラ部22、カメラ制御部50)と、を備えた携帯端末装置であって、表示装置に基準色を表示する基準色表示部(白色表示指示部103)と、表示装置に基準色が表示された状態で、撮像部が撮像した表示面の画像の色データを撮像部から取得する色データ取得部(3原色データ取得部105)と、基準色データ(基準値110)を記憶する基準値記憶部(メモリ54)と、色データ取得部が取得した色データ、および基準値記憶部の基準色データを用いて、補正パラメータ(補正パラメータ112)を算出する補正パラメータ算出部(補正パラメータ算出部107)と、補正パラメータを記憶する補正値記憶部(メモリ54)と、を備える。
【0028】
(第一の実施の形態)
図1は、本実施形態の携帯端末装置の外観図である。携帯端末装置1は、表示面12を有する蓋部10と、キー配列部24を有する本体部20と、がヒンジ部30によって折り畳み可能に設けられている。さらに、本体部20は、表示面12と対面可能に設けられたカメラ部22を含む。本実施形態において、カメラ部22は、本体部20のキー配列部24が配置された面に設けられた構成としたが、これに限定されない。たとえば、本体部20に対して蓋部10がヒンジ部30を軸として回転可能に構成されている場合は、本体部20のキー配列部24が配置された面の裏面側にカメラ部22を設けてもよい。カメラ部22は、レンズ(不図示)と、CCDセンサ(不図示)と、を含む。
【0029】
携帯端末装置1は、さらに外部接続端子部40を含み、外部接続端子部40を介して外部装置(不図示)から信号を送受信することができる。外部装置は、たとえば、パーソナルコンピュータなどであり、RS−232CやUSBなどのシリアルポート(不図示)を有し、外部接続端子部40と専用ケーブル(不図示)にて接続される。なお、本実施の形態において、携帯端末装置1は、携帯電話の場合について説明するが、これに限定されない、たとえば、PDAやノート型パソコンなどを含む。
【0030】
図2は、図1の携帯端末装置1を折り畳み、カメラ部22を表示面12に対面させた状態を示した側面図である。カメラ部22は、携帯端末装置1の蓋部10と本体部20を折り畳んだ状態で、表示面12に表示された映像を撮影することができる。
【0031】
図3は、携帯端末装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。携帯端末装置1は、表示面12に設けられたクリアパネル(不図示)および液晶表示器(不図示)を有する表示部56と、表示面12に対面可能に設けられたカメラ部22と、カメラ部22を制御するカメラ制御部50と、携帯端末装置1の各構成要素とともに装置全体を制御するCPU52と、携帯端末装置1を制御する各種プログラムやデータを記憶するメモリ54と、表示面12の背面に設けられたバックライト58と、表示部56への表示を制御する表示コントローラ60と、表示部56に表示する画像が展開されるVRAM62と、表示部56を制御する表示ドライバ64と、を備える。
【0032】
図4は、本実施形態の携帯端末装置1のCPU52の機能を示す機能ブロック図である。
【0033】
なお、携帯端末装置1の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。また、各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してある。
【0034】
CPU52は、バックライト制御部101と、白色表示指示部103と、3原色データ取得部105と、補正パラメータ算出部107と、補正パラメータ指示部120と、を含む。また、メモリ54は、基準値110および補正パラメータ112を記憶する。ここで、基準値110は、基準となる白色の3原色データであり、白色の赤、緑、青の3原色データを含み、たとえば、32ビットの3原色データで表現すると、rgb(255,255,255)という基準値を有する。
【0035】
バックライト制御部101は、バックライト58の点灯消灯を制御する。白色表示指示部103は、表示部56に白色表示させる指示を行う。3原色データ取得部105は、バックライト58を点灯し、表示部56に白色が表示された状態で、カメラ部22が表示面12を撮影し、得られた画像の3原色データがカメラ部22からカメラ制御部50を介してCPU52に入力され、その3原色データを取得する。3原色データとは、赤、緑、青の3原色データである。
【0036】
補正パラメータ算出部107は、3原色データ取得部105が取得した各3原色データで、メモリ54に記憶されている基準値110を除算し、各色毎に補正パラメータを算出し、算出された補正パラメータ112をメモリ54に記憶する。補正パラメータ指示部120は、メモリ54から補正パラメータ112を読み出し、表示ドライバ64に受け渡し、補正を指示する。
【0037】
このように構成された携帯端末装置1の色調調整時の動作について説明する。はじめに、携帯端末装置1の色調補正用パラメータの算出時の動作について説明する。図5は、携帯端末装置1の色調補正用補正パラメータ算出時の動作の一例を示すフローチャートである。
【0038】
まず、携帯端末装置1の表示面12およびカメラ部22を対面させる(ステップS11)。ここでは、携帯端末装置1を折り畳む。つづいて、白色表示指示部103が表示部56に白色を表示させる(ステップS13)。つづいて、バックライト制御部101がバックライト58を点灯する(ステップS15)。そして、カメラ部22が表示面12の映像を撮影する(ステップS17)。
【0039】
つづいて、3原色データ取得部105が3原色データをカメラ部22からカメラ制御部50を介して取得する(ステップS19)。補正パラメータ算出部107が、取得した3原色データの各色のデータで、メモリ54の各色の基準値110を除算し、赤、緑、青の各色の補正パラメータ112を算出する(ステップS21)。そして、補正パラメータ112をメモリ54に記憶する(ステップS23)。
【0040】
このようにして、各色の補正パラメータ112がメモリ54に記憶される。たとえば、ステップS19で取得した3原色データが、rbg(255,254,253)であった場合、各色の補正パラメータ112は、(1,1.0039,1.0079)となる。
【0041】
つづいて、この補正パラメータ112を用いて、表示部56に画像を表示させるときの動作について、説明する。図6は、携帯端末装置1の表示部56の色調補正時の動作の一例を示すフローチャートである。
【0042】
まず、表示部56がVRAM62に画像を展開する(ステップS31)。つづいて、表示コントローラ60が表示ドライバ64にVRAM62に展開された画像を受け渡す(ステップS33)。つづいて、表示ドライバ64が補正パラメータ指示部120から指示された補正パラメータ112を使用して画像を補正して表示する。すなわち、表示用の3原色データに各色の補正パラメータ112を乗算することにより表示データが補正される。
【0043】
なお、図5および図6に示された動作は、プログラムによって実現され、プログラムはメモリ54に記憶される。携帯端末装置1は、外部接続端子部40を介してパーソナルコンピュータから起動コマンドを受信する受信部(不図示)を有し、起動コマンドを受信することによりプログラムが起動される。このように、色調調整を行う上記プログラムは、外部接続端子部40を介して起動コマンドを受信したときに実行されるので、通常の使用時にユーザがキー配列部24のキーを操作することにより誤って起動されることもない。また製造時の調整工程において、外部装置に接続して外部から起動コマンドを送信するだけで、自動的にプログラムを実行することができる。さらにメンテナンス時にも、パーソナルコンピュータから外部接続端子部40を介してプログラムの起動コマンドを送信することにより色調調整のプログラムを実行させ、色調調整を自動的に行うことができるので、保守性も向上する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の携帯端末装置1によれば、特別な治具を必要とせずに、短時間で携帯端末装置1の表示装置の色調補正が自動的に可能となり、製造工程の短縮およびコスト削減を図ることができる。
【0045】
(第二の実施の形態)
図7は、本発明の他の実施の形態に係る携帯端末装置1の要部構成を示す機能ブロック図である。図7の携帯端末装置1は、上記実施の形態とは、表示ドライバ64が補正パラメータ112による色調補正機能を有さない点で相違する。
【0046】
携帯端末装置1は、補正部130と、画像書込部132と、を含む。補正部130は、メモリ54から補正パラメータ112を読み出し、VRAM62に展開する画像データに補正パラメータ112を乗算して、画像書込部132に受け渡す。画像書込部132は、補正部130が補正した画像データをVRAM62に展開する。
【0047】
このように構成された携帯端末装置1の表示装置の色調調整時の動作について説明する。図8は、本実施形態の携帯端末装置1の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、図3、図7および図8を用いて説明する。まず、補正部130が、VRAM62に展開する画像をメモリ54から読み出した補正パラメータ112を用いて補正する(ステップS41)。具体的には、補正パラメータ112を画像データに乗算し、画像書込部132がVRAM62に補正された画像データを書き込む。
【0048】
つづいて、図3の表示コントローラ60が表示ドライバ64にVRAM62の画像を受け渡す(ステップS43)。そして、表示ドライバ64が表示部56に画像を表示する(ステップS45)。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の携帯端末装置1によれば、表示ドライバ64が色調補正用の補正パラメータ112に対応していない場合であっても、色調補正を行うことができる。
【0050】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0051】
たとえば、上記実施の形態において、表示部56として、液晶表示器とバックライトを用いた構成について説明したが、これに限定されない。たとえば、表示部56としては、有機ELディスプレイ等の他のデバイスを用いることもできる。また、カメラ部22としては、CCDセンサを用いた構成について説明したが、これに限定されない、たとえば、CMOSカメラであってもよい。また、カメラ部22は、CIF(Common Intermediate Format)に対応したカメラとすることができる。
【0052】
また、上記実施の形態において、外部接続端子部40を介してプログラムの起動コマンドを受信して、色調調整を行うプログラムを起動する構成について説明したが、これに限定されない。たとえば、プログラムの各ステップの処理を実行指示する各コマンドを受信するコマンド受信部を設けてもよく、コマンド受信部が受信したコマンドに従って、各ステップをそれぞれ実行させる構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の外観図である。
【図2】図1の携帯端末装置の折り畳み時の側面図である。
【図3】図1の携帯端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図3の携帯端末装置のCPUの機能を示す機能ブロック図である。
【図5】図4の携帯端末装置の色調補正用補正パラメータ算出時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図4の携帯端末装置の表示部の色調補正時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】他の実施の形態に係る携帯端末装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図8】図7の携帯端末装置の表示部の色調補正時の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 携帯端末装置
10 蓋部
12 表示面
20 本体部
22 カメラ部
24 キー配列部
30 ヒンジ部
40 外部接続端子部
50 カメラ制御部
52 CPU
54 メモリ
56 表示部
58 バックライト
60 表示コントローラ
62 VRAM
64 表示ドライバ
101 バックライト制御部
103 白色表示指示部
105 3原色データ取得部
107 補正パラメータ算出部
110 基準値
112 補正パラメータ
120 補正パラメータ指示部
130 補正部
132 画像書込部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面を有する表示装置と、前記表示面に対面可能に設けられた撮像部と、を備えた携帯端末装置であって、
前記表示装置の前記表示面に基準色を表示する基準色表示部と、
前記表示装置に基準色が表示された状態で、前記撮像部が撮像した前記表示面の画像の色データを前記撮像部から取得する色データ取得部と、
基準色データを記憶する基準値記憶部と、
前記色データ取得部が取得した前記色データ、および前記基準値記憶部の前記基準色データを用いて、補正パラメータを算出する補正パラメータ算出部と、
前記補正パラメータを記憶する補正値記憶部と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記色データ取得部が取得する前記色データは、3原色データであり、
前記基準値記憶部は、前記基準色データを3原色毎に有し、
前記補正パラメータ算出部は、前記色データ取得部が取得した前記3原色データ、および前記基準値記憶部の前記3原色毎の前記基準色データを用いて、各色の補正パラメータを算出することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、
前記補正パラメータ算出部は、前記色データ取得部が取得した前記色データで、前記基準値記憶部の前記基準色データを除算し、補正パラメータを算出することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載の携帯端末装置において、
前記補正値記憶部の前記補正パラメータを用いて前記画像を補正して前記表示装置に表示させる表示制御部を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末装置において、
前記表示制御部は、
前記表示装置に表示させる画像を展開するVRAMと、
前記VRAMに展開する画像を、前記補正値記憶部の前記補正パラメータを用いて補正する補正部と、
前記VRAM上の前記画像を前記表示面に表示させる表示ドライバと、
を含むことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項4に記載の携帯端末装置において、
前記表示制御部は、
前記表示装置に表示させる画像を展開するVRAMと、
前記VRAM上の前記画像を前記表示面に表示させる表示ドライバと、を含み、
前記表示ドライバに前記補正値記憶部の前記補正パラメータを指示する指示部を含み、
前記表示ドライバが前記補正パラメータを用いて前記VRAM上の前記画像を補正して前記表示面に表示することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載の携帯端末装置において、
前記表示面が設けられた蓋部と、
前記撮像部が設けられた本体部と、
前記蓋部の前記表示面および前記本体部の前記撮像部が対面可能に前記蓋部および前記本体部を連結する連結部と、
を備えた折り畳み型携帯端末装置であることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
表示面を有する表示装置と、前記表示面に対面可能に設けられた撮像部と、を備えた携帯端末装置の表示装置の色調調整方法であって、
前記表示装置の前記表示面に基準色を表示するステップと、
前記表示するステップで前記基準色が表示された前記表示面を撮像するステップと、
前記撮像するステップで得られた画像の色データを出力するステップと、
基準色データおよび補正パラメータを記憶する記憶部を準備するステップと、
前記出力するステップで出力した前記色データおよび前記記憶部の前記基準色データを用いて、補正パラメータを算出するステップと、
前記補正パラメータを前記記憶部に記憶するステップと、
を含むことを特徴とする携帯端末装置の表示装置の色調調整方法。
【請求項9】
請求項8に記載の色調調整方法において、
前記色データを出力するステップで出力する前記色データは、3原色データであり、
前記記憶部に3原色毎の前記基準色データを記憶するステップと、
前記補正パラメータを算出するステップは、
前記色データを出力するステップで出力した前記3原色データ、および前記記憶部の前記3原色毎の前記基準色データを用いて、各色の補正パラメータを算出するステップを含むことを特徴とする携帯端末装置の表示装置の色調調整方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の色調調整方法において、
前記補正パラメータを算出するステップは、
前記色データを出力するステップで出力した前記色データで、前記基準色データを除算するステップを含むことを特徴とする携帯端末装置の表示装置の色調調整方法。
【請求項11】
請求項8乃至10いずれかに記載の色調調整方法において、
前記記憶部の前記補正パラメータを用いて画像を補正するステップと、
前記補正するステップで補正した前記画像を前記表示装置に表示するステップと、
を含むことを特徴とする携帯端末装置の表示装置の色調調整方法。
【請求項12】
請求項11に記載の色調調整方法において、
前記携帯端末装置は、前記表示装置に表示させる画像を展開するVRAMおよび表示ドライバを含み、
前記補正するステップで補正した前記画像を前記VRAMに展開するステップと、
前記表示ドライバが前記VRAMの前記画像を前記表示面に表示するステップと、
を含むことを特徴とする携帯端末装置の表示装置の色調調整方法。
【請求項13】
請求項11に記載の色調調整方法において、
前記携帯端末装置は、前記表示装置に表示させる画像を展開するVRAMおよび表示ドライバを含み、
前記表示ドライバに前記記憶部の前記補正パラメータを指示するステップと、
前記画像を前記VRAMに展開するステップと、
前記表示ドライバが前記指示するステップで指示された前記補正パラメータを用いて前記VRAMに展開するステップで展開した前記画像を補正するステップと、
前記表示ドライバが前記補正するステップで補正した前記画像を前記表示面に表示するステップと、
を含むことを特徴とする携帯端末装置の表示装置の色調調整方法。
【請求項14】
表示面を有する表示装置と、
前記表示面に対面可能に設けられた撮像部と、
前記表示面に基準色を表示させたときの画像の基準色データを記憶する記憶部と、
前記表示面に画像を表示させる表示制御部と、
を備えた携帯端末装置を、
前記表示装置の前記表示面に基準色を表示する手段と、
前記表示面を撮像する手段と、
前記撮像する手段で得られた画像の色データを出力する手段と、
前記色データで、前記記憶部の前記基準色データを除算し、各色の補正パラメータを算出する手段と、
前記補正パラメータを前記記憶部に記憶する手段と、
前記表示制御部に前記記憶部の前記補正パラメータを用いて画像を補正させる手段と、
として機能させるための前記携帯端末装置の前記表示装置の色調調整プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の色調調整プログラムを実行する実行部と、
外部の端末と接続する外部接続端子と、
前記外部の端末から前記色調調整プログラムの起動コマンドを受信する受信部と、
を備え、
前記受信部が前記起動コマンドを受信したとき、前記実行部に前記色調調整プログラムを実行させることを特徴とする携帯端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−148508(P2006−148508A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−335342(P2004−335342)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】