説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能とスケジュール管理機能との連動が可能であるほか、スケジュール情報としての予定場所がどのような形式で表記されていてもその予定場所から経路案内機能用の到着地を得ることができるようにする。
【解決手段】中央制御部1は、ユーザ操作によって任意のスケジュール情報が選択されると、このスケジュール情報内の「開始日時」から到着日時を求めるほか、RTC10から取得した現在日時に基づいて時間帯−出発候補地テーブルTSTを検索して現在日時が含む「時間帯」に対応する「出発候補地」を読み出し、更に、ユーザ選択されたスケジュール情報内の「予定場所」に対応する「到着地」を予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出し、この出発候補地(乗車駅)から到着地(下車駅)への乗車ルートを案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能を備えた携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触ICカードと呼ばれている非接触IC処理機能を交通機関の駅改札口を通過する際の入退場機能(例えば、電車、バスを利用する際の乗車券機能、定期券機能)として利用するほかに、この非接触IC処理機能を乗車ルート案内サービスに利用可能とした技術としては、例えば、電車内から目的駅までの最適な路線経路を検索する場合に、目的駅を入力するのみで経路を検索することが可能な最適路線検索システムが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−271691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した先行技術においては、目的駅を入力するようにしているため、ユーザは目的地を知っていることが前提となり、目的地を知らなければ、乗車ルート案内サービスを利用することはできなかった。
従って、スケジュール管理機能付きの携帯電話装置において、スケジュール表を読み出し表示させている状態において、ユーザはスケジュール画面から次の移動場所を確認し、その場所に行くために目的駅を入力して乗車ルート案内サービスを利用するような場合に、スケジュール情報として設定されている場所が一般名称以外で表記されていれば、つまり、○○会議室、○○講堂のように抽象的な名称、独自の名称、略語などで表記されていれば、その場所の最寄り駅を調べて入力する必要があり、ユーザに大きな負担をかけるという問題があった。
このことは、乗車ルート案内サービスに利用する場合に限らず、どのような経路案内サービスを利用する場合でも同様の問題が起きる。
【0004】
この発明の課題は、出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能とスケジュール管理機能との連動が可能であるほか、スケジュール情報としての予定場所がどのような形式で表記されていてもその予定場所から経路案内機能用の到着地を得ることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明(第1の発明)は、出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能を備えた携帯端末装置であって、出発地を取得する出発情報取得手段と、スケジュール情報として予定場所と予定時刻とを対応付けて記憶するスケジュール情報記憶手段と、前記予定場所毎に前記経路案内機能で案内可能な到着地を対応付けて記憶する情報記憶手段と、前記スケジュール情報を任意に選択する選択手段と、この選択手段によって選択されたスケジュール情報内の予定場所に基づいて前記情報記憶手段を検索することによって対応する到着地を取得する到着情報取得手段とを具備し、前記出発情報取得手段によって得られた出発地から前記到着情報取得手段によって得られた到着地への経路を案内するようにしたことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項10記載の発明)。
【0006】
なお、上述した請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
時間帯に対応して出発候補地を記憶する出発地候補記憶手段を更に設け、前記出発情報取得手段は、現在時刻に基づいて前記出発地候補記憶手段を検索することによって現在時刻が含まれる時間帯を特定し、この時間帯に対応する出発候補地を取得する(請求項2記載の発明)。
【0007】
外部処理装置との間での無線非接触通信を行う非接触通信手段を更に設け、この非接触通信手段によって外部処理装置との間で非接触通信が行われた際に、前記出発情報取得手段は、当該外部処理装置の設置場所を出発地として取得する(請求項3記載の発明)。
【0008】
現在位置を取得する位置取得手段を更に設け、前記出発情報取得手段は、前記位置取得手段によって得られた位置情報を出発地として取得する(請求項4記載の発明)。
【0009】
前記出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能は、交通機関の乗車駅から降車駅までの経路を案内する乗車ルート案内機能であり、前記情報記憶手段は、前記スケジュール情報を構成する各予定場所に対応付けて当該予定場所の最寄り駅を到着地として記憶する(請求項6記載の発明)。
【0010】
請求項5記載の発明(第2の発明)は、出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能を備えた携帯端末装置であって、スケジュール情報として予定場所と予定時刻とを対応付けて記憶するスケジュール情報記憶手段と、前記予定場所毎に前記経路案内機能で案内可能な到着地を対応付けて記憶する情報記憶手段と、出発地を取得する出発情報取得手段と、前記スケジュール情報を構成する予定場所で前記情報記憶手段を検索することによって対応する到着地を取得する到着情報取得手段と、前記出発情報取得手段によって得られた出発地から前記到着情報取得手段によって得られた到着地への所要時間を考慮した出発時刻を取得する出発時刻取得手段と、この出発時刻取得手段によって取得した出発時刻に基づいてアラーム報知を行う報知手段とを具備したことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項5記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項11記載の発明)。
【0011】
なお、上述した請求項5記載の発明は次のようなものであってもよい。
時間帯に対応して出発地の選択候補を記憶する出発地候補記憶手段を更に設け、前記出発情報取得手段は、出発時刻に基づいて前記出発地候補記憶手段を検索することによって当該出発時刻が含まれる時間帯を特定し、この時間帯に対応する出発地を取得する(請求項7記載の発明)。
【0012】
現在位置を取得する位置取得手段を更に設け、前記出発情報取得手段は、前記位置取得手段によって得られた位置情報を出発地として取得する(請求項8記載の発明)。
【0013】
前記スケジュール情報を構成する予定時刻と現在時刻とを比較することによって現在時刻以降の予定時刻を含むスケジュール情報の有無を監視するスケジュール監視手段を更に設け、前記到着情報取得手段は、前記スケジュール監視手段によって検出されたスケジュール情報内の予定場所で前記情報記憶手段を検索することによって当該予定場所に対応する到着地を取得する(請求項9記載の発明)。
その他、請求項5記載の発明は、上述した請求項6記載の発明を適用するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明は、出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能とスケジュール管理機能との連動が可能であるほか、スケジュール情報としての予定場所がどのような形式で表記されていても、任意に選択されたスケジュール情報内の予定場所から経路案内機能用の到着地を得ることができ、ユーザに操作上の負担をかけることなく、経路案内機能を効果的に利用することが可能となる。
【0015】
第2の発明は、出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能とスケジュール管理機能との連動が可能であるほか、スケジュール情報としての予定場所がどのような形式で表記されていてもその予定場所から経路案内機能用の到着地を得ることができ、この到着地に向かって何時頃出発したらよいかを確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施例1)
以下、図1〜図7を参照して本発明の第1実施例を説明する。
この実施例は、携帯端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話装置は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などのほか、スケジュール管理機能、経路案内機能などが備えられている。スケジュール管理機能は、予め任意に設定されたスケジュール情報を記憶管理し、その予定日時に到達した際に、その旨を報知する機能である。経路案内機能は、出発地から到着地への経路を案内する機能で、この実施例では、交通機関(電車、バスなど)の利用時に出発地(乗車駅)から到着地(下車駅)までの乗車ルートを検索して案内する乗車ルート案内機能である。
【0017】
中央制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する。この記憶部3は、ROM、RAMを有する構成で、そのプログラム領域には、後述する図5及び図6に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納され、そのデータ領域には、後述するスケジュールテーブルSDT、予定場所−到着地変換テーブルCGT、時間帯−出発候補地テーブルTST、出発時刻バッファSTBなどが設けられている。無線通信部4は、アンテナに接続された送受信部(ベースバンド部)の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのちに、通話部5を介して受話スピーカ6から音声出力させる。そして、無線通信部4は、送話マイク7から入力された音声データを通話部5から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのちに送受信部の送信側に与えられてアンテナから送信出力させる。
【0018】
一方、電子メール機能あるいはインターネット接続機能によって無線通信部4を介して受信取得した表示データは、表示部8に与えられて表示出力される。操作部9は、各種の操作キーなどを有し、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、中央制御部1は、操作部9からの操作入力信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)10は、年月日時分秒の現在日時を計数する時計部を構成するもので、中央制御部1は、RTC10から現在日時を取得する。
【0019】
非接触型ICカード機能部11は、交通機関利用時の乗車券機能として利用可能なもので、メモリ部、コイルアンテナ部などを有し、受信電波によって電磁誘導されるコイルアンテナ部からの起電力に基づいて起動状態となる。この非接触型ICカード機能部11は、交通機関の駅改札口を通過する際に、その自動改札装置(リーダ・ライタ)との間で交信を行うことによって自動改札処理が行われる。GPS(Global Positioning System)部12は、衛星と地上の制御局を利用して現在位置(経緯度)を受信取得する。
【0020】
図2は、スケジュールテーブルSDTを説明するための図である。
スケジュールテーブルSDTは、予め任意に設定されたスケジュール情報を記憶するテーブルであり、その内容はユーザが任意に設定したものである。このスケジュール情報(スケジュールレコード)は、「開始日時」、「終了日時」、「内容」、「予定場所」の各項目を有し、「開始日時」、「終了日時」は、予定開始日時、予定終了日時を示し、「内容」は、“事前打合せ”、“企画会議”などのように具体的な予定内容を示している。また「予定場所」は、“打合せ”、“会議”などの開催場所、待ち合わせ場所などであり、例えば、“○○会議室”、“本社”のように設定することもできる。すなわち、「予定場所」を一般名称で表記する場合に限らず、ユーザ自身が理解可能であれば、抽象的な名称、独自の名称、略語、シンボル図形などで表記することもできる。
【0021】
図3は、予定場所−到着地変換テーブルCGTを説明するための図である。
予定場所−到着地変換テーブルCGTは、「予定場所」に対応してその最寄り駅を「到着地(下車駅)」として記憶する予定場所と到着地との対応テーブルであり、その内容はユーザが予め任意に設定登録したものである。なお、図示の例では、「予定場所」としての“本社”に対応して「到着地」としての“初台駅”、また、“AAAホール”に対応して“虎ノ門駅”のように「予定場所」と「到着地」とが対応付けて設定登録した構成となっている。この予定場所−到着地変換テーブルCGTは、乗車ルート案内機能の利用時に用いられる。すなわち、上述のスケジュールテーブルSDTと連動しながら乗車ルート案内サービスを利用する際に、中央制御部1は、予定場所−到着地変換テーブルCGTを参照して、予定場所を対応する到着地に変換して乗車ルート案内機能の到着地としてセットするようにしている。
【0022】
図4は、時間帯−出発候補地テーブルTSTを説明するための図である。
時間帯−出発候補地テーブルTSTは、時間帯に対応して出発地を選択候補として記憶するもので、例えば、平日の“9時00分〜17時30分”の時間帯には、出勤、通学、外出などの最寄り駅が出発候補地として対応付けられ、その他の時間帯には、自宅などの最寄り駅が出発候補地として対応付けられている。中央制御部1は、現在日時に応じて時間帯−出発候補地テーブルTSTを参照し、現在日時が属する時間帯を特定することによって対応する出発候補地を得るようにしている。
【0023】
次に、この第1実施例における携帯電話装置の動作概念を図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施例においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0024】
図5及び図6は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作のうち第1実施例の特徴的な部分を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部1は、電源投入(電源ON)操作に伴って無線通信部4を作動させて位置登録応答を行うほか、所定の待受画像を読み出して待受画面に表示させたのち(図5のステップA1)、乗車ルート案内機能が動作中であることを示す「案内フラグ」のセット有無をチェックする(ステップA2)。ここで、「案内フラグ」がセットされていれば、ステップA7に移り、スケジュールリスト表示処理を実行するが、「案内フラグ」がセットされていなければ(ステップA2でNO)、乗車ルート案内機能の起動操作有無をチェックする(ステップA3)。
【0025】
いま、その他の操作、つまり、乗車ルート案内機能の起動操作以外の操作が行われたときには(ステップA4でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、電話発信、着信処理、メール送信処理を実行したり、任意に入力したスケジュール情報をスケジュールテーブルSDTに設定するスケジュールテーブル設定処理を実行したり、任意に入力した予定場所と到着地とを対応付けて予定場所−到着地変換テーブルCGTに設定する変換テーブル設定処理を実行したり、任意に入力した時間帯と出発地とを対応付けて時間帯−出発候補地テーブルTSに設定するテーブル設定処理などを実行したりする(ステップA5)。
【0026】
ここで、ユーザが次の目的地に出向くために乗車ルート案内機能の起動操作を行うと(ステップA3でYES)、中央制御部1は、乗車ルート案内機能が動作中であることを示すために「案内フラグ」をセットする(ステップA6)。そして、スケジュールテーブルSDTをアクセスしてその内容をリスト表示させたのち(ステップA7)、このリスト画面から任意のスケジュール情報を選択する選択操作が行われると、このスケジュール情報をユーザ選択された情報として特定すると共に(ステップA8)、この特定スケジュール情報の中から「開始日時」を読み出し、「開始日時」に所定時間を加えた日時を到着日時として求める(ステップA9)。例えば、会議が開始されるまでに間に合うように、例えば、徒歩などの移動時間、余裕時間などを考慮した所定時間(例えば、45分)を「開始日時」に加算した時刻をその会場の到着日時として求める。なお、この所定時間は、予めユーザが任意に設定したものであってもよい。
【0027】
中央制御部1は、RTC10から現在日時を取得したのち(ステップA10)、この現在日時に基づいて時間帯−出発候補地テーブルTSTを検索し、現在日時が含む「時間帯」を特定すると共に、この「時間帯」に対応する「出発候補地」を読み出す(ステップA11)。そして、図6のフローに移り、上述のようにしてユーザ選択された特定スケジュール情報の中から「予定場所」を読み出し、この「予定場所」に基づいて予定場所−到着地変換テーブルCGTを検索することによって当該「予定場所」はテーブル内に登録済みであるかをチェックする。
【0028】
いま、該当する「予定場所」が登録済みであれば、それに対応付けられている「到着地」を予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出す(ステップA13)。この場合、スケジュール情報の「予定場所」に対する最寄り駅を「到着地」として予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出す。また、該当する「予定場所」が登録されていなければ(ステップA12でNO)、任意の「到着地」を入力すべきことをメッセージ表示したのち(ステップA14)、それに応じてユーザ操作で入力された「到着地」を取得する(ステップA15)。
【0029】
そして、上述のようにして得られた出発候補地(乗車駅)、到着地(下車駅)、到着時刻を乗車ルートの検索要素とする乗車ルート検索要求をコンテンツサーバ(図示せず)宛に送信したのち(ステップA16)、それに応答して当該サーバから乗車ルート情報を受信取得すると(ステップA17)、この乗車ルート情報を表示部8に案内出力させる(ステップA18)。図7は、乗車ルート案内表示画面を例示した図で、乗車駅(小作駅)から下車駅(初台駅)までの乗車ルートが時系列に案内表示される。この乗車ルートを確認したユーザが確認済みを指示するOK操作を行うと(ステップA19)、中央制御部1は、上述の「案内フラグ」をリセットしたのち(ステップA20)、上述の待受状態に戻る(ステップA1)。
【0030】
以上のように、この第1実施例において中央制御部1は、ユーザ操作によって任意のスケジュール情報が選択されると、このスケジュール情報内の「開始日時」から到着日時を求めるほか、RTC10から取得した現在日時に基づいて時間帯−出発候補地テーブルTSTを検索して現在日時が含む「時間帯」に対応する「出発候補地」を読み出し、更に、ユーザ選択されたスケジュール情報内の「予定場所」に対応する「到着地」を予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出し、この出発候補地(乗車駅)から到着地(下車駅)への乗車ルートを案内するようにしたので、スケジュール管理機能との連動が可能であるほか、スケジュール情報としての「予定場所」がどのような形式で表記されていても、任意に選択されたスケジュール情報内の「予定場所」から乗車ルート案内機能用の到着地を得ることができ、ユーザに操作上の負担をかけることなく、乗車ルート案内機能を効果的に利用することが可能となる。
【0031】
この場合、RTC10から取得した現在日時に基づいて時間帯−出発候補地テーブルTSTを検索して現在日時が含む「時間帯」に対応する「出発候補地」を読み出すことによって出発地を特定するようにしたので、出発地を容易かつ確実に特定することができる。
【0032】
なお、上述した第1実施例においては、時間帯−出発候補地テーブルTSTを検索して現在日時が含む「時間帯」に対応する「出発候補地」を取得するようにしたが、例えば、交通機関の自動改札装置との間での入退場を制限する非接触型ICカード機能部11を備えた携帯電話装置においては、この非接触型ICカード機能部11と自動改札装置との間での交信時に、この自動改札装置から出発地(乗車駅)を受信取得するようにしてもよい。また、自動改札装置から到着地(下車駅)を受信取得する代わりに、GPS部12から現在位置(経緯度情報)を到着地として受信取得するようにしてもよい。
【0033】
上述した第1実施例においては、予定場所−到着地変換テーブルCGTから「到着地」を取得して乗車ルート案内機能の「到着地」としたが、予定場所−到着地変換テーブルCGTから取得した「到着地」を乗車ルート案内機能の「到着地」とするか否かを問い合わせるために確認メッセージを出力したのち、それに応答してユーザ操作で肯定指示を受けた際に、乗車ルート案内機能の「到着地」とするようにしてもよい。この場合、ユーザの確認を受けることで、より確実な案内が可能となる。
(実施例2)
【0034】
以下、この発明の第2実施例について図8〜図11を参照して説明する。
なお、上述した第1実施例においては、ユーザ操作によって任意のスケジュール情報が選択された際に、このスケジュール情報に基づいて出発候補地(乗車駅)、到着地(下車駅)を取得して乗車駅から下車駅への乗車ルートを案内するようにしたが、この第2実施例においては、現在日時以降の予定日時(開始日時)を含むスケジュール情報の有無を監視し、このスケジュール情報に基づいて出発候補地(乗車駅)、到着地(下車駅)を取得してその乗車ルートを利用するためには何時ごろ出発すればよいかの出発時刻を案内するようにしたものである。
ここで、両実施例において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施例の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0035】
図8及び図9は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作のうち第2実施例の特徴的な部分を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部1は、上述の第1実施例と同様に、待受画面に表示させたのち(図8のステップB1)、「案内フラグ」のセット有無をチェックする(ステップB2)。ここで、「案内フラグ」がセットされていれば、ステップB7に移り、現在日時の取得処理を実行するが、「案内フラグ」がセットされていなければ(ステップB2でNO)、乗車ルート案内機能の起動操作有無をチェックする(ステップB3)。いま、乗車ルート案内機能の起動操作以外の操作が行われたときには(ステップB4でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、電話発信、着信処理、メール送信処理、スケジュールテーブル設定処理などを実行する(ステップB5)。
【0036】
乗車ルート案内機能の起動操作が行われた場合には(ステップB3でYES)、「案内フラグ」をセットしたのち(ステップB6)、RTC10から現在日時を取得する(ステップB7)。そして、スケジュールテーブルSDTを検索してスケジュール情報の「開始日時(予定日時)」と現在日時とを比較することによって現在日時以降に該当する「開始日時」を含むスケジュール情報を特定する(ステップB8)。この場合、現在日時以降に該当する全てのスケジュール情報を特定しておく。そして、この特定スケジュール情報の中からいずれかのスケジュール情報を指定すると共に、この指定スケジュール情報に「予約場所」が登録されているかを調べ(図9のステップB9)、「予定場所」が登録されていなければ、後述するステップB18に移る。
【0037】
いま、指定スケジュール情報に「予約場所」が登録されていれば(ステップB9でYES)、現在日時に基づいて時間帯−出発候補地テーブルTSTを検索して、現在日時が含む「時間帯」を特定すると共に、この「時間帯」に対応する「出発候補地」を読み出す(ステップB10)。また、上述の指定スケジュール情報の中から「予定場所」を読み出し、この「予定場所」に基づいて予定場所−到着地変換テーブルCGTを検索し、当該「予定場所」は登録済みであるかをチェックする(ステップB11)。いま、該当する「予定場所」が登録済みであれば、それに対応付けられている「到着地」を予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出す(ステップB12)。この場合、スケジュール情報の「予定場所」に対する最寄り駅を「到着地」として予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出す。また、該当する「予定場所」が登録されていなければ(ステップB11でNO)、任意の「到着地」を入力すべきことをメッセージ表示したのち(ステップB13)、それに応じてユーザ操作で入力された「到着地」を取得する(ステップB14)。
【0038】
そして、上述のようにして得られた出発候補地(乗車駅)、到着地(下車駅)、到着時刻を乗車ルートの検索要素とすると共に、この乗車ルートを利用するためには何時ごろ出発すればよいかの出発時刻の検索要求をコンテンツサーバ(図示せず)宛に送信する(ステップB15)。この場合、サーバ側では、この検索要求に応じて乗車駅から下車駅への所要時間、下車駅の到着時刻などを考慮した出発時刻を求めて要求元へ返信する。中央制御部1は、検索要求の送信後、それに応答して当該サーバから出発時刻を受信取得すると(ステップB16)、これを出発時刻バッファSTBに記憶保持する(ステップB17)。図10は、出発時刻バッファSTBの内容を例示したもので、上述のようして取得した「出発時刻」、「出発地」、「到着地」ほか、スケジュール情報を構成する「開始日時」、「内容」、「予定場所」の各項目データが出発時刻バッファSTBに記憶保持される。
【0039】
そして、現在日時に基づいてスケジュールテーブルSDTを検索し、現在日時以降から所定時間(例えば、6時間)以内の「開始日時」のスケジュール情報の有無を調べ(ステップB18)、該当するスケジュール情報が有れば、上述のステップB8に戻り、以下、上述と同様の処理を繰り返すが、該当するスケジュール情報が無ければ(ステップB18でNO)上述の「案内フラグ」をリセットしたのち(ステップB19)、上述の待受状態に戻る(ステップB1)。
【0040】
一方、何も操作されていない操作無し状態において(ステップB4でNO)、中央制御部1は、RTC10から現在日時を取得すると共に(ステップB20)、この現在日時に基づいて出発時刻バッファSTBをアクセスし、現在日時に近い(例えば、10分前の)出発時刻の有無を調べる(ステップB21)。その結果、該当する出発時刻が有れば、出発時刻に近づいたことを促すアラーム報知を行う(ステップB22)。図11は、アラーム表示画面を例示した図で、本社での企画会議に出席する際の出発時刻に近づいたことが報知される。その後、上述の待受状態に戻る(ステップB1)。
【0041】
以上のように、この第2実施例において中央制御部1は、RTC10から取得した現在日時に基づいて時間帯−出発候補地テーブルTSTを検索して現在日時が含む「時間帯」に対応する「出発候補地」を読み出し、更に、ユーザ選択されたスケジュール情報内の「予定場所」に対応する「到着地」を予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出し、この出発候補地(乗車駅)から到着地(下車駅)への所要時間を考慮した出発時刻を取得したのち、この出発時刻に基づいてアラーム報知を行うようにしたから、スケジュール管理機能との連動が可能であるほか、スケジュール情報としての「予定場所」がどのような形式で表記されていてもその予定場所から乗車ルート案内機能用の到着地を得ることができ、この到着地に向かって何時頃出発したらよいかを確認することが可能となる。
【0042】
この場合、RTC10から取得した現在日時に基づいて時間帯−出発候補地テーブルTSTを検索して現在日時が含む「時間帯」に対応する「出発候補地」を読み出すことによって出発地を特定するようにしたので、出発地を容易かつ確実に特定することができる。
【0043】
中央制御部1は、スケジュール情報を構成する「開始日時」と現在日時とを比較することによって現在時刻以降の「開始日時」を含むスケジュール情報の有無を監視し、該当するスケジュール情報内の「予定場所」に対応付けられている「到着地」を予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出すようにしたので、ユーザに操作上の負担をかけることなく、到着地を得ることができ、乗車ルート案内機能を効果的に利用することが可能となる。
【0044】
なお、上述した第2実施例においては、スケジュール情報内の「予定場所」に対応付けられている「到着地」を予定場所−到着地変換テーブルCGTから読み出すようにしたが、GPS部12から現在位置(経緯度情報)を到着地として受信取得するようにしてもよい。
【0045】
上述した第2実施例においては、出発時刻バッファSTBを監視し、現在日時に近い(例えば、10分前の)出発時刻の有無を調べ、該当する出発時刻が有れば、出発時刻に近づいたことをアラーム表示するようにしたが、出発時刻の1時間前から15分毎にアラーム報知するなど、報知の仕方は任意である。また、遅くとも何時ごろまで出発すればよいかをアラーム報知するようにしてもよい。
【0046】
その他、上述した各実施例においては、コンテンツサーバに対して乗車ルートの検索要求、出発時刻の検索要求を行うようにしたが、事前に時刻表をダウンロード受信して記憶管理しておけば、携帯電話装置側において、この時刻表を参照して乗車ルート、出発時刻検索するようにしてもよい。
また、上述した各実施例においては、乗車駅から下車駅までの乗車ルートを案内するようにしたが、乗車ルートに限らず、出発地から到着地までを案内するようにしてもよい。例えば、予定場所として“○○会館○○間”のように設定されている場合、乗車ルートを含めて自宅から“○○会館付近”までの経路を案内するようにしてもよい。
【0047】
また、出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能を備えた携帯電話装置に限らず、例えば、経路案内機能を備えたPDA・電子カメラ・電子腕時計・音楽再生機などの携帯端末装置であっても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】スケジュールテーブルSDTを説明するための図。
【図3】予定場所−到着地変換テーブルCGTを説明するための図。
【図4】時間帯−出発候補地テーブルTSTを説明するための図。
【図5】電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作のうち第1実施例の特徴的な部分を示したフローチャート。
【図6】図5に続くフローチャート。
【図7】乗車ルート案内表示画面を例示した図。
【図8】電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作のうち第2実施例の特徴的な部分を示したフローチャート。
【図9】図8に続くフローチャート。
【図10】出発時刻バッファSTBの内容を例示した図。
【図11】アラーム表示画面を例示した図。
【符号の説明】
【0049】
1 中央制御部
3 記憶部
4 無線通信部
8 表示部
9 操作部
10 RTC
11 非接触型ICカード機能部
12 GPS部
SDT スケジュールテーブル
CGT 予定場所−到着地変換テーブル
TST 時間帯−出発候補地テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能を備えた携帯端末装置であって、
出発地を取得する出発情報取得手段と、
スケジュール情報として予定場所と予定時刻とを対応付けて記憶するスケジュール情報記憶手段と、
前記予定場所毎に前記経路案内機能で案内可能な到着地を対応付けて記憶する情報記憶手段と、
前記スケジュール情報を任意に選択する選択手段と、
この選択手段によって選択されたスケジュール情報内の予定場所に基づいて前記情報記憶手段を検索することによって対応する到着地を取得する到着情報取得手段と、
を具備し、前記出発情報取得手段によって得られた出発地から前記到着情報取得手段によって得られた到着地への経路を案内するようにしたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
時間帯に対応して出発候補地を記憶する出発地候補記憶手段を更に設け、
前記出発情報取得手段は、現在時刻に基づいて前記出発地候補記憶手段を検索することによって現在時刻が含まれる時間帯を特定し、この時間帯に対応する出発候補地を取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
外部処理装置との間での無線非接触通信を行う非接触通信手段を更に設け、
この非接触通信手段によって外部処理装置との間で非接触通信が行われた際に、前記出発情報取得手段は、当該外部処理装置の設置場所を出発地として取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項4】
現在位置を取得する位置取得手段を更に設け、
前記出発情報取得手段は、前記位置取得手段によって得られた位置情報を出発地として取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項5】
出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能を備えた携帯端末装置であって、
スケジュール情報として予定場所と予定時刻とを対応付けて記憶するスケジュール情報記憶手段と、
前記予定場所毎に前記経路案内機能で案内可能な到着地を対応付けて記憶する情報記憶手段と、
出発地を取得する出発情報取得手段と、
前記スケジュール情報を構成する予定場所で前記情報記憶手段を検索することによって対応する到着地を取得する到着情報取得手段と、
前記出発情報取得手段によって得られた出発地から前記到着情報取得手段によって得られた到着地への所要時間を考慮した出発時刻を取得する出発時刻取得手段と、
この出発時刻取得手段によって取得した出発時刻に基づいてアラーム報知を行う報知手段と、
を具備したことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
前記出発地から到着地への経路を案内する経路案内機能は、交通機関の乗車駅から降車駅までの経路を案内する乗車ルート案内機能であり、
前記情報記憶手段は、前記スケジュール情報を構成する各予定場所に対応付けて当該予定場所の最寄り駅を到着地として記憶する、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項7】
時間帯に対応して出発地の選択候補を記憶する出発地候補記憶手段を更に設け、
前記出発情報取得手段は、出発時刻に基づいて前記出発地候補記憶手段を検索することによって当該出発時刻が含まれる時間帯を特定し、この時間帯に対応する出発地を取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項8】
現在位置を取得する位置取得手段を更に設け、
前記出発情報取得手段は、前記位置取得手段によって得られた位置情報を出発地として取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記スケジュール情報を構成する予定時刻と現在時刻とを比較することによって現在時刻以降の予定時刻を含むスケジュール情報の有無を監視するスケジュール監視手段を更に設け、
前記到着情報取得手段は、前記スケジュール監視手段によって検出されたスケジュール情報内の予定場所で前記情報記憶手段を検索することによって当該予定場所に対応する到着地を取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の携帯端末装置。
【請求項10】
コンピュータに対して、
出発地を取得する機能と、
スケジュール情報として予定場所と予定時刻とを対応付けて記憶管理する機能と、
前記予定場所毎に前記経路案内機能で案内可能な到着地を対応付けて記憶管理する機能と、
前記スケジュール情報を任意に選択する機能と、
前記選択されたスケジュール情報内の予定場所に基づいて対応する到着地を取得する機能と、
前記取得した出発地から前記取得した到着地への経路を案内する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータに対して、
スケジュール情報として予定場所と予定時刻とを対応付けて記憶管理する機能と、
前記予定場所毎に前記経路案内機能で案内可能な到着地を対応付けて記憶管理する機能と、
出発地を取得する機能と、
前記スケジュール情報を構成する予定場所に対応する到着地を取得する機能と、
前記取得した出発地から前記取得した到着地への所要時間を考慮した出発時刻を取得する機能と、
前記取得した出発時刻に基づいてアラーム報知を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−234084(P2008−234084A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−69729(P2007−69729)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】