説明

携帯端末装置及びプログラム

【課題】電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態に切り換え可能な携帯電話機において、機構的なボタン操作で省電力モードを解除して通常の電力状態に復帰させなくても、携帯電話機を使用する直前に電力供給の一部の抑制を解除できるようにする。
【解決手段】CPU1は、省電力モードにより所定の周辺デバイス(タッチパネル8)への電力供給を抑制している場合に、携帯電話機に加えられる振動が加速度センサ5により第1の状態として検出され、携帯電話機の周囲の明るさが照度センサ6により第2の状態として検出された場合に、この第1の状態及び第2の状態に基づいて、所定の周辺デバイス(タッチパネル8)への電力供給の抑制を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給を抑制して節電が可能な携帯端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンと呼ばれている多機能型携帯電話機などの携帯端末装置にあっては、その操作入力デバイスとしてタッチパネルが搭載されているために機構的な押しボタンの数は極限られ、電源をON(オン)/OFF(オフ)する電源ボタンのみとなっているものが多い。また、このような多機能型の携帯端末装置では、消費電力を低減する方法として、電力供給を抑制していない通常の電力状態(通常の電力モード)から電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態(省電力モード)に切り換えるようにした節電方法が採られている。ここで、通常の電力モードから省電力モードへの切り換えは、前回操作から次の操作が行われるまでの無操作時間に応じて行われるもので、省電力モードに切り換えられると、液晶表示装置への電力供給が遮断されたり、その表示装置のバックライトが消灯されたりして、電力消費が極力抑えられる。
【0003】
そして、従来では、上述の省電力モードに切り換えられると、表示部への電力供給を遮断するほか、メッセージ受信の処理頻度なども下げることで更に一層、電力消費を節約するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。また、節電のために表示部のほか、タッチスクリーン部への電力供給も遮断するようにした技術も知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−118834号公報
【特許文献2】特開2007−311849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の省電力モードでは、液晶表示装置への電力供給を遮断してその電源を“OFF”したり、その表示装置のバックライトを消灯したり、タッチパネルへの電力供給を遮断してその電源を“OFF”したりすることも考えられるが、タッチパネルへの電力供給を“OFF”すると、タッチパネルに人体が触れても全く反応しなくなるために、機構的な電源ボタンを押下することにより省電力モードを解除して通常の電力モードに復帰させるしかなかった。
しかしながら、スマートフォンなどの携帯端末装置では、ユーザがその端末全体にカバーを装着することが多く、更に、電源ボタンの設置位置によっては、電源ボタンの押下操作が困難になることが多かった。そのため、省電力モードを解除する都度、電源ボタンを押下する操作が煩わしくなり、ユーザの利便性を損なう結果となっていた。
【0006】
本発明の課題は、電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態に切り換え可能な携帯端末装置において、機構的なボタン操作で省電力モードを解除して通常の電力状態に復帰させなくても、携帯端末装置を使用する直前に電力供給の一部の抑制を解除できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
電力供給を抑制していない通常の電力状態と、電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態との切り換えを行う電力切換手段を備えた携帯端末装置であって、
当該携帯端末装置に加わる振動状態を第1の状態として検出する第1状態検出手段と、
当該携帯端末装置の表面あるいは周囲の状態を第2の状態として検出する第2状態検出手段と、
前記電力切換手段により省電力状態に切り換えられていることにより所定の周辺デバイスへの電力供給が抑制されている場合に、前記第1状態検出手段により検出される第1の状態及び前記第2状態検出手段により検出される第2の状態に基づいて、前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する電力制御手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置である。
【0008】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
電力供給を抑制していない通常の電力状態と、電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態との切り換えを行う機能と、
携帯端末装置に加わる振動状態を第1の状態として検出する機能と、
携帯端末装置の表面あるいは周囲の状態を第2の状態として検出する機能と、
前記省電力状態に切り換えられていることにより所定の周辺デバイスへの電力供給が抑制されている場合に、前記検出される第1の状態及び前記検出される第2の状態に基づいて、前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態に切り換え可能な携帯端末装置において、機構的なボタン操作で省電力モードを解除して通常の電力状態に復帰させなくても、携帯端末装置を使用する直前に電力供給の一部の抑制を解除することができ、利便性及び実用性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】携帯端末装置として適用したスマートフォンと呼ばれている多機能型携帯電話機の基本的な構成を示したブロック図。
【図2】携帯電話機の外観斜視図。
【図3】通常の電力モード、省電力モードに対応して、携帯電話機を構成する構成要素(ブロック)毎に、その電力供給状態を説明するための図。
【図4】第1実施形態の特徴部分を中心として携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図5】図4に続く動作を示したフローチャート。
【図6】第2実施形態において携帯端末装置として適用したスマートフォンと呼ばれている多機能型携帯電話機の基本的な構成を示したブロック図。
【図7】第2実施形態において図4に続く携帯電話機の動作を示したフローチャート。
【図8】本発明の機能を説明するための機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、携帯端末装置として適用したスマートフォンと呼ばれている多機能型の携帯電話機の基本的な構成を示したブロック図である。
この携帯電話機(スマートフォン)は、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などの各種の機能を備えたもので、図1では図示省略したが、無線通信部、通話用スピーカ、通話用マイクなどを有している。そして、携帯電話機は、無線通信網(図示省略)を介して他の携帯電話機に接続されると、その他の携帯電話機との間で通話可能な状態となったり、電子メールの送受信が可能となったりする。また、携帯電話機は、無線通信網を介してインターネット(図示省略)に接続されると、Webサイトをアクセスして閲覧可能となったり、動画、音楽などのマルチメディアなコンテンツをダウンロード可能となったりする。
【0012】
CPU1は、二次電池を備えた電池部(図示省略)からの電力供給によって動作し、メモリ部2内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御する中央演算処理装置である。メモリ部2には、図4及び図5に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とするデータや後述する無操作時間用のタイマ設定値、ユーザが保存したデータ、各種の設定値などが記憶され、更には、一時的にデータを記憶するワークメモリとしても使用可能となっている。なお、メモリ部2は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよい。
【0013】
タイマ部3は、前回操作が行われてから次の操作が行われるまでの無操作時間を計測するためのタイマで、CPU1は、このタイマ部3により計測された無操作時間が所定のタイマ設定値に越えたことを検出すると、電力モードの切り換えを行うことにより、電力供給を抑制していない通常の電力状態(通常の電力モード)から電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態(省電力モード)に切り換えるようにしている。電源ボタン4は、携帯電話機の電源をON(オン)/OFF(オフ)する機構的な押しボタンで、CPU1は、通常の電力モード下で電源ボタン4が押下されると、電源オフ処理を行うが、省電力モードに切り換えられている状態において電源ボタン4が押下されたときには、その省電力モードを解除して通常の電力モードに復帰させるようにしている。
【0014】
加速度センサ5は、省電力モードに切り換えられている状態において、携帯電話機に加えられる振動(揺れ)の状態を、携帯電話機の第1の状態として検出して、その振動(加速度)の大きさに応じた振動波形の電圧値を出力するもので、例えば、互いに直交する3軸方向(X・Y・Z方向)の加速度成分、つまり、前後、左右、上下の3軸にかかる加速度の大きさに比例した電圧値を出力する構成の3軸加速度センサであるが、3軸加速度センサに限らないことは勿論である。CPU1は、省電力モードに切り換えられている状態において、加速度センサ5により検出された3軸の振動(加速度)の大きさが所定の基準値(基準加速度値)以上に達したか否かに基づいて、例えば、携帯電話機が手に持たれたか、手に持たれている状態の携帯電話機が移動されたかなど、携帯電話機を使用する可能性があるか状態になったか否かを判別するようにしている。なお、前後、左右、上下の3軸の加速度成分に対応する基準加速度値を設定するようにしてもよいが、勿論、3軸の加速度成分に共通する基準加速度値を設定するようにしてもよい。
【0015】
照度センサ6は、省電力モードに切り換えられている状態において、携帯電話機の周囲の明るさを、携帯電話機の第2の状態として検出する照度計であり、CPU1は、照度センサ6によって検出された周辺光量が基準値(基準照度値)以上か否かに基づいて、携帯電話機が鞄や衣服のポケットなどに収められている可能性がないか否かを判別するようにしている。この場合、周辺光量が基準照度値以上の明るい環境下であれば、携帯電話機が鞄や衣服のポケットなどに収められていない環境で、携帯電話機を使用する可能性があると判別するが、周辺光量が基準照度値未満の暗い環境下であれば、携帯電話機が鞄や衣服のポケットなどに収められている可能性があり、携帯電話機を使用する可能性がないと判別するようにしている。
【0016】
一方、CPU1には、その周辺デバイスとしてLCD((液晶表示装置)7、タッチパネル8などが接続されている。このLCD7とタッチパネル8は、タッチスクリーン(タッチ入力表示部)を構成するもので、LCD7の上面全体に透明なタッチパネル8が積層配設されている。このLCD7側にはLCD電源9、LCDコントローラ10が備えられ、タッチパネル8側にはタッチパネル電源11、タッチパネルコントローラ12が備えられている。なお、LCD7は、LCDコントローラ10によって制御され、LCD電源9は、CPU1による制御の下、LCDコントローラ10、LCD7に対して電力供給を行う。タッチパネル8は、タッチパネルコントローラ12によって制御され、タッチパネル電源11は、CPU1による制御の下、タッチパネルコントローラ12、タッチパネル8に対して電力供給を行う。
【0017】
図2は、携帯電話機の外観斜視図である。
携帯電話機の筐体全体は、薄型長方体を成し、その前面部の略全域には、タッチスクリーン(タッチ入力表示部)を構成するLCD7及びタッチパネル8が配設されている。また、筐体の前面部においてLCD7及びタッチパネル8の下方(筐体の前面下端部)には、加速度センサ5及び照度センサ6が配設されている。また、電源ボタン4は、誤操作を防ぐためにユーザが容易に操作することができない位置として、筐体の上端部に配設されている。なお、加速度センサ5、照度センサ6、電源ボタン4の配設位置は、上述の位置に限らないことは勿論である。
【0018】
図3は、通常の電力モード、省電力モードに対応して、携帯電話機を構成する構成要素(ブロック)毎に、その電力供給状態を説明するための図である。
通常の電力モードにおいては、全ての構成要素(ブロック)、つまり、CPU1、メモリ部2、タイマ部3、電源ボタン4、加速度センサ5、照度センサ6、LCD7、タッチパネル8、LCD電源9、LCDコントローラ10、タッチパネル電源11、タッチパネルコントローラ12などに対して電力供給が行われる電源“ON”状態となっている。省電力モードにおいては、CPU1、メモリ部2、タイマ部3、電源ボタン4、加速度センサ5、照度センサ6に対しては、電力供給が行われる電源“ON”状態となっているが、LCD7、タッチパネル8、LCD電源9、LCDコントローラ10、タッチパネル電源11、タッチパネルコントローラ12などに対しては、電力供給が抑制(遮断)される電源“OFF”状態となっている。なお、省電力モードにおいてCPU1は、最低限動作可能な電源“ON”状態となっている。
【0019】
次に、第1実施形態における携帯電話機の動作概念を図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。
図4及び図5は、第1実施形態の特徴部分を中心として携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、CPU1は、電源ボタン4により電源ON操作(押下操作)が行われると(ステップS1でYES)、通常の電力モードとなり、携帯電話機の各構成要素(ブロック)に対して電力供給を開始させる(ステップS2)。
【0020】
そして、タイマリセット・スタート、つまり、タイマ部3の計測値をリセットしてその計測動作を開始(ステップS3)させた後、電源ボタン4により電源OFF操作(押下操作)が行われたかを調べたり(ステップS4)、その他の操作が行われたかを調べたり(ステップS5)、タイマ部3の計測値が無操作時間(タイマ設定値)TS以上に達したかを調べたりする(ステップS8)。いま、電源OFF操作が行われたときには(ステップS4でYES)、電源OFF処理(図示省略)を実行後に図4及び図5のフローの終了となる。
【0021】
また、その他の操作が行われたときには(ステップS5でYES)、その操作に応じた処理(ステップS6)として、例えば、着信時には、通話を開始させる処理、発信時には、電話番号入力処理やアドレス帳の呼出し処理、メール作成時には、電子メール作成処理などを行う。そして、タイマ部3をタイマリセット・スタートさせた後(ステップS7)、ステップS8に移る。以下、電源OFF操作以外の操作が行われる毎に、上述の操作に応じた処理が実行される(ステップS6)。
【0022】
いま、タイマ部3の計測値が無操作時間(タイマ設定値)TS以上に達したときには(ステップS8でYES)、通常の電力モードから省電力モードに切り換える(ステップS9)。この場合、その旨のメッセージをLCD7に表示させてから省電力モードに切り換えるようにしてもよい。ここで、省電力モードに切り換えられると、CPU1、メモリ部2、タイマ部3、電源ボタン4、加速度センサ5、照度センサ6に対しては、そのまま電力供給が継続されるが、LCD7、タッチパネル8、LCD電源9、LCDコントローラ10、タッチパネル電源11、タッチパネルコントローラ12などに対しては、その電力供給が抑制(遮断)される。これによってLCD7の表示は消去され、タッチパネル8は使用不可能な状態となる。
【0023】
この省電力モードにおいて、加速度センサ5により検出された加速度(振動)の大きさS1を取得し(ステップS10)、その加速度値S1は、予め設定されている基準加速度値(閾値)S以上であるか否かを判別する(ステップS11)。ここで、検出された加速度値S1がその基準加速度値S以上であれば(ステップS11でYES)、携帯電話機が手に持たれたか、手に持たれている状態の携帯電話機が移動されたかなど、携帯電話機を使用する可能性が高いと判断するが、加速度値S1がその基準加速度値S未満であれば(ステップS11でNO)、その可能性がないと判断して、上述のステップS10に戻り、省電力モードをそのまま維持する。いま、検出された加速度値S1がその基準加速度値S以上であれば、つまり、携帯電話機を使用する可能性が高ければ(ステップS11でYES)、照度センサ6によって検出された携帯電話機の周囲の明るさL1を取得する(ステップS12)。
【0024】
そして、照度センサ6から取得した照度値L1は、予め設定されている基準照度値(閾値)L以上であるか否かを判別する(ステップS13)。ここで、検出された照度値L1がその基準照度値L以上であれば(ステップS13でYES)、携帯電話機が鞄や衣服のポケットなどから取り出されている可能性がある、つまり、鞄や衣服のポケットなどに収められていない可能性が高いと判断するが、検出された照度値L1がその基準照度値L未満であれば(ステップS13でNO)、鞄や衣服のポケットなどに収められている可能性があると判断して、上述のステップS10に戻り、省電力モードをそのまま維持する。いま、検出された照度値L1がその基準照度値L以上の明るい環境下であれば、つまり、鞄や衣服のポケットなどに収められていない可能性が高ければ(ステップS13でYES)、図5のフローに移り、タッチパネル電源11を“ON”することにより、タッチパネル8及びタッチパネルコントローラ12への電力供給の抑制を解除する(ステップS14)。これによってタッチパネル8が使用可能な状態(タッチ操作を受け付ける入力可能な状態)に復帰することになる。
【0025】
すなわち、省電力モードにおいて、加速度値S1がその基準加速度値S以上で、かつ照度値L1がその基準照度値L以上であることが検出されると、携帯電話機が使用される可能性が高いものと判断して、タッチパネル8及びタッチパネルコントローラ12を起動させる。そして、タイマ部3をタイマリセット・スタートさせた後(ステップS15)、タイマ部3の計測値が無操作時間(タイマ設定値)TSを経過する前(タイマ設定値TSの時間以内)に、タッチパネル8に対してタッチ操作が行われたかを調べる(ステップS16)。なお、タッチパネル8へのタッチ位置は、そのパネル中央部に限らず、パネル周辺部など、どの位置であってもよい。いま、タイマ設定値TSの時間以内にタッチ操作が行われなければ(ステップS16でNO)、タッチパネル電源11を“OFF”することによりタッチパネル8及びタッチパネルコントローラ12への電力供給を再度抑制する(ステップS20)。その後、加速度検出を行う図4のステップS10に戻る。
【0026】
また、タイマ設定値TSの時間以内にタッチ操作が行われたときには(図5のステップS16でYES)、タッチパネル8に電源を供給したままの状態で、更にLCD電源9を“ON”することによりLCD7及びLCDコントローラ10への電力供給の抑制を解除する(ステップS17)。これによってLCD7の表示可能な状態に復帰するようになる。そして、タイマ部3をタイマリセット・スタートさせた後(ステップS18)、タイマ部3の計測値が無操作時間(タイマ設定値)TSを経過する前(タイマ設定値TSの時間以内)に、ロック解除操作が行われたかを調べる(ステップS19)。このロック解除操作は、例えば、ユーザパスワードを入力することによりセキュリティロックを解除させるための操作である。
【0027】
ここで、タイマ設定値TSの時間以内にロック解除操作が行われなければ(ステップS19でNO)、LCD電源9を“OFF”することによりLCD7及びLCDコントローラ10への電力供給を再度抑制すると共に(ステップS21)、タッチパネル電源11を“OFF”することによりタッチパネル8及びタッチパネルコントローラ12への電力供給を再度抑制する(ステップS20)。その後、加速度検出を行う図4のステップS10に戻る。また、タイマ設定値TSの時間以内にロック解除操作が行われたときには(ステップS19でYES)、図4のステップS2に移行して、省電力モードから通常の電力モードに切り換える。なお、図4及び図5のフローチャートでは図示省略したが、省電力モード下において電源ボタン4が押下されたときにも、省電力モードを解除して通常の電力モードに復帰させるようにしている。
【0028】
以上のように、第1実施形態においてCPU1は、省電力モードにより所定の周辺デバイスへの電力供給を抑制している状態で、携帯電話機に加えられる振動が加速度センサ5により第1の状態として検出され、携帯電話機の周囲の明るさが照度センサ6により第2の状態として検出された場合に、この第1の状態及び第2の状態に基づいて、所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除するようにしたので、省電力モードにおいて、機構的なボタン操作で省電力モードを解除して通常の電力モードに復帰させなくても、携帯電話機を使用する直前に電力供給の一部の抑制を解除することができ、利便性及び実用性に富んだものとなる。すなわち、ユーザにあっては、携帯電話機を使用するために、例えば、携帯電話機を手に持ったり、手に持たれている状態の携帯電話機を移動したり、鞄や衣服のポケットなどから携帯電話機を取り出したりする行為を行うだけで、機構的なボタン操作を要求することなく、一部の電力供給の抑制を解除することができる。このため、電源ボタン4を操作し易い位置に配置する必要がなく、デザイン上の制約から解放されて大画面化などの点でも有利なものとなり、利便性に富んだ実用効果の高いものとなる。
【0029】
所定の周辺デバイスは、タッチパネル8であり、第1の状態及び第2の状態に基づいてタッチパネル8への電力供給の抑制を解除してタッチ操作を受け付ける入力可能な状態とするようにしたので、省電力モード下でタッチパネル8への電力供給を抑制したとしても、携帯電話機を使用する直前で、タッチパネル8が起動されているために直ちにタッチ操作を行うことができる。
【0030】
タッチパネル8への電力供給の抑制を解除してから所定時間内にタッチ操作が行われなかった場合には、タッチパネル8への電力供給を再度抑制するようにしたので、携帯電話機が使用される可能性があるものとしてタッチパネル8を起動させたとしても、その後、タッチ操作が所定時間行われなければ、タッチパネル8への電力供給を再度抑制されるため、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0031】
タッチパネル8への電力供給の抑制を解除してから所定時間内にタッチ操作が行われた場合には、LCD7への電力供給の抑制を解除するようにしたので、ユーザにあってはタッチパネル8を触れた後、直ちにパスワードなどの入力状態をLCD7の表示内容で確認しながら入力操作を行うことが可能となる。
【0032】
LCD7への電力供給の抑制を解除してから所定時間内に省電力モードを解除する操作がタッチパネル8上で行われた場合には、通常の電力モードに切り換えるようにしたので、タッチパネル8上での操作で省電力モードから通常の電力モードに復帰させることができる。
【0033】
なお、上述した第1実施形態においては、タッチパネル8への電力供給の抑制を解除してから所定時間内にタッチ操作が行われたか否かを判別する場合に、その所定時間として無操作時間(タイマ設定値)TSを使用するようにしたが、これに限らない。同様に、LCD7への電力供給の抑制を解除してから所定時間内に省電力モードを解除する操作がタッチパネル8上で行われたか否かを判別する場合に、その所定時間として無操作時間(タイマ設定値)TSを使用するようにしたが、これに限らない。
【0034】
また、上述した第1実施形態においては、LCD7を照明するバックライト(図示省略)については言及しなかったが、LCD7への電力供給の抑制を解除した際に、バックライトを所定時間点灯させたり、点滅させたりすることによりユーザに対して操作を促すようにしてもよい。また、タッチパネル8が延長された延長部(タッチキー、タッチセンサ)を有する携帯電話機にあっては、その延長部に割り当てられている機能(例えば、音楽再生の停止、再生、早送り、巻き戻し)が該延長部へのタッチ操作で動作させるために省電力モードでもLCD7を全部真っ暗にしなくてもよい。
【0035】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、省電力モードにより電力供給が抑制される所定の周辺デバイスとしてタッチパネル8に適用した場合で、タッチパネル8への電力供給を抑制している状態において、速度センサ5及び照度センサ6の検出結果に応じてタッチパネル8への電力供給の抑制を解除するようにしたが、この第2実施形態においては、省電力モードにより電力供給が抑制される所定の周辺デバイスとしてカメラ(撮像装置)に適用した場合で、カメラへの電力供給を抑制している状態において、速度センサ5及び照度センサ6の検出結果に応じて、カメラへの電力供給の抑制を解除するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0036】
図6は、第2実施形態において携帯端末装置として適用したスマートフォンと呼ばれている多機能型の携帯電話機の基本的な構成を示したブロック図である。
この携帯電話機(スマートフォン)は、上述した第1実施形態と同様の機能のほか、第2実施形態においては、カメラ機能と、このカメラ機能により撮影された画像に基づいてユーザ確認(本人確認)を行う画像認識機能を有している。そして、携帯電話機は、第1実施形態と同様にCPU1を中核として、メモリ部2、タイマ部3、電源ボタン4、加速度センサ5、照度センサ6、LCD7、タッチパネル8、LCD電源9、LCDコントローラ10、タッチパネル電源11、タッチパネルコントローラ12を有している。更に、第2実施形態の携帯電話機には、カメラ13、カメラ電源14、カメラコントローラ15が設けられている。
【0037】
カメラ13は、省電力モードにおいて電力供給が抑制される所定の周辺デバイスで、被写体を撮影するCCDなどの撮像素子を有し、カメラコントローラ15によって制御される。そして、カメラ13は、携帯電話機の筐体の前面部においてタッチスクリーン(タッチ入力表示部)を構成するLCD7及びタッチパネル8の近傍(例えば、下側)に配設されている。つまり、カメラ13は、LCD7、タッチパネル8と同様に筐体の前面部に配設されている。カメラ電源14は、CPU1による制御の下、カメラコントローラ15、カメラ13に電力供給を行うもので、省電力モードではカメラ電源14を“OFF”することによりカメラコントローラ15、カメラ電源14への電力供給を抑制(遮断)するようにしている。
【0038】
図7は、第2実施形態において図4に続く携帯電話機の動作を示したフローチャートである。なお、第2実施形態においても図4のフローにしたがつた動作が行われる。
先ず、CPU1は、省電力モードにおいて加速度センサ5により検出された加速度値S1がその基準加速度値S以上であり(図4のステップS11でYES)、かつ照度センサ6により検出された照度値L1がその基準照度値L以上であれば(ステップS13でYES)、携帯電話機が使用される可能性が高いものとして、図7のフローに移り、カメラ電源14を“ON”することによりカメラ13及びカメラコントローラ15への電力供給の抑制を解除する(ステップS21)。これによってカメラ13が起動されて(ステップS22)、自動撮影が行われる(ステップS23)。そして、CPU1は、このカメラ13により撮影された画像を解析することにより人物の顔部分を検出することができたかを調べる(ステップS24)。
【0039】
いま、人物の顔を検出することができなければ(ステップS24でNO)、カメラ電源14を“OFF”することによりカメラ13及びカメラコントローラ15への電力供給を再度抑制する(ステップS27)。その後、加速度検出を行う図4のステップS10に戻る。また、人物の顔を検出することができたときには(ステップS24でYES)、ユーザ本人の画像として予め登録されている登録顔画像と照合することにより本人確認を行う(ステップS25)。その結果、本人でなければ(ステップS25でNO)、上述のステップS27に移り、カメラコント電源15を“OFF”することによりカメラ13及びカメラコントローラ15への電力供給を再度抑制するが、本人であると確認することができたときには(ステップS25でYES)、セキュリティロックを解除する(ステップS26)。そして、図4のステップS2に移行して、省電力モードから通常の電力モードに切り換える。
【0040】
以上のように、第2実施形態においてCPU1は、省電力モードによりカメラ13への電力供給を抑制している状態で、加速度センサ5により携帯電話機に加えられる振動が第1の状態として検出され、照度センサ6により携帯電話機の周囲の明るさが第2の状態として検出された場合に、この第1の状態及び第2の状態に基づいて、カメラ13への電力供給の抑制を解除して撮影可能な状態とするようにしたので、省電力モードへの切り換えによりカメラ13への電力供給を抑制したとしても、携帯電話機を使用する直前でカメラ13への電力供給の抑制を解除することでカメラを起動させることができる。
【0041】
そして、省電力モードにおいてカメラ13への電力供給の抑制を解除してからその撮影画像に基づいて、本人確認を行った結果、本人を確認することができなかった場合には、カメラ13への電力供給を再度抑制するようにしたので、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0042】
また、省電力モードにおいてカメラ13への電力供給の抑制を解除してからその撮影画像に基づいて、本人確認を行った結果、本人であれば、通常の電力モードに復帰するようにしたので、ユーザにあっては特別に意識することなく、その復帰を容易に実現することができ、利便性に富んだ実用効果の高いものとなる。
【0043】
なお、上述した各実施形態においては、携帯電話機に加えられる振動が加速度センサ5により第1の状態として検出され、携帯電話機の周囲の明るさが照度センサ6により第2の状態として検出された場合に、この第1の状態及び第2の状態に基づいて、所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除するようにしたが、第2の状態が所定の条件を満たしているか否かを判別し、その条件を満たしていると判別された場合に電力供給の抑制を解除するようにしてもよい。例えば、第2の状態が満たす条件を“時間帯”であるとすれば、深夜や早朝の時間帯では照度センサ6による検出結果を無視し、加速度センサ5による検出結果だけで電力供給の抑制を解除するようにしてもよい。これによって就寝中など、真っ暗な状態において、いつまでも電力供給の抑制を解除することができないという事態を防ぐことができる。
【0044】
また、上述した各実施形態においては、基準加速度値Sを固定値としたが、照度センサ6による検出結果に応じて基準加速度値Sを変更するようにしてもよい。例えば、照度センサ6が暗い状態であることを検出した場合に、基準加速度値Sを大きくするようにすれば、鞄やポケット内での小さな加速度検出で電力供給の抑制が解除されるような誤動作を防止することが可能となる。つまり、暗い状態では大きな加速度検出により電力供給の抑制を解除するようにすればよい。これによって就寝中など、真っ暗な状態において、いつまでも電力供給の抑制を解除することができないという事態を防ぐことが可能となる。
【0045】
また、上述した各実施形態においては、省電力モードにより所定の周辺デバイスへの電力供給を抑制する場合に、その電力供給を遮断するようにしたが、遮断に限らず、例えば、周辺デバイスに対して部分的に供給したり、供給電力量を下げたり、間欠的に供給したりするなど、電力供給の抑制の仕方は任意である。
【0046】
また、上述した各実施形態においては、加速度センサ5により検出された加速度値S1がその基準加速度値S以上、かつ照度センサ6により検出された照度値L1がその基準照度値L以上であれば、携帯電話機が使用される可能性が高いものと判別するようにしたが、加速度、照度の変化状態に応じて携帯電話機が使用される可能性が高いものと判別するようにしてもよい。すなわち、検出結果と閾値(基準加速度値S、基準照度値L)とを比較する場合に限らず、振動が急激に大きくなった場合などのように加速度の変化状態を検出したり、急激に明るくなった場合などのように照度の変化状態を検出したりすることにより、この加速度の変化状態、照度の変化状態に基づいて、携帯電話機が使用される可能性が高いものとして判別するようにしてもよい。
【0047】
また、上述した各実施形態においては、携帯電話機の表面あるいは周囲の状態を第2の状態として検出するセンサとして照度センサ6を例示したが、照度センサ6に限らず、例えば、人物が接近してくる状態を検出する誘導型・静電容量型・電磁波型・赤外線型などの近接センサであってもよく、更には、人体が触れたことを検出する接触センサや温度センタなどで、携帯電話機の表面あるいは周囲の状態を検出するようにしてもよい。
【0048】
上述した各実施形態においては、携帯端末装置として携帯電話機に適用した場合を示したが、携帯端末装置は、デジタルカメラ(コンパクトカメラ)、PDA(個人向け携帯型情報通信機器)、携帯型音楽プレイヤー、携帯型ゲーム機などであってもよい。
【0049】
その他、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0050】
上記の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、これに限定されるものではない。以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0051】
(付記1)
図8は、付記1の構成図である。この図に示すように、付記1記載の発明は、
電力供給を抑制していない通常の電力状態と、電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態との切り換えを行う電力切換手段101を備えた携帯端末装置であって、
当該携帯端末装置に加わる振動状態を第1の状態として検出する第1状態検出手段102(図1ではCPU1、加速度センサ5)と、
当該携帯端末装置の表面あるいは周囲の状態を第2の状態として検出する第2状態検出手段103(図1ではCPU1、照度センサ6)と、
前記電力切換手段101により省電力状態に切り換えられていることにより所定の周辺デバイス104(図1ではタッチパネル8、図6ではカメラ13)への電力供給が抑制されている場合に、前記第1状態検出手段102により検出される第1の状態及び前記第2状態検出手段103により検出される第2の状態に基づいて、前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する電力制御手段105(図1ではCPU1、LCD電源9、タッチパネル電源11、図6ではカメラ電源14)と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【0052】
(付記2)
前記所定の周辺デバイスは、タッチ操作に応じてデータを入力するタッチ入力手段であり、
前記電力制御手段は、前記第1状態検出手段により検出される第1の状態及び前記第2状態検出手段により検出される第2の状態に基づいて、前記タッチ入力手段への電力供給の抑制を解除してタッチ操作を受け付ける入力可能な状態とする、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【0053】
(付記3)
前記省電力状態において前記電力制御手段により前記タッチ入力手段への電力供給の抑制が解除されてから所定時間内に前記タッチ入力手段へのタッチ操作が行われたか否かを判別するタッチ操作判別手段を更に備え、
前記電力制御手段は、前記タッチ操作判別手段により所定時間内にタッチ操作が行われなかったと判別された際に、前記タッチ入力手段への電力供給を再度抑制する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の携帯端末装置。
【0054】
(付記4)
データを表示する表示手段を更に備え、
前記電力切換手段により省電力状態に切り換えられていることにより前記表示手段への電力供給が抑制されている場合において、前記電力制御手段は、前記タッチ操作判別手段により所定時間内にタッチ操作が行われたと判別された際に、前記表示手段への電力供給の抑制を解除する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の携帯端末装置。
【0055】
(付記5)
前記表示手段への電力供給の抑制が解除されてから所定時間内に前記タッチ入力手段から前記省電力状態を解除する操作が行われたかを判別する解除操作判別手段を更に備え、
前記電力切換手段は、前記解除操作判別手段により解除操作が前記タッチ入力手段で行われたと判別された場合に、前記省電力状態から前記通常の電力状態に切り換える、
ようにしたことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末装置。
【0056】
(付記6)
前記所定の周辺デバイスは、被写体を撮影する撮像手段であり、
前記電力制御手段は、前記第1状態検出手段により検出される第1の状態及び前記第2状態検出手段により検出される第2の状態に基づいて、前記撮像手段への電力供給の抑制を解除することにより撮像可能な状態とする、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【0057】
(付記7)
前記省電力状態において前記電力制御手段により前記撮像手段への電力供給の抑制が解除されてから当該撮像手段により撮影された画像に基づいて、本人確認を行う画像認識段を更に備え、
前記電力制御手段は、前記画像認識手段により本人であることが確認されなかった場合には、前記撮像手段への電力供給を再度抑制する、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の携帯端末装置。
【0058】
(付記8)
前記電力切換手段は、前記画像認識手段により本人であることが確認された場合に、前記省電力状態から前記通常の電力状態に切り換える、
ようにしたことを特徴とする請求項6あるいは請求項7に記載の携帯端末装置。
【0059】
(付記9)
前記電力制御手段は、前記タッチ入力手段前記第1状態検出手段により検出される第1の状態と前記第2状態検出手段により検出される第2の状態に基づいて、前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する場合に、前記第2状態検出手段により検出される第2の状態が所定の条件を満たすか否かを判別し、その条件を満たすと判別されることにより前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の携帯端末装置。
【0060】
(付記10)
コンピュータに対して、
電力供給を抑制していない通常の電力状態と、電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態との切り換えを行う機能と、
携帯端末装置に加わる振動状態を第1の状態として検出する機能と、
携帯端末装置の表面あるいは周囲の状態を第2の状態として検出する機能と、
前記省電力状態に切り換えられていることにより所定の周辺デバイスへの電力供給が抑制されている場合に、前記検出される第1の状態及び前記検出される第2の状態に基づいて、前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0061】
1 CPU
2 メモリ部
3 タイマ部
4 電源ボタン
5 加速度センサ
6 照度センサ
7 LCD
8 タッチパネル
9 LCD電源
10 LCDコントローラ
11 タッチパネル電源
12 タッチパネルコントローラ
13 カメラ
14 カメラ電源
15 カメラコントローラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給を抑制していない通常の電力状態と、電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態との切り換えを行う電力切換手段を備えた携帯端末装置であって、
当該携帯端末装置に加わる振動状態を第1の状態として検出する第1状態検出手段と、
当該携帯端末装置の表面あるいは周囲の状態を第2の状態として検出する第2状態検出手段と、
前記電力切換手段により省電力状態に切り換えられていることにより所定の周辺デバイスへの電力供給が抑制されている場合に、前記第1状態検出手段により検出される第1の状態及び前記第2状態検出手段により検出される第2の状態に基づいて、前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する電力制御手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記所定の周辺デバイスは、タッチ操作に応じてデータを入力するタッチ入力手段であり、
前記電力制御手段は、前記第1状態検出手段により検出される第1の状態及び前記第2状態検出手段により検出される第2の状態に基づいて、前記タッチ入力手段への電力供給の抑制を解除してタッチ操作を受け付ける入力可能な状態とする、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記省電力状態において前記電力制御手段により前記タッチ入力手段への電力供給の抑制が解除されてから所定時間内に前記タッチ入力手段へのタッチ操作が行われたか否かを判別するタッチ操作判別手段を更に備え、
前記電力制御手段は、前記タッチ操作判別手段により所定時間内にタッチ操作が行われなかったと判別された際に、前記タッチ入力手段への電力供給を再度抑制する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
データを表示する表示手段を更に備え、
前記電力切換手段により省電力状態に切り換えられていることにより前記表示手段への電力供給が抑制されている場合において、前記電力制御手段は、前記タッチ操作判別手段により所定時間内にタッチ操作が行われたと判別された際に、前記表示手段への電力供給の抑制を解除する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記表示手段への電力供給の抑制が解除されてから所定時間内に前記タッチ入力手段から前記省電力状態を解除する操作が行われたかを判別する解除操作判別手段を更に備え、
前記電力切換手段は、前記解除操作判別手段により解除操作が前記タッチ入力手段で行われたと判別された場合に、前記省電力状態から前記通常の電力状態に切り換える、
ようにしたことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記所定の周辺デバイスは、被写体を撮影する撮像手段であり、
前記電力制御手段は、前記第1状態検出手段により検出される第1の状態及び前記第2状態検出手段により検出される第2の状態に基づいて、前記撮像手段への電力供給の抑制を解除することにより撮像可能な状態とする、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記省電力状態において前記電力制御手段により前記撮像手段への電力供給の抑制が解除されてから当該撮像手段により撮影された画像に基づいて、本人確認を行う画像認識段を更に備え、
前記電力制御手段は、前記画像認識手段により本人であることが確認されなかった場合には、前記撮像手段への電力供給を再度抑制する、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記電力切換手段は、前記画像認識手段により本人であることが確認された場合に、前記省電力状態から前記通常の電力状態に切り換える、
ようにしたことを特徴とする請求項6あるいは請求項7に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
前記電力制御手段は、前記タッチ入力手段前記第1状態検出手段により検出される第1の状態と前記第2状態検出手段により検出される第2の状態に基づいて、前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する場合に、前記第2状態検出手段により検出される第2の状態が所定の条件を満たすか否かを判別し、その条件を満たすと判別されることにより前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の携帯端末装置。
【請求項10】
コンピュータに対して、
電力供給を抑制していない通常の電力状態と、電力供給を抑制して電力消費を節約する省電力状態との切り換えを行う機能と、
携帯端末装置に加わる振動状態を第1の状態として検出する機能と、
携帯端末装置の表面あるいは周囲の状態を第2の状態として検出する機能と、
前記省電力状態に切り換えられていることにより所定の周辺デバイスへの電力供給が抑制されている場合に、前記検出される第1の状態及び前記検出される第2の状態に基づいて、前記所定の周辺デバイスへの電力供給の抑制を解除する機能と、
を実現させるためのプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−69027(P2013−69027A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205747(P2011−205747)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】