説明

携帯端末装置及び情報取得方法

【課題】消費電力の増大を防止しつつ、情報取得時の操作性を向上させること。
【解決手段】開閉可能に接続された第1の筐体及び第2の筐体を備える携帯端末装置100であって、検出部101は、第1の筐体と第2の筐体とが、重なり合う閉状態と重ならない開状態とのどちらの状態にあるかを検出し、制御部102は、第1の筐体と第2の筐体との位置関係の、閉状態から開状態への変化が検出されるタイミングで、携帯端末装置100の現在位置、及び、現在位置の周辺の領域に関連する周辺情報を取得し、表示部103は、現在位置及び周辺情報を携帯端末装置100が有する画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置及び情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯端末装置では、携帯端末装置の現在位置情報に基づいて、携帯端末装置の周辺の領域に関連する情報(以下、周辺情報と称する)をリアルタイムに提示するサービスが提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、GPS(Global Positioning System)及び基地局情報等を利用して取得した携帯端末装置の現在位置情報と、周辺情報に関する位置情報とを照合し、双方の位置情報が一致した場合に当該周辺情報をユーザに提示する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、現在位置情報及び周辺情報を逐次更新して、携帯端末装置の現在位置から特定の範囲内に関連する周辺情報を提示する技術が開示されている。例えば、携帯端末装置は、任意のタイミング、一定距離移動したタイミング、又は、一定期間毎に現在位置情報及び周辺情報の更新を自動で行う。
【0005】
更に、携帯端末装置の操作性を考慮した、アプリケーションの起動方法が検討されている。例えば、特許文献3には、動作モードとして通常モードと節電モードを有する携帯端末装置において、節電モードから通常モードへの切替タイミングをトリガとして、特定のアプリケーションを起動させる技術が開示されている。これにより、ユーザは、アプリケーション起動のための操作の手間を省くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−147929号公報
【特許文献2】特開2000−339593号公報
【特許文献3】特開2007−018520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、携帯端末装置の位置が移動した場合等には、現在位置情報及び周辺情報の更新を手動で行う必要があり、ユーザにとって手間が掛かるという課題がある。
【0008】
これに対して、特許文献2に開示された従来技術では、一定期間毎に現在位置情報及び周辺情報の更新を自動で行うことで、現在位置情報及び周辺情報を取得する際にユーザの手間を省くことができる。しかしながら、特許文献2では、無駄な通信が発生し易くなり、携帯端末装置の消費電力が増大してしまうという課題がある。
【0009】
例えば、現在位置情報及び周辺情報を地図上で表示するナビゲーション機能を備えた携帯端末装置について説明する。この場合、携帯端末装置のユーザは、移動中に地図を確認し続けるよりは、或るポイント(設定された案内ポイント。例えば、案内経路上の交差点)毎に地図を確認し、移動中に地図を確認しないことが多いと考えられる。よって、特許文献2に開示された従来技術のように、現在位置情報及び周辺情報の更新を一定期間毎に自動で行うと、携帯端末装置のユーザが地図を確認していないタイミング(例えば移動中)でも更新処理が行われるので、無駄な通信が発生し、携帯端末装置の消費電力が増大してしまう。
【0010】
また、例えば、特許文献3に開示された従来技術を、特許文献1又は特許文献2に適用しても、節電モードから通常モードへの切替タイミングをトリガとして、特定のアプリケーションを起動することは可能であるが、アプリケーション起動後において、携帯端末装置の現在位置に応じた周辺情報を取得することができない。すなわち、携帯端末装置は、上記切替タイミングをトリガとして、特定のアプリケーションを起動することはできるが、携帯端末装置の現在位置に応じた周辺情報の更新を、手動(例えば、特許文献1と同様)又は一定間隔毎に自動(例えば、特許文献2と同様)で行う必要があり、上記同様の課題が残る。
【0011】
本発明の目的は、消費電力の増大を防止しつつ、情報取得時の操作性を向上させることができる携帯端末装置及び情報取得方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様に係る携帯端末装置は、開閉可能に接続された第1の筐体及び第2の筐体を備える携帯端末装置であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが、重なり合う閉状態と重ならない開状態とのどちらの状態にあるかを検出する検出手段と、前記第1の筐体と前記第2の筐体との位置関係の、前記閉状態から前記開状態への変化が検出されるタイミングで、前記携帯端末装置の現在位置、及び、前記現在位置の周辺の領域に関連する周辺情報を取得する制御手段と、前記現在位置及び前記周辺情報を前記携帯端末装置が有する画面に表示する表示手段と、を具備する構成を採る。
【0013】
本発明の第2の態様に係る情報取得方法は、開閉可能に接続された第1の筐体及び第2の筐体を備える携帯端末装置における情報取得方法であって、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが、重なり合う閉状態と重ならない開状態とのどちらの状態にあるかを検出する検出手段と、前記第1の筐体と前記第2の筐体との位置関係の、前記閉状態から前記開状態への変化が検出されるタイミングで、前記携帯端末装置の現在位置、及び、前記現在位置の周辺の領域に関連する周辺情報を取得する構成を採る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、閉状態から開状態への変化が検知されたタイミングで位置情報と周辺情報を取得する。これにより、不必要なタイミングでの情報の取得を削減しつつ、ユーザが情報を参照しようとしているタイミングで情報を更新できるので、消費電力の増大を防止しつつ、情報取得時の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る情報取得処理の流れを示す図
【図3】本発明の実施の形態1に係る情報取得処理の一例を示す図
【図4】本発明のその他の情報取得処理の流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の各実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与し、説明は省略する。
【0017】
なお、本発明に係る携帯端末装置は、開閉可能に接続された第1筐体及び第2筐体を備える。例えば、本発明に係る携帯端末装置は、表示面等を設けた第1筐体と操作部等を設けた第2筐体とが開閉可能(折り畳み自在)に接続された折り畳み型携帯電話機、又は、表示面等を設けた第1筐体に、操作部等を設けた第2筐体を、スライドレールを介してスライド可能に接続されたスライド式携帯電話機である。
【0018】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る携帯端末装置の構成を図1に示す。
【0019】
図1に示す携帯端末装置100において、検出部101は、携帯端末装置の開閉を検出する。具体的には、検出部101は、携帯端末装置100が備える第1筐体と第2筐体とが重ならない開状態、すなわち、携帯端末装置100の「開き」を検出し、「開き」を検出した旨を示す情報を制御部102に出力する。また、以下では、第1筐体と第2筐体とが重なり合う状態を閉状態と呼ぶ。
【0020】
制御部102は、携帯端末装置100の現在位置を示す現在位置情報、及び、携帯端末装置100の周辺の領域(周辺エリア)に関連する周辺情報をネットワーク側から取得する。周辺情報としては、例えば、携帯端末装置100の周辺エリアの地図を示す周辺地図情報、及び、携帯端末装置100の周辺エリアに存在する施設を示す周辺施設情報等がある。このとき、制御部102は、検出部101で携帯端末装置100の開状態が検出されるタイミングで、現在位置情報及び周辺情報を取得する。また、制御部102は、検出部101で検出される、携帯端末装置100の開閉状態が開状態の間、現在位置情報を更新し続ける。また、制御部102は、携帯端末装置100の開状態が検出されるタイミング以外のタイミングでは、周辺情報を取得(更新)しない。なお、ここで、開状態を検出するとは、携帯端末装置100が閉状態から開状態へ形態変化したタイミングのことを言い、開状態は含まない。そして、制御部102は、取得した現在位置情報及び周辺情報を表示部103に出力する。なお、開状態と閉状態とを検知する手段としては、例えば、一方の筐体に磁石を内蔵し、他方の筐体に磁気センサを内蔵し、磁界の変化によって検知を行うものが知られている。
【0021】
表示部103は、制御部102から入力される現在位置情報及び周辺情報を、携帯端末装置100が有する画面(例えば、上記第1筐体に設けられた表示面)に表示する。例えば、表示部103は、周辺情報として取得した周辺地図情報(携帯端末装置100の現在位置の周辺地図)上に、現在位置情報に示される携帯端末装置100の現在位置、及び、周辺情報として取得した周辺施設情報(携帯端末装置100の現在位置付近の周辺施設)等を、画面に表示する。
【0022】
次に、本実施の形態に係る携帯端末装置100における情報取得処理の詳細について説明する。
【0023】
図2は、本実施の形態に係る携帯端末装置100における情報取得処理の流れを示すフローチャートである。
【0024】
図2において、ステップ(以下、STと称する)101では、制御部102は、検出部101において、携帯端末装置100の開閉(開状態)を検出したか否かを判断する。携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されない場合(ST101:NO)、制御部102は何もせず、ST101の処理に戻る。
【0025】
携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出された場合(ST101:YES)、制御部102は、ST102において携帯端末装置100の周辺情報(周辺地図情報及び周辺施設情報)を取得し、ST103において携帯端末装置100の現在位置情報を取得する。
【0026】
ST104では、表示部103は、ST102で取得した周辺情報(周辺地図情報及び周辺施設情報)、及び、ST103で取得した現在位置情報を、携帯端末装置100が有する画面に表示する。
【0027】
ST105では、制御部102は、ST101の処理と同様、検出部101において、携帯端末装置100の開閉(開状態)を検出したか否かを判断する。
【0028】
携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されない場合(ST105:NO)、制御部102は、ST103の処理に戻り、現在位置情報を取得(更新)する。つまり、制御部102は、ST101又はST105において携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されたタイミングから、次にST105において携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されるタイミングまでの間、ST103において現在位置情報を取得(更新)し続ける。なお、携帯端末装置100の開閉状態が開状態から閉状態に遷移した場合には、携帯端末装置100は、ST103の処理(現在位置情報の取得処理)及びST104の処理(表示処理)を行わなくてもよい(図示せず)。すなわち、制御部102は、携帯端末の開閉状態が開状態の間、ST103において現在位置情報を取得(更新)し、ST104において、更新された現在位置の表示を更新し続ける。
【0029】
一方、携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出された場合(ST105:YES)、制御部102は、ST102の処理に戻り、周辺情報(周辺地図情報及び周辺施設情報)を取得(更新)し、ST103において現在位置情報を取得(更新)する。つまり、制御部102は、ST101又はST105において携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されたタイミングでのみ、周辺情報(周辺地図情報及び周辺施設情報)を取得(更新)する。
【0030】
換言すると、制御部102は、ST101又はST105において携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されたタイミングから、次にST105において携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されるタイミングまでの間、周辺情報(周辺地図情報及び周辺施設情報)を取得(更新)しない。すなわち、制御部102は、携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されるタイミング以外のタイミングでは、周辺情報(周辺地図情報及び周辺施設情報)を取得(更新)しない。
【0031】
次に、本実施の形態に係る携帯端末装置100における情報取得処理の一例について説明する。
【0032】
ここでは、図3A〜図3Cに示すように、携帯端末装置100は、携帯端末装置100の現在位置、及び、携帯端末装置100の周辺エリアに存在する周辺施設を、周辺地図上に表示するナビゲーション機能を備える場合について説明する。
【0033】
まず、携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されたタイミングで(図2に示すST101:YES)、制御部102は、周辺情報(周辺地図情報及び周辺施設情報)を取得し(ST102)、携帯端末装置100の現在位置情報を取得する(ST103)。
【0034】
そして、表示部103は、図3Aに示すように、携帯端末装置100の周辺地図上に、取得した携帯端末装置100の現在位置及び周辺施設を表示する(ST104)。
【0035】
次いで、携帯端末装置100が開状態のまま移動したとする(すなわち、図2に示すST105:NOの判定を繰り返すとする)。この場合、制御部102は、携帯端末装置100の現在位置情報のみを取得(更新)し続ける。そして、表示部103は、図3Bに示すように、携帯端末装置100の周辺地図上に、携帯端末装置100の現在位置を更新し続ける。ここで、図3Aと図3Bとを比較すると、携帯端末装置100の現在位置は更新されているのに対して、周辺地図及び周辺施設は更新されず、画面上で固定されたままである。つまり、携帯端末装置100が図3Aに示す現在位置から図3Bに示す現在位置へ移動した場合には、携帯端末装置100の現在位置を示す地図上のマーカーのみが、携帯端末装置100の実際の移動に応じて更新される。
【0036】
次いで、携帯端末装置100において開閉(開状態)が再び検出されると(図2に示すST105:YES)、制御部102は、周辺情報(周辺地図情報及び周辺施設情報)を取得し(図2に示すST102)、携帯端末装置100の現在位置情報を取得する(図2に示すST103)。そして、表示部103は、図3Cに示すように、取得した周辺情報及び現在位置情報に基づいて、携帯端末装置100の現在位置、周辺地図及び周辺施設をそれぞれ更新する。ここで、図3Bと図3Cとを比較すると、携帯端末装置100の現在位置、周辺地図及び周辺施設の表示内容(表示位置等)がそれぞれ更新されている。
【0037】
このように、携帯端末装置100は、携帯端末装置100の開閉状態が開状態になるタイミングで周辺情報を更新する。つまり、携帯端末装置100は、携帯端末装置100の開閉状態が開状態となるタイミングをトリガとして周辺情報を取得する。すなわち、携帯端末装置100では、周辺情報取得のための特定の操作を行うことなく、携帯端末装置100の開閉操作という一般的な操作を行うだけで、周辺情報を取得(更新)するので、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0038】
ここで、携帯端末装置100の開閉状態が開状態になるタイミングは、ユーザが携帯端末装置100の画面上に表示された各種情報(現在位置、周辺地図及び周辺施設等)の確認を要するタイミングである可能性が高い。つまり、ユーザが地図を確認していないタイミング(例えば移動中)で、携帯端末装置100の開閉状態が開状態になる可能性は低く、各種情報の更新処理が行われる可能性が低い。つまり、本実施の形態では、現在位置情報及び周辺情報を或る一定の間隔毎に自動で取得する場合と比較して、無駄な更新処理(例えば、ユーザが確認を要していないタイミングでの各種情報の更新処理)の発生を抑え、情報取得処理における消費電力を抑えることが可能となる。
【0039】
更に、携帯端末装置100は、携帯端末装置100の開閉状態が開状態である間、携帯端末装置100の現在位置情報を更新し続ける。つまり、携帯端末装置100の開閉状態が開状態である間、つまり、ユーザが現在位置又は周辺エリアを確認している可能性が高い間、携帯端末装置100(つまり、ユーザ)の現在位置が自動で更新される。これにより、ユーザは開状態において現在位置情報取得のための特定の操作を行う必要が無くなるので、ユーザの操作性を向上させることができる。なお、この場合であっても、周辺情報の更新は行わないので、従来技術と比べて消費電力を抑えることができる。
【0040】
よって、本実施の形態によれば、消費電力の増大を防止しつつ、情報取得時の操作性を向上させることができる。
【0041】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る携帯端末装置100(図1)において、制御部102は、実施の形態1と同様、現在位置情報及び周辺情報をネットワーク側から取得する。このとき、制御部102は、検出部101で携帯端末装置100の開状態が検出されるタイミングにおいて、現在位置情報を取得するとともに、携帯端末装置100が有する画面に同時に表示可能な領域よりも広い領域に関連する周辺情報を取得する。また、制御部102は、実施の形態1と同様、検出部101で検出される、携帯端末装置100の開閉状態が開状態の間、現在位置情報を更新し続ける。
【0042】
表示部103は、実施の形態1と同様、制御部102から入力される現在位置情報及び周辺情報を、携帯端末装置100が有する画面に表示する。このとき、表示部103は、携帯端末装置100の現在位置に基づいて、制御部102で取得された周辺情報を、画面に表示可能な領域分(例えば、現在位置により近い領域)だけ表示する。また、表示部103は、例えば、携帯端末装置100が移動することにより携帯端末装置100の現在位置が画面に現時点で表示されている領域を超える場合、制御部102で取得された周辺情報の中から、現時点の携帯端末装置100の現在位置(移動後の現在位置)に対応する情報(例えば、移動後の現在位置により近い領域に関連する情報)を抽出し、画面表示を更新する。
【0043】
例えば、携帯端末装置100が有する画面に表示可能な領域分の周辺情報のみを取得した場合には、携帯端末装置100の現在位置が画面に表示されている周辺エリアを超えると、その時点で周辺情報をネットワーク側から新たに取得するか、又は、次の情報取得のタイミングまで画面表示の更新を待機させる必要がある。
【0044】
これに対して、携帯端末装置100は、画面に同時に表示可能な領域よりも広い領域の周辺情報を一度に取得することで、携帯端末装置100の現在位置が画面に表示されている周辺エリアを超えた場合でも、周辺情報を新たに取得することなく、携帯端末装置100の移動に応じて適切な周辺エリアを表示することが可能となる。
【0045】
このようにして、本実施の形態では、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、かつ、画面に表示可能な領域分の周辺情報のみを一度に取得する場合と比較して、GPS又は基地局情報等を用いた周辺情報取得の回数をより低減することができ、消費電力を更に低減することができる。
【0046】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る携帯端末装置100(図1)において、制御部102で取得される周辺情報の一つである周辺施設情報には、携帯端末装置100の周辺エリアに存在する施設に関連する情報として時刻情報を含む。
【0047】
例えば、周辺施設情報には、或る施設に関連する情報として、その施設の位置情報、及び、その施設の時刻情報(例えば、営業開始時刻及び営業終了時刻等)を含む。
【0048】
表示部103は、実施の形態1と同様、制御部102から入力される現在位置情報及び周辺情報を、携帯端末装置100が有する画面に表示する。ただし、表示部103は、周辺情報として取得した周辺施設情報のうち、現在時刻に対応する時刻情報を含む周辺施設情報のみを画面に表示する。
【0049】
つまり、現在時刻が、周辺施設情報に含まれる時刻情報(例えば、営業開始時刻及び営業終了時刻)により示される時間帯外(営業時間(営業開始時刻〜営業終了時刻)外)である場合、表示部103は、当該周辺施設情報を画面に表示しない。
【0050】
このように、携帯端末装置100は、ユーザが画面を確認する時刻(時間帯)に応じて、画面に表示する内容を変更する。これにより、ユーザは、携帯端末装置100に対して特定の操作を行うことなく、現在の時間帯に適した周辺情報のみを確認できる。
【0051】
このようにして、本実施の形態では、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、かつ、ユーザの利便性を向上させることができる。なお、周辺施設情報を表示する際には、各施設の営業時間等を併せて表示するとしても良い。
【0052】
(実施の形態4)
本実施の形態に係る携帯端末装置100(図1)は、実施の形態1の構成に加え、携帯端末装置100の移動距離及び、携帯端末装置100の移動方向の推測に用いる情報を収集(取得)するセンサを更に具備する。例えば、携帯端末装置100は、加速度センサ(ジャイロセンサ)及び方位センサを具備する。
【0053】
制御部102は、実施の形態1の処理に加え、取得した現在位置情報に示される現在位置と、速度センサ及び方位センサにより計測された情報を元に得られる、携帯端末装置100の移動距離及び移動方向とに基づいて、携帯端末装置100の現在位置を更新する。
【0054】
具体的には、制御部102は、携帯端末装置100の開状態が検出されるタイミングで
取得した現在位置情報に示される現在位置と、速度センサにより計測された携帯端末装置100の速度を時間で積分することで求められる移動距離、及び方位センサにより計測された携帯端末装置100の移動方向に基づいて、移動後の携帯端末装置100の位置(現時点の位置)を推定する。なお、速度センサに替えて、加速度センサを用い、計測された加速度の統計を使って移動距離を求めることも可能である。この場合、加速度を時間で積分することで速度が求められ、その速度を時間で積分することで移動距離が求められる。近年、加速度センサは、携帯端末装置100に対するジェスチャ入力等でも用いられているので、加速度センサを用いる方が既存の携帯端末100の構成を大きく変えずに本実施の形態の機能を実現できる。
【0055】
ここで、制御部102は、実施の形態1と同様、携帯端末装置100の開閉状態が開状態の間、現在位置を更新し続ける。ただし、実施の形態1では、GPS又は基地局情報を利用して現在位置情報をネットワーク側から取得することにより、携帯端末装置100の現在位置を更新し続けている。これに対して、本実施の形態では、携帯端末装置100は、ネットワーク側から現在位置情報を取得せずに、携帯端末装置100に備えられた速度センサ及び方位センサを用いて携帯端末装置100の位置を推定することにより、現在位置を更新し続ける。すなわち、本実施の形態では、実施の形態1と比較して、ネットワーク側に対する現在位置情報の取得回数を低減させることができる。また、GPSからの信号を受信しにくい地下など、現在位置情報の更新が難しい場合であっても現在位置の変化を表示内容に反映することができる。
【0056】
例えば、携帯端末装置100は、携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されたタイミングでのみ、現在位置情報及び周辺情報を取得(更新)してもよい。そして、携帯端末装置100は、携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されたタイミングから、次に携帯端末装置100の開閉(開状態)が検出されるタイミングまでの間では、加速度センサ及び方位センサを用いて推定される現在位置を用いて、画面に表示される現在位置を更新し続けてもよい。
【0057】
これにより、本実施の形態では、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、かつ、実施の形態1とを比較して、現在位置情報の取得回数をより低減することができ、消費電力を低減することができる。
【0058】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0059】
なお、上記実施の形態では、一例として、携帯端末装置がナビゲーション機能を有する場合、つまり、携帯端末装置を利用するユーザが地図上における現在位置を確認しつつ移動することを想定した場合について説明したが、本発明ではこれに限らない。例えば、携帯端末装置は、図4に示すように、前回の携帯端末装置の開閉を検出してから、次の携帯端末装置の開閉を検出するまで(つまり、ST105:NOの判定を繰り返す間)、いずれの情報も取得せずに、ST104において前回の携帯端末装置の開閉の検出時に取得した情報を表示し続けてもよい。すなわち、携帯端末装置の開閉が検出されるタイミング、つまり、ユーザが現在位置、周辺施設及び周辺地図の情報を確実に必要としているタイミングのみで、これらの情報が更新される。これにより、携帯端末装置では、上記実施の形態よりも消費電力の増大を防止することが可能となる。
【0060】
また、上記実施の形態では、携帯端末装置100の開閉状態が開状態である間、現在位置を更新し続けていたが、これに限られるものではない。上述したとおり移動中等に情報を確認する可能性は比較的低いと考えられるので、次に開閉状態が開状態になるタイミングまで現在位置の更新も行わないとしても良い。これにより、移動中に情報を確認しないような用途の場合は、ユーザに不便を感じさせることなく、消費電力を効果的に抑えることができる。
【0061】
また、上記実施の形態では、周辺情報は、携帯端末装置100の開状態が検出されたタイミングでのみ更新していたが、これに限られるものではない。例えば、開状態が維持されている場合であっても、ユーザからの指示があれば、周辺情報を更新するとしても良い。
【0062】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0063】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0064】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0065】
また、上記の実施の形態に用いた各機能ブロックもしくは動作は、ハード的に実現しても良いし、これらを実現するプログラムもしくはそのプログラムを記憶したプログラム記憶媒体を用いて実現しても良い。
【0066】
また、上述した実施の形態およびその変形例を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、開閉可能に接続された第1筐体及び第2筐体を備える携帯端末装置等に有用である。
【符号の説明】
【0068】
100 携帯端末装置
101 検出部
102 制御部
103 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能に接続された第1の筐体及び第2の筐体を備える携帯端末装置であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが、重なり合う閉状態と重ならない開状態とのどちらの状態にあるかを検出する検出手段と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体との位置関係の、前記閉状態から前記開状態への変化が検出されるタイミングで、前記携帯端末装置の現在位置、及び、前記現在位置の周辺の領域に関連する周辺情報を取得する制御手段と、
前記現在位置及び前記周辺情報を前記携帯端末装置が有する画面に表示する表示手段と、
を具備する携帯端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記閉状態から前記開状態への変化があったタイミング以外のタイミングでは、前記周辺情報を取得しない、
請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記開状態の間、前記現在位置を更新し続ける、
請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の筐体と第2の筐体との位置関係が前記閉状態から前記開状態へ変化したタイミングで、前記画面に同時に表示可能な領域よりも広い領域に関連する前記周辺情報を取得し、
前記表示手段は、前記携帯端末装置の現在位置に基づいて、取得された前記周辺情報のうち、前記画面に表示可能な領域分の情報を表示する、
請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記周辺情報は、前記周辺の領域に存在する施設に関連する時刻情報を含み、
前記表示手段は、前記周辺情報のうち、現在時刻に対応する前記時刻情報を持つ施設の情報を前記画面に表示する、
請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記携帯端末装置に備えられたセンサにて検出される情報を元に、当該携帯端末装置の移動距離及び移動方向を取得する取得手段を更に具備し、
前記制御手段は、取得した前記現在位置と、前記センサにより計測された前記移動距離及び前記移動方向と、に基づいて、前記現在位置を更新する、
請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項7】
開閉可能に接続された第1の筐体及び第2の筐体を備える携帯端末装置における情報取得方法であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが、重なり合う閉状態と重ならない開状態とのどちらの状態にあるかを検出する検出手段と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体との位置関係の、前記閉状態から前記開状態への変化が検出されるタイミングで、前記携帯端末装置の現在位置、及び、前記現在位置の周辺の領域に関連する周辺情報を取得する、
情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−54821(P2012−54821A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196744(P2010−196744)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】