説明

携帯端末装置及び3D画像表示方法

【課題】液晶シャッタ付眼鏡を用いたり、テレビジョンに対して正対したりすることがなく、誰でもが手軽に3D画像を視聴することができる携帯端末装置及び3D画像表示方法を提供する。
【解決手段】3Dテレビから3D画像を構成する右目用画像及び左目用画像の切替情報を受信する受信部3及び切替信号受信部41と、受信された切替情報に基づいて右目用画像及び左目用画像を撮影するカメラ2及びカメラ制御部42と、撮影された右目用画像及び左目用画像から3Dテレビの表示領域を切出す画像切出し部43と、切出された3Dテレビの表示領域を表示部5に合わせて射影変換する画像変形部44と、射影変換された右目用画像及び左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換する3D方式変換部45と、視差バリア方式に変換された3D画像を表示部5に表示する3D表示部46と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラを搭載した携帯電話やスマートフォン等の携帯端末装置及び該携帯端末装置における3D画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体画像(3D画像)を表示可能なテレビジョンが開発されている。特許文献1には、視差分割方式による立体視映像の代わりに、交差法や平行法の裸眼立体視映像を表示させることができる立体視映像表示装置が記載されている。また、特許文献2には、3D画像を表示可能な携帯電話が記載されている。特許文献2に記載されている携帯電話は、2個のカメラを備え、これらのカメラで撮影して得られた3D画像をモバイル通信網や無線LANを介して他の携帯電話に伝送し、当該他の携帯電話では、受信した3D画像をハーフミラーや凹面鏡からなる立体表示部材に投影して虚像が空間に浮かんでいるように表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−318421号公報
【特許文献2】特開2010−141447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在発売されている3D画像を表示可能なテレビジョンは、3D画像の臨場感の高さから、その効果が十分に理解されているものの、視聴する人数分だけ液晶シャッタ付眼鏡が必要であったり、当該テレビジョンに対して正対して見たりする必要があるなど、手軽に誰でもが視聴できるという状態にはなっていない。
【0005】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、液晶シャッタ付眼鏡を用いたり、テレビジョンに対して正対したりすることがなく、誰でもが手軽に3D画像を視聴することができる携帯端末装置及び3D画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末装置は、表示装置に表示されるフレームシーケンシャル方式の3D画像を撮影可能な携帯端末装置であって、前記表示装置から前記3D画像を構成する右目用画像及び左目用画像の切替情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信される前記切替情報に基づいて、前記右目用画像及び前記左目用画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換する変換手段と、前記変換手段で前記視差バリア方式に変換された前記3D画像を表示する表示手段と、を備えた。
【0007】
上記構成によれば、3D画像を表示可能な表示装置(例えば、テレビジョン)から切替情報を受信し、当該切替情報に基づいて、右目用画像と左目用画像を撮影し、撮影した右目用画像と左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換して表示するので、液晶シャッタ付眼鏡を用いたり、テレビジョンに対して正対したりすることがなく、誰でもが手軽に3D画像を視聴することができる。
【0008】
上記構成において、前記撮影手段で撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像から前記表示装置の表示領域を切出す切出し手段を備えた。
【0009】
上記構成によれば、表示装置の表示領域のみを携帯端末装置で表示するので、表示装置と同様の3D画像を視聴することができる。
【0010】
上記構成において、前記切出し手段で切出された前記表示装置の表示領域を前記表示手段に合わせて射影変換する射影変換手段を備えた。
【0011】
上記構成によれば、表示装置に表示される3D画像を表示手段の画面内に収めることができる。
【0012】
上記構成において、前記撮影手段で撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像に前記表示装置の外形全体が含まれていない場合、前記表示装置の外形全体が含まれるように前記撮影手段にズームアウトを指示するズームアウト指示手段を備えた。
【0013】
上記構成によれば、表示装置の外形全体を携帯端末装置の表示手段の画面内に収めることができる。
【0014】
上記構成において、前記撮影手段で撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像に前記表示装置の外形全体が含まれていない場合、前記撮影手段を向けるべき方向に関する指示を前記表示手段に与えて当該指示に対応する表示を行わせる方向指示手段を備えた。
【0015】
上記構成によれば、ユーザに写して欲しい方向を指示するので、確実に表示装置の外形全体を携帯端末装置の表示手段の画面内に収めることができる。
【0016】
本発明の3D画像表示方法は、表示装置に表示されるフレームシーケンシャル方式の3D画像を撮影可能な携帯端末装置における3D画像表示方法であって、前記表示装置から前記3D画像を構成する右目用画像及び左目用画像の切替情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信される前記切替情報に基づいて、前記右目用画像及び前記左目用画像を撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップで撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換する変換ステップと、前記変換ステップで前記視差バリア方式に変換された前記3D画像を表示する表示ステップと、を備えた。
【0017】
上記方法によれば、3D画像を表示可能な表示装置(例えば、テレビジョン)から切替情報を受信し、当該切替情報に基づいて、右目用画像と左目用画像を撮影し、撮影した右目用画像と左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換して表示するので、液晶シャッタ付眼鏡を用いたり、テレビジョンに対して正対したりすることがなく、誰でもが手軽に3D画像を視聴することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、液晶シャッタ付眼鏡を用いたり、テレビジョンに対して正対したりすることがなく、誰でもが手軽に3D画像を視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図2】図1の携帯端末装置のカメラで3Dテレビを撮影している様子を示す図
【図3】図1の携帯端末装置のカメラで3Dテレビを撮影している画像のイメージを示す図
【図4】図1の携帯端末装置の射影変換処理のイメージを示す図
【図5】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、3Dテレビのテレビ領域全体が撮影された例を示す図
【図6】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、3Dテレビのテレビ領域全体の4辺が微妙に撮影された例を示す図
【図7】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、3Dテレビのテレビ領域の3辺が撮影された例を示す図
【図8】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、3Dテレビのテレビ領域の3辺が微妙に撮影された例を示す図
【図9】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、3Dテレビのテレビ領域の一部が撮影された例を示す図
【図10】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、3Dテレビのテレビ領域の一部が撮影された例を示す図
【図11】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、テレビ領域に対して画像がズームアップで撮影された例を示す図
【図12】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、テレビ領域の一辺が撮れている例を示す図
【図13】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、過去のデータを知識として使用して変換する例を示す図
【図14】図1の携帯端末装置の射影変換処理を説明するための図であって、過去のデータを知識として使用して変換する例を示す図
【図15】図1の携帯端末装置の3D画像表示処理を説明するためのフローチャート
【図16】図1の携帯端末装置の画像変形部の射影変換処理を説明するためのフローチャート
【図17】図1の携帯端末装置において、テレビ領域に対して外接四角形を作成した状態を示す図
【図18】本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図19】図18の携帯端末装置の画像変形部の射影変換処理を説明するためのフローチャート
【図20】本発明の実施の形態3に係る携帯端末装置の概略構成を示すブロック図
【図21】図20の携帯端末装置におけるカメラ方向指示の具体例を示す図
【図22】図20の携帯端末装置における方向指示処理を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施の形態に係る携帯端末装置1は、カメラを搭載した携帯電話やスマートフォン等の携帯端末装置であり、カメラ2と、受信部3と、信号処理部4と、表示部5とを備えている。
【0022】
カメラ2は、被写体を撮影する。本実施の形態では、フレームシーケンシャル方式の3Dテレビジョン(図示略、以下“3Dテレビ”と呼ぶ)に映し出される画像を撮影する。受信部3は、3Dテレビから送信される、3D画像を構成する右目用画像及び左目用画像の切替信号(切替情報)を受信する。ここで、フレームシーケンシャル方式とは、右目用画像と左目用画像を高速で交互に表示し、その画像を専用の液晶シャッタ付眼鏡を通して見る方式である。液晶シャッタ付眼鏡は、左右のレンズが交互に開閉するように設計されており、切替情報に基づいて左右のレンズを交互に開閉させる。
【0023】
信号処理部4は、切替信号受信部41と、カメラ制御部42と、画像切出し部43と、画像変形部44と、3D方式変換部45と、3D表示部46とを備える。信号処理部4を構成する各部41〜46はソフトウェア的な構成であっても良いし、ハードウェア的な構成であっても良い。または、ソフトウェアとハードウェアを混在した構成であっても良い。
【0024】
切替信号受信部41は、受信部3で受信された切替信号をカメラ制御部42へ出力する。カメラ制御部42は、切替信号受信部41からの切替信号に基づいてカメラ2を制御し、右目用画像及び左目用画像を撮影する。即ち、カメラ制御部42は、切替信号に基づいてカメラ2のシャッタを切り続け、右目用画像と左目用画像を交互に撮影する。切替信号に基づいて右目用画像及び左目用画像を撮影することで、3Dテレビに左右交互に表示される画像と同期させることができ、3Dテレビの画像を携帯端末装置1で再生することが可能となる。
【0025】
画像切出し部43は、カメラ制御部42で撮影された右目用画像及び左目用画像から3Dテレビの表示領域を切出す。画像変形部44は、画像切出し部43で切出された3Dテレビの表示領域を表示部5に合わせて射影変換する。画像を射影変換することにより、3Dテレビに表示される3D画像を表示部5の画面内に納めることができる。3D方式変換部45は、画像変形部44で射影変換された右目用画像及び左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換する。3D表示部46は、3D方式変換部45で視差バリア方式に変換された3D画像を表示部5に表示する。
【0026】
なお、カメラ2とカメラ制御部42は撮影手段を構成する。また、受信部3と切替信号受信部41は受信手段を構成する。また、3D方式変換部45は変換手段に対応する。また、3D表示部46と表示部5は表示手段を構成する。また、画像切出し部43は切出し手段に対応する。また、画像変形部44は射影変換手段に対応する。また、3Dテレビ100(図2参照)は表示装置に対応する。
【0027】
図2は、本実施の形態に係る携帯端末装置1のカメラ2で3Dテレビ100を撮影している様子を示す図である。同図において、3Dテレビ100の画面には右目用画像と左目用画像が交互に表示される。また、3Dテレビ100から切替信号が送信される。即ち、携帯端末装置1は、カメラ2で3Dテレビ100を撮影するとともに、3Dテレビ100から送信される切替信号を受信する。撮影画像より、テレビ画像の領域(テレビ領域)を切出し、携帯端末装置1の表示向きに合わせて射影変換する。テレビ領域は、画像2枚の差分を取り、変化している部分となる。携帯端末装置1は、射影変換した右目用画像及び左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換し、表示する。
【0028】
図3は、本実施の形態に係る携帯端末装置1のカメラ2で3Dテレビ100を撮影している画像のイメージを示す図である。同図に示すように、カメラ2で撮影される範囲200内にテレビ画像300があり、また、このテレビ画像300中に3Dテレビ100のテレビ領域(表示領域)301がある。図4は、携帯端末装置1における射影変換のイメージを示す図である。同図の(a)に示すように、テレビ領域301の4つの端部(頂点)P1〜P4をカメラ2で撮影される範囲(カメラ撮影範囲)200の4つの端部(対応点)D1〜D4に揃うように変換することで、同図の(b)に示すように、テレビ領域301をカメラ撮影範囲200内に収めることができる。以上のような処理によって、液晶シャッタ付眼鏡を使用することなく、携帯端末装置1にて3Dテレビ100の画面に映し出された3D画像を見ることができる。
【0029】
次に、図5〜図14を参照して、射影変換の具体例について説明する。
(具体例1)
図5は、3Dテレビ100のテレビ領域301全体が撮影された例を示す図である。同図に示す例では、携帯端末装置1の向きから3Dテレビ100の回転方向を算出した後、テレビ領域301の4頂点P1〜P4を求め、カメラ撮影範囲200の各対応点D1〜D4を合わせるように射影変換を行う。
【0030】
(具体例2)
図6は、3Dテレビ100のテレビ領域301全体の4辺が微妙に撮影された例を示す図である。同図に示す例では、携帯端末装置1の向きから3Dテレビ100の回転方向を算出した後、テレビ領域301の直線部分を延長し(点線で示した部分)、矩形を作成する。そして、作成した矩形の4頂点P1〜P4を求め、カメラ撮影範囲200の各対応点D1〜D4を合わせるように射影変換を行う。
【0031】
(具体例3)
図7は、3Dテレビ100のテレビ領域301の3辺が撮影された(2頂点が撮影された)例を示す図である。同図に示す例では、携帯端末装置1の向きから3Dテレビ100の回転方向を算出した後、テレビ領域301の2頂点P1,P3とカメラ撮影範囲200の端にある2頂点P2,P4を用いて、カメラ撮影範囲200の各対応点D1〜D4を合わせるように射影変換を行う。
【0032】
(具体例4)
図8は、3Dテレビ100のテレビ領域301の3辺が微妙に撮影された(2頂点が撮影されない)例を示す図である。同図に示す例では、携帯端末装置1の向きから3Dテレビ100の回転方向を算出した後、テレビ領域301の直線部分を延長し(点線で示した部分)、頂点P1を作成する。そして、作成した頂点P1と、撮影された頂点P3と、カメラ撮影範囲200にある2頂点P2,P4とを用いて、カメラ撮影範囲200の各対応点D1〜D4を合わせるように射影変換を行う。
【0033】
(具体例5)
図9は、3Dテレビ100のテレビ領域301の一部(隣り合う2辺)が撮影された例を示す図である。同図に示す例では、携帯端末装置1の向きから3Dテレビ100の回転方向を算出した後、撮影されるテレビ領域301の1頂点P2と端にある3頂点P1,P3,P4とを用いて、カメラ撮影範囲200の各対応点D1〜D4を合わせるように射影変換を行う。
【0034】
(具体例6)
図10は、3Dテレビ100のテレビ領域301の一部(平行な2辺)が撮影された例を示す図である。同図に示す例では、携帯端末装置1の向きから3Dテレビ100の回転方向を算出した後、テレビ領域301の端にある4頂点P1〜P4を用いて、カメラ撮影範囲200の各対応点D1〜D4を合わせるように射影変換を行う。
【0035】
(具体例7)
図11は、テレビ領域301に対して画像がズームアップ(所謂“ドアップ”)で撮影された例を示す図である。同図に示す例では、携帯端末装置1の向きから3Dテレビ100の回転方向を算出した後、当該回転方向を基に画像を回転させることで射影変換を行う。
【0036】
(具体例8)
図12は、テレビ領域301の一辺が撮れている例を示す図である。同図に示す例では、携帯端末装置1の向きから3Dテレビ100の回転方向を算出した後、テレビ領域301の撮影されている辺3011と3Dテレビ100の回転方向から4辺のいずれかを特定し、所定の辺に納まるように画像を回転させることで射影変換を行う。
【0037】
(具体例9)
上述した各具体例1〜8の他の具体例として、写っている範囲を固定する方法がある。
最初に全体が撮影できていた場合、次にテレビ領域301の一部しか写されていないときや、一部が欠けたときに、全体が撮影できていたときの目印情報、例えばメーカのロゴなどを合わせるように射影変換を行うことで、テレビ領域301の大小の急激な変化を生じさせないようにする。
【0038】
図13は、過去のデータを知識として使用して変換する例を示す図である。同図に示す例は、具体例3のように、3辺が撮影される(2頂点が撮影される)場合と、具体例4のように、3辺が微妙に撮影される(2頂点が撮影されない)場合に適用できる。3Dテレビ100のロゴマーク(例えば“Panasonic”)3012が撮影されていれば、そのロゴマーク3012を基に変換するためのパラメータを決定するか、または単純にテレビ領域301の2頂点P1,P3と、ロゴマーク3012を基に射影変換する。なお、ロゴマーク3012が撮影されていなければ、撮影された2頂点P1,P3と、テレビ領域301の端にある2頂点P2’,P4’を用いて、カメラ撮影範囲200の各対応点D1〜D4を合わせるように射影変換を行う。写っていない領域(この場合、車両の後部)は前の画像302を参照するとよい。
【0039】
(具体例10)
図14は、前述した図13と同様に、過去のデータを知識として使用して変換する例を示す図である。同図に示す例は、具体例5のように、一部が撮影される(隣り合う2辺)場合と、具体例6のように、一部が撮影される(平行な2辺)場合と、具体例8のように、一辺が撮れている場合に適応できる。3Dテレビ100のロゴマーク(例えば“Panasonic”)3012が撮影されていれば、そのロゴマーク3012を基に変換するためのパラメータを決定するか、または単純にロゴマーク3012を基に射影変換する。なお、写っていない領域(この場合、車両の後部)は前の画像を参照するとよい。
【0040】
次に、本実施の形態に係る携帯端末装置1の動作について説明する。
図15は、本実施の形態に係る携帯端末装置1の3D画像表示処理を説明するためのフローチャートである。同図において、まず切替信号受信部41が、受信部3で受信された切替信号をカメラ制御部42へ出力する(ステップS1)。カメラ制御部42が、切替信号受信部41から出力された切替信号に基づいてカメラ2のシャッタを切り続け、右目用画像と左目用画像を交互に撮影する(ステップS2)。カメラ制御部42で得られる右目用画像と左目用画像は画像切出し部43へ出力され、画像切出し部43が右目用画像と左目用画像を用いて3Dテレビ100のテレビ領域301を抽出する(ステップS3)。この場合、画像切出し部43は、右目用画像と左目用画像を1対にして差分を求めることで3Dテレビ100のテレビ領域301を抽出する。テレビ領域301の領域抽出後、画像変形部44が画像切出し部43で切出されたテレビ領域301を表示部5に合わせて射影変換する(ステップS4)。テレビ領域301が表示部5に合わせて射影変換された後、3D方式変換部45が、画像変形部44で射影変換された右目用画像及び左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換する(ステップS5)。次いで、3D表示部46が、3D方式変換部45で視差バリア方式に変換された3D画像を表示部5に表示する(ステップS6)。
【0041】
図16は、画像変形部44の射影変換処理を説明するためのフローチャートである。同図において、まず携帯端末装置1の姿勢を取得する(ステップS20)。この姿勢取得には、例えば加速度センサが用いられ、画像変形部44はそれを有している。姿勢取得後、矩形が撮影されているかどうか判定し(ステップS21)、矩形が撮影されている場合(即ち、ステップS21の判定で「Yes」と判断した場合)、カメラ撮影範囲200の対応点を決定し(ステップS22)、射影変換を行う(ステップS23)。ここで、矩形が撮影されている場合とは、3Dテレビ100全体が撮影されている場合である。
【0042】
一方、上記ステップS21の判定で、矩形が撮影されていない場合(即ち、ステップS21の判定で「No」と判断した場合)、撮影される辺が0本であるかどうか判定する(ステップS24)。撮影される辺が0本である場合(即ち、ステップS24の判定で「Yes」の場合)、携帯端末装置1の向きを利用し、撮影される領域即ちテレビ領域301の外接四角形を作成する(ステップS25)。ここで、撮影される辺が0本である場合とは、具体例7(図11)で説明したように、テレビ領域301に対して画像がズームアップ(所謂“ドアップ”)で撮影されたような場合である。図17は、テレビ領域301に対して外接四角形500を作成した状態を示す図である。携帯端末装置1の傾き(矢印600で示す)を鉛直方向にして外接四角形500を作成する。外接四角形500の作成後、ステップS22に進み、対応点を決定する。対応点の決定後、射影変換を行う(ステップS23)。射影変換を行った後、メイン処理に戻る。
【0043】
また、上記ステップS24の判定で、撮影される辺が0本でない場合(即ち、ステップS24の判定で「No」と判断した場合)、撮影される辺が1本であるかどうか判定する(ステップS26)。撮影される辺が1本である場合(即ち、ステップS26の判定で「Yes」の場合)、その辺を変換後の向きに合う辺として、撮影される領域の外接四角形を作成する(ステップS27)。ここで、撮影される辺が1本である場合とは、具体例8(図12)で説明したように、テレビ領域301の一辺が撮れているような場合である。外接四角形を作成した後、ステップS22に進み、対応点を決定する。対応点の決定後、射影変換を行う(ステップS23)。射影変換を行った後、メイン処理に戻る。
【0044】
また、上記ステップS26の判定で、撮影される辺が1本でない場合(即ち、ステップS26の判定で「No」と判断した場合)、頂点が撮影されてなく、辺が撮影されている場合には、辺を延長して頂点を算出し、当該算出が不能の場合には、撮影される辺とカメラ画像の辺の交点を頂点とする(ステップS28)。ここで、辺を延長して頂点を算出する場合とは、具体例2(図6)で説明したように、3Dテレビ100のテレビ領域301全体の4辺が微妙に撮影されるような場合である。この処理を行った後、ステップS22に進み、対応点を決定する。対応点の決定後、射影変換を行う(ステップS23)。射影変換を行った後、メイン処理に戻る。
【0045】
このように本実施の形態に係る携帯端末装置1によれば、3Dテレビ100から切替信号を受信し、受信した切替信号に基づいて右目用画像と左目用画像を撮影し、撮影した右目用画像と左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換して表示するので、液晶シャッタ付眼鏡を用いたり、テレビジョンに対して正対したりすることがなく、誰でもが手軽に3D画像を視聴することができる。
【0046】
また、カメラ2及びカメラ制御部42で撮影された右目用画像及び左目用画像から3Dテレビ100のテレビ領域301を切出すので、3Dテレビ100と同様の3D画像を視聴することができる。
【0047】
また、切出された3Dテレビ100のテレビ領域301を表示部5に合わせて射影変換するので、3Dテレビ100に表示される3D画像を表示部5の画面内に納めることができる。
【0048】
(実施の形態2)
図18は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。同図に示す携帯端末装置10は、3Dテレビ100の全体を写すことができるように、カメラ制御部42に対してズームアウト指示を出力する画像変形部47を有する。画像変形部47は信号処理部6に含まれている。画像変形部47はズーム指示部47Aを有しており、このズーム指示部47Aが、カメラ2で撮影された右目用画像及び左目用画像に3Dテレビ100の外形全体が含まれていない場合に、3Dテレビ100の外形全体が含まれるようにカメラ制御部42にズームアウトを指示する。
【0049】
図19は、画像変形部47の射影変換処理を説明するためのフローチャートである。画像変形部47の主な動作は図16で説明した通りであり、異なる点は、ステップS21の判定で矩形が撮影されていないと判断した場合に、カメラ制御部42にズーム指示を出力する処理が新たに付加されている点である。ズーム指示は、頂点(四隅)を撮影できるように、カメラ制御部42に出力される(ステップS30)。ズーム指示の出力後、ステップS24の判定を行う。
【0050】
このように本実施の形態に係る携帯端末装置10によれば、カメラ2で撮影された右目用画像及び左目用画像に3Dテレビ100の外形全体が含まれていない場合、3Dテレビ100の外形全体が含まれるように、カメラ制御部42にズームアウトを指示するので、3Dテレビ100の外形全体を表示部5の画面内に収めることができる。
【0051】
(実施の形態3)
図20は、本発明の実施の形態3に係る携帯端末装置の概略構成を示すブロック図である。同図に示す携帯端末装置20は、ユーザに対して写して欲しい方向を指示する方向指示部48を有している。方向指示部48は信号処理部7に含まれている。この方向指示部48は、カメラ2で撮影された右目用画像及び左目用画像に3Dテレビ100の外形全体が含まれていない場合、カメラ2を向けるべき方向に関する指示を3D表示部46に与えて当該指示に対応する表示を行わせる。図21は、カメラ2を向けるべき方向に関する指示の具体例を示す図である。同図(a)及び(b)に示すように、カメラ2を向けるべき方向を示す矢印700と、それをサポートする文章(「カメラをやじるし方向に向けてください」)710が表示されている。図22は、方向指示処理を示すフローチャートである。同図において、方向指示部48は、撮影された辺の情報を基に、撮影される辺の真ん中の逆方向にカメラ2を向けるように指示し(ステップS40)、それを表示部5に3D表示させる(ステップS41)。
【0052】
このように本実施の形態に係る携帯端末装置20によれば、カメラ2で撮影された右目用画像及び左目用画像に表示装置の外形全体が含まれていない場合、カメラ2を向けるべき方向に関する指示を3D表示部46に与えて当該指示に対応する表示を行わせるので、確実に3Dテレビ100の外形全体を携帯端末装置20の表示部5の画面内に収めることができる。
【0053】
また、上記実施の形態1〜3に係る携帯端末装置1,10,20のそれぞれにおける処理を記述したプログラムを、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して配布したり、インターネット等の電気通信回線を利用して配布したりすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、液晶シャッタ付眼鏡を用いたり、テレビジョンに対して正対したりすることがなく、誰でもが手軽に3D画像を視聴することができるといった効果を有し、カメラを搭載した携帯電話、スマートフォン等の携帯端末装置への適用が可能である。
【符号の説明】
【0055】
1,10,20 携帯端末装置
2 カメラ
3 受信部
4,6,7 信号処理部
5 表示部
41 切替信号受信部
42 カメラ制御部
43 画像切出し部
44,47 画像変形部
45 3D方式変換部
46 3D表示部
47A ズーム指示部
48 方向指示部
100 3Dテレビ
200 カメラで撮影される範囲
300 テレビ画像
301 テレビ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示されるフレームシーケンシャル方式の3D画像を撮影可能な携帯端末装置であって、
前記表示装置から前記3D画像を構成する右目用画像及び左目用画像の切替情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信される前記切替情報に基づいて、前記右目用画像及び前記左目用画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換する変換手段と、
前記変換手段で前記視差バリア方式に変換された前記3D画像を表示する表示手段と、
を備えた携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置であって、
前記撮影手段で撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像から前記表示装置の表示領域を切出す切出し手段を備えた携帯端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末装置であって、
前記切出し手段で切出された前記表示装置の表示領域を前記表示手段に合わせて射影変換する射影変換手段を備えた携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の携帯端末装置であって、
前記撮影手段で撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像に前記表示装置の外形全体が含まれていない場合、前記表示装置の外形全体が含まれるように前記撮影手段にズームアウトを指示するズームアウト指示手段を備えた携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末装置であって、
前記撮影手段で撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像に前記表示装置の外形全体が含まれていない場合、前記撮影手段を向けるべき方向に関する指示を前記表示手段に与えて当該指示に対応する表示を行わせる方向指示手段を備えた携帯端末装置。
【請求項6】
表示装置に表示されるフレームシーケンシャル方式の3D画像を撮影可能な携帯端末装置における3D画像表示方法であって、
前記表示装置から前記3D画像を構成する右目用画像及び左目用画像の切替情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信される前記切替情報に基づいて、前記右目用画像及び前記左目用画像を撮影する撮影ステップと、
前記撮影ステップで撮影された前記右目用画像及び前記左目用画像を視差バリア方式の3D画像に変換する変換ステップと、
前記変換ステップで前記視差バリア方式に変換された前記3D画像を表示する表示ステップと、
を備えた3D画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−88664(P2013−88664A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229890(P2011−229890)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】