説明

携帯端末装置

【課題】 装飾紙や装飾カバーを用いることなく、装置の装飾性や視認性を高めることが可能な携帯端末装置を得る。
【解決手段】 装置の表示部側筐体カバー61の背面(サブLCD表示部1が設けられている面)のほぼ全面に、透明有機ELディスプレイ兼カバー3を、装飾ネジ5により取り付ける。サブLCD表示部1と有機EL表示体とを、装置のイベントに応じて表示内容を選択制御することにより、種々の表示内容を得ることができ、視認性や装飾性が著しく向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末装置に関し、特に携帯電話装置における装飾性の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置には、表示部(LCDディスプレイ部)を有する表示側筐体と、テンキー等の操作部を有する操作側筐体とが、ヒンジユニットにより折り畳み自在に連結された構造の折り畳み式携帯電話装置が広く普及している。この種の折り畳み式携帯電話装置では、折り畳んだ状態において、時刻表示や着信を告知するための表示をなすために、表示側筐体の背面(主LCD表示部が設けられた面と反対の面)に、副LCD表示部が設けられている。この副LCD表示部の表示内容は、前述したように、時刻表示などの単なる数字の表示のみであり、また一般にはカラー表示ではなくモノクロ表示であるために、装置の装飾とはなり得ない。
【0003】
そこで、従来においては、この携帯電話装置における装飾性や視覚性を高めるために、図11,12に示す構造のものがある。図11は折り畳んだ状態の斜視図であり、図12は表示部側筐体の分解斜視図である。両図を参照すると、操作部側筐体7と表示部側筐体6とが、ヒンジ30により折り畳み自在に連結されている。表示部側筐体6は、装飾紙カバー19と、装飾紙17と、筐体本体61と、副表示部となるサブLCD表示体1と、バックライト(導光板)2と、表示部側基板21と、カバー22とが、装飾ネジ5によりネジ止めされて積層されて構成されている。なお、主表示部となる主LCD表示体及び、操作部側筐体7の詳細については、本発明に直接関係しないので、省略している。
【0004】
装飾紙17を用いることにより、携帯電話装置の装飾性や視覚性を高めることができ、また、この装飾紙17をユーザの好みのものに交換することにより、ユーザの嗜好に合わせることができるようになっている。なお、図11,12において、9はサブLCD表示体1のI/Fケーブル、10はバックライト(白色LED)、20は装飾カバーを示している。
【0005】
図13,14を参照すると、装飾性を高める他の従来例が示されており、図13は折り畳んだ状態の斜視図であり、図14は表示部側筐体の分解斜視図であり、図11,12と同等部分は同一符号により示している。本例においては、図12の装飾紙17及び装飾紙カバー19を用いる代りに、表面に装飾が施された装飾カバー18を用いたものであり、他の構成は図11,12と同等である。
【0006】
なお、携帯電話装置などの電子機器のLCD表示部における表示効果を高めるために、LCD表示体以外に、有機EL表示体を、このLCD表示体に重ね合わせて取り付け、いずれか一方、または両方を、プログラム制御等の方法により表示制御する技術が、特許文献1に提案されている。
【特許文献1】特開2003−98983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図11〜14に示した構成では、ユーザの好みに応じて、装飾紙17や装飾カバー18を交換することができるが、この方法では、ユーザに対して、携帯電話装置の筐体を部分的に取はずして、再組み立てを要求することになり、ユーザにとっては煩雑であり、また故障の原因にもなる。
【0008】
また、特許文献1の技術では、主表示部において、LCD表示体以外に、有機EL表示体を積層して設けることにより、必要に応じてLCDと有機ELとを使い分けたり、同時に表示したり制御することにより、表示部の視認性を向上させることが可能となるが、携帯電話装置の装飾性を考慮したものではないので、装飾性を考えると、図11〜14に示したような構造とならざるを得ず、よって上記と同様な問題がある。
【0009】
本発明の目的は、装飾紙や装飾カバーを用いることなく、装置の装飾性や視認性を高めることが可能な携帯端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による携帯端末装置は、筐体に表示部を有する携帯端末装置であって、前記筐体の前記表示部を有する面のほぼ全面に設けられた有機EL表示体を含むことを特徴とする。
【0011】
そして、前記表示部は、前記筐体の一主表面に設けられた主表示部と、前記筐体の他主表面に設けられた副表示部とからなり、前記主表示部を有する前記筐体の一主表面と、前記副表示部を有する前記筐体の他主表面との少なくとも一方に、前記有機EL表示体が設けられていることを特徴とする
【0012】
そして、前記筐体は操作部を有する操作側筐体と、前記表示部を有する表示側筐体とを有し、これら両筐体が折り畳み自在に構成されていることを特徴とする。更に、装置のイベント状態に応じて前記表示部と前記有機EL表示体との表示内容を選択制御する制御手段を含むことを特徴とし、前記制御手段は、装置が置かれた環境の明暗に応じて前記表示内容の選択制御を行うようにしたことを特徴とし、また前記制御手段は、充電状態かどうかに応じて前記表示内容の選択制御を行い、また、電池電圧の状態に応じて前記表示内容の選択制御を行うようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装置筐体のカバー外面のほぼ全面に、有機EL発光体を貼り付けるようにしたので、ユーザ好みの装飾紙や装飾カバーなどを用いる必要がなくなり、また装置状態に応じた表示内容を選択することができるので、種々の装飾的表示が可能となるという効果がある。また、夜間のような暗い場所でも、副表示部の無機質な表示、例えばLEDランプ表示や、時計表示に、更に有機ELにより模様などの表示を重ね合わせることにより、視覚的に幻想的な表現が可能となり、いわゆる癒しの効果も期待できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1,2は本発明の一実施の形態を示す構成図であり、図11〜14と同等部分は同一符号により示している。図1は折り畳み時の斜視図であり、図2は表示部側筐体6の分解斜視図である。表示部側筐体6は、透明有機ELディスプレイ兼カバー3と、筐体カバー61と、サブLCD表示体1と、バックライト(導光板)2と、表示部側基板21と、カバー22とが、装飾ネジ5によりネジ止めされて積層されている。表示部側筐体6と操作部側筐体7とは、ヒンジ30により折り畳み自在に連結されている。
【0015】
カバー22は図示せぬ主表示部となるメインLCD表示体を保護するものであり、副表示部となるサブLCD表示体1は液晶ディスプレイI/Fケーブル9によって表示部側基板21に接続されている。また、有機ELディスプレイI/Fケーブル8も、表示部側基板21にコネクタ11により接続されている。
【0016】
なお、4は有機ELディスプレイI/Fケーブル8の接続を隠すための目隠し装飾カバーである。透明有機ELディスプレイ兼カバー3は、透明な材質のカバーのパネル面に蒸着によって有機EL物質を貼り付けることにより、容易に形成することができる。この透明有機ELディスプレイ兼カバー3は、発光体である有機物質がカラーの三原色に発光するようにRGBに対応したパターンで蒸着されており、種々の模様を表示させることができるようになっている。
【0017】
図3は図1,2に示した携帯電話機の機能ブロック図であり、アプリケーションCPU(以後、A−CPUと称す)101は、制御中枢を司る中央演算ユニットであり、各部の制御をなすものである。光検出部102は、装置が置かれている周囲の明暗を検出するものであり、リアルタイムデバイス103は計時動作を行うものであって、シリアルI/F109によりA−CPU101と接続されている。このリアルタイムデバイス103はカウンタで構成しても良く、またメモリ空間上に構築しても良い。
【0018】
バックライト部105はメインLCD用のバックライトであり、バックライト部2はサブLCD1用のバックライトである。LCD表示部1はサブLCD表示体であり、表示部104はメインLCD表示体である。EL表示部3は有機EL表示体である。ROM106,RAM107はA−CPU101の動作プログラムを格納するメモリ、作業用メモリである。
【0019】
充電検出部401は、電池の充電時を検出するものであり、また低電圧検出部403は電池の低電圧状態を検出するものであって、電池の電圧が所定値より低下した場合を検出する機能を有する。なお、この充電検出部401と低電圧検出部403とは別のブロックとして示しているが、同一ブロックとしても良い。
【0020】
バックライト部2や105,光検出部102,充電検出部401及び低電圧検出部403は、GPIO(General Purpose Input/Output)110〜112,402及び404により、A−CPU101とそれぞれ接続されている。また、A−CPU101とLCD表示部104,1,EL表示部3,ROM106,RAM107の各々とはバス108により接続されている。
【0021】
113は割り込み信号であり、リアルタイムデバイス103が定期的(1分毎)に割り込み信号113を生成することにより、A−CPU101は、時刻更新のためにリアルタイムデバイス103を読みに行くようになっている。
【0022】
メインLCD表示体用バックライト部105及びサブLCD表示体用バックライト部2は、それぞれ対応したLCDを背面から照射して液晶(光学フィルタの役目をする)を通して色表示させることが可能である。
【0023】
次に、本発明の実施の形態の動作について、図4に示すタイムチャートを使用して説明する。図4において、Stand−by(待機状態)において、各イベント302〜307が発生することにより、各々のイベントに応じた動作をするようになっている。
【0024】
例えば、リアルタイムデバス103から、「1分割り込み」が割り込み信号113により、A−CPU101へ伝えられると(ステップ302)、A−CPU101は、シリアルI/F109を用いて現在時刻を読み出す(ステップ312)。読み出された時計情報は、サブLCD表示部の表示更新を行い(ステップ313)、更には、予め用意しておいた開始時刻/終了時刻(設定時間内)をRAM107より読み出しを行い(ステップ314)、現在時刻と比較を実施する(ステップ315)。
【0025】
このとき、比較した結果が上記設定時間外であれば、有機EL表示部への時計用イルミネーション(イルミと略記する)画像表示停止を実施し(ステップ317)、比較した結果が上記設定時間内であれば、有機EL表示部への時計用イルミ画像表示変更または更新を行う(ステップ316)。この場合の表示例を図5に示す。
【0026】
図5においては、1フレーム/1分の例として、1分毎に画面表示が変化する例を示しており、「090xxxxxxxx NEC−san」は発信元情報であり、「2002.5.09 18:20 Rec.」は時刻(カレンダー)情報であり、これら情報はサブLCD表示部に表示されている内容である。
【0027】
その他に、有機EL表示体により所望の画像を表示することができ、この有機EL表示体によって、カラーなどを表示しても良いし、他のキャラクタ表示などを行うようにしても良く、また発信元に応じて、予めメモリに格納されている画像を表示するようにしても良い。
【0028】
同様に、低電圧状態からの復帰イベントの発生(ステップ303)によって、低電圧用画像表示停止が実施され(ステップ308)、また、充電停止イベントの発生(ステップ304)によつて、充電中用画像表示停止が実施される(ステップ309)。以後は、ステップ302の1分割り込みイベントの場合と同様の処理が実施されることになる。
【0029】
また、低電圧検出部403によって検出された信号は、GPIO404を経由してA−CPU101に伝えられ、低電圧イベントの動作が開始され(ステップ305)、低電圧用画像表示に変更される(ステップ310)。この場合には、電池電圧が低い状態であるので、電池の負荷が軽くなるような表示画像とするのが良い。
【0030】
更に、充電検出部401によって検出された信号は、GPIO402を経由してA−CPU101に伝えられ、充電開始イベント発生の場合は(ステップ306)、充電中用画像表示に変更される(ステップ311)。この表示例を図6に示しており、サブLCD表示部の時刻表示のうえに、更に有機EL表示体による模様表示を行っている。
【0031】
図7は、光検出部102において暗が検出され、かつ予め設定した時間開始停止時間内(設定時間内)で、かつ充電検出部401にて充電中(充電供給が可能であること)を検知した場合の、有機EL表示体に表示させた例である。本例では、サブLCD表示部の表示に対して、有機EL表示体に所望のカラー表示等を行っている例である。なお、図において、16はACアダプタケーブルを示している。
【0032】
なお、本発明の変形例として、サブLCD表示部のある筐体カバー背面のほぼ全面に有機EL表示体を張り付ける代わりに、メインLCD表示部のある筐体表面のほぼ全面に有機EL表示体を張り付けるようにすることもできる。その場合には、図8に示すように、メインLCD表示部には、水の模様を表示し、有機EL表示体には、珊瑚礁や熱帯魚などを表示させて、立体感を持たせた水槽の幻想的表示をなすことが可能になる。
【0033】
また、有機EL表示体を多層に重ね合わせて設けることにより、アニメーションセルのような表示方式として、背景画像、中間画像、前面画像などを様々に制御して遠近感豊かな動画像の表示が可能になる。
【0034】
図9,10は本発明の他の実施の形態を示す図であり、図9はその外観斜視図、図10は表示部側筐体の分解斜視図である。図9,10において、図1,2と同等部分は同一符号により示している。先の実施の形態では、有機ELディスプレイ兼カバー3を用いているが、本例では、有機EL表示体プレート31と、有機EL表示体カバー12とを用いたものである。他の構成及び動作については、先の実施の形態と同等であるので、説明は省略する。
【0035】
上記実施の形態においては、折り畳み式携帯電話機について述べたが、折り畳み式のものに限定されることなく、筐体に有機EL表示体を貼り付けて、この表示体の表示内容を装置イベントに応じて種々に制御することにより、本発明の目的は達成されるが、特に、LCD表示部に有機EL表示体を重ね合わせることにより、表示内容が種々に変形でき、表現が豊かでかつ幻想的な画像表示が可能となる。
【0036】
また、折り畳み式携帯電話機のサブLCD表示部のある筐体面にほぼ全面に有機EL表示体を貼り付けることにより、折り畳んだ状態では、無機質な表示内容を、上述した如く、幻想的な表示内容にできることになる。更に、携帯電話機に限らず、表示部を有する携帯端末装置に広く適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施の形態の外観斜視図である。
【図2】図1の表示部側筐体の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態の機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における一表示例の変化を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における他の表示例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における更に他の表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における別の表示例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の外観斜視図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の表示部側筐体の分解斜視図である。
【図11】従来の一例を示す外観斜視図である。
【図12】図11の装置の表示部側筐体の分解斜視図である。
【図13】従来の他の例を示す分解斜視図である。
【図14】図13の装置の表示部側筐体の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 サブLCD表示体
2 バックライト(導光板)
3 透明有機ELディスプレイ兼カバー
4 透明有機ELディスプレイ接続部目隠し装飾カバー
5 装飾ネジ
6 表示部側筐体
7 操作部側筐体
8 有機ELディスプレイI/Fケーブル
9 LCDディスプレイI/Fケーブル
10 バックライト(白色LED)
11 有機ELディスプレイI/Fコネクタ
12 有機ELディスプレイカバー
16 ACアダプタケーブル
21 表示部側基板
22,61 カバー
30 ヒンジ
31 透明有機ELディスプレイプレート
101 A−CPU
102 光検出部
103 リアルタイムデバイス
104 LCD表示部(メインLCD)
105 バックライト部(メインLCD用)
106 ROM
107 RAM
401 充電検出部
403 低電圧検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に表示部を有する携帯端末装置であって、前記筐体の前記表示部を有する面のほぼ全面に設けられた有機EL表示体を含むことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記筐体の一主表面に設けられた主表示部と、前記筐体の他主表面に設けられた副表示部とからなり、前記主表示部を有する前記筐体の一主表面と、前記副表示部を有する前記筐体の他主表面との少なくとも一方に、前記有機EL表示体が設けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記筐体は操作部を有する操作側筐体と、前記表示部を有する表示側筐体とを有し、これら両筐体が折り畳み自在に構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
装置のイベント状態に応じて前記表示部と前記有機EL表示体との表示内容を選択制御する制御手段を、更に含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記制御手段は、装置が置かれた環境の明暗に応じて前記表示内容の選択制御を行うようにしたことを特徴とする請求項4記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記制御手段は、充電状態かどうかに応じて前記表示内容の選択制御を行うようにしたことを特徴とする請求項4または5記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記制御手段は、電池電圧の状態に応じて前記表示内容の選択制御を行うようにしたことを特徴とする請求項4〜6いずれか記載の携帯端末装置。
【請求項8】
前記副表示部はLCD表示体であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の携帯端末装置。
【請求項9】
携帯電話機であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−54624(P2006−54624A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233974(P2004−233974)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】