説明

携帯端末装置

【課題】ストラップ取り付け用の穴及び、クレードルに装着するための保持凹部の構成スペースを有効に活用し、小型化を実現することができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】筐体の表面に、前記筐体を保持する保持具を取り付けるための取り付け穴を有し、前記筐体をクレードルに乗せて保持するための保持凹部を有する携帯端末装置において、前記取り付け穴と、前記保持凹部が一体に形成された複合穴を備え、前記複合穴部の一部に少なくとも一つの段差部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末装置に関し、特にストラップ等の保持具を取り付けるための取り付け穴と、筐体をクレードルに乗せて保持するための保持凹部を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機にストラップ等の保持具を取り付けるために筐体に形成された取り付け穴と、クレードル等に携帯電話機を乗せて保持するために筐体に形成された保持凹部は図10に示すように構成されている。
【0003】
図10は従来の携帯電話機1Bの筐体2B表面に形成をされたストラップを取り付けるための取り付け穴3Bとクレードル5Bに筐体2Bが装着され保持するための保持凹部4Bを示す斜視図であり、背面側から見た図である。図11は携帯電話機1Bをクレードル5Bに装着した状態を示す斜視図である
図10において、ストラップを取り付けるための取り付け穴3Bは筐体2Bの上面と背面をつなぐ略L字状に貫通された穴として形成されている。また、携帯電話機1Bをクレードル5Bに装着し、筐体2Bを保持するための保持凹部4Bは筐体2Bの上面に形成されている。前記取り付け穴3Bと保持凹部4Bはそれぞれ独立した状態で形成されている。
【0004】
図11において携帯電話機1Bの筐体2B上面部に形成された保持凹部4Bにクレードル5Bに形成された可動ツメ51Bが嵌り、筐体2Bを保持している。
【特許文献1】特開2004−195101号公報
【特許文献2】特開2002−135985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、ストラップを取り付けるための取り付け穴と携帯電話機をクレードルに装着し、筐体を保持するための保持凹部が独立した状態で筐体に形成されていため、似通った穴や凹部が2個形成されているため、小型化を追求する携帯電話機において筐体のスペースを有効に活用できていないという課題を有していた。
【0006】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、筐体のスペースを有効活用し、小型化を図る携帯端末装置の提供を目的とする。
【0007】
また、携帯端末装置にストラップを取り付けた状態でもクレードルに確実に装着できる携帯端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の携帯端末装置は、筐体の表面に、前記筐体を保持する保持具を取り付けるための取り付け穴を有し、前記筐体をクレードルに乗せて保持するための保持凹部を有する携帯端末装置であって、前記取り付け穴と、前記保持凹部が一体に形成された複合穴を有している。
この構成により、筐体へのストラップ等の保持具の取り付け機能と、筐体をクレードルに保持する保持機能の双方の機能を1ヶ所の複合凹部で実現することができ、筐体外部及び、内部のスペースを有効に活用することができ、携帯端末装置の小型化を図ることができる。
また、本発明の携帯端末装置は、前記複合穴の一部に少なくとも一つの段差部を設けた構成を有する。
この構成により、筐体にストラップを取り付けた状態でも、筐体をクレードルに確実に装着させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、筐体表面に形成されたストラップ等の保持具を取り付けるための取り付け穴と、筐体をクレードルに乗せて保持するための保持凹部を一体に形成することにより、筐体のスペースを有効に活用することができ、携帯端末装置の小型化に貢献できる。
また、前記複合穴の一部に少なくとも一つの段差部を設けることにより、携帯端末装置にストラップ等の保持具を取り付けた状態でも、携帯端末装置をクレードルに確実に装着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
本発明の携帯端末装置の一例として、折り畳み型携帯電話機(以下携帯電話機とする)を例に上げて説明する。図1は本実施の形態における携帯電話機を示す斜視図である。図1において携帯電話機1は、第1筐体2と第2筐体3とに2分割されており、ヒンジ機構部4により回動自在に連結されて一体化されている。このとき、他の各種部材も組み合わされて内蔵されているが、ここでの図示及び、説明は省略する。図2は図1の上面から見た平面図である。図1及び、図2において第1筐体2の上面側には、略矩形状の保持凹部51が形成されている。この保持凹部51は後述するクレードル7に設けられた可動ツメ72と嵌合し、携帯電話機1をクレードル7に保持する。保持凹部51の中央部には、第1筐体2の背面側とつながる略L字状の貫通穴52が形成されている。また、貫通穴52は略矩形状の保持凹部51に対し、第1筐体2の背面側に矩形状の段差(凹み)53が設けられている。この時矩形状の段差53は後述するストラップ6の基端部に取り付けられている固定紐61の太さより大きい段差となっている。第1筐体2の背面側には第1筐体2の上面に形成された貫通穴52とつながる貫通穴54が形成され、貫通穴52、54の幅は第1筐体2に形成された矩形状の段差53の幅と同じか又は小さい幅となっている。これら保持凹部51及び貫通穴52、54、段差53を総称して複合穴部5とする。
【0012】
以上のように構成された携帯電話機1へのストラップ6の取り付け方法について説明する。図3は携帯電話機1とストラップ6が分解された斜視図を示す。図4は携帯電話機1にストラップ6を取り付ける方法を示す断面図である。図5は携帯電話機1にストラップ6をつけた状態を示す平面図である。図3に示すようにストラップ6の基端部にはループ状の固定紐61が取り付けられている。このストラップ6を携帯電話機1への取り付け方として、図4に示すように携帯電話機1の第1筐体2の上面側に形成された貫通穴52にストラップ6のループ上の固定紐61を通し、第1筐体2の背面側の貫通穴54から引き出す。次にストラップ6を固定紐61のループの中に通し、引っ張ると第1筐体2に固定される。このときストラップ6は図5に示すように第1筐体2の上面側に形成された矩形状の段差53内にストラップの固定紐61が収まり、第1筐体2の背面側に位置する保持凹部51の水平面55よりも固定紐が出っ張らないように取り付いている。また、ストラップ6を動かしても、第1筐体2の背面側に形成された貫通穴52の幅が、第1筐体2の上面部に形成された略矩形状の保持凹部51の幅よりも小さいため、第1筐体2の上面側に位置する保持凹部51の水平面55にストラップ6の固定紐61が乗り上げることもない。
【0013】
尚、携帯電話機1へのストラップ6の取り付け方法はこれに限らず、第1筐体2の背面側に形成された貫通穴54からストラップ6の固定紐61を通して、第1筐体2に固定してもよい。固定方法は上記方法と同様のため省略する。
【0014】
次に携帯電話機1にストラップ6を取り付けた状態でのクレードル7への装着及び装着状態について説明する。図6はストラップ6が取り付けられた携帯電話1とクレードル7を示す斜視図である。図6においてクレードル7の下方部には携帯電話機1の下方部をホールドする固定部71が形成されている。またクレードル7の上方側には携帯電話機1の上面に形成された略矩形状の保持凹部51に嵌合する可動ツメ72が形成され、さらに携帯電話機1の背面部を受ける受け部73が形成されている。クレードル7本体の中央部にかけて、ストラップ6を収納する収納穴74が形成されている。携帯電話機1のクレードル7への装着方法としては、携帯電話機1の下方をクレードル7の固定部71に嵌めこみ、その後、携帯電話機1を回転させるようにクレードル7に乗せ、ストラップ6をクレードル7の収納穴74に収納し、携帯電話機1の上面側に形成された矩形上の保持凹部51にクレードル7の可動ツメ72を嵌合させる。
【0015】
図7は携帯電話機1をクレードル7の装着した状態を示す縦断面図で、図8は図7における要部矢視図である。図7、図8に示すように、クレードル7の可動ツメ72が第1筐体2の上面側に位置する保持凹部51の水平面55を保持している。このときストラップ6の固定紐61は前述の通り、保持凹部51の段差53内に収まっているため、ストラップ6の固定紐61がクレードル7の可動ツメ72に干渉して携帯電話機1の保持が不十分になることは無く、確実に携帯電話機1をクレードル7に保持できる。
【0016】
尚、前述した第1筐体に形成された複合穴部5はこの形状に限定されるものではなく、図9に示すように、保持凹部51の段差53と貫通穴52、54を2つに分割しても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明にかかる携帯端末装置は、ストラップ等の保持具を取り付けるための取り付け穴と、携帯端末装置をクレードルに装着し、保持するための保持凹部を一体にすることにより、筐体のスペースを有効に活用でき、携帯端末装置の小型化への貢献が可能になるので、携帯電話機等の携帯端末装置などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1おける携帯電話機を示す斜視図
【図2】携帯電話機を上面から見た平面図
【図3】携帯電話機とストラップを示す分解斜視図
【図4】携帯電話機にストラップの取り付けを示すA−A断面図
【図5】携帯電話機にストラップを取り付けた状態を示す平面図
【図6】携帯電話機とクレードルを示す分解斜視図
【図7】クレードルに携帯電話を装着した状態を示す縦断面図
【図8】図7におけるB矢視図
【図9】複合穴部の段差部及び貫通穴を2つに分割した形状を示す斜視図
【図10】従来の携帯電話機を示す斜視図
【図11】従来の携帯電話機をクレードルに装着した状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0019】
1 携帯電話機
2 第1筐体
3 第2筐体
4 ヒンジ機構部
5 複合穴部
51 保持凹部
52 貫通穴
53 段差
54 貫通穴
55 水平面
6 ストラップ
61 固定紐
7 クレードル
71 固定部
72 可動ツメ
73 受け部
74 収納穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の表面に、前記筐体を保持する保持具を取り付けるための取り付け穴を有し、前記筐体をクレードルに乗せて保持するための保持凹部を有する携帯端末装置であって、前記取り付け穴と、前記保持凹部が一体に形成された複合穴を有することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記複合穴の一部に少なくとも一つの段差部を設けたことを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−311980(P2007−311980A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137563(P2006−137563)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】