説明

携帯端末装置

【課題】特別な操作をしなくても操作者を認証するための画像の照合ができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】筐体のスライド又は回動による携帯端末の開閉を検出する手段を備え、開状態を検出することによって、携帯端末の撮像手段を起動し、操作者の顔その他の認証のための画像情報を取得して表示部に表示する。
照合用画像情報を記憶しており、前記取得した画像情報と照合し、所定の一致条件を満たした場合に操作者に当該携帯端末の所定の機能の操作を許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関し、特に、画像情報の照合判定によって使用可能な機能を制限する携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や、電子メール送受信用携帯ツールなどの携帯通信端末が急激に普及してきている。これらの携帯通信端末は、本来の通話や電子メールの送受信などのことは勿論、インターネットにアクセスしたり、ネットショッピングをしたりするなど、様々な形態で利用されるようになっている。
【0003】
このような携帯通信端末は、小型で携帯に便利であり、通話位置の自由度が大きいことなどにより、一個人が複数の携帯通信端末を保有するような状況になっているが、携行先などで置き忘れたり、紛失したりするおそれがあり、悪意の取得者により不正に使用される問題が生じてくる。
【0004】
しかしながら、従来の携帯通信端末では、暗証番号により所有者を確認して、所有者本人でない場合に電話番号キーのロックや電話帳ロックなどの方式により、第三者が容易に使用できないようにしているが、高々4桁の数字コードによる暗証番号では、例えば、最大1万回試せば、簡単に解除されることができる。また、たとえ、暗証番号の桁数を増やしても、試す回数を増やすだけで確実に破ることができる。
そのため、従来の携帯通信端末では、他人に悪用されることを完全に防ぐことができず、ユーザが安心して使用することができるように、所有者本人を確認する精度を高めることが要求されている。
【0005】
これを解決する方法として、顔や指紋等の生体情報によって所有者本人を確認するものがある。
例えば、特許文献1の技術は、携帯電話の基地局に、携帯電話の所有者の顔写真等を当該携帯電話のカメラで撮影して登録しておき、この携帯電話を使用するときにカメラで撮影した自分の顔写真等を基地局へ送って、その写真等と登録されている写真等が一致したときに使用を許可するようにしている。しかし、所有者でなければ、携帯電話の操作を阻止するとともに、警告音を鳴らして警告を行うようにしている。
これにより、携帯通信端末のセキュリティ性を高めることができる。
【0006】
また、使用者本人である情報を記憶させた装置を所持し、機器にこの情報を読み取らせて本人確認するものがある。
例えば、特許文献2の技術は、正規使用者所有の折り畳み式携帯電話に所定の操作がされたとき、当該折り畳み式携帯電話により機能制限解除装置に対する正規鍵情報の取得要求をブルートゥースを介して行い、当該正規鍵情報を取得した場合にのみ制限を解除するようにしている。
これにより、暗証番号の暗記を要求することなく正規使用者に利用させることができると共に、紛失や盗用の際には第三者による不正使用を一段と確実に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−284141号公報
【特許文献2】特開2003−309643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、顔認証するためにはメニューから顔認証のための項目をキー入力で選択するという煩わしい操作が必要であり、また、その操作のために時間がかかるという欠点がある。
【0009】
また、上記特許文献2の技術では、正規使用者は正規鍵情報を記憶した機能制限解除装置を常に所持していなければならないという欠点がある。
【0010】
本発明は、上述したような実情を考慮してなされたものであって、特別な操作がなくとも、また、特別な装置を所持しなくとも、携帯端末装置の使用可能な機能の制限および解除ができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、第1の技術手段は、表示手段を備える第1の筐体と、操作手段を備える第2の筐体が回動可能に連結されており、前記第1の筐体の折り畳まれた閉状態で内側となる面に撮像手段が配置されている携帯端末装置であって、前記第1の筐体と第2の筐体の回動による携帯端末装置の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、照合のための画像情報を記憶する照合情報記憶手段と、前記撮像手段で取得した画像情報と前記照合情報記憶手段に記憶された画像情報とが所定の一致条件を満たしているか否かを照合する照合手段と、該照合手段で照合した結果が前記所定の一致条件を満たした場合に、操作者に許可された当該携帯端末装置の機能の操作の実行を許容する制御手段と、を備え、前記開閉状態検出手段が開状態であることを検出したら前記撮像手段を起動し、前記撮像手段が取得した画像を前記表示手段に表示する携帯端末装置を特徴とする。
【0012】
第2の技術手段は、表示手段と撮像手段を備える第1の筐体と、操作手段を備える第2の筐体がスライド可能に連結されている携帯端末装置であって、前記第1の筐体と第2の筐体のスライドによる携帯端末装置の開閉状態を検出するスライド状態検出手段と、照合のための画像情報を記憶する照合情報記憶手段と、前記撮像手段で取得した画像情報と前記照合情報記憶手段に記憶された画像情報とが所定の一致条件を満たしているか否かを照合する照合手段と、該照合手段で照合した結果が前記所定の一致条件を満たした場合に、操作者に許可された当該携帯端末装置の機能の操作の実行を許容する制御手段と、を備え、前記スライド状態検出手段が開状態であることを検出したら前記撮像手段を起動し、前記撮像手段が取得した画像を前記表示手段に表示する携帯端末装置を特徴とする。
【0013】
第3の技術手段は、第1または2の技術手段の携帯端末装置において、前記撮像手段を起動後、オートフォーカス機能により焦点が合ったことを検出したら、前記照合手段により照合動作を行うことを特徴とする。
【0014】
第4の技術手段は、第1または2の技術手段の携帯端末装置において、前記撮像手段を起動後、オートフォーカス機能により焦点が合ったことを検出したら、使用者に照合を行うか否かを告知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、携帯端末装置を操作するという一連の動作の中で照合が行われ、特別な操作がなくとも、また、特別な装置を所持しなくとも、当該装置の使用可能な機能を制限したり解除したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態において用いる携帯端末装置の内部構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】実施形態1に係る携帯端末装置の外観図である。
【図3】実施形態1の機能構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態1に係る携帯端末装置を用いて、許可対象者の照合を行う手順を説明するフローチャートである。
【図5】実施形態2に係る携帯端末装置の外観図である。
【図6】実施形態2に係る携帯端末装置を用いて、許可対象者の照合を行う手順を説明するフローチャートである。
【図7】実施形態3に係る携帯端末装置の外観図である。
【図8】実施形態3に係る携帯端末装置の他の外観図である。
【図9】実施形態4に係る携帯端末装置の外観図である。
【図10】実施形態4に係る携帯端末装置を用いて、許可対象者の照合を行う手順を説明するフローチャートである。
【図11】実施形態5に係る携帯端末装置の外観図である。
【図12】実施形態5に係る携帯端末装置を用いて、許可対象者の照合を行う手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の携帯端末装置に係る好適な実施形態について説明する。
本実施形態では、携帯電話機の内部メモリに保存されている個人情報を第三者に不正に読まれることがないように、照合が成功しないと、操作や表示などのユーザインタフェース、電子マネー機能、通話やメール着信などの機能の使用制限を解除することができない携帯電話機を例として説明する。しかし、以下に挙げる携帯電話機以外でも、画像情報を得る撮像手段とその画像情報と予め保持する画像情報とを照合する照合手段を備えた電子機器であれば同様に適用することができる。
【0018】
図1は、本実施形態において用いる携帯端末装置の内部構成例を示す機能ブロック図である。同図において、携帯端末装置は、携帯電話の一般的な機能を構成するハードウェアのほかに、通信I/F(インタフェース)101、通信制御部102、揮発性メモリ103、表示制御部104、表示部105、センサー106、画像処理部107、撮像部108、画像比較部109、不揮発性メモリ110、操作部111、LED(Light Emitting Diode:発光素子)112、スピーカ113、主制御部114を備えている。
【0019】
通信I/F101は、受信時は、基地局からアンテナを介して受信した電波を復調し、送信時は、通信制御部102から送られてくる文字データおよび画像データなどを変調して増幅し、アンテナを介して基地局に送信する。
通信制御部102は、通信I/F101が復調した文字データおよび画像データなどの受信データを所定の通信プロトコルに基づいて主制御部114に送る。
揮発性メモリ103は、作業用記憶領域であるRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリなどからなり、通信に関するデータ、撮像したデータ、演算に使用するデータおよび演算結果等を一時的に記憶する。
【0020】
表示制御部104は、主制御部114から送信された制御信号をもとに、表示部105に表示しようとする画像データに従って、表示部105を駆動制御する。
表示部105は、液晶ディスプレイおよびEL(Electro Luminescence)ディスプレイなどで実現され、表示制御部104を介して送られてくる画像データに基づく画像を表示する。
【0021】
センサー106は、装置に配置された磁石の磁気を検知する磁気センサー、2つの筐体間の開閉角を検知する角度センサー、2つの筐体間の回転角を検知する角度センサー等のセンサーからなり、それぞれのセンサーからの検知結果を主制御部114に送信する。
【0022】
画像処理部107は、増幅部、A/D(アナログ/デジタル)変換部、信号処理部からなる。増幅部は、撮像部108や通信制御部102から送られてくる電気信号を増幅し、A/D変換部に送る。A/D変換部は、増幅部で増幅された電気信号(アナログ)をデジタル信号に変換して画像データを出力し、信号処理部に送る。信号処理部は、A/D変換部から送られてくる画像データに対して、画素の補間処理などの信号処理を行う。また信号処理部は、主制御部114から送られてくる制御信号に基づいて、信号処理を施した画像データを揮発性メモリ103に出力する。
撮像部108は、撮像レンズと、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサあるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備え、撮像レンズに入射した光を撮像素子によって電気信号に変換する。
【0023】
画像比較部109は、画像処理部107から送られた画像データと不揮発性メモリ110に記憶されている画像とを比較して、予め設定した範囲内の一致であるか否かを主制御部114へ送信する。
不揮発性メモリ110は、読み取り専用あるいは書き換え可能なメモリであり、主制御部114が動作する際に必要なプログラム、通信制御データ、照合用のデータ等を記憶する。
【0024】
操作部111は、数字および文字を入力するためのキー、上下左右の方向に選択対象を移動させるカーソルキー、各種機能を切り替えるためのモードキー、カメラモード起動時に撮影を行うためのシャッターキー、メール作成画面を表示させるためのメールキー等のファンクションキーから構成される。
【0025】
LED112は、主制御部114からの指示により色や発光パターンにより発光させる。
スピーカ113は、主制御部114からの指示により音を鳴らす。
主制御部114は、マイクロコンピュータ等により構成され、装置を構成する各部全体の動作を制御する。
【0026】
以下、上述したようなハードウェア構成を持ち、次のような5つの型の携帯端末装置について説明する。
(1)ストレート型携帯端末装置:
本発明では、文字情報又は画像情報を表示する表示部と、情報入力用キー群が配置されている操作部とを一つの筐体で構成した携帯端末装置のことを「ストレート型(一体型)携帯端末装置」と呼ぶ。
【0027】
(2)折り畳み式携帯端末装置:
本発明では、文字情報又は画像情報を表示する表示部からなる上部筐体と、情報入力用キー群が配置されている操作部からなる下部筐体とを接続部で回動可能に連結した構成の携帯端末装置のことを「折り畳み式携帯端末装置」と呼ぶ。
【0028】
(3)スライド型携帯端末装置:
本発明では、文字情報又は画像情報を表示する表示部からなる上部筐体と情報入力用キー群が配置されている操作部からなる下部筐体とを、下部筐体に対して長軸方向にスライド可能に結合して構成し、両筐体が重なるように縮退させたり、両筐体を長軸方向に離間するようにスライドさせ展伸させて使用する構成の携帯端末装置のことを「スライド型携帯端末装置」と呼ぶ。あるいは、下部筐体に対して平行面内方向で上部筐体を回動(スライド)可能に結合して構成し、両筐体が重なるように回動(スライド)して伸縮させたり、両筐体を離間するように回動(スライド)して展伸させて使用する構成の携帯端末装置のことをも「スライド型携帯端末装置」と呼ぶ。
【0029】
(4)表示部が回転可能な携帯端末装置:
本発明では、文字情報又は画像情報を表示する表示部からなる上部筐体と、複数の情報入力用キーが配置されている操作部からなる下部筐体とを有し、接続部で互いの筐体の間を開閉するように回転自在に連結するとともに、開閉による回転面とは直交する面で上部筐体を回転自在に連結させた携帯端末装置のことを「表示部が回転可能な携帯端末装置」と呼ぶ。
(5)回転式カメラ付携帯端末装置:
回転式カメラである上述した各携帯端末装置のことを回転式カメラ付携帯端末装置と呼ぶ。
【0030】
<実施形態1>
図2は、本実施形態1に係るストレート型携帯端末装置の外観図である。
この携帯端末装置は、表示部105と操作部111とが一体となった筐体30であり、撮像部108が表示部105の上方に配置されている。また、この撮像部(カメラ)108にはオートフォーカス機能が備わっているものとする。
【0031】
図3は、本実施形態1の機能構成を示すブロック図である。同図において、携帯端末装置は、通常の携帯端末装置の機能構成に加えて、携帯端末装置全体の制御を行う制御部11、当該装置の使用が許可される者を照合するための照合情報の登録および更新を行う登録更新部12、当該装置の使用が許可される者(以下、許可対象者という)を照合するための照合情報を記憶する照合情報記憶部13、撮像部108によって画像情報を取得する画像取得部14、画像取得部14で取得した画像情報と照合情報記憶部13に記憶された照合情報とを照合する照合部15、照合結果に基づいて所定の一致条件を満たしているか否かを判定する判定部16、当該装置の状態が所定の状態になったことを検出する状態検出部17、照合判定に失敗したときのエラーメッセージを通知する通知部18から構成されている。
【0032】
まず、許可対象者であるかを照合するための照合情報の登録について説明する。
購入時等の携帯端末装置が機能制限されていない状態、あるいは、照合情報登録用の暗証番号によって、装置が機能制限されていない状態にして、許可対象者の照合情報を登録する。
または、購入後では、時が経つことによって照合情報に変化が生じたり(例えば、顔写真)、また、許可対象者自体が変更されることもあるので、照合情報登録用の暗証番号によって装置の機能制限を解除してから、許可対象者の照合情報を更新する。
【0033】
装置が機能制限されていない状態のときに操作部111を操作して照合情報登録メニューを選択し、登録更新部12を起動する。
登録更新部12は、画像取得部14を起動して許可対象者が提示したものの画像情報を取得して、表示部105へ表示する。このとき、表示部105には「照合情報の取得中である」旨の表示を行う。許可対象者は、照合に適当と思われる画像が表示されたときに、登録ボタンを操作する。ここで、撮影するものは、顔、許可対象者を特定する物品や顔の一部(目、鼻、口、眉毛等)、手の形、筆跡等であってもよい。
また、撮影した画像情報そのものを登録するようにしてもよいが、登録対象物のサイズ(例えば、顔の大きさ)を一定の大きさに統一してから、画像情報の輪郭、濃淡や色や配置等の特徴量を抽出して登録するようにしてもよい。
登録更新部12は、登録ボタンが操作されると、許可対象者が提示した画像情報を照合情報記憶部13へ記録(既に登録されているときには更新)する。
【0034】
さらに、照合に失敗した場合の第2の照合方法を登録するようにしてもよい。例えば、この第2の照合方法としては、暗証番号(パスワード)や生体認証(指紋、虹彩、声紋等)がある。
【0035】
次に、図4のフローチャートを用いて、本実施形態1に係る携帯端末装置で許可対象者の照合を行う手順を説明する。
まず、状態検出部17で使用者が携帯端末装置に触れたことを検出して制御部11に通知する(ステップS11)。
ここで、状態検出部17は、使用者が携帯端末装置の筐体30、タッチパネル付の表示部105あるいは操作部111(いずれかのキー)等に触れたことをセンサー106で検知する。あるいは、センサー106に加速度センサーや音声認識センサーを備えていれば、それらの検出値の変化により使用者が携帯端末装置に触れたと検知するようにしてもよい。
【0036】
使用者が装置に触れたという通知を状態検出部17から制御部11が受信すると(ステップS11/YES)、画像照合モードへ移行して、画像取得部14が撮像部(カメラ)108を起動させ(ステップS12)、オートフォーカス機能により使用者の提示したもの(例えば、顔)に焦点を合わせにいき(ステップS13)、焦点が合ったところで使用者に照合するか否かを問い合わせ、照合を行うとの入力があったときには(ステップS14/YES)、ステップS15へ進む。
【0037】
一方、照合をしないとの入力が使用者からあったときには(ステップS14/NO)、使用者への携帯端末装置の所定の機能制限(例えば、ロック)の解除を行わずに終了してもよいし、あるいは、第2の照合手段(指紋、静脈、虹彩、パスワードなど)を起動させてもよい。この第2の照合方法は、予め決められた方法でもよいが、照合情報記憶部13に登録された照合に失敗した場合の照合方法を使うようにしてもよい。
また、照合の問い合わせを行うことなく、自動的に照合を行うようにしてもよい。
【0038】
照合すると使用者が指定すると、画像を撮影する(ステップS15)。
ここで、画像が撮影されるときには、撮像部108で入力された画像は表示部105へ表示されるとともに、画像照合モードで処理中である旨が表示される。この撮影された画像は、画像取得部14から制御部11に渡される。
【0039】
制御部11は、照合部15を起動する。ここで、照合部15は、画像照合モードへ移行した際に、画像取得部14とともに起動するようにしてもよい。さらに、制御部11は、画像の取得が完了したことを表示部105、LED112やスピーカ113等に対して報知するようにしてもよい。
照合部15では、画像取得部14で取得した画像情報と照合情報記憶部13に記憶されている許可対象者の提示した照合情報と比較し、判定部16で両画像が所定の一致条件を満たしているか否かを判定する(ステップS16)。
判定部16で、両画像が所定の一致条件を満たしていると判断されれば(ステップS17/YES)、撮像部108を停止させ、使用者への携帯端末装置の所定の機能制限(例えば、ロック)を解除し、表示部105の表示を使用者に許された機能に対する表示画面に切り替えて、使用者の操作の操作待ちにする(ステップS18)。
【0040】
一方、判定部16で、両画像が所定の一致条件を満たしていないと判断されれば(ステップS17/NO)、撮像部108を停止させ、表示部105に撮像画面以外の画面を表示させて、使用者への機能制限を維持する(ステップS19)。
【0041】
ここで、通知部18により、表示部105へ「許可対象者と確認できなかった」旨の表示を行ってもよい。または、所定の一致条件を満たす迄、繰り返しカメラで撮影し続けるようにしてもよいし、第2の照合方法によって照合を継続するようにしてもよい。
さらに、所定回数の比較照合を行っても所定の一致条件を満たさない場合には、通知部18により予め登録しておいた連絡先へ「(電話番号や装置の個体番号)の携帯端末装置が許可対象者でない者が操作している」旨の通知を行ってもよい。
【0042】
また、照合に失敗したときには、画像取得部14で撮影した画像情報を不一致画像記憶部へ記憶させるようにしてもよい。このように記憶した不一致画像を許可対象者が見れば、誰が不正に使おうとしたかが一目で分かる。
また、携帯端末装置が通信手段を備えていれば、予め登録しておいた連絡先に「(電話番号や装置の個体番号)の携帯端末装置が許可対象者でない者が操作している」旨の通知を通信手段で転送するようにしてもよいし、上記の不一致画像を添付した通知を転送するようにしてもよい。
【0043】
また、携帯端末装置が位置取得手段を備えていれば、照合に失敗したときに、この位置情報取得手段で取得した携帯端末装置の位置情報を位置情報記憶手段に記憶するようにしてもよい。このように記憶した位置情報を許可対象者が見れば、どのような経過を辿ったかを追いやすくなる。この位置情報は、携帯端末装置を拾った不正者が照合を行った場所を転々移動することが考えられるため、継続的に位置情報を取得するようにする。
【0044】
さらに、携帯端末装置が通信手段を備えていれば、この位置情報記憶手段に記憶された位置情報を使って、予め登録しておいた連絡先に「(電話番号や装置の個体番号)の携帯端末装置が許可対象者でない者が(どのような場所)で操作している」旨の通知を通信手段で転送するようにしてもよいし、上記の不一致画像を添付した通知を転送するようにしてもよい。この通知は、携帯端末装置を拾った不正者が照合を行った場所を転々移動することが考えられるため、継続的に位置情報を転送するようにする。
【0045】
また、画像照合モードへ移行したときに、照合が完了するまでの時間に制限を加えるようにしてもよい。
この場合には、照合にかかる時間の制限(制限時間)を照合制限時間記憶部に予め設定する照合制限時間設定部と、経過時間を計測する計測部と、経過時間を報知する経過時間報知部と、経過時間が制限時間を超えるか否かを判定する時間判定部とを備える。
照合制限時間設定部は、照合にかかる制限時間を既定値として設定するか、あるいは、使用者によって設定された制限時間を照合制限時間記憶部に設定する。
計測部は、画像照合モードが開始されると、この照合開始時間から照合を行っている経過時間を計測する。
【0046】
経過時間報知部は、画像照合モードを実行中である旨のメッセージに加えて、照合制限時間記憶部に記憶された制限時間と計測部で計測した経過時間とから、時間制限の残り時間を算出して報知する。この報知では、時間経過を数値として表示するだけではなく、バー表示したり、バブルの発生状況を表示したり、LED112によって色やパターンの変化によって知らせたり、あるいはスピーカ113に音の変化を出力したりして、残り時間の僅少になっている状態を知らせる。
時間判定部は、計測部で計測した経過時間が、照合制限時間記憶部に記憶された制限時間を超えるか否かを判断して制限時間を超えた場合に、照合が未完了として制御部11へ通知する。
【0047】
制御部11は、照合が未完了の通知を受け取ると、上述のような「照合に失敗した場合」として処理する。あるいは、「第2の照合手段」によって再度照合を実行するようにしてもよい。
【0048】
照合の制限時間に照合処理が未完了であったり、あるいは、判定部16で一致条件を満たさない場合に、第2の照合方法で照合を継続する際には、再照合の回数に制限を予め設けておき、この制限回数を超過した場合に、再照合をさせずに照合に失敗したものとみなし、上述した報知を行うようにする。
【0049】
また、顔をケガしたりしたときには照合部15が失敗したと判断されるよりも前に、第2の照合方法を行いたいときがある。そのような場合、照合部15の照合中に第2の照合方法で操作をされ場合、照合部15の実行を中止して第2の照合方法を実行する、あるいは、照合部15と並行して第2の照合方法を実行するようにしてもよい。
この第2の照合方法の操作とは、例えば、「指紋センサーが指を検出した場合(指紋認証)」、「撮像部108が手を撮影していることを検出した場合(静脈認証)」、「撮像部108が目を撮影していることを検出した場合(虹彩認証)」、あるいは、「パスワード入力のためにキーが押されたことを検出した場合(パスワード認証)」等である。
【0050】
<実施形態2>
図5は、本実施形態2に係る折り畳み型携帯端末装置の外観図である。
この携帯端末装置は、第1筐体31と第2筐体32とを開閉自在に接続され、これらの第1筐体31と第2筐体32を折り畳めるようになっており、撮像部(カメラ)108は、第1筐体31の内側上部に配置されている。また、この撮像部108にはオートフォーカス機能が備わっているものとする。
【0051】
また、本実施形態2の機能構成は、実施形態1(図3参照)と同じであるから、相違点についてのみ説明する。
本実施形態2の折り畳み型携帯端末装置では、センサー106として磁石を設置し、その磁気を検知する磁気センサーを用いる。これらの磁石と磁気センサーとは、図5に例示したように、第1筐体31と第2筐体32が閉じた状態では磁石34の磁気を磁気センサー33で検知できるような近接した位置にあり、開いた状態では離れて磁気を検知しないような位置に配置される。
状態検出部17は、磁気センサー33が磁石34の磁気を検知しているときは閉じた状態、あるいは、はじめて磁気を検知しなくなったときは開いた状態になったと判断し、照合が可能な状態になったとして、制御部11へ通知する。
【0052】
ここで、状態検出部17では、磁石34と磁気センサー33とを用いて照合可能な状態を判定したが、使用者が携帯端末装置を使用開始状態にしたことが分かるもの、例えば、筐体間に感圧式スイッチを設け、筐体を開けることによって感圧状況に変化がおきたことによって判断するようにしてもよい。
【0053】
次に、図6のフローチャートを用いて、本実施形態2に係る携帯端末装置で許可対象者の照合を行う手順を説明する。
まず、状態検出部17で携帯端末装置が照合可能な状態の形態になったことを検出して制御部11に通知する(ステップS21)。
ここで、状態検出部17は、使用者が第1筐体31と第2筐体32を閉じた状態から開いた状態にしたときに、磁気センサー33が磁気を検知しなくなったので、使用者が筐体を開いた状態にしたと判断し、制御部11へ通知する。あるいは、センサー106に筐体の開閉の角度センサーを備えていれば、その検出値の変化により使用者が携帯端末装置を開いた状態にしたと判断するようにしてもよい。
【0054】
照合可能な状態になったという通知を制御部11が受信すると(ステップS21/YES)、画像照合モードへ移行して、画像取得部14が撮像部(カメラ)108を起動させ(ステップS22)、オートフォーカス機能により使用者の提示したもの(例えば、顔)に焦点を合わせにいき(ステップS23)、焦点が合ったところで使用者に照合するか否かを問い合わせ、照合を行うとの入力があったときには(ステップS24/YES)、ステップS25へ進む。
【0055】
一方、照合をしないとの入力が使用者からあったときには(ステップS24/NO)、使用者への携帯端末装置の所定の機能制限(例えば、ロック)の解除を行わずに終了してもよいし、あるいは、第2の照合手段(指紋、静脈、虹彩、パスワードなど)を起動させてもよい。この第2の照合方法は、予め決められた方法でもよいが、照合情報記憶部13に登録された照合に失敗した場合の照合方法を使うようにしてもよい。
また、照合の問い合わせを行うことなく、自動的に照合を行うようにしてもよい。
【0056】
照合すると使用者が指定すると、画像を撮影する(ステップS25)。
ここで、画像が撮影されるときには、撮像部108で入力された画像は表示部105へ表示されるとともに、画像照合モードで処理中である旨が表示される。この撮影された画像は、画像取得部14から制御部11に渡される。
【0057】
制御部11は、照合部15を起動する。ここで、照合部15は、画像照合モードへ移行した際に、画像取得部14とともに起動するようにしてもよい。
照合部15では、画像取得部14で取得した画像情報と照合情報記憶部13に記憶されている許可対象者の提示した照合情報と比較し、判定部16で両画像が所定の一致条件を満たしているか否かを判定する(ステップS26)。
判定部16で、両画像が所定の一致条件を満たしていると判断されれば(ステップS27/YES)、撮像部108を停止させ、使用者への携帯端末装置の所定の機能制限(例えば、ロック)を解除し、表示部105の表示を使用者に許された機能に対する表示画面に切り替えて、使用者の操作の操作待ちにする(ステップS28)。
【0058】
一方、判定部16で、両画像が所定の条件を満たしていないと判断されれば(ステップS27/NO)、撮像部108を停止させ、使用者への機能制限を維持する(ステップS29)。
【0059】
ここで、照合が未完了となったとき、あるいは照合に失敗したとき、警告の通知や照合に関する制限時間等については、上記の実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0060】
<実施形態3>
図7は、本実施形態3に係るスライド型携帯端末装置の外観図である。
この携帯端末装置は、第1筐体31と第2筐体32とが長手方向にスライド自在、あるいは第1筐体31が第2筐体32の左右方向に回動(スライド)自在に接続されたスライド構造を有する携帯端末装置であり、撮像部(カメラ)108は、表示部105の周辺に配置されているものとする。
【0061】
また、本実施形態3のスライド型携帯端末装置では、センサー106として磁石を設置し、その磁気を検知する磁気センサーを用いる。
第1筐体31と第2筐体32とが長手方向にスライド自在の携帯端末装置の磁気センサー33と磁石34は、第1筐体31と第2筐体32とが重なるようにスライドさせて、磁気センサー33と磁石34とが近接した位置にきたときに、磁石の磁気が磁気センサーで検知され(閉じた状態)、一方、第1筐体31と第2筐体32とを離れるように長手方向にスライドさせて、磁気センサー33と磁石34とが離れた位置になったときに、磁石の磁気を磁気センサーが検知しない(開いた状態)ような位置に配置する(図7)。
【0062】
また、第1筐体31が第2筐体32の左右方向に回動(スライド)自在なスライドする携帯端末装置の磁気センサー33と磁石34は、第1筐体31と第2筐体32とが重なるように回動(スライド)させて、磁気センサー33と磁石34とが近接した位置にきたときに、磁石の磁気が磁気センサーで検知され(閉じた状態)、一方、第1筐体31と第2筐体32とを離れるように回動(スライド)させて、磁気センサー33と磁石34とが離れた位置になったときに、磁石の磁気を磁気センサーが検知しない(開いた状態)ような位置に配置する(図8)。
【0063】
また、本実施形態3の機能構成は、実施形態1(図3参照)と同じであるから、相違点についてのみ説明する。
状態検出部17は、磁気センサー33が磁石34の磁気を検知しているときは閉じた状態にある、あるいは、はじめて磁気を検知しなくなったときは開いた状態になったと判断し、携帯端末装置が照合可能な状態になったとして、制御部11へ通知する。
ここで、状態検出部17では、磁石34と磁気センサー33とを用いて、照合可能な状態を判定したが、使用者が携帯端末装置を使用開始状態にしたことが分かるもの、例えば、筐体をスライドすることによって感圧状況に変化がおきたことによって判断するようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態3の照合動作は、上記の実施形態2と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0065】
<実施形態4>
図9は、本実施形態4に係る携帯端末装置の外観図である。
この携帯端末装置は、第1筐体31と第2筐体32とを開閉自在に接続され、これらの第1筐体31と第2筐体32を折り畳めるとともに、第1筐体31が回転自在になっている表示部が回転可能な携帯端末装置であり、図9のように2つの筐体を離間させて開いている「開いた状態」、2つの筐体を近接させて閉じている「閉じた状態」および表示部を使用者側から見られるようにした「視聴する状態」を取り得る。また、撮像部(カメラ)108は、第1筐体31の内側上部に配置されている。また、この撮像部108にはオートフォーカス機能が備わっているものとする。
【0066】
また、本実施形態4の携帯端末装置では、センサー106として磁石を設置し、その磁気を検知する磁気センサーを用いる。これらの磁石と磁気センサーとは、携帯端末装置の3つの状態(「開いた状態」、「閉じた状」、「視聴する状態」)を認識するために、図9に例示したように、2つの磁気センサー33,36と3つの磁石34を備え、次のように配置する。
【0067】
(1)「閉じた状態」:
第1磁気センサー33および第2磁気センサー36で磁石34の磁気を検知できるような近接した位置にくるように配置する。
(2)「開いた状態」:
第1磁気センサー33は磁気を検知しない離れた位置に、第2磁気センサー36は磁気を検知する近接した位置にくるように配置する。
(3)「視聴する状態」:
第1磁気センサー33は磁気を検知する近接した位置に、第2磁気センサー36は磁気を検知しない離れた位置にくるように配置する。
【0068】
また、本実施形態4の機能構成は、実施形態1(図3参照)と同じであるから、相違点についてのみ説明する。
【0069】
状態検出部17は、上述したように第1磁気センサー33と第2磁気センサー36とがともに磁石34の磁気を検知しているときは「閉じた状態」であり、照合状態になっていないとして制御部11へ通知しない。
また、状態検出部17は、第1磁気センサー33が磁石34の磁気を検知せず、第2磁気センサー36が磁石34の磁気をはじめて検知したときは「開いた状態」であり、照合状態になったとして、制御部11へ通知する。
【0070】
また、状態検出部17は、第1磁気センサー33が磁石34の磁気を検知しており、第2磁気センサー36が磁石34の磁気を検知しなくなったときは「視聴する状態」であり、このときに、第1筐体31あるいは第2筐体32あるいはタッチパネル付の表示部105等に触れたことをセンサー106で検知したときに、照合状態になっていると判断して、制御部11へ通知する。あるいは、センサー106に加速度センサーや音声認識センサーを備えていれば、「視聴する状態」であったときに、センサー106の検出値の変化により照合状態になったと判断するようにしてもよい。
【0071】
次に、図10のフローチャートを用いて、本実施形態4に係る携帯端末装置で許可対象者の照合を行う手順を説明する。
まず、状態検出部17で、開いた状態、視聴する状態かあるいは閉じた状態かを検出して装置の使用状態を判定する(ステップS31)。
ここで、第1磁気センサー33と第2磁気センサー36の磁気の検知状態を調べて、次のような使用状態を判定する。
(1)第1磁気センサー33および第2磁気センサー36ともに磁気を検知したとき、「閉じた状態」とする。また、第1磁気センサー33および第2磁気センサー36ともに磁気を検知しないときにも「閉じた状態」として扱う。
(2)第1磁気センサー33が磁気を検知し、第2磁気センサー36が磁気を検知しないとき、「視聴する状態」とする。
(3)第1磁気センサー33が磁気を検知せず、第2磁気センサー36が磁気を検知したとき、「開いた状態」とする。
【0072】
「視聴する状態」の場合には(ステップS32/YES)、携帯端末装置が所定の状態になるまで待つ(ステップS33)。
ここで、所定の状態とは、例えば、使用者が携帯端末装置の第1筐体31あるいは第2筐体32、タッチパネル付の表示部105あるいは操作部111(いずれかのキー)等に触れたことをセンサー106で検知した場合、あるいは、センサー106に加速度センサーや音声認識センサーを備えていれば、それらの検出値の変化により使用者が携帯端末装置に触れたと検知した場合である。
【0073】
使用者が携帯端末装置に触れたという通知を制御部11が受信すると(ステップS33/YES)、画像照合モードへ移行して、画像取得部14が撮像部(カメラ)108を起動させ(ステップS34)、オートフォーカス機能により使用者の提示したもの(例えば、顔)に焦点を合わせにいき(ステップS35)、使用者に照合するか否かを問い合わせ、照合を行うとの入力があったときには(ステップS36/YES)、ステップS37へ進む。
【0074】
一方、照合をしないとの入力が使用者からあったときには(ステップS36/NO)、使用者への携帯端末装置の所定の機能制限(例えば、ロック)の解除を行わずに終了してもよいし、あるいは、第2の照合手段(指紋、静脈、虹彩、パスワードなど)を起動させてもよい。この第2の照合方法は、予め決められた方法でもよいが、照合情報記憶部13に登録された照合に失敗した場合の照合方法を使うようにしてもよい。
また、照合の問い合わせを行うことなく、自動的に照合を行うようにしてもよい。
【0075】
照合すると使用者が指定すると、画像を撮影する(ステップS37)。
ここで、画像が撮影されるときには、撮像部108で入力された画像は表示部105へ表示されるとともに、画像照合モードで処理中である旨が表示される。この撮影された画像は、画像取得部14から制御部11に渡される。
【0076】
制御部11は、照合部15を起動する。ここで、照合部15は、画像照合モードへ移行した際に、画像取得部14とともに起動するようにしてもよい。
照合部15では、画像取得部14で取得した画像情報と照合情報記憶部13に記憶されている許可対象者の提示した照合情報と比較し、判定部16で両画像が所定の一致条件を満たしているか否かを判定する(ステップS38)。
判定部16で、両画像が所定の一致条件を満たしていると判断されれば(ステップS39/YES)、撮像部108を停止させ、使用者への携帯端末装置の所定の機能制限(例えば、ロック)を解除し、表示部105の表示を使用者に許された機能に対する表示画面に切り替えて、使用者の操作の操作待ちにする(ステップS40)。
【0077】
一方、判定部16で、両画像が所定の一致条件を満たしていないと判断されれば(ステップS39/NO)、撮像部108を停止させ、使用者への機能制限を維持する(ステップS41)。
【0078】
また、携帯端末装置が「開いた状態」にあったときには(ステップS42/YES)、画像照合モードに移行すべきと判断し、ステップS34へ進んで、照合処理を開始する。
一方、携帯端末装置が「閉じた状態」にあったときには(ステップS42/NO)、画像照合モードには移行せず、照合処理を行わない。
【0079】
ここで、照合が未完了となったとき、あるいは照合に失敗したとき、警告の通知や照合に関する制限時間等については、上記の実施形態1、2、3と同様であるので説明を省略する。
【0080】
<実施形態5>
図11は、本実施形態5に係る回転式カメラ付携帯端末装置の外観図である。
この携帯端末装置は、実施形態2と同様の折り畳み型携帯端末装置であるが、撮像部(カメラ)108は180度回転可能で、第1筐体31と第2筐体32を開いた状態で撮像部(カメラ)108を外側に向けて「通常撮り」と、内側に向けて「自分撮り」とを行うことができるものとする。
また、このタイプの携帯端末装置で第1筐体31と第2筐体32が開いているかまたは閉じているかを検出するために、実施形態2と同様な位置に磁石と磁気センサーを設置するようにした。
【0081】
また、このタイプの携帯端末装置で第1筐体31と第2筐体32を開いたとき、回転式カメラ108は使用者の顔を捉える方向、つまり内側に向いているとは限らないので、筐体の接続部に回転式カメラ108の向きを検知する角度センサーを設置する。
この角度センサーの角度により、第1筐体31および第2筐体32を開いたときに撮像部(回転式カメラ)108がいずれの向きになっているかを判断し、内側を向いていないときは照合を開始せず、回転式カメラ108を内側に向けたときに照合を開始させるようにする。
しかし、この照合の対象が顔ではなく、物品、手の形や筆跡等を用いるときには、回転式カメラ108が外側に向いたときに照合を開始する。
【0082】
本実施形態5の機能構成は、上記の実施形態2と同様であるから説明を省略する。
次に、図12のフローチャートを用いて、本実施形態5に係る携帯端末装置で許可対象者の照合を行う手順を説明する。尚、照合には使用者の顔を用いるものとして説明するが、物品等の場合であっても同様に適用することができる。
まず、状態検出部17で携帯端末装置が照合可能な状態になったことを検出して制御部11に通知する(ステップS51)。
ここで、状態検出部17は、使用者が第1筐体31と第2筐体32を閉じた状態から開いた状態にしたときに、磁気センサー33が検知していた磁気が検知しなくなるので、使用者が筐体を開いた状態にしたと判断する。あるいは、センサー106に筐体の開閉の角度センサーを備えていれば、その検出値の変化により使用者が携帯端末装置を使用したと判断するようにしてもよい。
【0083】
装置が開いた状態になったという通知を制御部11が受信すると(ステップS51/YES)、画像照合モードへ移行して、画像取得部14を起動させ、角度センサーにより撮像部(回転式カメラ)108の向いている角度を検知し、撮像部108が内側に向けられるまで撮像部108を起動させずに待つ(ステップS52/NO)。
一方、撮像部108が内側の正面へ向いたと判断した場合(ステップS52/YES)、撮像部(カメラ)108を起動する(ステップS53)。
【0084】
撮像部108が起動されると、オートフォーカス機能により使用者の提示したもの(例えば、顔)に焦点を合わせにいき(ステップS54)、焦点が合った使用者に照合するか否かを問い合わせ、照合を行うとの入力があったときには(ステップS55/YES)、ステップS56へ進む。
【0085】
一方、照合をしないとの入力が使用者からあったときには(ステップS55/NO)、使用者への携帯端末装置の所定の機能制限(例えば、ロック)の解除を行わずに終了してもよいし、あるいは、第2の照合手段(指紋、静脈、虹彩、パスワードなど)を起動させてもよい。この第2の照合方法は、予め決められた方法でもよいが、照合情報記憶部13に登録された照合に失敗した場合の照合方法を使うようにしてもよい。
また、照合の問い合わせを行うことなく、自動的に照合を行うようにしてもよい。
【0086】
照合すると使用者が指定すると、画像を撮影する(ステップS56)。
ここで、画像が撮影されるときには、撮像部108で入力された画像は表示部105へ表示されるとともに、画像照合モードで処理中である旨が表示される。この撮影された画像は、画像取得部14から制御部11に渡される。
【0087】
制御部11は、照合部15を起動する。ここで、照合部15は、画像照合モードへ移行した際に、画像取得部14とともに起動するようにしてもよい。
照合部15では、画像取得部14で取得した画像情報と照合情報記憶部13に記憶されている許可対象者の提示した照合情報と比較し、判定部16で両画像が所定の一致条件を満たしているか否かを判定する(ステップS57)。
判定部16で、両画像が所定の一致条件を満たしていると判断されれば(ステップS58/YES)、撮像部108を停止させ、使用者への携帯端末装置の所定の機能制限(例えば、ロック)を解除し、表示部105の表示を使用者に許された機能に対する表示画面に切り替えて、使用者の操作の操作待ちにする(ステップS59)。
【0088】
一方、判定部16で、両画像が所定の条件を満たしていないと判断されれば(ステップS58/NO)、撮像部108を停止させ、使用者への機能制限を維持する(ステップS60)。
【0089】
ここで、照合が未完了となったとき、あるいは照合に失敗したとき、警告の通知や照合に関する制限時間等については、上記の実施形態1乃至4と同様であるので説明を省略する。
【0090】
また、本実施形態5では、状態検出部17は、第1筐体31と第2筐体32を開いたときに、照合可能な状態になったと判断していたが、実施形態1のようにストレート型携帯端末装置に回転式カメラを備えた場合には、カメラを回転させたことを検知して、回転式カメラを起動させて、照合対象の物品を写せる位置まで回転したときに、照合可能になったとするようにしてもよい。
【0091】
<実施形態6>
本実施形態6は、携帯端末装置と照合サーバとをネットワークで接続させておき、この携帯端末装置では、上述の実施形態に説明した照合用の画像を撮影して、この画像情報と携帯端末装置を識別する情報とを照合サーバに送って、照合サーバから照合して判定した結果を受信して、判定結果によって携帯端末装置の機能制限を制御するものである。
【0092】
照合サーバでは、携帯端末装置の識別情報と、当該装置の使用許可を与える許可対象者を照合するための画像情報とを対応させて予め照合情報記憶部に登録しておく。
照合サーバでは、携帯端末装置から受け取った装置の識別情報に対応する画像情報を照合情報記憶部から取り出し、受信した画像情報とを照合する。この照合が所定の一致条件を満足すれば、照合が成功したとして携帯端末装置へ通知する。
携帯端末装置では、照合の成功通知を受信すると、この使用者の装置に対する機能制限を解除する。
【0093】
一方、照合サーバで、照合の不成功と判断すると、照合に失敗した旨の報知を携帯端末装置へ送信する。
携帯端末装置で、照合の不成功通知を受信したときは、使用者への装置に対する機能制限を維持するとともに、その装置の表示手段へ「許可対象者と確認できなかった」旨の表示を行ってもよいし、報知手段によって色や音によって「許可対象者と確認できなかった」ことを警告するようにしてもよい。
さらに、照合サーバでは、通信手段によって、予め登録しておいた通知先へ「(電話番号や装置の個体番号)の携帯端末装置が許可対象者でない者が操作している」旨の通知を通知する。あるいは、携帯端末装置から受信した画像情報を添付して、上記の胸の通知を行なってもよい。
【0094】
<その他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態のみに限定されたものではない。上述した実施形態の携帯端末装置を構成する各機能をそれぞれプログラム化して、予めROMのような記録媒体に書き込んでおき、この記録媒体を携帯端末装置に装着して、これらのプログラムを実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
また、上記プログラムは、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することによって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0095】
なお、上述した実施形態の機能を実現するプログラムは、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等のいずれの形態の記録媒体で提供されてもよい。あるいは、ネットワークを介して記憶装置に格納された上記プログラムをサーバコンピュータから直接供給を受けるようにしてもよい。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
このように、上述した実施形態の機能をプログラム化して流通させることによって、コストの低廉化、および可搬性や汎用性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0096】
11…制御部、12…登録更新部、13…照合情報記憶部、14…画像取得部、15…照合部、16…判定部、17…状態検出部、18…通知部、30,31,32…筐体、33…(第1)磁気センサー、36…第2磁気センサー、34…磁石、101…通信I/F、102…通信制御部、103…揮発性メモリ、104…表示制御部、105…表示部、106…センサー、107…画像処理部、108…撮像部(カメラ、回転式カメラ)、109…画像比較部、110…不揮発性メモリ、111…操作部、112…LED、113…スピーカ、114…主制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を備える第1の筐体と、操作手段を備える第2の筐体が回動可能に連結されており、前記第1の筐体の折り畳まれた閉状態で内側となる面に撮像手段が配置されている携帯端末装置であって、
前記第1の筐体と第2の筐体の回動による携帯端末装置の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
照合のための画像情報を記憶する照合情報記憶手段と、
前記撮像手段で取得した画像情報と前記照合情報記憶手段に記憶された画像情報とが所定の一致条件を満たしているか否かを照合する照合手段と、
該照合手段で照合した結果が前記所定の一致条件を満たした場合に、操作者に許可された当該携帯端末装置の機能の操作の実行を許容する制御手段と、を備え、
前記開閉状態検出手段が開状態であることを検出したら前記撮像手段を起動し、
前記撮像手段が取得した画像を前記表示手段に表示することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
表示手段と撮像手段を備える第1の筐体と、操作手段を備える第2の筐体がスライド可能に連結されている携帯端末装置であって、
前記第1の筐体と第2の筐体のスライドによる携帯端末装置の開閉状態を検出するスライド状態検出手段と、
照合のための画像情報を記憶する照合情報記憶手段と、
前記撮像手段で取得した画像情報と前記照合情報記憶手段に記憶された画像情報とが所定の一致条件を満たしているか否かを照合する照合手段と、
該照合手段で照合した結果が前記所定の一致条件を満たした場合に、操作者に許可された当該携帯端末装置の機能の操作の実行を許容する制御手段と、を備え、
前記スライド状態検出手段が開状態であることを検出したら前記撮像手段を起動し、
前記撮像手段が取得した画像を前記表示手段に表示することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、前記撮像手段を起動後、オートフォーカス機能により焦点が合ったことを検出したら、前記照合手段により照合動作を行うことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、前記撮像手段を起動後、オートフォーカス機能により焦点が合ったことを検出したら、使用者に照合を行うか否かを告知することを特徴とする携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−246132(P2010−246132A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118134(P2010−118134)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【分割の表示】特願2007−508015(P2007−508015)の分割
【原出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】