説明

携帯端末装置

【課題】携帯端末装置を用いて歩行ナビゲーションを行う際に、観光地等でのユーザの利便性を向上させること。
【解決手段】第1記憶部104はスケジュール種別に従って第1の平均歩行速度を算出し、第2記憶部106は第1の平均歩行速度よりも遅い第2の平均歩行速度を算出し、第1通知時刻算出部105は第1の平均歩行速度を用いて第1のアラーム通知時刻を算出し、第2通知時刻算出部107は第2の平均歩行速度を用いて第1のアラーム通知時刻よりも早い第2のアラーム通知時刻を算出し、アラーム通知部110は第1のアラーム通知時刻および第2のアラーム通知時刻に従って2段階のアラーム通知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行時に携帯端末装置を用いて目的地までの経路を検索する歩行ナビゲーション技術として、過去に測定したユーザの歩行速度の履歴からユーザの標準的な歩行速度を求め、求めた歩行速度に基づいて目的地までの所要時間を予測するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−116320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、観光地において携帯端末装置を用いて歩行ナビゲーションを行う場合を想定すると、観光地では見物のための時間を要するため、通常の場合の歩行速度よりも歩行速度が遅くなってしまう。このため、上記の従来技術のようにしてユーザの標準的な歩行速度から所要時間を求めると、観光地では実際よりも短い所要時間が算出されることになってしまう。このため、例えば、バスツアー等により集合場所に戻る時刻が決められていて所要時間を考慮してユーザにアラーム通知をする場合を想定すると、実際よりも短い所要時間に基づいてアラーム通知がなされるため、ユーザが集合時刻に遅れてしまう事態が発生する可能性がある。
【0005】
一方で、集合場所から遠い地点での観光に使う時間を極力長くすることを希望し、その地点から集合場所へは早足で戻ってもよいという意図を持ったユーザにとっては、観光地用の歩行速度から求めた所要時間に基づいてアラーム通知がなされると、ユーザは集合時刻よりも大幅に早い時刻に集合場所に戻らされてしまう事態が発生する可能性がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、歩行ナビゲーションを行う際に、観光地等でのユーザの利便性を向上させることができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末装置は、ナビゲーション機能を有する携帯端末装置であって、スケジュール種別に従って、第1の平均歩行速度と、前記第1の平均歩行速度よりも遅い第2の平均歩行速度を算出する歩行速度算出手段と、前記第1の平均歩行速度を用いて第1のアラーム通知時刻を算出するとともに、前記第2の平均歩行速度を用いて前記第1のアラーム通知時刻よりも早い第2のアラーム通知時刻を算出する通知時刻算出手段と、前記第1のアラーム通知時刻および前記第2のアラーム通知時刻に従って、2段階のアラーム通知を行う通知手段と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、歩行ナビゲーションを行う際に、観光地等でのユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の構成を示す機能ブロック図
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の動作の具体例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末装置100の構成を示す機能ブロック図である。
【0012】
携帯端末装置100において、スケジュール記憶部101は、ユーザのスケジュールを記憶する。スケジュール記憶部101に記憶されたスケジュールは、複数のスケジュール種別に分類される。以下の説明では、スケジュール記憶部101には、ユーザのバスツアー中のスケジュールが記憶され、そのバスツアー中のスケジュールは、「歩行移動中」または「観光中」の2つのスケジュール種別に分類されて記憶されているものとする。
【0013】
歩行速度測定部102は、ユーザの歩行速度を一定時間毎に測定し、測定結果をスケジュール判断部103に出力する。
【0014】
スケジュール判断部103は、歩行速度測定部102から測定結果が出力された時、その出力時刻に該当するスケジュールのスケジュール種別をスケジュール記憶部101から取得する。そして、スケジュール判断部103は、スケジュール種別に応じて、歩行速度の測定結果を第1記憶部104または第2記憶部106に出力する。すなわち、スケジュール判断部103は、スケジュール種別が「歩行移動中」である場合は測定結果を第1記憶部104に出力し、スケジュール種別が「観光中」である場合は測定結果を第2記憶部106に出力する。これにより、第1記憶部104にはスケジュール種別が「歩行移動中」の場合の歩行速度の測定履歴が記憶され、第2記憶部106にはスケジュール種別が「観光中」の場合の歩行速度の測定履歴が記憶されることとなる。
【0015】
第1記憶部104は、記憶された測定履歴から、スケジュール種別が「歩行移動中」の場合の歩行速度の平均値(移動中平均値)vを算出し、算出結果を第1通知時刻算出部105および経路探索部109に出力する。
【0016】
第2記憶部106は、記憶された測定履歴から、スケジュール種別が「観光中」の場合の歩行速度の平均値(観光中平均値)vを算出し、算出結果を第2通知時刻算出部107に出力する。
【0017】
ここで、上記のように、観光地では見物のための時間を要するため、通常の場合の歩行速度よりも歩行速度が遅くなってしまう。よって、通常、観光中平均値は移動中平均値よりも遅い速度となる。例えば、観光中平均値は時速1kmとなるのに対し、移動中平均値は時速4kmとなる。
【0018】
現在位置検出部108は、GPS等を用いて携帯端末装置100の現在位置を検出し、検出結果を経路探索部109に出力する。
【0019】
経路探索部109は、経路探索開始時には、(1)携帯端末装置100の現在位置またはユーザが設定した出発位置、(2)ユーザが設定した観光位置、および、(3)ユーザが設定した帰着位置(例えば集合場所の位置)から、歩行ナビゲーションの経路を探索し、探索結果の距離および移動中平均値に基づいて所要時間を算出する。そして、経路探索部109は、経路探索開始時刻と所要時間とから帰着位置への到着予定時刻tを算出し、算出結果を第1通知時刻算出部105および第2通知時刻算出部107に出力する。
【0020】
また、経路探索部109は、歩行ナビゲーション中には、現在位置から帰着位置までの距離dを随時算出し、算出結果を第1通知時刻算出部105および第2通知時刻算出部107に出力する。
【0021】
第1通知時刻算出部105は、d/vの計算により第1通知時刻を算出する。そして、第1通知時刻算出部105は、d/v>(t−t)となった時点でアラーム通知部110に対し、ユーザへアラーム通知(アラーム通知1)をするように指示する。なお、tは現在時刻である。
【0022】
第2通知時刻算出部107は、d/vの計算により第2通知時刻を算出する。そして、第2通知時刻算出部107は、d/v>(t−t)となった時点でアラーム通知部110に対し、ユーザへアラーム通知(アラーム通知2)をするように指示する。
【0023】
アラーム通知部110は、第1通知時刻算出部105または第2通知時刻算出部107からの指示に従って、ユーザへアラーム通知を行う。
【0024】
ここで、上記のように通常v<vであるため、アラーム通知1はアラーム通知2よりも遅い時刻になされることになる。
【0025】
次いで、図2を用いて、携帯端末装置100の動作の具体例を説明する。
【0026】
図2では、ユーザが、出発位置をAとして、観光位置B,Cを経由して、出発位置Aと同じ帰着位置Aに戻る場合を想定する。また、上記のように観光中平均値を時速1km、移動中平均値を時速4kmとし、ユーザが出発位置Aから2km離れた現在位置Cにいる場合を想定する。
【0027】
このような想定において、ユーザが現在位置Cから帰着位置Aに戻るためには、歩行速度vの移動であれば30分で帰着位置Aに到着する一方で、歩行速度vの移動であれば帰着位置Aに到着するのに2時間を要する。よって、このような想定において、アラーム通知1はt=17:00の30分前である16:30になされる一方で、アラーム通知2はt=17:00の2時間前である15:00になされることになる。
【0028】
このように、本実施の形態によれば、通常時の歩行速度と観光中の歩行速度の双方を考慮して、2段階でのアラーム通知を行うため、携帯端末装置を用いて観光地等での歩行ナビゲーションを行う際に、各ユーザは自分の歩行速度の特性や自分の趣向に合わせて、必要なアラーム通知を選択することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、ナビゲーション機能を有するすべての携帯端末装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0030】
100 携帯端末装置
101 スケジュール記憶部
102 歩行速度測定部
103 スケジュール判断部
104 第1記憶部
105 第1通知時刻算出部
106 第2記憶部
107 第2通知時刻算出部
108 現在位置検出部
109 経路探索部
110 アラーム通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション機能を有する携帯端末装置であって、
スケジュール種別に従って、第1の平均歩行速度と、前記第1の平均歩行速度よりも遅い第2の平均歩行速度を算出する歩行速度算出手段と、
前記第1の平均歩行速度を用いて第1のアラーム通知時刻を算出するとともに、前記第2の平均歩行速度を用いて前記第1のアラーム通知時刻よりも早い第2のアラーム通知時刻を算出する通知時刻算出手段と、
前記第1のアラーム通知時刻および前記第2のアラーム通知時刻に従って、2段階のアラーム通知を行う通知手段と、
を具備する携帯端末装置。
【請求項2】
ナビゲーション機能を有する携帯端末装置におけるアラーム通知方法であって、
スケジュール種別に従って、第1の平均歩行速度と、前記第1の平均歩行速度よりも遅い第2の平均歩行速度を算出するステップと、
前記第1の平均歩行速度を用いて第1のアラーム通知時刻を算出するとともに、前記第2の平均歩行速度を用いて前記第1のアラーム通知時刻よりも早い第2のアラーム通知時刻を算出するステップと、
前記第1のアラーム通知時刻および前記第2のアラーム通知時刻に従って、2段階のアラーム通知を行うステップと、
を具備するアラーム通知方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−232042(P2011−232042A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99921(P2010−99921)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】