説明

携帯端末装置

【課題】複数のヒンジのうち、不均一なトルクが付加されるヒンジ構造を有する携帯端末装置であって、折畳み位置で筐体間に隙間が生じることを防止できる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置10は、第1及び第2筐体20,30、トルク付加装置41a及び弾性パッド50を備える。第1及び第2筐体20,30は、一方の縁部に配列された複数のヒンジ41,42を介して、折畳み位置と展開位置との間で相互に回動可能に結合される。トルク付加装置41aは、1つのヒンジ41に付属し、展開位置から折畳み位置に移行する際に回動のためのトルクを与える。弾性パッド50は、第1及び第2筐体20,30の少なくとも一方の筐体の表面に、複数のヒンジ41,42の配列方向と並行して配設され、折畳み位置で他方の筐体の表面に当接し、1つのヒンジ41に対応する位置51での硬度が、他の1つのヒンジ42に対応する位置53での硬度よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関し、更に詳しくは、ヒンジを備えた折畳み式の携帯端末装置に関する。
【0002】
携帯電話機等に代表される携帯端末装置には、例えば、ディスプレイが配置された上部筐体と、各種操作キーが配置された下部筐体とを有し、上部筐体と下部筐体とが一対のヒンジを介して回転可能に結合された折畳み式のものがある。
【0003】
折畳み式の携帯端末装置では、開状態(展開位置)から閉状態(折畳み位置)に移行する際に、回動のためのトルク(回転力)が一対のヒンジから与えられる。折畳み式の携帯端末装置では、展開位置から折畳み位置への移行の途中から、このトルクを利用する。トルクを利用した折畳み位置への移行では、或る程度の衝撃力及び衝撃音が発生する。衝撃力は、例えば直接に筐体に印加されると、ディスプレイを損傷する可能性があり、また、衝撃音は、ユーザにとって耳障りである。
【0004】
上記衝撃力及び衝撃音を緩和するために、筐体の先端側で且つ上下筐体の対向面の一方又は双方に、ゴム等の弾性部材(パッド)を配置する構造が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1には、上下筐体にそれぞれ緩衝部材を設けた折畳み式の携帯端末装置が記載されている。特許文献1には、これら緩衝部材の硬度を適切に選択することで、操作キーの接触によるディスプレイの損傷を回避し、また、ヒンジを介して上下筐体を閉じたときの耳障りな音の発生を抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−295070号公報
【特許文献2】特開2001−16310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、折畳み式の携帯端末装置では、筐体の薄型化等、形状の多様化に伴い、各種部材を効率的に実装することが求められている。実装の効率化の観点から、トルクを発生するヒンジユニット(トルク付加装置)を、一対のヒンジのうち、一方のヒンジにのみ実装する構造が知られている。また、この構造では、一対のヒンジのうち、他方のヒンジの内部には、例えば上部筐体と下部筐体とを電気的に接続するフレキシブル基板が実装されている。
【0008】
トルク付加装置が一方のヒンジにのみ実装された上記構造では、上部筐体と下部筐体との開閉時に、トルクが一方のヒンジにしか発生しない。このため、上記構造では、開閉時にヒンジの配列方向(左右方向)でトルクバランスが崩れ、折畳み位置で上部筐体が下部筐体に対して傾く場合がある。また、上部筐体が、トルク付加装置が実装された一方のヒンジ側に強く引っ張られると、上部筐体と下部筐体との間に隙間が発生する。この隙間は、内部にフレキシブル基板が実装された他方のヒンジ側に向かって大きくなる。
【0009】
上記隙間が発生すると、折畳み位置での見栄えが悪くなり、商品価値を損なうという問題がある。また、VIB(Vibration)振動によりユーザに着信等を伝える、いわゆるマナーモードが設定されている場合には、折畳み位置で微細なVIB振動が隙間に伝わる。このため、マナーモード設定時に着信があると、対向する上部筐体と下部筐体とがぶつかり合って、マナーモードに伴う通常の振動音とは別の意図しない異音(ビリツキ音)が発生するという問題もある。
【0010】
特許文献1には、緩衝部材の硬度を適切に選択することは記載されている。しかし、特許文献1は、複数のヒンジのうち、1つのヒンジにのみトルク付加装置が実装された構造を有する携帯端末装置について、折畳み位置で発生する隙間に起因する上記問題を考慮していない。なお、特許文献2には、卓上等で使用する電話機で、底面に複数の足ゴムを設け、その複数の足ゴムに硬さが異なる複数種の弾性体を用いることで、電話機を載置した際のガタつきを抑制する旨が記載されている。しかし、特許文献2は、あくまで卓上等で使用する電話機の足ゴムの硬度を適切に選択することを記載しているに過ぎず、複数のヒンジを有する折畳み式携帯端末装置における上記問題ついては考慮されていない。
【0011】
本発明は、複数のヒンジのうち、不均一なトルクが付加されるヒンジ構造を有する携帯端末装置であって、折畳み位置で筐体間に隙間が生じることを防止できる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、一方の縁部に配列された複数のヒンジを介して、折畳み位置と展開位置との間で相互に回動可能に結合された第1筐体及び第2筐体と、
1つのヒンジに付属し、展開位置から折畳み位置に移行する際に回動のためのトルクを与えるトルク付加装置と、
前記第1筐体及び第2筐体の少なくとも一方の筐体の表面に、前記複数のヒンジの配列方向と並行して配設され、前記折畳み位置で他方の筐体の表面に当接する弾性パッドとを備え、
前記弾性パッドは、前記1つのヒンジに対応する位置における硬度が、他の1つのヒンジに対応する位置における硬度よりも小さい、携帯端末装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、一方の縁部に配列された第1及び第2ヒンジを少なくとも含む複数のヒンジを介して、折畳み位置と展開位置との間で相互に回動可能に結合された第1筐体及び第2筐体と、
前記第1ヒンジに付属し、展開位置から折畳み位置に移行する際に回動のためのトルクを与えるトルク付加装置と、
前記第1筐体及び第2筐体の少なくとも一方の筐体の表面に、前記第1及び第2ヒンジの配列方向と並行し、且つ、前記第1及び第2のヒンジにそれぞれ対応して配設され、前記折畳み位置で他方の筐体の表面にそれぞれ当接する第1及び第2弾性パッドとを備え、
前記第1弾性パッドは、前記第2弾性パッドよりも硬度が小さい、携帯端末装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の携帯端末装置では、不均一なトルクが付加されても、折畳み位置で筐体間に隙間、及び異音が生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の展開位置及び折畳み位置を示す図。
【図2】図1(b)に示す携帯端末装置のA−A断面を示す図。
【図3】(a)及び(b)は、比較例である携帯端末装置の折畳み位置を示す図。
【図4】(a)及び(b)は、他の実施形態に係る携帯端末装置の展開位置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態に係る携帯端末装置は、最小構成として、第1筐体及び第2筐体と、トルク付加装置と、弾性パッドとを備える。第1筐体及び第2筐体は、一方の縁部に配列された複数のヒンジを介して、折畳み位置と展開位置との間で相互に回動可能に結合されている。トルク付加装置は、1つのヒンジに付属し、展開位置から折畳み位置に移行する際に回動のためのトルクを与える。弾性パッドは、第1筐体及び第2筐体の少なくとも一方の筐体の表面に、複数のヒンジの配列方向と並行して配設され、折畳み位置で他方の筐体の表面に当接する。また、弾性パッドは、1つのヒンジに対応する位置における硬度が、他の1つのヒンジに対応する位置における硬度よりも小さい。
【0017】
上記携帯端末装置では、複数のヒンジのうち、例えば1つのヒンジにのみトルク付加装置が付属している場合には、展開位置から折畳み位置に移行する際にトルクバランスが崩れることがある。しかし、弾性パッドは、エリア毎に硬度が異なっており、トルク付加装置が付属する1つのヒンジに対応する位置の硬度が、他の1つのヒンジに対応する位置の硬度よりも小さい。このため、第1筐体及び第2筐体の折畳み位置で、弾性パッドは、1つのヒンジに対応する位置での弾性変形量が、他の1つのヒンジに対応する位置での弾性変形量よりも大きくなる。従って、たとえトルクバランスが崩れても、折畳み位置で筐体間に隙間が生じることを防止できる。また、展開位置から折畳み位置に移行する際にトルク付加装置から与えられたトルクに伴う衝撃を緩和できる。さらに、筐体間に隙間が生じないので、折畳み位置での見栄えも損なわれず、また、着信時に筐体が振動した際にも異音が発生することがない。
【0018】
また、本発明の第2の実施形態に係る携帯端末装置は、最小構成として、第1筐体及び第2筐体と、トルク付加装置と、第1及び第2弾性パッドとを備える。第1筐体及び第2筐体は、一方の縁部に配列された第1及び第2ヒンジを少なくとも含む複数のヒンジを介して、折畳み位置と展開位置との間で相互に回動可能に結合されている。トルク付加装置は、第1ヒンジに付属し、展開位置から折畳み位置に移行する際に回動のためのトルクを与える。第1及び第2弾性パッドは、第1筐体及び第2筐体の少なくとも一方の筐体の表面に、第1及び第2ヒンジの配列方向と並行し、且つ、第1及び第2のヒンジにそれぞれ対応して配設され、折畳み位置で他方の筐体の表面にそれぞれ当接する。第1弾性パッドは、第2弾性パッドよりも硬度が小さい。
【0019】
上記携帯端末装置は、弾性パッドが一体ではなく、別体である第1及び第2弾性パッドからなる点で、先に示した携帯端末装置と異なる。第1弾性パッドは、トルク付加装置が付属した第1のヒンジに対応して筐体の表面に配設され、第2弾性パッドよりも硬度が小さい。このため、第1筐体及び第2筐体の折畳み位置で、第1弾性パッドは、第2弾性パッドよりも弾性変形量が大きくなる。従って、先に示した携帯端末装置と同様に、展開位置から折畳み位置に移行する際にトルク付加装置から与えられたトルクに伴う衝撃を緩和し、また、筐体間に隙間が発生することを防止できる。なお、複数のヒンジとしては、2つ以上の任意の数が含まれる。
【0020】
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施の形態について詳細に説明する。図1(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の展開位置及び折畳み位置をそれぞれ示す図である。携帯端末装置10は、折畳み式の携帯電話機であって、上部筐体20と、下部筐体30と、一対のヒンジ40と、弾性パッド50とを備える。上部筐体20と下部筐体30とは、それぞれの縁部に配列されたヒンジ40を介して、図1(a)に示す展開位置と、図1(b)に示す折畳み位置との間で相互に回動可能に結合されている。上部筐体20は、通話時に受話側となる筐体であって、筐体表面に表示部21と弾性パッド50とを有する。下部筐体30は、通話時に送話側となる筐体であって、筐体表面に各種操作キー31を有する。
【0021】
ヒンジ40は、第1ヒンジ41と第2ヒンジ42を備える。第1ヒンジ41の内部には、ヒンジユニット(以下、トルク付加装置)41aが付属している。トルク付加装置41aは、例えば、展開位置から折畳み位置に移行する際に回動のためのトルクを与える。第2ヒンジ42の内部には、上部筐体20と下部筐体30とを電気的に接続するためのフレキシブル基板42aが実装されている。
【0022】
弾性パッド50は、ゴム等の弾性部材から成り、上部筐体20の表面で先端側の縁部に、第1ヒンジ41及び第2ヒンジ42の配列方向と並行して配設されており、また、折畳み位置で下部筐体30の表面に当接する。さらに、弾性パッド50は、エリア毎に硬度が異なっている。以下、図1(b)のA−A断面を示す図2を参照して説明する。
【0023】
携帯端末装置10では、ユーザの操作に伴って展開位置から折畳み位置に向かって移行し、その移行の途中でトルク付加装置41aより与えられるトルクを利用し、折畳み位置に達する。本携帯端末装置10では、トルク付加装置41aが第1ヒンジ41にのみ付属し、第2ヒンジ42には単にフレキシブル基板42aが実装されているだけであるから、トルクバランスが崩れた状態で折畳み位置に移行する場合がある。トルクバランスが崩れると、折畳み位置における第1ヒンジ41側と第2ヒンジ42側とで、トルクに伴う衝撃が異なる。
【0024】
具体的には、第1ヒンジ41に近い側のパッド部分が受ける衝撃は、第2ヒンジ42に近い側のパッド部分が受ける衝撃よりも大きい。この衝撃を緩和するために、弾性パッド50は、図2に示すエリア51,52,53毎に異なる硬度を有する。弾性パッド50のエリア51,52,53は、折畳み位置でそれぞれ第1ヒンジ41に対応する領域、第1ヒンジ41と第2ヒンジ42の間に対応する領域、第2ヒンジ42に対応する領域である。弾性パッド50は、エリア51の硬度が最も小さく、エリア53の硬度が最も大きく、エリア52が中間の硬度となっている。
【0025】
つまり、弾性パッド50は、折畳み位置でトルクに伴う衝撃が大きい領域程、硬度が小さい。よって、弾性パッド50は、折畳み位置での弾性変形量(潰れ量)が、図中Aに示すように、エリア51が最も大きく、次にエリア52が大きく、エリア53が最も小さい。従って、携帯端末装置10では、トルクバランスが崩れた状態であっても、折畳み位置で上部筐体20と下部筐体30との間に隙間が生じない。
【0026】
次に、図3を参照して比較例を説明する。携帯端末装置11は、エリア毎に硬度が異なる上記弾性パッド50の代わりに、全エリアで硬度が一様な弾性パッド50Aを上部筐体20の先端側の縁部に配設した点で、上記携帯端末装置10と異なる。携帯端末装置11では、図3(a)に示す折畳み位置で、上部筐体20が、トルク付加装置41aが付属した第1ヒンジ41側に引っ張られ、図中矢印で示すように下部筐体30の基準面32に対して傾く傾向にある。なお、基準面32は、下部筐体30の裏面としている。
【0027】
上部筐体20が下部筐体30に対して傾くことで、上部筐体20の弾性パッド50Aと下部筐体30の表面との間に隙間Bが発生する。隙間Bは、第1ヒンジ41側から第2ヒンジ42側に向かって大きくなっている。このため、携帯端末装置11には、折畳み位置で発生する隙間Bにより見栄えが悪くなり、商品価値が低下するという問題がある。
【0028】
また、携帯端末装置11がマナーモード、即ちVIB(Vibration)振動を発生させて着信等をユーザに伝達するモードに設定されていた場合には、折畳み位置で隙間Bが発生すると、通常の振動音とは別の意図しない異音(ビリツキ音)Cが発生する。異音Cは、着信時に微細なVIB振動Dが隙間Bに伝わり、上部筐体20の弾性パッド50Aと下部筐体30の表面とが接触し合うことで発生する。つまり、携帯端末装置11には、マナーモード設定時に着信があると、ユーザにとって耳障りな異音Cが常に発生するという問題もある。
【0029】
これに対して、本実施形態では、折畳み位置で衝撃が大きい領域程、弾性パッド50の硬度を小さくし、各エリア51〜53毎に潰れ量を調整している。従って、折畳み位置での衝撃を緩和でき、上部筐体20の弾性パッド50と下部筐体30の表面との間に隙間Bが発生することを防止できる。また、隙間Bの発生を防止することで、折畳み位置での見栄えが損なわれず、さらに、マナーモード設定時に異音Cが発生しないので、商品の品質を向上できる。なお、本実施形態は、折畳み式の携帯端末装置であれば適用可能であり、汎用性が高い。
【0030】
上記実施形態では、ヒンジ40が第1ヒンジ41及び第2ヒンジ42からなる場合を示したが、これに限定されない。一例として、上部筐体20及び下部筐体30の縁部に3つ以上のヒンジが配列され、これらのヒンジを介して上部筐体20と下部筐体30とが回動可能に結合されていてもよい。この場合であっても、トルク付加装置41aが付属したヒンジに対応する位置での弾性パッド50の硬度を、他のヒンジに対応する位置での硬度よりも小さくすることで、折畳み位置で上部筐体20と下部筐体30との間に隙間Bが発生することを防止できる。なお、トルク付加装置41aが付属するヒンジは、例えば3つのうち、2つであってもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、エリア毎に硬度が異なる弾性パッド50が、上部筐体20の先端側の縁部に配設された例を示したが、これに限定されない。例えば、図4(a)に示す携帯端末装置10Aでは、上部筐体20の先端側の縁部に、比較例で示した全エリアで硬度が一様な弾性パッド50Aを配設し、折畳み位置で弾性パッド50Aに対向する下部筐体30の縁部に弾性パッド54を配設している。
【0032】
弾性パッド54は、上記弾性パッド50と同様にエリア毎に硬度が異なっており、第1ヒンジ41に対応する位置での硬度が、第2ヒンジ42に対応する位置での硬度よりも小さい。従って、携帯端末装置10Aでは、上部筐体20の先端側の縁部に比較例で示した弾性パッド50Aを配設する場合であっても、エリア毎に硬度が異なる弾性パッド54を下部筐体30に配設することで、折畳み位置で隙間Bが発生することがない。
【0033】
さらに、上記各実施形態では、エリア毎に硬度が異なる弾性パッド50,54は、一体化されたものであったが、別体として形成してもよい。一例として、図4(b)に示す携帯端末装置10Bでは、上部筐体20の先端側の縁部に、第1弾性パッド55と第2弾性パッド56とが配設されている。第1弾性パッド55及び第2弾性パッド56は、第1ヒンジ41及び第2ヒンジ42の位置にそれぞれ対応して配設されている。第1弾性パッド55は、第2弾性パッド56よりも硬度が小さい。従って、携帯端末装置10Bでは、折畳み位置で第1弾性パッド55が第2弾性パッド56よりも潰れ量が大きくなり、折畳み位置で筐体間に隙間Bが発生することを抑制できる。なお、対応する位置は、必ずしも筐体の長辺方向に平行に対応する必要はない。
【0034】
なお、上記携帯端末装置10で弾性パッド50を上部筐体20ではなく、下部筐体30の先端側の縁部に配設してもよい。また、携帯端末装置10Aで弾性パッド50Aを下部筐体30に配設し、弾性パッド54を上部筐体20に配設してもよい。さらに、携帯端末装置10Bで第1及び第2弾性パッド55,56を、下部筐体30にそれぞれ配設してもよい。いずれの場合であっても、折畳み位置で筐体間に隙間Bが発生することを防止できる。
【0035】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の携帯端末装置は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
10,10A,10B:携帯端末装置
20:上部筐体
21:表示部
30:下部筐体
31:操作キー
32:基準面
40:ヒンジ
41:第1ヒンジ
41a:トルク付加装置(ヒンジユニット)
42:第2ヒンジ
42a:フレキシブル基板
50,54,55,56:弾性パッド
51〜53:エリア
A:弾性変形量(潰れ量)
B:隙間
C:異音
D:VIB振動

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の縁部に配列された複数のヒンジを介して、折畳み位置と展開位置との間で相互に回動可能に結合された第1筐体及び第2筐体と、
1つのヒンジに付属し、展開位置から折畳み位置に移行する際に回動のためのトルクを与えるトルク付加装置と、
前記第1筐体及び第2筐体の少なくとも一方の筐体の表面に、前記複数のヒンジの配列方向と並行して配設され、前記折畳み位置で他方の筐体の表面に当接する弾性パッドとを備え、
前記弾性パッドは、前記1つのヒンジに対応する位置における硬度が、他の1つのヒンジに対応する位置における硬度よりも小さい、携帯端末装置。
【請求項2】
一方の縁部に配列された第1及び第2ヒンジを少なくとも含む複数のヒンジを介して、折畳み位置と展開位置との間で相互に回動可能に結合された第1筐体及び第2筐体と、
前記第1ヒンジに付属し、展開位置から折畳み位置に移行する際に回動のためのトルクを与えるトルク付加装置と、
前記第1筐体及び第2筐体の少なくとも一方の筐体の表面に、前記第1及び第2ヒンジの配列方向と並行し、且つ、前記第1及び第2のヒンジにそれぞれ対応して配設され、前記折畳み位置で他方の筐体の表面にそれぞれ当接する第1及び第2弾性パッドとを備え、
前記第1弾性パッドは、前記第2弾性パッドよりも硬度が小さい、携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−66663(P2011−66663A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215213(P2009−215213)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】