説明

携帯端末装置

【課題】セキュリティの向上が図れる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置は、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部と、情報および当該情報の入力方法を記憶する記憶部と、前記検出部により情報の入力が検出されると、検出された前記情報および当該情報の入力方法と、前記記憶部に予め記憶された前記情報および当該情報の入力方法とを照合することにより認証を行う認証部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末装置には、第三者の不正使用などを防止するために認証機能が設けられている。たとえば、携帯端末装置に対する操作を行えるようにするためには、数字、アルファベット等からなるパスワードが必要となる。かかる認証機能を備えた携帯端末装置において、セキュリティを向上させるため、利用者IDおよびパスワードに加えて、利用者が携帯する小物の画像が、本人確認ための情報として登録されるようにしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−239477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構成では、携帯端末装置を利用者が利用する場合、利用者は、IDおよびパスワードを入力した上、小物を撮影して、登録情報と照合する必要がある。このため、利用者は、携帯端末装置の利用に際して小物を用意しておかなければならず、携帯端末装置以外の物にまで配慮を要する。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、セキュリティの向上が図れる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末装置は、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部と、情報および当該情報の入力方法を記憶する記憶部と、前記検出部により情報の入力が検出されると、検出された前記情報および当該情報の入力方法と、前記記憶部に予め記憶された前記情報および当該情報の入力方法とを照合することにより認証を行う認証部と、を備える。
【0007】
本態様に係る携帯端末装置において、前記認証部は、前記情報が入力される際の前記表示部に対する入力位置の移動に基づいて前記入力方法を判定するよう構成され得る。
【0008】
本態様に係る携帯端末装置において、前記表示部を制御する表示制御部をさらに備え、表示制御部は、入力された情報に対応する画像を前記表示部に表示させるよう構成され得る。
【0009】
本態様に係る携帯端末装置において、前記表示制御部は、前記情報を入力するためのキーを前記表示部に表示させるともに、前記入力方法は、前記入力位置を所定の距離以上移動させる操作を含むよう構成され得る。
【0010】
本態様に係る携帯端末装置において、前記入力方法は、前記入力位置を所定の時間以内に前記所定の距離以上移動させる操作を含むよう構成され得る。
【0011】
本態様に係る携帯端末装置において、前記入力方法は、前記入力位置を所定の方向へ前記所定の距離以上移動させる操作を含むよう構成され得る。
【0012】
本態様に係る携帯端末装置において、前記入力方法は、前記表示部に表示された前記情報に対応する画像の位置を移動させる操作を含むよう構成され得る。
【0013】
本態様に係る携帯端末装置において、前記入力方法は、前記表示部に表示された複数の前記情報に基づく画像のうち、2つの画像を互いに入れ替える操作を含むよう構成され得る。
【0014】
本態様に係る携帯端末装置において、前記入力方法は、前記表示部に表示された複数の前記情報に基づく画像のうち、所定の画像を、他の2つの画像の間に挿入する操作を含むよう構成され得る。
【0015】
本態様に係る携帯端末装置において、前記表示制御部は、前記入力方法を識別するための識別画像を前記表示部に表示させるよう構成され得る。
【0016】
本発明のプログラムは、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部と、情報および当該情報の入力方法を記憶する記憶部とを備える携帯端末装置のコンピュータに、前記情報および当該情報の入力方法を前記記憶部に記憶し、前記検出部により情報の入力が検出されると、検出された前記情報および当該情報の入力方法と、前記記憶部に予め記憶された前記情報および当該情報の入力方法とを照合することにより認証を行う機能を付与する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、セキュリティの向上が図れる携帯端末装置を提供することができる。
【0018】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機の外観構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る登録画面を表示面に表示した図である。
【図4】実施の形態に係るパスワードを登録する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係るパスワードを登録する処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係る認証画面を表示面に表示した図である。
【図7】実施の形態に認証する処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に認証する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る数字の入力方法を説明するための図である。
【図10】実施の形態に係る入力位置の移動方向を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、携帯電話機1の外観構成を示す図である。図1(a)、(b)は、それぞれ、正面図および側面図である。
【0021】
携帯電話機1は、正面および背面を含むキャビネット10を有する。キャビネット10の正面には、タッチパネルが配されている。タッチパネルは、画像を表示するディスプレイ11と、ディスプレイ11に重ねられるタッチセンサ12とを備える。
【0022】
ディスプレイ11は、画像を表示する表示部に相当する。ディスプレイ11は、液晶パネル11aと、液晶パネル11aを照明するパネルバックライト11bとにより構成されている。液晶パネル11aは画像が表示される表示面11cを有し、表示面11cが外部に現れる。表示面11cの上にタッチセンサ12が配されている。なお、液晶パネル11aに代えて有機ELなど他の表示素子が用いられてもよい。
【0023】
タッチセンサ12は、表示面11cに対する入力を検出する検出部に相当する。タッチセンサ12は透明なシート状で形成されている。タッチセンサ12を透して表示面11cが見える。タッチセンサ12は、マトリクス状に配された第1透明電極、第2透明電極およびカバーを備えている。タッチセンサ12は、第1および第2透明電極間の静電容量の変化を検出することによって、ユーザが触れた表示面11c上の位置(以下、「入力位置」と言う。)を検出し、その入力位置に応じた位置信号を後述のCPU100へ出力する。なお、タッチセンサ12は、静電容量式のタッチセンサ12に限られず、超音波式、感圧式、抵抗膜式、光検知式等のタッチセンサ12であってもよい。
【0024】
なお、ユーザが表示面11cに触れるとは、たとえば、ユーザがペンなどの接触部材や指を表示面11cにタッチすることである。表示面11cにタッチした接触部材や指は静止してもよいし、移動してもよい。また、タッチしている時間が短くても長くてもよい。この接触位置の移動および接触時間により、タッチする動作は、タップ、スライド、フリックなどの動作に分けられる。「タッチ」とは、接触位置の移動および接触時間によらず、ユーザが接触部材や指を表示面11cに接触する動作を言い、タップ、スライド、フリックなどの動作を総称するものである。「タップ」とは、ユーザが接触部材や指で表示面11cを軽くたたくように、接触部材や指を表示面11cに接触してから所定時間内に表示面11cから離す動作を言う。「スライド」とは、ユーザが接触部材や指を表示面11cに接触したまま動かす動作を言う。「フリック」とは、ユーザが接触部材や指によって表示面11cに表示された画面を弾くような操作であり、接触部材や指を、表示面11cに接触したまま所定時間内に所定距離以上動かす動作を言う。
【0025】
キャビネット10の正面には、マイクロホン(以下、「マイク」と言う。)13、スピーカ14およびハードウェアの入力キー(以下「ハードキー」と言う。)16が配されている。
【0026】
キャビネット10の背面には、カメラモジュール15(図2参照)のレンズ窓(図示せず)が配されている。レンズ窓から被写体の画像がカメラモジュール15に取り込まれる。
【0027】
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
【0028】
本実施の形態の携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ200、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、通信モジュール303、バックライト駆動回路304、映像デコーダ305、音声デコーダ306、クロック307およびキー入力回路308を備えている。
【0029】
カメラモジュール15は、CCD等の撮像素子を有し、画像を撮影する撮影部を含む。カメラモジュール15は、撮像素子から出力された撮像信号をデジタル化し、その撮像信号にガンマ補正等の各種補正を施して映像エンコーダ301へ出力する。映像エンコーダ
301は、カメラモジュール15からの撮像信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
【0030】
マイク13は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ302へ出力する。音声エンコーダ302は、マイク13からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するとともに、デジタルの音声信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
【0031】
通信モジュール303は、CPU100からの情報を無線信号に変換し、アンテナ303aを介して基地局へ送信する。また、アンテナ303aを介して受信した無線信号を情報に変換してCPU100へ出力する。
【0032】
バックライト駆動回路304は、CPU100からの制御信号に応じた駆動信号をパネルバックライト11bに供給する。パネルバックライト11bは、バックライト駆動回路304からの駆動信号により点灯し、液晶パネル11aを照明する。
【0033】
映像デコーダ305は、CPU100からの映像信号を液晶パネル11aで表示できるアナログ若しくはデジタルの映像信号に変換し、液晶パネル11aに出力する。液晶パネル11aは、映像信号に応じた画像を表示面11c上に表示する。
【0034】
音声デコーダ306は、CPU100からの音声信号、着信音やアラーム音等の各種報知音の音信号にデコード処理を施し、さらにアナログの音声信号に変換してスピーカ14に出力する。スピーカ14は、音声デコーダ306からの音声信号や音信号に基づいて音声や報知音などを再生する。
【0035】
クロック307は、時間を計測し、計測した時間に応じた信号をCPU100へ出力する。
【0036】
キー入力回路308は、ハードキー16が押されたときに、ハードキー16に応じた入力信号をCPU100へ出力する。
【0037】
メモリ200は、ROMおよびRAMを含む記憶部である。メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。かかる制御プログラムには、パスワードにより認証するための制御プログラムが含まれる。
【0038】
メモリ200には、認証を行うための条件として登録されたパスワードが記録されている。パスワードは1つまたは複数の項目から構成される。各項目は、複数の要素の組み合わせからなる。複数の要素としては、ユーザの操作により入力された数字および数字が入力される際の入力方法などが挙げられる。数字には1〜9の数が用いられ、入力方法には、タップによる入力およびフリップによる入力が用いられる。たとえば、パスワードには4つの項目が設定されている。たとえば、第1項目には、数字“1”および入力方法“フリック”の組み合わせ、第2項目には、数字“2”および入力方法“タップ”の組み合わせ、第3項目には、数字“3”および入力方法“タップ” の組み合わせ、第4項目には
数字“4”および入力方法“フリック” の組み合わせが設定される。
【0039】
メモリ200には、位置定義テーブルが記憶されている。位置定義テーブルには、表示面11cに表示されている画像の位置と、画像が示す内容とが対応付けられている。画像には、テキストボックス、アイコンおよびボタンなどが含まれる。画像が示す内容には、ファイルやプログラムに関する命令や処理などが含まれる。図3(a)に示す数字のキーボタンの位置には、キーボタンに表わされた数字が対応付けられている。このため、後述
するように、数字“1”のキーボタンの位置がタッチされると、数字“1”のキーボタンに対応する数字“1”が特定される。
【0040】
CPU100は、メモリ200の位置定義テーブルを参考にしつつ、タッチセンサ12からの位置信号に基づき、ユーザから入力された指示を特定する。CPU100は、ユーザからの指示に従って制御プログラムにより、カメラモジュール15、マイク13、通信モジュール303、パネルバックライト11b、液晶パネル11a、スピーカ14を動作させる。これにより、通話機能および電子メール機能などの各種アプリケーションが実行される。
【0041】
CPU100は、表示制御部として、ユーザからタッチセンサ12を介して入力された指示などに基づき、ディスプレイ11を制御する。たとえば、CPU100は、パネルバックライト11bに電圧を供給する制御信号をバックライト駆動回路304に出力し、パネルバックライト11bを点灯する。また、CPU100は、映像信号を映像デコーダ305に出力し、液晶パネル11aの表示面11cに画像を表示させる。一方、CPU100は、パネルバックライト11bに電圧を供給させない制御信号をバックライト駆動回路304に出力することにより、パネルバックライト11bを消灯する。また、CPU100は、液晶パネル11aの表示面11cから画像を消す制御を行う。
【0042】
たとえば、CPU100による制御により、表示面11cには、図3(a)に示す登録画面が表示される。登録画面には、4つのテキストボックス、0〜9の数字が示されたキーボタン、および“OK”が示されたキーボタンが含まれる。4つのテキストボックスは、パスワードの4つの項目に数字を入力するための領域である。また、図6に示す認証画面が表示面11cに表示される。認証画面は登録画面と同様である。
【0043】
また、たとえば、表示面11cには、図3(b)に示すように、4つのテキストボックスおよびこれらテキストボックスに入力された数字が表示される。なお、数字の表示から所定時間後に数字に代えて記号“*”が表示され、入力された数字が隠される。このように、数字および記号“*”が、ユーザにより「入力された情報に対応する画像」としてテキストボックスに表示される。
【0044】
さらに、数字が入力された方法を識別するための識別画像が表示される。たとえば、フリックによる数字の入力が行われた場合は、そのテキストボックスにマーク“○”が「入力方法を識別するための識別画像」として表示される。ここでは、パスワードの第1および第4項目に対する入力がフリックによる入力であれば、1つ目および4つ目のテキストボックスにマークが表示される。
【0045】
CPU100は、登録部として、ユーザにより入力された数字および数字の入力方法を組み合わせてパスワードとしてメモリ200に登録する。たとえば、図3(a)に示す数字“1”のキーボタン上に指がユーザによりタッチされると、タッチセンサ12からCPU100へ位置信号が出力される。CPU100は、位置定義テーブルに基づき、位置信号の入力位置に数字“1”のキーボタンが対応し、そのキーボタンが表わす数字“1”が入力されたことを特定する。また、CPU100は、指がタッチされてからリリースされるまでの間における所定時間内の入力位置の変位量を求める。入力位置の変位量が所定の閾値以上であれば、フリックによる入力と判断される。一方、入力位置の変位量が所定の閾値未満であれば、タップによる入力と判断される。このように判断された入力方法が、数字“1”の数字と共に、パスワードとしてメモリ200に記憶される。
【0046】
CPU100は、認証部としては、ユーザにより入力された数字および数字の入力方法を、登録部に登録された数字および数字の入力方法を含むパスワードと照合することによ
り認証を行う。パスワードの登録の場合と同様に、CPU100は、テキストボックスに入力された数字および入力方法を判断し、メモリ200に一時的に保存する。一時的に保存された数字および入力方法がメモリ200に登録されたパスワードと一致するか否かが判断される。これらが一致していれば、認証成功と判定される。一方、これらが一致しなければ、認証失敗と判定される。なお、数字の入力方法の登録と同様に、入力方法は、数字が入力される際の入力位置の移動による入力位置の変位量に基づいて判定される。
【0047】
CPU100は、機能制御部として、認証の判定結果に応じて、キーガード機能の設定および解除を実行する。キーガードの設定は、キーガードの設定操作、パスワードの登録、電源のOFF、パネルバックライト11bの消灯、休止状態の開始および所定ボタンの操作などにより実行される。なお、キーガードの設定操作としては、所定時間内に登録された電話番号から所定回数の着信を受けることなどが挙げられる。キーガード機能が設定されると、タッチセンサ12等を通じたユーザからの入力が無効になる。一方、キーガード機能が解除されると、ユーザからの入力が受け付けられ、入力に応じた処理が実行される。なお、入力の無効には、タッチセンサ12がユーザからの入力を検出しない場合、およびタッチセンサ12が入力を検出しても、CPU100がタッチセンサ12からの入力に基づいた処理を実行しない場合が含まれる。
【0048】
<第1の実施形態の処理手順>
図3(a)は、登録用のパスワードを入力するための登録画面を表示面11cに表示した図である。図3(b)は、登録画面においてパスワードのテキストボックスに数字が入力された状態を示す図である。図4および図5は、CPU100により実行される、パスワードをメモリ200に登録する処理手順を示すフローチャートである。
【0049】
図1に示すように、6つのアイコンの画像を含む操作メニューの画面が表示面11cに表示される。“登録”のアイコンがユーザにより選択されると、表示面11cに図3(a)に示す登録画面が表示される(S101)。
【0050】
ユーザにより指が表示面11cにタッチされると、タッチされていた位置に応じた位置信号がタッチセンサ12からCPU100へ出力される。また、位置信号に応じた入力位置が一時的にメモリに保存される。タッチされた指が表示面11cからリリースされると、リリース時の入力位置がメモリから読み出される(S102)。位置定義テーブルが参照され、リリース時の入力位置がキーボタン“1”の範囲内であれば、キーボタンが選択されたと判断される(S103:YES)。続いて、キーボタンが示す数字“1”が位置定義
テーブルから特定され、数字“1”が第1テキストボックスに表示される。数字が表示されてから所定時間が経過すると、数字“1”が消え、図3(b)に示すように、記号“*”が表示される(S104)。
【0051】
また、表示面11cに対する指のタッチからリリースまでの間、所定時間ごとに入力位置の変位量が計測される(S105)。指が表示面11cからリリースされる直前の変位量が、たとえば、50ms以内に50ピクセル以上であれば、フリックによる入力であると判断される(S106:YES)。このため、第1テキストボックスにマーク“○”が表示
される(S107)。
【0052】
ここで、数字“1”および入力方法“フリック”が組み合わされて、パスワードの第1項目としてメモリ200に一時的に記憶される(S108)。
【0053】
このようにして、パスワードの第1項目が特定されたことで、第1項目の順位“1”に“1”が加算され、次に項目の順位“n”が“2”になる(S109)。項目の順位“n”が“5”未満であれば(S110:NO)、第2項目に相当する第2テキストボックスが操
作対象となる(S111)。これにより、CPU100はS102の処理に戻り、第1テキストボックスに対する入力および第1項目の登録と同様の処理が繰り返される。
【0054】
すなわち、キーボタン“2”上から指がリリースされると、リリース直前の入力位置が取得される(S102)。位置定義情報に基づき、入力位置がキーボタン“2”の範囲内であると判断される(S103:YES)。そして、キーボタン“2”に対応する数字“2”
が第2テキストボックスに表示され、それから所定時間後に数字“2”に代え記号“*”が表示される(S104)。また、指が表示面11cからリリースされる直前の変位量が計測され(S105)、変位量が、たとえば50ms以内に50ピクセル未満であれば、入力方法がタップあると判断される(S106:NO)。このように特定された数字“2”およ
び入力方法“タップ”が組み合わされて、パスワードの第2項目としてメモリ200に一時的に記憶される(S108)。続いて、第2項目の順位“2”に“1”が加算され、次項目の順位“n”が“3”になる(S109)。項目の順位“n”が“5”未満であるため(
S110:NO)、第3項目に相当する第3テキストボックスが操作対象となる(S111)。再び、CPU100はS102の処理に戻り、項目の順位“n”が“5”に達するまでS102〜S111の処理が上記と同様に繰り返される。
【0055】
このように、第nテキストボックスに数字が入力されると、続いて第n+1テキストボックスが操作対象に設定される。なお、ユーザが操作対象に設定されているテキストボックス以外のテキストボックスに数字を入力したい場合、ユーザは数字のキーボタンではなく(S103:NO)、入力したいテキストボックス上をタッチする(S112)。これによ
り、タッチされたテキストボックスが操作対象に設定される(S113)。そして、S102〜S111の処理が繰り返される。これにより、操作対象のテキストボックスに数字が入力される。また、数字および入力方法が操作対象のテキストボックスに対応するパスワードの項目としてメモリ200に一時的に記憶される。
【0056】
こうして、第1〜第4項目に対応するテキストボックスの全てに数字が入力されれば、項目の順位“n”が“5”に一致する(S110:YES)。この場合、パスワードの第1
〜第4項目の全てに対する数字および入力方法がメモリ200に一時的に記憶されている。このため、ユーザがキーボタン“OK”を指でタッチすると、タッチによる入力位置が取得され(S114)、キーボタン“OK”が選択されたと判断される(S115:YES)
。これにより、パスワードの第1〜第4項目の全てに対する数字および入力方法が確定したため、メモリ200に一時的に記憶されている数字および入力方法がパスワードとして登録される(S116)。
【0057】
一方、パスワードの第1〜第4項目の全てに対して数字および入力方法が一度設定されても、ユーザが入力した数字などを修正したいことがある。この場合、ユーザは修正したい項目に対応するテキストボックス上を指でタッチする。このタッチによる入力位置がテキストボックスの範囲にあれば(S117:YES)、選択されたテキストボックスが操作
対象に設定される(S118)。さらに、S102〜S108の処理と同様に、入力位置に対応する数字および入力方法が操作対象のテキストボックスに表示されると共に、操作対象のテキストボックスに対応する項目として一時的に記憶される(S119〜S125)。これにより、パスワードの全ての項目に数字および入力方法が設定される。その後、キーボタン“OK”が選択されると(S115:YES)、設定されている数字および入力方法
がパスワードとして登録される(S116)。
【0058】
図6は、認証用のパスワードを入力するための認証画面を表示面11cに表示した図である。図7および図8は、入力されたパスワードに基づいて認証を行う処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
キーガード機能が設定されている状態で、ハードキー16が操作されると、図6に示す認証画面が表示され(S201)、認証処理が開始される。
【0060】
ユーザが表示面11cにタッチした指を数字のキーボタン上からリリースすると、タッチセンサ12からの位置信号に基づき入力位置が取得される(S202)。入力位置が数字のキーボタンの範囲内であれば(S203:YES)、そのキーボタンに対応する数字が第
1テキストボックスに表示され、それから所定時間後に数字に代えて所定の記号が表示される(S204)。また、リリース直前の所定時間内における入力位置の変位量が所定値以上であれば、フリックによる入力として、第1テキストボックスに、それを示すマークが表示される(S206:YES、S107)。一方、入力位置の変位量が所定値未満であれ
ば、入力方法がタップであると判断される(S206:NO)。このようにして入力された
数字および入力方法の組み合わせが、パスワードの第1項目に対する入力としてメモリ200に一時的に記憶される(S208)。
【0061】
続いて、パスワードの項目順位“n”が“2”になり(S209)、項目順位“n”が“5”未満であるため(S210:NO)、第2項目に相当する第2テキストボックスが操作
対象となる(S211)。項目の順位“n”が“5”に達するまでS202〜S211の処理が繰り返される。
【0062】
なお、通常は、第1〜第4項目に対応するテキストボックスが操作対象に順次設定される。しかし、設定された操作対象のテキストボックス以外のテキストボックスに数字をユーザが入力したい場合に、ユーザが数字を入力したいテキストボックス上をタッチすれば(S202、S203:NO、S212:YES、S214、S215:NO、S217
:YES)、タッチした入力位置に表示されているテキストボックスが操作対象に設定さ
れる(S213、S218)。そして、S202〜S211、S219〜s225の処理が繰り返され、操作対象のテキストボックスに数字および入力方法が表示されると共に、テキストボックスに対応する項目に対して数字および入力方法が一時的に記憶される。
【0063】
そして、第1〜第4項目に対応するテキストボックスの全てに数字が入力された状態で(S210:YES)、キーボタン“OK”がタッチされると、キーボタン“OK”が選択
されたと判断される(S214、S215:YES)。これにより、パスワードの第1〜第
4項目の全てに対する数字および入力方法が確定されたため、確定した数字および入力方法の組み合わせが登録されたパスワードに照合される(S226)。照合の結果、数字および入力方法の組み合わせが登録されたパスワードに一致していれば、認証の成功と判断され(S226:YES)、キーガードが解除される(S227)。一方、数字および入力方法
の組み合わせが登録されたパスワードに一致しなければ、認証の失敗と判断され(S22
6:NO)、キーガードが維持されたまま、全てのテキストボックスに対する表示およびメモリ200に一時的に記憶されていたパスワードの全項目に対する数字および入力方法が消されてから、第1テキストボックスが操作対象に設定される(S228)。CPU100は再びS202の処理に戻る。
【0064】
以上、本実施形態によれば、入力された数字だけでなく、数字および入力方法の組み合わせがパスワードの項目として利用される。よって、パスワードの組み合わせが増えることにより、パスワードが解除されにくく、セキュリティが向上する。
【0065】
さらに、数字の入力方法は、数字の入力の際に判断されることにより、数字の入力以外の操作が不要であるため、簡便である。
【0066】
また、本実施形態によれば、テキストボックスに表示された数字が所定時間後に記号に代えられて表示される。このため、ユーザはテキストボックスに表示された記号を見るこ
とにより数字が入力されたことを確認することができるとともに、記号により入力した数字が他者に見られる虞が少なくなる。このように、ユーザの利便性とセキュリティの向上とが実現される。
【0067】
さらに、本実施形態によれば、フリックによる入力の際にはマークが表示される。このため、マークに基づき、ユーザは、入力方法を容易に確認することができる。
【0068】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0069】
たとえば、上記実施形態では、入力位置の変位量によりフリックおよびタップの入力方法が判定された。これに代えてまたはこれと共に入力位置の移動方向が入力方法に用いられ得る。この場合、キーボタン上に指がユーザによりタッチされると、指がタッチされてからリリースされるまでの間における所定時間内の入力位置の変位量および移動方向が求められる。移動方向は表示面11cに表示されている画面の方向に基づいて判断される。図10に示すように、携帯電話機1のX軸が画面の横軸:Wと対応し、携帯電話機1のY軸が画面の縦軸:Hに対応する場合、タッチ位置の座標(X1、Y1)およびリリース位置の座標(X2、Y2)から横軸Wに対する角度:θが求められる。この角度:θが移動方向に相当する。
【0070】
また、上記実施形態では、入力位置が所定の時間以内に所定の距離以上移動するフリックがパスワードの入力方法に用いられた。これに対し、時間に関係なく、入力位置が所定の距離以上移動するスライドもパスワードの入力方法に用いられ得る。
【0071】
さらに、上記実施形態では、指が表示面にタッチされてからリリースまでの時間が所定時間より短いタップがパスワードの入力方法に用いられた。これに対し、指が表示面にタッチされてからリリースまでの時間が所定時間より長いロングタッチもパスワードの入力方法に用いられ得る。
【0072】
さらに、上記実施形態では、フリックおよびタップがパスワードの入力方法に用いられたが、この入力方法に代えてまたはこの入力方法と共に、他の入力方法が用いられ得る。他の入力方法は、フリックおよびタップと同様に、ユーザのタッチによる入力位置の移動により判断されるような操作であればよい。たとえば、入力方法としては、テキストボックスに表示された複数の数字のうち、2つの数字を入れ替える操作が挙げられる。なお、図9では、わかり易くするために、各テキストボックスの数字が記号に代えられずに表示されている。図9(a)に示すように、各テキストボックスに数字が入力された状態で、ユーザは、表示面11cの第4テキストボックス上に指をタッチし、指を第2テキストボックスにスライドさせる。すると、CPU100の制御により、図9(b)に示すように、第4テキストボックスの数字“4”およびフリック入力を示すマーク“○”が第2テキストボックスに表示され、第2テキストボックスの数字“2”が第4テキストボックスに表示される。即ち、パスワードの第4項目の数字“4”および入力方法“フリック”と第2項目の数字“2”および入力方法“タップ”とが入れ替えられる。このような数字の入替も、入力方法の1つとされ、パスワードの項目の1つの要素としてメモリ200に登録される。この場合、ユーザにより、4つの数字が入力された後に、数字“2”と数字“4”が入れ替えられて初めて、CPU100により認証が行われ、キーガードが解除される。
【0073】
このように、テキストボックスに表示された数字を移動させる操作が入力方法の一つと
されることにより、認証に用いられる入力方法の数がさらに増加する。このため、パスワードの組み合わせが一層増え、セキュリティの向上がさらに図られる。
【0074】
この入替による入力方法と同様に、数字の挿入も入力方法として判断される。具体的には、図9(c)に示すように、各テキストボックスに数字が入力された状態で、ユーザは、第4テキストボックス上を指でタッチし、第1および第2テキストボックスの間に指をスライドさせて表示面11cからリリースする。すると、CPU100の制御により、図9(d)に示すように、第4テキストボックスの数字“4”およびフリック入力方法を示すマークが第2テキストボックスに表示され、第2および第3テキストボックスの数字“2”および“3”が1つずつ横にずれて、第3および第4テキストボックスに表示される。これにより、パスワードの第2項目が数字“4”および入力方法“フリック”に設定され、第3項目が数字“2”および入力方法“タップ”に設定され、第4項目が数字“3”および入力方法“タップ”に設定される。このように、第4項目の要素が入力位置の移動に応じて第2項目に挿入されるとともに、第2および第3項目の要素が第3および第4項目に代えられる。即ち、数字および入力方法が挿入される操作が、パスワードの項目の1つの要素としてメモリ200に登録される。この場合、ユーザにより、4つの数字が入力された後に、数字“4”を数字“1”および“2”の間に挿入する操作がされて初めて、CPU100により認証が行われ、キーガードが解除される。
【0075】
このように、入替操作と同様に、表示された数字を挿入させる操作が入力方法の一つとされることにより、セキュリティの向上がさらに図られる。
【0076】
さらに、上記実施形態では、テキストボックスの数字および入力方法が修正される場合、テキストボックスがタッチにより操作対象とされてから、数字キーボタンが利用されて、操作対象のテキストボックスに数字が入力された。これに対して、上記の入替および挿入の入力方法によりテキストボックスの数字および入力方法が修正されても良い。これにより、数字および入力方法の修正が容易になる。
【0077】
さらに、上記実施形態では、パスワードの各項目の要素に数字が利用されたが、数字に代えてまたは数字と共に、文字(かな、カタカナ、アルファベットなど)や記号などの情報も利用されても良い。この場合、パスワードとして利用される数字、文字または記号が示されたキーボタンが登録画面および認証画面に表示される。
【0078】
さらに、上記実施形態では、キーガードが設定されている状態でハードキー16が操作されると、認証処理が開始された。これに対して、電源のONなど携帯電話機が使用可能な状態になったときに、認証が開始されても良い。
【0079】
さらに、上記実施形態では、図1に示す形状の携帯電話機1が用いられたが、折り畳み式やスライド式などの形状の携帯電話機1が用いられても良い。また、携帯電話機1に代えて、PDAやPHSなどの携帯端末装置が用いられても良い。
【0080】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態の一部または全部を組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0081】
11 ディスプレイ
12 タッチセンサ
100 CPU
200 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に対する入力を検出する検出部と、
情報および当該情報の入力方法を記憶する記憶部と、
前記検出部により情報の入力が検出されると、検出された前記情報および当該情報の入力方法と、前記記憶部に予め記憶された前記情報および当該情報の入力方法とを照合することにより認証を行う認証部と、を備える、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記認証部は、前記情報が入力される際の前記表示部に対する入力位置の移動に基づいて前記入力方法を判定する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末装置において、
前記表示部を制御する表示制御部をさらに備え、
表示制御部は、入力された情報に対応する画像を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末装置において、
前記表示制御部は、前記情報を入力するためのキーを前記表示部に表示させるともに、
前記入力方法は、前記入力位置を所定の距離以上移動させる操作を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末装置において、
前記入力方法は、前記入力位置を所定の時間以内に前記所定の距離以上移動させる操作を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の携帯端末装置において、
前記入力方法は、前記入力位置を所定の方向へ前記所定の距離以上移動させる操作を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項3ないし6のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
前記入力方法は、前記表示部に表示された前記情報に対応する画像の位置を移動させる操作を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯端末装置おいて、
前記入力方法は、前記表示部に表示された複数の前記情報に基づく画像のうち、2つの画像を互いに入れ替える操作を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
請求項7に記載の携帯端末装置おいて、
前記入力方法は、前記表示部に表示された複数の前記情報に基づく画像のうち、所定の画像を、他の2つの画像の間に挿入する操作を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
請求項3ないし9のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
前記表示制御部は、前記入力方法を識別するための識別画像を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項11】
表示部と、前記表示部に対する入力を検出する検出部と、情報および当該情報の入力方法を記憶する記憶部とを備える携帯端末装置のコンピュータに、
前記情報および当該情報の入力方法を前記記憶部に記憶し、前記検出部により情報の入力が検出されると、検出された前記情報および当該情報の入力方法と、前記記憶部に予め記憶された前記情報および当該情報の入力方法とを照合することにより認証を行う機能を付与するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−164291(P2012−164291A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26359(P2011−26359)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】