説明

携帯端末

【課題】マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる携帯端末を提供すること。
【解決手段】モード設定部53により指定された時刻が到来したときに、通常モードからマナーモードに切り替えるように設定がされている場合において、計時部52により計測されている時刻に基づいて、指定された時刻が到来した場合、判別部54は、待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されているか否かを判別する。制御部51は、判別部54により待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されていると判別された場合、通常モードからマナーモードに切り替えるように制御し、判別部54により待受状態の制御を行うアプリケーションのみの実行ではないと判別された場合、通常モードからマナーモードへの切り替えを行わないように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常モードとマナーモードを切り替える機能を有する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機には、着信の際に音等の出力を制限し、振動等によって着信を通知するモード(以下、マナーモードという。)が備えられている。ここで、使用者が手動によりマナーモードの開始及び停止を行う構成の場合には、マナーモードの開始忘れ及びマナーモードの停止忘れが発生することがあり得る。ここで、特許文献1によれば、日々の通勤電車に乗車している時間帯等の定期的な時刻にマナーモードを使用する場合に、使用者が意識することなく自動的にマナーモードの開始及び停止を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2006−050293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、使用者が予め設定した時刻に到達した場合、自動的にマナーモードの設定が行われるために、使用者が設定した時刻に携帯電話機を操作している場合であっても、予定通りに強制的にマナーモードが設定されてしまう。そうすると、例えば、使用者が携帯電話機において音楽を聴いている場合等に、予定通りに強制的にマナーモードが設定されてしまい、音の出力が停止する等の問題が生じる。
【0004】
本発明は、使用者による操作状況等を考慮しつつ、マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る携帯端末は、上記課題を解決するために、待受状態の制御を含む複数のアプリケーションの実行を制御する制御手段と、時刻を計測する計時手段と、前記計時手段により計測される時刻に基づいて、指定された時刻が到来したときに、着信を通知する際のモードを通常モードからマナーモードに切り替え設定可能なモード設定手段と、前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されているか否かを判別する判別手段と、を備え、前記モード設定手段により指定された時刻が到来したときに、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように設定がされている場合において、前記計時手段により計測されている時刻に基づいて、指定された時刻が到来した場合、前記判別手段は、待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されているか否かを判別し、前記制御手段は、前記判別手段により前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されていると判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように制御し、前記判別手段により前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみの実行ではないと判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードへの切り替えを行わないように制御することを特徴とする。
【0006】
また、上記携帯端末では、前記判別手段は、前記待受状態の制御を行う以外のアプリケーションが実行され、当該アプリケーションを終了させずに常駐させてある状態の場合には、前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみの実行ではないと判別することが好ましい。
【0007】
また、上記携帯端末では、前記制御手段は、前記判別手段により前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみの実行ではないと判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードへの切り替えを行わず、当該切り替え動作を保留になるように制御することが好ましい。
【0008】
また、上記携帯端末では、前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を前記待受状態の制御を行う以外のアプリケーションの実行が終了するまで継続させることが好ましい。
【0009】
また、上記携帯端末では、前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、前記判別手段により前記待受状態の制御を行う以外のアプリケーションの実行が終了し、前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されていると判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように制御することが好ましい。
【0010】
また、上記携帯端末では、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるモード切替手段を備え、前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、前記判別手段により前記待受状態の制御を行う以外のアプリケーションの実行が終了し、前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されていると判別され、前記モード切替手段により前記通常モードから前記マナーモードに切り替えられた場合、当該保留にする制御を解除し、前記モード設定手段による設定を無効にすることが好ましい。
【0011】
本発明に係る携帯端末は、上記課題を解決するために、待受状態の制御を含む複数のアプリケーションの実行を制御する制御手段と、時刻を計測する計時手段と、前記計時手段により計測される時刻に基づいて、指定された時刻が到来したときに、着信を通知する際のモードを通常モードからマナーモードに切り替え設定可能なモード設定手段と、前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されているか否かを判別する判別手段と、を備え、前記モード設定手段により指定された時刻が到来したときに、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように設定がされている場合において、前記計時手段により計測されている時刻に基づいて、指定された時刻が到来した場合、前記判別手段は、前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されているか否かを判別し、前記制御手段は、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されていないと判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように制御し、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されていると判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードへの切り替えを行わないように制御することを特徴とする。
【0012】
また、上記携帯端末では、通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションとは、音声出力に関する変更を伴うアプリケーションが含まれることが好ましい。
【0013】
また、上記携帯端末では、前記制御手段は、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されていると判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードへの切り替えを行わず、当該切り替え動作を保留になるように制御することが好ましい。
【0014】
また、上記携帯端末では、前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を、前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションの実行が終了するまで継続させることが好ましい。
【0015】
また、上記携帯端末では、前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションの実行が終了したと判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように制御することが好ましい。
【0016】
また、上記携帯端末では、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるモード切替手段を備え、前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションの実行が終了したと判別され、前記モード切替手段により前記通常モードから前記マナーモードに切り替えられた場合、当該保留にする制御を解除し、前記モード設定手段による設定を無効にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、マナーモードの設定の開始及び停止を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る携帯端末の一例である携帯電話装置1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが一つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でも良い。
【0019】
携帯電話装置1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3と、を備えて構成される。操作部側筐体部2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。
【0020】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)表示部21と、通話の相手側の音声を出力するスピーカ22と、を備えて構成されている。
【0021】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0022】
また、図2は、携帯電話装置1を折畳んだ状態の斜視図を示している。操作部側筐体部2は、外平面部に、時計やメールの着信等が表示されるサブLCD表示部30が備えられている。
【0023】
また、図3は、携帯電話装置1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話装置1は、図3に示すように、操作部11(キー操作部)と、マイク12と、メインアンテナ40と、RF回路部41と、LCD制御部42と、音声処理部43と、メモリ44と、処理部45と、が操作部側筐体部2に備えられ、LCD表示部21(表示部)と、スピーカ22と、ドライバIC23と、サブLCD表示部30とが表示部側筐体部3に備えられている。
【0024】
メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局等と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯(例えば、1.5GHz)に対応できるデュアルバンド対応構成である。なお、本実施の形態では、第1の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であっても良い。また、メインアンテナ40は、第1の使用周波数帯で外部装置と通信を行い、GPS通信のための第2の使用周波数帯に対応できるアンテナを別途設けても良い。
【0025】
RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を処理部45に供給する。そして、処理部45から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置(基地局)に送信する。また、その一方で、メインアンテナ40によって受信している信号の強度を処理部45に通知を行う。
【0026】
LCD制御部42は、処理部45の制御にしたがって、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、LCD制御部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングでLCD表示部21又はサブLCD表示部30に出力する。
【0027】
音声処理部43は、処理部45の制御にしたがって、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。
【0028】
また、音声処理部43は、処理部45の制御にしたがって、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0029】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、処理部45による演算処理に利用される。また、メモリ44には、複数のアプリケーションや当該アプリケーションが必要とする各種のテーブル等が記憶されている。また、メモリ44は、着脱可能な外部メモリを兼ねていても良い。
【0030】
処理部45は、携帯電話装置1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。
【0031】
このように構成される携帯電話装置1では、使用者による利便性を損なわず、予めマナーモード(着信の際に音等の出力を制限し、振動等によって着信を通知するモード)の開始時間及び終了時間を設定する機能を有している。当該機能によれば、予め設定されている時間に到達した場合において、原則的にはマナーモードに設定されるが、使用者による操作等が行われているときには、マナーモードが一時的に保留にされる。
【0032】
ここで、上述した機能を発揮するための処理部45の動作について説明する。処理部45は、図1に示すように、制御部51(制御手段)と、計時部52(計時手段)と、モード設定部53(モード設定手段)と、判別部54(判別手段)とを備える。
【0033】
制御部51は、待受状態の制御を含む複数のアプリケーションの実行を制御する。計時部52は、内部クロック又は基地局から取得した時間情報に基づいて現在の時刻を計測する。モード設定部53は、使用者の操作に応じて、計時部52により計測される時刻に基づいて、指定された時刻が到来したときに、着信を通知する際のモードを通常モードからマナーモードに切り替え設定を行う。判別部54は、待受状態の制御を行うアプリケーション(以下、待受アプリという。)のみが実行されているか否かを判別する。
【0034】
ここで、モード設定部53により指定された時刻が到来したときに、通常モードからマナーモードに切り替えるように設定がされている場合を想定すると、判別部54は、計時部52により計測されている時刻に基づいて、指定された時刻が到来した場合、待受アプリのみが実行されているか否かを判別する。また、制御部51は、判別部54により待受アプリのみが実行されていると判別された場合、すなわち他のアプリケーションが実行されていない場合、通常モードからマナーモードに切り替えるように制御する。また、制御部51は、判別部54により待受アプリのみの実行ではないと判別された場合、すなわち他のアプリケーション(音楽を再生するアプリケーション等)が実行されている場合、通常モードからマナーモードへの切り替えを行わないように制御する。
【0035】
したがって、携帯電話装置1では、例えば、通勤時間に該当する午前8時〜午前9時までの間をマナーモードに設定した場合、待受アプリのみが実行されているときには午前8時になったときに通常モードからマナーモードに切り替えられ、午前9時になったときにマナーモードから通常モードに切り替えられるが、午前8時になったときに、待受アプリ以外のアプリケーション(例えば、音楽の再生アプリケーション)が実行されているときには、実行されているアプリケーションに影響を与えないようにするために、通常モードからマナーモードに切り替えない。
【0036】
このような構成によれば、携帯電話装置1では、使用者による操作状況等を考慮しつつ、マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる。
【0037】
また、判別部54は、待受状態の制御を行う以外のアプリケーションが実行され、当該アプリケーションを終了させずに常駐させてある状態の場合には、待受アプリのみの実行ではないと判別することが好ましい。
【0038】
すなわち、判別部54は、LCD表示部21に待受アプリのみが実行されているときに表示される画面(以下、待受画面という。)が表示されているが、バックグラウンドで他のアプリケーション(例えば、音楽の再生アプリケーション)が実行されている場合、待受アプリのみではないと判別する。したがって、制御部51は、判別部54により待受アプリのみの実行ではないと判別され、通常モードからマナーモードへの切り替えを行わないように制御する。
【0039】
このような構成によれば、携帯電話装置1では、LCD表示部21の表示状態に関わらず、使用者による操作状況等を考慮しつつ、マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる。
【0040】
また、制御部51は、判別部54により待受状態の制御を行うアプリケーションのみの実行ではないと判別された場合、通常モードからマナーモードへの切り替えを行わず、当該切り替え動作を保留になるように制御することが好ましい。
【0041】
また、制御部51は、通常モードからマナーモードへの切り替え動作を保留にする制御を待受アプリ以外のアプリケーションの実行が終了するまで継続させることが好ましい。
【0042】
また、制御部51は、通常モードからマナーモードへの切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、判別部54により待受アプリ以外のアプリケーションの実行が終了し、待受アプリのみが実行されていると判別された場合、通常モードからマナーモードに切り替えるように制御する。
【0043】
このような構成によれば、携帯電話装置1では、通常モードからマナーモードへの切り替えを行わなかった場合、通常モードからマナーモードへ切り替える設定を破棄せずに、その後、待受アプリのみの実行になったタイミングでマナーモードに切り替えられるので、使用者による操作状況等を考慮しつつ、マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる。なお、携帯電話装置1は、マナーモードへの切り替えを保留しているときに、マナーモードの終了時間を過ぎた場合には、その後に待受アプリのみが実行されている状態になってもマナーモードへの切り替えは行わない。
【0044】
また、処理部45は、通常モードからマナーモードに切り替えるモード切替部55(モード切替手段)を備える。このような構成によれば、制御部51は、通常モードからマナーモードへの切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、判別部54により待受アプリ以外のアプリケーションの実行が終了し、待受アプリのみが実行されていると判別され、モード切替部55により通常モードからマナーモードに切り替えられた場合、当該保留にする制御を解除し、モード設定部53による設定を無効にする。
【0045】
つまり、携帯電話装置1は、マナーモードへの切り替えを保留しているときに、使用者によるマナーモードへの切り替え操作が行われたときには、予約されていた切り替え制御を無効にするので、モードの切り替えによる競合を回避することができ、円滑な処理を行うことができる。
【0046】
ここで、携帯電話装置1の処理部45によるマナーモードへの切り替える手順について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、予め所定の時間に到達したときに通常モードからマナーモードに切り替えられる設定になっているものとする。また、待受アプリ以外の他のアプリケーションは、音楽の再生アプリケーションであるとする。
【0047】
ステップS1において、処理部45は、待受アプリを起動する。処理部45は、主電源の投入後、所定のシークエンスを経て待受アプリを起動する。
【0048】
ステップS2において、処理部45は、時刻更新のイベントが到来したら、時刻の更新を行う。具体的には、LCD表示部21に表示されている待受画面に時計表示がされている場合には、当該時計表示を更新する。
【0049】
ステップS3において、処理部45は、計時部52によって計測される時刻に基づいて、設定されている時間に到達したか否かを判断する。設定されている時間に到達したと判断した場合(Yes)には、ステップS4に進み、設定されている時間にまだ到達していないと判断した場合には、処理を終了する。なお、処理部45は、設定されている時間にまだ到達していないと判断した場合には、ステップS3の判断を一定周期で繰り返す構成であっても良い。
【0050】
ステップS4において、処理部45は、LCD表示部21に待受画面が表示されているか否かを判断する。LCD表示部21に待受画面が表示されていると判断した場合(Yes)には、ステップS5に進み、LCD表示部21に待受画面が表示されていないと判断した場合(No)には、ステップS6に進む。
【0051】
ステップS5において、処理部45は、待受アプリ以外のアプリケーションがバックグラウンドで実行されているか否かを判断する。待受アプリ以外のアプリケーションがバックグラウンドで実行されていると判断した場合(Yes)には、ステップS6に進み、待受アプリ以外のアプリケーションがバックグラウンドで実行されていないと判断した場合(No)には、ステップS7に進む。
【0052】
ステップS6において、処理部45は、マナーモードへの切り替え制御を保留にする。
【0053】
ステップS7において、処理部45は、通常モードからマナーモードへ切り替えを行う。
【0054】
このようにして、携帯電話装置1では、通常モードからマナーモードへの切り替える時刻に達した場合において、待受アプリ以外のアプリケーションがLCD表示部21上、又はバックグラウンドにおいて実行されているときには、マナーモードへの切り替えを保留にするので、使用者による操作状況等を考慮しつつ、マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる。
【0055】
また、携帯電話装置1の処理部45によるマナーモードへの切り替えが保留になっている状態における設定モードの遷移について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、待受アプリ以外の他のアプリケーションは、音楽の再生アプリケーションであるとする。
【0056】
ステップS11において、処理部45は、待受画面をLCD表示部21に描画する。
【0057】
ステップS12において、処理部45は、マナーモードへの切り替えを保留状態にしているか否かを判断する。マナーモードへの切り替えを保留状態にしていると判断した場合(Yes)には、ステップS13に進み、マナーモードへの切り替えを保留状態にしていないと判断した場合(No)には、処理を終了する。
【0058】
ステップS13において、処理部45は、バックグラウンドで他のアプリケーションが起動しているか否かを判断する。バックグラウンドで他のアプリケーションが起動していると判断した場合(Yes)には、ステップS14に進み、バックグラウンドで他のアプリケーションが起動していないと判断した場合(No)には、ステップS15に進む。
【0059】
ステップS14において、処理部45は、マナーモードへの切り替えの保留状態を継続する。
【0060】
ステップS15において、処理部45は、マナーモードへの切り替えの保留状態を解除して、通常モードからマナーモードへ切り替えを行う。
【0061】
このようにして、携帯電話装置1では、マナーモードへの切り替えを保留状態にしている場合に、待受アプリのみが実行されている状態になったときに、当該保留状態を解除して、通常モードからマナーモードへ切り替えるので、使用者による操作状況等を考慮しつつ、マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる。なお、携帯電話装置1は、マナーモードへの切り替えを保留しているときに、マナーモードの終了時間を過ぎた場合には、その後に待受アプリのみが実行されている状態になってもマナーモードへの切り替えは行わない。
【0062】
<第2の実施の形態>
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態として備える構成要件は、上述した第1の実施の形態と同様であるので、適用可能な部分については図面及び説明を省略する。
【0063】
ここで、第2の実施の形態に係る携帯電話装置1の処理部45によるマナーモードへの切り替える手順について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、予め所定の時間に到達したときに通常モードからマナーモードに切り替えられる設定になっているものとする。
【0064】
また、通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションとは、音声部からの音声出力に関する変更を伴うアプリケーションが含まれる。すなわち、通常モードでは、音声出力を通常通り行うのに対し、マナーモードに切り替わると、音声出力の程度を弱めたり或いは停止したりすることが行われるような変更を伴うアプリケーション、例えば、音楽の再生アプリケーションであるとする。
【0065】
ステップS51において、処理部45は、待受アプリを起動する。処理部45は、主電源の投入後、所定のシークエンス(処理)を経て待受アプリを起動する。
【0066】
ステップS52において、処理部45は、時刻更新のイベントが到来したら、時刻の更新を行う。具体的には、処理部45は、LCD表示部21に表示されている待受画面に時計表示がされている場合には、当該時計表示を更新する。
【0067】
ステップS53において、処理部45は、計時部52によって計測される時刻に基づいて、設定されている時間に到達したか否かを判断する。設定されている時間に到達したと判断した場合(Yes)には、ステップS54に進み、設定されている時間にまだ到達していないと判断した場合(No)には、処理を終了する。なお、処理部45は、設定されている時間にまだ到達していないと判断した場合(No)には、ステップS53の判断を一定周期で繰り返す構成であっても良い。
【0068】
ステップS54において、処理部45は、LCD表示部21に待受画面が表示されているか否かを判断する。LCD表示部21に待受画面が表示されていると判断した場合(Yes)には、ステップS55に進み、LCD表示部21に待受画面が表示されていないと判断した場合(No)には、ステップS56に進む。
【0069】
ステップS55において、処理部45は、通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されているか否かを判断する。当該アプリケーションが実行されていると判断した場合(Yes)には、ステップS56に進み、待受アプリ以外のアプリケーションがバックグラウンドで実行されていないと判断した場合(No)には、ステップS57に進む。
【0070】
ステップS56において、処理部45は、マナーモードへの切り替え制御を保留にする。
【0071】
ステップS57において、処理部45は、通常モードからマナーモードへ切り替えを行う。
【0072】
このようにして、携帯電話装置1では、通常モードからマナーモードへの切り替える時刻に達した場合において、通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されているときには、マナーモードへの切り替えを保留にするので、使用者による操作状況等を考慮しつつ、マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる。
【0073】
また、携帯電話装置1の処理部45によるマナーモードへの切り替えが保留になっている状態における設定モードの遷移について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0074】
ステップS61において、処理部45は、待受画面をLCD表示部21に描画する。
【0075】
ステップS62において、処理部45は、マナーモードへの切り替えを保留状態にしているか否かを判断する。マナーモードへの切り替えを保留状態にしていると判断した場合(Yes)には、ステップS63に進み、マナーモードへの切り替えを保留状態にしていないと判断した場合(No)には、処理を終了する。
【0076】
ステップS63において、処理部45は、通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが起動されているか否かを判断する。バックグラウンドで当該アプリケーションが起動していると判断した場合(Yes)には、ステップS64に進み、バックグラウンドで他のアプリケーションが起動していないと判断した場合(No)には、ステップS65に進む。
【0077】
ステップS64において、処理部45は、マナーモードへの切り替えの保留状態を継続する。
【0078】
ステップS65において、処理部45は、マナーモードへの切り替えの保留状態を解除して、通常モードからマナーモードへ切り替えを行う。
【0079】
このようにして、携帯電話装置1では、マナーモードへの切り替えを保留状態にしている場合に、通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが起動されていない状態になったときに、当該保留状態を解除して、通常モードからマナーモードへ切り替えるので、使用者による操作状況等を考慮しつつ、マナーモードの設定の開始及び停止機能を有効に活用することができる。なお、携帯電話装置1は、マナーモードへの切り替えを保留しているときに、マナーモードの終了時間を過ぎた場合には、その後に待受アプリのみが実行されている状態になってもマナーモードへの切り替えは行わない。
【0080】
また、本実施例においては、待受アプリ以外のアプリケーションとして音楽の再生アプリケーションを示したが、これに限られず、映像の再生アプリケーション等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】携帯電話装置の外観斜視図である。
【図2】携帯電話装置を折畳んだ状態の斜視図である。
【図3】携帯電話装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる携帯電話装置の処理部によるマナーモードへの切り替える手順についての説明に供するフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態にかかる携帯電話装置の処理部によるマナーモードへの切り替えが保留になっている状態における設定モードの遷移についての説明に供するフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態にかかる携帯電話装置の処理部によるマナーモードへの切り替える手順についての説明に供するフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態にかかる携帯電話装置の処理部によるマナーモードへの切り替えが保留になっている状態における設定モードの遷移についての説明に供するフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 携帯電話装置
51 制御部(制御手段)
52 計時部(計時手段)
53 モード設定部(モード設定手段)
54 判別部(判別手段)
55 モード切替部(モード切替手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
待受状態の制御を含む複数のアプリケーションの実行を制御する制御手段と、
時刻を計測する計時手段と、
前記計時手段により計測される時刻に基づいて、指定された時刻が到来したときに、着信を通知する際のモードを通常モードからマナーモードに切り替え設定可能なモード設定手段と、
前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されているか否かを判別する判別手段と、を備え、
前記モード設定手段により指定された時刻が到来したときに、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように設定がされている場合において、
前記計時手段により計測されている時刻に基づいて、指定された時刻が到来した場合、前記判別手段は、待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されているか否かを判別し、
前記制御手段は、前記判別手段により前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されていると判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように制御し、前記判別手段により前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみの実行ではないと判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードへの切り替えを行わないように制御することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記判別手段は、前記待受状態の制御を行う以外のアプリケーションが実行され、当該アプリケーションを終了させずに常駐させてある状態の場合には、前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみの実行ではないと判別することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判別手段により前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみの実行ではないと判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードへの切り替えを行わず、当該切り替え動作を保留になるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を前記待受状態の制御を行う以外のアプリケーションの実行が終了するまで継続させることを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、前記判別手段により前記待受状態の制御を行う以外のアプリケーションの実行が終了し、前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されていると判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように制御することを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項6】
前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるモード切替手段を備え、
前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、前記判別手段により前記待受状態の制御を行う以外のアプリケーションの実行が終了し、前記待受状態の制御を行うアプリケーションのみが実行されていると判別され、前記モード切替手段により前記通常モードから前記マナーモードに切り替えられた場合、当該保留にする制御を解除し、前記モード設定手段による設定を無効にすることを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項7】
待受状態の制御を含む複数のアプリケーションの実行を制御する制御手段と、
時刻を計測する計時手段と、
前記計時手段により計測される時刻に基づいて、指定された時刻が到来したときに、着信を通知する際のモードを通常モードからマナーモードに切り替え設定可能なモード設定手段と、
前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されているか否かを判別する判別手段と、を備え、
前記モード設定手段により指定された時刻が到来したときに、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように設定がされている場合において、
前記計時手段により計測されている時刻に基づいて、指定された時刻が到来した場合、
前記判別手段は、前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されているか否かを判別し、
前記制御手段は、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されていないと判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように制御し、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されていると判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードへの切り替えを行わないように制御することを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションとは、音声出力に関する変更を伴うアプリケーションが含まれることを特徴とする請求項7に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記制御手段は、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションが実行されていると判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードへの切り替えを行わず、当該切り替え動作を保留になるように制御することを特徴とする請求項7又は8に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を、前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションの実行が終了するまで継続させることを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項11】
前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションの実行が終了したと判別された場合、前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるように制御することを特徴とする請求項10記載の携帯端末。
【請求項12】
前記通常モードから前記マナーモードに切り替えるモード切替手段を備え、
前記制御手段は、当該切り替え動作を保留にする制御を行っているときに、前記判別手段により前記通常モードからマナーモードに切り替えた場合に、その前後でアプリケーションの実行内容に変更が生じるような当該アプリケーションの実行が終了したと判別され、前記モード切替手段により前記通常モードから前記マナーモードに切り替えられた場合、当該保留にする制御を解除し、前記モード設定手段による設定を無効にすることを特徴とする請求項9記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−109616(P2010−109616A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278885(P2008−278885)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】