説明

携帯端末

【課題】ユーザの意図していない操作を防ぎ、かつユーザが使用しない時の消費電力を抑えることができる携帯端末を提供する。
【解決手段】タッチスクリーン12が接触を検知すると、タイマ24は起動して計時をスタートする。また制御部22は接触位置座標を取得し、タッチスクリーン12の照明を点灯させる。主制御部20は、取得位置座標を中心とした領域を誤検出領域として範囲設定する。制御部22は、所定周期で接触の有無を監視し、接触がある場合、その都度位置座標を取得する。検知しない場合、または誤検出領域から外れた場合、主制御部20はタイマ24を停止し計測時間をリセットする。接触を検知し続け、制御部22が取得する位置座標が誤検出領域内にあり、タイマ24が所定時間を超えた場合、タッチスクリーン制御部22は消灯して、タッチスクリーン12への入力操作を無効にし、主制御部20は携帯電話機1の機能をスリープさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の携帯端末に係り、特にタッチパネルを備えた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末において、その表示部にタッチパネルを搭載したものが知られている。このようなタッチパネルは、圧力変化や静電容量変化によって形成されるタッチセンサと表示部とを組み合わせており、例えば操作を要求するメニュー画面においてメニュー項目が表示された画面を直接タッチすることによって、タッチされた位置に該当する項目が選択されるようになっている。また、ユーザがタッチパネル上において指やタッチペンなどの物体を移動させ、物体の移動に合わせてスクロールする方法も知られている。
【0003】
タッチパネルを有する携帯端末では、ユーザの接触操作等でタッチパネルのタッチセンサが反応している間、タッチパネル自体やタッチパネル表示用のLEDで携帯端末の電力を消費する。一定時間入力を行わないと、自動的にタッチパネル表示用のLEDが消灯してタッチパネルからの入力が無効になり、省電力を図ることのできる携帯端末もあるが、通常、タッチパネルでの入力が続く限り、タッチパネル自体の機能も有効であり、タッチパネル表示用のLEDも点灯しているため、電力が消費されてしまう。ユーザが意図してタッチパネルからの入力操作を行っている場合はやむを得ないが、ユーザの意図しない入力操作によって、無駄な電力を消費してしまう可能性もある。
【0004】
特許文献1では、タッチパネルへの入力が無い場合に、タッチパネルとタッチパネル制御部のみに電源を供給し、タッチパネルへの入力があった場合にシステム全体に電源を供給して省電力化を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−056685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えばユーザがタッチパネルを有する携帯端末を操作後、タッチパネルからの入力が無効になる前に携帯端末をポケットやバッグ等に入れてしまい、携帯端末のタッチパネルに物が触れてしまう場合がある。このとき、タッチパネルでの操作をロックしていないために誤ってタッチセンサが反応している場合、ユーザが意図していない操作を引き起こすだけでなく、タッチパネル表示用LEDも点灯状態のままとなるので、無駄な電力を消費してしまう。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたもので、ユーザの意図していない操作を防ぎ、かつユーザが使用しない時の消費電力を抑えることができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯端末は、画像情報を表示する表示部と、前記表示部へ接触により入力を行う接触入力部と、前記接触入力部での入力を検知する接触検知部と、前記接触検知部で検知した前記表示部の位置座標を定期的に取得する位置座標取得部と、前記接触検知部で入力を検知している接触時間を計時する計時部と、前記計時部で計時を開始した際に前記位置座標取得部で取得した前記位置座標より、所定の領域を設定する領域設定部と、前記計時部で計測された前記接触時間が所定時間を経過しても、前記位置座標取得部で定期的に取得する前記位置座標が連続して前記領域設定部で設定する所定の領域内である場合、前記表示部での画像情報表示を終了し、前記接触入力部での入力を無効にする省電力制御部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る携帯端末によれば、ユーザの意図していない操作を防ぎ、かつユーザが使用しない時の消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(A)は本発明の一実施形態に係る携帯電話機の開いた状態の斜視図、(B)は携帯電話機の閉じた状態の斜視図。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯電話機の概略構成を示すブロック図。
【図3】同上の実施形態における、誤検出領域を設定して誤検出を判別する動作における携帯電話機のタッチスクリーンの概略図。
【図4】同上の実施形態における、誤検出領域を設定して誤検出を判別する動作を示すフローチャート。
【図5】同上の実施形態における、タッチスクリーンの固定エリアで誤検出を判別する動作における携帯電話機のタッチスクリーンの概略図。
【図6】同上の実施形態におけるタッチスクリーンの固定エリアで誤検出を判別する動作を示すフローチャート。
【図7】同上の実施形態における、タッチスクリーンに表示されている操作ボタンの領域を用いて誤検出を判別する動作における携帯電話機のタッチスクリーンの概略図。
【図8】同上の実施形態におけるタッチスクリーンに表示されている操作ボタンの領域を用いて誤検出を判別する動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末を適用した携帯電話機1の斜視図であり、(A)は開いた状態を示し、(B)は閉じた状態を示す。携帯電話機1は、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とが、閉じた状態で、相互に一面を覆うように積層されることにより形成されている。これらの上筐体10及び下筐体11は、所定方向(図1のX方向)に相互に所定長さだけスライド可能なように結合されていて、上筐体10を下筐体11に対してスライドさせることにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形される。
【0013】
上筐体10の外面(下筐体11に対面しない側の面)には、データを表示するとともに接触によりデータを入力するタッチスクリーン12(表示部、接触入力部、接触検知部)、音声を出力するためのスピーカ13、音声を集音するためのマイクロフォン14が設けられている。これらのタッチスクリーン12、スピーカ13、マイクロフォン14は、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても外部に露出されるように設けられている。よって、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても、ユーザはタッチスクリーン12の画面を視認したり、携帯電話機1を用いて通話を行ったりすることができる。
【0014】
下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、ユーザが押下することにより指示を入力するための複数の操作キー15が設けられている。携帯電話機1が閉じた状態のとき、これらの操作キー15は、上筐体10により覆われていて外部に露出されていない。上筐体10を下筐体11に対してスライドさせて携帯電話機1を開いた状態に変形させたとき、操作キー15は外部に露出されるので、ユーザは操作キー15を介して指示を入力することができる。
【0015】
タッチスクリーン12は、データを表示するとともに、接触によってデータが入力される機能を有する。タッチスクリーン12は、文字や画像等からなる表示データを表示する表示機能、及び、ユーザが指や専用のペンで画面に触れた際にこの接触の位置を検知することにより指示を入力する入力機能の双方の機能を備えたディスプレイである。
【0016】
タッチスクリーン12は、例えばディスプレイの上に、表面に接触を検知するための素子が複数配置され、さらにその上に透明なスクリーンが積層されることにより形成されている。タッチスクリーン12上での接触を感知する方法は、圧力の変化を感知する感圧式であっても、静電気による電気信号を感知する静電式であっても、その他の方法であっても良い。
【0017】
図2は、携帯電話機1の概略構成を示すブロック図である。携帯電話機1は、主制御部20(領域設定部、省電力制御部)、電源回路部21、タッチスクリーン制御部22(位置座標取得部)、タイマ24(計時部)、音声制御部25、通信制御部26、記憶部27、情報記憶媒体28がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0018】
電源回路部21は、電力供給源(バッテリ等)を備え、所定の操作キーを介した入力に基づいて携帯電話機1の電源のON/OFF状態を切り替え、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0019】
タッチスクリーン制御部22はタッチスクリーン12に対する入力インタフェースおよび表示インタフェースを備えている。タッチスクリーン12が物体の接触を検知すると、タッチスクリーン制御部22は「Pressイベント」として、タッチスクリーン12を点灯し、その接触があった位置座標を取得して主制御部20に伝送する。また、タッチスクリーン12に接触していた物体が離れると、タッチスクリーン制御部22は「Releaseイベント」して、接触時に取得した位置座標を消去する。また、例えばユーザの指がタッチスクリーン12に接触したまま任意の方向へなぞると、タッチスクリーン制御部22は「なぞったイベント」として、なぞった始点と終点の接触位置座標を取得し主制御部20に伝送する。
【0020】
またタッチスクリーン制御部22は、主制御部20の制御に基づいて、文書データや画像データ等をタッチスクリーン12に表示する。
【0021】
タイマ24は、タッチスクリーン12への接触を検知すると起動し計時する。
【0022】
操作キー15での入力あるいはタッチスクリーン12での接触入力が行われた時、タッチスクリーン12にデータを表示する時、または通信が行われる時に、タッチスクリーン制御部22はタッチスクリーン12の照明を点灯させる。また、操作キー15やタッチスクリーン12からの入力が無く、通信も行われずに、タイマ24がある所定時間を経過すると、タッチスクリーン制御部22はタッチスクリーン12の照明を消灯させ、タッチスクリーン12からの入力操作を無効にし、次に操作キー15からの入力があるまで携帯電話機1の機能をスリープさせる。
【0023】
音声制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン14で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部25は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ13から音声として出力する。
【0024】
通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、基地局からアンテナ26aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部25に伝送されてスピーカ13から出力されたり、タッチスクリーン制御部22に伝送されてタッチスクリーン12に表示されたり、または記憶部27に記録されたりする。また通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン14で集音された音声データや、タッチスクリーン12を介して入力されたデータや記憶部27に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ26aを介して送信する。
【0025】
記憶部27は、主制御部20や通信制御部26などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(Random Access Memory)などにより実現できる。また、タッチスクリーン12が接触を検知しタッチスクリーン制御部22が取得した位置座標のデータを一時的に記憶する。
【0026】
情報記憶媒体28(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、ハードディスク、或いはメモリ(ROM:Read Only Memory)などにより実現できる。情報記憶媒体28は、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)、複数のアプリケーション等が記憶される。
【0027】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、その他の様々な演算処理や制御処理などを行う。主制御部20の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。主制御部20は、情報記憶媒体28に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0028】
主制御部20が情報記憶媒体28に格納されている、任意のアプリケーションを起動した際、主制御部20は、タッチスクリーン12への接触によりタッチスクリーン制御部22から伝送される、上述したイベント(「Pressイベント」、「Releaseイベント」、「なぞったイベント」)を、各アプリケーションに対応するよう変換し、所定の処理操作を行うようアプリケーションを動作させる。具体的には、タッチスクリーン12の所定の位置を押下した際の「Pressイベント」は、押下された位置のボタン表示色を変化させることに対応し、タッチスクリーン12の押下した位置から離れる「Releaseイベント」は、押下していたボタン表示における処理を起動することに対応する、といった例が挙げられる。
【0029】
<実施例>
次に、上記構成の携帯電話機1における、タッチスクリーン12への接触を検知し、誤検出領域を設定して誤検出を判別する動作について、図3、4を参照して説明する。
【0030】
図3のタッチスクリーン12の概略図、図4のフローチャートにおいて、ユーザの指やタッチペン等の物体がタッチスクリーン12に接触し、タッチスクリーン12が接触を検知すると(ステップS101)、タイマ24は起動して計時をスタートする(ステップS103)。またタッチスクリーン制御部22は「Pressイベント」として、接触されている位置座標(xa1,ya1)を取得し(ステップS104)、タッチスクリーン12の照明を点灯させる。
【0031】
次に主制御部20は、図3の点線枠で示すように、ステップS104で取得した位置座標(xa1,ya1)を中心とした領域を「誤検出領域」として範囲設定し記憶部27に格納する(ステップS105)。この誤検出領域は、例えば画面(タッチスクリーン12の)サイズの縦横各10%程度とする(例えば、タッチスクリーン12のサイズが(縦A画素×横B画素)である場合には、誤検出領域が(xa1±0.05A,ya1±0.05B)となるように範囲を設定する)。
【0032】
次にタッチスクリーン制御部22は、例えば数秒毎といった所定周期でタッチスクリーン12への接触の有無を監視する(ステップS107)。タッチスクリーン12が接触を検知した場合、タッチスクリーン制御部22はその都度位置座標(xa2,ya2),(xa3,ya3)・・・を取得する。
【0033】
ステップS107で、タッチスクリーン12が接触を検知しなくなった(接触していた物体がタッチスクリーン12から離れた)場合(ステップS109で「Yes」)、主制御部20は「Releaseイベント」として、タイマ24を停止し計測時間をリセットする(ステップS113)。
【0034】
また、ステップS107でタッチスクリーン12が接触を検知しているが、タッチスクリーン制御部22が取得する位置座標がステップS105で設定した誤検出領域から外れた場合(ステップS111で「No」、図3での位置座標が(xan,yan))、主制御部20は「なぞったイベント」として、タイマ24を停止し計測時間をリセットする(ステップS113)。
【0035】
ステップS113でタイマ24が停止しリセットした後、タッチスクリーン12の他の位置座標で接触が検知されると、同時にタイマ24はステップS101に戻って新たに計時を開始する。
【0036】
ステップS107でタッチスクリーン12が接触を検知し続け(ステップS109で「No」)、ステップS107でタッチスクリーン制御部22が取得する位置座標がステップS105で設定した誤検出領域内にあり(ステップS111で「Yes」、図3での位置座標が(xam,yam))、タイマ24が所定時間を超えた場合(ステップS115で「Yes」)、タッチスクリーン12の誤検出領域を連続して押下され続けているか、極めて短い周期で誤検出領域を断続的に接触されていると考えられ、ユーザの意図した操作ではないと考えられる。この時、タッチスクリーン制御部22はタッチスクリーン12を消灯して、タッチスクリーン12による入力操作を無効にし(ステップS117)、主制御部20は携帯電話機1の機能をスリープさせる。
【0037】
タイマ24が所定時間を超えていない場合(ステップS115で「No」)、ステップS107に戻ってタッチスクリーン制御部22は引き続きタッチスクリーン12への接触の有無を監視する。
【0038】
<応用例1>
誤検出を判別する応用例1として、タッチスクリーン12の固定エリアで誤検出を判別する動作を、図5のタッチスクリーン12の概略図、図6のフローチャートに示す。図5において、タッチスクリーン12における接触検出範囲をいくつかのエリアに分割し記憶部27に格納する(ステップS201)。図5の例ではA〜Lの12エリアに分割している。次に、ユーザの指やタッチペン等の物体がタッチスクリーン12に接触し、タッチスクリーン12が接触を検知すると(ステップS203)、タイマ24は起動して計時をスタートする(ステップS205)。またタッチスクリーン制御部22は「Pressイベント」として、接触されている位置座標(xb1,yb1)とタッチスクリーン12におけるエリア(図5ではエリア「E」)を取得し(ステップS207)、タッチスクリーン制御部22はタッチスクリーン12の照明を点灯させる。
【0039】
次にタッチスクリーン制御部22は、例えば数秒毎といった所定周期でタッチスクリーン12への接触の有無を監視する(ステップS209)。タッチスクリーン12への接触がある場合、タッチスクリーン制御部22はその都度位置座標(xb2,yb2),(xb3,yb3)・・・と、各位置座標におけるタッチスクリーン12上のエリアを取得し記憶部27に格納する。
【0040】
ステップS209で、タッチスクリーン12が接触を検知しなくなった(接触していた物体がタッチスクリーン12から離れた)場合(ステップS211で「Yes」)、主制御部20は「Releaseイベント」として、タイマ24を停止し計測時間をリセットする(ステップS219)。
【0041】
また、ステップS209でタッチスクリーン12が接触を検知しているが、タッチスクリーン制御部22が取得する位置座標におけるエリアがステップS207で取得したエリアと異なる場合(ステップS213で「No」、図5での位置座標が(xbn,ybn)、エリアが「J」)、主制御部20は「なぞったイベント」として、タイマ24を停止し計測時間をリセットする(ステップS219)。
【0042】
ステップS219でタイマ24が停止しリセットした後、タッチスクリーン12の他の位置座標で接触が検知されると、同時にタイマ24はステップS203に戻って新たに計時を開始する。
【0043】
ステップS209でタッチスクリーン12が接触を検知し続け(ステップS211で「No」)、ステップS209でタッチスクリーン制御部22が取得する位置座標におけるエリアが同一であり(ステップS213で「Yes」、図5での位置座標が(xbm,ybm)、エリアが「E」)、タイマ24が所定時間を超えた場合(ステップS215で「Yes」)、あらかじめ定めたタッチスクリーン12上のエリアのうち、特定のエリア内を連続して押下され続けているか、極めて短い周期で特定のエリア内を断続的に接触されていると考えられ、ユーザの意図した操作ではない、誤検出と考えられる。この時、タッチスクリーン制御部22はタッチスクリーン12を消灯して、タッチスクリーン12への入力操作を無効にし(ステップS217)、主制御部20は携帯電話機1の機能をスリープさせる。
【0044】
タイマ24が所定時間を超えていない場合(ステップS215で「No」)、ステップS209に戻ってタッチスクリーン制御部22は引き続きタッチスクリーン12の接触の有無を監視する。
【0045】
<応用例2>
誤検出を判別する応用例2として、タッチスクリーン12に表示されている操作ボタンの領域を用いて誤検出を判別する動作を、図7のタッチスクリーン12の概略図、図8のフローチャートに示す。
【0046】
主制御部20は、情報処理媒体28に対し、起動しているアプリケーションの、現在タッチスクリーン12上に表示されている操作ボタン等の領域や位置情報、図7の例では「メール」、「メニュー」、「WEB」の各ボタンの領域、位置情報を要求し取得する(ステップS301)。
【0047】
次に、ユーザの指やタッチペン等の物体がタッチスクリーン12に接触し、タッチスクリーン12が接触を検知すると(ステップS303)、タイマ24は起動して計時をスタートする(ステップS305)。またタッチスクリーン制御部22は「Pressイベント」として、接触されている位置座標(xc1,yc1)を取得し(ステップS307)、タッチスクリーン12の照明を点灯させる。
【0048】
次に主制御部20は、ステップS307で取得した位置座標(xc1,yc1)が、ステップS301で取得した、現在表示されている「メール」、「メニュー」、「WEB」の各操作ボタンのうちいずれか1つの領域内か否かを判断する(ステップS309)。位置座標(xc1,yc1)が例えば「メール」操作ボタンの領域内に存在する場合(ステップS309で「Yes」)、主制御部20は、「メール」操作ボタンの領域を「誤検出領域」として範囲設定し記憶部27に格納する(ステップS311)。位置座標(xc1,yc1)が、現在表示されている「メール」、「メニュー」、「WEB」のどの操作ボタンの領域内に存在しなかった場合(ステップS309で「No」)、ステップS303に戻る。
【0049】
次にタッチスクリーン制御部22は、例えば数秒毎といった所定周期でタッチスクリーン12への接触の有無を監視する(ステップS313)。タッチスクリーン12への接触がある場合、タッチスクリーン制御部22はその都度位置座標(xc2,yc2),(xc3,yc3)・・・を取得する。
【0050】
ステップS313で、タッチスクリーン12が接触を検知しなくなった(接触していた物体がタッチスクリーン12から離れた)場合(ステップS315で「Yes」)、主制御部20は「Releaseイベント」として、タイマ24を停止し計測時間をリセットする(ステップS319)。
【0051】
また、ステップS313でタッチスクリーン12が接触を検知しているが、タッチスクリーン制御部22が取得する位置座標がステップS311で設定した誤検出領域から外れた場合(ステップS317で「No」、図7での位置座標が(xcn,ycn))、主制御部20は「なぞったイベント」として、タイマ24を停止し計測時間をリセットする(ステップS319)。
【0052】
ステップS319でタイマ24が停止しリセットした後、タッチスクリーン12の他の位置座標で接触が検知されると、同時にタイマ24はステップS301に戻って新たに計時を開始する。
【0053】
ステップS313でタッチスクリーン12が接触を検知し続け(ステップS315で「No」)、ステップS313でタッチスクリーン制御部22が取得する位置座標がステップS311で設定した誤検出領域内にあり(ステップS317で「Yes」、図7での位置座標が(xcm,ycm))、タイマ24が所定時間を超えた場合(ステップS321で「Yes」)、タッチスクリーン12の誤検出領域を連続して押下され続けているか、極めて短い周期で誤検出領域を断続的に接触されていると考えられ、ユーザの意図した操作ではないと考えられる。この時、タッチスクリーン制御部22はタッチスクリーン12を消灯して、タッチスクリーン12への入力操作を無効にし(ステップS323)、主制御部20は携帯電話機1の機能をスリープさせる。
【0054】
タイマ24が所定時間を超えていない場合(ステップS321で「No」)、ステップS313に戻ってタッチスクリーン制御部22は引き続きタッチスクリーン12の接触の有無を監視する。
【0055】
以上により、タッチスクリーン12が、あらかじめ定められたタッチスクリーン12上の誤検出領域や特定のエリア内で、一定時間に連続して接触を感知すると、例えば携帯電話機1がバッグの中にあり、タッチスクリーン12が他の物体に接触しているため、ユーザの意図した操作ではない、誤検出と考えられる。よって、タッチスクリーン制御部22はタッチスクリーン12を消灯し、主制御部20は携帯電話機1の機能をスリープさせることで、無駄な電力消費をなくすことができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0057】
例えば、上記実施形態では、誤検出領域を矩形状としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、誤検出領域を円状としてもよい。また、誤検出領域を設定せず、所定時間内に「Releaseイベント」がない場合にタッチスクリーン12の入力操作を無効し、携帯電話機1の機能をスリープさせる仕様にしてもよい。
【0058】
また、本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯音楽プレイヤー、携帯ビデオカメラ、携帯ゲーム機等、LEDなどの情報通知手段を備えている携帯端末であれば、任意の携帯端末であっても良い。
【符号の説明】
【0059】
1…携帯電話機、12…タッチスクリーン、13…スピーカ、14…マイクロフォン、15…操作キー、20…主制御部、21…電源回路部、22…タッチスクリーン制御部、24…タイマ、25…音声制御部、26…通信制御部、26a…アンテナ、27…記憶部、28…情報記憶媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を表示する表示部と、
前記表示部へ接触により入力を行う接触入力部と、
前記接触入力部での入力を検知する接触検知部と、
前記接触検知部で検知した前記表示部の位置座標を定期的に取得する位置座標取得部と、
前記接触検知部で入力を検知している接触時間を計時する計時部と、
前記計時部で計時を開始した際に前記位置座標取得部で取得した前記位置座標より、所定の領域を設定する領域設定部と、
前記計時部で計測された前記接触時間が所定時間を経過しても、前記位置座標取得部で定期的に取得する前記位置座標が連続して前記領域設定部で設定する所定の領域内である場合、前記表示部での画像情報表示を終了し、前記接触入力部での入力を無効にする省電力制御部と、
を具備することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記省電力制御部は、前記接触検知部が入力を検知しなくなった場合、前記計時部の計時を停止する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記省電力制御部は、前記位置座標取得部で取得した前記位置座標が、前記領域設定部で設定した所定の領域外である場合、前記計時部の計時を停止する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記接触入力部は複数のエリアに分割され、
前記省電力制御部は、
前記計時部で計時を開始した際に前記位置座標取得部で取得した前記位置座標より、前記エリアを取得し、
前記計時部で計測された前記接触時間が所定時間を経過しても、前記位置座標取得部で定期的に取得する前記位置座標が連続して同一の前記エリア内である場合、前記表示部での画像情報表示を終了し、前記接触入力部での入力を無効にする
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
前記省電力制御部は、
前記表示部に表示される複数の操作ボタンの領域を取得し、
前記計時部で計時を開始した際に前記位置座標取得部で取得した前記位置座標が、任意の前記操作ボタンの領域内であり、前記計時部で計測された前記接触時間が所定時間を経過しても、前記位置座標取得部で定期的に取得する前記位置座標が連続して同一の前記操作ボタンの領域内である場合、前記表示部での画像情報表示を終了し、前記接触入力部での入力を無効にする
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−238078(P2010−238078A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86804(P2009−86804)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】