説明

携帯端末

【課題】充電端子寄りに通信基板が配置された携帯端末において、通信基板が充電端子からのノイズの影響を受けにくい構成を、通信基板を大型化することなく実現する。
【解決手段】携帯端末1は、ケース2の後方寄りに電池17が収容されており、ケース2の後端側に充電端子(第1充電端子50、第2充電端子60)と通信基板40とが配置されている。各充電端子は、ケース2の長手方向一端側の壁部2aから外部に露出する露出部(第1露出部51、第2露出部61)と、この露出部に連結されて横向きに直線状に延伸する延伸部(第1延伸部53、第2延伸部63)とを備えており、これら延伸部が、通信基板40における後方側領域ARの下方に配置され、且つ通信基板40の側方における当該通信基板と上下に重ならない位置まで延伸している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型バーコードリーダ等の携帯端末は、様々な場所に携帯して使用することを想定しているため、充電可能な電池をケース内に収容した構成が一般的である。この種の携帯端末は、充電を繰り返し実施する必要があるため、ユーザの利便性を考慮すると、充電を容易に行い得る構成であることが望ましい。現在では、例えばケース端部に充電端子を露出させて配置しており、携帯端末が充電器(置台)に載置されたときに、当該充電端子が充電器の端子と接触し、これにより充電器からの電力が当該充電端子を介してケース内の電池に供給されるといった構成が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−220504公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように充電端子を外部に露出させる場合、ユーザの手等が充電端子に触れやすくなり、当該充電端子を介して静電気ノイズ等が印加されやすくなってしまうという問題がある。充電端子を介してノイズが印加されると、充電ラインに近接する各種回路の誤動作等を招いてしまうため、上記のように充電端子を露出させて配置する場合には、何らかのノイズ対策を講じる必要がある。
【0005】
上記のようなノイズを軽減する方法としては、例えば、ノイズの影響をなるべく抑えたい回路基板においてノイズ対策部品を配置する方法が考えられる。しかしながら、近年の装置小型化、高密度化の要請から、回路基板上にノイズ対策部品の実装スペースを広く確保することが難しくなってきており、また、ノイズの影響を受けやすいデジタル回路等をノイズ対策部品から離して実装することも難しくなってきている。なお、携帯端末内の回路基板上にノイズ対策部品を配置する例としては、例えば特許文献1のようなものがある。
【0006】
また、充電端子から相当離れた位置に回路基板を配置するといった方法も考えられるが、装置小型化、高密度化を図る上では回路基板を無制限に離すこともできない。特に、充電端子寄りに回路基板を配置することが望ましい場合には、このような問題が一層顕著となる。
【0007】
例えば、充電端子付近に通信基板(例えばIrDA基板)を配置すると、充電端子を介して置台から電力供給を受けることができると共に、通信基板と置台とが近接した位置関係となるため、両者間で通信を良好に行うことができるようになり、ユーザの利便性を効果的に高めることができる。しかしながら、充電端子付近は上述のようにノイズの影響を受けやすい場所であるため、何ら対策を講じることなく通信基板を配置すると、当該通信基板がノイズの影響を受け、誤動作等の不具合が生じることが懸念される。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、充電端子寄りに通信基板が配置された携帯端末において、通信基板が充電端子からのノイズの影響を受けにくい構成を、通信基板を大型化することなく実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、充電可能な電池と、前記電池を収容するケースと、前記ケースの外部からの電力を前記電池に供給する経路をなす充電端子と、
外部装置との間で信号を送受信する送受信部を備え、前記ケース内における前記充電端子寄りの位置に配置される通信基板と、を備えた携帯端末であって、前記充電端子が、前記ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部において、外部に露出する構成で配置される露出部と、前記露出部に連結されると共に、前記いずれかの方向に対して横向きに、且つ直線状に延伸する延伸部と、を備えている。
更に、前記延伸部が、前記通信基板における前記露出部側の領域の上方又は下方、若しくは前記通信基板の外縁部よりも外側の領域に配置され、且つ前記通信基板の側方における当該通信基板と上下に重ならない位置まで延伸している。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯端末において、前記露出部が、前記ケースの長手方向一端側に配置された前記一端側の壁部において外部に露出しており、前記電池が、前記ケース内において前記長手方向の一方寄りに配置されており、前記通信基板が、前記長手方向において、前記電池と前記一端側の壁部との間に配置されており、前記延伸部が、前記ケースの短手方向に沿って延伸している。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯端末において、前記充電端子が、少なくとも第1充電端子と第2充電端子とを有している。
また、前記第1充電端子は、第1露出部と、第1延伸部とを備え、前記第2充電端子は、第2露出部と、第2延伸部とを備えている。
更に、前記第1充電端子の前記第1延伸部は、前記一端側の壁部から露出する前記第1露出部に連結されて前記横向きに延伸し、前記第2充電端子の前記第2延伸部は、前記一端側の壁部から露出する前記第2露出部に連結され、前記第1充電端子と同じ側に延びる形態で前記横向きに延伸している。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3に記載の携帯端末において、前記通信基板の側方に、ノイズ抑制部品を搭載したノイズ抑制基板が設けられており、前記第1延伸部及び前記第2延伸部がいずれも、前記通信基板と上下に重ならない位置において前記ノイズ抑制基板に固定されている。
【0013】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の携帯端末において、前記第2延伸部が、前記第1延伸部とは長さが異なるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1に記載の携帯端末において、前記充電端子が、少なくとも第1充電端子と第2充電端子とを有している。
また、前記第1充電端子は、第1露出部と、第1延伸部とを備え、前記第2充電端子は、第2露出部と、第2延伸部とを備えている。
更に、前記第1充電端子の前記第1延伸部は、前記一端側の壁部から露出する前記第1露出部に連結されて前記横向きに延伸し、前記第2充電端子の前記第2延伸部は、前記一端側の壁部から露出する前記第2露出部に連結され、前記第1充電端子が延伸する側とは反対側に延びる形態で前記横向きに延伸している。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6に記載の携帯端末において、前記通信基板の一方の側方に、第1のノイズ抑制部品を搭載した第1のノイズ抑制基板が設けられ、他方の側方には、第2のノイズ抑制部品を搭載した第2のノイズ抑制基板が設けられている。
また、前記第1延伸部は、前記通信基板と上下に重ならない位置において前記第1のノイズ抑制基板に固定され、前記第2延伸部は、前記通信基板と上下に重ならない位置において、前記第2のノイズ抑制基板に固定されている。
【0016】
請求項8の発明は、請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の携帯端末において、更に、前記第1充電端子及び前記第2充電端子を保持する非導電性の保持部材が設けられており、この保持部材は、少なくとも前記第1延伸部及び前記第2延伸部を被覆しつつ前記ケース内の所定位置に保持している。
【0017】
請求項9の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の携帯端末において、前記送受信部が、光信号を送受信する光通信素子からなり、前記延伸部が、少なくとも光通信素子の上方又は下方を避けた位置に固定されている。
【0018】
請求項10の発明は、充電可能な電池と、前記電池を収容するケースと、前記ケースの外部からの電力を前記電池に供給する経路をなす充電端子と、外部装置との間で信号を送受信する送受信部を備え、前記ケース内における前記充電端子寄りの位置に配置される通信基板と、を備えた携帯端末であって、前記充電端子が、前記ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部において、外部に露出する構成で配置される露出部と、前記露出部に連結されると共に、前記通信基板よりも前記一端側の壁部寄りの位置、若しくは前記通信基板の周囲の少なくともいずれかに配置されるコイル部と、を有している。
【0019】
請求項11の発明は、請求項10に記載の携帯端末において、前記コイル部は、前記露出部に連結される側とは反対側が前記通信基板又は前記通信基板の側方に設けられたノイズ抑制基板に接続されている。
【0020】
請求項12の発明は、請求項10又は請求項11に記載の携帯端末において、前記コイル部全体が、前記いずれかの方向において前記通信基板よりも外側に配置されている。
【0021】
請求項13の発明は、請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記コイル部が、前記いずれかの方向と直交する直交平面に沿って巻き回された構成をなしている。
【0022】
請求項14の発明は、請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記コイル部が、金属製の板材によって構成され、且つ一方の板面が前記いずれかの方向の一方側に面し、他方の板面が前記いずれかの方向の他方側に面する構成で配置されている。
【0023】
請求項15の発明は、請求項10から請求項14のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記コイル部は、磁性材料が内部に含有若しくは表面に積層されている。
【0024】
請求項16の発明は、請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記ケース内における前記一端側の壁部寄りの位置に弾性変形可能な保持部材が設けられており、少なくとも前記コイル部が前記保持部材内に埋め込まれた構成で保持されている。
【0025】
請求項17の発明は、請求項16に記載の携帯端末において、前記保持部材は、非導電性材料に磁性材料が含有されてなる。
【0026】
請求項18の発明は、請求項16又は請求項17に記載の携帯端末において、前記保持部材は、前記いずれかの方向と直交する幅方向に延びると共に、少なくとも一部が前記ケースの角部に設けられており、前記コイル部は、少なくとも一部が前記ケースの角部において前記保持部材に保持されている。
【発明の効果】
【0027】
請求項1の発明は、ケース内の一端側の壁部において外部に露出する構成で充電端子が配置されており、この充電端子寄りの位置に通信基板が配置されている。このようにすると、充電端子側で外部通信を行う場合に有利な構成となる。
また、充電端子は、外部に露出する露出部と、露出部に連結されると共に横向き且つ直線状に延伸する延伸部とを備えており、延伸部が、通信基板における露出部側の領域の上方又は下方、若しくは通信基板の外縁部よりも外側の領域に配置され、且つ通信基板の側方における当該通信基板と上下に重ならない位置まで延伸している。
このようにすると、露出部からのライン(延伸部)が、通信基板に対して横に逃げる直線状の経路となり、例えば撓み易いワイヤなどを通信基板と接触しやすい位置に湾曲させて這い回す構成と比較して、通信基板が受けるノイズの影響を効果的に低減できる。
また、延伸部が通信基板と上下に重ならない位置まで延伸しているため、通信基板を避けたスペースを利用して延伸部を他部品に接続することができる。
【0028】
請求項2の発明は、ケースの長手方向一端側に配置された壁部(一端側の壁部)において露出部が外部に露出している。また、ケース内において長手方向の一方寄りに電池が配置されており、露出部が配置された壁部(一端側の壁部)と電池との間に通信基板が配置されている。このようにすると、長手方向一端側に電池、充電端子、通信基板を効率的に配置することができる。
特に充電端子と電池を近い場所に配置できるため、充電ラインを必要以上に確保する必要が無く、通信基板が電池と壁部(一端側の壁部)の間に配置されているため、ケースの厚さや幅をそれほど大きくすることなく充電端子寄りに通信基板を配置することができる。即ち、通信基板を電池と上下に重ねて配置したり、電池の左右に通信基板を配置せずに済む為、電池付近においてケースの厚さや幅を抑えることができ、持ち運び時や使用時に電池部分を把持しやすくなる。
一方、このように電池と壁部(一端側の壁部)の間の狭いスペースに通信基板を配置すると、通信基板と充電端子との距離が近くなり、通信基板に対する充電端子からのノイズの影響が懸念されるが、延伸部をケースの短手方向に沿って直線状に配置して通信基板から逃がしているため、通信基板がノイズの影響を受けにくくなる。従って、「電池付近のケース厚さや幅を低減し得る効率的な配置」及び「ノイズの影響の抑制」を共に実現できる優れた構成となる。
【0029】
請求項3の発明は、充電端子が、少なくとも第1充電端子と第2充電端子とを有している。そして、第1充電端子の第1延伸部は、一端側の壁部から露出する部分(第1露出部)に連結されて横向きに延伸し、第2充電端子の第2延伸部は、一端側の壁部から露出する部分(第2露出部)に連結され、第1充電端子と同じ側に延出する形態で横向きに延伸している。このようにすると、2つの充電ラインを同方向にまとめることができ、且つ通信基板がいずれの充電ラインのノイズの影響も受け難くなる。
【0030】
請求項4の発明は、通信基板の側方に、ノイズ抑制部品を搭載したノイズ抑制基板が設けられており、第1延伸部及び第2延伸部がいずれも、通信基板と上下に重ならない位置においてノイズ抑制基板に固定されている。このようにすると、通信基板を適切な位置に配置しつつ、当該通信基板を避けた側方スペースを利用してノイズ抑制基板を配置することができる。これにより、充電端子に印加されたノイズが通信基板に伝わりにくい構成を実現しつつ、通信基板を避けた位置においてノイズ自体を低減する対策を講じることができ、ひいては、通信基板や他の部品へのノイズの影響をより一層効果的に抑えることができる。
【0031】
請求項5の発明は、第2延伸部が、第1延伸部とは長さが異なるように構成されている。このようにすると、第1延伸部及び第2延伸部の各長さを、それぞれ独立して適切な長さに決めることができる。
【0032】
請求項6の発明は、充電端子が、少なくとも第1充電端子と第2充電端子とを有している。そして、第1充電端子の第1延伸部は、一端側の壁部から露出する部分(第1露出部)に連結されて横向きに延伸し、第2充電端子の第2延伸部は、一端側の壁部から露出する部分(第2露出部)に連結され、第1充電端子が延伸する側とは反対側に延びる形態で横向きに延伸している。このようにすると、各充電ラインを逆方向に這い回したほうが都合の良い場合(例えば、同方向に這い回すスペースがあまり無い場合等)に有利となり、且つ通信基板がいずれの充電ラインのノイズの影響も受け難くなる。
【0033】
請求項7の発明は、通信基板の一方の側方に、第1のノイズ抑制部品を搭載した第1のノイズ抑制基板が設けられ、他方の側方には、第2のノイズ抑制部品を搭載した第2のノイズ抑制基板が設けられている。このようにすると、通信基板を適切な位置に配置しつつ、当該通信基板を避けた両側方スペースを利用してノイズ抑制基板をそれぞれ配置することができる。これにより、充電端子に印加されたノイズが通信基板に伝わりにくい構成を実現しつつ、通信基板を避けた位置においてノイズ自体を低減する対策を講じることができ、ひいては、通信基板や他の部品へのノイズの影響をより一層効果的に抑えることができる。
【0034】
請求項8の発明は、更に、第1充電端子及び第2充電端子を保持する非導電性の保持部材が設けられており、この保持部材は、少なくとも第1延伸部及び第2延伸部を被覆しつつケース内の所定位置に保持している。このように保持部材によって第1延伸部及び第2延伸部を被覆することで、両延伸部から通信基板へのノイズの伝達を効果的に抑えることができ、また、保持部材が両延伸部の位置を保持しているため、撓み等によって両延伸部が通信基板に接近してしまうといった事態を回避できる。
【0035】
請求項9の発明は、送受信部が、光信号を送受信する光通信素子からなり、延伸部が、少なくとも光通信素子の上方又は下方を避けた位置に固定されている。このようにすると、光通信を行う基板へのノイズの影響を抑えることができ、特に光通信素子付近にノイズが伝達されにくくなる。
【0036】
請求項10の発明では、ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部において外部に露出する構成で充電端子が配置されており、この充電端子寄りの位置に通信基板が配置されている。このようにすると、充電端子側で外部通信を行う場合に有利な構成となる。
更に、充電端子は、外部に露出する構成で配置される露出部と、この露出部に連結されると共に、通信基板よりも一端側の壁部寄りの位置、若しくは通信基板の周囲の少なくともいずれかに配置されるコイル部を有している。このようにすると、充電端子の一部をインダクタンス成分として機能させることができる。従って、充電端子に外部から突発的なノイズ(例えば静電気等に起因する電圧等)が印加されても、このインダクタンス成分によりノイズを効果的に低減することができ、充電端子付近に存在する通信基板にノイズの影響が及びにくくなる。
【0037】
請求項11の発明では、コイル部における露出部に連結される側とは反対側が、通信基板又は通信基板の側方に設けられたノイズ抑制基板に接続されている。このようにすると、充電端子にノイズが印加された場合に、当該ノイズをコイル部とノイズ抑制基板とによって低減することができるため、より一層のノイズ抑制効果が得られ、通信基板や他の部品をより効果的に保護することができる。
【0038】
請求項12の発明では、通信基板が設けられた側においてコイル部全体が通信基板よりも外側に配置されている。このようにすると、通信基板の外側のコイル部でノイズを低減できるため、内側に配置された通信基板がノイズの影響をより受けにくくなる。
【0039】
請求項13の発明では、充電端子が、ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部に配置された構成において、コイル部が、当該いずれかの方向(コイル部が一端側に寄せられる当該方向)と直交する直交平面に沿って巻き回された構成をなしている。このようにすると、前記いずれかの方向にコイル部を嵩張らせたくない場合に有利であり、当該いずれかの方向と直交する方向のスペースを利用してコイル部を効率的に配置することができる。
【0040】
請求項14の発明は、充電端子が、ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部に配置された構成において、コイル部が、金属製の板材によって構成され、且つ一方の板面が前記いずれかの方向の一方側に面し、他方の板面が前記いずれかの方向の他方側に面する構成で配置されている。このようにすると、コイル部を構成する板材の板厚方向が前記いずれかの方向(コイル部が一端側に寄せられる当該方向)に沿った構成となるため、前記いずれかの方向にコイル部を嵩張らせたくない場合により一層有利となる。
【0041】
請求項15の発明では、コイル部において磁性材料が内部に含有若しくは表面に積層されている。このようにすると、コイル部のインダクタンスをより大きくすることができ、通信基板が受けるノイズの影響をより一層効果的に低減できる。
【0042】
請求項16の発明は、充電端子が、ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部に配置された構成において、ケース内の前記一端側の壁部寄りの位置に弾性変形可能な保持部材が設けられ、少なくともコイル部が保持部材内に埋め込まれた構成で保持されている。このようにすると、コイル部を保持部材によってより安定的に保持することができ、外部からの衝撃等に強い構成となる。更に、保持部材が弾性変形可能に構成されているため、例えば、落下等によって前記一端部側に外部から衝撃が加えられたときに、保持部材が弾性変形することによってこの衝撃を効果的に吸収することができ、前記一端部側に設けられた通信基板などに衝撃の影響が及びにくくなる。
【0043】
請求項17の発明では、保持部材は、磁性材料が含有された非導電性材料から構成されている。このようにすると、コイル部のインダクタンスをさらに大きくすることができ、通信基板が受けるノイズの影響をより一層効果的に低減できる。
【0044】
請求項18の発明では、充電端子が、ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部に配置された構成において、保持部材が前記いずれかの方向と直交する幅方向に延びると共に、少なくとも一部がケースの角部に設けられており、コイル部は、少なくとも一部がケースの角部において保持部材に保持されている。このようにすると、携帯端末が落下したときに、衝撃がもっとも加わり易いケースの角部が保持部材及びコイル部により弾性的に保護されるため、携帯端末に対する衝撃(特に角部に対する衝撃)をより一層効果的に低減できる。また、保持部材を衝撃吸収部材として兼用できるため、別途衝撃吸収用の部品(例えば衝撃吸収カバー等)を設けなくても相応の衝撃吸収効果が得られ、部品点数の低減、装置全体の小型化にも寄与することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末を概略的に例示する側面図である。
【図2】図2(a)は、図1の携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。図2(b)は、情報コード読取部の構成を例示するブロック図である。
【図3】図3は、ケース内における通信基板付近を概略的に例示する斜視図である。
【図4】図4は、図3から通信基板を取り外した状態を例示する斜視図である。
【図5】図5は、充電端子が保持部材に保持されている様子を示す斜視図である。
【図6】図6(a)は、保持部材によって充電端子が保持された部分(端子ユニット)を上方から見た図であり、図6(b)は、その端子ユニットを後方から見た図である。
【図7】図7(a)は、充電端子を上方から見た図であり、図7(b)は、充電端子を後方から見た図である。
【図8】図8は、充電端子を斜め後方から見た斜視図である。
【図9】図9は、第2実施形態に係る携帯端末における通信基板付近を概略的に例示する斜視図である。
【図10】図10(a)は、図9の携帯端末で用いられる端子ユニットを上方から見た図であり、図10(b)は、その端子ユニットを後方から見た図である。
【図11】図11(a)は、図9の携帯端末で用いられる充電端子を上方から見た図であり、図11(b)は、その充電端子を後方から見た図である。
【図12】図12は、第3実施形態に係る携帯端末における通信基板付近を概略的に例示する斜視図である。
【図13】図13は、図12の携帯端末で用いられる充電端子が保持部材に保持されている様子を示す斜視図である。
【図14】図14(a)は、図12の携帯端末で用いられる端子ユニットを上方から見た図であり、図14(b)は、その端子ユニットを後方から見た図である。
【図15】図15(a)は、図12の携帯端末で用いられる充電端子を上方から見た図であり、図15(b)は、その充電端子を後方から見た図である。
【図16】図16は、図12の携帯端末で用いられる充電端子を斜め後方から見た斜視図である。
【図17】図17は、第3実施形態の変形例に係る携帯端末の充電端子が保持部材に保持されている様子を示す斜視図である。
【図18】図18(a)は、第3実施形態の変形例に係る携帯端末の端子ユニットを上方から見た図であり、図18(b)は、その端子ユニットを後方から見た図である。
【図19】図19(a)は、第3実施形態の変形例に係る携帯端末の充電端子を上方から見た図であり、図19(b)は、その充電端子を後方から見た図である。
【図20】図20は、第3実施形態の変形例に係る携帯端末の充電端子を斜め後方から見た斜視図である。
【図21】図21は、本発明の第3実施形態の変形例に係る携帯端末を概略的に例示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯端末を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1、図2等を参照して第1実施形態に係る携帯端末1の全体構成について説明する。なお、図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末を概略的に例示する側面図である。また、図2(a)は、図1の携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図であり、図2(b)は、情報コード読取部の構成を説明する説明図である。
【0047】
図1に示す携帯端末1は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられるものであり、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を有している。
【0048】
図1、図2に示すように、携帯端末1は、全体的に長手状に構成されており、長手状のケース2のよって外郭が構成され、このケース2の内部に各種部品(各種電気部品等)が収容されている。ケース2は、例えば樹脂材料などからなる複数のケース体によって構成され、これらが結合した箱状形態をなしている。本実施形態では、ケース2の長手方向を前後方向とし、読取口が形成された側を前方側、それとは反対側を後方側としている。また、ケース2の厚さ方向を上下方向とし、操作部や表示装置11が設けられた側を上方側、それとは反対側を下方側としている。また、これら前後方向及び上下方向と直交する方向を幅方向(横方向)としている。なお、図1等では前後方向をX軸方向として示しており、上下方向をY軸方向として示している。また、幅方向(横方向)をZ軸方向として示している。
【0049】
ケース2の前方側には情報コードからの反射光を取り込む読取口5が形成されている。この読取口5は、ケース2の内部に光を取り込みうる開口形状となっており、その開口が透明部材(例えば透明の樹脂部材)によって閉塞された構成をなしている。また、携帯端末1には、ケース2から露出する形態で様々な部品が設けられている。例えば、上面側には、表示装置11や、複数個の操作ボタン14a(数字キーや機能キー等)を有するキー操作部14が設けられており、側面側には、読取指示用のトリガスイッチ13(図1では図示略)などが設けられている。
【0050】
次に、電気的構成について説明する。携帯端末1におけるケース2の内部には、図2(a)に示すように、携帯端末1全体を制御する制御部10が設けられている。この制御部10は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ16と協働して情報処理手段として機能している。また、制御部10には、表示装置11、スピーカ12、トリガスイッチ13、キー操作部14、外部インターフェース15なども接続されている。
【0051】
トリガスイッチ13やキー操作部14は、制御部10に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部10は、これらからの操作信号を受けて操作信号の内容に応じた各種制御を行う。表示装置11は、例えば液晶表示器として構成されており、制御部10からの指令を受けて様々な表示動作が行われるようになっている。外部インターフェース15は、外部(例えばホスト装置)との間でのデータ通信を行うためのインターフェースとして構成されており、制御部10と協働して通信処理を行うように構成されている。また、ケース2内には、電源となる電池17や電源部18が設けられており、これらによって制御部10や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0052】
また、制御部10には、情報コード読取部30が接続されている。この情報コード読取部30は、図2(b)に示すように、CCDエリアセンサ等の受光センサ33、結像レンズ37、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部31などを備えた構成をなしており、制御部10と協働して読取対象Rに付された情報コードC(バーコードや二次元コード)を読み取るように機能する。この情報コード読取部30によって読み取りを行う場合、まず、制御部10によって指令を受けた照明部31から照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口5(図1)を通って読取対象Rに照射される。そして、照明光Lfが情報コードC(バーコードや二次元コード)にて反射した反射光Lrは、読取口5を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ37を通って受光センサ33に入射する。読取口5と受光センサ33との間に配される結像レンズ37は、情報コードCの像を受光センサ33上に結像させる構成をなしており、受光センサ33はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ33から出力された受光信号は、画像データとしてメモリ16(図2(a))に記憶され、デコード処理に用いられる。なお、情報コード読取部30には、受光センサ33からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0053】
更に、制御部10には、IrDA部20が接続されている。このIrDA部20は、規格化された公知のIrDA通信方式で光無線データ通信を行うインターフェースとして構成されており、発光素子及び受光素子を有する光通信素子41(IrDA通信モジュール)が通信基板40上に実装された構成をなしている。なお、光通信素子41は、「送受信部」の一例に相当しており、外部装置との間で信号を送受信する機能を有している。
【0054】
(特徴的構成)
次に、図3〜図8等を参照し、本実施形態の特徴的構成について詳述する。
図3は、ケース内における通信基板付近を概略的に例示する斜視図である。図4は、図3から通信基板を取り外した状態を例示する斜視図である。図5は、充電端子が保持部材に保持されている様子を示す斜視図である。図6(a)は、保持部材によって充電端子が保持された部分を上方から見た図であり、図6(b)は、その部分を後方から見た図である。図7(a)は、充電端子を上方から見た図であり、図7(b)は、充電端子を後方から見た図である。図8は、充電端子を斜め後方から見た斜視図である。
【0055】
本実施形態に係る携帯端末1は、図1に示すように、長手状に構成されるケース2の内部において、当該ケース2の長手方向一方寄り(後方寄り)に電池17が配置されている。そして、図1、図3に示すように、その長手方向(前後方向)における電池17と壁部2a(後端側の壁部)の間の位置に、上述の通信基板40が配置されている。
【0056】
この通信基板40は、ケース2の内部における充電端子寄りの位置(即ち後端寄りの位置)において、その板面が上下方向(Y軸方向)とほぼ直交する構成で配置されており、この通信基板40の所定位置(図3の例では通信基板40の後端寄りの位置)に光通信素子41が実装されている。ケース2における光通信素子41の後方側の位置には、光を通過させる窓部3が形成されており、この窓部3を介して光通信素子41からの光がケース2の外部に導出され、あるいはケース2の外部からの光がケース内に導入されるようになっている。なお、窓部3は、壁部2aに形成された開口部2bとこの開口部2bを閉塞する透光部材4によって構成されており、透光部材4と対向する位置に光通信素子41が配置されている。
【0057】
更に、ケース2の後端の壁部2aに形成された開口(図示略)を介して露出する形態で、2つの充電端子(第1充電端子50、第2充電端子60:図5等参照)が設けられている。これら第1充電端子50及び第2充電端子60は、ケース2の外部からの電力を電池17に供給する経路をなしており、図5、図6に示すように、長手状の保持部材70に保持され、ケース2内において壁部2aに形成された開口(図示略)に面する構成で配置されている。
【0058】
図7、図8に示すように、第1充電端子50は、金属板材によって構成(例えば板金加工などによって構成)されており、第1露出部51と第1延伸部53とが一体的に連結した構成をなしている。図5、図8に示すように、第1露出部51は、第1延伸部53から下方に延びた下方延出部51aと、この下方延出部51aから折り返されて上方に延びる上方延出部51bとを有しており、この上方延出部51bが壁部2aに形成された開口を介して外部に露出している。
【0059】
第1延伸部53は、第1露出部51における下方延出部51aに連結されており、ケース2の短手方向(幅方向)に沿って直線状且つ横向きに延伸している。第1延伸部53は、細長且つ板状に構成されており、その板面が前後方向と略直交するように配置されている。図3、図4に示すように、本実施形態では、両充電端子(第1充電端子50及び第2充電端子60)が保持部材70によって保持されてなる端子ユニット90が、通信基板40における後方側領域(露出部側の領域)の下方に配置されているため、第1延伸部53も通信基板40の後方側領域(図3の一点鎖線AR参照)の下方に位置しており、通信基板40の側方の所定位置(通信基板40と上下に重ならない位置)まで延伸している。
【0060】
また、第1充電端子50には、第1延伸部53の端部から折れ曲がり、当該第1延伸部53から上方に延びる第1曲折部55が設けられている。この第1曲折部55は、第1延伸部53の延伸方向(即ち横方向)に対して直交方向に延びており、端部側が保持部材70から露出しており、先端部付近が後述するノイズ抑制基板80に接続されている。
【0061】
図7、図8に示すように、第2充電端子60も金属板材によって構成(例えば板金加工などによって構成)されており、第2露出部61と第2延伸部63とが一体的に連結した構成をなしている。図5、図8に示すように、第2露出部61は、第2延伸部63から下方に延びた下方延出部61aと、この下方延出部61aから折り返されて上方に延びる上方延出部61bとを有しており、この上方延出部61bが壁部2aに形成された開口を介して外部に露出している。
【0062】
第2延伸部63は第2露出部61における下方延出部61aに連結されており、第1延伸部53と同じ側に延びる形態で、ケース2の短手方向(幅方向)に沿って直線状且つ横向きに延伸している。第2延伸部63は、細長且つ板状に構成されており、その板面が前後方向と略直交するように配置されている。図3、図4に示すように、第2延伸部63も通信基板40の後方側領域(図3の一点鎖線AR参照)の下方に位置しており、通信基板40の側方の所定位置(通信基板40と上下に重ならない位置)まで延伸している。
【0063】
また、第2充電端子60には、第2延伸部63の端部から折れ曲がり、当該第2延伸部63から上方に延びる第2曲折部65が設けられている。この第2曲折部65は、第2延伸部63の延伸方向(即ち横方向)に対して直交方向に延びており、端部側が保持部材70から露出しており、先端部付近が後述するノイズ抑制基板80に接続されている。
【0064】
図5、図6に示すように、第1露出部51と第2露出部61は、ある程度の距離を保って横方向に並んでおり、第1曲折部55と第2曲折部65も、一定の距離を保って配置されている。図5、図6の例では、第1延伸部53と第2延伸部63とがやや近接して配置され、第1露出部51と第2露出部61との間隔よりも、第1延伸部53と第2延伸部63との間隔のほうが小さくなるように構成されているため、第1延伸部53の長さと、第2延伸部63の長さが異なっており、具体的には、第2延伸部63よりも第1延伸部53のほうが長く構成されている。
【0065】
上記充電端子(第1充電端子50及び第2充電端子60)を保持する保持部材70は、非導電性の材質(例えば樹脂部材等)によって構成されており、第1充電端子50の一部及び第2充電端子60の一部を被覆しつつ、これら充電端子をケース2内の所定位置に保持している。第1充電端子50については、保持部材70によって、第1延伸部53の全体、及び第1露出部51の基端部(下方延出部51aの一部)、及び第1曲折部55の基端部が被覆されており、第1充電端子50については、第1露出部51の先端側及び第1曲折部55の先端側のみがこの保持部材70から露出している。また、第2充電端子60については、保持部材70によって、第2延伸部63の全体、及び第2露出部61の基端部(下方延出部61aの一部)、及び第2曲折部65の基端部が被覆されており、第2充電端子60については、第2露出部61の先端側及び第2曲折部65の先端側のみがこの保持部材70から露出している。
【0066】
上記保持部材70は、第1充電端子50及び第2充電端子60を被覆しつつ、これらを通信基板40の後端部の下方位置に保持しており、図6(a)に示すように、第1充電端子50及び第2充電端子60のいずれもが、光通信素子41の真下を避けた位置に配置されるようにこれらを固定している。なお、図6(a)は、端子ユニット付近を上方から見た様子を説明しており、上方から見たときの光通信素子41の配置を二点鎖線にて仮想的に例示している。
【0067】
ノイズ抑制基板80は、ケース2後端部側において通信基板40の側方に配置されている。このノイズ抑制基板80も、ケース2の長手方向において電池17と壁部2aの間の位置に配置されており、図4のように、その板面が上下方向と略直交する構成で配置され、ケース2の後端の角部2c側に寄せられた配置をなしている。ノイズ抑制基板80は、基板本体上にノイズ抑制部品としてのインダクタ81が実装された構成をなしている。
【0068】
また、ノイズ抑制基板80には、上記充電端子(第1充電端子50及び第2充電端子60)がいずれも接続されている。具体的には、上述したように第1延伸部53及び第2延伸部63がいずれも、通信基板40と上下に重ならない位置まで延伸しており、これらが当該位置(通信基板40と上下に重ならない位置)において各曲折部(第1曲折部55及び第2曲折部65)を介してノイズ抑制基板80に固定されている。
【0069】
ノイズ抑制基板80の基板面には、第1充電端子50の第1曲折部55に接続される導電パターン(第1導電パターン:図示略)と、第2充電端子60の第2曲折部65に接続される導電パターン(第2導電パターン:図示略)とが形成されている。第1導電パターンは、第1曲折部55に接続される位置から、当該接続位置よりも幅方向一端側且つ前方側の所定位置P1までの導電路として構成されており、その所定位置P1には、ワイヤ等の導電部材(第1導電部材)が接続されている。また、第2導電パターンも同様であり、第2曲折部65に接続される位置から、当該接続位置よりも幅方向一端側且つ前方側の所定位置P2までの導電路として構成されており、その所定位置P2には、ワイヤ等の導電部材(第2導電部材)が接続されている。なお、これら第1導電部材及び第2導電部材も電池17へ電力を供給する経路として機能する。
【0070】
(本実施形態の主な効果)
本実施形態に係る携帯端末1では、ケース2内の一端側の壁部2aに形成された開口を介して外部に露出する構成で充電端子が配置されており、この充電端子寄りの位置に通信基板40が配置されている。このようにすると、充電端子側で外部通信を行う場合に有利な構成となる。例えば、携帯端末1の充電を行いうる置台(充電器)に通信手段(例えばIrDA通信部)を設けるようにすれば、充電と並行して外部通信(IrDA通信等)を行うといった使用が可能となり、ユーザの利便性を効果的に高めることができる。
【0071】
更に本実施形態では、充電端子が、外部に露出する露出部と、この露出部に連結されて横向き且つ直線状に延伸する延伸部とを備えており、延伸部が、通信基板40における露出部側の領域(後方側領域AR)の下方に配置され、且つ通信基板40の側方における当該通信基板40と上下に重ならない位置まで延伸している。このようにすると、露出部からのライン(延伸部)が、通信基板40に対して横に逃げる直線状の経路となり、例えば撓み易いワイヤなどを通信基板40と接触しやすい位置に湾曲させて這い回す構成と比較して、通信基板40が受けるノイズの影響を効果的に低減できる。また、延伸部が通信基板40と上下に重ならない位置まで延伸しているため、通信基板40を避けたスペースを利用して延伸部を他部品に接続することができる。
【0072】
また、本実施形態に係る携帯端末1は、図1のように、ケース2内において長手方向一方寄りに電池17が配置されており、図3のように、露出部が配置された壁部2a(一端側の壁部)と電池17との間に通信基板40が配置されている。このようにすると、長手方向一端側に電池17、充電端子、通信基板40を効率的に配置することができる。
【0073】
特に充電端子と電池17を近い場所に配置できるため、充電ラインを必要以上に確保する必要が無く、通信基板40が電池17と壁部2a(一端側の壁部)の間に配置されているため、ケース2の厚さや幅をそれほど大きくすることなく充電端子寄りに通信基板40を配置することができる。即ち、通信基板40を電池17と上下に重ねて配置したり、電池17の左右に通信基板40を配置せずに済む為、電池17付近においてケース2の厚さや幅を抑えることができ、持ち運び時や使用時に電池17部分を把持しやすくなる。一方、このように電池17と壁部2a(一端側の壁部)の間の狭いスペースに通信基板40を配置すると、通信基板40と充電端子との距離が近くなり、通信基板40に対する充電端子からのノイズの影響が懸念されるが、延伸部をケース2の短手方向に沿って直線状に配置して通信基板40から逃がしているため、通信基板40がノイズの影響を受けにくくなる。従って、「電池17付近のケース厚さや幅を低減し得る効率的な配置」及び「ノイズの影響の抑制」を共に実現できる優れた構成となる。
【0074】
また、充電端子が、少なくとも第1充電端子50と第2充電端子60とを有しており、第1充電端子50の第1延伸部53が、一端側の壁部2aから露出する部分(第1露出部51)に連結されて横向きに延伸し、第2充電端子60の第2延伸部63も、一端側の壁部2aから露出する部分(第2露出部61)に連結され、第1充電端子50と同じ側に延びる形態で横向きに延伸している。このようにすると、2つの充電ラインを同方向にまとめることができ、且つ通信基板40がいずれの充電ラインのノイズの影響も受け難くなる。
【0075】
また、通信基板40の側方に、インダクタ81を搭載したノイズ抑制基板80が設けられており、第1延伸部53及び第2延伸部63がいずれも、通信基板40と上下に重ならない位置においてノイズ抑制基板80に固定されている。このようにすると、通信基板40を適切な位置に配置しつつ、当該通信基板40を避けた側方スペースを利用してノイズ抑制基板80を配置することができる。これにより、充電端子に印加されたノイズが通信基板40に伝わりにくい構成を実現しつつ、通信基板40を避けた位置においてノイズ自体を低減する対策を講じることができ、ひいては、通信基板40や他の部品へのノイズの影響をより一層効果的に抑えることができる。
【0076】
また、第1延伸部53の長さと、第2延伸部63の長さとが異なるように構成されている。このようにすると、第1延伸部53及び第2延伸部63の各長さが、それぞれ独立して適切な長さに定められ、例えば、第1露出部51及び第2露出部61の間隔と、第1曲折部55及び第2曲折部65の間隔とを異ならせたい場合に都合の良い構成となる。
【0077】
更に、第1充電端子50及び第2充電端子60を保持する非導電性の保持部材70が設けられており、この保持部材70は、少なくとも第1延伸部53及び第2延伸部63を被覆しつつケース2内の所定位置に保持している。このように保持部材70によって第1延伸部53及び第2延伸部63を被覆することで、両延伸部から通信基板40へのノイズの伝達を効果的に抑えることができ、また、保持部材70が両延伸部の位置を保持しているため、撓み等によって両延伸部が通信基板40に接近してしまうといった事態を回避できる。
【0078】
また、光信号を送受信する光通信素子41が設けられ、この光通信素子41の上方又は下方を避けた位置に充電端子が固定されている。このようにすると、光通信を行う基板へのノイズの影響をより効果的に抑えることができ、特に光通信素子付近にノイズが伝達されにくくなるため、光通信素子41を良好に作動させることができる。
【0079】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
図9は、第2実施形態の携帯端末における通信基板付近を概略的に例示する斜視図である。図10(a)は、図9の携帯端末で用いられる端子ユニットを上方から見た図であり、図10(b)は、その端子ユニットを後方から見た図である。図11(a)は、図9の携帯端末で用いられる充電端子を上方から見た図であり、図11(b)は、その充電端子を後方から見た図である。
【0080】
本実施形態に係る携帯端末200は、端子ユニット、ノイズ抑制基板の構成、配置のみが第1実施形態と異なり、それ以外の部分は第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0081】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、電池17がケース2の内部において長手方向の一方寄り(後方寄り)に配置されており(即ち、図1のように電池17が配置されており)、図9のように、通信基板40が、長手方向において、電池17と壁部2a(一端側の壁部)の間の位置に配置されている。なお、図9で示す通信基板40は、前方側領域の基板形状のみが第1実施形態と異なるが、第1実施形態と同様の部品が実装され、第1実施形態と同様の機能を有している。また、後方側領域ARについては第1実施形態と同様に構成され、第1実施形態と同様の位置に光通信素子41(図10(a)参照、図9では図示略)が配置されている。
【0082】
次に、携帯端末200の充電端子等について説明する。
本実施形態の携帯端末200は、ケース2の後端側の壁部2aに形成された開口(図示略)を介して露出する形態で、2つの充電端子(第1充電端子250、第2充電端子260:図10等参照)が設けられている。これら第1充電端子250及び第2充電端子260は、ケース2の外部からの電力を電池17に供給する経路をなしており、図9、図10に示すように、長手状の保持部材270に保持され、ケース2内において壁部2aに形成された開口(図示略)に面する構成で配置されている。
【0083】
図10、図11に示すように、第1充電端子250は、金属板材によって構成(例えば板金加工などによって構成)されており、第1露出部251と第1延伸部253とが一体的に連結した構成をなしている。第1露出部251は、第1実施形態の第1露出部51と同様の構成をなしており、第1延伸部253から下方に延びた下方延出部251aと、この下方延出部251aから折り返されて上方に延びる上方延出部251bとを有しており、この上方延出部251bが壁部2aに形成された開口を介して外部に露出している。
【0084】
第1延伸部253は、第1露出部251における下方延出部251aに連結されており、ケース2の短手方向(幅方向)に沿って直線状且つ横向きに延伸している。また、第1延伸部253は、細長且つ板状に構成されており、その板面が前後方向と略直交する構成で配置されている。図9、図10に示すように、本実施形態では、両充電端子(第1充電端子250及び第2充電端子260)が保持部材270によって保持されてなる端子ユニット295が、通信基板40における後方側領域(露出部側の領域)の下方に配置されており、第1延伸部253も通信基板40の後方側領域(図9の一点鎖線AR参照)の下方に位置しており、通信基板40の側方の所定位置(通信基板40と上下に重ならない位置)まで延伸している。
【0085】
また、第1充電端子250には、第1延伸部253の端部から折れ曲がり、当該第1延伸部253から上方に延びる第1曲折部255が設けられている。この第1曲折部255は、第1延伸部253の延伸方向(即ち横方向)に対して直交方向に延びており、端部側が保持部材270から露出し、先端部付近が後述する第1のノイズ抑制基板280に接続されている。
【0086】
図10、図11に示すように、第2充電端子260も金属板材によって構成(例えば板金加工などによって構成)されており、第2露出部261と第2延伸部263とが一体的に連結した構成をなしている。第2露出部261は、第1実施形態の第2露出部261と同様の構成をなしており、第2延伸部263から下方に延びた下方延出部261aと、この下方延出部261aから折り返されて上方に延びる上方延出部261bとを有しており、この上方延出部261bが壁部2aに形成された開口を介して外部に露出している。
【0087】
第2延伸部263は第2露出部261における下方延出部261aに連結されており、第1延伸部253が延びる側とは反対側に延びる形態で、ケース2の短手方向(幅方向)に沿って直線状且つ横向きに延伸している。また、第2延伸部263は、細長且つ板状に構成されており、その板面が前後方向と略直交する構成で配置されている。また、図9、図10に示すように、第2延伸部263も通信基板40の後方側領域(図9の一点鎖線AR参照)の下方に位置しており、通信基板40の側方の所定位置(通信基板40と上下に重ならない位置)まで延伸している。
【0088】
また、第2充電端子260には、第2延伸部263の端部から折れ曲がり、当該第2延伸部263から上方に延びる第2曲折部265が設けられている。この第2曲折部265は、第2延伸部263の延伸方向(即ち横方向)に対して直交方向に延びており、端部側が保持部材270から露出し、先端部付近が後述する第2のノイズ抑制基板290に接続されている。
【0089】
また、本実施形態に係る携帯端末1は、ケース2の後端部側において通信基板40の一方の側方に、第1のノイズ抑制基板280が配置されており、通信基板40の他方の側方には、第2のノイズ抑制基板290が配置されている。
【0090】
第1のノイズ抑制基板280は、ケース2の長手方向(前後方向)において電池17と壁部2aの間の位置に配置されており、図9のように、その板面が上下方向と略直交する構成で配置され、ケース2の後端の角部2d側に寄せられた配置をなしている。また、第1のノイズ抑制基板280は、第1のノイズ抑制部品としてのインダクタ281が実装されており、更に、第1充電端子250も接続されている。具体的には、上述したように第1延伸部53が通信基板40と上下に重ならない位置まで延伸しており、この第1延伸部253が、当該位置(通信基板40と上下に重ならない位置)において第1曲折部255を介してノイズ抑制基板280に固定されている。ノイズ抑制基板280の基板面には、第1充電端子250の第1曲折部255に接続される導電パターン(第1導電パターン:図示略)が形成されており、この第1導電パターンは、第1曲折部255に接続される位置から、当該接続位置よりも幅方向一端側且つ前方側の所定位置P3までの導電路として構成されており、その所定位置P3には、ワイヤ等の導電部材(第1導電部材)が接続されている。なお、図9では、第1曲折部255と通信基板40の接続構成及び第1導電パターンについては図示を省略している。
【0091】
第2のノイズ抑制基板290も、ケース2の長手方向において電池17と壁部2aの間の位置に配置されており、図9のように、その板面が上下方向と略直交する構成で配置され、ケース2の後端の角部2c側に寄せられた配置をなしている。第2のノイズ抑制基板290は、第2のノイズ抑制部品としてのインダクタ291が実装されており、更に、第2充電端子260も接続されている。具体的には、上述したように第2延伸部263が通信基板40と上下に重ならない位置まで延伸しており、この第2延伸部263が、当該位置(通信基板40と上下に重ならない位置)において第2曲折部265を介してノイズ抑制基板290に固定されている。ノイズ抑制基板290の基板面には、第2充電端子260の第2曲折部265に接続される導電パターン(第2導電パターン:図示略)が形成されており、この第2導電パターンは、第2曲折部265に接続される位置から、当該接続位置よりも幅方向他端側且つ前方側の所定位置P4までの導電路として構成されており、その所定位置P4には、ワイヤ等の導電部材(第1導電部材)が接続されている。
【0092】
(本実施形態の主な効果)
本実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、例えば以下のような効果をも奏する。
本実施形態の携帯端末200は、第1充電端子250の第1延伸部251が、一端側の壁部2aから露出する部分(第1露出部251)に連結されて横向きに延伸しており、他方、第2充電端子260の第2延伸部263は、一端側の壁部2aから露出する部分(第2露出部261)に連結され、第1充電端子250が延伸する側とは反対側に延びる形態で横向きに延伸している。このようにすると、各充電ラインを逆方向に這い回したほうが都合の良い場合(例えば、同方向に這い回すスペースがあまり無い場合等)に有利となり、且つ通信基板40がいずれの充電ラインのノイズの影響も受け難くなる。
【0093】
また、通信基板40の一方の側方に、インダクタ281を搭載した第1のノイズ抑制基板280が設けられ、他方の側方には、インダクタ291を搭載した第2のノイズ抑制基板290が設けられている。このようにすると、通信基板40を適切な位置に配置しつつ、当該通信基板40を避けた両側方スペースを利用してノイズ抑制基板をそれぞれ配置することができる。これにより、充電端子に印加されたノイズが通信基板40に伝わりにくい構成を実現しつつ、通信基板40を避けた位置においてノイズ自体を低減する対策を講じることができ、ひいては、通信基板40や他の部品へのノイズの影響をより一層効果的に抑えることができる。
【0094】
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。
図12は、第3実施形態に係る携帯端末における通信基板付近を概略的に例示する斜視図である。図13は、図12の携帯端末で用いられる充電端子が保持部材に保持されている様子を示す斜視図である。図14(a)は、図12の携帯端末で用いられる端子ユニットを上方から見た図であり、図14(b)は、その端子ユニットを後方から見た図である。図15(a)は、図12の携帯端末で用いられる充電端子を上方から見た図であり、図15(b)は、その充電端子を後方から見た図である。図16は、図12の携帯端末で用いられる充電端子を斜め後方から見た斜視図である。
【0095】
本実施形態に係る携帯端末300は、端子ユニット、ノイズ抑制基板の構成、配置のみが第1実施形態と異なり、それ以外の部分は第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0096】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、電池17がケース2の内部において長手方向の一方寄り(後方寄り)に配置されており(即ち、図1のように電池17が配置されており)、図12のように、通信基板40が、長手方向において、電池17と壁部2a(一端側の壁部)の間の位置に配置されている。なお、図12で示す通信基板40は、上述した第2実施形態と前方側領域の基板形状は同じである。また、後方側領域ARは第1実施形態と同様に構成され、第1実施形態と同様の位置に光通信素子41(図14(a)参照、図12では図示略)が配置されている。
【0097】
次に、携帯端末300の充電端子等について説明する。
本実施形態の携帯端末300は、ケース2の後端側の壁部2aに形成された開口(図示略)を介して露出する形態で、2つの充電端子(第1充電端子350、第2充電端子360:図13、14等参照)が設けられている。これら第1充電端子350及び第2充電端子360は、ケース2の外部からの電力を電池17に供給する経路をなしており、図13、14に示すように、長手状の弾性変形可能な保持部材370に保持され、ケース2内において壁部2aに形成された開口(図示略)に面する構成で配置されている。
【0098】
図15、図16に示すように、第1充電端子350は、金属板材によって構成(例えば板金加工などによって構成)されており、第1露出部351と第1延伸部353aとが一体的に連結した構成をなしている。第1露出部351は、第1実施形態の第1露出部51と同様の構成をなしており、第1延伸部353aから下方に延びた下方延出部351aと、この下方延出部351aから折り返されて上方に延びる上方延出部351bとを有しており、この上方延出部351bが壁部2aに形成された開口を介して外部に露出している。
【0099】
第1延伸部353aは、第1露出部351における下方延出部351aに連結されており、ケース2の短手方向(幅方向)に沿って直線状且つ横向きに延伸している。また、第1延伸部353aは、細長且つ板状に構成されており、その板面が前後方向と略直交する構成で配置されている。図12、図13に示すように、本実施形態では、両充電端子(第1充電端子350及び第2充電端子360)が保持部材370によって保持されてなる端子ユニット395aが、通信基板40における後方側領域(露出部側の領域)の下方に配置されており、第1延伸部353aも通信基板40の後方側領域(図12の一点鎖線AR参照)の下方に位置しており、通信基板40の側方の所定位置(通信基板40と上下に重ならない位置)まで延伸している。
【0100】
そして、図14〜図16に示すように、第1延伸部353aには、第1コイル部320aが形成されている。第1コイル部320aは、角形の渦巻き形状を有しており、ケース2の長手方向と直交する直交平面に沿って巻き回された構成をなしている。更に、この第1コイル部320aには、インダクタンスを高める処理が施されている。具体的には、第1コイル部320aにフェライトなどの磁性材料が付加されている。本実施形態では、磁性材料は、第1コイル部320aの内部に含有されているが、第1コイル部320aの表面に積層してもよい。例えば、第1コイル部320aの表面に、粉末状の磁性材料を塗したり、焼結された磁性材料を貼着することで、磁性材料を第1コイル部320aに付加することができる。
【0101】
更に、第1コイル部320aを埋め込んだ構成で保持する保持部材370は、樹脂材料などの非導電性材料にフェライトなどの磁性材料が含有されて構成されている。このように、保持部材370にも磁性材料が付加されることで、インダクタンスをより高めることができる。なお、磁性材料は、第1コイル部320a若しくは、保持部材370のいずれか一方のみに付加されていてもよい。
【0102】
また、第1充電端子350には、第1露出部351と連結される側とは反対側の第1コイル部320aの終端から折れ曲がり、当該第1コイル部320aの終端から上方に延びる第1曲折部355が設けられている。この第1曲折部355は、第1延伸部353aの延伸方向(即ち横方向)に対して直交方向に延びており、端部側が保持部材370から露出し、先端部付近が後述する第1のノイズ抑制基板380に接続されている。
【0103】
図15、図16に示すように、第2充電端子360も金属板材によって構成(例えば板金加工などによって構成)されており、第2露出部361と第2延伸部363aとが一体的に連結した構成をなしている。第2露出部361は、第1実施形態の第2露出部361と同様の構成をなしており、第2延伸部363aから下方に延びた下方延出部361aと、この下方延出部361aから折り返されて上方に延びる上方延出部361bとを有しており、この上方延出部361bが壁部2aに形成された開口を介して外部に露出している。
【0104】
第2延伸部363aは第2露出部361における下方延出部361aに連結されており、第1延伸部353aが延びる側とは反対側に延びる形態で、ケース2の短手方向(幅方向)に沿って直線状且つ横向きに延伸している。また、第2延伸部363aは、細長且つ板状に構成されており、その板面が前後方向と略直交する構成で配置されている。また、図12、図13に示すように、第2延伸部363aも通信基板40の後方側領域(図12の一点鎖線AR参照)の下方に位置しており、通信基板40の側方の所定位置(通信基板40と上下に重ならない位置)まで延伸している。
【0105】
そして、図14〜図16に示すように、第2延伸部363aには、第2コイル部321aが形成されている。第2コイル部321aは、角形の渦巻き形状を有しており、ケース2の長手方向と直交する直交平面に沿って巻き回された構成をなしている。更に、上述した第1コイル部320aと同様に、第2コイル部321aの内部には、フェライトなどの磁性材料が付加されている。この第2コイル部321aは、上述した保持部材370により第1コイル部320aと一体的に保持されている。
【0106】
また、第2充電端子360には、第2露出部361と連結される側とは反対側の第2コイル部321aの終端から折れ曲がり、当該第2コイル部321aの終端から上方に延びる第2曲折部365が設けられている。この第2曲折部365は、第2延伸部363aの延伸方向(即ち横方向)に対して直交方向に延びており、端部側が保持部材370から露出し、先端部付近が後述する第2のノイズ抑制基板390に接続されている。
【0107】
また、本実施形態に係る携帯端末300は、ケース2の後端部側において通信基板40の一方の側方に、第1のノイズ抑制基板380が配置されており、通信基板40の他方の側方には、第2のノイズ抑制基板390が配置されている。
【0108】
第1のノイズ抑制基板380は、ケース2の長手方向(前後方向)において電池17と壁部2aの間の位置に配置されており、図12のように、その板面が上下方向と略直交する構成で配置され、ケース2の後端の角部2d側に寄せられた配置をなしている。また、第1のノイズ抑制基板380は、第1のノイズ抑制部品としてのインダクタ381が実装されており、更に、第1充電端子350も接続されている。具体的には、上述したように第1延伸部353aが通信基板40と上下に重ならない位置まで延伸しており、この第1延伸部353aが、当該位置(通信基板40と上下に重ならない位置)において第1曲折部355を介してノイズ抑制基板380に固定されている。すなわち、第1コイル部320aの第1露出部351に連結される側とは反対側が、第1のノイズ抑制基板380に接続されている。また、第1コイル部320a全体が、ケース2の長手方向において通信基板40よりも外側に配置されている。更に、第1コイル部320aは、一方の板面がケース2の長手方向の一方側(前方側)に面し、他方の板面がケース2の長手方向の他方側(後方側)に面する構成で配置されている。
ノイズ抑制基板380の基板面には、第1充電端子350の第1曲折部355に接続される導電パターン(第1導電パターン:図示略)が形成されており、この第1導電パターンは、第1曲折部355に接続される位置から、当該接続位置よりも幅方向一端側且つ前方側の所定位置P3までの導電路として構成されており、その所定位置P3には、ワイヤ等の導電部材(第1導電部材)が接続されている。なお、図12では、第1曲折部355と通信基板40の接続構成及び第1導電パターンについては図示を省略している。
【0109】
第2のノイズ抑制基板390も、ケース2の長手方向において電池17と壁部2aの間の位置に配置されており、図12のように、その板面が上下方向と略直交する構成で配置され、ケース2の後端の角部2c側に寄せられた配置をなしている。第2のノイズ抑制基板390は、第2のノイズ抑制部品としてのインダクタ391が実装されており、更に、第2充電端子360も接続されている。具体的には、上述したように第2延伸部363aが通信基板40と上下に重ならない位置まで延伸しており、この第2延伸部363aが、当該位置(通信基板40と上下に重ならない位置)において第2曲折部365を介してノイズ抑制基板390に固定されている。すなわち、第2コイル部321aの第2露出部361に連結される側とは反対側が、第2のノイズ抑制基板390に接続されている。また、第2コイル部321a全体が、ケース2の長手方向において通信基板40よりも外側に配置されている。更に、第2コイル部321aは、一方の板面がケース2の長手方向の一方側(前方側)に面し、他方の板面がケース2の長手方向の他方側(後方側)に面する構成で配置されている。
ノイズ抑制基板390の基板面には、第2充電端子360の第2曲折部365に接続される導電パターン(第2導電パターン:図示略)が形成されており、この第2導電パターンは、第2曲折部365に接続される位置から、当該接続位置よりも幅方向他端側且つ前方側の所定位置P4までの導電路として構成されており、その所定位置P4には、ワイヤ等の導電部材(第1導電部材)が接続されている。
【0110】
(本実施形態の主な効果)
本実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、例えば以下のような効果をも奏する。
ケース2の長手方向の一端側の壁部2aにおいて外部に露出する構成で第1充電端子350及び第2充電端子360が配置されており、この両充電端子350,360寄りの位置に通信基板40が配置されている。このようにすると、充電端子側で外部通信を行う場合に有利な構成となる。
更に、第1充電端子350及び第2充電端子360は、外部に露出する構成で配置される第1露出部351及び第2露出部361と、この両露出部351,361に連結されると共に、通信基板40よりもケース2の長手方向の一端側の壁部2a寄りの位置であって、通信基板40の周囲に配置される第1コイル部320a及び第2コイル部321aを有している。このようにすると、両充電端子350,360の一部をインダクタンス成分として機能させることができる。従って、充電端子に外部から突発的なノイズ(例えば静電気等に起因する電圧等)が印加されても、このインダクタンス成分によりノイズを効果的に低減することができ、充電端子付近に存在する通信基板にノイズの影響が及びにくくなる。
【0111】
更に本実施形態では、第1コイル部320a及び第2コイル部321aにおける第1露出部351及び第2露出部361に連結される側とは反対側が、通信基板40の側方に設けられたノイズ抑制基板380及びノイズ抑制基板390にそれぞれ接続されている。このようにすると、充電端子にノイズが印加された場合に、当該ノイズをコイル部とノイズ抑制基板とによって低減することができるため、より一層のノイズ抑制効果が得られ、通信基板や他の部品をより効果的に保護することができる。
【0112】
また、本実施形態では、通信基板40が設けられた側において第1コイル部320a及び第2コイル部321aの全体が通信基板40よりも外側に配置されている。このようにすると、通信基板の外側のコイル部でノイズを低減できるため、内側に配置された通信基板がノイズの影響をより受けにくくなる。
【0113】
また、第1充電端子350及び第2充電端子360が、ケース2の長手方向の一端側の壁部2aに配置された構成において、第1コイル部320a及び第2コイル部321aが、ケース2の長手方向と直交する直交平面に沿って巻き回された構成をなしている。このようにすると、ケース2の長手方向にコイル部を嵩張らせたくない場合に有利であり、このケース2の長手方向と直交する方向のスペースを利用してコイル部を効率的に配置することができる。
【0114】
また、第1充電端子350及び第2充電端子360が、ケース2の長手方向の一端側の壁部2aに配置された構成において、第1コイル部320a及び第2コイル部321aが、金属製の板材によって構成され、且つ一方の板面がケース2の長手方向の一方側(前方側)に面し、他方の板面がケース2の長手方向の他方側(後方側)に面する構成で配置されている。このようにすると、両コイル部320a,321aを構成する板材の板厚方向がケース2の長手方向(両コイル部320a,321aが一端側に寄せられる当該方向)に沿った構成となるため、当該長手方向にコイル部を嵩張らせたくない場合により一層有利となる。
【0115】
また、第1コイル部320a及び第2コイル部321aにおいて磁性材料が内部に含有若しくは表面に積層されている。このようにすると、コイル部のインダクタンスをより大きくすることができ、通信基板が受けるノイズの影響をより一層効果的に低減できる。
【0116】
また、本実施形態では、第1充電端子350及び第2充電端子360が、ケース2の長手方向の一端側の壁部2aに配置された構成において、ケース2の長手方向の一端側の壁部2寄りの位置に弾性変形可能な保持部材370が設けられ、少なくとも両コイル部320a,321aが保持部材370内に埋め込まれた構成で保持されている。このようにすると、コイル部を保持部材によってより安定的に保持することができ、外部からの衝撃等に強い構成となる。更に、保持部材が弾性変形可能に構成されているため、例えば、落下等によってケースの長手方向の一端部側に外部から衝撃が加えられたときに、保持部材が弾性変形することによってこの衝撃を効果的に吸収することができ、この一端部側に設けられた通信基板などに衝撃の影響が及びにくくなる。
【0117】
また、保持部材370は、磁性材料が含有された非導電性材料から構成されている。このようにすると、両コイル部320a,321aのインダクタンスをさらに大きくすることができ、通信基板が受けるノイズの影響をより一層効果的に低減できる。
【0118】
(第3実施形態の変形例)
次に、本発明の第3実施形態の変形例に係る携帯端末について説明する。
図17は、第3実施形態の変形例に係る携帯端末の充電端子が保持部材に保持されている様子を示す斜視図である。図18(a)は、第3実施形態の変形例に係る携帯端末の端子ユニットを上方から見た図であり、図18(b)は、その端子ユニットを後方から見た図である。図19(a)は、第3実施形態の変形例に係る携帯端末の充電端子を上方から見た図であり、図19(b)は、その充電端子を後方から見た図である。図20は、第3実施形態の変形例に係る携帯端末の充電端子を斜め後方から見た斜視図である。図21は、本発明の第3実施形態の変形例に係る携帯端末を概略的に例示する側面図である。
【0119】
本第3実施形態における変形例では、主に、端子ユニットが異なる以外は、上記第3実施形態と同様である。よって、第3実施形態と同様の構成については、第3実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0120】
本変形例でも、第3実施形態と同様に、電池17がケース2の内部において長手方向の一方寄り(後方寄り)に配置されており、通信基板40が、長手方向において、電池17と壁部2a(一端側の壁部)の間の位置に配置されている(図示略)。
【0121】
次に、携帯端末300の充電端子等について説明する。
本変形例の携帯端末300は、第3実施形態と同様に、ケース2の後端側の壁部2aに形成された開口(図示略)を介して露出する形態で、2つの充電端子(第1充電端子350、第2充電端子360:図17、18等参照)が設けられている。これら第1充電端子350及び第2充電端子360は、ケース2の外部からの電力を電池17に供給する経路をなしており、図17、18に示すように、長手状の弾性変形可能な保持部材370に保持され、ケース2内において壁部2aに形成された開口(図示略)に面する構成で配置されている。
【0122】
図19、図20に示すように、第1充電端子350は、金属板材によって構成(例えば板金加工などによって構成)されており、第1露出部351と第1延伸部353bとが一体的に連結した構成をなしている。第1露出部351は、第3実施形態と同様の構成をなしており、第1延伸部353bから下方に延びた下方延出部351aと、この下方延出部351aから折り返されて上方に延びる上方延出部351bとを有しており、この上方延出部351bが壁部2aに形成された開口を介して外部に露出している。
【0123】
第1延伸部353bは、第1露出部351における下方延出部351aに連結されており、ケース2の短手方向(幅方向)に沿って直線状且つ横向きに延伸している。また、第1延伸部353bは、細長且つ板状に構成されており、その板面が前後方向と略直交する構成で配置されている。本変形例では、第3実施形態と同様に、両充電端子(第1充電端子350及び第2充電端子360)が保持部材370によって保持されてなる端子ユニット395bが、通信基板40における後方側領域(露出部側の領域)の下方に配置されており、第1延伸部353aも通信基板40の後方側領域の下方に位置しており、通信基板40の側方の所定位置(通信基板40と上下に重ならない位置)まで延伸している。
【0124】
そして、図18〜図20に示すように、第1延伸部353bには、第1コイル部320bが形成されている。第1コイル部320bは、第1ベース部330aと第1屈曲部330bとからなり、渦巻き形状に巻き回された構成をなしている。第1ベース部330aは、ケース2の長手方向と直交する直交平面に沿って配置される。また、第1屈曲部330bは、第1露出部351と連結される側とは反対側の第1ベース部330aから折れ曲がって形成されている。この第1ベース部330aと第1屈曲部330bとは、図17、18に示すように、保持部材370により保持されている。そして、第1コイル部320bには、第3実施形態と同様に、フェライトなどの磁性材料が付加されている。更に、保持部材370は、樹脂材料などの非導電性材料にフェライトなどの磁性材料が含有されて構成されている。
【0125】
また、第1充電端子350には、第1露出部351と連結される側とは反対側の第1コイル部320aの終端から折れ曲がり、当該第1コイル部320aの終端から上方に延びる第1曲折部355が設けられている。この第1曲折部355は、第1延伸部353bの延伸方向(即ち横方向)に対して直交方向に延びており、端部側が保持部材370から露出し、先端部付近が第1のノイズ抑制基板380に接続されている(図示略)。
【0126】
図19、図20に示すように、第2充電端子360も金属板材によって構成(例えば板金加工などによって構成)されており、第2露出部361と第2延伸部363bとが一体的に連結した構成をなしている。第2露出部361は、第1実施形態の第2露出部361と同様の構成をなしており、第2延伸部363bから下方に延びた下方延出部361aと、この下方延出部361aから折り返されて上方に延びる上方延出部361bとを有しており、この上方延出部361bが壁部2aに形成された開口を介して外部に露出している。
【0127】
第2延伸部363bは第2露出部361における下方延出部361aに連結されており、第1延伸部353bが延びる側とは反対側に延びる形態で、ケース2の短手方向(幅方向)に沿って直線状且つ横向きに延伸している。また、第2延伸部363bは、細長且つ板状に構成されており、その板面が前後方向と略直交する構成で配置されている。また、第3実施形態と同様に、第2延伸部363bも通信基板40の後方側領域の下方に位置しており、通信基板40の側方の所定位置(通信基板40と上下に重ならない位置)まで延伸している。
【0128】
そして、図18〜図20に示すように、第2延伸部363bには、第2コイル部321bが形成されている。第2コイル部321bは、第2ベース部331aと第2屈曲部331bとからなり、渦巻き形状に巻き回された構成をなしている。第2ベース部331aは、ケース2の長手方向と直交する直交平面に沿って配置される。また、第2屈曲部331bは、第2露出部361と連結される側とは反対側の第2ベース部331aから折れ曲がって形成されている。この第2ベース部331aと第2屈曲部331bとは、図17、18に示すように、保持部材370により保持されている。そして、第2コイル部321bには、第3実施形態と同様に、フェライトなどの磁性材料が付加されている。更に、保持部材370は、樹脂材料などの非導電性材料にフェライトなどの磁性材料が含有されて構成されている。
【0129】
また、第2充電端子360には、第2露出部361と連結される側とは反対側の第2コイル部321bの終端から折れ曲がり、当該第2コイル部321bの終端から上方に延びる第2曲折部365が設けられている。この第2曲折部365は、第2延伸部363bの延伸方向(即ち横方向)に対して直交方向に延びており、端部側が保持部材370から露出し、先端部付近が第2のノイズ抑制基板390に接続されている(図示略)。
【0130】
そして、保持部材370は、ケース2の一部として構成されると共に、ケース2の長手方向と直交する幅方向に延び、図21に示すように、一部(幅方向両端部)がケース2の角部2c,2d(2cは図示略)として構成されている。更に、第1コイル部320b及び第2コイル部321bは、一部がケース2の角部2c,2dにおいて保持部材370にそれぞれ保持されている。具体的には、第1ベース部330a(すなわち幅方向一端部)から第1屈曲部330bが折れ曲がって形成されている箇所が、角部2cに対応する位置に配置されており、また、第2ベース部331a(すなわち幅方向他端部)から第2屈曲部331bが折れ曲がって形成されている箇所が、角部2dに対応する位置に配置されている。
【0131】
このようにすると、第1充電端子350及び第2充電端子360が、ケース2の長手方向の一端側の壁部2aに配置された構成において、保持部材370がケース2の長手方向と直交する幅方向に延びると共に、少なくとも一部がケース2の角部2c,2dに設けられており、第1コイル部320b及び第2コイル部321bは、少なくとも一部がケース2の角部2c,2dにおいて保持部材370に保持されている。このようにすると、携帯端末が落下したときに、衝撃がもっとも加わり易いケースの角部が保持部材及びコイル部により弾性的に保護されるため、携帯端末に対する衝撃(特に角部に対する衝撃)をより一層効果的に低減できる。また、保持部材を衝撃吸収部材として兼用できるため、別途衝撃吸収用の部品(例えば衝撃吸収カバー等)を設けなくても相応の衝撃吸収効果が得られ、部品点数の低減、装置全体の小型化にも寄与することとなる。
【0132】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0133】
上記実施形態では、通信基板としてIrDA通信を行う基板を例示したが、これ以外の通信方式で外部装置と通信を行う基板であってもよい。例えば、Bluetooth規格、ワイヤレスUSB規格等の他の通信方式で通信を行う基板として構成してもよい。
【0134】
上記実施形態では、充電端子がケース2の長手方向一端側の壁部2aから露出する例を示したがこの構成に限られない。例えば、充電端子の露出部(第1露出部及び第2露出部)を、ケース2の短手方向一端側の壁部から露出させるような構成であってもよい。この場合も通信基板を露出部寄りに配置し、延伸部(第1延伸部及び第2延伸部)については、通信基板における露出部側の領域の上方又は下方、若しくは通信基板の外縁部よりも外側の領域において、短手方向に対する横向き(即ち長手方向)に直線状に配置すればよい。そして、通信基板の側方における当該通信基板と上下に重ならない位置まで延伸させればよい。
【0135】
上記実施形態では、ノイズ抑制部品としてインダクタを用いているが、充電端子に印加された高圧ノイズを除去しうるものであれば他の電気部品を用いてもよい。
【0136】
上記実施形態では、端子ユニットを通信基板の後方側領域下方に配置し、第1延伸部及び第2延伸部を当該後方側領域下方に這い回した構成を例示したが、端子ユニットを通信基板の後方側領域上方或いは通信基板よりも後方位置に配置し、第1延伸部及び第2延伸部を当該後方側領域上方或いは通信基板よりも後方位置に這い回すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0137】
1,200,300…携帯端末
2…ケース
2a…壁部(一端側の壁部)
17…電池
40…通信基板
41…光通信素子(送受信部)
50,250,350…第1充電端子(充電端子)
51,251,351…第1露出部(露出部)
53,253,353a,353b…第1延伸部(延伸部)
60,260,360…第2充電端子(充電端子)
61,261,361…第2露出部(露出部)
63,263,363a,363b…第2延伸部(延伸部)
70,270,370…保持部材
80…ノイズ抑制基板
81…インダクタ(ノイズ抑制部品)
280,380…第1のノイズ抑制基板
281…インダクタ(第1のノイズ抑制部品)
290,390…第2のノイズ抑制基板
291…インダクタ(第2のノイズ抑制部品)
320a,320b…第1コイル部(コイル部)
321a,321b…第2コイル部(コイル部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能な電池と、
前記電池を収容するケースと、
前記ケースの外部からの電力を前記電池に供給する経路をなす充電端子と、
外部装置との間で信号を送受信する送受信部を備え、前記ケース内における前記充電端子寄りの位置に配置される通信基板と、
を備えた携帯端末であって、
前記充電端子は、
前記ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部において、外部に露出する構成で配置される露出部と、
前記露出部に連結されると共に、前記いずれかの方向に対して横向きに、且つ直線状に延伸する延伸部と、
を備え、
前記延伸部は、前記通信基板における前記露出部側の領域の上方又は下方、若しくは前記通信基板の外縁部よりも外側の領域に配置され、且つ前記通信基板の側方における当該通信基板と上下に重ならない位置まで延伸していることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記露出部は、前記ケースの長手方向一端側に配置された前記一端側の壁部において外部に露出しており、
前記電池は、前記ケース内において前記長手方向の一方寄りに配置されており、
前記通信基板は、前記長手方向において、前記電池と前記一端側の壁部との間に配置されており、
前記延伸部は、前記ケースの短手方向に沿って延伸していることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記充電端子は、少なくとも第1充電端子と第2充電端子とを有し、
前記第1充電端子は、第1露出部と、第1延伸部とを備え、
前記第2充電端子は、第2露出部と、第2延伸部とを備えており、
前記第1充電端子の前記第1延伸部は、前記一端側の壁部から露出する前記第1露出部に連結されて前記横向きに延伸し
前記第2充電端子の前記第2延伸部は、前記一端側の壁部から露出する前記第2露出部に連結され、前記第1充電端子と同じ側に延びる形態で前記横向きに延伸していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記通信基板の側方に、ノイズ抑制部品を搭載したノイズ抑制基板が設けられており、
前記第1延伸部及び前記第2延伸部がいずれも、前記通信基板と上下に重ならない位置において前記ノイズ抑制基板に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第2延伸部が、前記第1延伸部とは長さが異なるように構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記充電端子は、少なくとも第1充電端子と第2充電端子とを有し、
前記第1充電端子は、第1露出部と、第1延伸部とを備え、
前記第2充電端子は、第2露出部と、第2延伸部とを備えており、
前記第1充電端子の前記第1延伸部は、前記一端側の壁部から露出する前記第1露出部に連結されて前記横向きに延伸し、
前記第2充電端子の前記第2延伸部は、前記一端側の壁部から露出する前記第2露出部に連結され、前記第1充電端子が延伸する側とは反対側に延びる形態で前記横向きに延伸していることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記通信基板の一方の側方に、第1のノイズ抑制部品を搭載した第1のノイズ抑制基板が設けられ、他方の側方には、第2のノイズ抑制部品を搭載した第2のノイズ抑制基板が設けられており、
前記第1延伸部が、前記通信基板と上下に重ならない位置において前記第1のノイズ抑制基板に固定され、
前記第2延伸部が、前記通信基板と上下に重ならない位置において、前記第2のノイズ抑制基板に固定されていることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記第1充電端子及び前記第2充電端子を保持する非導電性の保持部材を有し、
前記保持部材は、少なくとも前記第1延伸部及び前記第2延伸部を被覆しつつ前記ケース内の所定位置に保持することを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記送受信部は、光信号を送受信する光通信素子からなり、
前記延伸部は、少なくとも光通信素子の上方又は下方を避けた位置に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項10】
充電可能な電池と、
前記電池を収容するケースと、
前記ケースの外部からの電力を前記電池に供給する経路をなす充電端子と、
外部装置との間で信号を送受信する送受信部を備え、前記ケース内における前記充電端子寄りの位置に配置される通信基板と、
を備えた携帯端末であって、
前記充電端子が、
前記ケースの長手方向又は短手方向の内、いずれかの方向の一端側の壁部において、外部に露出する構成で配置される露出部と、
前記露出部に連結されると共に、前記通信基板よりも前記一端側の壁部寄りの位置、若しくは前記通信基板の周囲の少なくともいずれかに配置されるコイル部と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項11】
前記コイル部は、前記露出部に連結される側とは反対側が前記通信基板又は前記通信基板の側方に設けられたノイズ抑制基板に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項12】
前記コイル部全体が、前記いずれかの方向において前記通信基板よりも外側に配置されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の携帯端末。
【請求項13】
前記コイル部は、前記いずれかの方向と直交する直交平面に沿って巻き回された構成をなすことを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項14】
前記コイル部は、金属製の板材によって構成され、且つ一方の板面が前記いずれかの方向の一方側に面し、他方の板面が前記いずれかの方向の他方側に面する構成で配置されていることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項15】
前記コイル部は、磁性材料が内部に含有若しくは表面に積層されていることを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項16】
前記ケース内における前記一端側の壁部寄りの位置に弾性変形可能な保持部材が設けられており、
少なくとも前記コイル部が前記保持部材内に埋め込まれた構成で保持されていることを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項17】
前記保持部材は、非導電性材料に磁性材料が含有されてなることを特徴とする請求項16に記載の携帯端末。
【請求項18】
前記保持部材は、前記いずれかの方向と直交する幅方向に延びると共に、少なくとも一部が前記ケースの角部に設けられており、
前記コイル部は、少なくとも一部が前記ケースの角部において前記保持部材に保持されていることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−262624(P2010−262624A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18636(P2010−18636)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】