説明

携帯端末

【課題】携帯端末の省電力動作を使用者に意識させずに、省電力を達成することを目的とする。
【解決手段】携帯端末の電源から、前記携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力抑制部と、前記携帯端末の表面に設けられ、前記携帯端末への接触を検出する接触検出部と、前記省電力抑制部が動作を開始すると、前記接触検出部の動作を開始させ、前記接触検出部が動作を終了すると、前記省電力抑制部の動作を終了させる制御部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、携帯端末の制御方法及び携帯端末の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末は高機能化する傾向にあり、消費電力も増加する傾向にある。このため、携帯端末の無操作時には、電力の供給を最小限に抑制する省電力動作が実行される。そして、省電力動作から通常動作への移行については、携帯端末の接触検出部を備えることで、携帯端末に触れるだけで移行可能とした。この技術の一例が、特許文献1又は2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−106598号公報
【特許文献2】特開2001−119476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に示した発明では、携帯端末の受話部に接触検出部を設け、通話に伴って動作を開始した接触検出部が、接触を検出すると表示部の照明を落とし、通話していない場合は表示部の照明を保持する。この発明では通話中の省電力を達成しているが、通話中の表示部は消灯するため、電源が切断されたと使用者に誤解を与えてしまう。また、通話していない場合、例えば着信待ち状態の場合は省電力を達成できないという問題点があった。
【0005】
上述した特許文献2に示した発明では、一定時間内に接触検出部で接触を検出できない場合には、省電力動作へ移行し、省電力動作中に接触検出部で接触を検出した場合には通常動作へ移行する。この発明では、省電力動作中及び通常動作中において、接触検出部は常時稼動し続けており、電力を浪費している。また、携帯端末の省電力動作中は、表示部は消灯するため、電源が切断されたと使用者に誤解を与えてしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、省電力動作を使用者に意識させずに、省電力を達成する携帯端末、携帯端末の制御方法、携帯端末の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の携帯端末は、携帯端末の電源から、前記携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力抑制部と、前記携帯端末の表面に設けられ、前記携帯端末への接触を検出する接触検出部と、前記省電力抑制部が動作を開始すると、前記接触検出部の動作を開始させ、前記接触検出部が動作を終了すると、前記省電力抑制部の動作を終了させる制御部とを備える。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の携帯端末の制御方法は、携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力動作の開始の有無を判定する省電力判定手順と、前記省電力動作が開始された場合、前記携帯端末への接触の有無を検出する接触検出部を動作させる検出部動作手順と、前記携帯端末への接触の有無を判定し、前記接触があった場合は、前記接触検出部を終了させ、前記接触がなかった場合は、前記接触の有無の判定へ戻る接触判定手順と、前記省電力動作を終了する省電力終了手順とを順に有する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の携帯端末の制御プログラムは、携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力動作の開始の有無を判定する省電力判定ステップと、前記省電力動作が開始された場合、前記携帯端末への接触の有無を検出する接触検出部を動作させる検出部動作ステップと、前記携帯端末への接触の有無を判定し、前記接触があった場合は、前記接触検出部を終了させ、前記接触がなかった場合は、前記接触の有無の判定へ戻る接触判定ステップと、前記省電力動作を終了する省電力終了ステップとを順に携帯端末に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、省電力動作を使用者に意識させずに、省電力を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の携帯端末を説明するブロック図である。
【図2】本発明の携帯端末の実施形態を説明するブロック図である。
【図3】本発明の携帯端末の制御方法を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の携帯端末の制御方法の実施形態を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の携帯端末の制御プログラムを説明するフローチャートである。
【図6】本発明の携帯端末の制御プログラムの実施形態を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施形態であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0013】
図1を参照して、本発明の携帯端末の構成を説明する。図1は、本発明の携帯端末の最小構成を説明するブロック図である。具体的には、携帯端末の電源から、携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力抑制部10−1と、携帯端末の表面に設けられ、携帯端末への接触を検出する接触検出部11−1と、省電力抑制部10−1が動作を開始すると、接触検出部11−1の動作を開始させ、接触検出部11−1が動作を終了すると、省電力抑制部10−1の動作を終了させる制御部12−1とを備える。
【0014】
省電力抑制部10−1は、携帯端末の無操作時に、携帯端末の電源から携帯端末へ供給される電力を抑制することで消費電力を抑える。省電力の動作の具体例は、携帯端末の無使用時に表示部を消灯する動作である。接触検出部11−1は、携帯端末の表面に設けられ、携帯端末の使用者が携帯端末に接触したことを検出する。検出できれば、使用者の体の一部でなくともよい。具体例は、タッチセンサである。制御部12−1は、省電力抑制部10−1及び接触検出部11−1を制御する。制御部12−1は、省電力抑制部10−1が動作を開始すると、接触検出部11−1に動作の開始を指示する。同様に、接触検出部11−1が携帯端末への接触を検出すると、省電力抑制部10−1に動作の終了を指示する。つまり、接触検出部11−1は、省電力抑制部10−1が動作している場合のみ動作する。制御部12−1の具体例は、コンピュータである。
【0015】
以上のように構成することで、使用者が携帯端末の表面の接触検出部に触れるだけで省電力動作を通常動作へ移行できるため、省電力動作を使用者に意識させずに、省電力を達成できる。また、省電力抑制部の動作が開始された時のみ接触検出部11−1の動作が開始され、接触検出部11−1の動作が終了すると省電力動作が終了するため、効率的な省電力を達成することができる。
【0016】
次に、図2を参照して、本発明の携帯端末の構成の実施形態を説明する。図2は、本発明の携帯端末の構成を説明するブロック図である。なお、図1で説明した要素の説明は省略する。ここで、本発明の携帯端末は、さらに、省電力抑制部10−2が動作を開始すると、動作を終了する表示部13−1を備え、省電力抑制部10−2が動作を終了すると、表示部13−1は、動作を再開し、かつ省電力抑制部10−2の動作の終了を使用者に通知してもよい。表示部13−1は、携帯端末の使用者が携帯端末を操作した結果、又は携帯端末の使用者が操作を行う上で必要となる情報を表示する。具体例は、液晶パネルである。以上のように構成することで、省電力抑制部10−2の動作の終了が通知されるため、携帯端末の使用者が、省電力抑制部10−2の動作を電源の切断と誤解することはなくなり、使用者は省電力動作を意識せずに携帯端末を使用できる。また、省電力抑制部10−2の動作の終了の通知は、表示部13−1の点滅、携帯端末から発せられる音、又は携帯端末の振動であってもよい。別途、使用者が携帯端末を操作して省電力動作の開始及び終了を確認する手間を省くことができ、使用者は省電力動作を意識せずに携帯端末を使用できる。
【0017】
次に、図3を参照して、本発明の携帯端末の動作を説明する。図3は、本発明の携帯端末の制御方法を説明するフローチャートである。具体的には、まず、省電力判定手順P10−1において、携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力動作の開始の有無を判定する。省電力動作が実行されていない場合は、省電力動作が開始されるまで判定を繰り返す。省電力動作が実行されていた場合、検出部動作手順P11−1において、携帯端末への接触の有無を検出する接触検出部の動作を開始させる。そして、接触判定手順P12−1において、携帯端末への接触の有無を判定し、接触があった場合は、接触検出部を終了させ、接触がなかった場合は、接触の有無の判定へ戻る。さらに、省電力終了手順P13−1において、省電力動作を終了する。つまり、接触検出部は省電力動作中のみ動作する。
【0018】
以上のように構成することで、使用者が携帯端末の表面の接触検出部に触れるだけで省電力動作を通常動作へ移行できるため、省電力動作を使用者に意識させずに、省電力を達成できる。また、省電力抑制部の動作が開始された時のみ接触検出部の動作が開始され、接触検出部の動作が終了すると省電力動作が終了するため、効率的な省電力を達成することができる。
【0019】
次に、図4を参照して、本発明の携帯端末の動作の実施形態を説明する。図4は、本発明の携帯端末の制御方法の実施形態を説明するフローチャートである。なお、図3で説明した手順については説明を省略する。ここで、さらに、省電力終了手順P13−2の後の終了通知手順P14において、省電力動作の終了を通知してもよい。以上のように手順を順に実行することで、省電力抑制部の動作の終了が通知されるため、携帯端末の使用者が、省電力抑制部の動作を電源の切断と誤解することはなくなり、使用者は省電力動作を意識せずに携帯端末を使用できる。また、省電力動作の終了の通知は、省電力動作が終了すると動作を再開する表示部の点滅、携帯端末から発せられる音、又は携帯端末の振動であってもよい。別途、使用者が携帯端末を操作して省電力動作の開始及び終了を確認する手間を省くことができ、使用者は省電力動作を意識せずに携帯端末を使用できる。
【0020】
次に、図5を参照して、本発明の携帯端末の制御プログラムを説明する。図5は、本発明の携帯端末の制御プログラムを説明するフローチャートである。具体的には、まず、省電力判定ステップS10−1において、携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力動作の開始の有無を判定する。省電力動作が実行されていない場合は、省電力動作が開始されるまで判定を繰り返す。省電力動作が実行されていた場合は、検出部動作ステップS11−1において、携帯端末への接触の有無を検出する接触検出部を動作させる。そして、接触判定ステップS12−1において、携帯端末への接触の有無を判定し、接触があった場合は、接触検出部を終了させ、接触がなかった場合は、接触の有無の判定へ戻る。さらに、省電力終了ステップS13−1において、省電力動作を終了する。つまり、接触検出部は省電力動作中のみ動作する。
【0021】
以上のようにステップを順に実行することで、使用者が携帯端末の表面の接触検出部に触れるだけで省電力動作を通常動作へ移行できるため、省電力動作を使用者に意識させずに、省電力を達成できる。また、省電力抑制部の動作が開始された時のみ接触検出部の動作が開始され、接触検出部の動作が終了すると省電力動作が終了するため、効率的な省電力を達成することができる。
【0022】
次に、図6を参照して、本発明の携帯端末の制御プログラムの実施形態を説明する。図6は、本発明の携帯端末の制御プログラムの実施形態を説明するフローチャートである。なお、図5で説明したステップについては説明を省略する。ここで、さらに、省電力終了ステップS13−2の後の終了通知ステップS14において、省電力動作の終了を通知してもよい。以上のようにステップを順に実行することで、省電力抑制部の動作の終了が通知されるため、携帯端末の使用者が、省電力抑制部の動作を電源の切断と誤解することはなくなり、使用者は省電力動作を意識せずに携帯端末を使用できる。また、省電力動作の終了の通知は、省電力動作が終了すると動作を再開する表示部の点滅、携帯端末から発せられる音、又は携帯端末の振動であってもよい。別途、使用者が携帯端末を操作して省電力動作の開始及び終了を確認する手間を省くことができ、使用者は省電力動作を意識せずに携帯端末を使用できる。
【符号の説明】
【0023】
10−1,10−2:省電力抑制部
11−1,11−2:接触検出部
12−1,12−2:制御部
13−1:表示部
P10−1,P10−2:省電力判定手順
P11−1,P11−2:検出部動作手順
P12−1,P12−2:接触判定手順
P13−1,P13−2:省電力終了手順
P14:終了通知手順
S10−1,S10−2:省電力判定ステップ
S11−1,S11−2:検出部動作ステップ
S12−1,S12−2:接触判定ステップ
S13−1,S13−2:省電力終了ステップ
S14:終了通知ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の電源から、前記携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力抑制部と、
前記携帯端末の表面に設けられ、前記携帯端末への接触を検出する接触検出部と、
前記省電力抑制部が動作を開始すると、前記接触検出部の動作を開始させ、前記接触検出部が動作を終了すると、前記省電力抑制部の動作を終了させる制御部とを備えた携帯端末。
【請求項2】
さらに、前記省電力抑制部が動作を開始すると、動作を終了する表示部を備え、
前記省電力抑制部が動作を終了すると、前記表示部は、動作を再開し、かつ前記省電力抑制部の動作の終了を使用者に通知することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記省電力抑制部の動作の終了の通知は、前記表示部の点滅であることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記省電力抑制部の動作の終了の通知は、前記携帯端末から発せられる音であることを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記省電力抑制部の動作の終了の通知は、前記携帯端末の振動であることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項6】
携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力動作の開始の有無を判定する省電力判定手順と、
前記省電力動作が開始された場合、前記携帯端末への接触の有無を検出する接触検出部を動作させる検出部動作手順と、
前記携帯端末への接触の有無を判定し、前記接触があった場合は、前記接触検出部を終了させ、前記接触がなかった場合は、前記接触の有無の判定へ戻る接触判定手順と、
前記省電力動作を終了する省電力終了手順と、
を順に有する携帯端末の制御方法。
【請求項7】
さらに、前記省電力動作の終了を通知する終了通知手順を、前記省電力終了手順の後に有することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末の制御方法。
【請求項8】
前記終了通知手順における前記省電力動作の終了の通知は、前記省電力動作が終了すると動作を再開する表示部の点滅であることを特徴とする請求項7に記載の携帯端末の制御方法。
【請求項9】
前記終了通知手順における前記省電力動作の終了の通知は、前記携帯端末から発せられる音であることを特徴とする請求項7又は8に記載の携帯端末の制御方法。
【請求項10】
前記終了通知手順における前記省電力動作の終了の通知は、前記携帯端末の振動であることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の携帯端末の制御方法。
【請求項11】
携帯端末へ供給される電力を抑制する省電力動作の開始の有無を判定する省電力判定ステップと、
前記省電力動作が開始された場合、前記携帯端末への接触の有無を検出する接触検出部を動作させる検出部動作ステップと、
前記携帯端末への接触の有無を判定し、前記接触があった場合は、前記接触検出部を終了させ、前記接触がなかった場合は、前記接触の有無の判定へ戻る接触判定ステップと、
前記省電力動作を終了する省電力終了ステップと、
を順に携帯端末に実行させる携帯端末の制御プログラム。
【請求項12】
さらに、前記省電力動作の終了を通知する終了通知ステップを、前記省電力終了ステップの後に有することを特徴とする請求項11に記載の携帯端末の制御プログラム。
【請求項13】
前記終了通知ステップにおける前記省電力動作の終了の通知は、前記省電力動作が終了すると動作を再開する表示部の点滅であることを特徴とする請求項12に記載の携帯端末の制御プログラム。
【請求項14】
前記終了通知ステップにおける前記省電力動作の終了の通知は、前記携帯端末から発せられる音であることを特徴とする請求項12又は13に記載の携帯端末の制御プログラム。
【請求項15】
前記終了通知ステップにおける前記省電力動作の終了の通知は、前記携帯端末の振動であることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の携帯端末の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−109246(P2011−109246A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260066(P2009−260066)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】