説明

携帯端末

【課題】1つの情報コードを読み取る場合でもその読み取り状況に応じた情報を選択して出力し得る携帯端末を提供する。
【解決手段】第1〜第3情報とこれら各情報のいずれか1つを時間情報に応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれる情報コードを読取対象とする。そして、デコードが実施された実施日時Tとこの実施によりデコードされた情報コードに含まれる命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれる第1〜第3情報のいずれか1つが選択されて出力され、その情報が表示部24に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像された情報コードをデコードして読み取る携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像された情報コードをデコードして読み取る携帯端末に関する技術として、下記特許文献1に示すカメラ付きの携帯端末が知られている。この携帯端末は、二次元コード取得装置として撮像機能を有するもので、カラーのデータマークが正方格子状に配列された二次元コードを読取対象とするように構成されている。この二次元コードの復元時の動作、例えば、静止画の表示等は、サーバのデータベースに予め記録されており、携帯端末が上記二次元コードを読み取ると、この二次元コードに対応する動作がサーバのプログラムを介して実行されるようになっている。
【0003】
また、下記特許文献2に示す車載制御装置では、携帯電話機等の表示器に表示された二次元コードを車両に搭載された車載カメラで読み取り、車両アプリ実行ECUにおいて二次元コードの内容にしたがって車両内のアクチュエータの制御、例えばドアロック制御を行なうように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−223498号公報
【特許文献2】特開2006−151266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1,2のような構成では、情報コードを読み取ると、当該情報コードに応じた一定の情報のみが出力等されるため、読み取った時間や読取者等に応じた出力情報の切り替えを円滑に実施することが困難である。そのため、一旦情報コードが印刷等で表示されると、この情報コードから読み取られる情報を切り替えることができないので、その場合には、当該情報コードに代えて切り替え後の情報を含む情報コードを新たに印刷等で表示しなければならないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、1つの情報コードを読み取る場合でもその読み取り状況に応じた情報を選択して出力し得る携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の携帯端末では、情報コードを撮像可能な撮像手段と、この撮像手段により撮像された前記情報コードをデコードするデコード手段と、を備える携帯端末であって、前記情報コードには、複数の読取情報とこれら各読取情報のいずれか1つを時間情報に応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれ、前記デコード手段によるデコードが実施された実施日時とこの実施によりデコードされた情報コードに含まれる前記命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれる前記各読取情報のいずれか1つを選択して出力する出力手段を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯端末において、前記時間情報は、予め設定された設定日時から前記実施日時までの経過時間であることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載の携帯端末において、前記情報コードを最初にデコードした日時を基準日時として当該情報コード毎に対応させてそれぞれ記憶する記憶手段を備え、前記時間情報は、前記デコード手段によりデコードされた前記情報コードに対応する前記基準日時が前記記憶手段に記憶されているとき、この基準日時から当該デコードが実施された実施日時までの経過時間であることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記選択基準は、当該携帯端末に対して予め設定された設定レベルと前記時間情報とに基づいて前記各読取情報のいずれか1つが選択されるように設定されることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の携帯端末において、前記設定レベルは、当該携帯端末がその設定レベルに対応するキー情報を有しているか否かに応じて設定されることを特徴とする。
【0012】
特許請求の範囲に記載の請求項6の携帯端末では、情報コードを撮像可能な撮像手段と、この撮像手段により撮像された前記情報コードをデコードするデコード手段と、を備える携帯端末であって、前記情報コードには、複数の読取情報とこれら各読取情報のいずれか1つを当該携帯端末に対して予め設定された設定レベルに応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれ、当該携帯端末の前記設定レベルと前記デコード手段によりデコードされた情報コードに含まれる前記命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれる前記各読取情報のいずれか1つを選択して出力する出力手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6に記載の携帯端末において、前記設定レベルは、当該携帯端末がその設定レベルに対応するキー情報を有しているか否かに応じて設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、複数の読取情報とこれら各読取情報のいずれか1つを時間情報に応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれる情報コードが読取対象である。そして、デコード手段によるデコードが実施された実施日時とこの実施によりデコードされた情報コードに含まれる命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれる各読取情報のいずれか1つが出力手段により選択されて出力される。
【0015】
これにより、デコードが実施された実施日時に応じて各読取情報のいずれか1つが選択されるので、1つの情報コードを読み取る場合でも、その読み取り状況に応じた情報を選択して出力することができる。
【0016】
請求項2の発明では、時間情報は、予め設定された設定日時から実施日時までの経過時間であるため、例えば、食品等に貼り付けされる情報コードの価格に関する情報を、製造日時から所定時間経過する毎にその価格が低下するように切り替えて出力することができる。
【0017】
請求項3の発明では、時間情報は、デコード手段によりデコードされた情報コードに対応する基準日時が記憶手段に記憶されているとき、この基準日時から当該デコードが実施された実施日時までの経過時間として設定される。このため、上記経過時間の開始日時の基準となる基準日時が読み取りに応じて変わる場合であっても、当該経過時間に応じた情報を選択して出力することができる。
【0018】
請求項4の発明では、選択基準は、当該携帯端末に対して予め設定された設定レベルと時間情報とに基づいて各読取情報のいずれか1つが選択されるように設定される。これにより、1つの情報コードを読み取る場合でも、当該携帯端末の優位性等に応じた設定レベルと時間情報との双方を考慮して、その読み取り状況に応じた情報を選択して出力することができる。
【0019】
請求項5の発明では、設定レベルは、当該携帯端末がその設定レベルに対応するキー情報を有しているか否かに応じて設定されるため、設定レベルに関する設定を容易に実施することができる。
【0020】
請求項6の発明では、情報コードには、複数の読取情報とこれら各読取情報のいずれか1つを当該携帯端末に対して予め設定された設定レベルに応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれている。そして、当該携帯端末の設定レベルとデコードされた情報コードに含まれる命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれる各読取情報のいずれか1つが出力手段により選択されて出力される。
【0021】
これにより、予め設定された設定レベルに応じて各読取情報のいずれか1つが選択されるので、1つの情報コードを読み取る場合でも、その読み取り状況に応じた情報を選択して出力することができる。
【0022】
請求項7の発明では、設定レベルは、当該携帯端末がその設定レベルに対応するキー情報を有しているか否かに応じて設定されるため、設定レベルに関する設定を容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る携帯電話の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態での経過時間と出力情報の関係を示す説明図である。
【図3】第1実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図4】第1実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図5】第2実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図6】第3実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【図7】第4実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯端末をデジタルカメラの機能が付加された携帯電話に適用した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る携帯電話10の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、携帯電話10は、携帯電話としての通常の通信処理に加えて、カメラ機能を有する撮像部22からの画素信号に基づいて撮像された画像データを処理する制御部21を備えている。これにより、当該携帯電話10は、上記画像データに含まれる一次元コードや二次元コード等の情報コード(図1では商品Rに付された情報コードCを例示)を読み取る装置として構成される。なお、撮像部22は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」の一例に相当する。
【0025】
また、携帯電話10は、複数のキー等により構成される操作部23と、液晶等により構成される表示部24とを備えている。制御部21は、操作部23からの入力操作に応じて後述する読取処理を実施することで撮像部22および表示部24を制御する。そして、撮像部22により撮像された画像データや制御部21により処理された情報データおよび読取処理を実施するためのプログラムなどは、メモリ25に記憶されるように構成されている。
【0026】
次に、上述のように構成される携帯電話10において制御部21により実施される情報コードを光学的に読み取る読取処理について図を用いて説明する。特に、本第1実施形態では、通常のバーコードや二次元コードに加えて、複数の読取情報とこれら各読取情報のいずれか1つを時間情報に応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれる情報コード(以下、特定コードともいう)を読取対象とする。なお、当該読取処理を実施するためのプログラムは、当該特定コードを管理する管理会社のサーバ等にアクセスして取得されることで予めメモリ25に記憶されているものとする。
【0027】
上記選択基準では、図2に例示するように、予め設定された設定日時T0に対して第1の時間だけ経過した日時が第1日時T1、上記設定日時T0に対して第2の時間だけ経過した日時が第2日時T2、設定日時T0に対して第3の時間だけ経過した日時が第3日時T3と設定される。そして、上記選択基準は、デコードが実施された日時(以下、実施日時Tともいう)が設定日時T0から第1日時T1が経過するまでは第1情報が出力され、第1日時T1の経過から第2日時T2が経過するまでは第2情報が出力され、第2日時T2の経過から第3日時T3が経過するまでは第3情報が出力されるように設定されている。
【0028】
具体的には、本第1実施形態の特定コードは、例えば、広告に表示されて携帯電話10に光学的に読み取られることで当該広告における掲載商品の割引クーポンが実施日時に応じて表示部24に表示されるように構成されている。本第1実施形態では、例えば、実施日時が第1日時T1として10月1日を経過するまでは、第1情報として5%引きクーポンの情報が出力されて表示される。また、実施日時が第1日時T1を経過すると第2日時T2として11月1日を経過するまでは、第2情報として10%引きクーポンの情報が出力されて表示される。そして、実施日時が第2日時T2を経過すると第3日時T3として12月1日を経過するまでは、第3情報として20%引きクーポンの情報が出力されて表示される。なお、第1〜第3情報は、特許請求の範囲に記載の「複数の読取情報」の一例に相当し得る。
【0029】
以下、上記読取処理について、図3および図4に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。まず、使用者が撮像部22を情報コードCに向けて当該情報コードCを撮像すると、図3のステップS101においてYesと判定される。次に、ステップS103にてラベリング処理がなされ、取得した画像データによって構成される画像内において情報コードが存在するコード領域(コードらしさ)が検出される。続いて、ステップS105にてマッピング処理がなされ、検出されたコード領域が所定のマトリクス状の諧調デジタル照度レベル値に変換される。そして、ステップS107にてコードワード抽出処理がなされ、各セルの中心座標の諧調データから決定された明/暗セルがコードワード列に変換される。続いて、ステップS109にて誤り訂正処理がなされた後、ステップS111にて上記コードワード列が所定の規則に応じてデコードされる。
【0030】
次に、ステップS113において、デコード結果に上述した命令コードが含まれるか否かについて判定される。ここで、デコード結果に命令コードが含まれていない場合、すなわち、上記特定コードと異なる通常の情報コードについてデコード処理が実施された場合には(S113でNo)、ステップS115にて、デコード結果出力処理がなされる。この処理によりデコード結果に応じて取得された情報を表示部24に表示するための処理がなされ、当該読取処理が終了する。なお、デコード処理が失敗した場合には、当該読取処理が終了するか、上記ステップS101からの処理が実施される。また、ステップS111の処理を実施する制御部21は、特許請求の範囲に記載の「デコード手段」の一例に相当する。
【0031】
一方、上記ステップS111におけるデコード結果に上記命令コードが含まれている場合には、ステップS113にてYesと判定されて、図4のステップS117にて実施日時取得処理がなされ、現時点における日時が実施日時Tとして取得される。そして、ステップS119にて実施日時Tが第1日時T1(10月1日)を経過しているか否かについて判定される。ここで、実施日時Tが第1日時T1を経過していなければ、ステップS119にてNoと判定されて、ステップS121にて第1情報出力処理がなされる。この処理では、第1情報である5%引きクーポンの情報を表示部24に表示するための出力処理がなされる。これにより、使用者は、5%引きクーポンが表示された表示部24を店員等に見せることで、上記掲載商品を5%引きで購入することができる。
【0032】
上述したステップS119において、実施日時Tが第1日時T1を経過していることからYesと判定されると、ステップS123にて実施日時Tが第2日時T2(11月1日)を経過しているか否かについて判定される。ここで、実施日時Tが第2日時T2を経過していなければ、ステップS123にてNoと判定されて、ステップS125にて第2情報出力処理がなされる。この処理では、第2情報である10%引きクーポンの情報を表示部24に表示するための出力処理がなされる。これにより、使用者は、10%引きクーポンが表示された表示部24を店員等に見せることで、上記掲載商品を10%引きで購入することができる。
【0033】
上述したステップS123において、実施日時Tが第2日時T2を経過していることからYesと判定されると、ステップS127にて実施日時Tが第3日時T3(12月1日)を経過しているか否かについて判定される。ここで、実施日時Tが第3日時T3を経過していなければ、ステップS127にてNoと判定されて、ステップS129にて第3情報出力処理がなされる。この処理では、第3情報である20%引きクーポンの情報を表示部24に表示するための出力処理がなされる。これにより、使用者は、20%引きクーポンが表示された表示部24を店員等に見せることで、上記掲載商品を20%引きで購入することができる。なお、実施日時Tが第3日時T3を経過すると、期限切れであり各割引情報を消失させるために、ステップS127にてYesと判定されて、デコード結果を出力することなく当該読取処理が終了する。
【0034】
以上説明したように、本第1実施形態に係る携帯電話10は、第1〜第3情報とこれら各情報のいずれか1つを時間情報に応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれる情報コードを読取対象とする。そして、デコードが実施された実施日時Tとこの実施によりデコードされた情報コードに含まれる命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれる第1〜第3情報のいずれか1つが選択されて出力され、その情報が表示部24に表示される。
【0035】
これにより、デコードが実施された実施日時Tに応じて第1〜第3情報のいずれか1つが選択されるので、1つの情報コードを読み取る場合でも、その読み取り状況に応じた情報を選択して出力することができる。
【0036】
また、本第1実施形態に係る携帯電話10では、上記時間情報は、予め設定された設定日時T0から実施日時Tまでの経過時間であるため、上述のような割引クーポンだけでなく、例えば、食品等に貼り付けされる情報コードの価格に関する情報を、製造日時(設定日時T0)から所定時間経過する毎にその価格が低下するように切り替えて出力することもできる。
【0037】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る携帯電話10について図5を参照して説明する。図5は、第2実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
本第2実施形態に係る携帯電話10では、上記選択基準における時間情報が、記憶された基準日時から実施日時までの経過時間であり、上述した読取処理を図3および図4に示すフローチャートに代えて図3および図5に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る携帯電話と異なる。したがって、第1実施形態の携帯電話と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
本第2実施形態では、上記選択基準は、初めてデコードが実施された日時が基準日時Tsとして記憶されるとき、この基準日時Tsからの経過時間(以下、経過時間ΔTともいう)が、第1経過時間ΔT1未満であれば上記第1情報が出力され、第2経過時間ΔT2未満であれば上記第2情報が出力され、第3経過時間ΔT3未満であれば上記第3情報が出力されるように設定されている。ここで、本第2実施形態では、例えば、第1経過時間ΔT1は1週間に設定され、第2経過時間ΔT2は2週間に設定され、第3経過時間ΔT3は3週間に設定される。
【0039】
以下、本第2実施形態における読取処理について、図3および図5に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。上記第1実施形態と同様に、図3のステップS101からの処理がなされてステップS113にてYesと判定されると、図5のステップS117にて現時点における日時が実施日時Tとして取得される。そして、ステップS118において、上記ステップS111にてデコードされた情報コードが登録済みの登録済コードであるか否かについて判定される。
【0040】
ここで、初めてデコードされた情報コードであり当該情報コードが登録済コードでない場合には、ステップS118にてNoと判定される。次に、ステップS118aにて当該情報コードが登録済コードとしてメモリ25に記憶されるとともにこのデコードが実施された日時が基準日時Tsとしてメモリ25に記憶される。そして、ステップS121にて上記第1実施形態と同様に、第1情報出力処理がなされる。
【0041】
一方、上述したステップS118において、以前デコードされていることから、デコードされた情報コードが上記ステップS118aにて既に記憶された登録済コードである場合には、ステップS118にてYesと判定される。次に、ステップS118bにて基準日時取得処理がなされて、当該デコードされた情報コードに対応する基準日時Tsがメモリ25から読み出されて取得される。続いて、ステップS119aにて、基準日時Tsから実施日時Tまでの経過時間ΔTが第1経過時間ΔT1(1週間)未満か否かについて判定される。ここで、当該経過時間ΔTが第1経過時間ΔT1未満であれば、ステップS119aにてYesと判定されて、ステップS121にて上記第1実施形態と同様に第1情報出力処理がなされる。
【0042】
上述したステップS119aにおいて、経過時間ΔTが第1経過時間ΔT1以上であることからNoと判定されると、ステップS123aにて経過時間ΔTが、第2経過時間ΔT2(2週間)未満か否かについて判定される。ここで、経過時間ΔTが第2経過時間ΔT2未満であれば、ステップS123aにてYesと判定されて、ステップS125にて上記第1実施形態と同様に第2情報出力処理がなされる。
【0043】
上述したステップS123aにおいて、経過時間ΔTが第2経過時間ΔT2以上であることからNoと判定されると、ステップS127aにて経過時間ΔTが、第3経過時間ΔT3(3週間)未満か否かについて判定される。ここで、経過時間ΔTが第3経過時間ΔT3未満であれば、ステップS127aにてYesと判定されて、ステップS129にて上記第1実施形態と同様に第3情報出力処理がなされる。なお、経過時間ΔTが第3経過時間ΔT3以上になると、期限切れであり各割引情報を消失させるために、ステップS127aにてNoと判定されて、デコード結果を出力することなく当該読取処理が終了する。
【0044】
以上説明したように、本第2実施形態に係る携帯電話10では、上記時間情報は、デコードされた情報コードに対応する基準日時Tsがメモリ25に記憶されているとき、この基準日時Tsから実施日時Tまでの経過時間ΔTとして設定される。このため、上記経過時間ΔTの開始日時の基準となる基準日時Tsが読み取りに応じて変わる場合であっても、当該経過時間ΔTに応じた情報を選択して出力することができる。
【0045】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る携帯電話10について図6を参照して説明する。図6は、第3実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
本第3実施形態に係る携帯電話10では、上記選択基準は、各読取情報のいずれか1つが当該携帯電話10に対して予め設定された設定レベルに応じて選択されるように設定されており、上述した読取処理を図3および図4に示すフローチャートに代えて図3および図6に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る携帯電話と異なる。したがって、第1実施形態の携帯電話と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
本第3実施形態では、上記設定レベルは、当該特定コードを管理する管理会社のサーバ等にアクセスして取得される所定のキー情報が予めメモリ25に記憶されているかに応じて設定される。具体的には、設定レベルとして、優位性の高い方から第3レベル、第2レベルおよび第1レベルの3つの設定レベルが設定される。
【0047】
以下、本第3実施形態における読取処理について、図3および図6に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。上記第1実施形態と同様に、図3のステップS101からの処理がなされてステップS113にてYesと判定されると、図6のステップS201にて設定レベル取得処理がなされる。この処理では、既にメモリ25に記憶されたキー情報に応じて設定レベルが取得される。
【0048】
次に、ステップS203において、取得された設定レベルがレベル3か否かについて判定される。ここで、メモリ25に記憶されたキー情報に応じて上記ステップS201にて取得された設定レベルがレベル3である場合には、ステップS203にてYesと判定されて、ステップS205にてレベル3情報出力処理がなされる。この処理では、レベル3情報として、例えば、20%引きクーポンの情報を表示部24に表示するための出力処理がなされる。これにより、使用者は、20%引きクーポンが表示された表示部24を店員等に見せることで、上記掲載商品を20%引きで購入することができる。
【0049】
上述したステップS203において、上記ステップS201にて取得された設定レベルがレベル3でない場合には(S203でNo)、ステップS207にて設定レベルがレベル2か否かについて判定される。ここで、メモリ25に記憶されたキー情報に応じて上記ステップS201にて取得された設定レベルがレベル2である場合には(S207でYes)、ステップS209にてレベル2情報出力処理がなされる。この処理では、レベル2情報として、例えば、10%引きクーポンの情報を表示部24に表示するための出力処理がなされる。これにより、使用者は、10%引きクーポンが表示された表示部24を店員等に見せることで、上記掲載商品を10%引きで購入することができる。
【0050】
上述したステップS207において、上記ステップS201にて取得された設定レベルがレベル2でない場合には(S207でNo)、ステップS211にて設定レベルがレベル1か否かについて判定される。ここで、メモリ25に記憶されたキー情報に応じて上記ステップS201にて取得された設定レベルがレベル1である場合には(S211でYes)、ステップS213にてレベル1情報出力処理がなされる。この処理では、レベル1情報として、例えば、5%引きクーポンの情報を表示部24に表示するための出力処理がなされる。これにより、使用者は、5%引きクーポンが表示された表示部24を店員等に見せることで、上記掲載商品を5%引きで購入することができる。なお、設定レベルに関するキー情報がメモリ25に記憶されていない場合には、ステップS211にてNoと判定されて、デコード結果を出力することなく当該読取処理が終了する。
【0051】
以上説明したように、本第3実施形態に係る携帯電話10は、レベル1情報〜レベル3情報とこれら各読取情報のいずれか1つを設定レベルに応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれる情報コードが読取対象である。そして、設定レベルとデコードされた情報コードに含まれる命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれるレベル1情報〜レベル3情報のいずれか1つが選択されて出力され、その情報が表示部24に表示される。
【0052】
これにより、予め設定された設定レベルに応じてレベル1情報〜レベル3情報のいずれか1つが選択されるので、1つの情報コードを読み取る場合でも、その読み取り状況に応じた情報を選択して出力することができる。
【0053】
また、本第3実施形態に係る携帯電話10では、設定レベルは、当該携帯電話10がその設定レベルに対応するキー情報を有しているか否かに応じて設定されるため、設定レベルに関する設定を容易に実施することができる。
【0054】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る携帯電話10について図7を参照して説明する。図7は、第4実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートの一部である。
本第4実施形態に係る携帯電話10では、上記選択基準は、各読取情報のいずれか1つが、当該携帯電話10に対して予め設定された設定レベルと時間情報とに基づいて選択されるように設定されており、上述した読取処理を図3および図4に示すフローチャートに代えて図3および図7に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る携帯電話と異なる。したがって、第1実施形態の携帯電話と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
本第4実施形態では、時間情報については、予め設定された設定日時T0に対して第1の時間だけ経過した日時が第1日時T1、上記設定日時T0に対して第2の時間だけ経過した日時が第2日時T2と設定され、設定レベルについては、上記第3実施形態と同様に予めメモリ25に記憶されたキー情報に応じて優位性の高い方から第2レベルおよび第1レベルの2つの設定レベルが設定されている。ここで、第1日時T1および第2日時T2は、例えば、12月20日および12月31日に設定されている。また、設定レベルと時間情報とに基づいて選択される読取情報としては、第1情報および第2情報の2つの情報があり、第1情報としては10%引きクーポンの情報が出力されて表示され、第2情報としては20%引きクーポンの情報が出力されて表示される。
【0056】
以下、本第4実施形態における読取処理について、図3および図7に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。上記第1実施形態と同様に、図3のステップS101からの処理がなされてステップS113にてYesと判定されると、図7のステップS301にて現時点における日時が実施日時Tとして取得される。そして、ステップS303にて既にメモリ25に記憶されたキー情報に応じて設定レベルが取得される。
【0057】
次に、ステップS305にて実施日時Tが第1日時T1(12月20日)を経過しているか否かについて判定される。ここで、実施日時Tが第1日時T1を経過していなければ、ステップS305にてNoと判定されて、ステップS307にて取得された設定レベルがレベル2か否かについて判定される。ここで、メモリ25に記憶されたキー情報に応じて上記ステップS303にて取得された設定レベルがレベル2である場合には、ステップS307にてYesと判定されて、ステップS309にてレベル2情報出力処理がなされる。この処理では、レベル2情報として、20%引きクーポンの情報を表示部24に表示するための出力処理がなされる。これにより、使用者は、20%引きクーポンが表示された表示部24を店員等に見せることで、上記掲載商品を20%引きで購入することができる。
【0058】
上述したステップS307において、上記ステップS303にて取得された設定レベルがレベル2でない場合には(S307でNo)、ステップS311にて設定レベルがレベル1か否かについて判定される。ここで、メモリ25に記憶されたキー情報に応じて上記ステップS303にて取得された設定レベルがレベル1である場合には(S311でYes)、ステップS313にてレベル1情報出力処理がなされる。この処理では、レベル1情報として、例えば、10%引きクーポンの情報を表示部24に表示するための出力処理がなされる。これにより、使用者は、10%引きクーポンが表示された表示部24を店員等に見せることで、上記掲載商品を10%引きで購入することができる。なお、設定レベルに関するキー情報がメモリ25に記憶されていない場合には、ステップS311にてNoと判定されて、デコード結果を出力することなく当該読取処理が終了する。
【0059】
上述したステップS305において、実施日時Tが第1日時T1を経過していることからYesと判定されると、ステップS315にて実施日時Tが第2日時T2(12月31日)を経過しているか否かについて判定される。ここで、実施日時Tが第2日時T2を経過していなければ、ステップS315にてNoと判定される。そして、設定レベルを考慮することなく、上記ステップS309にて第2情報出力処理がなされる。なお、実施日時Tが第2日時T2を経過すると、期限切れであり各割引情報を消失させるために、ステップS315にてYesと判定されて、デコード結果を出力することなく当該読取処理が終了する。
【0060】
以上説明したように、本第4実施形態に係る携帯電話10は、第1および第2情報とこれら各情報のいずれか1つを設定レベルおよび時間情報に応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれる情報コードを読取対象とする。これにより、1つの情報コードを読み取る場合でも、当該携帯端末の優位性等に応じた設定レベルと時間情報との双方を考慮して、その読み取り状況に応じた情報を選択して出力することができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)上記各実施形態において、時間情報および設定レベルの少なくともいずれかに応じて選択される情報は、割引クーポンに関する情報に限らず、例えば、低下させた販売商品の価格に関する情報など、優位性が段階的に区分けできる情報であってもよい。
【0062】
(2)上記第1実施形態における時間情報は、第1日時T1,第2日時T2および第3日時T3の3段階に設定されることに限らず、読み取り状況に応じて2段階に設定されてもよいし、より詳細な優位性を設けるために4段階以上に設定されてもよい。また、上記第3実施形態における設定レベルは、第1レベル,第2レベルおよび第3レベルの3段階に設定されることに限らず、読み取り状況に応じて2段階に設定されてもよいし、より詳細な優位性を設けるために4段階以上に設定されてもよい。他の実施形態においても同様の作用効果を奏する。
【0063】
(3)本発明は、携帯電話に適用されることに限らず、バーコードリーダやカメラ付きPDAなどの光学的に情報を読み取る光学的情報読取読取装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10…携帯電話(携帯端末)
21…制御部
22…撮像部
24…表示部
25…メモリ(記憶手段)
T…実施日時
T0…設定日時
Ts…基準日時
T1〜T3…日時
ΔT,ΔT1〜ΔT3…経過時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードを撮像可能な撮像手段と、この撮像手段により撮像された前記情報コードをデコードするデコード手段と、を備える携帯端末であって、
前記情報コードには、複数の読取情報とこれら各読取情報のいずれか1つを時間情報に応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれ、
前記デコード手段によるデコードが実施された実施日時とこの実施によりデコードされた情報コードに含まれる前記命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれる前記各読取情報のいずれか1つを選択して出力する出力手段を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記時間情報は、予め設定された設定日時から前記実施日時までの経過時間であることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記情報コードを最初にデコードした日時を基準日時として当該情報コード毎に対応させてそれぞれ記憶する記憶手段を備え、
前記時間情報は、前記デコード手段によりデコードされた前記情報コードに対応する前記基準日時が前記記憶手段に記憶されているとき、この基準日時から当該デコードが実施された実施日時までの経過時間であることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記選択基準は、当該携帯端末に対して予め設定された設定レベルと前記時間情報とに基づいて前記各読取情報のいずれか1つが選択されるように設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記設定レベルは、当該携帯端末がその設定レベルに対応するキー情報を有しているか否かに応じて設定されることを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
情報コードを撮像可能な撮像手段と、この撮像手段により撮像された前記情報コードをデコードするデコード手段と、を備える携帯端末であって、
前記情報コードには、複数の読取情報とこれら各読取情報のいずれか1つを当該携帯端末に対して予め設定された設定レベルに応じて選択するための選択基準を有する命令コードとが含まれ、
当該携帯端末の前記設定レベルと前記デコード手段によりデコードされた情報コードに含まれる前記命令コードの選択基準とに基づいて、当該情報コードに含まれる前記各読取情報のいずれか1つを選択して出力する出力手段を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
前記設定レベルは、当該携帯端末がその設定レベルに対応するキー情報を有しているか否かに応じて設定されることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−170434(P2011−170434A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31341(P2010−31341)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】