説明

携帯端末

【課題】ロック解除時における省電力化を図る。
【解決手段】液晶表示部9と、液晶表示用バックライト部10とを有し、画面ロック状態では液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10が消灯している構成において、カメラ部8と、画面ロック状態にてカメラ部8にて撮影された画像に人物の顔画像が含まれている場合に、画面ロック状態を解除するとともに、液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10を点灯させる制御回路部7とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末に関し、特に、省電力化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の携帯電話機は、スマートフォンが主流となりつつあり、キーボタン部を持たず、メイン液晶部が露出しているタッチパネル式のものが増えてきている。このような携帯電話機においては、省電力の観点により、未操作のまま予め設定された時間が経過すると液晶表示と液晶表示用バックライトが消灯する。それと同時にタッチパネル式携帯電話機の誤動作防止として画面操作無効のロック設定が行われる。そのロック設定は、暗証番号を入力したり画面を指でなぞる操作を行ったりすること等によって解除することが可能となっている。タッチパネル式携帯電話機の中には、省電力モード時にロック設定まで必ずしも実効されないものも存在するが、セキュリティの観点上、画面ロックされるべきであり、ロックまで実行されるものが一般的となっている。
【0003】
ところが、画面ロックは省電力モードと同一のタイミングで実行されるため、1日に何度も同じロック解除の操作をしなければならず、また、ロックを解除する度毎に液晶表示と液晶表示用バックライトが点灯するため、不要な電力を消費して使用時間の低下につながってしまう。
【0004】
ここで、アプリケーションが起動してから所定の時間が経過した後にカメラを起動させ、カメラによって撮像された画像から顔画像を検出できなかった場合にスリープ状態とすることにより省電力化を図る技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−108132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、アプリケーション起動後の処理であるため、画面ロックを解除する場合は、上記同様に、ロックを解除する度毎に液晶表示と液晶表示用バックライトが点灯することとなり、ロック解除時における省電力化を図ることができないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ロック解除時における省電力化を図ることができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
液晶表示部と、液晶表示用バックライト部とを有し、画面ロック状態では前記液晶表示部及び前記液晶表示用バックライト部が消灯している携帯端末において、
カメラ部と、
前記画面ロック状態にて前記カメラ部にて撮影された画像に所定の画像が含まれている場合に、前記画面ロック状態を解除するとともに、前記液晶表示部及び前記液晶表示用バックライト部を点灯させる制御回路部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明は、液晶表示部と、液晶表示用バックライト部とを有し、画面ロック状態では液晶表示部及び液晶表示用バックライト部が消灯している構成において、カメラ部と、画面ロック状態にてカメラ部にて撮影された画像に所定の画像が含まれている場合に、画面ロック状態を解除するとともに、液晶表示部及び液晶表示用バックライト部を点灯させる制御回路部とを有する構成としたため、画面ロック解除操作のためだけに液晶表示部及び液晶表示用バックライト部が点灯することがなくなり、それにより、ロック解除時における省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の携帯端末の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した携帯電話機において省電力モードから画面ロック状態を解除する動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の携帯端末の実施の一形態を示すブロック図である。
【0013】
本形態は図1に示すように、情報を表示する液晶表示部9と、液晶表示部9の背面から液晶を照明する液晶表示用バックライト部10と、撮影を行うカメラ部8と、カメラ部8を起動するための命令を入力するためのキー操作部2と、LEDの点灯やスピーカー等の音にてユーザーに報知を行う報知部5と、カメラ部8をOFFとする時間や省電力モードに設定するまでの時間を計測するタイマー部3と、液晶表示部9の表示を指で押すことで機器を操作するタッチパネル部4と、顔データ等を格納するとともに、画面ロック開始までの時間を決定する設定状況等を格納するメモリである記憶部6と、キー操作部2における操作の検出、カメラ部8の起動、液晶表示部9及び液晶表示用バックライト部10の点消灯、報知部5の起動等、CPUとしての働きや電源制御、画像解析等を行う制御回路部7とから構成されている。
【0014】
以下に、上記のように構成された携帯電話機1の動作について説明する。
【0015】
まず、携帯電話機1を省電力モードに設定する動作について説明する。
【0016】
ユーザーが一定時間、携帯電話機1の操作を行わない場合は、タイマー部3にてカウントを開始し、キー操作部2やタッチパネル部4にて最後に検出した信号からの経過時間を制御回路部7にて計測する。
【0017】
そして、制御回路部7において、計測された経過時間と記憶部6に格納されている省電力設定時間とを比較し、計測された経過時間が省電力設定時間を越えた場合にカウントを終了し、液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10とを消灯するとともに、誤操作防止のためにタッチパネル部4の操作が行えない画面ロック状態となる省電力モードに設定する。
【0018】
次に、省電力モードから画面ロック状態を解除する動作について説明する。
【0019】
図2は、図1に示した携帯電話機1において省電力モードから画面ロック状態を解除する動作を説明するためのフローチャートである。
【0020】
上述した画面ロック状態となる省電力モードにおいて(ステップ1)、ユーザーがキー操作部2を操作することによって、制御回路部7がキー操作部2からアクティブ信号を検出すると(ステップ2)、まず、制御回路部7が顔画像検出制御を行うためにカメラ部8に対してカメラ起動信号を送信するとともにカメラ電源供給開始制御を行い、それにより、カメラ部8が起動する(ステップ3)。
【0021】
カメラ部8が起動すると、カメラ部8にて撮影を行い(ステップ4)、カメラ部8にて撮影された画像データを制御回路部7に転送する。この際、液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10が点灯しておらず、ユーザーにはカメラ部8が起動していることがわからないため、例えば、報知部5にてLEDを発光させてカメラ部8にて撮影を行っている旨を知らせる等の動作を行うことが考えられる。
【0022】
制御回路部7は、カメラ部8から転送されてきた画像データを記憶部6に格納するとともに、カメラ部8から転送されてきた画像データについて顔画像検出処理を行う(ステップ5)。顔画像検出処理は、記憶部6に予め格納された多数の人物の顔画像と顔以外のサンプル画像から、顔の明暗差等により、目や鼻、頬等が備わっているかを識別できるように制御回路部7が予め学習しておき、カメラ部8から転送されてきた画像データに複数の性質が同時に満たされているか否かで、人物の顔画像検出可否を判断することになる。
【0023】
そして、顔画像検出処理においてカメラ部8にて撮影された画像データが、人物の真正面から撮影した顔画像である等、カメラ部8から転送されてきた画像データに人物の顔画像が含まれていることが検出された場合(ステップ6)、顔画像検出処理が完了したため、制御回路部7はカメラ部8をOFFし(ステップ7)、画面ロック状態を解除するとともに(ステップ8)、液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10とを点灯させる(ステップ9)。
【0024】
一方、顔の位置がずれて撮影された画像からその一部がはみ出していたり、暗い部屋で撮影したり、鞄等の中でキーボタンが誤操作されていたりした場合等、記憶部6に予め設定された顔検出有効時間内に人物の顔画像が検出されなかった場合は、本処理は中止され、カメラ部8がOFFとなり(ステップ10)、画面ロック状態が継続されるとともに(ステップ11)、液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10が消灯のままの状態となる(ステップ12)。この際、液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10が消灯しているため、顔検出不可によりカメラ部8がOFFになったことをユーザーに報知するために制御回路部7は、報知部5に制御信号を送り、LEDの消灯・点滅、スピーカーから音を出す等の報知制御を行う。
【0025】
このように本形態においては、省電力モードである画面ロック状態にてカメラ部8にて撮影された画像に人物の顔画像が含まれている場合に、画面ロック状態を解除するとともに、液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10を点灯させる構成とすることにより、画面ロック解除操作のためだけに液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10が点灯することがなくなり、それにより、ロック解除時における省電力化を図ることができる。その際、従来の液晶表示部9と液晶表示用バックライト部10を点灯させる場合に比べて消費電力を約35%削減することができる。また、画面ロック状態を解除する際の、画面をなぞる操作を省くことで、使い勝手を向上させることができる。
【0026】
なお、本形態においては、カメラ部8にて撮影された画像データの中に人物の顔画像が含まれている場合に画面ロック状態を解除しているが、画面ロック状態を解除するために画像データの中に含まれる画像として設定するものは、人物の顔画像に限らない。
【符号の説明】
【0027】
1 携帯電話機
2 キー操作部
3 タイマー部
4 タッチパネル部
5 報知部
6 記憶部
7 制御回路部
8 カメラ
9 液晶表示部
10 液晶表示用バックライト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示部と、液晶表示用バックライト部とを有し、画面ロック状態では前記液晶表示部及び前記液晶表示用バックライト部が消灯している携帯端末において、
カメラ部と、
前記画面ロック状態にて前記カメラ部にて撮影された画像に所定の画像が含まれている場合に、前記画面ロック状態を解除するとともに、前記液晶表示部及び前記液晶表示用バックライト部を点灯させる制御回路部とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記制御回路部は、前記画面ロック状態にて前記カメラ部にて撮影された画像に人物の顔画像が含まれている場合に、前記画面ロック状態を解除するとともに、前記液晶表示部及び前記液晶表示用バックライト部を点灯させる携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−222612(P2012−222612A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86415(P2011−86415)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】