説明

携帯端末

【課題】オートロック設定中に所定のアプリケーションを使用することが出来る携帯端末を提供する。
【解決手段】実施形態の携帯端末は、入力を行う操作部と、複数のアプリケーションを格納するアプリケーション記憶部と、前記操作部での、所定の操作以外の操作を無効にし、アプリケーションの動作をロック状態にする操作ロック部と、前記操作ロック部でのロック状態時に起動可能であり、前記アプリケーション記憶部に格納される特定のアプリケーションを設定するアプリケーション設定部と、前記操作部の所定の操作により、前記アプリケーション設定部で設定した前記特定のアプリケーションを起動するアプリケーション起動部と、前記アプリケーション起動部で起動した、前記特定のアプリケーション上で入力されたデータを表示する表示部と、前記表示部に表示されたデータを格納するデータ記憶部と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オートロック等のセキュリティ機能を有する携帯端末が普及している。オートロックの機能を有する携帯端末を使用するユーザは、ユーザが設定した複数の番号ボタンまたは複数の機能ボタンを入力することで、携帯端末のロックを設定または解除することが出来る。よって、例えば携帯端末を置き忘れた場合でも、携帯端末にオートロックを設定することにより、他人に携帯端末内のデータを見られたり改ざんされたりする危険性が少なくなり、個人情報を守ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3927903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯端末がオートロックを設定している状態で、ユーザがすぐにメモ入力やカメラ撮影等を行いたい場合、その都度複数の番号ボタンの入力等でロックを解除する操作を行わなければならず、ロック解除に時間がかかってメモすることを忘れてしまったり、撮影タイミングをのがしてしまったりしてしまう。また、ロックを解除する操作が面倒なためユーザがメモ入力を行わず、結局メモしたいことを忘れてしまうという問題がある。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたもので、オートロック設定中に所定のアプリケーションを使用することが出来る携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の携帯端末は、入力を行う操作部と、複数のアプリケーションを格納するアプリケーション記憶部と、前記操作部での、所定の操作以外の操作を無効にし、アプリケーションの動作をロック状態にする操作ロック部と、前記操作ロック部でのロック状態時に起動可能であり、前記アプリケーション記憶部に格納される特定のアプリケーションを設定するアプリケーション設定部と、前記操作部の所定の操作により、前記アプリケーション設定部で設定した前記特定のアプリケーションを起動するアプリケーション起動部と、前記アプリケーション起動部で起動した、前記特定のアプリケーション上で入力されたデータを表示する表示部と、前記表示部に表示されたデータを格納するデータ記憶部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯端末の概略構成を示すブロック図。
【図2】携帯端末がロック設定されている時の携帯端末の動作を示すフローチャート。
【図3】携帯端末がロック設定されている時の携帯端末の画面表示例を示す図。
【図4】(A)携帯端末のロック設定時にメモ帳を起動した場合、(B)携帯端末がロック設定されていない通常動作時にメモ帳を起動した場合の画面表示例をそれぞれ示す図。
【図5】(C)携帯端末のロック設定時にカメラを起動した場合、(D)携帯端末がロック設定されていない通常動作時にカメラを起動した場合の画面表示例をそれぞれ示す図。
【図6】(a)フラグを添付したときのメモ帳一覧の画面表示例を示す図、(b)フラグを添付した時のデータフォルダの画面表示を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末1の概略構成を示すブロック図である。携帯端末1は、制御部10、電源回路部11、表示部12、操作部13、音声制御部14、無線通信部15、記憶部16、情報記憶媒体17、撮像部18、辞書データベース21、データフォルダ22、バックアップフォルダ23がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0010】
電源回路部11は、電力供給源(バッテリ等)を備え、操作部13の電源キーを介した入力に基づいて携帯端末1の電源のON/OFF状態を切り替え、電源がON状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯端末1を動作可能にする。
【0011】
表示部12はモニタ等であり、制御部10の制御に基づいて文書データや画像データ等を表示する。操作部13はタッチパネルや操作キー等の入力装置である。撮像部18はCCDカメラ181で撮像した画像信号に画像処理を行い、表示部12に表示する。
【0012】
音声制御部14は、制御部10の制御に基づいて、マイクロフォン142で集音されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部14は、デジタル音声信号を取得すると、制御部10の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ141から音声として出力する。
【0013】
無線通信部15は、制御部10の制御に基づいて、基地局からアンテナ15aを介して受信した受信信号を処理して音声・オーディオデータ、画像データ、制御データなどを復元する。復元によって音声・オーディオデータが得られた場合は、制御部10の指示により、音声制御部14に伝送されてスピーカ141から出力され、画像データが得られた場合は、表示部12を介してディスプレイ52に表示されたり、または記憶部16に記録されたりする。また無線通信部15は、制御部10の制御に基づいて、マイクロフォン142で集音された音声信号や操作キー53で入力された文字列や記憶部16に記憶された各種データを取得すると、これらのデータの送信信号へと変換し、基地局に対してアンテナ15aを介して送信する。
【0014】
記憶部16は、制御部10や無線通信部15などのワーク領域となるもので、RAM(Random Access Memory)などにより実現できる。
情報記憶媒体17(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、ハードディスク、或いはメモリ(Flash Memory、ROM:Read Only Memory)などにより実現できる。情報記憶媒体17には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)、複数のアプリケーション等が記憶される。
【0015】
辞書データベース21は、携帯端末1が有する単語辞書として、固定辞書211、ユーザ辞書212が格納されている。固定辞書211は、携帯端末1があらかじめ有する辞書である。ユーザ辞書212は、ユーザが登録した単語が格納される辞書である。ユーザ辞書212にはまた、文字列の入力時にユーザの使用頻度が高い単語が変換候補の上位に表示されるよう、変換候補の表示順情報等が格納されている。
【0016】
データフォルダ22は、操作部13で入力された文字データ、撮像部18で撮像された画像データ、またはマイクロフォン142で録音された音声データ等を格納する。
バックアップフォルダ23は、撮像部18で撮像した画像をデータフォルダ22に保存する前に一時的に画像を格納するフォルダである。
【0017】
制御部10は、携帯端末1の総括的な制御を行うとともに、その他の様々な演算処理や制御処理などを行う演算装置である。制御部10の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。制御部10は、情報記憶媒体17に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0018】
制御部10は、ロック機能101、アプリケーション起動機能103、通知機能105、アプリケーション設定機能107、予測変換機能109を含む。
ロック機能101は、あらかじめ設定した操作部からのロック設定操作により、携帯端末1の機能をロックし、操作部13からの操作を無効にする設定を行う。また、あらかじめ設定した操作部13からのロック解除操作により、携帯端末1のロックを解除する。ロック機能101は携帯端末1のロック設定中、操作部13からの特定の操作(例えばロック解除操作やメモキー操作等)のみを有効として操作を受け付け動作する。
【0019】
アプリケーション起動機能103は、情報記憶媒体17に格納されたアプリケーションを起動する。通知機能105は、表示部12に表示する各種通知、例えばデータフォルダ22の空き容量通知や携帯端末1のロック中に無効な操作がなされた場合の警告通知を、生成する。アプリケーション設定機能107は、ロック機能101で携帯端末1がロック設定されている場合に起動可能なアプリケーションを、情報記憶媒体17に記憶されるアプリケーションより設定する。本実施形態では、携帯端末1のロック設定中にアプリケーション設定機能107で設定する、起動可能なアプリケーションを、メモ帳、撮影用アプリケーション、ボイスレコーダ用アプリケーションとする。
【0020】
予測変換機能109は、ユーザから入力された変換対象の文字列から、ユーザ辞書212よりユーザの使用頻度を参照して、ユーザが入力すると考えられる語句の候補を予測し、予測候補として表示部12に表示させる。例えばユーザが「わ」、「た」と連続して入力した場合に、予測変換機能109は、「わた」で始まる単語であり、ユーザの使用頻度が高い「私」、「渡る」、「わたあめ」等が予測候補として表示部12に表示される。なお、予測変換機能109は、ロック機能101で携帯端末1をロック設定している時は、その機能を無効とする。
【0021】
次に、上記構成の携帯端末1の動作について、図2のフローチャート、および図3の画面表示例を参照して説明する。
【0022】
携帯端末1がロック設定していない場合(ステップS101で「No」)、携帯端末1はユーザからの操作により通常の動作を行う(ステップS103)。一方、操作部13を用いたユーザの操作により、ロック機能101が携帯端末1の機能をロック設定している場合(ステップS101で「Yes」)、ユーザが操作部13のメモキーを押下すると(ステップS105で「Yes」)、ロック機能101は携帯端末1を一時的かつ一定範囲内でロックを解除する(ステップS106)。次に表示部12は、アプリケーション設定機能107で設定した、ロック設定中に起動可能なアプリケーションの一覧をメニュー表示する(ステップS107)。例えば図3(A)に示すように、アプリケーション設定機能107で設定したアプリケーションであるメモ帳、カメラ(撮影用アプリケーション)、ボイスレコーダ(ボイスレコーダアプリケーション)の一覧を、「すぐメモメニュー」として表示部12に表示する。
【0023】
ユーザが表示部12に表示された「すぐメモメニュー」画面から、操作部13を用いて「メモ帳」を選択した場合(ステップS109で「Yes」)、アプリケーション起動機能103は情報記憶媒体17に記憶されるメモ帳アプリケーションを起動し、入力画面を表示部12に表示させる(ステップS110)。ステップS110におけるメモ帳起動時の画面表示例を図3(B)に示す。
【0024】
同様に、「カメラ」を選択した場合(ステップS111で「Yes」)、アプリケーション起動機能103は情報記憶媒体17に記憶される撮影用アプリケーションを起動し、撮像部18を介してCCDカメラ181を動作させる(ステップS112)。ステップS112におけるカメラ起動時の画面表示例を図3(C)に示す。なお、撮影用アプリケーションは、静止画像の撮影でも動画撮影でも良い。
【0025】
同様に、「ボイスレコーダ」を選択した場合(ステップS113で「Yes」)、アプリケーション起動機能103は情報記憶媒体17に記憶されるボイスレコーダ用アプリケーションを起動し、音声制御部14およびマイクロフォン142を動作させる(ステップS114)。ステップS114におけるボイスレコーダ起動時の画面表示例を図3(D)に示す。このとき、制御部10はデータフォルダ22の空き容量を参照して、録音可能時間を表示しても良い。
【0026】
ステップS110で入力したメモ帳データ、ステップS112で撮影した画像データ、ステップS114で録音した音声データは、データフォルダ22に格納される(ステップS116)。
【0027】
「すぐメモメニュー」で表示した一覧から、ユーザがメモ帳、カメラ、ボイスレコーダのいずれも選択せず、図3(A)で「戻る」ボタンを押下した場合(ステップS113で「No」)、ロック機能101は、ステップS106で一時的かつ一定範囲内でロック解除した携帯端末1を再度ロック設定し、操作部13からの操作を無効にする(ステップS115)。
【0028】
なお、データフォルダ22の空き容量が少ない、または無い場合、ステップS110、S112、S114における各アプリケーションの起動時に、通知機能105が空き容量を参照して、空き容量が少ないまたは無い旨の通知を生成し、表示部12に表示するようにしてもよい。例えば通知機能105は、ステップS110でメモ帳アプリケーションを起動する際に、データフォルダ22の空き容量を参照し、空き容量が無い場合、表示部12に「データフォルダがいっぱいです」等の表示を行わせてもよい。ステップS114でボイスレコーダ用アプリケーションを起動する場合も同様である。
【0029】
ステップS112での撮影用アプリケーションの起動時では、データフォルダ22の他にバックアップフォルダ23も参照してもよい。通知機能105は、データフォルダ22の空き容量を参照し、空き容量が無い場合、バックアップフォルダ23の空き容量を参照する。バックアップフォルダ23の空き容量がある場合は、表示部12に「撮影画像はバックアップフォルダに格納します」等の表示を行わせ、ユーザにデータフォルダ22内のデータを削除するよう促す。バックアップフォルダ23の空き容量も無い場合は、表示部12に「フォルダがいっぱいで撮影できません」等の表示を行わせる。
【0030】
また、ステップS110、S112、S114における各アプリケーションの起動時に、無線通信部15が電話の着信を受信した場合、各アプリケーションを終了して、表示部12に着信の表示を行う。このとき、例えばメモ帳に入力中だった場合は、着信までの入力データを自動保存してからアプリケーションを終了する。また、ボイスレコーダで録音中だった場合は、着信までの録音データを自動保存してからアプリケーションを終了する。
【0031】
なお、ステップS105において、ロック設定時に、ユーザによるメモキーの短押しでアプリケーション設定機能107で設定したアプリケーションの一覧を表示し、メモキーの長押しで、アプリケーションの一覧のうち最上位のアプリケーションを一発起動してもよい。例えば、メモキーの短押し時における「すぐメモメニュー」で、メモ帳、カメラ、ボイスレコーダの順に一覧表示される場合、メモキーの長押し時ではメモ帳アプリケーションを一発起動するようにしてもよい。
【0032】
ところで、ロック設定時に「すぐメモメニュー」から選択したアプリケーションは、ロック設定されてない通常の動作時のアプリケーションと比較して、その動作に制限を持たせている。これは、もともと携帯端末1にセキュリティ機能を持たせるためにロック設定を行っているため、携帯端末1のセキュリティ機能をなるべく維持するようにするためである。例えば、ロック設定時では他端末との通信を行わないようにし、通信に関係する機能は表示部12に表示しないよう設定される。
【0033】
ロック設定時に「すぐメモメニュー」からメモ帳を起動した場合(A)と、ロック設定されていない通常動作時でメモ帳を起動した場合(B)の画面表示例を図4に示す。通常動作時(B)では、待受画面(B−1)表示中にユーザがメモキーを押下すると、メモ帳の一覧(B−2)が表示される。ユーザが例えばメモ帳No.1の「集合時間は10時」を選択し、「編集」ボタンを押下すると、メモ帳No.1の編集画面(B−3)が表示される。この編集画面(B−3)上で、ユーザは操作部13を用いて文字の修正入力を行ったり、「サブメニュー」ボタンから、携帯端末1のアドレス帳等といった内部データを引用したり、他端末への通信を行ったりすることが出来る。文字入力は予測変換機能109を用いて入力可能であり、予測変換機能109は、入力された文字列から予測される候補を表示部12の下部に表示する。例えば(B−4)の画面で、「集合時間は」という文字列をユーザが入力すると、予測変換機能109は辞書データベース21を参照し、ユーザの使用頻度から、その文字列の後に続くと予測される候補、本例では「13時」、「12時」、「9時」、「何時?」を表示部12の画面下部に予測候補として表示させる。ユーザはこの予測候補から選択するか、直接文字を入力する。
【0034】
一方、ロック設定時(A)では、待受画面(A−1)表示中にユーザがメモキーを押下すると、「すぐメモメニュー」が起動し、アプリケーション設定機能107で設定したアプリケーションであるメモ帳、カメラ、ボイスレコーダの一覧が表示される(A−2)。ユーザが「メモ帳」を選択すると、メモ帳アプリケーションが起動し、入力画面(A−3)が表示される。ここで、(A−2)の画面でメモ帳を選択した時に、(B−2)に示すようなメモ帳の一覧は表示せず、即座にメモ帳の入力画面が表示される。これは、携帯端末1に登録済のメモ帳を、ユーザ以外の人が簡単な操作で閲覧されることのないようにするためである。ユーザは入力画面で、操作部13を用いて「DVDを予約する」と入力したとする(A−4)。このとき、文字入力には予測変換機能109を用いることはできない。これは、予測変換機能109を有効とすると、例えばユーザが頻繁に入力する人名や地名が予測候補に表示され、ユーザ以外の人が文字入力を行った際に個人的な情報が知られてしまうおそれがあるからである。また、ロック設定時(A)で起動したメモ帳は、「保存」ボタンと「戻る」ボタンのみ表示される。ロック設定時(A)では、入力された文字列の保存のみを行い、通常動作時(B)で使用可能な、内部データからの引用や他端末への通信を行わない。なお、ロック設定時(A)で保存したメモ帳データは、データが未登録で上位のメモ帳No.(例えば、(B−2)におけるメモ帳No.3)に自動的に格納される。
【0035】
よって、ロック設定時(A)のメモ帳の動作は、セキュリティを維持するために単に入力と保存のみであり、通常設定時(B)よりも機能の制限を持たせ、表示画面も異なっている。
【0036】
同様にして、ロック設定時に「すぐメモメニュー」からカメラを起動した場合(C)と、ロック設定されていない通常動作時でカメラを起動した場合(D)の画面表示例を図5に示す。通常動作時(D)では、待受画面(D−1)表示中にユーザがカメラ起動ボタンを押下すると、撮影画面(D−2)が表示される。この撮影画面(D−2)上で、ユーザは「サイズ」ボタンで撮影サイズを切り替えたり、「サブメニュー」ボタンから、データフォルダ22内の撮影画像の閲覧や撮影条件の詳細を設定したりすることが出来、「撮影」ボタンで撮影を行う。撮影した画像(D−3)は、バックアップフォルダ23に一時的に格納される。ユーザは、「保存」ボタンを押下することで、この画像をデータフォルダ22に保存したり、「サブメニュー」ボタンで撮影した画像を編集したり、「メール」ボタンで他端末へ画像を送信したりすることが出来る。
【0037】
一方、ロック設定時(C)では、待受画面(C−1)表示中にユーザがメモキーを押下すると、「すぐメモメニュー」が起動し、アプリケーション設定機能107で設定したアプリケーションであるメモ帳、カメラ、ボイスレコーダの一覧が表示される(C−2)。ユーザが「カメラ」を選択すると、撮影用アプリケーションが起動し、撮影画面(C−3)が表示される。このとき、ユーザ以外の人が操作して簡単に撮影条件を変更したり、データフォルダ22内の撮影画像を勝手に閲覧したりしないよう、撮影画面(C−3)には、例えば(D−2)のような「サブメニュー」ボタンは表示されず、単に「撮影」ボタンと「戻る」ボタンのみ表示される。撮影画面(C−3)で撮影した画像(C−4)は、バックアップフォルダ23に一時的に格納される。ユーザは、「保存」ボタンを押下することで、この画像をデータフォルダ22に保存する。このときも、(C−4)の撮影画面には、「保存」ボタンと「戻る」ボタンのみ表示される。ロック設定時(C)では、撮影した画像の保存のみを行い、通常動作時(D)で使用可能な、画像の編集や他端末への通信を行わない。
【0038】
よって、ロック設定時(C)のカメラ撮影の動作は、セキュリティを維持するために、単に撮影と保存のみであり、通常設定時(D)よりも機能の制限を持たせ、表示画面も異なっている。ロック設定時のボイスレコーダの動作も、カメラ撮影の動作の場合と同様である。
【0039】
また、ロック設定時にデータフォルダに格納したデータと、通常動作時にデータフォルダに格納したデータとを区別できるよう、データの一覧表示において、ロック設定時に格納したデータにフラグをつけてもよい。例えば図6(a)のメモ帳一覧の画面では、「ロック」の欄にマーカーがついたメモ帳No.3が、ロック設定時に格納したメモ帳データである。また、図6(b)のデータフォルダ一覧表示画面で、画像のサムネイルと音声データを示すアイコンが表示されている場合、サムネイルまたはアイコンの左端にマーカーがついているデータが、ロック設定時に格納したデータである。
【0040】
また、アプリケーション設定機能107で設定するアプリケーションは、上述したメモ帳、撮影用アプリケーション、ボイスレコーダ用アプリケーションの他に、通信機能を必要とせずセキュリティ機能を維持できるアプリケーション、例えば、名刺リーダ、電卓、電子辞書、ルーペ等の各アプリケーションを設定してもよい。
【0041】
以上より本発明の実施形態によれば、携帯端末1がロック機能101によりロック設定している場合に、メモキー押下等特定の単純な操作により、アプリケーション設定機能107で設定した、ロック設定中に起動可能なアプリケーションを起動することが出来る。よって、ロック設定中に起動可能なアプリケーションに、例えばメモ帳、カメラ撮影、録音を設定した場合、携帯端末がロック設定されていても、例えばすぐにメモを取りたい時に、メモ帳をすぐに起動することができ、煩雑なロック解除操作やメモの取り忘れを防ぐことが出来る。また、ロック設定中に起動したアプリケーションの機能に制限を持たせることで、セキュリティ機能を極力維持することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1…携帯端末、10…制御部、11…電源回路部、12…表示部、13…操作部、14…音声制御部、15…無線通信部、16…記憶部、17…情報記憶媒体、18…撮像部、21…辞書データベース、22…データフォルダ、23…バックアップフォルダ、101…ロック機能、103…アプリケーション起動機能、105…通知機能、107…アプリケーション設定機能、109…予測変換機能、211…固定辞書、212…ユーザ辞書。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力を行う操作部と、
複数のアプリケーションを格納するアプリケーション記憶部と、
前記操作部での、所定の操作以外の操作を無効にし、アプリケーションの動作をロック状態にする操作ロック部と、
前記操作ロック部でのロック状態時に起動可能であり、前記アプリケーション記憶部に格納される特定のアプリケーションを設定するアプリケーション設定部と、
前記操作部の所定の操作により、前記アプリケーション設定部で設定した前記特定のアプリケーションを起動するアプリケーション起動部と、
前記アプリケーション起動部で起動した、前記特定のアプリケーション上で入力されたデータを表示する表示部と、
前記表示部に表示されたデータを格納するデータ記憶部と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記表示部は、前記操作ロック部でのロック状態時に、前記アプリケーション設定部で設定した複数の特定のアプリケーションの一覧を表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記アプリケーション設定部で設定する特定のアプリケーションは、少なくともメモ機能、カメラ機能、ボイスレコーダ機能のいずれかである、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
前記アプリケーション起動部は、前記操作ロック部でのロック状態時に、前記アプリケーション設定部で設定した特定のアプリケーションの機能の一部のみ起動する、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項5】
他の機器との通信を行う通信部をさらに有し、
前記操作ロック部でのロック状態時において、前記アプリケーション起動部で特定のアプリケーションが起動中に前記通信部での電話着信があった場合、前記特定のアプリケーションの起動を終了する、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項6】
前記データ記憶部は、前記操作ロック部でのロック状態時に前記特定のアプリケーションを起動して入力したデータについて、ロック状態時の入力データである旨の情報を添付して格納する、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項7】
前記操作ロック部でのロック状態時に、前記データ記憶部の空き容量が無い場合、前記表示部は空き容量の無い旨を通知する表示を行う、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−60200(P2012−60200A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198218(P2010−198218)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】