説明

携帯端末

【課題】製造コストを低減できるとともに筐体を薄型化できる携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末10は、筐体11に収容される回路基板15と、回路基板15に実装される第1電子部品17と、回路基板15に実装されて第1電子部品17よりも高い第2電子部品18と、第1電子部品17および第2電子部品18を覆う被覆部材21とを備えている。被覆部材21は、第1電子部品17を被覆可能な第1被覆部22と、第1被覆部22の第1天板44に設けられて第2電子部品18の頂部18Aが突出する開口45と、第1被覆部22の裏側22Aから開口45に挿入されて第2電子部品18を被覆可能な第2被覆部23とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に回路基板が収容され、回路基板に高さの異なる第1電子部品および第2電子部品が実装され、各電子部品が被覆部材で覆われた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、回路基板の実装面に実装された電子部品をノイズ等による影響を防ぐために電子部品が被覆部材で被覆されている。この被覆部材のなかには、天板にプレス加工等で凸部が形成され、天板の一部を他の部位に比して実装面から高い位置に配置したものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この被覆部材を用いることにより、実装面からの頂部位置が異なる電子部品でも、各電子部品の頂部に沿って天板を配置した状態で各電子部品を一括して被覆できる。
よって、被覆部材の高さを各電子部品の頂部に合わせることができるので、各電子部品を収容する筐体を薄型化が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−236045号公報(段落0010第9行〜第15行、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば、携帯端末の筐体内に収容されている各電子部品は、電子部品の頂部位置の高低差が一定以上である場合がある。
しかしながら、各電子部品の頂部位置の高低差が一定以上である場合、天板に凸部を有する被覆部材を絞り加工で対応することが絞り加工上の制約により難しく、溶接で対応しようとすると加工コストが高くなり、また天板の厚みを厚くする必要も発生し筐体の薄型化の妨げとなる。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、製造コストを低減できるとともに筐体を薄型化できる携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末は、筐体と、前記筐体に収容される回路基板と、前記回路基板に実装される第1電子部品と、前記回路基板に実装され、前記第1電子部品の頂部よりも高い位置に頂部が位置する第2電子部品と、前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆う被覆部材と、を備え、前記被覆部材は、前記第1電子部品の前記頂部を被覆可能な第1被覆部と、前記第1被覆部の天板に設けられ、前記第2電子部品の前記頂部が突出する開口と、前記第1被覆部の裏側から前記開口に挿入され、前記第2電子部品の前記頂部を被覆可能な第2被覆部とを有する。
【0008】
被覆部材として第1被覆部および第2被覆部を備えた。そして、第1被覆部の天板に開口を設け、第1被覆部の裏側から開口に第2被覆部を挿入可能とした。
よって、第1電子部品の頂部を第1被覆部で被覆可能とし、かつ、第1電子部品よりも高い第2電子部品の頂部を第2被覆部で被覆可能とした。
【0009】
第1被覆部および第2被覆部は各々の簡素な構成なので第1被覆部および第2被覆部を簡単に製造できる。
このように、被覆部材を第1被覆部および第2被覆部で構成することにより、絞り加工、溶接加工等に拠らず、頂部位置が異なる第1電子部品、第2電子部品を被覆できるため、従来に比較して製造コストを低減できるとともに筐体を薄型化できる。
【0010】
さらに、第1被覆部の裏側から開口に挿入されて第2被覆部が取り付けられる。
これにより、例えば、第2被覆部に鍔部等を設けたり、あるいは第2被覆部を先端から基端に向かって末広がりに形成することにより、第2被覆部が第1被覆部の開口から脱落する可能性を低く抑えることができる。
【0011】
また、本発明の携帯端末は、前記開口の縁部に沿って設けられたリブと、前記第2被覆部の壁部に設けられ、前記第1被覆部の裏面に対面する鍔部と、前記第2被覆部の壁部に設けられ、前記リブに係合する爪部とを有する。
【0012】
開口の縁部に沿ってリブを設け、第2被覆部の壁部に鍔部および爪部を設けた。そして、鍔部を第1被覆部の裏面に対面させ、かつ、爪部をリブに係合させるようにした。
このように、第2被覆部に鍔部や爪部を設け、第1被覆部の開口(縁部)にリブを設けるだけの簡単な構成で、第1被覆部に第2被覆部を確実に係合でき、第2被覆部が開口から抜け出すことを防止できる。
【0013】
さらに、本発明の携帯端末は、前記筐体の内外を連通する連通孔と、前記回路基板に実装され、前記筐体の外側から前記連通孔を通して接続可能な接続部材と、前記第1被覆部の内側に配置されるインナーフレームとを有し、前記接続部材に隣接する位置において、前記第1被覆部の壁部スリットと、前記インナーフレームの壁部スリットとが異なる位置に設けられている。
【0014】
筐体の外側から連通孔を経て接続可能な接続部材を回路基板に実装した。また、接続部材に隣接する位置において、インナーフレームの壁部スリットに対して第1被覆部の壁部スリットを異なる位置に設けた。
【0015】
よって、第1被覆部の壁部スリットにインナーフレームの壁部を重ね合わせることができる。
これにより、筐体の外側から連通孔を通じて筐体の内部を目視した際に、連通孔を通じてインナーフレーム内部の電子部品を目視することを防ぎ、また、インナーフレームの内部に塵埃等が侵入し難くできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の携帯端末によれば、第1被覆部の天板に開口を設け、第1被覆部の裏側から開口に第2被覆部を挿入可能とし、第1電子部品よりも高い第2電子部品の頂部を第2被覆部で被覆可能とすることにより、被覆部材の製造コストを低減できるとともに筐体を薄型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る携帯端末を示す分解斜視図
【図2】図1のI部拡大図
【図3】図1に示す回路基板から被覆部材を分解した状態を示す分解斜視図
【図4】図1のII−II線断面図
【図5】図3のIII部拡大図
【図6】図3の被覆部材を第1被覆部および第2被覆部に分解した状態を示す分解斜視図
【図7】図5のIV−IV線断面図
【図8】図7のV部拡大図
【図9】本発明に係る第1被覆部に第2被覆部を係合する例を説明する断面図
【図10】図2のVI矢視図
【図11】本発明に係る携帯端末の変形例1を示す断面図
【図12】本発明に係る携帯端末の変形例2を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る携帯端末について図面を参照して説明する。
【0019】
図1、図2に示すように、携帯端末10は、筐体11と、筐体11に収容される回路基板15と、回路基板15に実装される第1電子部品17および第2電子部品18とを備えている。
さらに、携帯端末10は、第1電子部品17および第2電子部品18を囲うインナーフレーム20(図3も参照)と、第1電子部品17および第2電子部品18を覆う被覆部材21と、被覆部材21に隣接して設けられた接続部材24とを備えている。
【0020】
筐体11は、ケース12の開口にカバー13が取り付けられることにより略矩形体状に形成されている。
カバー13の表面(すなわち、筐体11の表面)11Aに表示部26が設けられている。さらに、表示部26の上部に受信用のレシーバ音孔27が設けられ、表示部26の下辺側に操作用のキー28が設けられ、キー28に隣接してマイクロフォン音孔29が設けられている。
【0021】
ケース12は、下半部12Aに電池収容部32が略矩形状に形成され、上部12Bにカメラ用のレンズ33が設けられ、接続部材24に対峙する壁部12Cに連通孔35が形成され、連通孔35が蓋部材36で覆われている。
【0022】
連通孔35は、筐体11の内外を連通する孔であって、接続部材24の端子差込口24Aに対向する位置に開口されている。
この連通孔35を塞ぐ蓋部材36には防水性を確保するためにOリングが設けられ、Oリングに対応して連通孔35が大きく形成されている。連通孔35から蓋部材36を外すことにより連通孔35が開口される。
【0023】
図3に示すように、回路基板15は、略矩形状に形成された板状の部材であって、筐体11(図1参照)の内部に収容されている。
回路基板15の実装面15Aに、第1電子部品17および第2電子部品18が実装され、さらにインナーフレーム20が設けられている。
回路基板15の実装面15Aは、カバー13(図1参照)側に位置する面である。
【0024】
図4に示すように、第1電子部品17は、高さ寸法が小さな部品であり、頂部17Aが実装面15Aに対して近い位置に位置している。
第2電子部品18は、高さ寸法が大きな部品であり、頂部18Aが第1電子部品17の頂部17Aよりも高い位置に位置している。
【0025】
図3、図5に示すように、第1電子部品17および第2電子部品18はインナーフレーム20で囲われている。
インナーフレーム20は、回路基板15の周縁15Bに沿って設けられたインナー壁部41を有し、被覆部材21(第1被覆部22)の内側に設けられている。
第1被覆部22の内部に配置された状態で、インナー壁部41が第1被覆部22の第1壁部46の内側に沿って配置されている(図4も参照)。
【0026】
インナー壁部41は、角部(すなわち、インナー壁部41の交差部)42に壁部スリット43が形成されている。インナー壁部41の角部42に壁部スリット43を形成することにより、インナー壁部41を容易に形成することが可能である。
【0027】
インナーフレーム20に隣接して接続部材24が設けられている。
接続部材24は、回路基板15の実装面15Aのうち、角部15Cに実装されることにより連通孔35に対向して設けられている。
よって、筐体11の外側から連通孔35を経て接続部材24の端子差込口24Aに外部端子を差し込むことにより接続部材24に外部端子を接続できる。
【0028】
インナーフレーム20、第1電子部品17および第2電子部品18が被覆部材21で覆われている。
図3、図6に示すように、被覆部材21は、第1電子部品17の頂部17Aを被覆可能な第1被覆部22と、第1被覆部22の第1天板(天板)44に設けられた開口45とを備えている。
さらに、被覆部材21は、第1被覆部22の裏側22A(図4参照)から開口45に挿入可能な第2被覆部23を備えている。
【0029】
第1被覆部22は、第1電子部品17の頂部17Aを被覆可能な第1天板44と、第1天板44の周縁44Aから下方に折り曲げられた第1壁部46とを有する。
第1壁部46は、角部(すなわち、第1壁部46の交差部)47に壁部スリット48が形成されている。第1壁部46の角部47に壁部スリット48を形成することにより、第1壁部46を容易に形成することが可能である。
【0030】
図4に示すように、第1壁部46に係止孔46Aが設けられ、インナー壁部41に係止凸部41Aが設けられている。
インナー壁部41の係止凸部41Aに第1壁部46の係止孔46Aが係止されることにより、インナー壁部41に第1壁部46が係止されている。
【0031】
図4、図6に示すように、第1被覆部22の開口45は、第2電子部品18の頂部18Aが突出可能に略矩形状に形成されている。この開口45の縁部45Aに沿ってリブ49が設けられている。
リブ49は、開口45の縁部45Aから上方に立ち上げられことにより、第1被覆部22の第1天板44に対して直交するように設けられている。
【0032】
図7、図8に示すように、第2被覆部23は、第2電子部品18の頂部18Aを被覆可能な第2天板51と、第2天板51の周縁51Aから下方に折り曲げられた第2壁部(壁部)52とを有する。
さらに、第2被覆部23は、第2壁部52に設けられて第1天板44の裏面44Bに対面する鍔部53と、第2壁部52に設けられてリブ49に係合可能な爪部54とを有する。
【0033】
鍔部53は、第2壁部52の下端部52Aから外方に向けて、第1天板44の裏面44Bに沿って張り出されている。
爪部54は、第2壁部52の上端部52Bから外方に向けて傾斜状に張り出され、上端部52Bを支点にして矢印方向に弾性変形可能に形成されている。
爪部54が傾斜状に張り出されることにより、爪部54の下端部54Aがリブ49の上端部49Aに係合(当接)されている。
【0034】
次に、第1被覆部22に第2被覆部23を係合させる例を図9に基づいて説明する。
図9(A)に示すように、第1被覆部22の裏側22A(図4参照)から開口45に向けて第2被覆部23を矢印A方向に挿入する。
第2被覆部23の爪部54がリブ49に当接して矢印B方向(すなわち、内側)に弾性変形する。
【0035】
図9(B)に示すように、第2被覆部23を矢印A方向(図9(A)参照)に継続して移動することにより爪部54がリブ49を乗り越える。爪部54がリブ49を乗り越えることにより、爪部54が矢印C方向(すなわち、外側)に復元する。
【0036】
爪部54が外側に復元することにより、爪部54の下端部54Aがリブ49の上端部49Aに係合(当接)する。
この状態で、鍔部53が第1天板44の裏面44Bに対面されている。
これにより、第1被覆部22に第2被覆部23が確実に係合され、第2被覆部23が開口45から抜け出すことを防止できる。
【0037】
このように、第2被覆部23に鍔部53や爪部54を設け、第1被覆部22の開口45にリブ49を設けるだけの簡単な構成で、第1被覆部22に第2被覆部23を確実に係合でき、第2被覆部23が開口45から抜け出すことを防止できる。
【0038】
図4に示すように、第1被覆部22に第2被覆部23を係合させた状態において、第1被覆部22の第1天板44より高い位置に第2被覆部23の第2天板51が配置されている。
よって、第1被覆部22に第2被覆部23を係合することにより第2電子部品18を覆うことができる。
【0039】
ここで、第2電子部品18は、頂部18Aが第1電子部品17の頂部17Aよりも高い位置に位置している。
すなわち、第1被覆部22に第2被覆部23を係合することにより、第1電子部品17の頂部17Aよりも高い第2電子部品18を覆うことができる。
【0040】
以上説明したように、被覆部材21として第1被覆部22および第2被覆部23を備え、第1被覆部22の第1天板44に開口45を設け、第1被覆部22の裏側22Aから開口45に第2被覆部23を挿入可能とした。
【0041】
開口45に第2被覆部23を挿入することにより、第2被覆部23を第1被覆部22に係合させることができる。
第2被覆部23を第1被覆部22に係合させることにより、第1電子部品17の頂部17Aを第1被覆部22で被覆でき、かつ、第1電子部品17よりも高い第2電子部品18の頂部18Aを第2被覆部23で被覆できる。
【0042】
ここで、第1電子部品17および第2電子部品18のなかには、高低差が一定以上であることが考えられる。
この場合でも、第2被覆部23を第1被覆部22に係合させる構成を採用することにより、高低差が一定以上ある第1電子部品17および第2電子部品18を第2被覆部23で被覆できる。
【0043】
さらに、第1被覆部22および第2被覆部23は各々の簡素な構成なので第1被覆部22および第2被覆部23を簡単に製造できる。
このように、被覆部材21を第1被覆部22および第2被覆部23で構成することにより、絞り加工、溶接加工等に拠らず、各頂部17A,18Aの位置が異なる第1電子部品17、第2電子部品18を被覆できる。これにより、被覆部材21を従来に比較して製造コストを低減できるとともに筐体を薄型化できる。
【0044】
加えて、第1被覆部22の裏側22Aから開口45に挿入されて第2被覆部23が取り付けられる。
これにより、例えば、第2被覆部23に鍔部53を設けることにより、第2被覆部23が第1被覆部22の開口45から脱落する可能性を低く抑えることができる。
【0045】
次に、連通孔35とインナー壁部41および第1壁部46との関係を図5、図10に基づいて説明する。
図5、図10に示すように、インナーフレーム20は、角部(すなわち、インナー壁部41の交差部)42に壁部スリット43が形成されている。
一方、第1被覆部22の角部(すなわち、第1壁部46の交差部)47にも壁部スリット48が形成されている。
【0046】
以下、インナーフレーム20の角部42および壁部スリット43のうち接続部材24に隣接する角部および壁部スリットを、角部42Aおよび壁部スリット43Aとして説明する。
また、第1被覆部22の角部47および壁部スリット48のうち接続部材24に隣接する角部および壁部スリットを、角部47Aおよび壁部スリット48Aとして説明する。
【0047】
壁部スリット43Aの他の壁部スリット43は、壁部スリット48Aの他の壁部スリット48に重なり合うように設けられる。
【0048】
これに対して、インナーフレーム20の角部42Aに傾斜壁部41Bを形成した。
これにより、筐体11の外部から連通孔35を経てインナーフレーム20の角部42Aに向かう視線60を傾斜壁部41Bで遮ることができる。
【0049】
さらに、第1被覆部22の角部47Aに傾斜壁部41Bに対応させて壁部スリット48Aを形成するようにした。
これにより、第1被覆部22の壁部スリット48Aがインナーフレーム20の壁部スリット43Aに対して異なる位置に設けられている。
具体的には、第1被覆部22の壁部スリット48Aの両側にインナーフレーム20の壁部スリット43Aが設けられている。
【0050】
よって、第1被覆部22の壁部スリット48Aにインナー壁部41の傾斜壁部41Bが重ね合わされている。また、インナーフレーム20の壁部スリット43Aに第1被覆部22の第1壁部46が重ね合わされている。
さらに、第1被覆部22の壁部スリット48Aと、インナーフレーム20の壁部スリット43Aとを結ぶ延長線62が接続部材24や筐体11の壁部12Cに遮られている。
【0051】
すなわち、延長線62は、連通孔35を通じて筐体11の内外に連通しない位置に配置されている。
これにより、筐体11の外側から連通孔35を通じて筐体11の内部を目視した際に、連通孔35を通じてインナーフレーム20内部の第1電子部品17や第2電子部品18が目視されることを防ぐことができる。
また、インナーフレーム20の内部に壁部スリット48Aや壁部スリット43Aを経て塵埃等が侵入し難くできる。
【0052】
次に、変形例1および変形例2の被覆部材70,80を図11、図12に基づいて説明する。
なお、変形例1および変形例2において実施形態の被覆部材21と同一類似の構成部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0053】
(変形例1)
図11に示す変形例1の被覆部材70は、実施形態の第1被覆部22および第2被覆部23に代えて第1被覆部72および第2被覆部73を備えている。
【0054】
第1被覆部72は、実施形態の第1被覆部22(具体的には、開口45の縁部45A)からリブ49を除去したもので、その他の構成は実施形態の第1被覆部22と同様である。
また、第2被覆部73は、第2壁部74を先端74Aから基端74Bまで末広がりに形成したもので、その他の構成は実施形態の第2被覆部23と同様である。
【0055】
第2壁部74を末広がりに形成することにより、開口45に第2被覆部73を第1被覆部72の裏側から挿入して第2壁部74を開口45の縁部45Aに係合させることができる。
さらに、第2壁部74を末広がりに形成することにより、基端74Bを開口45より大きくできるので、第2被覆部73が開口45から脱落する可能性を低く抑えることができる。
【0056】
すなわち、変形例1の被覆部材70によれば、実施形態の第2被覆部23で必要とした鍔部53を不要にできる。さらに、第1被覆部72の開口45にリブ49を設ける必要がない。
このように、変形例1の被覆部材70を用いることにより、第2被覆部73から鍔部53を不要にでき、かつ、第1被覆部72の開口45からリブ49を不要にできるので被覆部材70の構成を一層簡単にできる。
【0057】
(変形例2)
図12に示す変形例2の被覆部材80は、実施形態の第1被覆部22および第2被覆部23に代えて第1被覆部82および第2被覆部83を備えている。
【0058】
第1被覆部82は、開口45(縁部45A)のリブ84を開口45の中央に向けて上向きに傾けたもので、その他の構成は実施形態の第1被覆部22と同様である。
また、第2被覆部83は、第2壁部85から爪部54を除去したもので、その他の構成は実施形態の第2被覆部23と同様である。
【0059】
開口45から張り出したリブ84を傾けることにより、開口45に第2被覆部83を第1被覆部82の裏側から挿入して第2壁部85をリブ84の先端84Aに係合させることができる。
また、この状態で、実施形態の被覆部材21と同様に、鍔部53が第1天板44の裏面44Bに対面されている。
これにより、第1被覆部82に第2被覆部83が確実に係合され、第2被覆部83が開口45から抜け出すことを防止できる。
【0060】
すなわち、変形例2の被覆部材80によれば、実施形態の第2被覆部23で必要とした爪部54を不要にできる。
このように、変形例2の被覆部材80を用いることにより、第2被覆部83から爪部54を不要にできるので被覆部材80の構成を一層簡単にできる。
【0061】
なお、本発明に係る携帯端末は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、実施形態では、本発明を頂部17A,18Aの位置が異なる第1電子部品17の頂部17Aおよび第2電子部品18に適用した例について説明したが、これに限らないで、頂部の位置が同じ電子部品に本発明を適用することも可能である。
【0062】
また、実施形態で使用した携帯端末、筐体、回路基板、第1電子部品、第2電子部品、インナーフレーム、被覆部材、接続部材、リブ、鍔部および爪部等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、筐体に回路基板が収容され、回路基板に高さの異なる電子部品が実装され、電子部品が被覆部材で覆われた携帯端末への適用に好適である。
【符号の説明】
【0064】
10 携帯端末
11 筐体
15 回路基板
17 第1電子部品
17A 第1電子部品の頂部
18 第2電子部品
18A 第2電子部品の頂部
20 インナーフレーム
21 被覆部材
22,72,82 第1被覆部
22A 第1被覆部の裏側
23,73,83 第2被覆部
24 接続部材
35 連通孔
43,43A インナーフレームの壁部スリット
44 第1天板(天板)
44B 第1天板の裏面
45 開口
45A 開口の縁部
48,48A 第1被覆部の壁部スリット
49,84 リブ
52 第2壁部(第2被覆部の壁部)
53 鍔部
54 爪部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容される回路基板と、
前記回路基板に実装される第1電子部品と、
前記回路基板に実装され、前記第1電子部品の頂部よりも高い位置に頂部が位置する第2電子部品と、
前記第1電子部品および前記第2電子部品を覆う被覆部材と、を備え、
前記被覆部材は、
前記第1電子部品の前記頂部を被覆可能な第1被覆部と、
前記第1被覆部の天板に設けられ、前記第2電子部品の前記頂部が突出する開口と、
前記第1被覆部の裏側から前記開口に挿入され、前記第2電子部品の前記頂部を被覆可能な第2被覆部とを有する携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載した携帯端末において、
前記開口の縁部に沿って設けられたリブと、
前記第2被覆部の壁部に設けられ、前記第1被覆部の裏面に対面する鍔部と、
前記第2被覆部の壁部に設けられ、前記リブに係合する爪部とを有する携帯端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した携帯端末において、
前記筐体の内外を連通する連通孔と、
前記回路基板に実装され、前記筐体の外側から前記連通孔を通して接続可能な接続部材と、
前記第1被覆部の内側に配置されるインナーフレームとを有し、
前記接続部材に隣接する位置において、前記第1被覆部の壁部スリットと、前記インナーフレームの壁部スリットとが異なる位置に設けられている携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−102084(P2013−102084A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245580(P2011−245580)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】