説明

携帯装置及びその電源制御方法,プログラム

【課題】電源であるバッテリの充電残量が少なくなっても、指定された時刻に必ずアラームを作動し得る携帯電話機及びその電源制御方法,プログラムを提供する。
【解決手段】現時刻を計時する計時部1と、この計時部に計時された現時刻が予め設定された指定時刻になった時にアラームを発するスケジュールアラーム部2と、電源として機能する電池5と、この電池の充電残量をモニタする電池残量モニタ部6と、このモニタされた充電残量と予め設定された下限閾値とを比較し当該充電残量が当該下限閾値を下回った時に電源をオフにする電源制御部7とを備え、充電残量の下限閾値を、スケジュールアラーム部2が起動するのに必要な電力量に設定し、電源制御部7は、電源オフ状態で現時刻が前記アラーム時刻になると前記電源をオンに切り替えてスケジュールアラーム部2を起動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定された時刻になるとアラームを発する携帯装置及びその電源制御方法,プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、通話機能だけでなく様々な機能を有するのが一般的となっており、特に、設定された時刻になるとアラームが鳴動するスケジュールアラーム機能は、ユーザにとって利便性の高い機能として知られている。
【0003】
この携帯電話機におけるスケジュールアラーム機能は、目覚まし時計として利用されるなど、指定された時刻をユーザに知らせる機能として大変便利なものである。
【0004】
しかし、携帯電話機は、本来の機能である通話機能とアラーム機能のほかにも、TV電話機能や、デジタルテレビ機能、ミュージックプレイヤー機能、RFID機能等を備えるなど、多機能化が進んでおり、これに伴う消費電力の増大によって、電池が容量不足になるまでの時間が短くなってしまい、ユーザの予想より早い時点で電池の充電残量が無くなることがあった。
【0005】
そのため、ユーザの認識が無いまま自動的に電源をオフしてしまうことがあり、スケジュールアラームをオンに設定しているにも関わらず、スケジュールアラームが設定時刻に鳴動しないという事態が発生してしまうと問題があった。
【0006】
これに対し、関連する技術が特許文献1及び2に開示されている。特許文献1には、携帯電話が稼働できないレベルにまで電池の容量が減る前に、電源をオフする電源制御装置が開示されている。これによって、緊急時にユーザの操作に応じて再度電源をオンすることが可能となり、最低限の通話を行うことができた。
【0007】
特許文献2には、稼働できないレベルにまで電池の容量が減ると、アラーム制限をユーザに通知してから、ほとんどの機能を制限するモードに変更する携帯型電子機器が開示されている。これにより、ユーザが気づかないうちに、スケジュールアラームが稼働しなくなるのを防止していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−15633号公報
【特許文献2】特開2008−42355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述した特許文献1に開示された関連技術では、電源がオフになっている状態では、スケジュールアラームがセットされていてもアラームは起動しないので、ユーザが電源オフになったことに気づかなかった場合に、鳴るはずのアラームが鳴動せず、指定の時刻をユーザに知らせることができないという問題があった。これでは、例えば、ユーザの就寝中にバッテリ切れで電源オフとなってしまい目覚しアラームが指定時刻に鳴動しないという事態などが起こり得るので、利便性が損なわれていた。
【0010】
また、特許文献2に開示された関連技術では、アラームがセットされている場合に、電池の容量がなくなると、その旨を通知した後に省電力モードへ切り替わるが、ユーザが通知に気づかなかった場合は、電池は充電されずアラームが制限されたまま、アラーム時刻になってしまい、アラームが鳴動しないという問題があった。これでは、例えば、ユーザの就寝中にバッテリ切れになった場合は、指定された時刻になる前にユーザを起こしてしまう可能性があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記関連技術の課題を解決し、電源であるバッテリの充電残量が少なくなっても、指定された時刻に必ずアラームを作動し得る携帯電話機及びその電源制御方法,プログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の携帯装置は、時刻を計時する計時部と、この計時部に計時された現時刻が予め設定されたアラーム時刻になった時にアラーム音を発するスケジュールアラーム部と、このスケジュールアラーム部の動作用電源として機能する電池と、を備えた携帯装置であって、前記電池の充電残量を監視する電池残量モニタ部と、この監視された充電残量と予め設定された下限閾値とを比較して当該充電残量が当該下限閾値以下になったときに前記動作用電源オフに切り替える電源制御部とを備え、
前記電源制御部の下限閾値を、前記スケジュールアラーム部が起動するのに必要な電力量に設定すると共に、前記電源制御部は、前記動作用電源がオフ状態で現時刻が前記アラーム時刻になると前記動作用電源をオンに切り替える機能を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電源制御方法は、時刻を計時する計時部と、この計時部に計時された現時刻が予め設定されたアラーム時刻になった時にアラーム音を発するスケジュールアラーム部と、このスケジュールアラーム部の動作用電源として機能する電池と、この電池の充電残量を監視する電池残量モニタ部と、前記動作用電源のオン/オフを切り替え制御する電源制御部と、を備えた携帯装置にあって、前記電池の充電残量と、前記スケジュールアラーム部が起動するのに必要な電力量として予め設定された下限閾値とを、比較し、前記電池の充電残量が前記下限閾値以下になったときに前記動作用電源をオフにし、前記動作用電源がオフ状態のまま現時刻が前記アラーム時刻になると当該動作用電源をオンにすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電源制御用プログラムは、時刻を計時する計時部と、この計時部に計時された現時刻が予め設定されたアラーム時刻になった時にアラーム音を発するスケジュールアラーム部と、このスケジュールアラーム部の動作用電源として機能する電池と、この電池の充電残量を監視する電池残量モニタ部と、を備えた携帯装置にあって、前記電池残量モニタ部に監視された電池の充電残量と、前記スケジュールアラーム部を起動するのに必要な電力量として予め設定された下限閾値とを比較する充電残量点検機能と、この比較結果に基づいて前記電池の充電残量が前記下限閾値以下になったときに前記動作用電源をオフに切り替える自動電源オフ機能と、前記動作用電源がオフ状態で前記計時部に計時された現時刻が前記アラーム時刻になると当該動作用電源をオンに切り替える自動電源オン機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように、電池の充電残量が少なくなると、アラームの作動に必要な分の電池容量を残して電源をオフし、アラーム時刻になると自動的に電源をオンにしてアラームを発するので、電源である電池の充電残量が少なくなってきても、指定された時刻には確実にアラームを発することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる一実施形態の携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に開示した実施形態の携帯電話機の外観図である。
【図3】図1に開示した実施形態の携帯電話機の表示画面の一例である。
【図4】(a)図1に開示した実施形態における電池残量テーブルの一例を示す図である。(b)図1に開示した実施形態における電池残量テーブルに記録された各閾値の大小関係を示す説明図である。
【図5】図1に開示した実施形態の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図6】図1に開示した実施形態の携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明にかかる一実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態の携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。図2は、本実施形態の携帯電話機の外観図である。図1に示すように、本実施形態の携帯電話機は、現時刻を計時する計時部1と、この計時部1に計時された現時刻が予め設定されたアラーム時刻になった時にアラーム音を発するスケジュールアラーム部2と、スケジュールアラーム部2のオン/オフをユーザの操作入力に応じて切り換え設定するアラーム動作設定部4とを備えている。
【0019】
また、本実施形態の携帯電話機は、電源として機能する電池5と、電源オン/オフの切り換えを行う電源スイッチ部17と、電池5の充電残量をモニタする電池残量モニタ部6と、電源スイッチ部17の切換動作を制御する電源制御部7とを備えている。電源制御部7は、電池残量モニタ部6にモニタされた電池5の充電残量と予め設定された下限閾値とを比較して当該充電残量が当該下限閾値以下になったときに電源スイッチ部17を制御して電源オフに切り替える機能を備えている。さらに、電源制御部7は、電源オフの状態でスケジュールアラーム部2がオンに設定されている場合、現時刻がアラーム指定時刻になると電源オンに切り換える機能を備えている。電源スイッチ部17が電源オフに切り替えた場合は、電源制御部7が現時刻を継続的に監視するための待機電力を消費するスリープモードに移行する。
【0020】
また、本実施形態の携帯電話機は、画像を表示する表示部8と、アンテナ10で電波を送受信して無線通信を行う無線部9と、無線部9に受信された音声信号を通話用スピーカ12へ音声出力すると共にマイク13からの音声信号を無線部9へ送出する音声処理部11と、ユーザの操作を受け付けて情報を入力する情報入力部14と、当該装置全体を制御する主制御部15と、電話帳データや設定されたアラーム時刻,スケジュールアラーム部2のオン/オフ設定などの各種情報を記憶する情報記憶部16とを備えている。
【0021】
本実施形態の携帯電話機においては、通信を行う場合、情報入力部14から主制御部15へ命令が伝達され、無線部9、アンテナ10を介して通信が行われる。ここで、図3に、表示部8の画面に表示される画像の一例を示す。図3に示す画面には、電池5の残量を段階的なレベルで示す電池アイコン31と、アンテナ10で受信した電波のレベルを示すアンテナアイコン32と、計時部1で計時された現時刻33と、スケジュールアラーム部2からのアラームを示す警告文34とが表示されている。
【0022】
計時部1は、計時動作を行って現時刻を求める機能を備え、計時回路とその回路を動作させるための内蔵電池とで構成されており、電源スイッチ部17がオン状態のときは電池5から電力の供給を受け、電源スイッチ部17がオフ状態のときは、内蔵電池からの電力供給で作動する。
【0023】
スケジュールアラーム部2は、予め設定されたアラーム時刻になるとアラーム信号を発信するアラーム部2aと、アラーム部2aからのアラーム信号に応じてアラーム音を発するアラーム用スピーカ2bとを備えている。アラーム部2aは、情報入力部14からの入力情報に従って設定され情報記憶部16に記憶されたアラーム時刻と計時部1からの現時刻とを照合し、両時刻が合致した時点にアラーム信号をアラーム用スピーカ2bへ出力する機能を備えている。
【0024】
また、アラーム部2aは、電源制御部7から電池5の残量が下限閾値以下になったことの通知を受けると充電要求用のアラーム信号を発する機能を備えている。ここで、スケジュールアラーム部2は、アラーム信号に応じてアラーム音を出力するアラーム用スピーカ2bに代えて、アラーム信号に応じて点滅または点灯する発光素子や、アラーム信号に応じて動作するバイブレーション用モータなどを備えた構成であってもよい。
【0025】
アラーム動作設定部4は、情報入力部14からの入力情報に従ってスケジュールアラーム部2のオン/オフを設定制御する機能を備えている。オンに設定した場合は、スケジュールアラーム部2は作動状態となり、オフに設定した場合は、スケジュールアラーム部2は停止状態となる。ここで、このスケジュールアラーム部2のオン/オフ設定を示す情報をスケジュールアラーム設定情報として情報記憶部16に記憶させる。
【0026】
電池残量モニタ部6は、電池5の充電容量の残量を定期的又はランダムな時間間隔で順次モニタして電源制御部7へ送る機能を備えている。例えば、電池5の出力電圧を順次測定し、この電圧値に基づいて電池5の充電残量を計算する。
【0027】
電源制御部7は、情報入力部14に対するユーザの操作に応じて電源をオン又はオフする機能を備えている。また、本実施形態の電源制御部7は、電池残量モニタ部6にモニタされた電池5の充電残量と、前述した下限閾値が記録された電池残量テーブルとを比較して、電池5の充電残量が下限閾値以下になったときに電源をオフする機能を備えている。
【0028】
ここで、電池残量テーブルは、予め設定された電池容量の下限閾値とこの下限閾値よりも大きい値の閾値とが記録されたテーブルであり、本実施形態では、スケジュールアラーム部2がアラームを作動するのに必要な電力量を下限閾値(第1の下限閾値)としているアラーム優先電池テーブルと、携帯電話機の動作が継続できない電力量を下限閾値(第2の下限閾値)としている通常電池テーブルとの2種類の電池残量テーブルが設定されている。
【0029】
このアラーム優先電池テーブル及び通常電池テーブルは、情報記憶部16に記憶されており、図4(a)は、アラーム優先電池テーブル及び通常電池テーブルの一例を示す図である。図4(b)は、図4(a)に示すアラーム優先電池テーブル及び通常電池テーブルにおける各閾値の大小関係を表す説明図である。
【0030】
図4(a)に示す通常電池テーブル及びアラーム優先電池テーブルそれぞれは、下限閾値と閾値(大)と閾値(中)が記録されている。アラーム優先電池テーブルは、閾値(大)が「Va」、閾値(中)が「Vb」、下限閾値が「Vc」であり、通常電池テーブルは、閾値(大)が「Va」、閾値(中)が「Vb」、下限閾値が「Vd」である。図4(b)に示すように、これらVa,Vb,Vc,Vdそれぞれは、Va>Vb>Vc>Vdが成り立つ値であり、「Vc」は、スケジュールアラーム部2が起動するのに必要な最低限の電力量を示す値である。
【0031】
電源制御部7は、アラーム動作設定部4によるスケジュールアラーム部2のオン/オフ設定に応じて、参照する電池残量テーブルを切り換える機能を備えており、スケジュールアラーム部2がオンに設定されている場合には、電池5の充電残量をアラーム優先電池テーブルと比較し、スケジュールアラーム部2がオフに設定されている場合には、充電残量を通常電池テーブルと比較する。
【0032】
これにより、スケジュールアラーム部2がオンになっている場合は、電池5の残量がアラーム優先電池テーブルに記録された下限閾値にまで減った時に電源をオフするので、スケジュールアラーム部2の起動に必要な電力容量を残して電源をオフすることができる。また、スケジュールアラーム部2がオフになっている場合は、電池5の残量が通常電池テーブルに記録された下限閾値にまで減った時に電源をオフするので、電池5の充電容量を限界まで消費してから電源をオフすることができる。
【0033】
また、電源制御部7は、電池5の充電残量が下限閾値になった時にスケジュールアラーム部2へ通知を送り、この時から予め設定された待機時間が経過しても電池5が充電されなかった場合に電源をオフにする機能を備えている。
【0034】
さらに、電源制御部7は、設定されたアラーム時刻を記憶するメモリを有しており、電源がオフの状態でスケジュールアラーム部2がオンに設定されていた場合、現時刻がアラーム時刻となった時点で電源をオンに切り替える機能を備えている。これにより、電池5の充電残量が少なくなってきても、スケジュールアラーム部2を確実に作動させることができる。これは、スケジュールアラーム部2がオンに設定されている場合、電池5の残量をアラーム優先電池テーブルと比較することで、スケジュールアラーム部2を起動させるのに要する電力量を残して電源をオフするため実行可能な機能である。
【0035】
またさらに、電源制御部7は、電池5の残量の段階的なレベルを特定し主制御部15を介して表示部8へ送出する機能を備えている。電池5の残量レベルは、電池残量テーブルに記録されている各閾値との大小関係で決定するものであり、例えば、図4に示す電池残量テーブルの場合、満充電から閾値(大)「Va」の間のレベルと、閾値(大)「Va」から閾値(中)「Vb」の間のレベルと、閾値(中)「Vb」から下限閾値「Vc」または「Vd」の間のレベルと、下限閾値「Vc」または「Vd」に達したレベルとの4段階のレベルが設定される。この特定されたレベルに対応して表示部8は画面の電池アイコン31を変化させる。
【0036】
ここで、本実施形態の携帯電話機では、電源オフの状態であってもアラーム時刻には自動的に電源オンになりスケジュールアラーム部2が起動しアラームを発するように構成されており、電池5の容量減少によって電源をオフすることをユーザに知らせる必要は無いので、電源制御部7は、モニタされた充電残量が下限閾値になった時にスケジュールアラーム部2へ通知を送らずに、電池5の残量が下限閾値になった時点で即電源をオフにするように構成してもよい。
【0037】
また、前述の説明では、電池残量テーブルを通常電池テーブルとアラーム優先電池テーブルの2種類としたが、これに限らず、スケジュールアラーム鳴動後に携帯電話機が一定時間稼働できる電力量を下限閾値としたテーブルなどを設定してもよく、この場合、電源制御部7は、充電残量と比較する電池残量テーブルを、情報入力部14からの情報に応じて選択するように構成するとよい。
【0038】
このように、本実施形態の携帯電話機は、スケジュールアラーム部2がオンに設定されている場合に、電池5の容量が残り少なくなると、スケジュールアラーム部2を起動させるのに要する電力容量を電池5に残して電源をオフにし、その後、アラーム時刻になった時に電源をオンにする電源制御部7を備えているので、電池5の充電残量が少なくなっても、ユーザに意識させることのないまま指定の時刻には確実にアラームを発することができる。
【0039】
次に、本実施形態の携帯電話機の動作について説明する。ここで、以下の動作説明は、本発明の電源制御方法の実施形態となる。
【0040】
図5は、本実施形態の携帯電話機におけるスケジュールアラーム処理動作を示すフローチャートである。図5に示すように、本実施形態の携帯電話機におけるスケジュールアラーム処理動作は、まず、スケジュールアラーム部2の動作設定がオンになっている場合(図5のステップs21のはい)、スケジュールアラーム部2が計時部1に計時された現時刻を確認して、現時刻が予め設定されたアラーム時刻になったか否かを判断し(図5のステップs22)、アラーム時刻になった時にアラーム音を発する(図5のステップs23)。
【0041】
図6は、本実施形態の携帯電話機における電源制御処理動作を示すフローチャートである。図6に示すように、本実施形態の携帯電話機における電源制御処理動作は、まず、電池残量モニタ部6が電池5の残量をモニタして電源制御部7へ送る(図6のステップs1)。
【0042】
電源制御部7が、スケジュールアラーム部2の動作設定を確認して、スケジュールアラーム設定がオフの場合は(図6のステップs2のいいえ)、電池残量と通常電池テーブルとを比較する(図6のステップs12)。
【0043】
そして、電池残量が下限閾値以下になったか否かを判定し、下限閾値以下になっていない場合(図6のステップs13のいいえ)、再び電池残量モニタ部6にモニタされた電池5の残量を入力する。ここで、電源制御部7は電池残量とテーブルに記録された各閾値との比較結果から当該電池残量のレベルを特定し、表示部8が電池残量レベルに基づいて画面に表示する電池アイコン31(図3を参照)の画像を更新する。
【0044】
電池残量が下限閾値以下になった場合(図6のステップs13のはい)、電源制御部7がその旨をスケジュールアラーム部2に通知し、スケジュールアラーム部2が通知に応じて充電要求のアラームを発する(図6のステップs14)。電源制御部7は、予め設定された待機時間を計時するタイマーを起動する(図6のステップs15)。
【0045】
電源制御部7は、タイマー稼働中に、電池5への充電の有無を監視し、電池5が充電された場合(図6のステップs16のはい)、タイマーを解除して(図6のステップs19)、再び電池残量モニタ部6でモニタされた電池5の残量を入力する。タイマーの満了を検知した場合には、電源をオフする(図6のステップs18)。
【0046】
一方、スケジュールアラーム部2がオンに設定されていた場合(図6のステップs2のはい)、電源制御部7は、電池残量とアラーム優先電池テーブルとを比較する(図6のステップs3)。
【0047】
続いて、同様に、電池残量が下限閾値以下になった場合(図6のステップs4のはい)、電源制御部7がその旨をスケジュールアラーム部2に通知し、スケジュールアラーム部2が通知に応じて充電要求のアラームを発する(図6のステップs5)。電源制御部7は、予め設定された待機時間を計時するタイマーを起動し(図6のステップs6)、電池5が充電されないまま、タイマーの満了を検知した場合には、電源をオフする(図6のステップs9)。
【0048】
そして、スケジュールアラーム部2がオンに設定されている場合、電源制御部7は電源をオフにした後、さらに、計時部1に計時された現時刻を確認してこの現時刻が予め設定されたアラーム時刻になったか否かを判断し(図6のステップs10)、アラーム時刻になった時に電源をオンにする(図6のステップs11)。
【0049】
本実施形態の携帯電話機は、このように動作するので、スケジュールアラーム部2の動作設定がオンになっている場合、電池5の残量が少なくなっても、スケジュールアラーム部2の起動に必要な電力量は残して電源をオフすることができ、電源オフ状態でアラーム時刻になった時には自動的に電源をオンにしてアラームを作動することができる。
【0050】
ここで、前述した電源制御部7,アラーム動作設定部4については、その機能内容をプログラム化して、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0051】
また、計時部1と、スケジュールアラーム部2と、電池5と、電池残量モニタ部6と、電源制御部7とを備えていれば、携帯電話機に限らず、PDAや携帯ゲーム機などの携帯装置であってもよい。
【0052】
以上のように、本実施形態の携帯電話機よれば、電池残量が無くなって電源をオフすることにより起こる、スケジュールアラームが指定時刻になっても鳴動しないという事態を、有効に回避することができる。よって、本実施形態の携帯電話機は、電源である電池5の充電残量が少なくなってきても、指定された時刻に必ずアラームを作動することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、指定された時刻にアラームを発する機能を備えた携帯電話機に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 計時部
2 スケジュールアラーム部
2a アラーム部
2b アラーム用スピーカ
4 アラーム動作設定部4
5 電池
6 電池残量モニタ部
7 電源制御部
8 表示部
9 無線部
10 アンテナ
11 音声処理部
12 スピーカ
13 マイク
14 情報入力部
15 主制御部
16 情報記憶部
17 電源スイッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を計時する計時部と、この計時部に計時された現時刻が予め設定されたアラーム時刻になった時にアラームを発するスケジュールアラーム部と、このスケジュールアラーム部の動作用電源として機能する電池と、を備えた携帯装置であって、
前記電池の充電残量を監視する電池残量モニタ部と、この監視された充電残量と予め設定された下限閾値とを比較して当該充電残量が当該下限閾値以下になったときに前記動作用電源オフに切り替える電源制御部とを備え、
前記電源制御部で用いる前記下限閾値を、前記スケジュールアラーム部が起動するのに必要な電力量に設定すると共に、
前記電源制御部は、前記動作用電源がオフ状態で現時刻が前記アラーム時刻になると当該動作用電源をオンに切り替える機能を備えたことを特徴とする携帯装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の携帯装置において、
ユーザの操作に応じて前記スケジュールアラーム部を作動状態又は停止状態に設定制御するアラーム動作設定部を備えると共に、
前記電源制御部の下限閾値として、前記スケジュールアラーム部が起動するのに必要な電力量である第1の下限閾値と当該第1の下限閾値よりも小さい第2の下限閾値とが予め設定されており、
前記電源制御部は、前記電池残量モニタ部に監視された電池の充電残量と前記下限閾値との比較に際し、前記充電残量の比較対象として、前記スケジュールアラーム部が作動状態に設定されている場合には前記第1の下限閾値を選択し、前記スケジュールアラーム部が停止状態に設定されている場合には前記第2の下限閾値を選択するように構成したことを特徴とする携帯装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載の携帯装置において、
前記電源制御部は、前記電池の充電残量が前記下限閾値以下になったときに、前記動作用電源をオフに切り替えるよりも優先してスケジュールアラーム部のアラームを駆動する要充電通知機能を備えたことを特徴とする携帯装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載の携帯装置において、
前記電源制御部は、前記電池の充電残量が前記下限閾値以下になったときから予め設定された待機時間が経過しても前記電池が充電されなかった場合に前記動作用電源をオフに切り替えるように構成したことを特徴とする携帯装置。
【請求項5】
時刻を計時する計時部と、この計時部に計時された現時刻が予め設定されたアラーム時刻になった時にアラームを発するスケジュールアラーム部と、このスケジュールアラーム部の動作用電源として機能する電池と、この電池の充電残量を監視する電池残量モニタ部と、前記動作用電源のオン/オフを切り替え制御する電源制御部と、を備えた携帯装置にあって、
前記電池の充電残量と、前記スケジュールアラーム部が起動するのに必要な電力量として予め設定された下限閾値とを、比較し、
前記電池の充電残量が前記下限閾値以下になったときに前記動作用電源をオフにし、
前記動作用電源がオフ状態のまま現時刻が前記アラーム時刻になると当該動作用電源をオンにすることを特徴とする電源制御方法。
【請求項6】
前記請求項5に記載の電源制御方法において、
前記下限閾値として、前記スケジュールアラーム部が起動するのに必要な電力量である第1の下限閾値と当該第1の下限閾値よりも小さい第2の下限閾値とが予め設定されており、
前記監視された電池の充電残量と前記下限閾値とを比較する前に、
ユーザの操作入力に応じて前記スケジュールアラーム部を作動状態又は停止状態に設定し、
前記電池の充電残量と前記下限閾値との比較に際しては、
前記充電残量の比較対象として、前記スケジュールアラーム部が作動状態に設定されている場合には前記第1の下限閾値を選択し、前記スケジュールアラーム部が停止状態に設定されている場合には前記第2の下限閾値を選択することを特徴とする電源制御方法。
【請求項7】
前記請求項6に記載の電源制御方法において、
前記電池の充電残量が前記下限閾値以下になったときに、前記動作用電源をオフするよりも優先して前記スケジュールアラーム部のアラームを駆動することを特徴とする電源制御方法。
【請求項8】
前記請求項7に記載の電源制御方法において、
前記電池の充電残量が前記下限閾値以下になったときから予め設定された待機時間が経過しても前記電池が充電されなかった場合に前記動作用電源をオフすることを特徴とする電源制御方法。
【請求項9】
時刻を計時する計時部と、この計時部に計時された現時刻が予め設定されたアラーム時刻になった時にアラームを発するスケジュールアラーム部と、このスケジュールアラーム部の動作用電源として機能する電池と、この電池の充電残量を監視する電池残量モニタ部と、を備えた携帯装置にあって、
前記電池残量モニタ部に監視された電池の充電残量と、前記スケジュールアラーム部を起動するのに必要な電力量として予め設定された下限閾値とを比較する充電残量点検機能と、
この比較結果に基づいて前記電池の充電残量が前記下限閾値以下になったときに前記動作用電源をオフに切り替える自動電源オフ機能と、
前記動作用電源がオフ状態で前記計時部に計時された現時刻が前記アラーム時刻になると当該動作用電源をオンに切り替える自動電源オン機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする電源制御用プログラム。
【請求項10】
前記請求項9に記載の電源制御用プログラムにおいて、
前記下限閾値として、前記スケジュールアラーム部が起動するのに必要な電力量である第1の下限閾値と当該第1の下限閾値よりも小さい第2の下限閾値とが予め設定されており、
ユーザの操作入力に応じて前記スケジュールアラーム部を作動状態又は停止状態に設定制御するアラーム動作設定機能と、
前記充電残量点検機能を、前記電池の充電残量の比較対象として、前記スケジュールアラーム部が作動状態に設定されている場合には前記第1の下限閾値を選択し、前記スケジュールアラーム機能が停止状態に設定されている場合には前記第2の下限閾値を選択する機能として前記コンピュータに実行させることを特徴とする電源制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−278576(P2010−278576A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127072(P2009−127072)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】