説明

携帯装置及び携帯装置プログラム

【課題】目的地の乗り過ごしを少なくする。
【解決手段】抽出手段3が時間帯毎に距離が設定された時間帯情報3aを記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された距離を抽出し、距離算出手段5が現在位置を示す位置情報と、記憶手段に予め設定された目的地の位置情報とを基に、目的地までの距離を算出し、警告手段7が、算出された目的地までの距離が抽出手段3によって抽出された距離と一致した場合に警告を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯装置及び携帯装置プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電車等の移動手段で移動する場合に、目的の降車駅に近づくと、車内でその旨のアナウンスがされる。しかし、このアナウンスがされない場合が稀にあり、この場合には、目的の降車駅を乗り過ごしてしまう恐れがある。また、アナウンスがされても、車内で居眠りをしてしまった場合には乗り過ごしてしまう恐れがある。さらに、混雑した電車では、乗車客の視界が悪くなるために、車窓から目的の降車駅が近づいていることを視認することができない。この場合にも、目的の降車駅の到着のアナウンスがされてから降車しようとしても、混雑のために降車口に容易に進むことができず、最悪の場合には降車できずに乗り過ごしてしまう恐れがある。
【0003】
乗り過ごしを防止するための方法としては、降車駅が近づいてきたら、例えば、携帯電話等の携帯装置に搭載されているアラーム機能を作動させる方法があった(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
一方、電車内の混雑状況を電車内や駅において乗客に通知する装置が知られており、さらに、このような通知を乗客が携帯する装置に通知することも考えられている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−324352号公報
【特許文献2】特開2005−86718号公報
【特許文献3】特許第3816230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、携帯装置のアラーム機能は設定した任意の時刻になると作動するために、乗り過ごし防止としては不十分な点があった。例えば、前述のように、車内アナウンスが流れない場合、居眠りしている場合、車内が混雑している場合等には、目的の降車駅を乗り過ごしてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、目的の降車地での乗り過ごしを少なくするための携帯装置及び携帯装置プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、時間帯毎に距離が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された距離を抽出する抽出手段と、現在位置を示す位置情報と、前記記憶手段に予め設定された目的地の位置情報とを基に、前記目的地までの距離を算出する距離算出手段と、算出された前記目的地までの距離が前記抽出手段によって抽出された距離と一致した場合に警告を発する処理を行う警告手段と、を有する携帯装置が提供される。
【0009】
また、上記目的を達成するために、上記の携帯装置と同様の処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
さらに、上記目的を達成するために、時間帯毎に時間が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された設定時間を抽出する抽出手段と、目的地に到着するまでの時間が、前記抽出手段によって抽出された前記設定時間に基づく時間と一致した場合に、警告を発する処理を行う警告手段と、を有する携帯装置が提供される。
【0010】
また、上記目的を達成するために、上記の携帯装置と同様の処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
上記の携帯装置及び携帯装置プログラムによれば、目的地での乗り過ごしを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態に係る携帯装置の構成を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係る携帯電話のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
【図4】時間帯毎に対応付けられた作動距離の具体例を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第3の実施の形態に係る警告システムの構成例を示す図である。
【図7】第3の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
【図8】作動時間テーブルの具体例を示す図(その1)である。
【図9】時間帯毎に対応付けられた作動時間の具体例を示す図である。
【図10】第3の実施の形態に係るサーバが備える機能を示すブロック図である。
【図11】第3の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第4の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
【図13】作動時間テーブルの具体例を示す図(その2)である。
【図14】時間帯毎に対応付けられた作動時間の別の具体例を示す図である。
【図15】第4の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図16】第5の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
【図17】利用駅テーブルの具体例を示す図である。
【図18】時間帯テーブルの具体例を示す図(その1)である。
【図19】第5の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【図20】第6の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
【図21】作動距離テーブルの具体例を示す図である。
【図22】時間帯テーブルの具体例を示す図(その2)である。
【図23】第6の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は第1の実施の形態に係る携帯装置の構成を示す図である。
【0014】
携帯装置1は、現在位置から目的地までの距離が、現在時刻が含まれる時間帯に対応付けられた距離に一致すると、目的地に近づいたことをユーザに警告することができるものである。
【0015】
このような携帯装置1は、現在時刻計測手段2、抽出手段3、位置情報出力手段4、距離算出手段5、判定手段6及び警告手段7を有する。なお、携帯装置1は、例えば、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、PDA(Personal Data Assistance:携帯情報端末)等である。
【0016】
現在時刻計測手段2は、現在時刻を計測する。
抽出手段3は、時間帯毎に距離が設定された時間帯情報3aを、携帯装置1が備える不揮発性記憶媒体(図示せず)から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された距離を抽出する。抽出手段3は、このような距離を抽出したら、位置情報出力手段4を作動させる。
【0017】
位置情報出力手段4は、携帯装置1の現在位置を示す位置情報を特定する。位置情報出力手段4は、例えば、携帯装置1に搭載したGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)であって、この場合、GPS衛星から受信した情報を利用して携帯装置1の現在位置の位置情報を得ることができる。なお、位置情報出力手段4は、例えば、携帯電話の基地局等から位置情報を受信してもよい。
【0018】
距離算出手段5は、位置情報出力手段4から出力された、現在位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報と、予め設定された目的地の位置を示す目的地情報5aとを基に、目的地までの距離を算出する。なお、目的地情報5aは、携帯装置1が備える不揮発性記憶媒体に予め記憶される。
【0019】
判定手段6は、距離算出手段5で算出された距離が、抽出手段3で抽出された距離と一致すると、警告手段7に作動要求を送信する。
警告手段7は、判定手段6の作動要求に応じて、携帯装置1を携帯するユーザに、目的地に近づいていることを警告する。なお、警告の方法としては、例えば、携帯装置1からアラームを鳴らす、携帯装置1本体を振動させる等が行われる。
【0020】
なお、上記処理機能のうち、例えば、抽出手段3、距離算出手段5及び判定手段6は、携帯装置1が備えるCPU(Central Processing Units:中央演算処理装置)によって所定のプログラムが実行されることで実現される。また、これらの処理機能の少なくとも一部が、個別のハードウェアによって実現されてもよい。
【0021】
次に、このような構成を備える携帯装置1において、目的地に近づいたことの警告方法の例について説明する。なお、以下では目的地までの移動手段として、例えば、電車の場合について説明する。
【0022】
まず、ユーザは移動開始前に、例えば、図示しない入力手段を介して携帯装置1に目的地(降車駅)の位置を目的地情報5aとして予め入力し設定しておく。降車駅が設定された携帯装置1を携帯したユーザを乗せた電車が、目的の降車駅に向かって移動を開始する。この時、現在時刻計測手段2は現在時刻を計測しており、抽出手段3は、現在時刻計測手段2が計測した現在時刻と、時間帯情報3aとを比較する。なお、時間帯情報3aにおいて、距離は、1つ以上の時間帯のそれぞれに対してユーザが自由に設定することができる。例えば、車内の混雑が予想され、また居眠りしてしまいがちな出勤・退勤時間の時間帯では、距離を比較的長く設定することが望まれる。また、車内が空いていると予想される早朝・昼間等の時間帯は距離を出勤・退勤時間よりも短く設定することが望まれる。
【0023】
抽出手段3は、比較の結果、現在時刻が含まれる時間帯を時間帯情報3aから抽出し、さらに、抽出された時間帯に対応付けられた距離を、時間帯情報3aから抽出する。
一方、位置情報出力手段4は、移動する携帯装置1の現在位置を随時出力する。距離算出手段5は、位置情報出力手段4から出力された、移動する携帯装置1の現在位置を取得し、取得した現在位置と降車駅の位置との差分から、降車駅までの距離を算出する。なお、位置情報出力手段4及び距離算出手段5の処理は、抽出手段3により現在時刻を含む時間帯が時間帯情報3aから抽出されたときに開始されてもよい。
【0024】
距離算出手段5により算出される携帯装置1の現在位置から降車駅までの距離が、抽出した距離になると、判定手段6は、警告手段7を作動させる。ユーザは警告手段7によって降車駅に近づいたことが警告される。
【0025】
このように、携帯装置1では、抽出手段3が、現在時刻と、目的地までの距離が対応付けられた時間帯とを比較して、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた距離を抽出する。さらに、距離算出手段5が算出した現在位置から目的地までの距離が、抽出手段3が抽出した距離になると警告手段7が目的地に近づいていることを警告する。
【0026】
これにより、携帯装置1を携帯するユーザは、目的地に近づいたことを予め知ることができ、目的地を通り越してしまうことを防止することができる。また、警告を発するタイミングを決める目的地までの距離を、ユーザが移動する時間帯毎に設定することで、時間帯毎に最適なタイミングで警告を発することができる。したがって、目的地でのユーザの乗り過ごしをより確実に防止することができる。
【0027】
なお、時間帯情報は、時間帯に対して、距離の代わりに時間が対応付けられて記憶されていてもよい。この場合、時間帯に対応付けられた時間は、ユーザが目的地への移動を開始した所定のタイミングから警告を発するまでの時間を示す。例えば、車内が混雑すると予想される時間帯には、短い時間が対応付けられ、車内が空いていると予想される時間帯には、長い時間が対応付けられる。
【0028】
抽出手段3は、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた時間を抽出する。また、携帯装置1には、距離算出手段5の代わりに、時間を計測する時間計測手段が設けられる。時間計測手段は、抽出手段3が現在時刻を含む時間帯に対応付けられた時間を抽出すると、時間の計測を開始する。判定手段6は、抽出手段3が抽出した時間と、時間計測手段が計測した時間とが一致すると、警告手段7を作動させる。
【0029】
このような処理が実行される場合、車内が混雑する時間帯ほど、目的地に到着する時刻より早い時刻で警告が発せられるようになる。したがって、目的地での乗り過ごしをより確実に防止できる。
【0030】
[第2の実施の形態]
次に、携帯装置として携帯電話を適用し、携帯電話を携帯したユーザが移動手段として電車で目的地に向かう場合について説明する。
【0031】
図2は第2の実施の形態に係る携帯電話のハードウェア構成例を示す図である。
携帯装置は、例えば、図2に示すような携帯電話10により実現される。この携帯電話10は、CPU10a、RAM(Random Access Memory)10b、フラッシュメモリ10c、振動発生部10d、表示部10e、スピーカ10f、入力部10g、無線通信部10h及びGPS10jを備えている。これらの各部はバス10nで相互に接続されている。
【0032】
CPU10aは、フラッシュメモリ10c等の記憶媒体に記憶された各種プログラムを実行することにより、この携帯電話10全体を統括的に制御する。
RAM10bには、CPU10aに実行させるOS(Operating System)やプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM10bには、CPU10aによる処理に必要な各種データが格納される。
【0033】
フラッシュメモリ10cには、携帯電話10上のOSやアプリケーションのプログラムが格納される。また、フラッシュメモリ10cには、CPU10aによる処理に必要な各種データが格納される。
【0034】
振動発生部10dは、ユーザの設定に応じて、電話の着信時、アラーム作動時等に、携帯電話10の本体を振動させる。具体例として、振動発生部10dは、携帯電話10に内蔵した小型モータと、この小型モータに重心を偏らせて取り付けた重りとを有する。そして、小型モータに取り付けられた重りを回転させることにより、携帯電話10に振動を発生させることができる。
【0035】
表示部10eは、携帯電話10のCPU10aからの命令に従って画像を表示させるモニタである。表示部10eとしては、例えば、液晶モニタが用いられる。
スピーカ10fは、ユーザの設定に応じて、着信音、アラーム音、後述する入力部10gに対する入力時の操作音等を発する。
【0036】
入力部10gは、ユーザの操作入力に応じて携帯電話10への入力を行う。入力部10gとしては、例えば、キーボードが用いられる。
無線通信部10hは、無線通信のためのRF(Radio Frequency)回路や、送受信信号の変復調回路等を備える。携帯電話10は、無線通信部10h及びアンテナ10iを介して基地局と無線通信することで、他の携帯電話等の情報処理機器との間でデータの送受信や音声通話を行うことが可能になる。
【0037】
GPS10jは、図示しないGPS衛星からの信号をアンテナ10kで受信して、携帯電話10の現在位置の位置情報を特定することができる。
次いで、携帯電話10が備える制御機能について説明する。
【0038】
図3は第2の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
携帯電話10は、現在位置から目的地までの距離が、現在時刻が含まれる時間帯に対応付けられた所定の距離になると、目的地に近づいたことをユーザに警告する処理を行うことができるものである。
【0039】
このような処理を実行するために、携帯電話10は、時間帯テーブル11、目的地情報12、現在時刻計測部13、比較抽出部14、距離算出部15、判定部16及び警告部17を有する。
【0040】
時間帯テーブル11には、時間帯及び曜日毎に、所望の目的地までの距離(作動距離)が対応付けて保持される。なお、時間帯テーブル11が保持する情報の詳細については後述する。
【0041】
目的地情報12は、予めユーザによって設定された目的地(降車駅)の位置情報である。
なお、時間帯テーブル11及び目的地情報12は、例えば、フラッシュメモリ10cに記憶される。
【0042】
現在時刻計測部13は、現在時刻を計測する。
比較抽出部14は、現在時刻計測部13が計測した現在時刻と、時間帯テーブル11が保持する時間帯情報とを比較する。比較抽出部14は、比較の結果、現在時刻が時間帯テーブル11が保持する時間帯の1つに含まれたら、GPS10jを作動させる。また、比較抽出部14は、現在時刻を含んだ時間帯に対応付けられた作動距離を、時間帯テーブル11の情報から抽出する。
【0043】
距離算出部15は、GPS10jにより特定された携帯電話10の現在位置の位置情報と、目的地情報12とから、現在位置から目的地までの距離を算出する。
判定部16は、距離算出部15で算出された距離が、比較抽出部14で抽出された作動距離になると、警告部17に作動要求を送信する。
【0044】
警告部17は、判定部16から作動要求を受信すると、ユーザの設定に応じて、振動発生部10d、表示部10e及びスピーカ10fの少なくとも1つを作動させて、ユーザに目的地に近づいたことを警告する。
【0045】
上記の時間帯テーブル11が保持する情報の詳細について説明する。
図4は時間帯毎に対応付けられた作動距離の具体例を示す図である。
図4に示す時間帯テーブル11は、時間帯及び曜日に対して、作動距離を対応付けたものである。時間帯テーブル11では、警告処理を実行させる時間帯及び曜日に対してのみ、ユーザの入力に応じて作動距離が設定される。
【0046】
作動距離は、目的地に対してどれだけ近づいたときに警告を行わせるかを示すものである。このような作動距離は、時間帯・曜日に応じて、目的地に向かう電車内の混雑状況(乗車率)及びユーザ自身の日頃の利用状況を踏まえてユーザが適宜設定したものである。
【0047】
例えば、乗車率が低い場合には乗客は時間をかけずに円滑に降車できるため作動距離を短く設定することが望ましい。一方、乗車率が高い場合には乗客が降車するまでに時間を要するため作動距離を長めに設定して、降車駅が近づいていることを早めに警告することが望ましい。
【0048】
具体的には、時間帯テーブル11の「8:00−8:59」の時間帯において「土曜日」には、作動距離を「800m」に設定している。なお、「8:00−8:59」の時間帯の「土曜日」であれば一般的には休日であり乗車率が低くなることが予想される。一方、同様の時間帯において、「平日」であれば通勤時間であり乗車率が高くなることが予想され「土曜日」よりも早めの警告が望まれるため、作動距離を「950m」に設定している。
【0049】
次に、携帯電話10で行われる、目的地に近づいたときに警告を実行する処理手順について説明する。
図5は第2の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
まず、ユーザは携帯電話10の入力部10gから降車駅を入力する。入力された降車駅の位置情報に関する目的地情報12が携帯電話10内に保持される。また、ユーザは、時間帯・曜日に対応付けた作動距離の情報を時間帯テーブル11に保持させる。
【0051】
ユーザはこのような設定を予め行っておき、携帯電話10を携帯して、任意の出発地(乗車駅)から電車に乗り込み、所望の目的地(降車駅)に向かう。
[ステップS11]
現在時刻計測部13が現在時刻を計測する。
【0052】
[ステップS12]
比較抽出部14が、ステップS11で計測された現在時刻と、時間帯テーブル11が保持する時間帯とを比較する。次の処理は、現在時刻が時間帯テーブル11に保持される時間帯の1つに含まれる場合にはステップS13へ進められ、含まれない場合にはステップS11に進められる。
【0053】
すなわち、現在時刻が時間帯テーブル11に保持される任意の時間帯に含まれるまでステップS11,S12の処理が繰り返し行われる。
[ステップS13]
比較抽出部14は、ステップS12の現在時刻を含む時間帯に設定された曜日と、現在の曜日とを比較する。次の処理は、現在の曜日が、現在時刻を含む時間帯に設定された曜日に含まれる場合にはステップS14へ進められ、含まれない場合には処理を終了する。
【0054】
[ステップS14]
比較抽出部14は、現在時刻及び現在の曜日が含まれる時間帯に作動距離が設定されているか否かを判定する。次の処理は作動距離が設定されていれば、ステップS15に進められ、設定されていなければ、処理が終了する。
【0055】
[ステップS15]
比較抽出部14は、現在時刻及び現在の曜日が含まれる時間帯に対応付けられた作動距離を抽出する。
【0056】
[ステップS16]
比較抽出部14は、GPS10jを作動させる。GPS衛星からの信号を受信して、GPS10jは携帯電話10の現在位置を特定する。
【0057】
[ステップS17]
距離算出部15が、GPS10jで特定された携帯電話10の現在位置の位置情報と、目的地情報12の降車駅の位置情報とを用いて、現在位置から降車駅までの距離を算出する。
【0058】
[ステップS18]
判定部16は、ステップS17で距離算出部15で算出された距離と、ステップS15で抽出した作動距離とを比較する。次の処理は、ステップS17で算出された距離と、作動距離とが一致する場合には、ステップS19へ進められ、一致しない場合にはステップS17に進められる。
【0059】
すなわち、現在位置から降車駅までの距離が作動距離に一致するまでステップS17,S18の処理が繰り返し行われる。
[ステップS19]
警告部17は、判定部16から作動要求を受信すると、降車駅が近づいたことをユーザに警告する。この場合の警告方法は、前述の通り、ユーザの設定に応じて、振動発生部10dを作動させて携帯電話10を振動させたり、表示部10eに警告の旨を表示させたり、スピーカ10fからアラーム音を発せさせたりすることができる。このような方法の少なくとも1つを適用することができる。
【0060】
次に、上記処理フローに基づいて、携帯電話10の動作について具体的に説明する。
まず、ユーザは、目的地情報12として、携帯電話10の入力部10gから、目的地の降車駅(例えば、C駅)の位置情報を設定しておく。また、ユーザは、図4に示したような、時間帯・曜日に対応付けて作動距離を予め設定した時間帯テーブル11を設定しておく。
【0061】
このような設定を行った後、ユーザは携帯電話10を携帯して、例えば、火曜日の8時過ぎに出発地の乗車駅(例えば、A駅)から電車に乗り込む。
この場合には、現在時刻(「8時過ぎ」)及び現在の曜日(「火曜日」)が「8:00〜8:59」及び「平日」に該当する(ステップS11〜S13)。このため、比較抽出部14は、時間帯テーブル11から作動距離として「950m」を抽出する(ステップS14,S15)。
【0062】
その後、GPS10jにより特定された携帯電話10の現在位置からC駅までの距離が950mになると(ステップS16〜S18)、警告部17により携帯電話10を振動させて、C駅に近づいたことがユーザに警告される(ステップS19)。
【0063】
このように、携帯電話10では、比較抽出部14が、現在時刻と、目的地までの距離が対応付けられた時間帯とを比較して、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた距離を抽出する。さらに、距離算出部15が算出した現在位置から目的地までの距離が、比較抽出部14が抽出した作動距離になると警告部17が目的地に近づいていることを警告する。
【0064】
これにより、携帯電話10を携帯するユーザは、目的地に近づいたことを予め知ることができ、目的地の乗り過ごしを防止することができる。また、警告を発するタイミングを決める目的地までの作動距離を、ユーザが移動する時間帯・曜日毎に設定することで、時間帯・曜日毎に最適なタイミングで警告を発することができる。したがって、目的地でのユーザの乗り過ごしをより確実に防止することができる。
【0065】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、第2の実施の形態の携帯電話10に非接触型IC(Integrated Circuit)チップが内蔵された携帯装置について説明する。また、第3の実施の形態では、1つの出発地に対して1つの目的地を設定する場合について説明する。
【0066】
図6は第3の実施の形態に係る警告システムの構成例を示す図である。
図6に示す警告を行うための警告システムは、ネットワーク30に互いにアクセス可能な携帯電話100と、駅毎に設置されたサーバ20とを備えている。
【0067】
この携帯電話100は、第2の実施の形態の携帯電話10に対して新たにICチップ処理部10lを備えると共に、非接触型ICチップ10mが内蔵されている。
ICチップ処理部10lは、他の各部とバス10nで相互に接続されている。また、ICチップ処理部10lは、携帯電話100内に内蔵された非接触型ICチップ10mに対して、所定の情報を読み出し、または書き込むことができる。
【0068】
非接触型ICチップ10mは、図示を省略する、不揮発性メモリ、アンテナコイル等を具備する。ユーザが駅の自動改札を入退場する際に、非接触型ICチップ10mを内蔵した携帯電話100を、自動改札に設置した後述するリーダライタ部20gにかざす。すると、非接触型ICチップ10mのアンテナコイルが、リーダライタ部20gからの搬送波を受信し電磁誘導が生じ、非接触型ICチップ10m内に電力が供給される。電力が供給されると、ICチップに対して入退場駅、入退場時間等の所定の情報の読み出し、書き込みが行われる。
【0069】
このような携帯電話100は、ネットワーク30を介して駅毎に設置されたサーバ20に対してアクセスすることができる。
サーバ20は、CPU20aによって装置全体が制御されている。CPU20aには、バス20hを介してRAM20b、通信部20c、グラフィック処理部20d、入力インタフェース20e及びハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)20fがバス20hで互いに接続されている。
【0070】
RAM20bには、CPU20aに実行させるOSプログラム並びにアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM20bには、CPU20aによる処理に必要な各種データが格納される。
【0071】
通信部20cは、ネットワーク30にアクセスして、情報の送受信を行うことができる。また、通信部20cには後述するリーダライタ部20gが通信可能に接続されている。サーバ20は、これらのネットワーク30及びリーダライタ部20gとの間で、通信部20cを介して情報を送受信する。
【0072】
グラフィック処理部20dには、モニタ20i等の表示装置が接続されており、表示装置に対して所定の表示要求を送信し、表示装置は表示要求に応じた表示を行う。
入力インタフェース20eには、キーボード20j及びマウス20k等が接続されており、キーボード20j及びマウス20k等からの操作入力を受け付ける。
【0073】
HDD20fには、OSプログラム並びにアプリケーションプログラムが格納されている。
また、リーダライタ部20gは、前述の通り、サーバ20の通信部20cに通信可能に接続されており、駅の自動改札に設置されている。所定の搬送波を出力するリーダライタ部20gにユーザが携帯電話100をかざすと、リーダライタ部20gは非接触型ICチップ10mの情報を読み取ることができる。また同時に、リーダライタ部20gは、入退場駅、入退場時間等の所定の情報を非接触型ICチップ10mに書き込むことができる。リーダライタ部20gで読み取られた非接触型ICチップ10mの情報は通信部20cを介してサーバ20内に蓄積される。
【0074】
サーバ20は、このような構成を有し、乗客の入退場情報を取得及び管理することができる。
次いで、携帯電話100及びサーバ20がそれぞれ備える制御機能について説明する。
【0075】
まず、携帯電話100の制御機能について説明する。
図7は第3の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
携帯電話100は、出発してからの経過時間が、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた所定の時間になると、目的地(降車駅)に近づいたことをユーザに警告する処理を行うことができるものである。
【0076】
このような処理を実行するために、携帯電話100は、入場検知部102、現在時刻計測部13、作動時間設定部103、比較抽出部14、時間計測部104、判定部16、警告部17を有する。さらに、乗車率に対して作動時間が設定された作動時間テーブル105、作動時間設定部103で設定される時間帯テーブル101、ユーザによって予め設定された乗車駅を表す利用駅情報106を有する。
【0077】
作動時間テーブル105には、乗車率に対して作動時間が対応付けられている。
入場検知部102は、ユーザが非接触型ICチップ10mを内蔵する携帯電話100を、自動改札に設置されたリーダライタ部20gにかざした際に、入場した駅の情報をリーダライタ部20gから取得する。また、この時の現在時刻を現在時刻計測部13から取得する。
【0078】
作動時間設定部103は、無線通信部10h及びアンテナ10iを介して、サーバ20から時間帯・曜日毎の乗客の乗車率に関する情報を受信する。そして、作動時間設定部103は、受信した時間帯・曜日毎の乗客の乗車率を時間帯テーブル101に設定するとともに、乗車率に対応する作動時間を作動時間テーブル105から読み出し、時間帯テーブル101に設定する。なお、時間帯テーブル101の詳細については後述する。
【0079】
比較抽出部14は、入場検知部102が取得した入場した乗車駅が、予め設定した利用駅情報106の乗車駅であるか否かを判定する。また、比較抽出部14は、前述と同様に、現在時刻計測部13が計測した現在時刻と時間帯テーブル101とを比較して、現在時刻が時間帯テーブル101の時間帯の1つに含まれたら、時間計測部104を作動させる。また、比較抽出部14は、現在時刻を含んだ時間帯に対応付けられた作動時間を、時間帯テーブル101から抽出する。
【0080】
時間計測部104は、比較抽出部14が時間帯テーブル101から作動時間を抽出すると、時間の計測を開始する。
判定部16は、時間計測部104で計測された時間が、比較抽出部14で抽出された作動時間になると、警告部17に作動要求を送信する。
【0081】
なお、その他の機能ブロックは携帯電話10が有する同じ符号の機能ブロックと同様の機能を有する。
ここで、上記の作動時間テーブル105の詳細について説明する。
【0082】
図8は作動時間テーブルの具体例を示す図である。
作動時間テーブル105では、乗車駅(例えばA駅)から降車駅(例えばC駅)に向かう電車における乗車率の範囲と、作動時間とが対応付けられている。作動時間は、ユーザが乗車駅に入場してから警告が行われるまでの時間であって、乗車率に対してユーザが適宜設定することができる。例えば、乗車率が低い場合には乗客は時間をかけずに円滑に降車できるため作動時間を長く設定することが望まれる。一方、乗車率が高い場合には乗客が降車するまでに時間を要するため作動時間を短めに設定して、降車駅が近づいていることを早めに警告することが望まれる。なお、作動時間は、ユーザが自由に設定してもよいが、例えば、サーバ20からの時間帯毎に対する乗客数等の統計情報や乗車駅から降車駅までの所要時間等を基に自動的に設定するようにしても構わない。
【0083】
次に、上記時間帯テーブル101の詳細について説明する。
図9は時間帯毎に対応付けられた作動時間の具体例を示す図である。
図9に示す時間帯テーブル101では、時間帯及び曜日に対して、設定フラグ、乗車率及び作動時間が対応付けられている。
【0084】
設定フラグは、対応付けられた時間帯及び曜日に対して、警告を発する処理を実行させるか否かを示すものであり、初期値が0とされ、警告処理を実行させる場合には1が設定される。設定フラグは、ユーザによって適宜設定される。
【0085】
乗車率は、A駅からC駅に向かう電車について、時間帯・曜日毎にサーバ20で蓄積された入場した乗客数から統計的に算出されたものであり、作動時間設定部103によって設定される。
【0086】
また、各作動時間は、作動時間テーブル105において乗車率に対応付けて設定されていた値である。
作動時間設定部103は、時間帯及び曜日に対応する乗車率を時間帯テーブル101に設定した後、設定した乗車率に対応する作動時間を作動時間テーブル105から読み出して、時間帯テーブル101に設定する。
【0087】
図9では、例えば、時間帯テーブル101の「8:00−8:59」の時間帯において「土曜日」には、作動時間を、乗車駅(A駅)に入場して、「8分」後に設定している。なお、「8:00−8:59」の時間帯の「土曜日」であれば一般的には休日であり乗車率(「120%」)が低くなることが予想される。一方、同様の時間帯において、「平日」であれば一般的には通勤時間であり乗車率(「150%」)が高くなることが予想され「土曜日」よりも早めの警告が望まれるため、作動時間を「5分」後に設定している。
【0088】
なお、乗車率は、時間帯テーブル101に必ずしも保持されていなくてもよい。この場合、作動時間設定部103は、時間帯及び曜日に対応する乗車率をサーバ20から受信したとき、受信した乗車率に対応する作動時間を作動時間テーブル105から抽出して、時間帯テーブル101に設定すればよい。
【0089】
逆に、時間帯テーブル101には乗車率を設定するが、作動時間を設定しなくてもよい。この場合、後述するように、比較抽出部14により時間帯テーブル101から時間帯が抽出されたとき、その時間帯に対応づけられた乗車率が読み出され、読み出された乗車率に対応付けられた作動時間が、作動時間テーブル105から読み出される。
【0090】
また、このような時間帯テーブル101における乗車率は、携帯電話100からの要求に応じて、サーバ20側で更新される度に、サーバ20から無線通信部10h及びアンテナ10kを介してダウンロードするように設定することもできる。
【0091】
次に、サーバ20について説明する。
図10は第3の実施の形態に係るサーバが備える機能を示すブロック図である。
サーバ20は、入退場情報保持部21、チップ情報取得部22、チップ情報書込部23及び入場情報通知部24を有する。また、サーバ20は、受信部25、入退場情報処理部26、送信要求部27及び送信部28をさらに有する。
【0092】
入退場情報保持部21は、サーバ20が設置された駅における乗客の入退場数、入退場時間等の入退場に関わる入退場情報を保持する。
チップ情報取得部22は、非接触型ICチップ10mがリーダライタ部20gにかざされる度に、通信部20cを介して非接触型ICチップ10mのシリアルナンバー、入退場時間等の情報を取得する。
【0093】
チップ情報書込部23は、チップ情報取得部22が取得した非接触型ICチップ10mの情報を入退場情報保持部21に書き込み、記録させる。
入場情報通知部24は、チップ情報取得部22が非接触型ICチップ10mの情報を取得すると、本サーバ20の設置駅及び非接触型ICチップ10mの入場時刻等の情報をリーダライタ部20gに通知する。
【0094】
受信部25は、他のサーバ及び携帯電話100等からの入退場情報の送信要求やその他、様々な情報をネットワーク30及び通信部20cを介して受信する。
入退場情報処理部26は、入退場情報の送信要求に応じて、入退場情報保持部21が保持する入退場情報の処理を行う。例えば、時間帯・曜日毎の乗車率が要求された場合には、入退場情報から乗車率を算出する。
【0095】
送信要求部27は、入退場情報処理部26で処理された入退場情報を要求先に送信するように送信要求を送信する。
送信部28は、送信要求に応じて、ネットワーク30及び通信部20cを介して所定の入退場情報を送信する。
【0096】
次に、携帯電話100及びサーバ20で構成される警告システムで行われる目的地(降車駅)に近づいたときに警告が実行される所定の制御の処理手順について説明する。
図11は第3の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0097】
[ステップS21]
入場検知部102は、入場した乗車駅の情報をリーダライタ部20gから取得する。また、この時の現在時刻を現在時刻計測部13から取得する。なお、現在時刻はリーダライタ部20gから取得するようにすることもできる。
【0098】
[ステップS22]
比較抽出部14は、ステップS21で取得した入場した乗車駅と、予め設定された利用駅情報106の乗車駅とを比較する。次の処理は、入場した乗車駅が利用駅情報106の乗車駅である場合には、ステップS23に進められ、利用駅情報106の乗車駅で無い場合には、警告処理を終了する。
【0099】
[ステップS23]
比較抽出部14は、現在時刻計測部13が計測した現在時刻と、時間帯テーブル101の時間帯とを比較し、現在時刻を含む時間帯及び曜日を抽出する。
【0100】
[ステップS24]
比較抽出部14は、時間帯テーブル101から、ステップS23で抽出した時間帯及び曜日に対応付けられた設定フラグの値を読み出す。次の処理は、設定フラグが1である場合には、ステップS25に進められ、0である場合には処理が終了する。
【0101】
[ステップS25]
比較抽出部14は、ステップS23で抽出した時間帯及び曜日に対応する作動時間を時間帯テーブル101から抽出する。なお、作動時間が抽出されると、時間計測部104は、ユーザが乗車駅に入場してからの経過時間の計測を開始する。
【0102】
なお、時間帯テーブル101に作動時間を設定しない場合には、ステップS25では、時間帯及び曜日に対応する乗車率を時間帯テーブル101から読み出し、読み出した乗車率に対応する作動時間を作動時間テーブル105から読み出す。
【0103】
[ステップS26]
判定部16は、時間計測部104が計測する乗車駅に入場してから経過した経過時間と、ステップS25で抽出した作動時間とを比較する。次の処理は、経過時間と作動時間とが一致する場合には、ステップS27へ進められ、一致しない場合には再びステップS26に進められる。
【0104】
すなわち、経過時間が作動時間に一致するまでステップS26の処理が繰り返し行われる。
[ステップS27]
警告部17は、経過時間と作動時間とが一致して判定部16から作動要求を受信すると、降車駅が近づいていることをユーザに警告する。この場合の警告方法は、前述の通り、ユーザの設定に応じて、振動発生部10dを作動させて携帯電話100を振動させたり、表示部10eに警告の旨を表示させたり、スピーカ10fからアラーム音を発せさせたりすることができる。上記の方法の少なくとも1つを適用することができる。
【0105】
次に、上記処理フローに基づいて、携帯電話100の動作について具体的に説明する。
まず、ユーザは携帯電話100の入力部10gを介して、乗車駅としてA駅を利用駅情報106として設定しておく。また、ユーザは、携帯電話100の入力部10gを介して、作動時間テーブル105の作動時間と、時間帯テーブル101の設定フラグを設定しておくとともに、時間帯テーブル101の乗車率及び作動時間を最新版に更新しておく。
【0106】
ユーザは、このような設定等を予め行っておき、非接触型ICチップ10mが内蔵された携帯電話100を自動改札にかざして、木曜日の8:05にA駅に入場する。
すると、入場検知部102は、自動改札のリーダライタ部20gから入場した乗車駅(「A駅」)と、現在時刻計測部13から入場時刻として現在時刻(「8:05」)の情報を取得する。比較抽出部14が、入場検知部102が取得した入場した乗車駅の情報と、予め設定した利用駅情報106の乗車駅とが同じであることを判定して、さらに処理が続けられる(ステップS21,S22)。
【0107】
そして、現在時刻(「8:05」)及び現在の曜日(「木曜日」)が図9に示す時間帯テーブル101の「8:00〜8:59」及び「平日」に該当し、この時間帯に対応する設定フラグが1であるため、この時間帯に対応付けられた作動時間(「5分」)を抽出する(ステップS23〜S25)。
【0108】
判定部16は、時間計測部104によって計測されたA駅に入場してからの経過時間が、比較抽出部14が抽出した作動時間(「5分」)になると(ステップS26)、警告部17により携帯電話100が振動して、C駅に近づいたことがユーザに警告される(ステップS27)。
【0109】
このように、携帯電話100では、比較抽出部14が、現在時刻と、入場してから警告が行われる作動時間が対応付けられた時間帯とを比較して、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた時間を抽出する。さらに、時間計測部104が計測した入場してからの経過時間が、比較抽出部14が抽出した作動時間になると警告部17が目的地に近づいていることを警告する。
【0110】
これにより、携帯電話100を携帯するユーザは、目的地に近づいたことを予め知ることができ、目的地の乗り過ごしを防止することができる。また、警告を発するタイミングを決める入場してからの作動時間を、ユーザが移動する時間帯毎に設定することで、時間帯毎に最適なタイミングで警告を発することができる。したがって、目的地でのユーザの乗り過ごしをより確実に防止することができる。
【0111】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、第3の実施の形態において、目的地に到着するまでの時間を作動時間とする場合について説明する。
【0112】
また、第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様のハードウェア構成(図6)及びサーバ20の機能を示すブロック図(図10)を適用することができる。但し、図6において携帯電話100を以下に説明する機能を備える携帯電話150とする。
【0113】
図12は第4の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
携帯電話150は、現在位置から目的地までの時間が、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた所定の時間になると、目的地(降車駅)に近づいたことをユーザに警告する処理を行うことができるものである。
【0114】
このような処理を実行するために、携帯電話150は、入場検知部102、作動時間設定部103、現在時刻計測部13、比較抽出部14a、判定部16a及び警告部17を有する。さらに、乗車率に対して作動時間が設定された作動時間テーブル105a、作動時間設定部103で設定される時間帯テーブル101a、ユーザによって予め設定された乗車駅及び降車駅の利用駅情報106a、サーバ20から受信して、ユーザが乗車する区間の電車の出発時刻及び到着時刻が記載された時刻表に関する時刻表情報107を有する。
【0115】
作動時間テーブル105aには、第3の実施の形態と同様に、乗車率の範囲に対して作動時間が対応付けられている。但し、第4の実施の形態の作動時間は、降車駅に到達する何分前に警告を発するかを表している。
【0116】
ここで、図13は作動時間テーブルの具体例を示す図である。
図13に示すように、作動時間テーブル105aにおいては、乗車率が低い場合には乗客は時間をかけずに円滑に降車できるため、より短い作動時間が設定される。一方、乗車率が高い場合には乗客が降車するまでに時間を要するため、作動時間が長めに設定される。これにより、降車駅が近づいていることが早めに警告される。なお、本実施の形態でも、作動時間については、ユーザが自由に設定でき、または、サーバ20からの時間帯・曜日における乗客数から統計的に自動的に設定するようにしても構わない。
【0117】
以下、図12に戻って説明する。
比較抽出部14aは、図7の比較抽出部14と同様に、入場検知部102が取得した入場した乗車駅が予め設定した利用駅情報106aの乗車駅であるか否かを判定する。また、比較抽出部14aは、現在時刻計測部13が計測した現在時刻と、時間帯テーブル101aとを比較して、現在時刻を含んだ時間帯に対応付けられた作動時間を、時間帯テーブル101aから抽出する。さらに、比較抽出部14aは、時刻表情報107から、入場時刻に最も近い乗車駅を出発する電車の時刻表を抽出し、その電車の降車駅到着予定時刻を抽出する。
【0118】
判定部16aは、現在時刻計測部13が計測する現在時刻と、比較抽出部14aが抽出した時刻表の降車駅到着予定時刻から、比較抽出部14aで抽出した作動時間を差し引いた時刻とを比較する。
【0119】
なお、その他の機能ブロックは携帯電話100が有する同じ符号の機能ブロックと同様の機能を有する。
ここで、上記時間帯テーブル101aの詳細について説明する。
【0120】
図14は時間帯毎に対応付けられた作動時間の別の具体例を示す図である。
図14に示す時間帯テーブル101aに設定される情報の項目は、図9に示した時間帯テーブル101と同様である。ただし、作動時間には、図13に示した作動時間テーブル105aから読み出された値が設定される。この作動時間とは、前述の通り、降車駅に到着する時刻からどのくらい前に警告を発するかを示す時間ある。
【0121】
例えば、時間帯テーブル101aの「8:00−8:59」の時間帯において「土曜日」には、作動時間を、目的地(C駅)に到着する「3分」前に設定している。なお、「8:00−8:59」の時間帯の「土曜日」であれば一般的には休日であり乗車率が低くなることが予想される。一方、同様の時間帯において、「平日」であれば一般的には通勤時間であり乗車率が高くなることが予想され「土曜日」よりも早めの警告が望まれるため、作動時間を「6分」前に設定している。
【0122】
また、このような時間帯テーブル101aにおける乗車率は、携帯電話150からの要求に応じて、サーバ20側で更新される度に、サーバ20から無線通信部10h及びアンテナ10kを介してダウンロードするように設定することもできる。
【0123】
次に、携帯電話150及びサーバ20で構成される警告システムで行われる目的地(降車駅)に近づいたときに警告が実行される所定の制御の処理手順について説明する。
図15は第4の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0124】
なお、図15に示すフローチャートにおいて、図11に示したフローチャートのステップ番号と同じステップ番号は、図11のステップ番号と同様の処理が行われる。以下では、主として図15でのみ行われる処理について説明する。
【0125】
まず、ユーザは携帯電話150の入力部10gから、出発地(乗車駅)、目的地(降車駅)を入力して利用駅情報106aとして設定しておく。また、時間帯テーブル101aの設定フラグの値を設定しておく。
【0126】
また、携帯電話150は無線通信部10h及びアンテナ10iを介してサーバ20から、設定した乗車駅から降車駅に向かう電車に関する時間帯・曜日に応じた乗車率の情報を受信する。そして、作動時間設定部103が、受信した乗車率に、作動時間テーブル105aの乗車率に対応付けられた作動時間を設定し、時間帯テーブル101aを生成する。なお、この時、サーバ20から、設定した乗車駅から降車駅に向かう電車の時刻表に関する時刻表情報107も受信して携帯電話150内に保持させてもよい。
【0127】
ユーザは、このような設定等を予め行った後、乗車駅の自動改札のリーダライタ部20gに携帯電話150をかざして入場し、電車に乗り込み、所望の降車駅に向かう。
[ステップS31]
ステップS21〜S25の処理後、比較抽出部14aは、予め設定した利用駅情報106aの乗車駅及び降車駅の間の時刻表を時刻表情報107から抽出する。そして、抽出した時刻表から、ステップS21で取得した入場時刻より遅い時刻であって、その入場時刻に最も近い時刻に乗車駅を出発する電車を判別して、その電車の降車駅到着予定時刻を抽出する。
【0128】
[ステップS32]
判定部16aは、現在時刻計測部13が計測する現在時刻と、ステップS31で抽出した降車駅到着予定時刻からステップS25で抽出した作動時間を差し引いた時刻(作動時刻)とを比較する。次の処理は、現在時刻と、作動時刻とが一致すると、ステップS27へ進められ、一致しない場合には再びステップS32に進められる。
【0129】
すなわち、現在時刻が作動時刻に一致するまでステップS32の処理が繰り返し行われる。
現在時刻が作動時刻に一致した後の処理は、ステップS27に進められて、警告部17は、降車駅が近づいたことをユーザに警告する。
【0130】
次に、上記処理フローに基づいて、携帯電話150の動作について具体的に説明する。
まず、ユーザは携帯電話150の入力部10gから、乗車駅・降車駅としてA駅・C駅の利用駅情報106aをそれぞれ設定しておき、作動時間テーブル105aの作動時間と、時間帯テーブル101aの設定フラグを設定しておく。さらに、A駅からC駅へ向かう電車の時刻表に関する時刻表情報107を携帯電話150に保持させておく。また、ユーザは、携帯電話150に、図14に示す最新の時間帯テーブル101aを保持させておく。
【0131】
ユーザは、このような設定を予め行っておき、自動改札に、非接触型ICチップ10mが内蔵された携帯電話150を自動改札にかざして、木曜日の8:05にA駅に入場する。
【0132】
すると、入場検知部102は、自動改札のリーダライタ部20gから入場した乗車駅(「A駅」)及び入場時刻(「8:05」)の情報を取得する。比較抽出部14aが、入場検知部102が取得した乗車駅の情報と、予め設定した利用駅情報106aの乗車駅とが同じであると判定して、さらに処理が続けられる(ステップS21,S22)。
【0133】
そして、現在時刻(「8:05」)及び現在の曜日(「木曜日」)が図14に示す時間帯テーブル101aの「8:00〜8:59」及び「平日」に該当し、この時間帯に対応する設定フラグが1であるため、この時間帯に対応付けられた作動時間(「6分」)を抽出する(ステップS23〜S25)。
【0134】
さらに、比較抽出部14aは、入場時刻(「8:05」)に最も近いA駅からC駅への時刻表(例えば、「8:09発〜8:37着」)を抽出する(ステップS31)。
判定部16aは、ユーザが乗車した電車のC駅到着予定時刻(「8:37」)から比較抽出部14aが抽出した作動時間(「6分」)を引いた作動時刻(「8:31」)に、現在時刻計測部13が計測した現在時刻になると(ステップS32)、警告部17により携帯電話100が振動して、C駅に近づいたことがユーザに警告される(ステップS27)。
【0135】
このように、携帯電話150では、比較抽出部14aが、現在時刻と、入場してから警告が行われる作動時間が対応付けられた時間帯とを比較して、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた時間を抽出する。さらに、現在時刻計測部13が計測した現在時刻が、比較抽出部14aが抽出した作動時間を到着予定時刻から差し引いた作動時刻になると警告部17が目的地に近づいていることを警告する。
【0136】
これにより、携帯電話150を携帯するユーザは、目的地に近づいたことを予め知ることができ、目的地の乗り過ごしを防止することができる。また、警告を発するタイミングを決める入場してからの作動時間を、ユーザが移動する時間帯毎に設定することで、時間帯毎に最適なタイミングで警告を発することができる。したがって、目的地でのユーザの乗り過ごしをより確実に防止することができる。
【0137】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態では、第4の実施の形態に対して、1つの出発地に対して複数の目的地を時間帯・曜日別に設定する場合について説明する。
【0138】
また、第5の実施の形態でも、第4の実施の形態と同様のシステム構成及びハードウェア構成(図6)を適用することができる。
図16は第5の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
【0139】
本実施の形態の携帯電話160が有する処理ブロックは、図12に示した携帯電話150と基本的に同じである。但し、比較抽出部14b及び作動時間設定部103bの各動作には、図12の比較抽出部14a及び作動時間設定部103の各動作とは違いがある。また、時間帯テーブル101bの内容も図12の時間帯テーブル101aとは異なり、利用駅情報106aの代わりに利用駅テーブル106bが、フラッシュメモリ10cに記憶される。
【0140】
利用駅テーブル106bには、乗車駅と降車駅との組み合わせが1つ以上保持される。また、各組み合わせには、警告処理を作動させる時間帯の情報が対応付けられる。これらの情報は、ユーザの入力操作に応じて設定される。
【0141】
図17は利用駅テーブルの具体例を示す図である。
図17に示す利用駅テーブル106bでは、乗車駅のA駅に対して、降車駅としてC駅(8:00−8:59、平日)、D駅(8:00−8:59、土曜日)、E駅(18:00−18:59、平日)をそれぞれ設定している。また、乗車駅のB駅に対して、降車駅としてC駅(8:00−8:59、平日)、D駅(8:00−8:59、土曜日)、E駅(18:00−18:59、平日)をそれぞれ設定している。
【0142】
利用駅テーブル106bでは、それぞれの乗車駅に対して複数の降車駅が設定可能であるが、1つの乗車駅に対しては、降車駅間で時間帯が互いに重複しないように設定される。
【0143】
図18は時間帯テーブルの具体例を示す図である。
時間帯テーブル101bは、利用駅テーブル106bに保持された、乗車駅と降車駅との組み合わせ毎に用意される。図18に示すように、時間帯テーブル101bのそれぞれには、図14と同様の時間帯、曜日、乗車率及び作動時間が設定されるが、設定フラグは保持されない。
【0144】
作動時間設定部103bは、利用駅テーブル106bに設定された乗車駅と降車駅との組み合わせ毎に、サーバ20から無線通信部10hを通じて受信された、時間帯・曜日毎の乗車率を、対応する時間帯テーブル101bに対して設定する。さらに、設定した乗車率に対応する作動時間を作動時間テーブル105aから読み出し、時間帯テーブル101bに設定する。
【0145】
比較抽出部14bは、入場検知部102により乗車駅への入場が検知されると、利用駅テーブル106bを参照し、入場した駅が利用駅テーブル106bに設定されているか否かを判定する。入場した駅が設定されていた場合、比較抽出部14bは、現在時刻がその駅に対応付けられた時間帯に含まれるか否かを判定する。現在時刻を含む時間帯が設定されていた場合、比較抽出部14bは、利用駅テーブル106bから降車駅を抽出するとともに、乗車駅と降車駅とに対応する時間帯テーブル101bから、現在時刻に対応する作動時間を読み出して、判定部16aに通知する。
【0146】
次に、このような場合の携帯電話160及びサーバ20で構成される警告システムで行われる降車駅に近づいたときに警告が実行される所定の制御の処理手順について説明する。
【0147】
図19は第5の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
なお、図19に示すフローチャートにおいて、図15に示したフローチャートのステップ番号と同じステップ番号は、図15のステップ番号と同様の処理が行われる。以下では、主として図19でのみ行われるステップについて説明する。
【0148】
まず、ユーザは、携帯電話160の入力部10gから、作動時間テーブル105a及び利用駅テーブル106bを設定しておく。また、時間帯テーブル101b及び時刻表情報107は、例えば、定期的に更新される。
【0149】
このような状態から、ユーザは、乗車駅の自動改札の所定箇所に非接触型ICチップ10mが内蔵された携帯電話160をかざして入場する。
[ステップS41]
ステップS21の処理の後、比較抽出部14bは、ステップS21で取得した入場した乗車駅と、利用駅テーブル106bに設定された乗車駅とを比較する。次の処理は、入場した乗車駅が利用駅テーブル106bに設定されていた乗車駅である場合には、ステップS42に進められ、利用駅テーブル106bの乗車駅で無い場合には、警告処理を終了する。
【0150】
[ステップS42]
比較抽出部14bは、利用駅テーブル106bにおいて入場した乗車駅に対応付けられた時間帯及び曜日と、現在時刻計測部13が計測した現在時刻とを比較する。次の処理は、入場した乗車駅に対応付けられた時間帯及び曜日の中に、現在時刻を含むものがある場合には、ステップS43に進められ、現在時刻を含むものがない場合には、警告処理を終了する。
【0151】
[ステップS43]
比較抽出部14bは、利用駅テーブル106bから、入場した乗車駅と、現在時刻を含む時間帯及び曜日とに対応付けられた降車駅を抽出する。
【0152】
[ステップS44]
比較抽出部14bは、入場した乗車駅と、ステップS43で抽出した降車駅とに対応する時間帯テーブル101bを参照し、現在時刻を含む時間帯及び曜日に対応付けられた作動時間を抽出する。
【0153】
[ステップS45]
比較抽出部14bは、入場した乗車駅と、ステップS43で抽出した降車駅との間の時刻表を、時刻表情報107から抽出する。そして、抽出した時刻表から、ステップS21で取得した入場時刻より遅い時刻であって、その入場時刻に最も近い時刻に乗車駅を出発する電車を判別して、その電車の降車駅到着予定時刻を抽出する。
【0154】
この後、図15のステップS32,S27の処理と同様の処理が順に行われる。
次に、上記処理フローに基づいて、携帯電話160の動作について具体的に説明する。
まず、ユーザは携帯電話160の入力部10gを介して、図17に示したように、乗車駅、降車駅、時間帯、曜日の利用駅テーブル106bを設定しておく。また、ユーザは、携帯電話160に利用駅テーブル106bの乗車駅から降車駅にそれぞれ向かう電車の時刻表の時刻表情報107を保持させておく。
【0155】
さらに、ユーザは、作動時間テーブル105aに作動時間を設定し、乗車駅から降車駅に向かう電車の時間帯・曜日毎の乗車率をサーバ20から読み込み、時間帯テーブル101bを携帯電話160に保持させておく。
【0156】
ユーザは、このような設定を予め行っておき、A駅の自動改札に、非接触型ICチップ10mが内蔵された携帯電話160を自動改札にかざして、金曜日の8:15に入場する。
【0157】
すると、入場検知部102は、自動改札のリーダライタ部20gから入場した乗車駅(「A駅」)及び入場時刻(「8:15」)の情報を取得する。比較抽出部14bが、入場検知部102が取得した乗車駅の情報と、予め設定した利用駅テーブル106bの乗車駅とが同じであると判定して、さらに処理が続けられる(ステップS21,S41)。
【0158】
そして、現在時刻が、「8:00〜8:59」の時間帯に該当し、現在の曜日(「金曜日」)が「平日」に該当することから、比較抽出部14bは、降車駅として「C駅」を抽出する(ステップS42,S43)。
【0159】
また、比較抽出部14bは、「A駅」と「C駅」の組み合わせに対応する図18に示す時間帯テーブル101bから、時間帯と曜日に対応付けられた作動時間(「6分」)を抽出する(ステップS44)。
【0160】
比較抽出部14bは、入場時刻(「8:15」)に最も近く、入場時刻以降のA駅からC駅への時刻表(例えば、「8:19発〜8:47着」)を抽出する(ステップS45)。
【0161】
この後は、第4の実施の形態と同様に、判定部16aは、現在時刻が、C駅到着予定時刻(「8:47」)から比較抽出部14が抽出した作動時間(「6分」)を引いた作動時刻(「8:41」)になると(ステップS32)、警告部17により携帯電話160が振動して、C駅に近づいたことがユーザに警告される(ステップS27)。
【0162】
このように、第5の実施の形態の携帯電話160では、1つの出発地(乗車駅)に対して時間帯に応じて複数の目的地を設定して、比較抽出部14bが、現在時刻と、入場してから警告が行われる作動時間が対応付けられた時間帯とを比較して、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた時間を抽出する。さらに、現在時刻計測部13が計測した現在時刻が、比較抽出部14bが抽出した作動時間を到着予定時刻から差し引いた時刻になると警告部17が降車駅に近づいていることを警告する。
【0163】
これにより、携帯電話160を携帯するユーザは、目的地に近づいたことを予め知ることができ、目的地の乗り過ごしを防止することができる。また、警告を発するタイミングを決める入場してからの作動時間を、ユーザが移動する時間帯毎に設定することで、時間帯毎に最適なタイミングで警告を発することができる。したがって、目的地でのユーザの乗り過ごしをより確実に防止することができる。
【0164】
なお、以上の第5の実施の形態では、目的地に到着するまでの時間を「作動時間」としたが、第3の実施の形態のように、出発地からの経過時間を「作動時間」とした場合にも応用できる。この場合、図16の時刻表情報107は不要となるが、時間帯テーブル101bと同様に、作動時間テーブル105aも、利用駅テーブル106bに設定された乗車駅と降車駅との組み合わせ毎に、ユーザによって設定される。これは、乗車駅と降車駅との組み合わせによって、乗車から降車までの時間が異なるからである。
【0165】
すなわち、作動時間設定部103bは、利用駅テーブル106bに設定された乗車駅と降車駅との組み合わせ毎に、時間帯及び曜日とそれらに対応する乗車率とをサーバから受信して、時間帯テーブル101bに設定する。そして、設定した乗車率に対応する作動時間を、同じ乗車駅と降車駅との組み合わせに対応する作動時間テーブル105aから読み出して、時間帯テーブル101bに設定する。
【0166】
比較抽出部14bは、駅への入場が検知されると、入場した駅が利用駅テーブル106bに設定された乗車駅であり、なおかつ、現在時刻を含む時間帯が、入場した駅に対応付けて設定されている場合に、利用駅テーブル106bから降車駅を抽出する。そして、乗車駅と降車駅との組み合わせに対応する時間帯テーブル101bから、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた作動時間を読み出す。以後、図11に示したステップS26,S27と同様の処理が、時間計測部104(図7参照)、判定部16a及び警告部17によって実行される。
【0167】
[第6の実施の形態]
前述の第4,第5の実施の形態では、時間帯や出発地・目的地の組み合わせに応じた乗車率毎に、警告を実行させる時刻を変化させたが、時刻の代わりに、第2の実施の形態のような作動距離を変化させることもできる。以下の第6の実施の形態では、例として、第5の実施の形態において、時間帯及び出発地・目的地の組み合わせに応じた乗車率毎に、作動時刻の代わりに作動距離を変化させる場合について説明する。
【0168】
なお、第6の実施の形態でも、第3の実施の形態と同様のシステム、ハードウェア構成(図6)及びサーバ20の機能を示すブロック図(図10)を適用することができる。
図20は第6の実施の形態に係る携帯電話が備える機能を示すブロック図である。
【0169】
携帯電話200は、現在位置から目的地(降車駅)までの距離が、現在時刻が含まれる時間帯に対応付けられた所定の距離になると、降車駅に近づいたことをユーザに警告する処理を行うことができるものである。
【0170】
このような処理を実行するために、携帯電話200は、現在時刻計測部13、比較抽出部14c、距離算出部15c、判定部16及び警告部17を有する。また、携帯電話200は、入場検知部102及び作動距離設定部103cを有する。さらに、携帯電話200のフラッシュメモリには、目的地情報12c、作動距離テーブル105c、時間帯テーブル101c及び利用駅テーブル106bが記憶される。
【0171】
なお、図20のブロック図において、図3及び図16に示した機能ブロック図の符号と同じ符号は、図3及び図16の符号と同様の機能及び情報を表す。
目的地情報12cには、目的地(降車駅)の位置情報が設定される。ただし、本実施の形態では、目的地情報12cには、利用駅テーブル106bに設定可能な複数の降車駅の位置情報が設定される。
【0172】
次に、図21は、作動距離テーブルの具体例を示す図である。
作動距離テーブル105cには、乗車率の範囲に対して作動距離が対応付けられている。作動距離は、目的地に対してどれだけ近づいたときに警告を発するかを示すものであり、乗車率に対してユーザによって適宜設定することができる。例えば、乗車率が低い場合には乗客は時間をかけずに円滑に降車できるため作動距離を短く設定することが望まれる。一方、乗車率が高い場合には乗客が降車するまでに時間を要するため作動距離を長く設定して、降車駅が近づいていることを早めに警告することが望まれる。なお、作動距離は、ユーザが自由に設定してもよいが、例えば、サーバ20からの時間帯毎に対する乗客数等の統計情報や乗車駅から降車駅までの所要時間等を基に自動的に設定するようにしても構わない。
【0173】
図22は、時間帯テーブルの具体例を示す図である。
利用駅テーブル106bには、図17と同様の情報が設定される。そして、時間帯テーブル101cは、利用駅テーブル106bに設定された乗車駅と降車駅との組み合わせ毎に生成される。
【0174】
図22に示す時間帯テーブル101cでは、時間帯及び曜日に対して、乗車率及び作動距離が対応付けられている。これらのうち、時間帯、曜日及び乗車率については、図18において説明した通りである。また、各作動距離は、作動距離テーブル105cにおいて乗車率に対応付けて設定されていた値である。
【0175】
作動距離設定部103cは、利用駅テーブル106bに設定された乗車駅と降車駅との組み合わせ毎に、サーバ20から無線通信部10hを通じて受信された、時間帯・曜日毎の乗車率を、対応する時間帯テーブル101cに対して設定する。さらに、設定した乗車率に対応する作動距離を作動距離テーブル105cから読み出し、時間帯テーブル101cに設定する。
【0176】
比較抽出部14cは、入場検知部102により駅への入場が検知されると、利用駅テーブル106bを参照し、入場した駅が利用駅テーブル106bに設定されているか否かを判定する。入場した駅が設定されていた場合、比較抽出部14cは、現在時刻がその駅に対応付けられた時間帯に含まれるか否かを判定する。現在時刻を含む時間帯が設定されていた場合、比較抽出部14cは、利用駅テーブル106bから降車駅を抽出するとともに、乗車駅と降車駅に対応する時間帯テーブル101cから、現在時刻に対応する作動距離を読み出して、判定部16に通知する。
【0177】
次に、携帯電話200及びサーバ20で構成される警告システムで行われる降車駅に近づいたときに警告が実行される所定の制御の処理手順について説明する。
図23は第6の実施の形態に係る携帯電話で警告を実行するための処理手順を示すフローチャートである。
【0178】
なお、図23に示すフローチャートにおいて、図5及び図19に示したフローチャートのステップ番号と同じステップ番号は、図5及び図19のステップ番号と同様の処理が行われる。
【0179】
まず、ユーザは携帯電話200の入力部10gから出発地(乗車駅)、目的地(降車駅)を入力して目的地情報12cを設定しておく。なお、目的地情報12cは、例えば、サーバ20等からダウンロードされた情報であってもよい。
【0180】
また、ユーザは、携帯電話200の入力部10gから、作動距離テーブル105c及び利用駅テーブル106bを設定しておく。また、時間帯テーブル101cは、例えば、定期的に更新される。
【0181】
このような状態から、ユーザは乗車駅の自動改札のリーダライタ部20gに非接触型ICチップ10mが内蔵された携帯電話200をかざして入場する。
[ステップS51]
ステップS21,S41〜S43の処理後、比較抽出部14cは、入場した乗車駅と、ステップS43で抽出した降車駅とに対応する時間帯テーブル101cを参照し、現在時刻を含む時間帯及び曜日に対応付けられた作動距離を抽出する。
【0182】
以後の処理は、第2の実施の形態のステップS16〜S19と同様の処理が行われて、警告部17は、降車駅が近づいたことをユーザに警告する。但し、ステップS17の処理は距離算出部15cによって実行され、距離算出部15cは、目的地の位置情報として、ステップS43で抽出された降車駅に対応する位置情報を、目的地情報12cから読み出して利用する。
【0183】
次に、上記処理フローに基づいて、携帯電話200の動作について具体的に説明する。
ユーザは、非接触型ICチップ10mが内蔵された携帯電話200を自動改札にかざして、木曜日の8:05にA駅に入場する。
【0184】
すると、入場検知部102は、自動改札のリーダライタ部20gから入場した駅(「A駅」)及び入場時刻(「8:05」)の情報を取得する。比較抽出部14cが、入場検知部102が取得した乗車駅の情報と、予め設定した利用駅テーブル106bの乗車駅とが同じであると判定して、さらに処理が続けられる(ステップS21,S41)。
【0185】
そして、現在時刻が、「8:00〜8:59」の時間帯に該当し、現在の曜日(「木曜日」)が「平日」に該当することから、比較抽出部14cは、降車駅として「C駅」を抽出する(ステップS42,S43)。
【0186】
さらに、比較抽出部14cは、「A駅」と「C駅」の組み合わせに対応する図22に示す時間帯テーブル101cから、時間帯と曜日に対応付けられた作動距離(「950m」)を抽出する(ステップS51)。
【0187】
その後、GPS10jにより特定された携帯電話200の現在位置からC駅までの距離が950mになると(ステップS16〜S18)、警告部17により携帯電話200が振動して、C駅に近づいたことがユーザに警告される(ステップS19)。
【0188】
このように、携帯電話200では、比較抽出部14cが、現在時刻と、利用駅テーブル106bに設定された時間帯とを比較して、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた作動距離を、時間帯テーブル101cから抽出する。さらに、距離算出部15cが算出した距離が、比較抽出部14cが抽出した作動距離になると警告部17が目的地に近づいていることを警告する。
【0189】
これにより、携帯電話200を携帯するユーザは、目的地に近づいたことを予め知ることができ、目的地の乗り過ごしを防止することができる。また、警告を発するタイミングを決める作動距離が、ユーザが移動する時間帯毎に設定されることで、時間帯毎に最適なタイミングで警告を発することができる。したがって、目的地でのユーザの乗り過ごしをより確実に防止することができる。さらに、このような警告処理を、乗車駅と降車駅の組み合わせ毎に、必要な時間帯にのみ実行させることができる。
【0190】
なお、携帯電話200では、前述の第4の実施の形態のように、出発地及び目的地の組み合わせを1つのみとした場合にも、作動時間の代わりに作動距離を設定することも可能である。
【0191】
この場合、図20において、利用駅テーブル106bの代わりに、乗車駅と降車駅とがそれぞれ1組のみ設定された利用駅情報106a(図12参照)が利用される。また、時間帯テーブル101cは1つのみ用意され、時間帯テーブル101cには、図14と同様の設定フラグが設定される。さらに、目的地情報12cにも、1つの目的地の位置情報のみが設定される。
【0192】
比較抽出部14cは、駅への入場が検知されると、入場した駅が利用駅情報106aに設定された乗車駅である場合に、時間帯テーブル101cを参照する。比較抽出部14cは、現在時刻を含む時間帯及び曜日に対応付けられた設定フラグが1である場合に、その時間帯及び曜日に対応付けられた作動距離を読み出す。以後、図23のステップS16〜S19の処理が行われる。これにより、目的地に近づいたことを予めユーザに警告することができる。
【0193】
なお、上記の各実施の形態で示した携帯装置1、携帯電話10,100,150,160,200が有する機能の少なくとも一部は、コンピュータによって実現することができる。その場合には、上記機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そして、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。
【0194】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録された光ディスク等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、そのプログラムを、サーバコンピュータからネットワークを介して他のコンピュータに転送することもできる。
【0195】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0196】
以上の各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 時間帯毎に距離が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された距離を抽出する抽出手段と、
現在位置を示す位置情報と、前記記憶手段に予め設定された目的地の位置情報とを基に、前記目的地までの距離を算出する距離算出手段と、
算出された前記目的地までの距離が前記抽出手段によって抽出された距離と一致した場合に警告を発する処理を行う警告手段と、
を有することを特徴とする携帯装置。
【0197】
(付記2) 前記目的地までの移動経路上の所定位置を通過したことを検知する検知手段をさらに有し、
前記時間帯情報は出発地毎に前記記憶手段に記憶され、
前記抽出手段は、前記検知手段によって検知された位置に対応する出発地を認識し、認識した前記出発地に対応する前記時間帯情報を参照する、
ことを特徴とする付記1記載の携帯装置。
【0198】
(付記3) 前記時間帯情報は目的地毎に前記記憶手段に記憶され、
前記抽出手段は、時間帯毎に前記目的地が対応付けられた目的地情報を前記記憶手段から読み出し、現在時刻を含む前記時間帯に対応付けられた前記目的地を抽出し、抽出した前記目的地に対応する前記時間帯情報に基づいて、現在時刻を含む前記時間帯に対応付けられた距離を抽出し、
前記距離算出手段は、予め記憶された複数の目的地のそれぞれについての位置情報のうち、前記抽出手段によって抽出された前記目的地の位置情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した位置情報と現在位置を示す位置情報とを基に、前記目的地までの距離を算出する、
ことを特徴とする付記1または2記載の携帯装置。
【0199】
(付記4) 時間帯毎に時間が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された設定時間を抽出する抽出手段と、
目的地に到着するまでの時間が、前記抽出手段によって抽出された前記設定時間に基づく時間と一致した場合に、警告を発する処理を行う警告手段と、
を有することを特徴とする携帯装置。
【0200】
(付記5) 前記目的地までの移動経路上の所定位置を通過したことを検知する検知手段と、
前記所定位置を通過したことが検知されると計時を開始する計時手段と、
をさらに有し、
前記警告手段は、前記計時手段により計時された時間が、前記抽出手段によって抽出された前記設定時間と一致した場合に、警告を発する処理を行う、
ことを特徴とする付記4記載の携帯装置。
【0201】
(付記6) 前記目的地への到着時刻を前記記憶手段または外部装置から取得する到着時刻取得手段をさらに有し、
前記警告手段は、取得した前記到着時刻と現在時刻とに基づき、前記目的地に到着するまでの時間が、前記抽出手段によって抽出された前記設定時間と一致した場合に、警告を発することを特徴とする付記4記載の携帯装置。
【0202】
(付記7) 前記目的地までの移動経路上の所定位置を通過したことを検知する検知手段をさらに有し、
前記抽出手段は、前記所定位置を通過したことが検知された時刻に応じた前記到着時刻を取得する、
ことを特徴とする付記6記載の携帯装置。
【0203】
(付記8) 前記目的地までの移動経路上の所定位置を通過したことを検知する検知手段をさらに有し、
前記時間帯情報は出発地毎に前記記憶手段に記憶され、
前記抽出手段は、前記検知手段によって検知された位置に対応する出発地を認識し、認識した前記出発地に対応する前記時間帯情報を参照する、
ことを特徴とする付記4記載の携帯装置。
【0204】
(付記9) 前記時間帯情報は目的地毎に前記記憶手段に記憶され、
前記抽出手段は、時間帯毎に目的地が対応付けられた目的地情報を前記記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた目的地を抽出し、抽出した前記目的地に対応する前記時間帯情報に基づいて、現在時刻を含む時間帯に対応付けられた設定時間を抽出する、
ことを特徴とする付記4または8記載の携帯装置。
【0205】
(付記10) 前記時間帯情報に保持される前記時間は、前記目的地への移動手段である車両の乗車率に応じて設定されることを特徴とする付記4乃至9のいずれか1項に記載の携帯装置。
【0206】
(付記11) コンピュータに、
時間帯毎に距離が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された距離を抽出し、
現在位置を示す位置情報と、前記記憶手段に予め設定された目的地の位置情報とを基に、前記目的地までの距離を算出し、
算出された前記目的地までの距離が、前記時間帯情報から抽出された距離と一致した場合に、警告を発する処理を警告手段に実行させる、
処理を実行させることを特徴とする携帯装置プログラム。
【0207】
(付記12) コンピュータに、
時間帯毎に時間が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された設定時間を抽出し、
目的地に到着するまでの時間が、前記時間帯情報から前記設定時間に基づく時間と一致した場合に、警告を発する処理を警告手段に実行させる、
処理を実行させることを有することを特徴とする携帯装置プログラム。
【符号の説明】
【0208】
1 携帯装置
2 現在時刻計測手段
3 抽出手段
3a 時間帯情報
4 位置情報出力装置
5 距離算出手段
5a,12,12c 目的地情報
6 判定手段
7 警告手段
10,100,150,160,200 携帯電話
10a,20a CPU
10b,20b RAM
10c フラッシュメモリ
10d 振動発生部
10e 表示部
10f スピーカ
10g 入力部
10h 無線通信部
10i,10k アンテナ
10j GPS
10l ICチップ処理部
10m 非接触型ICチップ
10n,20h バス
11,101,101a,101b,101c 時間帯テーブル
13 現在時刻計測部
14,14a,14b,14c 比較抽出部
15,15c 距離算出部
16,16a 判定部
17 警告部
20 サーバ
20c 通信部
20d グラフィック処理部
20e 入力インタフェース
20f HDD
20g リーダライタ部
20i モニタ
20j キーボード
20k マウス
21 入退場情報保持部
22 チップ情報取得部
23 チップ情報書込部
24 入場情報通知部
25 受信部
26 入退場情報処理部
27 送信要求部
28 送信部
30 ネットワーク
102 入場検知部
103,103b 作動時間設定部
103c 作動距離設定部
104 時間計測部
105,105a 作動時間テーブル
105c 作動距離テーブル
106,106a 利用駅情報
106b 利用駅テーブル
107 時刻表情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間帯毎に距離が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された距離を抽出する抽出手段と、
現在位置を示す位置情報と、前記記憶手段に予め設定された目的地の位置情報とを基に、前記目的地までの距離を算出する距離算出手段と、
算出された前記目的地までの距離が前記抽出手段によって抽出された距離と一致した場合に警告を発する処理を行う警告手段と、
を有することを特徴とする携帯装置。
【請求項2】
前記目的地までの移動経路上の所定位置を通過したことを検知する検知手段をさらに有し、
前記時間帯情報は出発地毎に前記記憶手段に記憶され、
前記抽出手段は、前記検知手段によって検知された位置に対応する出発地を認識し、認識した前記出発地に対応する前記時間帯情報を参照する、
ことを特徴とする請求項1記載の携帯装置。
【請求項3】
前記時間帯情報は目的地毎に前記記憶手段に記憶され、
前記抽出手段は、時間帯毎に前記目的地が対応付けられた目的地情報を前記記憶手段から読み出し、現在時刻を含む前記時間帯に対応付けられた前記目的地を抽出し、抽出した前記目的地に対応する前記時間帯情報に基づいて、現在時刻を含む前記時間帯に対応付けられた距離を抽出し、
前記距離算出手段は、予め記憶された複数の目的地のそれぞれについての位置情報のうち、前記抽出手段によって抽出された前記目的地の位置情報を前記記憶手段から読み出し、読み出した位置情報と現在位置を示す位置情報とを基に、前記目的地までの距離を算出する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の携帯装置。
【請求項4】
時間帯毎に時間が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された設定時間を抽出する抽出手段と、
目的地に到着するまでの時間が、前記抽出手段によって抽出された前記設定時間に基づく時間と一致した場合に、警告を発する処理を行う警告手段と、
を有することを特徴とする携帯装置。
【請求項5】
前記目的地までの移動経路上の所定位置を通過したことを検知する検知手段をさらに有し、
前記時間帯情報は出発地毎に前記記憶手段に記憶され、
前記抽出手段は、前記検知手段によって検知された位置に対応する出発地を認識し、認識した前記出発地に対応する前記時間帯情報を参照する、
ことを特徴とする請求項4記載の携帯装置。
【請求項6】
コンピュータに、
時間帯毎に距離が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された距離を抽出し、
現在位置を示す位置情報と、前記記憶手段に予め設定された目的地の位置情報とを基に、前記目的地までの距離を算出し、
算出された前記目的地までの距離が、前記時間帯情報から抽出された距離と一致した場合に、警告を発する処理を警告手段に実行させる、
処理を実行させることを特徴とする携帯装置プログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
時間帯毎に時間が設定された時間帯情報を記憶手段から読み出し、現在時刻を含む時間帯に対応付けて設定された設定時間を抽出し、
目的地に到着するまでの時間が、前記時間帯情報から前記設定時間に基づく時間と一致した場合に、警告を発する処理を警告手段に実行させる、
処理を実行させることを有することを特徴とする携帯装置プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2011−170409(P2011−170409A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31004(P2010−31004)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】