説明

携帯通信端末および情報提供システムおよび情報提供方法

【課題】 緊急時や救急時における情報提供と対応・誘導システムに関し、高精度の位置情報を汎用的な携帯電子機器から取得してきめ細かい誘導を実現する。
【解決手段】 照明装置200と、照明装置200による照明と位置情報の出力を制御する照明制御装置300と、照明装置200から位置情報を取得する位置取得部と位置情報および緊急情報を送信する無線部と含む携帯通信端末100と、携帯通信端末100から受信した位置情報および緊急情報に基づいて所定の案内先に至る経路情報を抽出して携帯通信端末に返信する情報サーバ400と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末とそれを用いた情報提供システムに関し、特に、緊急時や救急時における情報提供と対応・誘導システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
災害などの緊急時あるいは救急時においては、危険な場所や危険な状態から逃れて安全な場所へ移動することが急務である。その対象者への誘導方法として、従来、掲示板により移動する方向を案内する方法が知られている。しかしながら誘導を受ける者が掲示板の設置場所から離れるにつれて掲示内容を見ることが困難になり、対象者が迷いやすいという欠点が存在する。
【0003】
別な方法として、車に搭載したナビゲーションシステムによって目的地まで経路案内を行う方法がある。この場合、誘導情報を随時確認することができるので前述の例よりも確実であるが、車載機器を用いているため使用できる場面が乗車時に限定され、また、携帯性に欠けるといった問題点がある。これらの問題の改善策として、携帯情報端末を使用することでそのユーザである対象者が歩行しながら誘導情報を視聴することができる方法が特許文献1に記載されている。
【0004】
図8は特許文献1記載の誘導方法に関する説明図である。誘導システム100は誘導サービスを携帯情報端末(ユーザ端末)に提供するシステムである。誘導システム100はナビゲーションサーバ10および情報提示サーバ20を有しており、ナビゲーションサーバ10はユーザの現在位置、目的地のデータ、ナビゲーションプログラム、通信プログラムおよび画面案内情報を内部に記憶している。
【0005】
通信ネットワーク200は誘導システム100と携帯情報端末300との間に介在し、携帯情報端末300と無線による通信を行う。また、誘導システム100と通信ネットワーク200との間は有線での通信が行われる。通信ネットワーク200は、携帯情報端末300(携帯電話)が定期的に発生する識別番号(電話番号)を検知することにより携帯情報端末300の位置を検出する。この検出位置(現在位置)から目的地へ向かうための次の位置への誘導情報と識別情報は、ナビゲーションサーバ10から前記情報提示サーバ20へ転送される。情報提示サーバ20は、転送されてきた誘導情報に対応する関連情報をデータベースから取り出して携帯情報端末300に送信する。
【0006】
携帯情報端末300は誘導情報を出力可能な携帯情報端末であり、誘導情報の案内手段として(段落0044)には地図の表示や音声による誘導手段が開示されている。
【特許文献1】特開2004−20240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の誘導システムでは、位置検出の手段として携帯電話が定期的に発生する識別番号(電話番号)を用いているため、位置情報の精度が細かく無いという問題点が存在する。位置精度は携帯電話網のエリア(もしくはエリアを構成するセル)の大きさで決まるが、セルの大きさは具体的には都心で半径500m程度、郊外では5〜6km程度である。そのため、この位置精度を用いてのきめ細かい誘導は容易ではない。加えて、建物の中にユーザが居る場合など上下方向の位置関係の把握も困難でありその誘導が困難である、という問題点が存在する。
【0008】
さらに、特許文献1には記載されていないが、GPSを利用すれば位置精度を向上させることが可能と考えられる。しかし、この場合には携帯通信端末にGPS通信のための特殊な機能を必要とすることとなる。
【0009】
本発明は、特殊な機能を必要とすること無く簡便な方法で位置情報を取得し、なお且つ良好な精度の位置情報を持ってきめ細かい誘導をもたらすことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の携帯通信端末は、照明装置から出力される位置情報を取得する位置取得部と、緊急情報の入力を行う入力部と、入力部により緊急情報が入力されたときに位置取得部により取得された位置情報及び前記緊急情報を送信し、該送信に対応する経路情報を受信する無線部と、無線部により受信された経路情報に対して経路画像表示や誘導音声通知の制御を行う制御部を有している。
【0011】
本発明の情報提供システムは、照明装置と、照明装置による照明と位置情報の出力を制御する照明制御装置と、照明装置から位置情報を取得する位置取得部と位置情報および緊急情報を送信する無線部と含む携帯通信端末と、携帯通信端末から受信した位置情報および前記緊急情報に基づいて所定の案内先に至る経路情報を抽出して、前記携帯通信端末に返信する情報サーバを有している。
【0012】
本発明の情報提供方法は、照明装置が照明し、照明装置による照明と位置情報の出力を照明制御装置が制御し、照明装置からの位置情報を携帯通信端末の位置取得部が取得し、位置情報および緊急情報を携帯通信端末の無線部が送信し、情報サーバが携帯通信端末から受信した位置情報および緊急情報に基づいて所定の案内先に至る経路情報を抽出して携帯通信端末に返信する手段を有している。
【発明の効果】
【0013】
本発明の携帯通信端末および情報提供システムは、照明機能と情報を送信する機能を備えた照明装置から、位置取得部を通して位置情報を取得する。照明装置は携帯電話網の基地局と比較して数量をより多く設置することが容易であり、そのため位置情報を精度良く得ることができる利点がある。また、建物の内部においては階数など上下方向の位置関係の把握も容易にできるという利点がある。従って、これらの良好な精度の位置情報を用いたきめ細かい誘導が可能となり、緊急時や救急時の避難に大いに貢献できる。加えて、携帯通信端末に通常装備されている位置取得部を通して良好な精度の位置情報を取得するので、位置精度向上のために例えばGPS通信のための特殊な機能を特に必要としない等の効果も奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による情報提供システムの一実施の形態を示すブロック図である。図1において情報提供システムは、携帯通信端末100と、照明装置200(複数の照明装置200a,200b,200cから構成されるがここでは照明装置200として代表して表す)と、照明制御装置300と、情報サーバ400と、通信ネットワーク500と、から主に構成される。
【0015】
まず、本発明の実施の形態の理解を助けるため、図1に示す情報提供システムの概要を説明する。携帯通信端末100は、緊急情報を発信すると共に、最寄りの照明装置200から可視光通信によって位置情報を取得する。通信ネットワーク500を介して携帯通信端末100から緊急情報と位置情報とを取得した情報サーバ400は、取得した緊急情報の種別と位置情報を、情報サーバ400が記憶している案内先情報や地図情報と照合する。その結果、情報サーバ400は、緊急情報の種別に応じて当該位置から最も近い案内先(救急病院または避難場所)を選択し、その案内先(誘導先)と案内先までの経路情報を発生する。続いて、情報サーバ400は、携帯通信端末100にその誘導先/経路情報を返信する。携帯通信端末100はその情報を受信し、その情報に従って誘導先を表示、或いは、誘導音声を通知する。携帯通信端末100は、移動により新たな最寄りの照明装置200から位置情報を再度取得して情報サーバ400に送信し、その移動に伴った新たな誘導先/経路情報を再度受信する。この一連の動作を繰り返して、最終的な案内先(誘導先)への誘導が実現される。
【0016】
携帯通信端末100は、プログラム制御により動作し、通信ネットワーク500との接続が可能な、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)などの通信装置である。
【0017】
照明装置200として、3台の照明装置200a,200b,200cの場合について説明する。照明装置200a,200b,200cはそれぞれ道路上や施設内に設置される。照明装置200は例えば複数のLEDを光源として用いており、通常の照明機能に加えて、光源を点滅させる等の変調を行って情報(たとえば、後述する位置情報の光信号)を送信する可視光通信機能を備えている。また、照明装置200a,200b,200cは、発光色として、白、赤、青、緑等の複数色の可視光のLED光源を備えており、照明制御装置300からの駆動信号により、点灯または点滅する。
【0018】
照明制御装置300は、プログラム制御により動作する情報処理装置であって、通信ネットワーク500を介して情報サーバ400から受信した制御情報に基づき、照明装置200a,200b,200cの点灯、点滅を制御する駆動信号を発生する。
【0019】
情報サーバ400からの制御情報は、それぞれの照明装置200a,200b,200cに固有の位置情報と、情報サーバ400から指定された緊急避難場所や他の誘導場所に携帯通信端末100のユーザを誘導するための誘導情報とを有する。ここで、位置情報は、情報サーバ400で決められており、各照明装置の位置を特定するためのものである。ただし、位置情報は、情報サーバ400から受信されるのではなく、あらかじめ照明制御装置300に蓄積されたものであってもよい。いずれにしても照明制御装置300は、位置情報に基づいて照明装置200a,200b,200cの特定の発光色の光源の変調(位置情報の基づく駆動信号の発生)を行う。この変調された光によって各照明装置は位置情報(位置情報の光信号)を出力している。また、照明制御装置300は、情報サーバ400からの誘導情報に基づいて、照明装置200a,200b,200cのうちの特定のものに対し少なくとも一部の発光色の変更(たとえばLED発光色の白色から赤色への変更)を制御を行う。これにより、照明装置は、変更された可視光の発光色によって、ユーザを指定された緊急避難場所や他の誘導場所に誘導することができ、すなわち誘導光を発生する。
【0020】
図2は照明制御装置300の構成を示すブロック図である。照明制御装置300は、通信ネットワーク500を介して制御情報の受信を行う受信部301と、照明装置200a,200b,200cの点灯を行う駆動信号を発生する駆動装置302a,302b,302c(以後、総称して駆動装置302と称することもある)と、制御部303とから主に構成される。制御部303は、駆動装置302a,302b,302cを制御して各照明装置の位置情報を各照明装置200a,200b,200cから出力させる。制御部303は、緊急時や救急時において受信部301で誘導情報を受信した場合には、特定の駆動装置302を制御して特定の照明装置200から誘導光を出力させる。なお、この実施の形態では駆動装置302a,302b,302cは照明制御装置300の内部に搭載された場合であるが、駆動装置302a,302b,302cは照明装置200a,200b,200cの中に組み込まれていても良い。
【0021】
図3は情報サーバ400の構成を示すブロック図である。情報サーバ400は、プログラム制御により動作するワークステーション・サーバ等の情報処理装置であって、緊急時、救急時の際に必要な目的地の位置情報や当該案内先のサービス内容などの案内先情報と地図情報をプログラム制御情報の他に格納する記憶部403と、携帯通信端末100からの位置情報(照明装置からの位置情報)、緊急情報、あるいは救急情報を受信する送受信部401と、制御部402とを有する。制御部402は送受信部401より受信した情報の種別に応じて所定の案内先を選択し、記憶部403に記憶された地図情報地図情報に基づいて当該案内先に至る経路地図情報である経路情報を発生し、その経路情報を送受信部401から通信ネットワーク500を経由し図示しない無線基地局から携帯通信装置100に送信するよう制御する。さらに、制御部402は、照明制御装置300に対し、前述した位置情報及び誘導情報を有する制御情報を発生し、送受信部401から出力するよう制御する。
【0022】
次に、携帯通信端末100について図面を用いて詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態における携帯通信端末の構成を示すブロック図である。携帯通信端末100は、ここでは携帯電話端末である。携帯通信端末100はアンテナを介して無線基地局との間で無線信号を送受する無線部101と、画像情報や図1の照明装置200からの前述した位置情報の取得を行うカメラ部102と、文字や画像などの各種情報表示出力を行う表示部103(103a/103b)と、各種情報操作入力を行う操作部104(104a/104b/104c)と、を含む。さらに携帯通信端末100は、音声信号処理を行う音声処理部105と、音声処理部105への入力、出力を行う送話部106および受話部107と、楽音、報知音などを出力するスピーカ108と、電話帳情報、送受信メール情報、発着呼情報、コンテンツ情報、プログラム情報などの携帯電話端末の各種設定などを格納するメモリ109と、電話機能、メール機能、web接続やインターネット接続機能、カメラ機能、可視光による情報取得/出力機能および携帯通信端末各部の制御を行う制御部110と、から主に構成される。
【0023】
携帯通信端末100は、位置取得部であるカメラ部102が通常の撮影による画像情報だけでなく、照明装置200からの位置情報の光信号を受光し、制御部110でそれを認識し、情報サーバ400に送信制御にすることを特徴とする。例えば、カメラ部102は、CCDセンサを含む受光光学系により構成される。この場合、カメラ部102は、照明装置の特定のLED光源からの位置情報の光信号を受信し認識できる機能が必要であるが、そのためには、その光信号を検出し位置情報を認識する電子回路を付加すればよく、それほど特別な機能の付加にはならない。
【0024】
図5は、本発明の実施の形態における携帯通信端末の外観を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。携帯通信端末100は、例えば、上部筐体111と下部筐体112がヒンジ113を介して開閉可能に結合された折畳み型携帯電話端末であって、図示しないアンテナを介して無線基地局との間で無線信号の送受を行う。画像情報の取得や撮影を行うカメラ部102は携帯通信端末100の上部筐体端部近傍に配置され、図示しない回転軸を介して回動可能に支持されている。表示部103は携帯通信端末100の上部筐体の内面と外面(背面)にそれぞれ設けられた表示部103aと103bを有する。操作部104は、携帯通信端末100の下側筐体の内面に配設された決定ボタン部104aとテンキーボタン部104bと有し、さらにサイドボタン部104cを上部筐体と下部筐体が閉じた状態でも操作可能になるよう下側筐体の側面に有する。
【0025】
カメラ部102について詳説する。カメラ部102は画像情報の取得や撮影を行うだけでなく位置取得部としても機能する。図7(a),(b),(c)は図4の携帯通信端末におけるカメラ部102の拡大側面図である。カメラ部102は撮像用のレンズ1021と筐体1023と回転軸1022から主に構成される。回転軸1022を中心に回転移動する筐体1023の回転面には凹形状の溝1024(1024a/1024b/1024c)が形成されており、また上部筐体側のカメラ部102収納位置には凸形状の突起1025が形成されており、これらの凹凸のかみ合う位置(所定位置)でカメラ部102は係止できる。カメラ部102がどの所定位置にあるかは、溝1024(1024a/1024b/1024c)位置の検出を行う光学式、磁気式、または機械式等の図示しないセンサによって検出される。なお、凹形状の溝の数として3箇所の場合で説明したが、溝の数は3箇所に限られるものではない。また、筐体1023の回転面と上部筐体側のカメラ部102収納位置における凸形状の突起と凹形状の溝の組み合わせは逆であってもよい。
【0026】
図6は、本発明の実施の形態の情報提供システムの動作を表すシーケンス図である。携帯通信端末100は、利用者による緊急情報の入力操作(操作部104の予め設定された操作ボタンが所定の時間押下される)がなされた場合、カメラ部102を介して照明装置200から位置情報の取得を行う(S101〜S102)。操作ボタンに予め設定された緊急情報の種別としては、例えば、テンキーのうちの“1”を2秒以上押下した場合は救急病院の案内要求が、“3”を2秒以上押下した場合は天災時の緊急避難先の案内要求である。照明装置200からの位置情報とは発光強度の強弱や発光色の変化などの光信号であり、各々の照明装置200a,200b,200cは互いに識別できるように固有の信号パターンを有する。この位置情報である照明装置からの発光信号パターンは、照明制御装置300あるいは情報サーバ400に記憶されており、照明制御装置300によって各々制御された照明装置200a,200b,200cから出力される(S112〜S113)。図4の携帯通信端末100は、カメラ部102が取得したこの位置情報を制御部110で認識し、この位置情報と操作部104の操作により入力された緊急情報とを無線部101から送信する(S103)。
【0027】
情報サーバ400は、通信ネットワーク500を介して受信した緊急情報と位置情報とを送受信部401を介して受信する。図3において制御部402は、受信した緊急情報の種別と位置情報を記憶部403内の案内先情報や地図情報と照合し、緊急情報の種別に応じて当該位置から最も近い案内先(救急病院または避難場所)を選択しその案内先(誘導先)と案内先までの経路情報を発生する(S104〜S105)。さらに、制御部402の制御により送受信部401を介してその誘導先/経路情報を携帯通信端末100に返信する(S108)。また、携帯通信端末100への経路の案内や位置情報取得が容易に行われるように、制御部402は照明制御装置300に対して当該案内先に至る照明装置200の少なくとも一部の発光色を変更させるように誘導情報を含む制御情報を出力する。これにより照明制御装置300は、駆動信号を発生し、照明装置は携帯通信端末100のユーザを案内先に誘導する誘導光を出力する(S106,S107,S114)。
【0028】
携帯通信端末100の無線部101は、通信ネットワーク500と図示しない無線基地局を介して情報サーバ400から誘導先/経路情報を受信し、制御部110は案内モード(当該発光色を選択受光して位置情報取得を行うカメラ制御モード)に入る。案内モードでは、制御部110はカメラ部102を介して位置情報を取得しながら誘導先に至る方向表示を行う(S109〜S111)。その際、制御部110はカメラ部102の係止位置の検出を行うが、現状の係止位置が選択受光すべき照明装置200に対して最適な係止位置と異なる場合には、表示部103にカメラ部102のポジション変更表示を行ったり、あるいは音声通知を行ったりしても良い。このようなポジション変更を採用することで、例えば、カメラ部102を上部筐体111のヒンジのある側とは逆の端面向き(図7(b))にして、前方からの光源を選択的に取得できることになる。これによって光源の選択性を更に増すことができ確実に位置情報を取得できる効果がある。このポジション変更は案内の確実性と操作性の向上に大いに役立つ。また、位置情報を取得しながら誘導先に至る方向表示を行う際に、スピーカ108を介して音声による誘導通知を行ってもよい。
【0029】
以上述べてきた実施の形態では携帯通信端末100はヒンジを介して開閉可能に結合された折畳み型を例にしたが、単一の筐体からなる携帯通信端末を用いてもシステム構成可能であることは言うまでもない。また、照明装置200の光源としてLEDを例にしたが、照明装置の構成として電球、蛍光灯等であってもかまわない。また、照明制御装置と照明装置はそれぞれ複数設けてもよい。
【0030】
以上説明したように、本発明の実施の形態の携帯通信端末および情報提供システムおよび情報提供方法は、照明機能と情報を送信する機能を備えた照明装置から位置情報を取得するので位置情報を精度良く得ることができ、また、建物の内部においては階数など上下方向の位置関係の把握も容易にできるので、きめ細かい誘導を行うことができる。従って、緊急時や救急時の避難に大いに貢献するものである。加えて、良好な精度の位置情報の取得を携帯通信端末に通常装備されているカメラを用いて行うことができ、例えばGPSのような特殊な機器を特に必要としないと言う効果も奏する。このような携帯通信端末および情報提供システムおよび情報提供方法を提供できる効果は産業上極めて大きいと言える。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による情報提供システムの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の情報提供システムにおける照明制御装置の一例を示すブロック図である。
【図3】図1の情報提供システムにおける情報サーバの一例を示すブロック図である。
【図4】本発明による携帯通信端末の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】図4の携帯通信端末の外観を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図6】本発明による実施形態の処理手順のシーケンス図である。
【図7】図4の携帯通信端末におけるカメラ部の詳細を示し、(a)は第1のカメラ位置を示す側面図、(b)は第2のカメラ位置を示す側面図、(c)は第3のカメラ位置を示す側面図である。
【図8】従来のシステム構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0032】
100 携帯通信端末
101 無線部
102 カメラ
103 表示部
104 操作部
105 音声処理部
106 送話部
107 受話部
108 スピーカ
109 メモリ
110 制御部
111 上部筐体
112 下部筐体
113 ヒンジ
200 照明装置
300 照明制御装置
400 情報サーバ
500 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置から出力される位置情報を取得する位置取得部と、緊急情報の入力を行う入力部と、前記位置取得部により取得された前記位置情報及び前記入力部により入力された前記緊急情報を送信し、前記送信に対応する経路情報を受信する無線部と、前記無線部により受信された前記経路情報の制御を行う制御部と、を有する携帯通信端末。
【請求項2】
前記制御部が、前記経路情報に応じて所定方向からの位置情報を取得するよう回動可能に支持した前記位置取得部を制御する、請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記入力部は複数の操作ボタンを有する操作部であって、前記緊急情報の種別に基づいて予め設定された所定の操作ボタンにより、前記入力部による前記緊急情報の入力を行う、請求項1または2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記経路情報は経路画像表示や誘導音声通知である、請求項1、2または3に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
照明装置と、
前記照明装置による照明と位置情報の出力を制御する照明制御装置と、
前記照明装置から前記位置情報を取得する位置取得部と前記位置情報および緊急情報を送信する無線部と含む携帯通信端末と、
前記携帯通信端末から受信した前記位置情報および前記緊急情報に基づいて所定の案内先に至る経路情報を発生して前記携帯通信端末に返信する情報サーバと、を有する情報提供システム。
【請求項6】
前記情報サーバは、前記携帯通信端末から送信された前記位置情報と前記緊急情報の種別に基づいて所定の案内先を選択し、該案内先に至る経路情報を発生して前記携帯通信端末に返信することを特徴とする請求項5に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記情報サーバは、前記案内先に至る経路情報を発生して前記携帯通信端末に返信すると共に、前記照明装置の照明形態を照明制御装置を介して制御することを特徴とする請求項6に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記照明制御装置は、照明を行う照明装置から位置情報を出力するよう制御するともに、照明形態を変化させて誘導光を出力することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項9】
緊急情報と位置情報を送信する携帯通信端末に対して、照明を行う照明装置から位置情報を出力することを特徴とする情報提供方法。
【請求項10】
照明装置が照明し、
前記照明装置による照明と位置情報の出力を照明制御装置が制御し、
前記照明装置からの前記位置情報を携帯通信端末の位置取得部が取得し、前記位置情報および緊急情報を前記携帯通信端末の無線部が送信し、
情報サーバが前記携帯通信端末から受信した前記位置情報および前記緊急情報に基づいて所定の案内先に至る経路情報を抽出して前記携帯通信端末に返信する情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−33125(P2007−33125A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214094(P2005−214094)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】