説明

携帯通信端末及び対象物案内表示システム

【課題】 自動的に対象物の名称などの関連情報を取得して、撮影している画像情報における観測方向に存在する対象物に名称を表示する携帯通信端末及び対象物案内表示システムを実現すること。
【解決手段】カメラ部104は被写体を含む被写体周辺の画像情報を取得する。GPS受信部103は現在位置している場所の位置情報を取得する。方位センサ110は現在位置から被写体の方位情報を取得する。制御部113は、前記位置情報、方位情報及び被写体の検索条件に基づいて地図情報データベースより検索された被写体名称を取得し、方位が前記被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像とを合成して表示部105に表示するように制御する。表示部105には、被写体画像及び当該被写体画像に対応する被写体名称が合成表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末及び携帯通信端末を用いた対象物案内表示システムに関し、特に、利用者が観測している被写体に名称を付して表示させることが可能な携帯通信端末及び携帯通信端末を用いた対象物案内表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話などの携帯通信端末を用いた案内装置が報告されている。
たとえば、被支援者が携帯する携帯通信端末の画面に、被支援者の移動経路の各地点で動画像からなる写真画像が表示されるとともに写真画像中の対象物が被支援者の移動方向を誘導するように移動し、被支援者が写真画像中の対象物の移動を見ることにより目的地点に誘導されるような移動支援装置(特許文献1参照)や、使用者が認識対象物が何であるか知りたいとき、対象物を指示して「あれ何?」と入力することで、任意の方向に見える山や建物の名称などの情報を容易に入手することができる携帯通信端末(特許文献2参照)などが報告されている。
【0003】
また、車載の携帯通信端末を用いたナビゲーション装置であって、自車周辺の地図画像の表示領域周辺に各種の付加情報に対応する付加画像をまとめて表示して、地図画像に含まれる道路形状等の表示が付加画像によって妨げられることがなく、また、付加画像についても地図画像内に隠れて目立たなくなることがないようにし、見やすさを改善したものが報告されている(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2007−163370号公報
【特許文献2】特開2004−096627号公報
【特許文献3】特開2002−039769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1〜3に記載された従来例は、いずれも携帯通信端末を用いて、位置情報と方位情報に基づいて被写体名称を検索して被写体画像と合成して表示部に表示するようにした案内表示装置である。
しかし、これらの従来技術のうち、特許文献1及び特許文献3に記載された発明では、読み出して表示できる山や建物の名称は進行方向や誘導方向に位置するものに限られ、周囲360℃の任意の方向の景色についての情報は得られないという問題があった。
また、特許文献2に記載された発明では、山や建物の名称を得るサーチを実行するためには、対象撮影時に「あれ何?」とコマンドを入力する必要があり、その分の検索時間が必要であるという問題があった。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決して、自動的に対象物の名称などの関連情報を取得して、撮影している画像情報における観測方向に存在する対象物に名称を表示する携帯通信端末及び対象物案内表示システムを実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る携帯通信端末は、被写体画像を含む被写体周辺の画像情報を取得する撮像部と、地図情報や前記画像情報を表示する表示部と、現在位置している場所の位置情報を取得する測位部と、現在位置からの前記被写体の方位情報を取得する方位取得部と、少なくとも前記位置情報及び被写体の検索条件に基づいて地図情報データベースより検索された被写体名称を取得し、方位が前記被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像とを合成して前記表示部に表示するように制御する制御部とを備えることを特徴としている。
【0008】
撮像部は被写体画像を含む被写体周辺の画像情報を取得する。表示部は地図情報や前記画像情報を表示する。測位部は現在位置している場所の位置情報を取得する。方位取得部は現在位置からの前記被写体の方位情報を取得する。制御部は、少なくとも前記位置情報及び被写体の検索条件に基づいて地図情報データベースより検索された被写体名称を取得し、方位が前記被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像とを合成して前記表示部に表示するように制御する。
【0009】
また、本発明によれば、被写体画像を含む被写体周辺の画像情報を取得する撮像部と、地図情報や前記画像情報を表示する表示部と、現在位置している場所の位置情報を取得する測位部と、現在位置からの前記被写体の方位情報を取得する方位取得部と、少なくとも前記位置情報及び被写体の検索条件をネットワークを介して送信すると共に前記ネットワークを介して被写体名称を受信する通信部と、前記通信部が受信した被写体名称を取得し、方位が前記被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像と合成して前記表示部に表示するように制御する制御部とを有する携帯通信端末と、
地図情報データベースを保持し、前記ネットワークを介して前記携帯通信端末と接続されるサーバとを備え、
前記サーバは、前記携帯通信端末から少なくとも前記位置情報及び前記被写体の検索条件に基づく検索依頼を受けて、少なくとも前記位置情報及び前記検索条件に基づいて前記地図情報データベースから被写体名称を検索し、前記ネットワークを介して前記携帯通信端末へ送信することを特徴とする対象物案内表示システムが提供される。
【0010】
携帯通信端末の通信部は、少なくとも位置情報及び被写体の検索条件をネットワークを介して送信すると共に前記ネットワークを介して被写体名称を受信する。サーバは、携帯通信端末から少なくとも前記位置情報及び前記被写体の検索条件に基づく検索依頼を受けて、少なくとも前記位置情報及び検索条件に基づいて地図情報データベースから被写体名称を検索し、ネットワークを介して前記携帯通信端末へ送信する。制御部は、前記通信部が受信した被写体名称を取得し被写体画像と合成して表示部に表示するように制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自動的に対象物の名称などの関連情報を取得して、撮影している画像情報における観測方向に存在する対象物に名称を表示する携帯通信端末及び対象物案内表示システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の対象物案内表示システムの一実施形態の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本システムは、本発明の実施の形態に係る携帯通信端末100と、サーバ装置200と、インターネットなどの通信ネットワーク300とを備えている。
携帯通信端末100は、被写体周辺の画像情報を取得する撮像部と、地図情報や前記画像情報を表示する表示部と、携帯通信端末100が現在位置している場所の位置情報(測位情報)を取得する測位部と、現在位置から前記被写体の方位情報を取得する方位取得部とを備えている。サーバ装置200は、地図情報データベースを保持している。
携帯通信端末100及びサーバ装置200は、プログラム制御によって動作するように構成され、通信ネットワーク300を介して相互に接続されている。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態に係る携帯通信端末100の機能ブロック図である。
携帯通信端末100は、通話、メール送受信、インターネット接続などを行う通信機能、カメラ撮像機能、測位機能、テレビジョン(TV)放送受信機能等を備えた携帯電話装置である。
携帯通信端末100は、図2に示すように無線通信部(通信部)101、放送受信部102、GPS受信部(測位部)103、カメラ部(撮像部)104、表示部105、操作部106、マイクロフォン(送話部)108、スピーカ(受話部)109、音声処理部107、方位センサ(方位取得部)110、報知部111、記憶部112、制御部113及びアンテナ114を備えている。
【0014】
アンテナ114は、図示しない無線基地局との間で電波の送受信を行う為や、放送波の受信の為に用いられる。無線通信部101は、アンテナ114を介して無線基地局との間で無線により情報の送受を行う。これにより、少なくとも携帯通信端末100の位置情報及び被写体の検索条件をネットワーク300を介して送信すると共にネットワーク100を介して被写体名称を受信する。
【0015】
放送受信部102は、地上局、衛星などの放送局から送信された放送信号をアンテナ114を介して受信し、受信した信号を復調して映像データ、音声データ、情報データ等の放送信号受信処理を行う。
GPS受信部103は、図示しないGPS衛星から発射された電波が携帯通信端末100に到達するまでの時間を測定し、この時間差からGPS衛星と携帯通信端末100との距離を求め、この距離を利用して位置座標を求める処理を実行する。これにより、携帯通信端末100が現在位置している場所の位置情報を取得する。
【0016】
カメラ部104は、撮影によって被写体を含む被写体周辺の画像情報を取得する。表示部105は、映像信号処理によって画像、図形、文字、記号などの情報の表示出力を行い、具体的には地図情報やカメラ部104が撮影した画像情報の表示を行う。操作部106は、テンキー、スクロールキー、十字キー、決定キー等から構成され、携帯通信端末100に対する利用者からの各種情報の入力を実行する。
【0017】
音声処理部107は、マイクロフォン108からの入力音声信号の処理および受話された音声信号、データ処理によって合成された音声信号のスピーカ109からの出力処理を行う。
方位センサ110は、地磁気を検出して携帯通信端末100が指す被写体方向などの方位を算出し、現在位置からの前記被写体の方位情報を取得する。報知部111は、楽音や報知音などの鳴音出力とバイブレータによる振動出力によって受信、受話時の表示、時報表示、アラーム表示などを行う。
【0018】
記憶部112は、電話帳情報、送受信メール情報、発着呼情報、コンテンツ情報、アプリケーションプログラム情報、撮影画像、及び携帯無線端末100の諸設定等を格納するとともに、制御部113の処理に必要な記憶領域を提供する。
制御部113は、電話機能、メール機能、インターネット(web)接続機能、カメラ機能、テレビ受信機能、測位機能、電子コンパス機能、コンテンツ再生機能、その他の端末の有する各機能や各部の制御を行う。制御部113は、無線通信部101が受信した被写体名称を取得し、方位が被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像とを合成して表示部105に表示するように制御する。
【0019】
図3に、本発明の実施の形態に係る対象物案内表示システムに使用するサーバ装置200の機能ブロック図を示す。サーバ装置200は、ワークステーション、サーバなどの情報処理装置で構成され、ネットワーク300を介して通信を行う通信部201と、装置の制御を行う制御部202と、アプリケーションプログラムを記憶するとともに、制御部202の処理に必要な記憶領域を提供する記憶部203と、建物や地形などの地上の目印となるランドマークのカテゴリや位置情報、高さ、距離などの地図情報を記憶している地図データベース204を備えている。
【0020】
サーバ装置200の通信部201は、携帯通信端末100から少なくとも携帯通信端末100の位置情報及び被写体の検索条件に基づく検索依頼を受けると、制御部202は少なくとも前記位置情報及び前記検索条件に基づいて地図情報データベース204から被写体名称を検索し、通信部201は前記条件に該当する被写体名称をネットワーク300を介して携帯通信端末100へ送信する。
これにより、サーバ装置200は携帯通信端末100からの検索依頼に応じて対象となる被写体の名称を検索して送り返し、携帯通信端末100はこれを受信して表示部105に画像情報と合成して表示することができる。
【0021】
図4は、本発明の実施の形態に係る対象物案内表示システムに使用する携帯通信端末100の処理動作を示すフローチャートである。以下、図4に添って本システムの処理動作を説明する。
利用者は、目標とするランドマークである被写体に関する検索条件を操作部106から入力(検索用文字の直接入力してもよく、あるいは、予め記憶部112に記憶されている複数の検索条件の中のいずれかを選択入力してもよい。)してカメラ機能を起動させる。
【0022】
制御部113は、ランドマークに関する検索条件が指定されたと判断した場合には(ステップS101)、カメラ部104を、撮影(画像記録)モードではなく、名称検索モードとして起動させる(ステップS102)。
尚、検索条件として指定されるものは、例えば、携帯通信端末100からの距離(はるか遠方、10km以内、数ブロック先、道路脇等)、被写体カテゴリー(建物、地名、公園、山等)、及び被写体高さ(高層、3〜5階、平屋、100m以上等)等に関する情報である。
【0023】
次に、携帯通信端末100の操作部106を操作して、カメラ部104により取得された画像中の任意の被写体にフォーカスする(ステップS103)。
制御部113は、カメラ部104により取得された画像中の任意の被写体にフォーカスされたと判断すると、測位情報をGPS受信部103から、カメラ部104が向いている方位情報を方位センサ110から取得し、これらの情報を通信ネットワーク300を介してサーバ装置200に送信する。この際、検索条件も合わせて送信する(ステップS104)。
【0024】
このときの、具体的な携帯通信端末100側での処理の一例を図5に示す。図5では、東京タワーの展望台から新宿方面を撮像し、携帯通信端末100の緯度経度情報及びユーザが選択した検索条件をサーバ300に送信して建物情報を検索する場合の条件例を示している。
サーバ装置200では、携帯通信端末100から送られる測位情報、方位情報及び検索条件を取得すると、これらを元に制御部202が地図データベース204を検索して、測位情報に含まれる緯度経度情報を中心として、取得した方位を中心とする所定角度範囲の方位内に位置し指定された距離に当てはまるランドマークを検索し、その名称を取得し、通信ネットワーク300を介して携帯通信端末100に返送する。
【0025】
図6は、図5に示した条件でサーバ装置200で行った検索の一例を示す。図6では、東京タワーから半径10km以内のランドマークを検索している。サーバ300が保有する地図データベースには、各ランドマークの緯度経度情報が含まれている。サーバ300は、携帯通信端末100から送信された測位情報(携帯通信端末100の現在位置に対応する。)に含まれる緯度経度を中心として、条件として指定された距離を満足する領域のランドマークを検索する。サーバ300は、検索結果を携帯通信端末100のアプリケーションで負荷なく軽快に表示できるような所定のフォーマットに変換し、携帯通信端末100に送信する。
【0026】
携帯通信端末100では、無線通信部101がサーバ装置200から送られる被写体であるランドマークの名称を受信し(ステップS105)、制御部113が、撮像されている画像情報上に被写体名称を合成し表示部105に表示して(ステップS106)、その後終了する。
これにより、表示部105には、被写体画像及び当該被写体画像に対応する被写体名称が対応付けて合成表示される。
【0027】
図7に、図5に示した条件での携帯通信端末100の表示部105の表示例を示す。この例ではカメラ部104が向いている方位は方位センサ110によって判別され(図7の例では北西の方向)、制御部113は通信部101がサーバ105から受信した被写体名称を取得し、当該被写体の画像と合成して表示部105に表示するように制御する。制御部113は、受信した被写体名称とカメラ部104のファインダーを通して撮影している被写体画像とを対応付けて合成し、この合成画像を表示部104に表示する。図7の例では、六本木ヒルズと新宿の建物群の画像に名称が合成表示されている。
【0028】
処理ステップS101で、検索条件が指定されず、名称検索モードに入らなかった場合は、制御部113はカメラ部104を通常の撮影モードに設定し(ステップS107)、操作部106の走査に応答してカメラ部104による撮影を実行して(ステップS108)、その後終了する。
尚、携帯通信端末100からは、方位情報を送信せず、測位情報及び検索条件だけを送信し、サーバ装置200が携帯通信端末100の周囲の条件に合致する名称情報を返信するようにしてもよい。即ち、サーバ200は、携帯通信端末100を中心として、指定された距離を半径とする円内のランドマークを検索して、それらの名称及び方位情報を携帯通信端末100に送信するようにしてもよい。
【0029】
この場合、携帯通信端末100は、方位センサ110により取得した情報に基づき、カメラ部104の向かっている方向を判別(算出)しながら、受信した方位情報に合致する方位の被写体の名称を、カメラ画像(ファインダー画像)と合成して表示部105に出力する。
また、取得した被写体名称を携帯通信端末100の小型の表示部105にすべて表示させるのではなく、操作部106により、表示部105で表示されている画像情報の対象を指定するポインティング操作子を操作して被写体を指定し、指定された任意の被写体名称のみ、カメラ画像に合成して表示部105に出力するようにしてもよい。
【0030】
以上述べたように、本実施の形態によれば、携帯通信端末100は、被写体画像を含む被写体周辺の画像情報を取得する撮像部104と、地図情報や前記画像情報を表示する表示部105と、現在位置している場所の位置情報を取得する測位部101と、現在位置からの前記被写体の方位情報を取得する方位取得部110と、少なくとも前記位置情報及び被写体の検索条件をネットワーク300を介して送信すると共にネットワーク300を介して前記検索した際の条件に対応付けた被写体名称を受信する通信部101と、通信部101が受信した被写体名称を取得し、方位が前記被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像と合成して表示部105に表示するように制御する制御部113とを備えている。
【0031】
また、サーバ200は、地図情報データベース204を保持し、ネットワーク300を介して携帯通信端末100と接続され、携帯通信端末100から少なくとも前記位置情報及び前記被写体の検索条件に基づく検索依頼を受けて、少なくとも前記位置情報及び前記検索条件に基づいて地図情報データベース204から被写体名称を検索し、前記検索した際の条件に対応付けた被写体名称を、ネットワーク300を介して携帯通信端末100へ送信するように構成されている。
【0032】
したがって、自動的に対象物の名称などの関連情報を取得して、撮影している画像情報における観測方向に存在する対象物に名称を表示する携帯通信端末及び対象物案内表示システムを実現することが可能になる。
また、特別な指示を行うことなく、比較的簡単な操作で、自動的に対象物の名称などの関連情報のダウンロードが行われ、ダウンロードが終了した時点で自動的に撮影した画像情報中の対象物に名称を合成して表示することが可能な携帯通信端末及び対象物案内表示システムを提供することができる。
【0033】
また、検索モードに入ったとたんに自動的に対象物の名称などの関連情報のダウンロードが開始され、利用者の観測方向が判断されて、ダウンロードが終了した時点で自動的に撮影した画像情報中の対象物にその名称を合成表示することが可能になる。
制御部113は、被写体の検索条件として少なくとも携帯通信端末100から前記被写体までの距離、前記被写体のカテゴリー及び前記被写体の高さを用いることができる。
また、撮像部104で撮像されている被写体画像をフォーカスするフォーカスロック部を操作部106内に備え、制御部113は、前記フォーカスロック部の操作によって前記被写体画像がフォーカスされたとき、前記被写体名称を取得し、前記被写体画像と合成して表示部105に表示するよう制御することができる。
【0034】
また、データの送受信が可能な通信部101を備え、通信部101は携帯通信端末100の位置情報及び方位情報並びに被写体の検索条件をネットワーク300を介して、地図情報データベースを保持する外部のサーバ200に送信すると共に、前記位置情報、方位情報及び検索条件に基づいて前記地図情報データベースより検索された被写体名称をサーバ300から取得するように構成することができる。この場合、サーバ200の制御部202は前記位置情報、方位情報及び被写体の検索条件に基づいて、前記被写体の名称を検索し、通信部201が前記検索した際の条件に対応付けて被写体名称を携帯通信端末100に送信する。
【0035】
また、画像情報中の被写体画像を指示するポインティング操作子を備え、制御部113は、前記ポインティング操作子によって任意の前記被写体画像が指定されたとき、前記被写体に対応する被写体名称を表示部105に表示するように制御するよう構成することができる。
尚、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、以下のような構成による変形も可能である。
【0036】
例えば、前記実施の形態では、図4のフローチャートのステップS101で、検索条件が指定されたことによって名称検索モードに入り、ステップS103でのフォーカスロックをトリガーとして名称取得を実行している。しかし、他の操作でモードを切り替えても良いし、定期的なタイミングでの情報取得など、これ以外の方法を採用することもできる。
また、以上の実施の形態では、ランドマーク(建物名、地名など)の位置座標に関する情報はサーバ装置200が地図データベース204に格納し、携帯通信端末100は、通信ネットワーク300を介してサーバ装置200から被写体名称を取得するように構成されているが、携帯通信端末100の記憶部112にランドマークに関する情報が格納される構成とすることも可能である。
【0037】
また、最初に位置情報が携帯通信端末100からサーバ装置200に送られた時点で、その周辺の領域の地図データを広めにサーバ装置200から携帯通信端末100に送って記憶部112に記憶させ、以降はその記憶されている領域の地図データを用いて被写体名称を表示させるようにしても良い。
また、以上の説明では対象被写体の名称を画像情報とともに表示させるようにしたが、例えば特定地点からの距離などその他の情報を表示させるようにすることも勿論可能である。
【0038】
また、携帯通信端末として、携帯電話のみならず、PHS(Personal Handyphone System)、通信機能を有する携帯情報端末(PDA)、通信機能を有する携帯型パソコン等、通信機能を有する携帯端末にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、携帯通信端末を用いて対象ランドマークの名称を容易に入手して表示可能にできるので、携帯電話業界やナビゲーションシステムの業界などで広範な利用が考えられる。
また、携帯電話のみならず、PHS、携帯情報端末、携帯型パソコン等の通信機能を有する携帯端末にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の対象物案内表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の携帯通信端末の機能ブロック図である。
【図3】本発明の本発明の対象物案内表示システムのサーバ装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明の携帯通信端末の処理動作を示すフローチャとである。
【図5】本発明の携帯通信端末側での処理の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の対象物案内表示システムのサーバ装置で行った検索の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の携帯通信端末の表示部での表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
100 携帯通信端末
101 無線通信部
102 放送受信部
103 GPS受信部
104 カメラ部
105 表示部
106 操作部
107 音声処理部
108 マイクロフォン
109 スピーカ
110 方位センサ
111 報知部
112 記憶部
113 制御部
114 アンテナ
200 サーバ装置
201 通信部
202 制御部
203 記憶部
204 地図データベース
300 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体画像を含む被写体周辺の画像情報を取得する撮像部と、地図情報や前記画像情報を表示する表示部と、現在位置している場所の位置情報を取得する測位部と、現在位置からの前記被写体の方位情報を取得する方位取得部と、少なくとも前記位置情報及び被写体の検索条件に基づいて地図情報データベースより検索された被写体名称を取得し、方位が前記被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像とを合成して前記表示部に表示するように制御する制御部とを備えることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記位置情報、前記方位情報及び被写体の検索条件に基づいて地図情報データベースより検索された被写体名称を取得し、方位が前記被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像とを合成して前記表示部に表示するように制御することを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記被写体の検索条件として少なくとも携帯通信端末から前記被写体までの距離、前記被写体のカテゴリー及び前記被写体の高さを用いて検索された被写体名称を取得することを特徴とする請求項1又は2記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記撮像部で撮像されている前記被写体画像をフォーカスするフォーカスロック部を備え、前記制御部は、前記フォーカスロック部により前記被写体画像がフォーカスされたとき、前記被写体名称を取得し、前記被写体画像と合成して前記表示部に表示するよう制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
データの送受信が可能な通信部を備え、前記通信部は前記位置情報、方位情報及び検索条件をネットワークを介して、前記地図情報データベースを保持する外部のサーバに送信すると共に、前記位置情報、方位情報及び検索条件に基づいて前記地図情報データベースより検索された被写体名称を前記サーバから取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記画像情報中の前記被写体画像を指示するポインティング操作子を備え、前記制御部は、前記ポインティング操作子によって任意の前記被写体画像が指定されたとき、前記被写体に対応する被写体名称を前記表示部に表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
被写体画像を含む被写体周辺の画像情報を取得する撮像部と、地図情報や前記画像情報を表示する表示部と、現在位置している場所の位置情報を取得する測位部と、現在位置からの前記被写体の方位情報を取得する方位取得部と、少なくとも前記位置情報及び被写体の検索条件をネットワークを介して送信すると共に前記ネットワークを介して被写体名称を受信する通信部と、前記通信部が受信した被写体名称を取得し、方位が前記被写体画像に一致する被写体名称と前記被写体画像と合成して前記表示部に表示するように制御する制御部とを有する携帯通信端末と、
地図情報データベースを保持し、前記ネットワークを介して前記携帯通信端末と接続されるサーバとを備え、
前記サーバは、前記携帯通信端末から少なくとも前記位置情報及び前記被写体の検索条件に基づく検索依頼を受けて、少なくとも前記位置情報及び前記検索条件に基づいて前記地図情報データベースから被写体名称を検索し、前記ネットワークを介して前記携帯通信端末へ送信することを特徴とする対象物案内表示システム。
【請求項8】
前記通信部は、前記位置情報、前記方位情報及び被写体の検索条件をネットワークを介して送信すると共に前記ネットワークを介して被写体名称を受信し、
前記サーバは、前記携帯通信端末から前記位置情報、方位情報及び前記被写体の検索条件に基づく検索依頼を受けて、前記位置情報、方位情報及び検索条件に基づいて前記地図情報データベースから被写体名称を検索し、前記ネットワークを介して前記携帯通信端末へ送信することを特徴とする請求項7記載の対象物案内表示システム。
【請求項9】
前記通信部は、前記被写体の検索条件として少なくとも携帯通信端末から前記被写体までの距離、前記被写体のカテゴリー及び前記被写体の高さを送信し、
前記制御部は、前記位置情報、方位情報及び前記検索条件を用いて検索された被写体名称を取得し前記被写体画像と合成して前記表示部に表示するように制御することを特徴とする請求項7又は8記載の対象物案内表示システム。
【請求項10】
前記携帯通信端末は、前記撮像部で撮像されている前記被写体画像をフォーカスするフォーカスロック部を備え、前記制御部は、前記フォーカスロック部により前記被写体画像がフォーカスされたとき、前記被写体名称を取得し、前記被写体画像と合成して前記表示部に表示するよう制御することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一に記載の対象物案内表示システム。
【請求項11】
前記携帯値通信端末は、前記画像情報中の前記被写体画像を指示するポインティング操作子を備え、前記制御部は、前記ポインティング操作子によって任意の前記被写体画像が指定されたとき、前記被写体に対応する被写体名称を前記表示部に表示するように制御することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一に記載の対象物案内表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−124185(P2010−124185A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295377(P2008−295377)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】