説明

携帯電子機器、制御方法、および、制御プログラム

【課題】簡単な操作でロック状態の設定を切り換えることができる携帯電子機器、制御方法、および、制御プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、表示部にロック画面を表示している状態で、操作部を介して第1接触操作の入力が検出された場合、誤操作防止ロック状態を解除し、操作部を介して第2接触操作の入力が検出された場合、誤操作防止ロック状態とは異なる解除操作を要する不正使用防止ロック状態とすることで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器、制御方法、および、制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等のタッチパネル端末が一般化している(特許文献1参照)。また、タッチパネル端末には、誤操作や他人による不正利用を防止することを目的に、画面ロックする機能が存在する(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−39772号公報
【特許文献2】特開2008−182469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、画面のロック状態には、主として、誤操作の防止を目的とするロック状態と不正使用の防止を目的とするロック状態との2つのロック状態がある。誤操作の防止を目的とするロック状態と不正使用の防止を目的とするロック状態とは、使用目的が異なるため、解除方法も異なる方法となる。通常、誤操作の防止を目的とするロック状態は、不正使用の防止を目的とするロック状態よりも簡単な操作で解除することができる。
【0005】
携帯電子機器は、ロック状態を解除した状態での設定操作が行われることで、2つのロック状態のどちらを実行するのか、両方実行するのか、いずれも実行しないかを切り換える。このため、利用者は、ロック状態の設定を切り換えるためには、ロック状態を解除した後、設定画面を開いて設定操作を入力するという複数の操作を行うことになり、操作が面倒である。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、簡単な操作でロック状態の設定を切り換えることができる携帯電子機器、制御方法、および、制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る携帯電子機器は、誤操作防止ロック状態を示すロック画面を表示する表示部と、接触操作の入力を受け付ける操作部と、前記表示部に前記ロック画面を表示している状態で、前記操作部を介して第1接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態を解除し、前記操作部を介して第2接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態とは異なる解除操作を要する不正使用防止ロック状態に遷移させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記不正使用防止ロック状態とは、前記誤操作防止ロック状態よりも複雑な解除動作を要することが好ましい。
【0009】
また、前記第1接触操作は、前記第2接触操作と接触を開始する位置が同じであり、その後の操作の少なくとも一部が異なることが好ましい。
【0010】
また、前記ロック画面は、前記誤操作防止ロック状態を解除する操作を入力する対象のオブジェクトを含み、前記第1接触操作および前記第2接触操作は、接触を開始する位置が前記オブジェクトを表示している領域であることが好ましい。
【0011】
また、前記第1接触操作は、前記オブジェクトに接触した後、予め設定された軌跡をスイープする操作であり、前記第2接触操作は、前記予め設定された軌跡とは異なる軌跡でスイープする操作であることが好ましい。
【0012】
また、前記第1接触操作は、前記オブジェクトに接触した後、設定されたゴール地点までスイープする操作であり、前記第2接触操作は、前記ゴール地点とは異なる地点までスイープする操作であることが好ましい。
【0013】
また、前記第2接触操作は、前記オブジェクトに接触した後に、前記オブジェクトを回転させる操作を含むことが好ましい。
【0014】
また、前記第2接触操作は、前記オブジェクトを前記ロック画面の外部に向けて移動させる操作であることが好ましい。
【0015】
また、前記ロック画面は、前記ロック状態を示すロック状態表示オブジェクトを表示しており、前記第2接触操作は、前記ロック状態表示オブジェクトの状態を変化させることを示唆する操作であることが好ましい。
【0016】
また、前記制御部は、前記表示部に画像を表示させていない省電力状態で、前記操作部を介して前記省電力状態からの復帰操作を検出した場合、前記表示部に前記ロック画面を表示させることが好ましい。
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、表示部と、接触操作の入力を受け付ける操作部と、を備える携帯電子機器の制御方法であって、前記表示部に誤操作防止ロック状態を示すロック画面を表示するロック画面表示ステップと、前記表示部に前記ロック画面を表示している状態で、前記操作部を介して操作を検出する操作検出ステップと、前記操作検出ステップで第1接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態を解除するステップと、前記操作検出ステップで第2接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態とは異なる解除操作を要する不正使用防止ロック状態に遷移させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御プログラムは、表示部と、接触操作の入力を受け付ける操作部と、を備える携帯電子機器に、前記表示部に誤操作防止ロック状態を示すロック画面を表示するロック画面表示ステップと、前記表示部に前記ロック画面を表示している状態で、前記操作部を介して操作を検出する操作検出ステップと、前記操作検出ステップで第1接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態を解除するステップと、前記操作検出ステップで第2接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態とは異なる解除操作を要する不正使用防止ロック状態に遷移させるステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、簡単な操作でロック状態の設定を誤操作防止ロック状態から不正使用防止ロック状態に切り換えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、携帯電話端末の外観を示す正面図である。
【図2】図2は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、携帯電話端末の動作の一例を示す説明図である。
【図4】図4は、携帯電話端末の動作の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、携帯電話端末の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、携帯電話端末の動作の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、ロック画面の一例を示す説明図である。
【図8】図8は、携帯電話端末の動作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、各種携帯電子機器、例えば、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0022】
まず、図1を参照しながら、本発明に係る携帯電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、携帯電話端末の外観を示す正面図である。図1に示すように、携帯電話端末1は、筐体15を有し、その筐体15の表面にタッチセンサ2Aおよび表示部2Bで構成されるタッチパネル2と、入力部3と、レシーバ7と、マイク8と、を備える。
【0023】
携帯電話端末1は、図1に示すように、筐体15の正面側にタッチパネル2と、入力部3と、レシーバ7と、マイク8と、が配置されている。なお、タッチパネル2は、筐体15の正面側の略全域に配置されている。また、入力部3とマイク8とは、筐体15の正面側の長手方向の一方の端部に配置されている。レシーバ7は、筐体15の正面側の長手方向の他方の端部に配置されている。つまり、レシーバ7とマイク8とは、長手方向の両端にそれぞれ配置されている。ここで、タッチパネル2は、筐体15の正面側に設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、接触を検出する。携帯電話端末1は、タッチパネル2が検出する接触に基づいて、指、スタイラス、ペン等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル2に対して行われる各種操作(ジェスチャ)を検出する。また、入力部3は、所定の機能が割り当てられた第1ボタン3Aおよび第2ボタン3B等の複数のボタンからなる。
【0024】
次に、図2を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図2は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話端末1は、タッチパネル2と、入力部3と、電源部5と、通信部6と、レシーバ7と、マイク8と、記憶部9と、制御部10と、RAM(Random Access Memory)11と、を有する。なお、本実施形態では、タッチセンサ2Aと入力部3とが操作部となる。
【0025】
タッチパネル2は、文字、図形、画像等の各種の情報を表示する第1の機能を有する。タッチパネル2は、表示されたアイコン、ボタン、文字入力領域等の所定領域に対する接触を検出する第2の機能を有する。タッチパネル2は、タッチセンサ2Aと、表示部2Bとを重畳して構成される。このタッチセンサ2Aと表示部2Bとは、構成材料の一部を共有することが可能である。
【0026】
タッチセンサ2Aは、タッチパネル2の表面に対して行われる接触を検出し、検出した接触に応じた信号を制御部10へ出力する。これにより、制御部10は、タッチパネル2に対して行われる操作(ジェスチャ)を検出(判定)する。すなわち、タッチセンサ2Aは、操作の入力を受け付ける操作部として機能する。タッチセンサ2Aが接触を検出する方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(または超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、および荷重検出方式等の任意の方式でよい。タッチセンサ2Aを介して検出される操作には、タップ操作、ダブルタップ操作、ロングタップ操作、スイープ(スワイプ)操作、およびフリック操作等が含まれる。なお、本実施形態では、第1の操作および第2の操作は、タップ操作、ダブルタップ操作、ロングタップ操作、スイープ(スワイプ)操作、およびフリック操作等を含むものとする。
【0027】
タップ操作とは、指をタッチパネル2に接触させた後すぐにタッチパネル2から離す操作である。ダブルタップ操作とは、指をタッチパネル2に接触させた後すぐにタッチパネル2から離す動作を2回繰り返す操作である。ロングタップ操作とは、指をタッチパネル2に接触させ、指がタッチパネル2に接触した状態を一定時間保った後に指をタッチパネル2から離す操作である。スイープ操作とは、指をタッチパネル2に接触させたままで移動させる操作である。スイープ操作は、タッチパネル2に表示されている何らかのオブジェクトがその操作に追随して移動する場合、ドラッグ操作と呼ばれることがある。フリック操作とは、指をタッチパネル2に接触させた後、素早く払うように指を一方方向に高速で移動させながら指を離す操作である。
【0028】
表示部2Bは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(Organic Electro−Luminescence panel)、または無機ELパネル(Inorganic Electro−Luminescence panel)等などで構成され、文字や図形等を表示する。表示部2Bは、制御部10から入力される制御信号に従って各種の情報を表示する。
【0029】
入力部3は、物理的なボタン等を通じて利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を制御部10へ送信する。これにより、制御部10は、制御部10に対して行われる操作を検出(判定)する。すなわち、入力部3は、操作の入力を受け付ける操作部として機能する。電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。
【0030】
通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。レシーバ7は、制御部10から送信される音声信号を音声として出力する。マイク8は、利用者等の音声を音声信号へ変換して制御部10へ送信する。
【0031】
記憶部9は、例えば、不揮発性メモリや磁気記憶装置であり、制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを記憶している。なお、記憶部9は、メモリーカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせとして構成されていてもよい。
記憶部9は、メールプログラム9Aと、ブラウザプログラム9Bと、ロック画面制御プログラム9Cと、を記憶している。また、記憶部9は、テキストエディタ、画像ビューアー、および、スケジューラー等のアプリケーションを実行するためのアプリケーションプログラムを更に記憶するものとする。また、記憶部9は、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラムやアドレス帳データ等のその他のプログラムやデータも記憶する。また、記憶部9は、データとして、ロック画面データ9Dを保存している。
【0032】
メールプログラム9Aは、電子メール機能を実現するための機能を提供する。ブラウザプログラム9Bは、WEBブラウジング機能を実現するための機能を提供する。ロック画面制御プログラム9Cは、ロック画面を表示する表示部2Bを制御する機能、ロック画面の設定および解除する機能等を実現するための機能を提供する。
【0033】
ロック画面データ9Dは、ロック画面制御プログラム9Cを実行して表示する各種画像のデータを有する。ロック画面データ9Dは、ロック画面に表示させるオブジェクト、メッセージ等のデータを記憶している。ここで、ロック画面とは、所定の操作を検出しない限り、待受画面に移行しない画面である。つまり、ロック画面は、所定の操作が入力されるまで、携帯電話端末1の種々の機能を操作できないロック状態にある場合に表示する画面である。本実施形態のロック画面は、所定の操作を検出する領域に入力された操作に基づいて表示を変更するオブジェクトを表示する。また、待受画面とは、電話の発着信を待ち受けている状態の画面、またはアプリケーションプログラムの起動を待ち受けている状態の画面(所謂、ホーム画面)である。換言すると、待受画面は、制御部10が表示部2Bに表示させる複数のアプリケーションの操作画面へ画面が変わる前の画面である。操作画面は、携帯電話端末1が有するアプリケーションの機能を利用者に提供するための画面である。携帯電話端末1が有するアプリケーションの機能は、例えば、他の携帯電話端末との通話機能や、メール送受信機能、携帯電話端末1が備えるカメラによる撮像機能や、オーディオビジュアル機能、テキスト編集機能、画像編集機能、および、スケジュール管理機能などである。例えば、利用者は、予め好みの画像や、時計等の状態表示を待受画面として設定している。ここで、待受画面は、壁紙(Wall Paper)とも呼ばれる。
【0034】
制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話端末1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。具体的には、制御部10は、記憶部9に記憶されているデータやRAM11に展開したデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、表示部2Bや、通信部6等を制御することによって各種機能を実現する。なお、制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0035】
制御部10は、例えば、メールプログラム9Aを実行することによって、電子メール機能を実現する。また、制御部10は、ブラウザプログラム9Bを実行することによって、WEBブラウジング機能を実現する。また、制御部10は、ロック画面制御プログラム9Cを実行することによって、ロック画面を表示する表示部2Bを制御する機能、ロック画面の設定および解除する機能等を実現する。
【0036】
RAM11は、制御部10によって実行されるプログラムの命令、制御部10が参照するデータ、制御部10の演算結果等が一時的に記憶される記憶領域として利用される。
【0037】
続いて、図3から図5を参照しながら、上述の携帯電話端末1の制御部10が実行する制御の例について説明する。図3は、携帯電話端末の動作の一例を示す説明図である。図4は、携帯電話端末の動作の一例を示す説明図である。図5は、携帯電話端末の処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図3および図4を用いて、携帯電話端末がロック画面を表示している状態で実行する動作の一例を説明する。まず、図3を用いて携帯電話端末がロック画面を表示している状態で高度ロック設定操作(第2接触操作)が入力された場合に実行する処理について説明する。利用者は、例えば、省電力モード(表示部2Bを消灯するモード)から復帰する操作等、ロック画面を表示させる操作を入力する。本実施形態の携帯電話端末1は、例えば、省電力モード(表示部2Bを消灯するモード)から復帰する操作を検出した場合、ステップS1に示すロック画面20を表示させる。ここでロック画面20は、誤検出防止ロック状態の際に表示する画面である。
【0039】
図3のステップS1に示すロック画面20は、時計画像25とオブジェクトユニット26とが配置されている。時計画像25は、現在の日時を表示する画像であり、時間とともに表示される日時が変化する。時計画像25は、時計機能を有するアプリケーションで作成される画像である。オブジェクトユニット26は、表示している画面が誤操作防止ロック状態であることを示し、かつ、誤操作防止ロック状態を解除する操作を入力する対象のオブジェクトのユニットであり、オブジェクト27と、オブジェクト28と、メッセージ29と、を有する。なお、ステップS1のロック状態は、誤操作防止ロック状態である。オブジェクト27は、鍵の画像で表示されるアイコンである。オブジェクト28は、錠前の画像で表示されるアイコンである。メッセージ29は、「ロック解除」の文字列であり、オブジェクトユニット26がロック解除を入力するためのオブジェクトであることを示唆している。本実施形態のオブジェクトユニット26は、オブジェクト27が操作可能なオブジェクトであり、オブジェクト28が操作できないオブジェクトである。オブジェクト27は、利用者により、オブジェクト27の表示領域を接触開始点とするスイープ操作が入力された場合、オブジェクトの27の表示位置がスイープ操作の接触位置の移動にあわせて移動される。これに対して、オブジェクト28は、オブジェクト28の表示領域を接触開始点とするスイープ操作が入力された場合でも、表示位置が移動しない。
【0040】
また、ロック画面20は、時計画像25とオブジェクトユニット26の背後に、壁紙21が表示される。本実施形態では、山と雲の画像が壁紙21として用いられているが、携帯電話端末1は、任意の画像を壁紙21として表示することができる。携帯電話端末1が壁紙21として用いる画像は、例えば、利用者の設定に従って決定される。タッチパネル2の上端には、通知領域22が設けられている。通知領域22には、充電池の残量を示す残量マーク23、及び通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク24等が表示される。このように、通知領域22は、利用者に対して各種の通知を行うために用いられる。なお、通知領域22は、ロック画面20以外の画面でも設けられることがある。
【0041】
次に、利用者は、携帯電話端末1のタッチパネル2にロック画面20を表示している状態で、ステップS2に示すように、オブジェクト27に指Fを接触させる。携帯電話端末1は、タッチパネル2のタッチセンサ2Aで指Fの接触を検出した場合、指Fの接触位置に表示しているオブジェクト27が指定されている状態とし、指Fの接触位置の移動に対応して指定されたオブジェクト27の表示位置を移動させる状態とする。
【0042】
利用者は、オブジェクト27の表示位置に指Fを接触させた後、ステップS3に示すように、指Fをタッチパネル2の外側まで移動させるスイープ操作を入力する。つまり、利用者は、指Fをタッチパネル2に接触させた状態を維持しつつ、指Fを矢印α方向に移動させ、指Fをタッチパネル2の縁まで移動させ、さらに、指Fをタッチパネル2よりも外側まで移動させる。より具体的には、利用者は、指Fで指定しているオブジェクトがオブジェクト27aとなる位置まで移動させるように指Fを矢印α方向に移動させる。携帯電話端末1は、利用者によって入力された、オブジェクト27に接触した指Fをタッチパネル2よりも外側に移動させるスイープ操作を検出した場合、ステップS3に示すロック画面20aを表示させる。ロック画面20aは、オブジェクト27がない画面である。つまり、携帯電話端末1は、スイープ操作にあわせてオブジェクト27の表示位置を移動させ、スイープ操作がタッチパネル2のロック画面20の端部まで継続すると、画面の外に向けてスイープ操作が入力されたと判定し、オブジェクト27を表示領域の外に移動させ、表示しない状態とする。
【0043】
携帯電話端末1は、その後、ロック状態を誤操作防止ロック状態から不正使用防止ロック状態に切り換え、ステップS4に示すロック画面20bを表示させる。つまり、携帯電話端末1は、オブジェクト27をロック画面20(タッチパネル2の画面)の外に移動させる操作を不正使用防止ロック状態に移行する操作として記憶しており、当該操作を検出した場合、誤操作防止ロック状態から不正使用防止ロック状態に移行する。ロック画面20bは、現在の時刻を示す時計画像25と、オブジェクト30とが配置されている。
【0044】
また、ロック画面20bは、時計画像25とオブジェクト30の背後に、壁紙21aが表示される。本実施形態では、無地の画像が壁紙21aとして用いられている。タッチパネル2の上端には、通知領域22が設けられている。通知領域22には、充電池の残量を示す残量マーク23、及び通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク24等が表示される。
【0045】
オブジェクト30は、表示している画面が不正使用防止ロック状態であることを示し、かつ、不正使用防止ロック状態を解除する操作を入力する対象のオブジェクトである。携帯電話端末1は、画面20bを表示させている状態で、オブジェクト30に対して予め設定した軌跡の操作(主にスイープ操作)が入力された場合、不正使用防止ロック状態を解除する。不正使用防止ロック状態で表示する画面としては種々の画面を用いることができる。不正使用防止ロック状態を解除する操作としては、誤操作防止ロック状態を解除する操作とは異なる種々の操作を設定することができる。不正使用防止ロック状態を解除する操作は、誤操作防止ロック状態を解除する操作よりも複雑な操作とすることが好ましい。また、不正使用防止ロック状態を解除する操作は、利用者が任意に設定した操作とすることが好ましい。携帯電話端末1は、不正使用防止ロック状態を解除した場合、誤検出防止ロック状態に移行しても、後述するホーム画面を表示する状態に移行してもよい。
【0046】
次に、図4を用いて、携帯電話端末がロック画面を表示している状態でロック解除操作(第1接触操作)が入力された場合に実行する処理について説明する。利用者は、携帯電話端末1のタッチパネル2にロック画面20を表示している状態で、ステップS11に示すように、オブジェクト27に指Fを接触させる。なお、ステップS11の動作は、上述したステップS2と同様の動作である。携帯電話端末1は、タッチパネル2のタッチセンサ2Aで指Fの接触を検出した場合、指Fの接触位置に表示しているオブジェクト27が指定されている状態とし、指Fの接触位置の移動に対応して指定されたオブジェクト27の表示位置を移動させる状態とする。
【0047】
利用者は、オブジェクト27の表示位置に指Fを接触させた後、ステップS12に示すように、指Fをオブジェクト28まで移動させるスイープ操作を入力する。つまり、利用者は、指Fをタッチパネル2に接触させた状態を維持しつつ、指Fを矢印β方向に移動させ、指Fをオブジェクト28が表示されている位置まで移動させる。このように、利用者は、オブジェクト27とオブジェクト28とを重ねる操作を入力する。携帯電話端末1は、利用者によって入力された、オブジェクト27に接触した指Fをオブジェクト28まで移動させるスイープ操作を検出した場合、ステップS12に示すロック画面20cを表示させる。ロック画面20cは、オブジェクト27とオブジェクト28とが重なった画面である。つまり、携帯電話端末1は、スイープ操作にあわせてオブジェクト27の表示位置を移動させ、スイープ操作がタッチパネル2のオブジェクト28まで到達すると、オブジェクト27をオブジェクト28に重ねて表示する。本実施形態では、オブジェクト27の鍵の先が、オブジェクト28の錠前の鍵穴に刺さっている画像を表示する。
【0048】
利用者は、その後、オブジェクト27とオブジェクト28とが重なっている状態で、指Fをタッチパネル2から離す、つまり、オブジェクト28が表示されている領域を終点としてスイープ操作を終了する。携帯電話端末1は、オブジェクト28が表示されている領域を終点としてスイープ操作が終了したことを検出した場合、誤操作防止ロック状態を解除し、ステップS13に示すホーム画面40を表示させる。つまり、携帯電話端末1は、オブジェクト27をオブジェクト28に移動させる操作を誤操作防止ロック状態の解除操作として記憶しており、当該操作を検出した場合、誤操作防止ロック状態を解除する。
【0049】
ステップS13に示すホーム画面40には、複数のオブジェクト50が配置されている。それぞれのオブジェクト50は、特定の機能と予め対応付けられている。携帯電話端末1は、オブジェクト50に対する特定のジェスチャ(例えば、タップ)を検出すると、そのオブジェクト50に対応付けられている機能を実行する。例えば、携帯電話端末1は、携帯電話端末1にインストールされているプログラムに対応付けられたオブジェクト50に対するタップが検出されると、そのオブジェクト50に対応付けられているプログラムを起動する。
【0050】
オブジェクト50は、対応付けられている機能を示す画像と、対応付けられている機能を示す文字列とを含む。オブジェクト50は、所定の規則に従って配置される。オブジェクト50の背後には、壁紙41が表示される。図4に示す例では、無地の画像が壁紙41として用いられているが、携帯電話端末1は、任意の画像を壁紙41として表示することができる。携帯電話端末1が壁紙41として用いる画像は、例えば、利用者の設定に従って決定される。なお、オブジェクト50は、画像及び文字列の組み合わせに限定されない。例えば、オブジェクト50は、文字列を含まなくてもよいし、画像を含まなくてもよい。
【0051】
ホーム画面40は、複数のページに分割されている。タッチパネル2には、分割されているページの1つが表示される。タッチパネル2に現在表示されているページは、オブジェクト50の上部に表示されるインジケータ51によって識別される。インジケータ51は、それぞれのページに対応するシンボルを含む。そして、インジケータ51に含まれるシンボルのうち、現在表示されているページに対応するシンボルは、他のシンボルと異なる態様で表示される。
【0052】
ステップS13に示す例では、4つのシンボルを含むインジケータ51が表示されている。これは、ホーム画面40が4つのページに分割されていることを示す。またステップ13に示す例では、右から2番目のシンボルが他のシンボルと異なる態様で表示されている。これは、右から2番目のページが現在表示されていることを示している。
【0053】
携帯電話端末1は、特定のジェスチャ(例えば、右あるいは左へのフリック、又は右あるいは左へのスイープ)を検出すると、タッチパネル2の表示部2Bに表示されるページを切り替える。例えば、携帯電話端末1は、右へのフリックが検出されると、タッチパネル2に表示されるページを1つ左のページへ切り替える。また、携帯電話端末1は、左へのフリックが検出されると、タッチパネル2に表示されるページを1つ右のページへ切り替える。
【0054】
タッチパネル2の上端には、ロック画面20の通知領域22と同様の通知領域42が設けられている。通知領域42には、充電池の残量を示す残量マーク23、及び通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク24等が表示される。このように、通知領域42は、利用者に対して各種の通知を行うために用いられる。
【0055】
なお、本実施形態のホーム画面40は、一例であり、各種の要素の形態、各種の要素の配置、ホーム画面40を分割するページ数、及びホーム画面40での各種の操作の仕方等は上記の説明の通りでなくてもよい。
【0056】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、携帯電話端末1の処理について説明する。なお、図5に示す処理手順は、ロック画面制御プログラム9Cが提供する機能に基づいて繰り返し実行される。また、図5に示す処理は、利用者によりロック状態に設定され、かつ、省電力モードに移行されている状態で実行される。
【0057】
携帯電話端末1の制御部10は、利用者によりロック状態に設定され、かつ、省電力モードに移行されている状態である場合、ステップS102として、省電力解除操作の入力が検出されたか否かを判定する。なお、本実施形態において、省電力解除操作とは、入力部3(第1ボタン3A等)を介して検出されるクリック操作である。つまり、本実施形態では、利用者がクリック操作を行うことで省電力状態が解除される。
【0058】
制御部10は、ステップS102で、操作部を介して省電力解除操作の入力が検出された(ステップS102でYes)と判定した場合、ステップS104として、省電力状態を解除して、表示部2Bに設定されたロック画面を表示させる。また、制御部10は、ステップS104で省電力状態を解除し、タッチパネル2への接触検出が可能な状態とする。
【0059】
制御部10は、ステップS102で操作部を介して省電力解除操作の入力が検出されなかったと判定した(ステップS102でNo)場合、ステップS102に進み、ステップS102に示す処理を実行する。このように制御部10は、省電力解除操作の入力が検出されたと判定されるまでステップS102の処理を繰り返す。つまり、制御部10は、省電力が解除されるまで省電力状態となる。ここで、設定されたロック画面とは、誤検出防止ロック状態のロック画面または不正使用防止ロック状態のロック画面のいずれかを表示させる。なお、本実施形態では、誤検出防止ロック状態とする設定を第1ロック設定とし、不正使用防止ロック状態とする設定を第2ロック設定とする。
【0060】
制御部10は、ステップS104でロック画面を表示させた場合、ステップS106として、操作部を介してロック解除操作の入力が検出されたか否か、つまりロック解除操作が検出されたかを判定する。なお、本実施形態において、誤検出防止ロック状態の場合、ロック解除操作は、ロック画面上の鍵のオブジェクトを錠前のオブジェクトまで移動させるスイープ操作である。また、不正使用防止ロック状態の場合、所定の軌跡の操作を入力する操作である。
【0061】
そして、制御部10は、ステップS106で操作部を介してロック解除操作の入力が検出された(ステップS106でYes)と判定した場合、ステップS108として、ロック状態を解除する。なお、ロック状態を解除するとは、表示部2Bに表示されたロック画面から、例えばホーム画面または省電力前に起動されていた画面へと表示を切り替えることをいう。
【0062】
制御部10は、ステップS108でロック状態を解除した場合、ステップS110として、各種動作を実行する。具体的には、制御部10は、タッチセンサ2Aや入力部3を介して検出した操作に対応する処理(例えばホーム画面に表示したオブジェクトに対応するアプリケーションの起動、通話、メール送受信、撮像等)を実行する。
【0063】
制御部10は、ステップS110で、各種動作を実行したら、ステップS112として、操作部を介してロック設定操作の入力が検出されたか否かを判定する。なお、本実施形態において、ロック設定操作とは、入力部3(第1ボタン3A等)を介して検出されるクリック操作である。この他、制御部10は、操作部(タッチセンサ2Aおよび入力部3)を介して所定時間、操作入力が検出されなかった場合にロック状態になるよう予め設定してもよい。つまり、操作部を介して操作入力が検出されなかった時間が所定時間を越えた場合、ロック設定操作が入力されたと判定する設定としてもよい。なお、制御部10は、ステップS112の処理を一定時間毎に実行してもよいし、操作部を介して操作を検出する毎に実行してもよい。
【0064】
制御部10は、ステップS112で操作部を介してロック設定操作の入力が検出された(ステップS112でYes)と判定した場合、ステップS114として、携帯電話端末1を第1ロック設定に設定する。ここで、第1ロック設定とは、ロック状態として誤動作防止ロック状態を実行する設定である。制御部10は、ステップS114で第1ロック設定を実行したら、画面を省電力状態としてステップS102に進む。つまり、本実施形態の制御部10は、ステップS112で入力部3を介してクリック操作を検出すると、ステップS114で第1ロック設定とした後、画面の表示を停止し、省電力状態となる。その後、携帯電話端末1は、ステップS102に進み、ステップS102の処理を再び実行する。なお、制御部10は、入力部3を介して検出されるロック設定操作の内容によって設定するロック状態を選択してもよい。例えば、制御部10は、入力部3を介してロック設定操作としてクリック操作を検出した場合、第1ロック設定とし、一定時間長押しするロングクリック操作を検出した場合、誤操作防止ロック状態ではなく、不正利用防止ロック状態とする設定(後述する第2ロック設定)としてもよい。携帯電話端末1の制御部10は、ステップS114でロック状態に設定したら、画面の表示を停止する。
【0065】
制御部10は、ステップS112において操作部を介してロック設定操作の入力が検出されなかった(ステップS112でNo)と判定した場合、ステップS110に進み、ステップS112においてロック設定操作の入力が検出されたと判定されるまで処理を繰り返す。つまり、利用者は、設定画像と対応付けるアプリケーションを設定後、ロック設定操作を行うまで、例えば携帯電話端末1が有するその他の機能(通話機能、メール送受信機能、撮像機能等)を利用する。
【0066】
次に、制御部10は、ステップS106でロック解除操作の入力なし(ステップS106でNo)と判定した場合、ステップS116として、操作部を介して高度ロック設定操作の入力が検出されたか否か、つまり高度ロック設定操作が検出されたか否かを判定する。本実施形態の高度ロック設定とは、不正使用防止ロック状態とする設定である。本実施形態において、操作とは、タッチセンサ2Aを介して検出される、ロック画面上のオブジェクトを画面の外側まで移動させるスイープ操作である。また、ロック状態が不正使用ロック状態の場合、ステップS116の判定は常に高度ロック設定操作が検出されない(No)となる。
【0067】
制御部10は、ステップS116で操作部を介して高度ロック設定操作の入力が検出された(ステップS116でYes)と判定した場合、ステップS118として、第2ロック設定とする。ここで、第2ロック設定とは、ロック状態として不正使用防止ロック状態を実行する設定である。制御部10は、ステップS118で第2ロック設定を実行したら、ステップS120として、第2ロック画面、つまり不正使用防止ロック状態の画面を表示部2Bに表示し、ステップS106に進む。
【0068】
制御部10は、ステップS116で操作部を介して高度ロック設定操作の入力が検出されなかった(ステップS116でNo)と判定した場合、ステップS122として、操作部を介して何らかの操作の入力が検出されない待機時間が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0069】
制御部10は、ステップS122で待機時間が所定の閾値以上である(ステップS122でYes)と判定した場合、ステップS124として省電力モードに移行し、本処理を終了する。制御部10は、ステップS122で待機時間が所定の閾値未満である(ステップS122でNo)と判定した場合、ステップS106に進む。
【0070】
このように、携帯電話端末1は、誤操作防止ロック状態のロック画面を表示している状態で、予め設定している高度ロック設定操作(本実施形態では、鍵のオブジェクトを画面外にスイープする操作)を検出した場合は、不正使用防止ロック状態に移行する。これにより、利用者は、誤操作防止ロック状態のロック画面を表示している状態で簡単な操作を入力するのみで、ロック状態を不正使用防止ロック状態とすることができる。これにより、利用者は、普段は誤操作防止ロック状態とし、必要な場合のみ不正使用防止ロック状態とすることができる。例えば、利用者は、携帯電話端末1を携帯している場合は、誤操作防止ロック状態とし、携帯電話端末1から離れる際には、不正使用防止ロック状態とすることができる。
【0071】
また、携帯電話端末1は、ロック状態を切り換える操作をロック画面上で実行できるため、ロック状態の切り換えを簡単に行うことができる。これにより、利用者は、早急にロック状態を不正使用防止ロック状態としたい場合も簡単にロック状態を切り換えることができる。また、ロック画面上で操作できることで、第三者に対してロック状態を切り換えたことを気づかれにくくすることができる。
【0072】
また、本実施形態の携帯電話端末1は、鍵のオブジェクトを画面の外にスイープする操作を高度ロック設定操作、つまりロック状態を切り換える操作とすることで、鍵を捨てる操作をロック状態の切り換え操作とすることができる。これにより、利用者は、鍵を捨てる操作が、ロックの解除をより困難にする不正使用防止ロック状態へ移行する操作であると理解することができ、直感的な操作が可能となる。
【0073】
また、本実施形態の携帯電話端末1は、ロック解除操作、高度ロック設定操作の両方を鍵のオブジェクトに対する操作とすることで、つまり両方の操作の基点を同一にすることで、ロックの設定に対する操作の入力を集約することができ、操作を覚えやすくすることができる。また、本実施形態の携帯電話端末1は、ロック解除操作、高度ロック設定操作の両方の操作の終点を異なる位置とすることで、ロック解除操作の終点(ゴール地点)を錠前のオブジェクトとし、高度ロック設定操作の終点(ゴール地点)を画面の外の領域(実際には画面の縁)とすることで両方の操作をより確実に別の操作として検出することができる。
【0074】
なお、ロック解除操作および高度ロック設定操作は、上記実施形態に限定されず、種々の操作を用いることができる。以下、図6を用いて、高度ロック設定操作の他の一例を説明する。図6は、携帯電話端末の動作の一例を示す説明図である。
【0075】
利用者は、携帯電話端末1のタッチパネル2にロック画面20を表示している状態で、ステップS21に示すように、オブジェクト27に指Fを接触させる。なお、ステップS21の動作は、上述したステップS2と同様の動作である。携帯電話端末1は、タッチパネル2のタッチセンサ2Aで指Fの接触を検出した場合、指Fの接触位置に表示しているオブジェクト27が指定されている状態とし、指Fの接触位置の移動に対応して指定されたオブジェクト27の表示位置を移動させる状態とする。
【0076】
利用者は、オブジェクト27の表示位置に指Fを接触させた後、ステップS22に示すように、指Fをオブジェクト28まで移動させるスイープ操作を入力する。つまり、利用者は、指Fをタッチパネル2に接触させた状態を維持しつつ、指Fを矢印β方向に移動させ、指Fをオブジェクト28が表示されている位置まで移動させる。このように、利用者は、オブジェクト27とオブジェクト28とを重ねる操作を入力する。携帯電話端末1は、利用者によって入力された、オブジェクト27に接触した指Fをオブジェクト28まで移動させるスイープ操作を検出した場合、ステップS22に示すロック画面20cを表示させる。ロック画面20cは、オブジェクト27とオブジェクト28とが重なった画面である。つまり、携帯電話端末1は、スイープ操作にあわせてオブジェクト27の表示位置を移動させ、スイープ操作がタッチパネル2のオブジェクト28まで到達すると、オブジェクト27をオブジェクト28に重ねて表示する。本実施形態では、オブジェクト27の鍵の先が、オブジェクト28の錠前の鍵穴に刺さっている画像を表示する。
【0077】
利用者は、その後、オブジェクト27とオブジェクト28とが重なっている状態で、オブジェクト27とオブジェクト28とが重なって表示されている領域内で、指Fを時計回り(γ方向)に90度回転させる。つまり、利用者は、接触位置を略同一領域としたままで指を90度回転させる操作を入力する。携帯電話端末1は、利用者によって入力された、オブジェクト27に接触した指Fを回転させる操作を検出した場合、ステップS23に示すロック画面20dを表示する。ここで、ロック画面20dは、オブジェクト27から矢印60に示す方向(時計回り)に90度回転したオブジェクト27bを含む画面である。つまり、携帯電話端末1は、回転操作にあわせてオブジェクト27の表示位置を回転させ、オブジェクト27が90度回転したオブジェクト27bをオブジェクト28に重ねて表示する。
【0078】
その後、利用者は、タッチパネル2から指Fを離す、つまり、オブジェクト28が表示されている領域を終点とし、かつ、指Fを90度回転させた位置で操作を終了する。携帯電話端末1は、オブジェクト28が表示されている領域を終点としてスイープ操作が終了し、かつ、オブジェクト28が表示されている領域で指Fが90度回転したことを検出した場合、ロック状態を誤操作防止ロック状態から不正使用防止ロック状態に切り換え、ステップS24に示すロック画面20bを表示させる。つまり、携帯電話端末1は、オブジェクト27をオブジェクト28に重ね、その後、オブジェクト27とオブジェクト28とが重なる位置で、オブジェクト27(指F)を90度回転させる操作を不正使用防止ロック状態に移行する操作として記憶しており、当該操作を検出した場合、誤操作防止ロック状態から不正使用防止ロック状態に移行する。
【0079】
携帯電話端末1は、オブジェクト27とオブジェクト28とが重なる位置で、オブジェクト27(指F)を90度回転させる操作を不正使用防止ロック状態に移行する操作としてもよい。携帯電話端末1は、鍵のオブジェクトを錠前のオブジェクトの鍵穴の部分で回転させる操作を、不正使用防止ロック状態に移行する操作とすることで、鍵穴に鍵を指して回転させる操作、つまり鍵をかける際に実際に実行する操作を模した操作を、ロックの解除をより困難にする不正使用防止ロック状態へ移行する操作であると理解することができ、直感的な操作が可能となる。
【0080】
また、携帯電話端末1は、高度ロック設定操作(第2接触操作)に指Fを回転させる操作を含めることで、ロック解除操作(第1接触操作)との操作を識別しやすくすることができる。
【0081】
また、携帯電話端末1は、ロック解除操作(第1接触操作)と高度ロック設定操作(第2接触操作)とを軌跡が異なる操作としてもよい。つまり、携帯電話端末1は、ロック解除操作(第1接触操作)の軌跡と高度ロック設定操作(第2接触操作)の軌跡とを変更することでも、ロック解除操作と高度ロック設定操作との識別を容易に検出することができる。また、ロック解除操作(第1接触操作)と高度ロック設定操作(第2接触操作)とを軌跡が異なる操作とすることで、操作のスタート地点とゴール地点が同じ場合でも、2つの操作を識別することが可能となる。
【0082】
また、上記実施形態では、高度ロック設定操作のスタート地点(接触を開始する位置)をロック解除のスタート地点と同じとしたが、つまり、ロック解除を入力する際に移動させるオブジェクトを操作する操作を高度ロック設定操作としたが、これに限定されない。以下、図7および図8を用いて他の一例について説明する。ここで、図7は、ロック画面の一例を示す説明図である。図8は、携帯電話端末の動作の一例を示す説明図である。
【0083】
図7に示すロック画面80は、時計画像25とオブジェクトユニット26とオブジェクト82とが配置されている。時計画像25は、現在の日時を表示する画像であり、時間とともに表示される日時が変化する。オブジェクトユニット26は、表示している画面が誤操作防止ロック状態であることを示し、かつ、誤操作防止ロック状態を解除する操作を入力する対象のオブジェクトのユニットであり、オブジェクト27と、オブジェクト28と、メッセージ29と、を有する。なお、オブジェクトユニット26は、上述した各実施形態のオブジェクトユニット26と同様の機能を備えている。
【0084】
また、ロック画面80は、時計画像25とオブジェクトユニット26の背後に、壁紙21が表示される。タッチパネル2の上端には、通知領域22が設けられている。通知領域22には、充電池の残量を示す残量マーク23、及び通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク24等が表示される。
【0085】
オブジェクト82は、錠前、具体的には南京錠の画像であり、画面がロック状態であることを示すオブジェクト、つまりロック状態表示オブジェクトである。携帯電話端末1は、ロック状態である場合は、タッチパネル2にオブジェクト82を表示させる。オブジェクト82は、ロック状態が、誤検出防止ロック状態の場合と、不正使用防止ロック状態の場合とで異なる表示となる。この点については、高度ロック設定操作とともに以下で説明する。
【0086】
次に、図8を用いて、ロック画面80を表示する場合の、高度ロック設定操作の一例を説明する。携帯電話端末1は、ロック画面80を表示する場合、オブジェクト82に対して入力する所定の操作を高度ロック設定操作とすることができる。
【0087】
携帯電話端末1は、不正使用防止ロック状態の場合、ステップS31に示すオブジェクト82を表示する。ここで、オブジェクト82は、錠前が外れた状態、つまり錠前が開錠している状態の画像である。
【0088】
利用者は、携帯電話端末1のタッチパネル2の画面80にオブジェクト82を表示している状態で、ステップS32に示すように、オブジェクト82に指Faと指Fbを接触させる。利用者は、オブジェクト82の表示位置に指Fを接触させた後、指Faと指Fbをタッチパネル2に接触した状態を維持したまま、指Faと指Fbとを近づける方向に移動させる。つまり、指Faを指Fbに向かう方向(矢印90に示す方向)に移動させ、指Fbを指Faに向かう方向(矢印92に示す方向)に移動させる。
【0089】
その後、利用者は、タッチパネル2から指Fa、Fbを離し、操作を終了する。携帯電話端末1は、オブジェクト82が表示されている領域に2点の接触操作を検出し、さらにその後2点の接触位置が近づく操作を検出した場合、ロック状態を誤操作防止ロック状態から不正使用防止ロック状態に切り換え、ステップS33に示すオブジェクト82aを表示させる。ここで、オブジェクト82aは、錠前が施錠された状態の画像である。つまり、携帯電話端末1は、オブジェクト82に対するピンチイン操作を不正使用防止ロック状態に移行する操作として記憶しており、当該操作を検出した場合、誤操作防止ロック状態から不正使用防止ロック状態に移行する。
【0090】
このように、携帯電話端末1は、ロック解除の操作を入力する対象のオブジェクトとは異なるオブジェクトに対する操作を高度ロック設定操作とすることができる。
【0091】
また、携帯電話端末1は、図8に示すように、操作対象のオブジェクトを、誤操作防止ロック状態の場合は、開錠した画像のオブジェクト82とし、不正使用防止ロック状態の場合は、施錠した画像のオブジェクト82aとすることで、ロック状態を把握しやすくすることができる。
【0092】
また、携帯電話端末1は、図8に示すように、高度ロック設定操作をオブジェクト82、82aに対するピンチイン操作とすることで、錠前を閉じる動作を模した操作を高度ロック設定操作とすることができる。これにより、利用者は、錠前を閉じる動作を模した操作がロックの解除をより困難にする不正使用防止ロック状態へ移行する操作であると理解することができ、直感的な操作が可能となる。
【0093】
また、高度ロック設定操作は、錠前を閉じる動作を模した操作に限定されず、種々の操作とすることができる。ここで、高度ロック設定操作は、ロック状態を示すオブジェクト(ロック状態表示オブジェクト)の状態を変化させることを示唆する操作とすることが好ましい。このように、ロック状態表示オブジェクトの状態を変化させることを示唆する操作好ましくは、ロック状態表示オブジェクトをより解除しにくい状態に変化することを示唆する操作を高度ロック設定操作とすることで、利用者が高度ロック設定操作を直感的に理解することができ、操作性を向上させることができる。
【0094】
また、上記実施形態の携帯電話端末1は、オブジェクトユニット26とは別に表示させた錠前のオブジェクト82に対する操作を高度ロック設定操作としたが、オブジェクトユニット26を構成する錠前のオブジェクト28に対する同様の操作を高度ロック設定操作としてもよい。
【0095】
携帯電話端末1は、図7および図8に示す例で、タッチパネル2にオブジェクトユニット26とオブジェクト82の両方を表示したが、オブジェクトユニット26を表示させずにオブジェクト82のみを表示させてもよい。なお、この場合は、ロック解除操作を上記実施形態とは異なる操作(例えば、入力部3の特定のボタンの長押下、任意の位置のスイープ操作)とする。
【0096】
また、上記実施形態では、操作の入力を直感的に判断しやすく、また操作の入力位置も把握しやすいため、ロック解除操作(第1接触操作)、高度ロック設定操作(第2接触操作)をともにオブジェクトに対する操作をしたが、これに限定されない。ロック解除操作(第1接触操作)と高度ロック設定操作(第2接触操作)とは、オブジェクト以外に入力する接触操作をすることができる。
【符号の説明】
【0097】
1 携帯電話端末(携帯電子機器)
2 タッチパネル
2A タッチセンサ(操作部)
2B 表示部
3 入力部(操作部)
3A 第1ボタン
3B 第2ボタン
5 電源部
6 通信部
7 レシーバ
8 マイク
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C ロック画面制御プログラム
9D ロック画面データ
10 制御部
11 RAM
15 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誤操作防止ロック状態を示すロック画面を表示する表示部と、
接触操作の入力を受け付ける操作部と、
前記表示部に前記ロック画面を表示している状態で、前記操作部を介して第1接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態を解除し、前記操作部を介して第2接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態とは異なる解除操作を要する不正使用防止ロック状態に遷移させる制御部と、
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記不正使用防止ロック状態とは、前記誤操作防止ロック状態よりも複雑な解除動作を要することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記第1接触操作は、前記第2接触操作と接触を開始する位置が同じであり、その後の操作の少なくとも一部が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記ロック画面は、前記誤操作防止ロック状態を解除する操作を入力する対象のオブジェクトを含み、
前記第1接触操作および前記第2接触操作は、接触を開始する位置が前記オブジェクトを表示している領域であることを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記第1接触操作は、前記オブジェクトに接触した後、予め設定された軌跡をスイープする操作であり、
前記第2接触操作は、前記予め設定された軌跡とは異なる軌跡でスイープする操作であることを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記第1接触操作は、前記オブジェクトに接触した後、設定されたゴール地点までスイープする操作であり、
前記第2接触操作は、前記ゴール地点とは異なる地点までスイープする操作であることを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第2接触操作は、前記オブジェクトに接触した後に、前記オブジェクトを回転させる操作を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記第2接触操作は、前記オブジェクトを前記ロック画面の外部に向けて移動させる操作であることを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記ロック画面は、前記ロック状態を示すロック状態表示オブジェクトを表示しており、
前記第2接触操作は、前記ロック状態表示オブジェクトの状態を変化させることを示唆する操作であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記制御部は、前記表示部に画像を表示させていない省電力状態で、前記操作部を介して前記省電力状態からの復帰操作を検出した場合、前記表示部に前記ロック画面を表示させることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
表示部と、接触操作の入力を受け付ける操作部と、を備える携帯電子機器の制御方法であって、
前記表示部に誤操作防止ロック状態を示すロック画面を表示するロック画面表示ステップと、
前記表示部に前記ロック画面を表示している状態で、前記操作部を介して操作を検出する操作検出ステップと、
前記操作検出ステップで第1接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態を解除するステップと、
前記操作検出ステップで第2接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態とは異なる解除操作を要する不正使用防止ロック状態に遷移させるステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項12】
表示部と、接触操作の入力を受け付ける操作部と、を備える携帯電子機器に、
前記表示部に誤操作防止ロック状態を示すロック画面を表示するロック画面表示ステップと、
前記表示部に前記ロック画面を表示している状態で、前記操作部を介して操作を検出する操作検出ステップと、
前記操作検出ステップで第1接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態を解除するステップと、
前記操作検出ステップで第2接触操作の入力が検出された場合、前記誤操作防止ロック状態とは異なる解除操作を要する不正使用防止ロック状態に遷移させるステップと、
を実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−51680(P2013−51680A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171942(P2012−171942)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】