携帯電子機器および通信システム
【課題】ユーザの情報をより詳細に伝えることが可能な携帯通信機器および通信システムを提供する。
【解決手段】携帯端末10は、操作部111と、情報を通知する表示部110と、操作部111からの入力に応じた出力を表示部110に提供するソフトウェアを記憶する記憶部16と、ソフトウェアを実行する制御部15と、ソフトウェアが実行されている時の操作部111からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する処理部151と、処理部151によって解析された心理状態の情報を所定の通信機器へ送信する通信部12とを有する。
【解決手段】携帯端末10は、操作部111と、情報を通知する表示部110と、操作部111からの入力に応じた出力を表示部110に提供するソフトウェアを記憶する記憶部16と、ソフトウェアを実行する制御部15と、ソフトウェアが実行されている時の操作部111からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する処理部151と、処理部151によって解析された心理状態の情報を所定の通信機器へ送信する通信部12とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所有者の有する情報をより詳細に伝えることが可能な携帯電子機器および通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年市場に流通している携帯電話機等の携帯通信機器は、犯罪に遭遇した際などに所有者の緊急通知を、無線通信を介して所有者の遭遇した非常事態を他者へ伝えるという機能を有しているものがある。例えば、特許文献1には、非常スイッチが設けられ、当該非常スイッチが押されることによって他者へ緊急のメッセージ等を伝える技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−168194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、所有者が緊急の状態に置かれているという情報のみしか伝えることが出来ない。
【0004】
本発明は、ユーザの情報をより詳細に伝えることが可能な携帯通信機器および通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の携帯電子機器は、入力部と、情報を通知する通知部と、前記入力部からの入力に応じた出力を前記通知部に提供するソフトウェアを記憶する記憶部と、前記ソフトウェアを実行する制御部と、前記ソフトウェアが実行されている時の前記入力部からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する解析部と、前記解析部によって解析された前記心理状態の情報を所定の通信機器へ送信する通信部とを有する。
【0006】
好適には、前記ソフトウェアは、擬似的な動物としての電子ペットを飼育するものである。
【0007】
好適には、前記制御部は、前記通信部が前記所定の通信機器から送信された要求信号を受信すると、前記ソフトウェアを実行する、または、前記ソフトウェア実行時の前記入力部での入力を要求する情報を前記通知部に通知する。
【0008】
好適には、位置情報を計測可能な機能を有し、前記通信部は、前記心理状態と共に前記位置情報を前記所定の通信機器に送信する。
【0009】
好適には、前記記憶部は、前記ユーザのスケジュール情報を記憶し、前記制御部は、前記記憶部の前記スケジュール情報に基づいて前記ソフトウェアを実行する。
【0010】
好適には、前記制御部は、前記ソフトウェアの実行に基づいて、前記通知部に前記ユーザへ前記入力部の入力を要求する通知をさせ、前記通信部は、前記ソフトウェアの実行時に前記入力要求に対して前記入力部から入力を受け付けなかった場合、前記所定の通信機器と通信を行う。
【0011】
本発明の通信システムは、携帯電子機器と、所定の通信機器とを有し、前記携帯電子機器は、入力部と、情報を通知する通知部と、前記入力部からの入力に応じた出力を前記通知部に提供するソフトウェアを記憶する記憶部と、前記ソフトウェアを実行する制御部と、前記ソフトウェアが実行されている時の前記入力部からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する解析部と、前記解析部によって解析された前記心理状態の情報を前記所定の通信機器へ送信する通信部とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの情報をより詳細に伝えることが可能な携帯通信機器および通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態の通信システムの例を示す概略システム図である。
【0015】
図1に図示する通信システム1は、子機としての携帯端末10、親機としての携帯端末10a、GPS衛星20、基地局30、サーバ装置40、および通信網50を有する。
【0016】
携帯端末10は、本発明の携帯電子機器に対応する。携帯端末10aは、本発明の所定の通信機器に対応する。
【0017】
なお、本実施形態では、携帯端末10の所持者には子供を想定し、携帯端末10を子機と表現する。携帯端末10aの所持者にはその子供の保護者を想定し、携帯端末10aを親機と表現する。適宜、携帯端末10の所持者を単に「子供」または「ユーザ」と称し、携帯端末10aの所持者を単に「保護者」と称する。
【0018】
携帯端末10は、本実施携帯においては、携帯電話機である。携帯端末10は、たとえばPHS(Personal Handy phone System)であってもよい。
【0019】
携帯端末10は、音声通話、電子メールの作成とその送受信、WEB(World Wide Web)サイトの閲覧等を行う機能を有する。
【0020】
携帯端末10は、飼育ゲームを実行することができるゲーム機能を有する。「飼育ゲーム」とは、ペットの飼育を仮想的に体験することができるゲームである。このゲーム機能によって、保護者は、たとえば、子供が抱えるストレスの程度、子供が誘拐等の緊急事態に遭遇しているか否かのような状態を間接的に推測することができる。
【0021】
なお、本実施形態における「ゲーム」とは、専用機、汎用機を問わず、コンピュータで実行可能なコンピュータゲームをいう。
【0022】
携帯端末10は、音声通話機能やゲーム機能等を実行するため、通信網50に接続されたサーバ装置40の制御に基づいて基地局30と通信を行う。
【0023】
携帯端末10は、GPS(Global Positioning System)機能を有する。携帯端末10は、エムエス−ベースド(MS-Based)方式により、GPS衛星20から受信したGPS情報と、サーバ装置40から取得したアシストデータとを用いて自端末の位置を算出する。
【0024】
GPS情報には、航法データが含まれる。この航法データには、時間データ、エフェメリス(Ephemeris)データ、アルマナック(Almanac)データ等が含まれる。アシストデータには、航法データ、基地局30の位置データ、GPS衛星20から受信した信号を復調するための時間データ等が含まれる。
【0025】
携帯端末10の測位方式には、全ての算出処理を自端末で行うスタンドアロン(stand Alone)方式や、サーバ装置40が全ての算出処理を行って、算出結果のみを携帯端末10に送信するエムエス−アシスド(MS-Assisted)方式を採用することもできる。
【0026】
携帯端末10aは、携帯端末10の所持者の置かれた状態等に関する通知を基地局30を介して携帯端末10から受信する。
【0027】
GPS衛星20は、地球の所定の軌道上を周回しており、時間データ、エフェメリスデータ、アルマナックデータ等を含む航法データを定期的にブロードキャスト送信する。
【0028】
基地局30は、通信網50に接続されている。基地局30は、セル内の携帯端末10および携帯端末10aと通信し、サーバ装置40とのデータの中継を行う。
【0029】
サーバ装置40は、通信網50に接続されている。サーバ装置40は、通信網50を介して入出力される各種データを処理する。この各種データには、たとえば、音声データ、文字データ、動画像データが含まれる。
【0030】
サーバ装置40は、アプリケーションサーバとして機能し、携帯端末10のゲーム機能を実行するための処理を行う。
【0031】
サーバ装置40は、GPS衛星20から航法データを受信し、航法データに基づいて携帯端末10に関する測位の算出処理を行う。サーバ装置40は、算出処理によって得られたアシストデータを基地局30を介して携帯端末10に送信する。なお、この航法データは、GPS衛星20から保護者が有する携帯端末10aへ送信されても良い。
【0032】
通信網50は、携帯端末10、基地局30およびサーバ装置40が接続されている。通信網50は、音声データおよびパケットデータが扱えるネットワークである。
【0033】
通信システム1を構成する子機としての携帯端末10の構成例を図2に関連づけて説明する。
【0034】
図2は、本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末の構成例を示す概略ブロック図である。
【0035】
図2に図示する携帯端末10は、アンテナ11、通信部12、GPSアンテナ13、GPS通信部14、制御部15、記憶部16、音声入出力部17、スピーカ18、マイクロフォン19、表示部110、操作部111、および計時部112を有する。
【0036】
操作部111は、本発明の入力部に対応する。表示部110は、本発明の通知部に対応する。
【0037】
アンテナ11は、本実施形態においては内蔵型アンテナである。アンテナ11は、たとえばロッドアンテナであってもよい。アンテナ11は、所定の周波数帯域における電磁波を基地局30に向けて送信、あるいは基地局30から受信する。
【0038】
通信部12は、制御部15が出力した送信信号を所定の変調方式に変調し、変調した送信信号を電波信号としてアンテナ11を介して基地局30に送信する。通信部12は、アンテナ11を介して基地局30から受信した電波信号を変調方式に対応した復調を行い、復調した信号を受信信号として制御部15に出力する。
【0039】
GPSアンテナ13は、所定の周波数帯域における電磁波をGPS衛星20から受信する。
【0040】
GPS通信部14は、GPSアンテナ13を介してGPS衛星20から受信した電波信号に増幅、変調等の処理を行って、航法データを含むGPS情報を取得する。GPS通信部14は、GPS情報を制御部15の位置情報取得部152(図6参照)に出力する。
【0041】
制御部15は、たとえばマイクロコンピュータ、DSP等で構成されている。制御部15は、ユーザによる操作部111の操作に応じて、各種処理が適切な手順で実行されるように、携帯端末10の全般の動作を制御する。
【0042】
制御部15が行う処理には、通信網50を介して行われる音声通話、電子メールやWEBの閲覧を行うためのアプリケーションの処理等が含まれる。制御部15が行う他の処理については後述する。
【0043】
制御部15が行う制御には、たとえば、通信部12およびGPS通信部14の通信制御、記憶部16とのアクセス、表示部110における画像の表示、音声入出力部17における音声処理の制御が含まれる。
【0044】
制御部15は、記憶部16にアクセスし、記憶部16に格納されたプログラムに基づいて処理を実行する。制御部15は、プログラムにおいて指示された手順に従って上述した各種処理や制御を実行する。
【0045】
制御部15は、サーバ装置40と通信しながら、記憶部16に格納された遊戯プログラムPROを実行する。
【0046】
記憶部16は、たとえば不揮発性の記憶デバイス(フラッシュメモリ)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(SRAM、DRAM)等で構成されている。
【0047】
記憶部16には、ゲーム機能を実現するための遊戯プログラムPRO(本発明のソフトウェアに対応する)、ユーザのスケジュール情報、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等が格納されている。この他、記憶部16には、制御部15の出力結果、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータ、アドレス帳等が格納される。
【0048】
音声入出力部17は、制御部15から供給されたデジタルの音声データをスピーカ18を介して出力するため、デジタルの音声データに対して、デジタル・アナログ(D/A)変換、増幅等の信号処理を施す。
【0049】
音声入出力部17は、マイクロフォン19から入力されたアナログの音声信号をデジタルの音声データに変換して制御部15に出力するため、アナログの音声信号に対して、増幅、アナログ・デジタル(A/D)変換、符号化等の処理を施す。
【0050】
表示部110は、たとえば液晶表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネル等の表示デバイスで構成されている。表示部110は、制御部15から供給された映像信号に応じた種々の情報を表示する。
【0051】
操作部111は、たとえば電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど各種機能が割り当てられた複数のキーを有する。操作部111は、これらのキーがユーザによって操作された場合、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部15に出力する。
【0052】
計時部112は、時間を計時する。これにより、年、月、分、時、秒等の情報を取得することができる。この他、計時部112は、不図示のカウンタを有し、時間の累積時間(後述の経過時間)を計時する。計時部112は、制御部15の要求に応じて、計時した時間、あるいは累積時間を制御部15に出力する。
【0053】
子機としての携帯端末10の各構成要素は、図3に図示する上下筐体の所定の場所に格納されている。
【0054】
図3は、本発明の実施形態に係る携帯端末の外観例を示す斜視図である。
【0055】
図3に図示するように、携帯端末10は、上筐体113および下筐体114がヒンジ部115によって連結されている。携帯端末10は、上下筐体を開閉することができる折りたたみ型(フォルダ型ともいう)の携帯端末である。図3には、上下筐体が開いた開状態の様子が図示されている。
【0056】
図3に図示するように、上下筐体が折りたたまれた閉状態において、上筐体113の面113Fには、表示部110およびスピーカ18が配置されている。下筐体114の面114Fには、操作部111の各種キーおよびマイクロフォン19が配置されている。
【0057】
始めに、子機としての携帯端末10が有するゲーム機能の概要について、図4および図5を参照しながら説明する。
【0058】
図4は、本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末が有するゲーム機能の概要を説明するための図である。
【0059】
図5は、図4に図示するゲーム機能の使用例を示す概念図である。
【0060】
飼育ゲームとしての遊戯プログラムPROは、たとえば、サーバ装置40からダウンロードされ、記憶部16に格納されている。ゲーム機能は、制御部15がサーバ装置40と通信しながら、ソフトウェアとして実行される。
【0061】
飼育ゲームは、図4に例示する設定時間に達すると、たとえば、仮想ペットPETが子供に対して仮想的な餌等を要求し、子供がこの要求に返答するという、ペットの飼育に関するゲームである。
【0062】
子機としての携帯端末10の表示部110に表示される仮想ペットPET(図5参照)は、図4に図示するように、午前7時に仮想ペットPETの体調を示す情報をユーザに通知する。
【0063】
この情報は、たとえば、「元気いっぱい!」、「温かいミルクがほしい」、「冷たいものはダメ」、「甘いものは与えちゃダメ」などである。この通知は、表示部110による表示、あるいは電子メールによって行われる。
【0064】
仮想ペットPETは、午前8時に仮想の餌をユーザに要求する。
【0065】
この仮想ペットPET要求は、たとえば「朝の水が飲みたいわん!」、「ミルクがほしいよぉ!」である。この仮想ペットPET要求は、図5に図示するように、携帯端末10の表示部110に表示される。
【0066】
このとき、子供の心理状態を推測するための4つの選択肢が提示される。次に例示する4つの選択肢1〜4は、図5に図示するように、表示部110の選択肢表示領域SELに表示される。
【0067】
選択肢1は、「水をあげるよ!」である。選択肢2は、「砂糖水ならあげるよ」である。選択肢3は、「まだガマンしよう。今はあげられなぃーッ」である。選択肢4は、「僕の方が色々聞いてよー!」である。
【0068】
各々の選択肢は、たとえばストレスの度合いに関連付けられ、このストレスの度合が数値化される。以下に具体例を示す。
【0069】
子供が選択肢1を選択した場合には、子供のストレスは非常に小さいものと判断される。このときのストレス度は、たとえば0%と数値化される。これは、子供が仮想ペットPETの要求に答えているためである。
【0070】
子供が選択肢2を選択した場合には、子供のストレスが多少あるものと判断される。このときのストレス度は、たとえば25%と数値化される。
【0071】
子供が選択肢3を選択した場合には、選択肢2の場合よりも子供のストレスの度合いが高いものと判断される。このときのストレス度は、たとえば50%と数値化される。
【0072】
子供が選択肢4を選択した場合には、子供のストレスの度合いが高いものと判断される。このときのストレス度は、たとえば75%と数値化される。これは、子供が仮想ペットPETの要求を無視しているためである。
【0073】
子機としての携帯端末10は、選択肢に応じた内容の通知を親機としての携帯端末10aに対して行う。このとき、図5に図示するように、携帯端末10の位置情報と共に、ストレスの度合いが、携帯端末10aの表示部110aに表示される。
【0074】
ただし、選択肢4が選択された場合、携帯端末10aは、携帯端末10の位置情報およびストレスの度合いを表示部110aに表示すると共に、アラーム音を発する。
【0075】
子供が仮想ペットPETの要求に対して返答しない場合、この要求に対しての返答が困難な状況下にあるものと判断される。この困難な状況下とは、たとえば学校の授業中であり、本実施形態においては「取り込み中」という。このとき、携帯端末10の位置情報が、携帯端末10aに通知される。
【0076】
以後、設定時刻毎に仮想ペットPETの要求が繰り返される。なお、選択肢2または選択肢3が3回以上選択された場合には、選択肢4が選択された場合と同様に、携帯端末10aは、アラーム音を発する。この回数は、たとえば4回等、好適に設定することができる。
【0077】
設定時間は、学校の休み時間、放課後等、子供の生活様式に合わせることが望ましい。心理状態を推測するための選択肢およびその数は、好適に設定することができる。ストレス等の指標およびその数値化の方法は、子供の心理状態を容易に推測することができるものであれば好適に設定することができる。
【0078】
仮想ペットPETの要求は、設定時刻ごとに変化することが望ましい。たとえば、次回の仮想ペットPETの要求時に、選択肢1〜4は次に例示する内容であってもよい。
【0079】
具体的には、選択肢1は、「温かなミルクをあげる」である。選択肢2は、「冷たい水をあげる」である。選択肢3は、「ガマンだ!」である。選択肢4は、「僕の方が辛いよぉー!」である。
【0080】
携帯端末10の制御部15の詳細な構成例について、図6を参照しながら説明する。
【0081】
図6は、本発明の実施形態に係る制御部の構成例を示す概略ブロック図である。図6には、通信部12、記憶部16等の構成要素も図示されている。
【0082】
図6に図示する制御部15は、処理部151および位置情報取得部152を有する。処理部151は、本発明の解析部に対応する。
【0083】
処理部151は、計時部112が計時する時刻が設定時刻に達すると、通信部12がその旨をサーバ装置40に送信するように通信部12を制御する。
【0084】
通信部12は、サーバ装置40から入力データSIを受信すると、データSIを復調する。このデータSIは、サーバ装置40が携帯端末10に送信した仮想ペットPETの要求を示す要求信号S42(図9参照)である。通信部12は、復調したデータSIを要求信号S11として処理部151に出力する。
【0085】
処理部151は、要求信号(本発明の起動要求信号)S11が通信部12から入力されると、記憶部16から遊戯プログラムPROを読み出し、遊戯プログラムPROを実行する。処理部151は、遊戯プログラムPROに従って、仮想ペットPETの要求を表示するための要求表示信号S12を表示部110に出力する。これにより、表示部110は、要求表示信号S12に基づいて、仮想ペットPETの要求を表示する(図5参照)。
【0086】
なお、通信部12が一日の初めに受信した要求表示信号S12には、仮想ペットPETの体調を示す情報が含まれている。要求表示信号S12を処理部151から受信したとき、表示部110は、仮想ペットPETの体調を示す情報を表示する。
【0087】
処理部151は、仮想ペットPETの要求に返答するための選択肢1〜4を選択表示信号S13として表示部110に出力する。これにより、表示部110は、選択表示信号S13に基づいて、選択肢1〜4を選択肢表示領域SELに表示する(図5参照)。
【0088】
何れかの選択肢が選択された場合、操作部111は、選択された選択肢を押下情報S14として処理部151に出力する。
【0089】
処理部151は、位置情報取得部152に携帯端末10のGPS情報を取得させる。
【0090】
これにより、GPS通信部14は、GPS衛星20からGPS情報GPSを受信し、GPS情報GPSを位置情報取得部152に出力する。位置情報取得部152は、位置情報取得部152から入力されたGPS情報GPSを基に携帯端末10の位置を算出し、算出結果を位置情報S15として処理部151に出力する。
【0091】
処理部151は、操作部111から入力された押下情報S14と、位置情報取得部152から入力された位置情報S15とを送信データS16として通信部12に出力する。通信部12は、送信データS16に変調等の処理を施し、処理後の送信データをデータSOとしてサーバ装置40に送信する。
【0092】
一方、何れの選択肢も設定経過時間内に選択されなかった場合、制御部15は、次の動作を行う。なお、設定経過時間は、たとえば1分など、好適に設定することができる。
【0093】
詳細には、計時部112は、処理部151の制御によって、処理部151が選択表示信号S13を表示部110に出力した時点からの経過時間を計時する。
【0094】
処理部151は、経過時間が設定経過時間に達しても、操作部111から処理部151に押下情報S14が入力されない場合、子供が取り込み中であることを示す待機信号S17を通信部12に出力する。通信部12は、処理部から入力された待機信号S17を待機信号としてサーバ装置40に出力する。
【0095】
通信システム1を構成する親機としての携帯端末10aの構成例を図7に関連づけて説明する。
【0096】
図7は、本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の構成例を示す概略ブロック図である。図7には、通信部12a等の構成要素も図示されている。
【0097】
図7に図示する親機としての携帯端末10aは、アンテナ11a、通信部12a、制御部15a、記憶部16a、音声入出力部17a、スピーカ18a、マイクロフォン19a、表示部110a、および操作部111aを有する。
【0098】
親機としての携帯端末10aが有する各構成要素は、子機としての携帯端末10が有する各構成要素と同様の機能を有する。携帯端末10aは、GPS通信部14等を有することもできる。
【0099】
ただし、制御部15aは、判別処理部151aを有し、図8に図示するように構成されている。
【0100】
図8は、本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の制御部の構成例を示す概略ブロック図である。
【0101】
通信部12aは、サーバ装置40から入力データSIaを受信すると、入力データSIaを復調する。この入力データSIaは、サーバ装置40が携帯端末10に送信した位置情報S42(図9参照)である。通信部12は、復調した入力データSIaを位置情報S11aとして判別処理部151aに出力する。
【0102】
判別処理部151aは、通信部12aから位置情報S11aが入力されると、位置情報S11aに緊急情報が付加されているか否かを判別する。
【0103】
位置情報S11aに緊急情報が付加されている場合、判別処理部151aは、位置情報S11aを表示部110aに出力すると共に、緊急情報をアラーム信号S12aとして音声入出力部17aに出力する。
【0104】
これにより、表示部110aは、子機としての携帯端末10の位置情報および緊急メッセージを表示すると共に、音声入出力部17aは、スピーカ18aを介してアラーム音を出力する。緊急メッセージは、たとえば、子供のストレスの度合いが高いことを示唆するメッセージ、あるいは子供の身に危険が迫っていることを示唆するメッセージであることが望ましい。
【0105】
一方、位置情報S11aに緊急情報が付加されていない場合、判別処理部151aは、メッセージを表示する旨のメッセージ情報S13aを表示部110aに出力する。
【0106】
メッセージは、通信部12aが受信した位置情報S11aの内容を直ちに表示部110aに表示するか否かということを保護者に促すものである。このとき、表示部110aには、たとえば、「メッセージを確認する」という選択肢、および「メッセージを確認しない」という選択肢が表示される。
【0107】
操作部111aは、「メッセージを確認する」という選択肢が選択された場合、その旨を示す選択信号S14aを判別処理部151aに出力する。これにより、表示部110aは、ストレスの度合い、および携帯端末10の位置情報を表示する。
【0108】
通信システム1を構成するサーバ装置40の主要部の構成例を図9に関連づけて説明する。
【0109】
図9は、本発明の実施形態に係るサーバ装置の主要部の構成例を示す概略ブロック図である。
【0110】
サーバ装置40は、通信制御部41、アプリケーション処理部42、位置測定部43、およびサーバ記憶部44を有する。
【0111】
通信制御部41は、通信網50を介して入出力されるデータの通信に関する処理を行う。
【0112】
通信制御部41は、子機としての携帯端末10が出力したデータSOを受信すると、データSOに復調等の処理を施す。通信制御部41は、処理後のデータを受信データS41としてアプリケーション処理部42に出力する。この受信データS41には、仮想ペットPETの要求に返答した選択肢に関する押下情報および携帯端末10の位置に関する位置情報が含まれている。
【0113】
アプリケーション処理部42は、子機としての携帯端末10の遊戯プログラムPROを実行するために必要な種々のソフトウェア処理を行う。アプリケーション処理部42は、子機としての携帯端末10の表示部110に仮想ペットPETの体調に関する情報およびその要求を表示させるため、次の動作を行う。
【0114】
詳細には、アプリケーション処理部42は、仮想ペットPETの体調に関する情報を要求信号S42として通信制御部41に出力する。アプリケーション処理部42は、仮想ペットPETの要求を示す要求信号S42を通信制御部41に出力する。
【0115】
このとき、通信制御部41は、要求信号S42をデータSIとして携帯端末10に送信する。これにより、子機としての携帯端末10の表示部110には、仮想ペットPETの体調に関する情報、または仮想ペットPETの要求が表示される。
【0116】
アプリケーション処理部42は、子機としての携帯端末10の操作によって選択された選択肢に応じて次の動作を行う。詳細には、アプリケーション処理部42は、受信データS41に含まれる押下情報から、選択された選択肢をストレスの度合いに関連付ける。
【0117】
詳細には、アプリケーション処理部42は、選択肢1(図4参照)が選択された場合には、子供のストレスが最も少ないものと判断し、ストレス度をたとえば0%と数値化する。アプリケーション処理部42は、選択肢2(図4参照)が選択された場合には、子供のストレスが多少あるものと判断し、ストレス度をたとえば25%と数値化する。
【0118】
アプリケーション処理部42は、選択肢3(図4参照)が選択された場合には、選択肢2の場合よりも子供のストレスの度合いが高いものと判断し、ストレス度をたとえば50%と数値化する。アプリケーション処理部42は、選択肢4(図4参照)が選択された場合には、子供のストレスの度合いが高いものと判断し、ストレス度をたとえば75%と数値化する。
【0119】
位置測定部43は、受信データS41がアプリケーション処理部42に入力されると、アプリケーション処理部42からの制御信号S43に基づき、携帯端末10のGPS情報を算出する。位置測定部43は、算出したGPS情報をGPS情報S44として、アプリケーション処理部42に出力する。なお、GPS情報の算出は、GPS衛星20や他の通信システム1に接続されているサーバ装置でもよい。
【0120】
アプリケーション処理部42は、数値化したストレスの度合いと、位置測定部43から入力されたGPS情報を送信データS45として通信制御部41に出力する。
【0121】
通信制御部41は、アプリケーション処理部42から送信データS45が入力されると、送信データS45をデータSIaとして、親機としての携帯端末10aに送信する。これにより、携帯端末10aの表示部110aには、子供のストレスの度合い、および子機としての携帯端末10の位置情報が表示される。
【0122】
アプリケーション処理部42は、一日に選択肢2および3が選択された回数をカウントする。アプリケーション処理部42は、選択肢2および3が一日に3回以上選択された場合には、親機としての携帯端末10aがアラーム音を発するように、緊急情報を送信データS45(データSIa)に付加する。
【0123】
選択肢4が選択された場合にも、アプリケーション処理部42は、親機としての携帯端末10aがアラーム音を発するように、緊急情報を送信データS45(データSIa)に付加する。
【0124】
なお、仮想ペットPETの要求に対して返答が得られない場合、すなわち取り込み中であった場合、通信制御部41には、子機としての携帯端末10から待機信号が入力され、この待機信号をアプリケーション処理部42に出力する。
【0125】
このとき、アプリケーション処理部42は、待機信号の一日の受信回数をカウントしている。受信回数が3回未満のとき、アプリケーション処理部42は、位置測定部43から入力されたGPS情報を送信データS45として通信制御部41に出力する。
【0126】
一方、受信回数が3回以上のとき、アプリケーション処理部42は、親機としての携帯端末10aがアラーム音を発するように、緊急情報を送信データS45に付加する。
【0127】
サーバ記憶部44は、たとえば、ハードディスクおよびランダムアクセス可能な記憶デバイスで構成されている。サーバ記憶部44は、設定時間、遊戯プログラムPROの実行に必要な各種アプリケーションプログラム等が格納されている。
【0128】
以下に、通信システム1を構成する子機としての携帯端末10の動作を図10に関連付けて説明する。
【0129】
図10は、本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【0130】
始めに、操作部111の操作によって、初期設定が行われる(ステップST11)。初期設定では、設定時間は、たとえば、午前7時(1回目)、午前8時(2回目)、午前9時30分、午前10時30分、…、午後7時(最終回)と設定される。設定経過時間は、たとえば1分に設定される。設定時間および設定経過時間は、通信部12を介してサーバ装置40に送信され、サーバ記憶部44に格納される。
【0131】
初期設定の後、現在の時間が設定時間に達すると、サーバ装置40からの指示により、仮想ペットPETの要求が、選択肢1〜4と共に表示部110に表示される(ステップST12)。
【0132】
具体的には、通信部12は、サーバ装置40から入力データSIを受信すると、データSIを復調する。このデータSIは、サーバ装置40が携帯端末10に送信した仮想ペットPETの要求を示す要求信号S42(図9参照)である。通信部12は、復調したデータSIを要求信号S11として処理部151に出力する。
【0133】
その後、処理部151は、要求信号S11が通信部12から入力されると、記憶部16から遊戯プログラムPROを読み出し、遊戯プログラムPROを実行する。処理部151は、遊戯プログラムPROに従って、仮想ペットPETの要求を表示するための要求表示信号S12を表示部110に出力する。これにより、表示部110は、要求表示信号S12に基づいて、仮想ペットPETの要求を表示する。
【0134】
ただし、通信部12が一日の初めに(1回目:午前7時)受信した要求表示信号S12には、仮想ペットPETの体調を示す情報が含まれているため、この場合には、表示部110は、仮想ペットPETの体調を示す情報を表示する。
【0135】
処理部151は、仮想ペットPETの要求に返答するための選択肢1〜4を選択表示信号S13として表示部110に出力する。これにより、表示部110は、選択表示信号S13に基づいて、選択肢1〜4を選択肢表示領域SELに表示する(図5参照)。
【0136】
仮想ペットPETの要求および選択肢1〜4が表示部110に表示された後、何れかの選択肢が選択された場合(ステップST13)、操作部111は、選択された選択肢を押下情報S14として処理部151に出力する(YES)。
【0137】
この場合(YES)、選択された選択肢および携帯端末10の位置情報が、サーバ装置40に送信される(ステップST14)。
【0138】
具体的には、処理部151は、位置情報取得部152に携帯端末10のGPS情報を取得させる。
【0139】
これにより、GPS通信部14は、GPS衛星20からGPS情報GPSを受信し、GPS情報GPSを位置情報取得部152に出力する。位置情報取得部152は、位置情報取得部152から入力されたGPS情報GPSを基に携帯端末10の位置を算出し、算出結果を位置情報S15として処理部151に出力する。
【0140】
処理部151は、操作部111から入力された押下情報S14と、位置情報取得部152から入力された位置情報S15とを送信データS16として通信部12に出力する。通信部12は、送信データS16に変調等の処理を施し、処理後の送信データをデータSOとしてサーバ装置40に送信する。
【0141】
一方、何れの選択肢も設定経過時間内に選択されなかった場合(NO)、取り込み中である旨がサーバ装置40に送信される(ステップST15)。
【0142】
具体的には、計時部112は、処理部151の制御によって、処理部151が選択表示信号S13を表示部110に出力した時点からの経過時間を計時している。
【0143】
処理部151は、経過時間が設定経過時間に達しても、操作部111から処理部151に押下情報S14が入力されない場合、子供が取り込み中であることを示す待機信号S17を通信部12に出力する。通信部12は、処理部から入力された待機信号S17を待機信号としてサーバ装置40に出力する。
【0144】
次回の仮想ペットPETの要求がある場合には(ステップST16のYES)、すなわち、設定時間が最終回(午後7時)でない場合、ステップST12が実行される。
【0145】
一方、次回の仮想ペットPETの要求がない場合には(ステップST16のNo)、すなわち、設定時間が最終回(午後7時)である場合、一連の処理が終了する。
【0146】
図11は、本発明の実施形態に係るサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【0147】
図11に図示するように、仮想ペットPETの要求が1回目の場合には(ステップST21のYES)、仮想ペットPETの体調に関する情報が携帯端末10に送信される(ステップST22)。
【0148】
具体的には、アプリケーション処理部42は、仮想ペットPETの体調に関する情報を要求信号S42として通信制御部41に出力する。通信制御部41は、要求信号S42をデータSIとして携帯端末10に送信する。
【0149】
これにより、子機としての携帯端末10の表示部110には、仮想ペットPETの体調に関する情報が表示される。
【0150】
一方、仮想ペットPETの要求が2回目以降の場合には(ステップST21のNO)、仮想ペットPETの要求が携帯端末10に送信される(ステップST23)。
【0151】
具体的には、アプリケーション処理部42は、仮想ペットPETの要求を示す要求信号S42を通信制御部41に出力する。通信制御部41は、要求信号S42をデータSIとして携帯端末10に送信する。
【0152】
これにより、子機としての携帯端末10の表示部110には、仮想ペットPETの要求が表示される。
【0153】
仮想ペットPETの要求に対して返答が得られない場合、すなわち取り込み中であった場合に(ステップST24のYES)、取り込み中の回数が3回未満であれば(ステップST25のNO)、サーバ装置40は、子機としての携帯端末10の位置情報を親機としての携帯端末10aに送信する(ステップST27)。
【0154】
一方、取り込み中の回数が3回以上であれば(ステップST25のYES)、サーバ装置40は、親機としての携帯端末10aにアラーム音を出力させ(ステップST26)、子機としての携帯端末10の位置情報を親機としての携帯端末10aに送信する(ステップST27)。なお、本実施形態は、取り込み中の回数が3回未満か3回以上かで処理を変更しているが、この回数は4回等、好適に設定することができる。
【0155】
具体的には、通信制御部41には、子機としての携帯端末10から待機信号が入力され、この待機信号をアプリケーション処理部42に出力する。
【0156】
このとき、アプリケーション処理部42は、待機信号の一日の受信回数をカウントしている。受信回数が3回未満のとき、アプリケーション処理部42は、位置測定部43から入力されたGPS情報を送信データS45として通信制御部41に出力する。
【0157】
一方、受信回数が3回以上のとき、アプリケーション処理部42は、親機としての携帯端末10aがアラーム音を発するように、緊急情報を送信データS45に付加する。
【0158】
以下、ステップST24において、取り込み中でない場合について説明する(ステップST24のNO)。
【0159】
具体的には、選択肢1が選択された場合には(ステップST28のYES)、アプリケーション処理部42は、子供のストレスが最も少ないものと判断し、ストレス度をたとえば0%と数値化する(ステップST29)。
【0160】
選択肢1ではない場合(ステップST28のNO)、すなわち選択肢2が選択された場合には(ステップST210のYES)、アプリケーション処理部42は、子供のストレスが多少あるものと判断し、ストレス度をたとえば25%と数値化する(ステップST211)。
【0161】
選択肢2ではない場合(ステップST210のNO)、すなわち選択肢3が選択された場合には(ステップST212のYES)、アプリケーション処理部42は、選択肢2の場合よりも子供のストレスの度合いが高いものと判断し、ストレス度をたとえば50%と数値化する(ステップST213)。
【0162】
選択肢3ではない場合(ステップST212のNO)、すなわち選択肢4が選択された場合には(ステップST212のNO)、プリケーション処理部42は、子供のストレスの度合いが高いものと判断し、ストレス度をたとえば75%と数値化する(ステップST214)。その後、ステップST26およびST27が実行される。
【0163】
選択肢2および3が一日に3回以上選択された場合には(ステップST215のYES)、ステップST26およびST27が実行される。
【0164】
一方、選択肢2および3の選択が一日に3回未満の場合には(ステップST215のNO)、ステップST27が実行される。
【0165】
上述した携帯端末10の一連の動作は、記憶部16に格納されたスケジュール情報に基づいて実行することができる。このスケジュール情報には、ステップST11における初期設定が登録されている。
【0166】
以下に、通信システム1を構成する親機としての携帯端末10の動作を図12に関連付けて説明する。
【0167】
図12は、本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【0168】
図12に図示するように、判別処理部151aは、サーバ装置40から通知を受けると(ステップST31)、受けた通知に緊急情報が含まれているか否かを判別する(ステップST32)。受けた通知に緊急情報が含まれ場合には(YES)、アラーム音が鳴ると共に、子機としての携帯端末10の位置情報が表示される(ステップST33)。
【0169】
具体的には、通信部12aは、サーバ装置40から入力データSIaを受信すると、入力データSIaを復調する。通信部12は、復調した入力データSIaを位置情報S11aとして判別処理部151aに出力する。
【0170】
判別処理部151aは、通信部12aから位置情報S11aが入力されると、位置情報S11aに緊急情報が付加されているか否かを判別する。
【0171】
位置情報S11aに緊急情報が付加されている場合、判別処理部151aは、位置情報S11aを表示部110aに出力すると共に、緊急情報をアラーム信号S12aとして音声入出力部17aに出力する。
【0172】
これにより、表示部110aは、子機としての携帯端末10の位置情報および緊急メッセージを表示すると共に、音声入出力部17aは、スピーカ18aを介してアラーム音を出力する。
【0173】
その後、設定時間が最終回に達していない場合には(ステップST34のYES)、ステップST31が実行され、設定時間が最終回に達した場合には(ステップST34のNO)、一連の処理が終了する。
【0174】
一方、受けた通知に緊急情報が含まれていない場合(NO)、すなわち、位置情報S11aに緊急情報が付加されていない場合には、判別処理部151aは、メッセージを表示する旨のメッセージ情報S13aを表示部110aに出力する(ステップST35)。
【0175】
このとき、表示部110aには、たとえば、「メッセージを確認する」という選択肢、および「メッセージを確認しない」という選択肢が表示される(ステップST37)。
【0176】
操作部111aは、「メッセージを確認する」という選択肢が選択された場合(YES)、その旨を示す選択信号S14aを判別処理部151aに出力する。これにより、表示部110aは、ストレスの度合い、および携帯端末10の位置情報を表示する(ステップST36)。
【0177】
本実施形態によれば、子機としての携帯端末10を所持する子供が飼育ゲームを操作するだけで、保護者は子供の周囲の状況や心理状態を定期的に推測することができる。子供にとっては、保護者から監視されているということを意識する必要がなく、飼育ゲームを操作するだけでよいという利点がある。
【0178】
子供が自分の感情を上手く表現することができない場合であっても、仮想ペットの飼育状態から子供の精神的な状態を推測することができると共に、子供の位置も把握することができるため、保護者は安心感を得ることができる。
【0179】
携帯端末を利用しているため、使用エリアが限定されず、日常生活において双方にとって扱いやすいという利点がある。
【0180】
たとえば、ステップST33において、親機としての携帯端末10aがアラーム音を出力する代わり、携帯端末10aの筐体が振動したり、表示部110aが点灯するようにしてもよい。
【0181】
本実施形態では、サーバ装置40においてゲーム機能が実行され、その実行された内容が携帯端末10に送信されるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、携帯端末10の処理部において、ゲーム機能が実行されてもよい。あるいは、ゲーム機能の一部をサーバ装置40で実行し、残りを携帯端末10で実行するようにしてもよい。親機としての携帯端末10が有する判別処理部151aは、サーバ装置40が有していてもよいし、携帯端末10が有していてもよい。
【0182】
本実施形態では、携帯端末として携帯電話機を例示したが、本発明は、本実施形態と同様の構成を有するPDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、ノート型パーソナルコンピュータ等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の実施形態の通信システムの例を示す概略システム図である。
【図2】本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末の構成例を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る携帯端末の外観例を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末が有するゲーム機能の概要を説明するための図である。
【図5】図4に図示するゲーム機能の使用例を示す概念図である。
【図6】本発明の実施形態に係る制御部の構成例を示す概略ブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の構成例を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の制御部の構成例を示す概略ブロック図である。
【図9】本発明の実施形態に係るサーバ装置の主要部の構成例を示す概略ブロック図である。
【図10】本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係るサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0184】
1…通信システム、10…子機としての携帯端末、10a…親機としての携帯端末、11、11a…アンテナ、12、12a…通信部、13、13a…GPSアンテナ、14…GPS通信部、15,15a…制御部、16、16a…記憶部、17、17a…音声入出力部、18、18a…スピーカ、19、19a…マイクロフォン、20…GPS衛星、30…基地局、40…サーバ装置、41…通信制御部、42…アプリケーション処理部、43…位置測定部、44…サーバ記憶部、50…通信網、110、110a…表示部、111、111a…操作部、112…計時部、113…上筐体、114…下筐体、115…ヒンジ部、151…処理部、151a…判別処理部、152…位置情報取得部、PET…仮想ペット、PRO…遊戯プログラム、SEL…選択肢表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、所有者の有する情報をより詳細に伝えることが可能な携帯電子機器および通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年市場に流通している携帯電話機等の携帯通信機器は、犯罪に遭遇した際などに所有者の緊急通知を、無線通信を介して所有者の遭遇した非常事態を他者へ伝えるという機能を有しているものがある。例えば、特許文献1には、非常スイッチが設けられ、当該非常スイッチが押されることによって他者へ緊急のメッセージ等を伝える技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−168194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、所有者が緊急の状態に置かれているという情報のみしか伝えることが出来ない。
【0004】
本発明は、ユーザの情報をより詳細に伝えることが可能な携帯通信機器および通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の携帯電子機器は、入力部と、情報を通知する通知部と、前記入力部からの入力に応じた出力を前記通知部に提供するソフトウェアを記憶する記憶部と、前記ソフトウェアを実行する制御部と、前記ソフトウェアが実行されている時の前記入力部からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する解析部と、前記解析部によって解析された前記心理状態の情報を所定の通信機器へ送信する通信部とを有する。
【0006】
好適には、前記ソフトウェアは、擬似的な動物としての電子ペットを飼育するものである。
【0007】
好適には、前記制御部は、前記通信部が前記所定の通信機器から送信された要求信号を受信すると、前記ソフトウェアを実行する、または、前記ソフトウェア実行時の前記入力部での入力を要求する情報を前記通知部に通知する。
【0008】
好適には、位置情報を計測可能な機能を有し、前記通信部は、前記心理状態と共に前記位置情報を前記所定の通信機器に送信する。
【0009】
好適には、前記記憶部は、前記ユーザのスケジュール情報を記憶し、前記制御部は、前記記憶部の前記スケジュール情報に基づいて前記ソフトウェアを実行する。
【0010】
好適には、前記制御部は、前記ソフトウェアの実行に基づいて、前記通知部に前記ユーザへ前記入力部の入力を要求する通知をさせ、前記通信部は、前記ソフトウェアの実行時に前記入力要求に対して前記入力部から入力を受け付けなかった場合、前記所定の通信機器と通信を行う。
【0011】
本発明の通信システムは、携帯電子機器と、所定の通信機器とを有し、前記携帯電子機器は、入力部と、情報を通知する通知部と、前記入力部からの入力に応じた出力を前記通知部に提供するソフトウェアを記憶する記憶部と、前記ソフトウェアを実行する制御部と、前記ソフトウェアが実行されている時の前記入力部からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する解析部と、前記解析部によって解析された前記心理状態の情報を前記所定の通信機器へ送信する通信部とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの情報をより詳細に伝えることが可能な携帯通信機器および通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態の通信システムの例を示す概略システム図である。
【0015】
図1に図示する通信システム1は、子機としての携帯端末10、親機としての携帯端末10a、GPS衛星20、基地局30、サーバ装置40、および通信網50を有する。
【0016】
携帯端末10は、本発明の携帯電子機器に対応する。携帯端末10aは、本発明の所定の通信機器に対応する。
【0017】
なお、本実施形態では、携帯端末10の所持者には子供を想定し、携帯端末10を子機と表現する。携帯端末10aの所持者にはその子供の保護者を想定し、携帯端末10aを親機と表現する。適宜、携帯端末10の所持者を単に「子供」または「ユーザ」と称し、携帯端末10aの所持者を単に「保護者」と称する。
【0018】
携帯端末10は、本実施携帯においては、携帯電話機である。携帯端末10は、たとえばPHS(Personal Handy phone System)であってもよい。
【0019】
携帯端末10は、音声通話、電子メールの作成とその送受信、WEB(World Wide Web)サイトの閲覧等を行う機能を有する。
【0020】
携帯端末10は、飼育ゲームを実行することができるゲーム機能を有する。「飼育ゲーム」とは、ペットの飼育を仮想的に体験することができるゲームである。このゲーム機能によって、保護者は、たとえば、子供が抱えるストレスの程度、子供が誘拐等の緊急事態に遭遇しているか否かのような状態を間接的に推測することができる。
【0021】
なお、本実施形態における「ゲーム」とは、専用機、汎用機を問わず、コンピュータで実行可能なコンピュータゲームをいう。
【0022】
携帯端末10は、音声通話機能やゲーム機能等を実行するため、通信網50に接続されたサーバ装置40の制御に基づいて基地局30と通信を行う。
【0023】
携帯端末10は、GPS(Global Positioning System)機能を有する。携帯端末10は、エムエス−ベースド(MS-Based)方式により、GPS衛星20から受信したGPS情報と、サーバ装置40から取得したアシストデータとを用いて自端末の位置を算出する。
【0024】
GPS情報には、航法データが含まれる。この航法データには、時間データ、エフェメリス(Ephemeris)データ、アルマナック(Almanac)データ等が含まれる。アシストデータには、航法データ、基地局30の位置データ、GPS衛星20から受信した信号を復調するための時間データ等が含まれる。
【0025】
携帯端末10の測位方式には、全ての算出処理を自端末で行うスタンドアロン(stand Alone)方式や、サーバ装置40が全ての算出処理を行って、算出結果のみを携帯端末10に送信するエムエス−アシスド(MS-Assisted)方式を採用することもできる。
【0026】
携帯端末10aは、携帯端末10の所持者の置かれた状態等に関する通知を基地局30を介して携帯端末10から受信する。
【0027】
GPS衛星20は、地球の所定の軌道上を周回しており、時間データ、エフェメリスデータ、アルマナックデータ等を含む航法データを定期的にブロードキャスト送信する。
【0028】
基地局30は、通信網50に接続されている。基地局30は、セル内の携帯端末10および携帯端末10aと通信し、サーバ装置40とのデータの中継を行う。
【0029】
サーバ装置40は、通信網50に接続されている。サーバ装置40は、通信網50を介して入出力される各種データを処理する。この各種データには、たとえば、音声データ、文字データ、動画像データが含まれる。
【0030】
サーバ装置40は、アプリケーションサーバとして機能し、携帯端末10のゲーム機能を実行するための処理を行う。
【0031】
サーバ装置40は、GPS衛星20から航法データを受信し、航法データに基づいて携帯端末10に関する測位の算出処理を行う。サーバ装置40は、算出処理によって得られたアシストデータを基地局30を介して携帯端末10に送信する。なお、この航法データは、GPS衛星20から保護者が有する携帯端末10aへ送信されても良い。
【0032】
通信網50は、携帯端末10、基地局30およびサーバ装置40が接続されている。通信網50は、音声データおよびパケットデータが扱えるネットワークである。
【0033】
通信システム1を構成する子機としての携帯端末10の構成例を図2に関連づけて説明する。
【0034】
図2は、本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末の構成例を示す概略ブロック図である。
【0035】
図2に図示する携帯端末10は、アンテナ11、通信部12、GPSアンテナ13、GPS通信部14、制御部15、記憶部16、音声入出力部17、スピーカ18、マイクロフォン19、表示部110、操作部111、および計時部112を有する。
【0036】
操作部111は、本発明の入力部に対応する。表示部110は、本発明の通知部に対応する。
【0037】
アンテナ11は、本実施形態においては内蔵型アンテナである。アンテナ11は、たとえばロッドアンテナであってもよい。アンテナ11は、所定の周波数帯域における電磁波を基地局30に向けて送信、あるいは基地局30から受信する。
【0038】
通信部12は、制御部15が出力した送信信号を所定の変調方式に変調し、変調した送信信号を電波信号としてアンテナ11を介して基地局30に送信する。通信部12は、アンテナ11を介して基地局30から受信した電波信号を変調方式に対応した復調を行い、復調した信号を受信信号として制御部15に出力する。
【0039】
GPSアンテナ13は、所定の周波数帯域における電磁波をGPS衛星20から受信する。
【0040】
GPS通信部14は、GPSアンテナ13を介してGPS衛星20から受信した電波信号に増幅、変調等の処理を行って、航法データを含むGPS情報を取得する。GPS通信部14は、GPS情報を制御部15の位置情報取得部152(図6参照)に出力する。
【0041】
制御部15は、たとえばマイクロコンピュータ、DSP等で構成されている。制御部15は、ユーザによる操作部111の操作に応じて、各種処理が適切な手順で実行されるように、携帯端末10の全般の動作を制御する。
【0042】
制御部15が行う処理には、通信網50を介して行われる音声通話、電子メールやWEBの閲覧を行うためのアプリケーションの処理等が含まれる。制御部15が行う他の処理については後述する。
【0043】
制御部15が行う制御には、たとえば、通信部12およびGPS通信部14の通信制御、記憶部16とのアクセス、表示部110における画像の表示、音声入出力部17における音声処理の制御が含まれる。
【0044】
制御部15は、記憶部16にアクセスし、記憶部16に格納されたプログラムに基づいて処理を実行する。制御部15は、プログラムにおいて指示された手順に従って上述した各種処理や制御を実行する。
【0045】
制御部15は、サーバ装置40と通信しながら、記憶部16に格納された遊戯プログラムPROを実行する。
【0046】
記憶部16は、たとえば不揮発性の記憶デバイス(フラッシュメモリ)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(SRAM、DRAM)等で構成されている。
【0047】
記憶部16には、ゲーム機能を実現するための遊戯プログラムPRO(本発明のソフトウェアに対応する)、ユーザのスケジュール情報、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等が格納されている。この他、記憶部16には、制御部15の出力結果、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータ、アドレス帳等が格納される。
【0048】
音声入出力部17は、制御部15から供給されたデジタルの音声データをスピーカ18を介して出力するため、デジタルの音声データに対して、デジタル・アナログ(D/A)変換、増幅等の信号処理を施す。
【0049】
音声入出力部17は、マイクロフォン19から入力されたアナログの音声信号をデジタルの音声データに変換して制御部15に出力するため、アナログの音声信号に対して、増幅、アナログ・デジタル(A/D)変換、符号化等の処理を施す。
【0050】
表示部110は、たとえば液晶表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネル等の表示デバイスで構成されている。表示部110は、制御部15から供給された映像信号に応じた種々の情報を表示する。
【0051】
操作部111は、たとえば電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど各種機能が割り当てられた複数のキーを有する。操作部111は、これらのキーがユーザによって操作された場合、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部15に出力する。
【0052】
計時部112は、時間を計時する。これにより、年、月、分、時、秒等の情報を取得することができる。この他、計時部112は、不図示のカウンタを有し、時間の累積時間(後述の経過時間)を計時する。計時部112は、制御部15の要求に応じて、計時した時間、あるいは累積時間を制御部15に出力する。
【0053】
子機としての携帯端末10の各構成要素は、図3に図示する上下筐体の所定の場所に格納されている。
【0054】
図3は、本発明の実施形態に係る携帯端末の外観例を示す斜視図である。
【0055】
図3に図示するように、携帯端末10は、上筐体113および下筐体114がヒンジ部115によって連結されている。携帯端末10は、上下筐体を開閉することができる折りたたみ型(フォルダ型ともいう)の携帯端末である。図3には、上下筐体が開いた開状態の様子が図示されている。
【0056】
図3に図示するように、上下筐体が折りたたまれた閉状態において、上筐体113の面113Fには、表示部110およびスピーカ18が配置されている。下筐体114の面114Fには、操作部111の各種キーおよびマイクロフォン19が配置されている。
【0057】
始めに、子機としての携帯端末10が有するゲーム機能の概要について、図4および図5を参照しながら説明する。
【0058】
図4は、本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末が有するゲーム機能の概要を説明するための図である。
【0059】
図5は、図4に図示するゲーム機能の使用例を示す概念図である。
【0060】
飼育ゲームとしての遊戯プログラムPROは、たとえば、サーバ装置40からダウンロードされ、記憶部16に格納されている。ゲーム機能は、制御部15がサーバ装置40と通信しながら、ソフトウェアとして実行される。
【0061】
飼育ゲームは、図4に例示する設定時間に達すると、たとえば、仮想ペットPETが子供に対して仮想的な餌等を要求し、子供がこの要求に返答するという、ペットの飼育に関するゲームである。
【0062】
子機としての携帯端末10の表示部110に表示される仮想ペットPET(図5参照)は、図4に図示するように、午前7時に仮想ペットPETの体調を示す情報をユーザに通知する。
【0063】
この情報は、たとえば、「元気いっぱい!」、「温かいミルクがほしい」、「冷たいものはダメ」、「甘いものは与えちゃダメ」などである。この通知は、表示部110による表示、あるいは電子メールによって行われる。
【0064】
仮想ペットPETは、午前8時に仮想の餌をユーザに要求する。
【0065】
この仮想ペットPET要求は、たとえば「朝の水が飲みたいわん!」、「ミルクがほしいよぉ!」である。この仮想ペットPET要求は、図5に図示するように、携帯端末10の表示部110に表示される。
【0066】
このとき、子供の心理状態を推測するための4つの選択肢が提示される。次に例示する4つの選択肢1〜4は、図5に図示するように、表示部110の選択肢表示領域SELに表示される。
【0067】
選択肢1は、「水をあげるよ!」である。選択肢2は、「砂糖水ならあげるよ」である。選択肢3は、「まだガマンしよう。今はあげられなぃーッ」である。選択肢4は、「僕の方が色々聞いてよー!」である。
【0068】
各々の選択肢は、たとえばストレスの度合いに関連付けられ、このストレスの度合が数値化される。以下に具体例を示す。
【0069】
子供が選択肢1を選択した場合には、子供のストレスは非常に小さいものと判断される。このときのストレス度は、たとえば0%と数値化される。これは、子供が仮想ペットPETの要求に答えているためである。
【0070】
子供が選択肢2を選択した場合には、子供のストレスが多少あるものと判断される。このときのストレス度は、たとえば25%と数値化される。
【0071】
子供が選択肢3を選択した場合には、選択肢2の場合よりも子供のストレスの度合いが高いものと判断される。このときのストレス度は、たとえば50%と数値化される。
【0072】
子供が選択肢4を選択した場合には、子供のストレスの度合いが高いものと判断される。このときのストレス度は、たとえば75%と数値化される。これは、子供が仮想ペットPETの要求を無視しているためである。
【0073】
子機としての携帯端末10は、選択肢に応じた内容の通知を親機としての携帯端末10aに対して行う。このとき、図5に図示するように、携帯端末10の位置情報と共に、ストレスの度合いが、携帯端末10aの表示部110aに表示される。
【0074】
ただし、選択肢4が選択された場合、携帯端末10aは、携帯端末10の位置情報およびストレスの度合いを表示部110aに表示すると共に、アラーム音を発する。
【0075】
子供が仮想ペットPETの要求に対して返答しない場合、この要求に対しての返答が困難な状況下にあるものと判断される。この困難な状況下とは、たとえば学校の授業中であり、本実施形態においては「取り込み中」という。このとき、携帯端末10の位置情報が、携帯端末10aに通知される。
【0076】
以後、設定時刻毎に仮想ペットPETの要求が繰り返される。なお、選択肢2または選択肢3が3回以上選択された場合には、選択肢4が選択された場合と同様に、携帯端末10aは、アラーム音を発する。この回数は、たとえば4回等、好適に設定することができる。
【0077】
設定時間は、学校の休み時間、放課後等、子供の生活様式に合わせることが望ましい。心理状態を推測するための選択肢およびその数は、好適に設定することができる。ストレス等の指標およびその数値化の方法は、子供の心理状態を容易に推測することができるものであれば好適に設定することができる。
【0078】
仮想ペットPETの要求は、設定時刻ごとに変化することが望ましい。たとえば、次回の仮想ペットPETの要求時に、選択肢1〜4は次に例示する内容であってもよい。
【0079】
具体的には、選択肢1は、「温かなミルクをあげる」である。選択肢2は、「冷たい水をあげる」である。選択肢3は、「ガマンだ!」である。選択肢4は、「僕の方が辛いよぉー!」である。
【0080】
携帯端末10の制御部15の詳細な構成例について、図6を参照しながら説明する。
【0081】
図6は、本発明の実施形態に係る制御部の構成例を示す概略ブロック図である。図6には、通信部12、記憶部16等の構成要素も図示されている。
【0082】
図6に図示する制御部15は、処理部151および位置情報取得部152を有する。処理部151は、本発明の解析部に対応する。
【0083】
処理部151は、計時部112が計時する時刻が設定時刻に達すると、通信部12がその旨をサーバ装置40に送信するように通信部12を制御する。
【0084】
通信部12は、サーバ装置40から入力データSIを受信すると、データSIを復調する。このデータSIは、サーバ装置40が携帯端末10に送信した仮想ペットPETの要求を示す要求信号S42(図9参照)である。通信部12は、復調したデータSIを要求信号S11として処理部151に出力する。
【0085】
処理部151は、要求信号(本発明の起動要求信号)S11が通信部12から入力されると、記憶部16から遊戯プログラムPROを読み出し、遊戯プログラムPROを実行する。処理部151は、遊戯プログラムPROに従って、仮想ペットPETの要求を表示するための要求表示信号S12を表示部110に出力する。これにより、表示部110は、要求表示信号S12に基づいて、仮想ペットPETの要求を表示する(図5参照)。
【0086】
なお、通信部12が一日の初めに受信した要求表示信号S12には、仮想ペットPETの体調を示す情報が含まれている。要求表示信号S12を処理部151から受信したとき、表示部110は、仮想ペットPETの体調を示す情報を表示する。
【0087】
処理部151は、仮想ペットPETの要求に返答するための選択肢1〜4を選択表示信号S13として表示部110に出力する。これにより、表示部110は、選択表示信号S13に基づいて、選択肢1〜4を選択肢表示領域SELに表示する(図5参照)。
【0088】
何れかの選択肢が選択された場合、操作部111は、選択された選択肢を押下情報S14として処理部151に出力する。
【0089】
処理部151は、位置情報取得部152に携帯端末10のGPS情報を取得させる。
【0090】
これにより、GPS通信部14は、GPS衛星20からGPS情報GPSを受信し、GPS情報GPSを位置情報取得部152に出力する。位置情報取得部152は、位置情報取得部152から入力されたGPS情報GPSを基に携帯端末10の位置を算出し、算出結果を位置情報S15として処理部151に出力する。
【0091】
処理部151は、操作部111から入力された押下情報S14と、位置情報取得部152から入力された位置情報S15とを送信データS16として通信部12に出力する。通信部12は、送信データS16に変調等の処理を施し、処理後の送信データをデータSOとしてサーバ装置40に送信する。
【0092】
一方、何れの選択肢も設定経過時間内に選択されなかった場合、制御部15は、次の動作を行う。なお、設定経過時間は、たとえば1分など、好適に設定することができる。
【0093】
詳細には、計時部112は、処理部151の制御によって、処理部151が選択表示信号S13を表示部110に出力した時点からの経過時間を計時する。
【0094】
処理部151は、経過時間が設定経過時間に達しても、操作部111から処理部151に押下情報S14が入力されない場合、子供が取り込み中であることを示す待機信号S17を通信部12に出力する。通信部12は、処理部から入力された待機信号S17を待機信号としてサーバ装置40に出力する。
【0095】
通信システム1を構成する親機としての携帯端末10aの構成例を図7に関連づけて説明する。
【0096】
図7は、本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の構成例を示す概略ブロック図である。図7には、通信部12a等の構成要素も図示されている。
【0097】
図7に図示する親機としての携帯端末10aは、アンテナ11a、通信部12a、制御部15a、記憶部16a、音声入出力部17a、スピーカ18a、マイクロフォン19a、表示部110a、および操作部111aを有する。
【0098】
親機としての携帯端末10aが有する各構成要素は、子機としての携帯端末10が有する各構成要素と同様の機能を有する。携帯端末10aは、GPS通信部14等を有することもできる。
【0099】
ただし、制御部15aは、判別処理部151aを有し、図8に図示するように構成されている。
【0100】
図8は、本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の制御部の構成例を示す概略ブロック図である。
【0101】
通信部12aは、サーバ装置40から入力データSIaを受信すると、入力データSIaを復調する。この入力データSIaは、サーバ装置40が携帯端末10に送信した位置情報S42(図9参照)である。通信部12は、復調した入力データSIaを位置情報S11aとして判別処理部151aに出力する。
【0102】
判別処理部151aは、通信部12aから位置情報S11aが入力されると、位置情報S11aに緊急情報が付加されているか否かを判別する。
【0103】
位置情報S11aに緊急情報が付加されている場合、判別処理部151aは、位置情報S11aを表示部110aに出力すると共に、緊急情報をアラーム信号S12aとして音声入出力部17aに出力する。
【0104】
これにより、表示部110aは、子機としての携帯端末10の位置情報および緊急メッセージを表示すると共に、音声入出力部17aは、スピーカ18aを介してアラーム音を出力する。緊急メッセージは、たとえば、子供のストレスの度合いが高いことを示唆するメッセージ、あるいは子供の身に危険が迫っていることを示唆するメッセージであることが望ましい。
【0105】
一方、位置情報S11aに緊急情報が付加されていない場合、判別処理部151aは、メッセージを表示する旨のメッセージ情報S13aを表示部110aに出力する。
【0106】
メッセージは、通信部12aが受信した位置情報S11aの内容を直ちに表示部110aに表示するか否かということを保護者に促すものである。このとき、表示部110aには、たとえば、「メッセージを確認する」という選択肢、および「メッセージを確認しない」という選択肢が表示される。
【0107】
操作部111aは、「メッセージを確認する」という選択肢が選択された場合、その旨を示す選択信号S14aを判別処理部151aに出力する。これにより、表示部110aは、ストレスの度合い、および携帯端末10の位置情報を表示する。
【0108】
通信システム1を構成するサーバ装置40の主要部の構成例を図9に関連づけて説明する。
【0109】
図9は、本発明の実施形態に係るサーバ装置の主要部の構成例を示す概略ブロック図である。
【0110】
サーバ装置40は、通信制御部41、アプリケーション処理部42、位置測定部43、およびサーバ記憶部44を有する。
【0111】
通信制御部41は、通信網50を介して入出力されるデータの通信に関する処理を行う。
【0112】
通信制御部41は、子機としての携帯端末10が出力したデータSOを受信すると、データSOに復調等の処理を施す。通信制御部41は、処理後のデータを受信データS41としてアプリケーション処理部42に出力する。この受信データS41には、仮想ペットPETの要求に返答した選択肢に関する押下情報および携帯端末10の位置に関する位置情報が含まれている。
【0113】
アプリケーション処理部42は、子機としての携帯端末10の遊戯プログラムPROを実行するために必要な種々のソフトウェア処理を行う。アプリケーション処理部42は、子機としての携帯端末10の表示部110に仮想ペットPETの体調に関する情報およびその要求を表示させるため、次の動作を行う。
【0114】
詳細には、アプリケーション処理部42は、仮想ペットPETの体調に関する情報を要求信号S42として通信制御部41に出力する。アプリケーション処理部42は、仮想ペットPETの要求を示す要求信号S42を通信制御部41に出力する。
【0115】
このとき、通信制御部41は、要求信号S42をデータSIとして携帯端末10に送信する。これにより、子機としての携帯端末10の表示部110には、仮想ペットPETの体調に関する情報、または仮想ペットPETの要求が表示される。
【0116】
アプリケーション処理部42は、子機としての携帯端末10の操作によって選択された選択肢に応じて次の動作を行う。詳細には、アプリケーション処理部42は、受信データS41に含まれる押下情報から、選択された選択肢をストレスの度合いに関連付ける。
【0117】
詳細には、アプリケーション処理部42は、選択肢1(図4参照)が選択された場合には、子供のストレスが最も少ないものと判断し、ストレス度をたとえば0%と数値化する。アプリケーション処理部42は、選択肢2(図4参照)が選択された場合には、子供のストレスが多少あるものと判断し、ストレス度をたとえば25%と数値化する。
【0118】
アプリケーション処理部42は、選択肢3(図4参照)が選択された場合には、選択肢2の場合よりも子供のストレスの度合いが高いものと判断し、ストレス度をたとえば50%と数値化する。アプリケーション処理部42は、選択肢4(図4参照)が選択された場合には、子供のストレスの度合いが高いものと判断し、ストレス度をたとえば75%と数値化する。
【0119】
位置測定部43は、受信データS41がアプリケーション処理部42に入力されると、アプリケーション処理部42からの制御信号S43に基づき、携帯端末10のGPS情報を算出する。位置測定部43は、算出したGPS情報をGPS情報S44として、アプリケーション処理部42に出力する。なお、GPS情報の算出は、GPS衛星20や他の通信システム1に接続されているサーバ装置でもよい。
【0120】
アプリケーション処理部42は、数値化したストレスの度合いと、位置測定部43から入力されたGPS情報を送信データS45として通信制御部41に出力する。
【0121】
通信制御部41は、アプリケーション処理部42から送信データS45が入力されると、送信データS45をデータSIaとして、親機としての携帯端末10aに送信する。これにより、携帯端末10aの表示部110aには、子供のストレスの度合い、および子機としての携帯端末10の位置情報が表示される。
【0122】
アプリケーション処理部42は、一日に選択肢2および3が選択された回数をカウントする。アプリケーション処理部42は、選択肢2および3が一日に3回以上選択された場合には、親機としての携帯端末10aがアラーム音を発するように、緊急情報を送信データS45(データSIa)に付加する。
【0123】
選択肢4が選択された場合にも、アプリケーション処理部42は、親機としての携帯端末10aがアラーム音を発するように、緊急情報を送信データS45(データSIa)に付加する。
【0124】
なお、仮想ペットPETの要求に対して返答が得られない場合、すなわち取り込み中であった場合、通信制御部41には、子機としての携帯端末10から待機信号が入力され、この待機信号をアプリケーション処理部42に出力する。
【0125】
このとき、アプリケーション処理部42は、待機信号の一日の受信回数をカウントしている。受信回数が3回未満のとき、アプリケーション処理部42は、位置測定部43から入力されたGPS情報を送信データS45として通信制御部41に出力する。
【0126】
一方、受信回数が3回以上のとき、アプリケーション処理部42は、親機としての携帯端末10aがアラーム音を発するように、緊急情報を送信データS45に付加する。
【0127】
サーバ記憶部44は、たとえば、ハードディスクおよびランダムアクセス可能な記憶デバイスで構成されている。サーバ記憶部44は、設定時間、遊戯プログラムPROの実行に必要な各種アプリケーションプログラム等が格納されている。
【0128】
以下に、通信システム1を構成する子機としての携帯端末10の動作を図10に関連付けて説明する。
【0129】
図10は、本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【0130】
始めに、操作部111の操作によって、初期設定が行われる(ステップST11)。初期設定では、設定時間は、たとえば、午前7時(1回目)、午前8時(2回目)、午前9時30分、午前10時30分、…、午後7時(最終回)と設定される。設定経過時間は、たとえば1分に設定される。設定時間および設定経過時間は、通信部12を介してサーバ装置40に送信され、サーバ記憶部44に格納される。
【0131】
初期設定の後、現在の時間が設定時間に達すると、サーバ装置40からの指示により、仮想ペットPETの要求が、選択肢1〜4と共に表示部110に表示される(ステップST12)。
【0132】
具体的には、通信部12は、サーバ装置40から入力データSIを受信すると、データSIを復調する。このデータSIは、サーバ装置40が携帯端末10に送信した仮想ペットPETの要求を示す要求信号S42(図9参照)である。通信部12は、復調したデータSIを要求信号S11として処理部151に出力する。
【0133】
その後、処理部151は、要求信号S11が通信部12から入力されると、記憶部16から遊戯プログラムPROを読み出し、遊戯プログラムPROを実行する。処理部151は、遊戯プログラムPROに従って、仮想ペットPETの要求を表示するための要求表示信号S12を表示部110に出力する。これにより、表示部110は、要求表示信号S12に基づいて、仮想ペットPETの要求を表示する。
【0134】
ただし、通信部12が一日の初めに(1回目:午前7時)受信した要求表示信号S12には、仮想ペットPETの体調を示す情報が含まれているため、この場合には、表示部110は、仮想ペットPETの体調を示す情報を表示する。
【0135】
処理部151は、仮想ペットPETの要求に返答するための選択肢1〜4を選択表示信号S13として表示部110に出力する。これにより、表示部110は、選択表示信号S13に基づいて、選択肢1〜4を選択肢表示領域SELに表示する(図5参照)。
【0136】
仮想ペットPETの要求および選択肢1〜4が表示部110に表示された後、何れかの選択肢が選択された場合(ステップST13)、操作部111は、選択された選択肢を押下情報S14として処理部151に出力する(YES)。
【0137】
この場合(YES)、選択された選択肢および携帯端末10の位置情報が、サーバ装置40に送信される(ステップST14)。
【0138】
具体的には、処理部151は、位置情報取得部152に携帯端末10のGPS情報を取得させる。
【0139】
これにより、GPS通信部14は、GPS衛星20からGPS情報GPSを受信し、GPS情報GPSを位置情報取得部152に出力する。位置情報取得部152は、位置情報取得部152から入力されたGPS情報GPSを基に携帯端末10の位置を算出し、算出結果を位置情報S15として処理部151に出力する。
【0140】
処理部151は、操作部111から入力された押下情報S14と、位置情報取得部152から入力された位置情報S15とを送信データS16として通信部12に出力する。通信部12は、送信データS16に変調等の処理を施し、処理後の送信データをデータSOとしてサーバ装置40に送信する。
【0141】
一方、何れの選択肢も設定経過時間内に選択されなかった場合(NO)、取り込み中である旨がサーバ装置40に送信される(ステップST15)。
【0142】
具体的には、計時部112は、処理部151の制御によって、処理部151が選択表示信号S13を表示部110に出力した時点からの経過時間を計時している。
【0143】
処理部151は、経過時間が設定経過時間に達しても、操作部111から処理部151に押下情報S14が入力されない場合、子供が取り込み中であることを示す待機信号S17を通信部12に出力する。通信部12は、処理部から入力された待機信号S17を待機信号としてサーバ装置40に出力する。
【0144】
次回の仮想ペットPETの要求がある場合には(ステップST16のYES)、すなわち、設定時間が最終回(午後7時)でない場合、ステップST12が実行される。
【0145】
一方、次回の仮想ペットPETの要求がない場合には(ステップST16のNo)、すなわち、設定時間が最終回(午後7時)である場合、一連の処理が終了する。
【0146】
図11は、本発明の実施形態に係るサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【0147】
図11に図示するように、仮想ペットPETの要求が1回目の場合には(ステップST21のYES)、仮想ペットPETの体調に関する情報が携帯端末10に送信される(ステップST22)。
【0148】
具体的には、アプリケーション処理部42は、仮想ペットPETの体調に関する情報を要求信号S42として通信制御部41に出力する。通信制御部41は、要求信号S42をデータSIとして携帯端末10に送信する。
【0149】
これにより、子機としての携帯端末10の表示部110には、仮想ペットPETの体調に関する情報が表示される。
【0150】
一方、仮想ペットPETの要求が2回目以降の場合には(ステップST21のNO)、仮想ペットPETの要求が携帯端末10に送信される(ステップST23)。
【0151】
具体的には、アプリケーション処理部42は、仮想ペットPETの要求を示す要求信号S42を通信制御部41に出力する。通信制御部41は、要求信号S42をデータSIとして携帯端末10に送信する。
【0152】
これにより、子機としての携帯端末10の表示部110には、仮想ペットPETの要求が表示される。
【0153】
仮想ペットPETの要求に対して返答が得られない場合、すなわち取り込み中であった場合に(ステップST24のYES)、取り込み中の回数が3回未満であれば(ステップST25のNO)、サーバ装置40は、子機としての携帯端末10の位置情報を親機としての携帯端末10aに送信する(ステップST27)。
【0154】
一方、取り込み中の回数が3回以上であれば(ステップST25のYES)、サーバ装置40は、親機としての携帯端末10aにアラーム音を出力させ(ステップST26)、子機としての携帯端末10の位置情報を親機としての携帯端末10aに送信する(ステップST27)。なお、本実施形態は、取り込み中の回数が3回未満か3回以上かで処理を変更しているが、この回数は4回等、好適に設定することができる。
【0155】
具体的には、通信制御部41には、子機としての携帯端末10から待機信号が入力され、この待機信号をアプリケーション処理部42に出力する。
【0156】
このとき、アプリケーション処理部42は、待機信号の一日の受信回数をカウントしている。受信回数が3回未満のとき、アプリケーション処理部42は、位置測定部43から入力されたGPS情報を送信データS45として通信制御部41に出力する。
【0157】
一方、受信回数が3回以上のとき、アプリケーション処理部42は、親機としての携帯端末10aがアラーム音を発するように、緊急情報を送信データS45に付加する。
【0158】
以下、ステップST24において、取り込み中でない場合について説明する(ステップST24のNO)。
【0159】
具体的には、選択肢1が選択された場合には(ステップST28のYES)、アプリケーション処理部42は、子供のストレスが最も少ないものと判断し、ストレス度をたとえば0%と数値化する(ステップST29)。
【0160】
選択肢1ではない場合(ステップST28のNO)、すなわち選択肢2が選択された場合には(ステップST210のYES)、アプリケーション処理部42は、子供のストレスが多少あるものと判断し、ストレス度をたとえば25%と数値化する(ステップST211)。
【0161】
選択肢2ではない場合(ステップST210のNO)、すなわち選択肢3が選択された場合には(ステップST212のYES)、アプリケーション処理部42は、選択肢2の場合よりも子供のストレスの度合いが高いものと判断し、ストレス度をたとえば50%と数値化する(ステップST213)。
【0162】
選択肢3ではない場合(ステップST212のNO)、すなわち選択肢4が選択された場合には(ステップST212のNO)、プリケーション処理部42は、子供のストレスの度合いが高いものと判断し、ストレス度をたとえば75%と数値化する(ステップST214)。その後、ステップST26およびST27が実行される。
【0163】
選択肢2および3が一日に3回以上選択された場合には(ステップST215のYES)、ステップST26およびST27が実行される。
【0164】
一方、選択肢2および3の選択が一日に3回未満の場合には(ステップST215のNO)、ステップST27が実行される。
【0165】
上述した携帯端末10の一連の動作は、記憶部16に格納されたスケジュール情報に基づいて実行することができる。このスケジュール情報には、ステップST11における初期設定が登録されている。
【0166】
以下に、通信システム1を構成する親機としての携帯端末10の動作を図12に関連付けて説明する。
【0167】
図12は、本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【0168】
図12に図示するように、判別処理部151aは、サーバ装置40から通知を受けると(ステップST31)、受けた通知に緊急情報が含まれているか否かを判別する(ステップST32)。受けた通知に緊急情報が含まれ場合には(YES)、アラーム音が鳴ると共に、子機としての携帯端末10の位置情報が表示される(ステップST33)。
【0169】
具体的には、通信部12aは、サーバ装置40から入力データSIaを受信すると、入力データSIaを復調する。通信部12は、復調した入力データSIaを位置情報S11aとして判別処理部151aに出力する。
【0170】
判別処理部151aは、通信部12aから位置情報S11aが入力されると、位置情報S11aに緊急情報が付加されているか否かを判別する。
【0171】
位置情報S11aに緊急情報が付加されている場合、判別処理部151aは、位置情報S11aを表示部110aに出力すると共に、緊急情報をアラーム信号S12aとして音声入出力部17aに出力する。
【0172】
これにより、表示部110aは、子機としての携帯端末10の位置情報および緊急メッセージを表示すると共に、音声入出力部17aは、スピーカ18aを介してアラーム音を出力する。
【0173】
その後、設定時間が最終回に達していない場合には(ステップST34のYES)、ステップST31が実行され、設定時間が最終回に達した場合には(ステップST34のNO)、一連の処理が終了する。
【0174】
一方、受けた通知に緊急情報が含まれていない場合(NO)、すなわち、位置情報S11aに緊急情報が付加されていない場合には、判別処理部151aは、メッセージを表示する旨のメッセージ情報S13aを表示部110aに出力する(ステップST35)。
【0175】
このとき、表示部110aには、たとえば、「メッセージを確認する」という選択肢、および「メッセージを確認しない」という選択肢が表示される(ステップST37)。
【0176】
操作部111aは、「メッセージを確認する」という選択肢が選択された場合(YES)、その旨を示す選択信号S14aを判別処理部151aに出力する。これにより、表示部110aは、ストレスの度合い、および携帯端末10の位置情報を表示する(ステップST36)。
【0177】
本実施形態によれば、子機としての携帯端末10を所持する子供が飼育ゲームを操作するだけで、保護者は子供の周囲の状況や心理状態を定期的に推測することができる。子供にとっては、保護者から監視されているということを意識する必要がなく、飼育ゲームを操作するだけでよいという利点がある。
【0178】
子供が自分の感情を上手く表現することができない場合であっても、仮想ペットの飼育状態から子供の精神的な状態を推測することができると共に、子供の位置も把握することができるため、保護者は安心感を得ることができる。
【0179】
携帯端末を利用しているため、使用エリアが限定されず、日常生活において双方にとって扱いやすいという利点がある。
【0180】
たとえば、ステップST33において、親機としての携帯端末10aがアラーム音を出力する代わり、携帯端末10aの筐体が振動したり、表示部110aが点灯するようにしてもよい。
【0181】
本実施形態では、サーバ装置40においてゲーム機能が実行され、その実行された内容が携帯端末10に送信されるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、携帯端末10の処理部において、ゲーム機能が実行されてもよい。あるいは、ゲーム機能の一部をサーバ装置40で実行し、残りを携帯端末10で実行するようにしてもよい。親機としての携帯端末10が有する判別処理部151aは、サーバ装置40が有していてもよいし、携帯端末10が有していてもよい。
【0182】
本実施形態では、携帯端末として携帯電話機を例示したが、本発明は、本実施形態と同様の構成を有するPDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、ノート型パーソナルコンピュータ等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の実施形態の通信システムの例を示す概略システム図である。
【図2】本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末の構成例を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る携帯端末の外観例を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末が有するゲーム機能の概要を説明するための図である。
【図5】図4に図示するゲーム機能の使用例を示す概念図である。
【図6】本発明の実施形態に係る制御部の構成例を示す概略ブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の構成例を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の制御部の構成例を示す概略ブロック図である。
【図9】本発明の実施形態に係るサーバ装置の主要部の構成例を示す概略ブロック図である。
【図10】本発明の実施形態に係る子機としての携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係るサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係る親機としての携帯端末の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0184】
1…通信システム、10…子機としての携帯端末、10a…親機としての携帯端末、11、11a…アンテナ、12、12a…通信部、13、13a…GPSアンテナ、14…GPS通信部、15,15a…制御部、16、16a…記憶部、17、17a…音声入出力部、18、18a…スピーカ、19、19a…マイクロフォン、20…GPS衛星、30…基地局、40…サーバ装置、41…通信制御部、42…アプリケーション処理部、43…位置測定部、44…サーバ記憶部、50…通信網、110、110a…表示部、111、111a…操作部、112…計時部、113…上筐体、114…下筐体、115…ヒンジ部、151…処理部、151a…判別処理部、152…位置情報取得部、PET…仮想ペット、PRO…遊戯プログラム、SEL…選択肢表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
情報を通知する通知部と、
前記入力部からの入力に応じた出力を前記通知部に提供するソフトウェアを記憶する記憶部と、
前記ソフトウェアを実行する制御部と、
前記ソフトウェアが実行されている時の前記入力部からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する解析部と、
前記解析部によって解析された前記心理状態の情報を所定の通信機器へ送信する通信部と
を有する携帯電子機器。
【請求項2】
前記ソフトウェアは、擬似的な動物としての電子ペットを飼育するものである
請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信部が前記所定の通信機器から送信された要求信号を受信すると、前記ソフトウェアを実行する、または、前記ソフトウェア実行時の前記入力部での入力を要求する情報を前記通知部に通知する
請求項1または2記載の携帯電子機器。
【請求項4】
位置情報を計測可能な機能を有し、
前記通信部は、前記心理状態と共に前記位置情報を前記所定の通信機器に送信する
請求項1から3のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記記憶部は、前記ユーザのスケジュール情報を記憶し、
前記制御部は、前記記憶部の前記スケジュール情報に基づいて前記ソフトウェアを実行する
請求項1から4のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記ソフトウェアの実行に基づいて、前記通知部に前記ユーザへ前記入力部の入力を要求する通知をさせ、
前記通信部は、前記ソフトウェアの実行時に前記入力要求に対して前記入力部から入力を受け付けなかった場合、前記所定の通信機器と通信を行う
請求項1から5のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
携帯電子機器と、
所定の通信機器と
を有し、
前記携帯電子機器は、
入力部と、
情報を通知する通知部と、
前記入力部からの入力に応じた出力を前記通知部に提供するソフトウェアを記憶する記憶部と、
前記ソフトウェアを実行する制御部と、
前記ソフトウェアが実行されている時の前記入力部からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する解析部と、
前記解析部によって解析された前記心理状態の情報を前記所定の通信機器へ送信する通信部と
を有する通信システム。
【請求項1】
入力部と、
情報を通知する通知部と、
前記入力部からの入力に応じた出力を前記通知部に提供するソフトウェアを記憶する記憶部と、
前記ソフトウェアを実行する制御部と、
前記ソフトウェアが実行されている時の前記入力部からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する解析部と、
前記解析部によって解析された前記心理状態の情報を所定の通信機器へ送信する通信部と
を有する携帯電子機器。
【請求項2】
前記ソフトウェアは、擬似的な動物としての電子ペットを飼育するものである
請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信部が前記所定の通信機器から送信された要求信号を受信すると、前記ソフトウェアを実行する、または、前記ソフトウェア実行時の前記入力部での入力を要求する情報を前記通知部に通知する
請求項1または2記載の携帯電子機器。
【請求項4】
位置情報を計測可能な機能を有し、
前記通信部は、前記心理状態と共に前記位置情報を前記所定の通信機器に送信する
請求項1から3のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記記憶部は、前記ユーザのスケジュール情報を記憶し、
前記制御部は、前記記憶部の前記スケジュール情報に基づいて前記ソフトウェアを実行する
請求項1から4のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記ソフトウェアの実行に基づいて、前記通知部に前記ユーザへ前記入力部の入力を要求する通知をさせ、
前記通信部は、前記ソフトウェアの実行時に前記入力要求に対して前記入力部から入力を受け付けなかった場合、前記所定の通信機器と通信を行う
請求項1から5のいずれか一に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
携帯電子機器と、
所定の通信機器と
を有し、
前記携帯電子機器は、
入力部と、
情報を通知する通知部と、
前記入力部からの入力に応じた出力を前記通知部に提供するソフトウェアを記憶する記憶部と、
前記ソフトウェアを実行する制御部と、
前記ソフトウェアが実行されている時の前記入力部からの入力に基づいてユーザの心理状態を解析する解析部と、
前記解析部によって解析された前記心理状態の情報を前記所定の通信機器へ送信する通信部と
を有する通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−51601(P2010−51601A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220569(P2008−220569)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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