携帯電子機器のネットワークシステム
【課題】携帯電子機器のネットワークシステムおいて、端末間のみで互いに従属関係を構築させると共に、端末の機能制限の管理をする際の利便性を向上させること。
【解決手段】第1の携帯電子機器は、第1の操作部と、第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、登録された所定の認証情報に基づいて特定の個人であるか否かの判定を行い、特定の個人であると判定した場合に認証信号を出力する認証部と、認証信号を検出した場合に第1の被操作部の動作を許可する第1の制御部と、認証信号を第2の携帯電子機器に送信可能な第1の送信部と、を備え、第2の携帯電子機器は、第2の操作部と、第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と、第1の送信部から送信される認証信号を受信可能な第2の受信部と、第2の受信部が受信した認証信号を検出した場合に第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部と、を備える。
【解決手段】第1の携帯電子機器は、第1の操作部と、第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、登録された所定の認証情報に基づいて特定の個人であるか否かの判定を行い、特定の個人であると判定した場合に認証信号を出力する認証部と、認証信号を検出した場合に第1の被操作部の動作を許可する第1の制御部と、認証信号を第2の携帯電子機器に送信可能な第1の送信部と、を備え、第2の携帯電子機器は、第2の操作部と、第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と、第1の送信部から送信される認証信号を受信可能な第2の受信部と、第2の受信部が受信した認証信号を検出した場合に第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器及び携帯電子機器のネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等に接続することを可能とする機能や電子マネーを用いた商取引を可能とする機能が付与された携帯電子機器の普及が増加している。そのため、ユーザにおいては、通話料金以外にもインターネット接続により生じるパケット料金の支払いや電子マネーの使用による料金の支払い等が生じ、支払額の総額が高額になる場合がある。
【0003】
また、携帯電話機においては、例えば、複数の従業員がグループ毎に雇用者から支給された携帯電話機を使用する場合がある。このような場合、各携帯電話機を管理する管理者を設け、管理者により各携帯電話機を管理させることになる。しかしながら、近年の携帯電話機においては、上述のように種々の機能を有するため、各携帯電話機を厳格に管理可能とすることが望まれていた。
【0004】
これに対しては、携帯電話機に指紋等の生体情報を登録し、例えば、登録した指紋情報と入力した指紋情報とが一致すると認証した場合に携帯電話機の使用を許可する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−312476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、インターネットを利用するユーザが自己の端末のロック状態を解除するための暗証番号の入力の代用として使用されるものである。つまり、特許文献1に開示の技術は、ユーザ自身がロックを解除するための認証を行い、ユーザ自身による認証が完了すると、端末の使用が可能となるものである。そのため、管理者による管理が行き届かない場合があるという問題がある。
【0007】
また、特許文献1に開示の認証技術では、端末の認証を行うためにインターネットに接続させる必要がある。そのため、インターネットに接続させるための通信料が別途必要となるという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、携帯電子機器のネットワークシステムおいて、携帯電子機器間のみで互いに従属関係を構築させると共に、携帯電子機器の使用制限の管理をする際の利便性を向上させた携帯電子機器のネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
携帯電子機器のネットワークシステムは、第1の携帯電子機器と第2の携帯電子機器とを含み、前記第1の携帯電子機器は、第1の操作部と、前記第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、登録された所定の認証情報に基づいて特定の個人であるか否かの判定を行い、特定の個人であると判定した場合に認証信号を出力する認証部と、前記認証信号を検出した場合に前記第1の被操作部の動作を許可する第1の制御部と、前記認証信号を前記第2の携帯電子機器に送信可能な第1の送信部と、を備え、前記第2の携帯電子機器は、第2の操作部と、前記第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と、前記第1の送信部から送信される前記認証信号を受信可能な第2の受信部と、前記第2の受信部が受信した前記認証信号を検出した場合に前記第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部と、を備える。
【0010】
また、前記第1の携帯電子機器は、前記認証部により前記特定の個人であると判断された場合に、前記第1の操作部を操作することにより前記第2の携帯電子機器を操作可能に構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記第2の携帯電子機器は、前記第2の携帯電子機器が通電状態になったときに出力する通電状態信号を前記第1の携帯電子機器に送信可能な第2の送信部を有し、前記第1の携帯電子機器は、前記第2の送信部から送信される通電状態信号を受信可能な第1の受信部を有すると共に、前記通電状態信号を前記第1の受信部が受信した場合に、前記認証信号を前記第1の送信部から前記第2の受信部に送信することが好ましい。
【0012】
また、前記第1の送信部と前記第2の受信部との間の送受信、及び前記第1の受信部と前記第2の送信部との間の送受信は、無線通信により行われることが好ましい。
【0013】
また、本発明の携帯電子機器のネットワークシステムは、第1の携帯電子機器と第2の携帯電子機器とを含み、前記第1の携帯電子機器は、第1の操作部と、前記第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、所定の情報を取得する情報取得部と、前記所定の情報を所定の情報信号に変換し、前記情報信号を前記第2の携帯電子機器に送信可能な第1の送信部と、を備え、前記第2の携帯電子機器は、第2の操作部と、前記第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と、前記第1の送信部から送信される前記情報信号を受信可能な第2の受信部と、前記第2の受信部が受信した前記情報信号が登録された所定の認証情報と一致するか否かの判定を行う判定部と、前記情報信号が前記認証情報と一致すると判定された場合に前記第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部と、を備える。
【0014】
また、前記第2の携帯電子機器は、前記第2の携帯電子機器が通電状態になったときに出力する通電状態信号を前記第1の携帯電子機器に送信可能な第2の送信部を有し、前記第1の携帯電子機器は、前記第2の送信部から送信される通電状態信号を受信可能な第1の受信部を有すると共に、前記通電状態信号を前記第1の受信部が受信した場合に、前記情報信号を前記第1の送信部から前記第2の受信部に送信することが好ましい。
【0015】
また、前記第1の送信部と前記第2の受信部との間の送受信、及び前記第1の受信部と前記第2の送信部との間の送受信は、無線通信により行われることが好ましい。
【0016】
また、携帯電子機器は、第1の操作部と、前記第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、を備え、登録された所定の情報に基づいて特定の個人であるか否かの判定を行い、特定の個人であると判定した場合に認証信号を出力する認証部と、前記認証信号を検出した場合に前記第1の被操作部の動作を許可する第1の制御部と、第2の操作部と前記第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と前記認証信号を検出した場合に前記第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部とを有する他の携帯電子機器に前記認証信号を送信可能な第1の送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、携帯電子機器のネットワークシステムおいて、携帯電子機器間のみで互いに従属関係を構築させると共に、携帯電子機器の使用制限の管理をする際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第2実施形態に係る赤外線通信を利用したネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】前記実施形態に係るネットワークシステムを構成する携帯電子機器の一例である携帯電話機のマスター端末の外観斜視図を示す。
【図3】前記実施形態に係るマスター端末の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】前記実施形態に係るマスター端末に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図5】前記実施形態に係る通信システムを構成する携帯電子機器の一例を示す携帯電話機のスレーブ端末の外観を示す外観斜視図である。
【図6】前記実施形態に係るスレーブ端末の機能を示す機能ブロック図である。
【図7】前記実施形態に係るスレーブ端末に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図8】前記実施形態に係るマスター端末の認証動作及びスレーブ端末の設定変更動作を示すフローシートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る無線通信である赤外線通信を利用したネットワークシステムの構成を示す図である。
【図10】前記実施形態に係るマスター端末に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図11】前記実施形態に係るスレーブ端末に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図12】前記実施形態に係るマスター端末の認証動作及びスレーブ端末の設定変更動作を示すフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、図1から図8を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係るネットワークシステム1の構成を示す。図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るネットワークシステム1は、第1の携帯電子機器であるマスター端末2と第2の携帯電子機器であるスレーブ端末3とを備えて構成されている。マスター端末2及びスレーブ端末3は、赤外線通信モジュール23A、23Bを備えており、マスター端末2とスレーブ端末3とは、相互に赤外線通信が可能に構成されている。
【0021】
図2は、本発明に係るマスター端末2の外観斜視図を示す。図2に示すように、マスター端末2は、操作部側筐体部10Aと、表示部側筐体部20Aと、を備えて構成されている。操作部側筐体部10Aと表示部側筐体部20Aとは、操作部側筐体部10Aの上端部と表示部側筐体部20Aの下端部とがヒンジ機構4Aを介して連結されている。
【0022】
操作部側筐体部10Aは、第1の操作部である操作キー群11Aと、マイク12Aと、指紋センサ16とを備えて構成されている。操作キー群11Aは、機能設定操作ボタン13Aと、入力操作ボタン14Aと、決定操作ボタン15Aと、を備えている。機能設定操作ボタン13Aは、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を動作させる。入力操作ボタン14Aは、電話番号の数字やメール等の文字等の入力に用いられる。決定操作ボタン15Aは、各種操作における決定やスクロール等を行う。マイク12Aには、マスター端末2の管理者が通話時に発した音声が入力される。指紋センサ16では、マスター端末2を使用する使用者の指紋の読み込みが行われる。
【0023】
表示部側筐体部20Aは、ディスプレイ21Aと、音声出力部22Aと、第1の送信部及び第1の受信部である赤外線通信部23aと、を備えて構成されている。ディスプレイ21Aは、各種情報を表示する。音声出力部22Aは、通話の相手側の音声を出力する。赤外線通信部24Aは、赤外線通信モジュール23Aにより赤外線を利用した近距離通信を行う。
【0024】
図3は、マスター端末2の機能を示す機能ブロック図である。図3に示すように、マスター端末2は、外部装置(基地局)の端末と無線通信を行う通信部60Aと、赤外線通信モジュール23Aと、所定の処理を行う処理部70Aと、所定容量を有する充電池80Aと、電源回路部90Aと、を備えている。
【0025】
通信部60Aは、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ61Aと、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部62Aと、を備える。メインアンテナ61Aは、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。通信処理部62Aは、メインアンテナ61Aによって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を処理部70Aに出力すると共に、処理部70Aから供給された信号を変調処理し、メインアンテナ61Aを介して外部装置に送信する。
【0026】
赤外線通信モジュール23Aは、IrDA通信処理部(図示せず)と、発受光素子(図示せず)とを備える。IrDA通信処理部は、マスター端末2を使用する管理者の指紋認証に基づいて処理部70Aで処理された認証信号を変調処理し、発光素子を介してスレーブ端末3に送信する。また、IrDA通信処理部は、スレーブ端末3が通電状態になったときにスレーブ端末3から送信された通電状態信号を発光素子を介して受信すると共に、復調処理して処理部70Aに出力する。なお、通電状態とは、スレーブ端末3の主電源がONになった状態をいい、例えば、キーロック状態にあるスレーブ端末3が、再起動させられることにより、主電源offの状態から主電源onの状態になることを含む。
【0027】
電源回路部90Aは、充電池80Aから供給される電源電圧を所定の電圧に変換し、通信部60A、処理部70A及び赤外線通信モジュール23A等に変換後の電圧を供給する。
【0028】
次に、処理部70Aについて説明する。図4は、本発明に係るマスター端末2に備えられている処理部70Aの機能を示す機能ブロック図である。図4に示すように、処理部70Aは、機能無効/有効部71Aと、第1の被操作部である情報入力部72Aと、認証情報格納部73Aと、指紋認識部74Aと、認証部である指紋認証部75Aと、送信制御部79Aと、第1の制御部である主制御部77Aと、を備える。
【0029】
機能無効/有効部71Aは、マスター端末2における所定の機能の一部又は全部を無効にする、すなわちロック機能の起動を行う。また、機能無効/有効部71Aは、後述する指紋センサ16により入力された指紋情報が登録された指紋認証情報と一致すると判定されたことを条件にロック機能の解除を行う。これにより、ロックされていた一部又は全部の機能が使用可能となる。
【0030】
ここで、ロック機能について説明する。機能無効/有効部71Aは、例えば、操作キー群11Aに対する操作を無効化するロック機能を有している。機能無効/有効部71Aは、ロック機能を設定するための一定の操作が行なわれると、ロック機能を起動させる。これにより、機能無効/有効部71Aは、操作キー群11Aに対する操作に基づく情報入力部72Aから何等かの信号を受信してもこれに対応する動作を行なわず、指紋センサ16により入力された指紋情報が登録された指紋認証情報と一致すると判定された場合のみロック機能を解除するように動作する。
【0031】
なお、このようなロック機能による操作の無効化は、マスター端末2が備える様々な機能のうちその一部だけが対象となるようにして、他の一部の機能については操作が行なわれた場合に処理部70Aが対応する動作を行なうようにしてもよい。例えば、緊急通報(110番や119番)はロックされないため、いつでも通話できるように設定されている。
【0032】
情報入力部72Aは、マスター端末2の使用者である管理者が操作キー群11Aを操作することにより、文字、図形、記号等の情報の信号を出力する。
【0033】
認証情報格納部73Aは、管理者により登録される管理者の指紋から抽出される指紋の特徴部分等の指紋認証情報が格納されている。なお、指紋認証情報は、管理者の指紋を画像として取り込み、画像データを指紋認証情報として格納してもよい。
【0034】
指紋認識部74Aは、指紋センサ16から入力された指紋情報から指紋にある特徴的な指紋情報を抽出し、当該指紋情報を記憶する。
【0035】
指紋認証部75Aは、指紋センサ16により入力され、指紋認識部74Aにより認識された指紋情報が認証情報格納部73Aに格納されている指紋認識情報と一致するかどうかの認証の処理(判定)を行う。
【0036】
ここで、指紋認証部75Aの操作について説明する。指紋認証部75Aは、指紋センサ16により入力された指紋情報が指紋認識部74Aにより認識されることを条件に、認証情報格納部73Aに格納されている指紋認識情報と一致するか否かの認定の処理を行う。そして、認定された指紋情報と登録された指紋認識情報とが一致した場合にのみマスター端末2のロック機能を解除する。従って、本発明に係るマスター端末2は、ロック機能を解除する際に管理者による指紋情報の一致が条件となるため、不正な操作者による不正行為を抑止することができる。
【0037】
送信制御部79Aは、指紋認証部75Aにより指紋認証が行われた後、認定情報を赤外線通信モジュール23Aに送信し、赤外線通信モジュール23Aからスレーブ端末3に送信させる。主制御部77Aは、各部を制御する。尚、赤外線通信に代えて、ブルートゥースやサーバを介してのパケット通信により行ってもよい。
【0038】
次に、スレーブ端末3について説明する。スレーブ端末3は、マスター端末2と比して指紋認証に係る構成を備えていない点が主として異なる。以下においては、マスター端末2と同じ構成を有するものに対しては、末尾の符号「A」を符号「B」に変更して説明する。
【0039】
図5は、本発明に係るスレーブ端末3の外観斜視図を示す。図5に示すように、スレーブ端末3は、操作部側筐体部10Bと、表示部側筐体部20Bと、を備えて構成されている。操作部側筐体部10Bと表示部側筐体部20Bとは、操作部側筐体部10Bの上端部と表示部側筐体部20Bの下端部とがヒンジ機構4Bを介して連結されている。
【0040】
操作部側筐体部10Bは、第1の操作部である操作キー群11Bと、マイク12Bと、を備えて構成されている。操作キー群11Bは、機能設定操作ボタン13Bと、入力操作ボタン14Bと、決定操作ボタン15Bと、を備えている。機能設定操作ボタン13Bは、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を動作させる。入力操作ボタン14Bは、電話番号の数字やメール等の文字等の入力に用いられる。決定操作ボタン15Bは、各種操作における決定やスクロール等を行う。マイク12Bには、マスター端末2の管理者が通話時に発した音声が入力される。
【0041】
表示部側筐体部20Aは、ディスプレイ21Bと、音声出力部22Bと、第2の受信部及び第2の送信部である赤外線通信部23bと、を備えて構成されている。ディスプレイ21Bは、各種情報を表示する。音声出力部22Bは、通話の相手側の音声を出力する。赤外線通信部23bは、後述の赤外線通信モジュール23Bにより赤外線を利用した近距離通信を行う。
【0042】
図6は、スレーブ端末3の機能を示す機能ブロック図である。図6に示すように、スレーブ端末3は、外部装置(基地局)の端末と無線通信を行う通信部60Bと、赤外線通信を行う赤外線通信モジュール23Bと、所定の処理を行う処理部70Bと、所定容量を有する充電池80Bと、電源回路部90Bと、を備えている。
【0043】
通信部60Bは、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ61Bと、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部62Bと、を備える。メインアンテナ61Bは、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。通信処理部62Bは、メインアンテナ61Bによって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を処理部70Bに供給すると共に、処理部70Bから供給された信号を変調処理し、メインアンテナ61Bを介して外部装置に送信する。
【0044】
赤外線通信モジュール23Bは、IrDA通信処理部(図示せず)と、発受光素子(図示せず)とを備える。IrDA通信処理部は、マスター端末2から送信された認定信号を発光素子を介して受信すると共に、変調処理して処理部70Bに出力する。また、IrDA通信処理部は、マスター端末2から送信された認定信号に基づいて所定の場合に送信されるスレーブ端末3の通電状態信号を復調処理し、発光素子を介してマスター端末2に送信する。尚、赤外線通信に代えて、ブルートゥースやサーバを介してのパケット通信により行ってもよい。
【0045】
電源回路部90Bは、充電池80Bから供給される電源電圧を所定の電圧に変換し、通信部60B、処理部70B及び赤外線通信モジュール23B等に変換後の電圧を供給する。
【0046】
次に、処理部70Bについて説明する。図7は、本発明に係るスレーブ端末3に備えられている処理部70Bの機能を示すブロック図である。図7に示すように、処理部70Bは、機能無効/有効部71Bと、第2の被操作部である情報入力部72Bと、認識部76と、送信制御部79Bと、第2の制御部である主制御部77Bと、を備える。
【0047】
機能無効/有効部71Bは、スレーブ端末3における所定の機能の一部又は全部を無効にする、すなわちロック機能の起動を行う。また、機能無効/有効部71Bは、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれることを条件にロック機能の解除を行う。
【0048】
ここで、ロック機能について説明する。機能無効/有効部71Bは、例えば、操作キー群11Bに対する操作を無効化するロック機能を有している。機能無効/有効部71Bは、ロック機能を設定するための一定の操作が行なわれると、ロック機能を起動させる。これにより、機能無効/有効部71Bは、操作キー群11Bに対する操作に基づく情報入力部72Bから何等かの信号を受信してもこれに対応する動作を行なわず、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれた場合のみロック機能を解除するように動作する。
【0049】
なお、このようなロック機能による操作の無効化は、スレーブ端末3が備える様々な機能のうちその一部だけが対象となるようにして、他の一部の機能については操作が行なわれた場合に処理部70Bが対応する動作を行なうようにしてもよい。例えば、緊急通報(110番や119番)はロックされず、いつでも通話ができるように設定されている。
【0050】
情報入力部72Bは、スレーブ端末3の使用者が操作キー群11Bを操作することにより、文字、図形、記号等の情報の信号を出力する。
【0051】
認識部76は、マスター端末2から送信された認証情報を受信したことを認識する。
【0052】
送信制御部79Bは、スレーブ端末3が再起動等により通電状態になった場合に、通電状態信号を赤外線通信モジュール23Bに送信し、マスター端末2に送信させる。主制御部77Bは、各部を制御する。
【0053】
次に、スレーブ端末3を使用する使用者から管理者に対して使用許諾の要求があった場合のマスター端末2及びスレーブ端末3の動作について図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下では、マスター端末2においては、機能無効/有効部71Aによりロック機能の起動がなされているものとする。
【0054】
スレーブ端末3の使用許諾を要求する使用者からスレーブ端末3の使用許諾の要求をされた管理者は、まず、マスター端末2において指紋認証を行う。つまり、マスター端末2には、マスター端末2の指紋センサ16を介して管理者の指紋が入力される(ステップS10)。
【0055】
指紋センサ16を介して管理者の指紋が入力されると、主制御部77Aは、指紋認識部74において入力された指紋の認識を開始させ、指紋情報として記憶させる(ステップS15)。具体的には、指紋認識部74は、入力された指紋から指紋の特徴部分を抽出し、特徴部分を指紋情報として記憶する。指紋認識部74が指紋情報を記憶すると、主制御部77Aは、認証情報格納部73Aから管理者の指紋の特徴部分の情報である指紋認証情報を抽出する(ステップS20)。
【0056】
認証情報格納部73Aから指紋認証情報が抽出されると、主制御部77Aは、指紋情報と指紋認証情報とが一致するか否かを指紋認証部75Aに判定させる(ステップS25)。
【0057】
ここで、指紋認証部75Aが指紋情報と指紋認定情報とが一致すると判定した場合(Y)には、ステップS30に進む。また、指紋認証部75Aが指紋情報と指紋認証情報とが一致しないと判定した場合(N)には、管理者以外のものが指紋の入力を行ったとして、主制御部77Aは認証動作を終了する。
【0058】
指紋認証部75Aにおいて、指紋情報と指紋認証情報とが一致すると判定された場合には、指紋認証部75は、認証信号を出力する(ステップS30)。主制御部77Aは、指紋認証部75からの認証信号を検出すると、機能無効/有効部71Aにおけるロック機能の解除を行う。これにより、マスター端末2は、使用可能となる(ステップS35)。
【0059】
次に、主制御部77Aは、マスター端末2の赤外線通信モジュール23Aを起動させ、マスター端末2を赤外線通信モードに切り替える(ステップS40)。マスター端末2の赤外線通信モードへの切り替えが完了すると、主制御部77Aは、送信制御部79Aに認証信号の送信の指示を行う。
【0060】
主制御部77Aにより認証信号の送信の指示を受けた送信制御部79Aは、赤外線通信モジュール23Aに認証信号を送信する。認証信号を受信した赤外線通信モジュール23Aは、認証信号を復調処理し、発光素子を介してスレーブ端末3に送信する(ステップS45)。
【0061】
ここで、ステップS50において、認証信号を送信した赤外線通信モジュール23Aがスレーブ端末3から通電状態信号を受信(詳細は後述)した場合(Y)には、認証信号の送信時にスレーブ端末3のロック機能が起動していた状態(以下、「ロック状態」という)にあり、赤外線通信ができなかったことを示すため、ステップS45に戻る。つまり、主制御部77Aは、送信制御部79Aに再度、認証信号をスレーブ端末3に送信させる。
【0062】
認証信号を送信した赤外線通信モジュール23Aがスレーブ端末3から通電状態信号を受信しなかった場合(N)には、主制御部77Aは、赤外線通信モードの起動を終了させる(ステップS55)。これにより、マスター端末2の認証動作は終了する。
【0063】
次に、マスター端末2により、認証信号が送信されたスレーブ端末3の設定変更動作について説明する。
【0064】
ステップS45において、マスター端末2からスレーブ端末3に認証信号が送信されると、スレーブ端末3の赤外線通信モジュール23Bがマスター端末2からの認証信号の発信を検知する(ステップS60)。なお、スレーブ端末3は、マスター端末2との関係において、赤外線通信モードに切り替えが行われていない場合においても、マスター端末2からの認証信号の発信に限り検知可能に構成されている。
【0065】
赤外線通信モジュール23Bがマスター端末2からの認証信号の発信を検知し、主制御部77Bがマスター端末2からの認証信号の発信を検出すると、主制御部77Bは、スレーブ端末3がロック状態にあるか否かについて判断する(ステップS65)。ここで、スレーブ端末3がロック状態にないと判断された場合(Y)においては、主制御部77Bはスレーブ端末3の赤外線通信モードを起動させる(ステップS70)。
【0066】
主制御部77Bがスレーブ端末3の赤外線通信モードを起動させると、スレーブ端末3は、マスター端末2からの認証信号を受信する(ステップS75)。具体的には、スレーブ端末3の赤外線通信モジュール23Bが認証信号を復調処理し、認識部76に送信する。認識部76は、認証信号を受信すると、認証信号を受信した旨の信号を発信し、主制御部77Bがこれを検出する。
【0067】
主制御部77Bが認証信号を受信した旨の信号を検出すると、主制御部77Bは、スレーブ端末3を使用可能な状態に設定変更を行う(ステップS80)。
【0068】
スレーブ端末3の設定変更が完了すると、主制御部77Bは、設定の変更を有効にするためにスレーブ端末3を再起動させ(ステップS85)、設定変更が終了する。これにより、スレーブ端末3は、使用可能になる。
【0069】
また、ステップS65において、主制御部77Bによりスレーブ端末3がロック状態にあると判断された場合(N)には、ロック状態にあることにより赤外線通信モードの起動ができないため、主制御部77Bは、スレーブ端末3の再起動を行う(ステップS90)。
【0070】
ここで、スレーブ端末3は、再起動時においては一時的(例えば、10秒間)にロック状態が解除された状態になる。つまり、スレーブ端末3は、再起動をかけられると一時的にロック状態が解除される。
【0071】
スレーブ端末3のロック状態が一時的に解除されると、主制御部77Bは、ロック解除時にスレーブ端末3のロック状態の設定の解除を行う。具体的には、主制御部77Bは、機能無効/有効部71Bに対してロック機能の設定の解除を行う。これにより、再起動後においてもスレーブ端末3のロック状態は解除された状態になる(ステップS95)。
【0072】
スレーブ端末3のロック状態が解除され、再起動が終了すると、主制御部77Bは、マスター端末2に通電状態信号を送信する。具体的には、送信制御部79Bにより赤外線通信モジュール23Bを介してマスター端末2に通電状態信号を送信させる(ステップS100)。尚、再起動により一時的にロック解除を行うことにかえて、マスター端末2との赤外線通信に関しては、ロックを常にはずしておいてもよい。
【0073】
通電状態信号を受信したマスター端末2は、ステップS50において、通電状態信号の受信の有無を判断し、受信をしたと判断された場合(Y)には、ステップS45に戻り、認証信号を再度、スレーブ端末3に送信する。
【0074】
認証信号を再検知したスレーブ端末3はロック状態が解除された状態にあるため、ステップS70に進み、赤外線通信モードの起動が行われる。赤外線通信モードの起動が行われると、主制御部77Bは、認証信号の受信を行い(ステップS75)、スレーブ端末3の設定変更を行う。スレーブ端末3の設定変更が行われる(ステップS80)と、設定変更を有効にするためにスレーブ端末3を再起動(ステップS85)させる。これにより、スレーブ端末3は使用可能な状態になり、スレーブ端末の設定の変更が完了する。
【0075】
このようにして、第1実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1によれば、管理者が所持するマスター端末2において、使用者が所持するスレーブ端末3の使用の制限及び解除を行うことが可能になる。つまり、スレーブ端末3を使用する使用者本人がスレーブ端末3の使用の解除を行うのではなく、管理者にスレーブ端末3の使用の解除を行わせることが可能になる。そのため、管理者は、スレーブ端末3を厳格に管理することが可能になり、端末の使用制限の管理をする際の利便性を向上させることが可能になる。その際、ネットワークシステム1上に個人認証装置を介在させることなく、マスター端末2とスレーブ端末3とが直に、認証信号の送受信を行うことから、システム上に個人認証装置を配置する場合と異なり、セキュリティー性が向上する。
【0076】
また、前記実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1によれば、管理者によるスレーブ端末3の管理が管理者の指紋認証に基づいて行われる。そのため、管理者以外の者が不正にマスター端末2を用いてスレーブ端末3を使用可能な状態にすることを防止することが可能になる。これにより、管理者は、スレーブ端末3を厳格に管理することが可能になり、端末の使用制限の管理をする際の利便性を向上させることが可能になる。
【0077】
また、前記実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1によれば、マスター端末2は、赤外線通信を用いてスレーブ端末3の使用制限の管理を行う。そのため、端末間のみでマスターとスレーブ等の従属関係を構築させることが可能になる。つまり、例えば、所定のサーバやインターネットを介して使用制限を管理する必要がなくなる。これにより、例えば、サーバにアクセスするための通信料や、インターネットに接続するための通信料が発生せず、通信費用を削減させることが可能になる。
【0078】
[2]第2実施形態
次に、図9から図12を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
【0079】
図9は、本発明の第2実施形態に係る無線通信である赤外線通信を利用したネットワークシステム1Aの構成を示す。図9に示すように、本発明の第2実施形態に係るネットワークシステム1Aは、第1の携帯電子機器であるマスター端末2Aと第2の携帯電子機器であるスレーブ端末3Aとを備えて構成されている。
【0080】
第2実施形態に係るネットワークシステム1Aは、マスター端末2Aに入力された指紋情報が指紋認定情報と一致するかの判定を、マスター端末2Aではなく、スレーブ端末3Aにおいて行うことが第1実施形態と主として異なる。
【0081】
以下、第2実施形態を第1実施形態とは異なる部分を中心に説明する。なお、第2実施形態においては、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であり、図面に付した番号も第1実施形態と同様である場合は、同じ番号を付している。また、実質的に同様である場合には、符号の末尾に「’」を付している。
【0082】
まず、マスター端末2Aについて説明する。マスター端末2Aにおける外観構成及びマスター端末2Aの機能を示す機能ブロック図においては、後述する処理部70A’以外は第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0083】
図10は、マスター端末2Aに備えられている処理部70A’の機能を示す機能ブロック図である。図9に示すように、処理部70A’は、機能無効/有効部71Aと、第1の被操作部である情報入力部72Aと、情報取得部である指紋認識部74Aと、送信制御部79Aと、第1の制御部である主制御部77A’と、を備える。
【0084】
機能無効/有効部71Aは、マスター端末2Aにおける所定の機能を無効にする、すなわちロック機能の起動を行う。また、機能無効/有効部71Aは、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれることを条件にロック機能の解除を行う。
【0085】
ここで、ロック機能について説明する。機能無効/有効部71Aは、例えば、操作キー群11Aに対する操作を無効化するロック機能を有している。機能無効/有効部71Aは、ロック機能を設定するための一定の操作が行なわれると、ロック機能を起動させる。これにより、機能無効/有効部71Aは、操作キー群11Aに対する操作に基づく情報入力部72Aから何等かの信号を受信してもこれに対応する動作を行なわず、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれた場合のみロック機能を解除するように動作する。
【0086】
情報入力部72Aは、マスター端末2Aの使用者である管理者が第1の操作部である操作キー群11Aを操作することにより、文字、図形、記号等の情報の信号を出力する。
【0087】
指紋認識部74Aは、指紋センサ16から入力された指紋情報から指紋にある特徴的な指紋情報を抽出し、当該指紋情報を記憶する。
【0088】
送信制御部79Aは、指紋認識部74Aにより指紋情報が認識された後、指紋情報を赤外線通信モジュール23Aに送信し、赤外線通信モジュール23Aからスレーブ端末3Aに送信させる。主制御部77A’は、各部を制御する。
【0089】
次に、スレーブ端末3Aについて説明する。スレーブ端末3Aにおける外観構成及びスレーブ端末3Aの機能を示す機能ブロック図においては、後述する処理部70B’以外は第1実施形態と同様のため説明は省略する。
【0090】
図10は、スレーブ端末3Aに備えられている処理部70B’の機能を示す機能ブロック図である。図10に示すように、処理部70B’は、機能無効/有効部71Bと、第2の被操作部である情報入力部72Bと、認証情報格納部73Bと、判定部である指紋認証部75Bと、送信制御部79Bと、第2の制御部である主制御部77B’と、を備える。
【0091】
機能無効/有効部71Bは、スレーブ端末3Aにおける所定の機能を無効にする、すなわちロック機能の起動を行う。また、機能無効/有効部71Bは、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれることを条件にロック機能の解除を行う。
【0092】
ここで、ロック機能について説明する。機能無効/有効部71Bは、例えば、操作キー群11Bに対する操作を無効化するロック機能を有している。機能無効/有効部71Bは、ロック機能を設定するための一定の操作が行なわれると、ロック機能を起動させる。これにより、機能無効/有効部71Bは、操作キー群11Bに対する操作に基づく情報入力部72Bから何等かの信号を受信してもこれに対応する動作を行なわず、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれた場合のみロック機能を解除するように動作する。
【0093】
情報入力部72Bは、スレーブ端末3Aの使用者が第2の操作部である操作キー群11Bを操作することにより、文字、図形、記号等の情報の信号を出力する。
【0094】
認証情報格納部73Bは、管理者により登録される管理者の指紋から抽出される指紋の特徴部分等の指紋認証情報が格納されている。なお、指紋認証情報は、管理者の指紋を画像として取り込み、画像データを指紋認証情報として格納してもよい。
【0095】
指紋認証部75Bは、マスター端末2Aより送信された指紋情報が認証情報格納部73Bに格納されている指紋認識情報と一致するかどうかの認証の処理(判定)を行う。
【0096】
ここで、指紋認証部75Bの操作について説明する。指紋認証部75Bは、マスター端末2Aより指紋情報が送信されることを条件に、認証情報格納部73Bに格納されている指紋認識情報と一致するか否かの認定の処理を行う。そして、送信された指紋情報と登録された指紋認識情報とが一致した場合にのみスレーブ端末3Aの設定変更を行う。つまり、第2実施形態に係るスレーブ端末3Aの設定変更は、スレーブ端末3Aを管理する管理者のスレーブ端末3Aにおける指紋情報の一致が条件となる。
【0097】
送信制御部79Bは、スレーブ端末3Aが再起動等により通電状態になった場合に、通電状態信号を赤外線通信モジュール23Bに送信し、マスター端末2Aに送信させる。主制御部77B’は、各部を制御する。
【0098】
次に、スレーブ端末3Aを使用する使用者から管理者に対して使用許諾の要求があった場合のマスター端末2A及びスレーブ端末3Aの動作について図12に示すフローチャートを用いて説明する。
【0099】
スレーブ端末3Aの使用許諾を要求する使用者からスレーブ端末3Aの使用許諾の要求をされた管理者は、まず、マスター端末2Aにおいて指紋認証を行う。つまり、マスター端末2Aには、マスター端末2Aの指紋センサ16を介して管理者の指紋が入力される(ステップS110)。
【0100】
指紋センサ16を介して管理者の指紋が入力されると、主制御部77A’は、指紋認識部74Aに入力された指紋の認識を開始させ、指紋情報として記憶させる(ステップS115)。具体的には、指紋認識部74Aは、入力された指紋から指紋の特徴部分を抽出し、特徴部分を指紋情報として記憶する。
【0101】
指紋認識部74Aが指紋情報を記憶すると、主制御部77A’は、マスター端末2Aの赤外線通信モジュール23Aを起動させ、マスター端末2Aを赤外線通信モードに切り替える(ステップS120)。マスター端末2の赤外線通信モードへの切り替えが完了すると、主制御部77A’は、送信制御部79Aに指紋情報の送信の指示を行う。
【0102】
主制御部77A’により認証信号の送信の指示を受けた送信制御部79Aは、赤外線通信モジュール23Aに指紋情報を送信する。指紋信号を受信した赤外線通信モジュール23Aは、指紋情報を変調処理し、指紋情報信号として発光素子を介してスレーブ端末3Aに送信する(ステップS125)。
【0103】
ここで、ステップS130において、指紋情報信号を送信した赤外線通信モジュール23Aがスレーブ端末3Aから通電状態信号を受信(詳細は後述)した場合(Y)には、指紋情報信号の送信時にスレーブ端末3Aのロック機能が起動していた状態(以下、「ロック状態」という)にあり、赤外線通信ができなかったことを示すため、ステップS125に戻る。つまり、主制御部77A’は、送信制御部79Aに再度、指紋情報信号をスレーブ端末3Aに送信させる。
【0104】
指紋情報信号を送信した赤外線通信モジュール23Aがスレーブ端末3Aから通電状態信号を受信しなかった場合(N)には、主制御部77A’は、赤外線通信モードの起動を終了させる(ステップS135)。これにより、マスター端末2Aの認証動作は終了する。
【0105】
次に、マスター端末2Aにより指紋情報信号が送信されたスレーブ端末3Aの設定変更動作について説明する。
【0106】
ステップS125において、マスター端末2Aからスレーブ端末3Aに指紋情報信号が送信されると、スレーブ端末3Aの赤外線通信モジュール23Bがマスター端末2Aからの認証信号の発信を検知する(ステップS140)。なお、スレーブ端末3Aは、マスター端末2Aとの関係において、赤外線通信モードに切り替えが行われていない場合においても、マスター端末2Aからの指紋情報信号の発信に限り検知可能に構成されている。
【0107】
赤外線通信モジュール23Bがマスター端末2Aからの指紋情報信号の発信を検知し、主制御部77B’がマスター端末2Aからの指紋情報信号の発信を検出すると、主制御部77B’は、スレーブ端末3Aがロック状態にあるか否かについて判断する(ステップS145)。ここで、スレーブ端末3Aがロック状態にないと判断された場合(N)においては、主制御部77B’はスレーブ端末3Aの赤外線通信モードを起動させる(ステップS150)。尚、ロック状態においても、スレーブ端末3Aは、マスター端末2Aとだけは、常に通信を行える様に設定してもよい。
【0108】
主制御部77B’がスレーブ端末3Aの赤外線通信モードを起動させると、スレーブ端末3Aは、マスター端末2Aからの指紋情報信号を受信する(ステップS155)。具体的には、スレーブ端末3Aの赤外線通信モジュール23Bが指紋情報信号を復調処理して指紋情報とし、指紋認証部75Bに送信する。指紋認証部75Bは、指紋情報を受信すると、指紋情報を受信した旨の信号を主制御部77B’に発信する。
【0109】
主制御部77B’は、指紋認証部75Bから指紋情報を受信した旨の信号を検出すると、認証情報格納部73Bに管理者の指紋の特徴部分の情報である指紋認証情報を抽出させる(ステップS160)。
【0110】
認証情報格納部73Bから指紋認証情報が抽出されると、主制御部77B’は、指紋情報と指紋認証情報とが一致するか否かを指紋認証部75Bに判定させる(ステップS165)。
【0111】
ここで、指紋認証部75Bが指紋情報と指紋認定情報とが一致すると判定した場合(Y)には、ステップS170に進む。また、指紋認証部75Bが指紋情報と指紋認証情報とが一致しないと判定した場合には、管理者以外のものが指紋の入力を行ったとして、主制御部77B’はスレーブ端末3Aの認証動作を終了する。
【0112】
指紋認証部75Bにおいて、指紋情報と指紋認証情報とが一致すると判定された場合には、主制御部77B’は、スレーブ端末3Aを使用可能な状態に設定変更を行う(ステップS170)。
【0113】
スレーブ端末3Aの設定変更が完了すると、主制御部77B’は、設定の変更を有効にするためにスレーブ端末3Aを再起動させ(ステップS175)、設定変更が終了する。これにより、スレーブ端末3Aは、使用可能になる。
【0114】
また、ステップS145において、主制御部77B’によりスレーブ端末3Aがロック状態にあると判断された場合(Y)には、ロック状態にあることにより赤外線通信モードの起動ができないため、主制御部77B’は、スレーブ端末3Aの再起動を行う(ステップS180)。
【0115】
ここで、スレーブ端末3Aは、再起動時においては一時的(例えば、10秒間)にロック状態が解除された状態になる。そのため、スレーブ端末3Aは、再起動をかけられると一時的にロック状態が解除される。尚、再起動により一時的にロック解除を行うことにかえて、マスター端末2Aとの赤外線通信に関しては、ロックを常にはずしておいてもよい。
【0116】
スレーブ端末3Aのロック状態が一時的に解除されると、主制御部77B’は、ロック解除時にスレーブ端末3Aのロック状態の設定の解除を行う。具体的には、主制御部77B’は、機能無効/有効部71Bに、ロック機能の解除を行う。これにより、スレーブ端末3Aのロック状態は解除される(ステップS185)。
【0117】
スレーブ端末3Aのロック状態が解除されると、主制御部77B’は、マスター端末2Aに赤外線通信により、通電状態信号を送信する。具体的には、送信制御部79Bにより赤外線通信モジュール23Bを介してマスター端末2Aに通電状態信号を送信させる(ステップS190)。
【0118】
ステップS130において通電状態信号を受信したマスター端末2Aは、通電状態信号の受信の有無を判断し、受信をしたと判断された場合には、ステップS125に戻り、指紋情報信号を再度、スレーブ端末3Aに送信する。
【0119】
認証信号を再検知したスレーブ端末3Bはロック状態が解除された状態にあるため、ステップS150に進み、上述と同様の動作を行う。
【0120】
このようにして、第2実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1Aによれば、管理者が所持するマスター端末2Aにおいて、使用者が所持するスレーブ端末3Aの使用の制限及び解除を行うことが可能になる。つまり、スレーブ端末3Aを使用する使用者本人がスレーブ端末3Aの使用の解除を行うのではなく、管理者にスレーブ端末3Aの使用の解除を行わせることが可能になる。そのため、管理者は、スレーブ端末3Aを厳格に管理することが可能になり、スレーブ端末3Aの使用制限の管理をする際の利便性を向上させることが可能になる。その際、ネットワークシステム1A上に個人認証装置を介在させることなく、マスター端末2Aとスレーブ端末3Aとが直に、認証信号の送受信を行うことから、システム上に個人認証装置を配置する場合と異なり、セキュリティー性が向上する。
【0121】
また、前記実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1Aによれば、管理者によるスレーブ端末3Aの管理が管理者のマスター端末2Aにおける指紋認証に基づいて行われる。そのため、管理者以外の者が不正にマスター端末2Aを用いてスレーブ端末3Aを使用可能な状態にすることを防止することが可能になる。これにより、管理者は、スレーブ端末3Aを厳格に管理することが可能になり、スレーブ端末3Aの使用制限の管理をする際の利便性を向上させることが可能になる。
【0122】
また、前記実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1Aによれば、マスター端末2Aは、赤外線通信を用いてスレーブ端末3Aの使用制限の管理を行う。そのため、端末間のみでマスターとスレーブ等の従属関係を構築させることが可能になる。つまり、例えば、所定のサーバやインターネットを介して使用制限を管理させる必要がなくなる。これにより、例えば、サーバにアクセスするための通信料や、インターネットに接続するための通信料が発生せず、通信費用を削減させることが可能になる。
【0123】
なお、前記実施形態においては、携帯電子機器としての携帯電話機を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に用いられる携帯電子機器は、赤外線通信機能及び指紋認識機能を有するものであればよく、例えば、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
【0124】
また、前記実施形態においては、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る携帯電話機の形態としては、操作部側筐体部10A、10Bと表示部側筐体部20A、20Bとを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体部10A、10Bと表示部側筐体部20A、20Bとの重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部側筐体部10A、10Bと表示部側筐体部20A、20Bとが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)等であってもよい。
【0125】
また、前記実施形態においては、マスター端末2、2Aに対して、1台のスレーブ端末3、3Aを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、マスター端末は、複数台のスレーブ端末を管理可能に構成されるものであってもよい。
【0126】
また、前記実施形態においては、マスター端末は、指紋認証を用いて個人認証を行う構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、角膜や静脈による認証等、生体情報を用いるものであればよい。
【0127】
また、前記実施形態においては、無線通信として赤外線通信を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通信部60A、60Bを介して無線通信を行う構成としてもよい。例えば、マスター端末2、2Aとスレーブ端末3、3Aとをサーバやインターネットシステム上に配置された個人認証装置を介さないで互いに直接通信させる構成であればよい。
【0128】
また、第1実施形態においては、スレーブ端末3は、マスター端末2から指紋の認証信号を受けた場合に使用可能となるように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係るスレーブ端末3は、認証信号を受けた後、マスター端末2から遠隔操作されることが可能に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1、1A ネットワークシステム
2、2A マスター端末
3、3A スレーブ端末
11A、11B 操作キー群
16 指紋センサ
23A、23B 赤外線通信モジュール
72A、72B 情報入力部
73A、73B 認証情報格納部
74 指紋認識部
74 指紋認識部
75A、75B 指紋認証部
77A、77B、77A’、77B’ 主制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器及び携帯電子機器のネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等に接続することを可能とする機能や電子マネーを用いた商取引を可能とする機能が付与された携帯電子機器の普及が増加している。そのため、ユーザにおいては、通話料金以外にもインターネット接続により生じるパケット料金の支払いや電子マネーの使用による料金の支払い等が生じ、支払額の総額が高額になる場合がある。
【0003】
また、携帯電話機においては、例えば、複数の従業員がグループ毎に雇用者から支給された携帯電話機を使用する場合がある。このような場合、各携帯電話機を管理する管理者を設け、管理者により各携帯電話機を管理させることになる。しかしながら、近年の携帯電話機においては、上述のように種々の機能を有するため、各携帯電話機を厳格に管理可能とすることが望まれていた。
【0004】
これに対しては、携帯電話機に指紋等の生体情報を登録し、例えば、登録した指紋情報と入力した指紋情報とが一致すると認証した場合に携帯電話機の使用を許可する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−312476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、インターネットを利用するユーザが自己の端末のロック状態を解除するための暗証番号の入力の代用として使用されるものである。つまり、特許文献1に開示の技術は、ユーザ自身がロックを解除するための認証を行い、ユーザ自身による認証が完了すると、端末の使用が可能となるものである。そのため、管理者による管理が行き届かない場合があるという問題がある。
【0007】
また、特許文献1に開示の認証技術では、端末の認証を行うためにインターネットに接続させる必要がある。そのため、インターネットに接続させるための通信料が別途必要となるという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、携帯電子機器のネットワークシステムおいて、携帯電子機器間のみで互いに従属関係を構築させると共に、携帯電子機器の使用制限の管理をする際の利便性を向上させた携帯電子機器のネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
携帯電子機器のネットワークシステムは、第1の携帯電子機器と第2の携帯電子機器とを含み、前記第1の携帯電子機器は、第1の操作部と、前記第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、登録された所定の認証情報に基づいて特定の個人であるか否かの判定を行い、特定の個人であると判定した場合に認証信号を出力する認証部と、前記認証信号を検出した場合に前記第1の被操作部の動作を許可する第1の制御部と、前記認証信号を前記第2の携帯電子機器に送信可能な第1の送信部と、を備え、前記第2の携帯電子機器は、第2の操作部と、前記第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と、前記第1の送信部から送信される前記認証信号を受信可能な第2の受信部と、前記第2の受信部が受信した前記認証信号を検出した場合に前記第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部と、を備える。
【0010】
また、前記第1の携帯電子機器は、前記認証部により前記特定の個人であると判断された場合に、前記第1の操作部を操作することにより前記第2の携帯電子機器を操作可能に構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記第2の携帯電子機器は、前記第2の携帯電子機器が通電状態になったときに出力する通電状態信号を前記第1の携帯電子機器に送信可能な第2の送信部を有し、前記第1の携帯電子機器は、前記第2の送信部から送信される通電状態信号を受信可能な第1の受信部を有すると共に、前記通電状態信号を前記第1の受信部が受信した場合に、前記認証信号を前記第1の送信部から前記第2の受信部に送信することが好ましい。
【0012】
また、前記第1の送信部と前記第2の受信部との間の送受信、及び前記第1の受信部と前記第2の送信部との間の送受信は、無線通信により行われることが好ましい。
【0013】
また、本発明の携帯電子機器のネットワークシステムは、第1の携帯電子機器と第2の携帯電子機器とを含み、前記第1の携帯電子機器は、第1の操作部と、前記第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、所定の情報を取得する情報取得部と、前記所定の情報を所定の情報信号に変換し、前記情報信号を前記第2の携帯電子機器に送信可能な第1の送信部と、を備え、前記第2の携帯電子機器は、第2の操作部と、前記第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と、前記第1の送信部から送信される前記情報信号を受信可能な第2の受信部と、前記第2の受信部が受信した前記情報信号が登録された所定の認証情報と一致するか否かの判定を行う判定部と、前記情報信号が前記認証情報と一致すると判定された場合に前記第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部と、を備える。
【0014】
また、前記第2の携帯電子機器は、前記第2の携帯電子機器が通電状態になったときに出力する通電状態信号を前記第1の携帯電子機器に送信可能な第2の送信部を有し、前記第1の携帯電子機器は、前記第2の送信部から送信される通電状態信号を受信可能な第1の受信部を有すると共に、前記通電状態信号を前記第1の受信部が受信した場合に、前記情報信号を前記第1の送信部から前記第2の受信部に送信することが好ましい。
【0015】
また、前記第1の送信部と前記第2の受信部との間の送受信、及び前記第1の受信部と前記第2の送信部との間の送受信は、無線通信により行われることが好ましい。
【0016】
また、携帯電子機器は、第1の操作部と、前記第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、を備え、登録された所定の情報に基づいて特定の個人であるか否かの判定を行い、特定の個人であると判定した場合に認証信号を出力する認証部と、前記認証信号を検出した場合に前記第1の被操作部の動作を許可する第1の制御部と、第2の操作部と前記第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と前記認証信号を検出した場合に前記第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部とを有する他の携帯電子機器に前記認証信号を送信可能な第1の送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、携帯電子機器のネットワークシステムおいて、携帯電子機器間のみで互いに従属関係を構築させると共に、携帯電子機器の使用制限の管理をする際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第2実施形態に係る赤外線通信を利用したネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】前記実施形態に係るネットワークシステムを構成する携帯電子機器の一例である携帯電話機のマスター端末の外観斜視図を示す。
【図3】前記実施形態に係るマスター端末の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】前記実施形態に係るマスター端末に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図5】前記実施形態に係る通信システムを構成する携帯電子機器の一例を示す携帯電話機のスレーブ端末の外観を示す外観斜視図である。
【図6】前記実施形態に係るスレーブ端末の機能を示す機能ブロック図である。
【図7】前記実施形態に係るスレーブ端末に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図8】前記実施形態に係るマスター端末の認証動作及びスレーブ端末の設定変更動作を示すフローシートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る無線通信である赤外線通信を利用したネットワークシステムの構成を示す図である。
【図10】前記実施形態に係るマスター端末に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図11】前記実施形態に係るスレーブ端末に備えられている処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図12】前記実施形態に係るマスター端末の認証動作及びスレーブ端末の設定変更動作を示すフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、図1から図8を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係るネットワークシステム1の構成を示す。図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るネットワークシステム1は、第1の携帯電子機器であるマスター端末2と第2の携帯電子機器であるスレーブ端末3とを備えて構成されている。マスター端末2及びスレーブ端末3は、赤外線通信モジュール23A、23Bを備えており、マスター端末2とスレーブ端末3とは、相互に赤外線通信が可能に構成されている。
【0021】
図2は、本発明に係るマスター端末2の外観斜視図を示す。図2に示すように、マスター端末2は、操作部側筐体部10Aと、表示部側筐体部20Aと、を備えて構成されている。操作部側筐体部10Aと表示部側筐体部20Aとは、操作部側筐体部10Aの上端部と表示部側筐体部20Aの下端部とがヒンジ機構4Aを介して連結されている。
【0022】
操作部側筐体部10Aは、第1の操作部である操作キー群11Aと、マイク12Aと、指紋センサ16とを備えて構成されている。操作キー群11Aは、機能設定操作ボタン13Aと、入力操作ボタン14Aと、決定操作ボタン15Aと、を備えている。機能設定操作ボタン13Aは、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を動作させる。入力操作ボタン14Aは、電話番号の数字やメール等の文字等の入力に用いられる。決定操作ボタン15Aは、各種操作における決定やスクロール等を行う。マイク12Aには、マスター端末2の管理者が通話時に発した音声が入力される。指紋センサ16では、マスター端末2を使用する使用者の指紋の読み込みが行われる。
【0023】
表示部側筐体部20Aは、ディスプレイ21Aと、音声出力部22Aと、第1の送信部及び第1の受信部である赤外線通信部23aと、を備えて構成されている。ディスプレイ21Aは、各種情報を表示する。音声出力部22Aは、通話の相手側の音声を出力する。赤外線通信部24Aは、赤外線通信モジュール23Aにより赤外線を利用した近距離通信を行う。
【0024】
図3は、マスター端末2の機能を示す機能ブロック図である。図3に示すように、マスター端末2は、外部装置(基地局)の端末と無線通信を行う通信部60Aと、赤外線通信モジュール23Aと、所定の処理を行う処理部70Aと、所定容量を有する充電池80Aと、電源回路部90Aと、を備えている。
【0025】
通信部60Aは、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ61Aと、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部62Aと、を備える。メインアンテナ61Aは、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。通信処理部62Aは、メインアンテナ61Aによって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を処理部70Aに出力すると共に、処理部70Aから供給された信号を変調処理し、メインアンテナ61Aを介して外部装置に送信する。
【0026】
赤外線通信モジュール23Aは、IrDA通信処理部(図示せず)と、発受光素子(図示せず)とを備える。IrDA通信処理部は、マスター端末2を使用する管理者の指紋認証に基づいて処理部70Aで処理された認証信号を変調処理し、発光素子を介してスレーブ端末3に送信する。また、IrDA通信処理部は、スレーブ端末3が通電状態になったときにスレーブ端末3から送信された通電状態信号を発光素子を介して受信すると共に、復調処理して処理部70Aに出力する。なお、通電状態とは、スレーブ端末3の主電源がONになった状態をいい、例えば、キーロック状態にあるスレーブ端末3が、再起動させられることにより、主電源offの状態から主電源onの状態になることを含む。
【0027】
電源回路部90Aは、充電池80Aから供給される電源電圧を所定の電圧に変換し、通信部60A、処理部70A及び赤外線通信モジュール23A等に変換後の電圧を供給する。
【0028】
次に、処理部70Aについて説明する。図4は、本発明に係るマスター端末2に備えられている処理部70Aの機能を示す機能ブロック図である。図4に示すように、処理部70Aは、機能無効/有効部71Aと、第1の被操作部である情報入力部72Aと、認証情報格納部73Aと、指紋認識部74Aと、認証部である指紋認証部75Aと、送信制御部79Aと、第1の制御部である主制御部77Aと、を備える。
【0029】
機能無効/有効部71Aは、マスター端末2における所定の機能の一部又は全部を無効にする、すなわちロック機能の起動を行う。また、機能無効/有効部71Aは、後述する指紋センサ16により入力された指紋情報が登録された指紋認証情報と一致すると判定されたことを条件にロック機能の解除を行う。これにより、ロックされていた一部又は全部の機能が使用可能となる。
【0030】
ここで、ロック機能について説明する。機能無効/有効部71Aは、例えば、操作キー群11Aに対する操作を無効化するロック機能を有している。機能無効/有効部71Aは、ロック機能を設定するための一定の操作が行なわれると、ロック機能を起動させる。これにより、機能無効/有効部71Aは、操作キー群11Aに対する操作に基づく情報入力部72Aから何等かの信号を受信してもこれに対応する動作を行なわず、指紋センサ16により入力された指紋情報が登録された指紋認証情報と一致すると判定された場合のみロック機能を解除するように動作する。
【0031】
なお、このようなロック機能による操作の無効化は、マスター端末2が備える様々な機能のうちその一部だけが対象となるようにして、他の一部の機能については操作が行なわれた場合に処理部70Aが対応する動作を行なうようにしてもよい。例えば、緊急通報(110番や119番)はロックされないため、いつでも通話できるように設定されている。
【0032】
情報入力部72Aは、マスター端末2の使用者である管理者が操作キー群11Aを操作することにより、文字、図形、記号等の情報の信号を出力する。
【0033】
認証情報格納部73Aは、管理者により登録される管理者の指紋から抽出される指紋の特徴部分等の指紋認証情報が格納されている。なお、指紋認証情報は、管理者の指紋を画像として取り込み、画像データを指紋認証情報として格納してもよい。
【0034】
指紋認識部74Aは、指紋センサ16から入力された指紋情報から指紋にある特徴的な指紋情報を抽出し、当該指紋情報を記憶する。
【0035】
指紋認証部75Aは、指紋センサ16により入力され、指紋認識部74Aにより認識された指紋情報が認証情報格納部73Aに格納されている指紋認識情報と一致するかどうかの認証の処理(判定)を行う。
【0036】
ここで、指紋認証部75Aの操作について説明する。指紋認証部75Aは、指紋センサ16により入力された指紋情報が指紋認識部74Aにより認識されることを条件に、認証情報格納部73Aに格納されている指紋認識情報と一致するか否かの認定の処理を行う。そして、認定された指紋情報と登録された指紋認識情報とが一致した場合にのみマスター端末2のロック機能を解除する。従って、本発明に係るマスター端末2は、ロック機能を解除する際に管理者による指紋情報の一致が条件となるため、不正な操作者による不正行為を抑止することができる。
【0037】
送信制御部79Aは、指紋認証部75Aにより指紋認証が行われた後、認定情報を赤外線通信モジュール23Aに送信し、赤外線通信モジュール23Aからスレーブ端末3に送信させる。主制御部77Aは、各部を制御する。尚、赤外線通信に代えて、ブルートゥースやサーバを介してのパケット通信により行ってもよい。
【0038】
次に、スレーブ端末3について説明する。スレーブ端末3は、マスター端末2と比して指紋認証に係る構成を備えていない点が主として異なる。以下においては、マスター端末2と同じ構成を有するものに対しては、末尾の符号「A」を符号「B」に変更して説明する。
【0039】
図5は、本発明に係るスレーブ端末3の外観斜視図を示す。図5に示すように、スレーブ端末3は、操作部側筐体部10Bと、表示部側筐体部20Bと、を備えて構成されている。操作部側筐体部10Bと表示部側筐体部20Bとは、操作部側筐体部10Bの上端部と表示部側筐体部20Bの下端部とがヒンジ機構4Bを介して連結されている。
【0040】
操作部側筐体部10Bは、第1の操作部である操作キー群11Bと、マイク12Bと、を備えて構成されている。操作キー群11Bは、機能設定操作ボタン13Bと、入力操作ボタン14Bと、決定操作ボタン15Bと、を備えている。機能設定操作ボタン13Bは、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を動作させる。入力操作ボタン14Bは、電話番号の数字やメール等の文字等の入力に用いられる。決定操作ボタン15Bは、各種操作における決定やスクロール等を行う。マイク12Bには、マスター端末2の管理者が通話時に発した音声が入力される。
【0041】
表示部側筐体部20Aは、ディスプレイ21Bと、音声出力部22Bと、第2の受信部及び第2の送信部である赤外線通信部23bと、を備えて構成されている。ディスプレイ21Bは、各種情報を表示する。音声出力部22Bは、通話の相手側の音声を出力する。赤外線通信部23bは、後述の赤外線通信モジュール23Bにより赤外線を利用した近距離通信を行う。
【0042】
図6は、スレーブ端末3の機能を示す機能ブロック図である。図6に示すように、スレーブ端末3は、外部装置(基地局)の端末と無線通信を行う通信部60Bと、赤外線通信を行う赤外線通信モジュール23Bと、所定の処理を行う処理部70Bと、所定容量を有する充電池80Bと、電源回路部90Bと、を備えている。
【0043】
通信部60Bは、所定の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ61Bと、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う通信処理部62Bと、を備える。メインアンテナ61Bは、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。通信処理部62Bは、メインアンテナ61Bによって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を処理部70Bに供給すると共に、処理部70Bから供給された信号を変調処理し、メインアンテナ61Bを介して外部装置に送信する。
【0044】
赤外線通信モジュール23Bは、IrDA通信処理部(図示せず)と、発受光素子(図示せず)とを備える。IrDA通信処理部は、マスター端末2から送信された認定信号を発光素子を介して受信すると共に、変調処理して処理部70Bに出力する。また、IrDA通信処理部は、マスター端末2から送信された認定信号に基づいて所定の場合に送信されるスレーブ端末3の通電状態信号を復調処理し、発光素子を介してマスター端末2に送信する。尚、赤外線通信に代えて、ブルートゥースやサーバを介してのパケット通信により行ってもよい。
【0045】
電源回路部90Bは、充電池80Bから供給される電源電圧を所定の電圧に変換し、通信部60B、処理部70B及び赤外線通信モジュール23B等に変換後の電圧を供給する。
【0046】
次に、処理部70Bについて説明する。図7は、本発明に係るスレーブ端末3に備えられている処理部70Bの機能を示すブロック図である。図7に示すように、処理部70Bは、機能無効/有効部71Bと、第2の被操作部である情報入力部72Bと、認識部76と、送信制御部79Bと、第2の制御部である主制御部77Bと、を備える。
【0047】
機能無効/有効部71Bは、スレーブ端末3における所定の機能の一部又は全部を無効にする、すなわちロック機能の起動を行う。また、機能無効/有効部71Bは、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれることを条件にロック機能の解除を行う。
【0048】
ここで、ロック機能について説明する。機能無効/有効部71Bは、例えば、操作キー群11Bに対する操作を無効化するロック機能を有している。機能無効/有効部71Bは、ロック機能を設定するための一定の操作が行なわれると、ロック機能を起動させる。これにより、機能無効/有効部71Bは、操作キー群11Bに対する操作に基づく情報入力部72Bから何等かの信号を受信してもこれに対応する動作を行なわず、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれた場合のみロック機能を解除するように動作する。
【0049】
なお、このようなロック機能による操作の無効化は、スレーブ端末3が備える様々な機能のうちその一部だけが対象となるようにして、他の一部の機能については操作が行なわれた場合に処理部70Bが対応する動作を行なうようにしてもよい。例えば、緊急通報(110番や119番)はロックされず、いつでも通話ができるように設定されている。
【0050】
情報入力部72Bは、スレーブ端末3の使用者が操作キー群11Bを操作することにより、文字、図形、記号等の情報の信号を出力する。
【0051】
認識部76は、マスター端末2から送信された認証情報を受信したことを認識する。
【0052】
送信制御部79Bは、スレーブ端末3が再起動等により通電状態になった場合に、通電状態信号を赤外線通信モジュール23Bに送信し、マスター端末2に送信させる。主制御部77Bは、各部を制御する。
【0053】
次に、スレーブ端末3を使用する使用者から管理者に対して使用許諾の要求があった場合のマスター端末2及びスレーブ端末3の動作について図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下では、マスター端末2においては、機能無効/有効部71Aによりロック機能の起動がなされているものとする。
【0054】
スレーブ端末3の使用許諾を要求する使用者からスレーブ端末3の使用許諾の要求をされた管理者は、まず、マスター端末2において指紋認証を行う。つまり、マスター端末2には、マスター端末2の指紋センサ16を介して管理者の指紋が入力される(ステップS10)。
【0055】
指紋センサ16を介して管理者の指紋が入力されると、主制御部77Aは、指紋認識部74において入力された指紋の認識を開始させ、指紋情報として記憶させる(ステップS15)。具体的には、指紋認識部74は、入力された指紋から指紋の特徴部分を抽出し、特徴部分を指紋情報として記憶する。指紋認識部74が指紋情報を記憶すると、主制御部77Aは、認証情報格納部73Aから管理者の指紋の特徴部分の情報である指紋認証情報を抽出する(ステップS20)。
【0056】
認証情報格納部73Aから指紋認証情報が抽出されると、主制御部77Aは、指紋情報と指紋認証情報とが一致するか否かを指紋認証部75Aに判定させる(ステップS25)。
【0057】
ここで、指紋認証部75Aが指紋情報と指紋認定情報とが一致すると判定した場合(Y)には、ステップS30に進む。また、指紋認証部75Aが指紋情報と指紋認証情報とが一致しないと判定した場合(N)には、管理者以外のものが指紋の入力を行ったとして、主制御部77Aは認証動作を終了する。
【0058】
指紋認証部75Aにおいて、指紋情報と指紋認証情報とが一致すると判定された場合には、指紋認証部75は、認証信号を出力する(ステップS30)。主制御部77Aは、指紋認証部75からの認証信号を検出すると、機能無効/有効部71Aにおけるロック機能の解除を行う。これにより、マスター端末2は、使用可能となる(ステップS35)。
【0059】
次に、主制御部77Aは、マスター端末2の赤外線通信モジュール23Aを起動させ、マスター端末2を赤外線通信モードに切り替える(ステップS40)。マスター端末2の赤外線通信モードへの切り替えが完了すると、主制御部77Aは、送信制御部79Aに認証信号の送信の指示を行う。
【0060】
主制御部77Aにより認証信号の送信の指示を受けた送信制御部79Aは、赤外線通信モジュール23Aに認証信号を送信する。認証信号を受信した赤外線通信モジュール23Aは、認証信号を復調処理し、発光素子を介してスレーブ端末3に送信する(ステップS45)。
【0061】
ここで、ステップS50において、認証信号を送信した赤外線通信モジュール23Aがスレーブ端末3から通電状態信号を受信(詳細は後述)した場合(Y)には、認証信号の送信時にスレーブ端末3のロック機能が起動していた状態(以下、「ロック状態」という)にあり、赤外線通信ができなかったことを示すため、ステップS45に戻る。つまり、主制御部77Aは、送信制御部79Aに再度、認証信号をスレーブ端末3に送信させる。
【0062】
認証信号を送信した赤外線通信モジュール23Aがスレーブ端末3から通電状態信号を受信しなかった場合(N)には、主制御部77Aは、赤外線通信モードの起動を終了させる(ステップS55)。これにより、マスター端末2の認証動作は終了する。
【0063】
次に、マスター端末2により、認証信号が送信されたスレーブ端末3の設定変更動作について説明する。
【0064】
ステップS45において、マスター端末2からスレーブ端末3に認証信号が送信されると、スレーブ端末3の赤外線通信モジュール23Bがマスター端末2からの認証信号の発信を検知する(ステップS60)。なお、スレーブ端末3は、マスター端末2との関係において、赤外線通信モードに切り替えが行われていない場合においても、マスター端末2からの認証信号の発信に限り検知可能に構成されている。
【0065】
赤外線通信モジュール23Bがマスター端末2からの認証信号の発信を検知し、主制御部77Bがマスター端末2からの認証信号の発信を検出すると、主制御部77Bは、スレーブ端末3がロック状態にあるか否かについて判断する(ステップS65)。ここで、スレーブ端末3がロック状態にないと判断された場合(Y)においては、主制御部77Bはスレーブ端末3の赤外線通信モードを起動させる(ステップS70)。
【0066】
主制御部77Bがスレーブ端末3の赤外線通信モードを起動させると、スレーブ端末3は、マスター端末2からの認証信号を受信する(ステップS75)。具体的には、スレーブ端末3の赤外線通信モジュール23Bが認証信号を復調処理し、認識部76に送信する。認識部76は、認証信号を受信すると、認証信号を受信した旨の信号を発信し、主制御部77Bがこれを検出する。
【0067】
主制御部77Bが認証信号を受信した旨の信号を検出すると、主制御部77Bは、スレーブ端末3を使用可能な状態に設定変更を行う(ステップS80)。
【0068】
スレーブ端末3の設定変更が完了すると、主制御部77Bは、設定の変更を有効にするためにスレーブ端末3を再起動させ(ステップS85)、設定変更が終了する。これにより、スレーブ端末3は、使用可能になる。
【0069】
また、ステップS65において、主制御部77Bによりスレーブ端末3がロック状態にあると判断された場合(N)には、ロック状態にあることにより赤外線通信モードの起動ができないため、主制御部77Bは、スレーブ端末3の再起動を行う(ステップS90)。
【0070】
ここで、スレーブ端末3は、再起動時においては一時的(例えば、10秒間)にロック状態が解除された状態になる。つまり、スレーブ端末3は、再起動をかけられると一時的にロック状態が解除される。
【0071】
スレーブ端末3のロック状態が一時的に解除されると、主制御部77Bは、ロック解除時にスレーブ端末3のロック状態の設定の解除を行う。具体的には、主制御部77Bは、機能無効/有効部71Bに対してロック機能の設定の解除を行う。これにより、再起動後においてもスレーブ端末3のロック状態は解除された状態になる(ステップS95)。
【0072】
スレーブ端末3のロック状態が解除され、再起動が終了すると、主制御部77Bは、マスター端末2に通電状態信号を送信する。具体的には、送信制御部79Bにより赤外線通信モジュール23Bを介してマスター端末2に通電状態信号を送信させる(ステップS100)。尚、再起動により一時的にロック解除を行うことにかえて、マスター端末2との赤外線通信に関しては、ロックを常にはずしておいてもよい。
【0073】
通電状態信号を受信したマスター端末2は、ステップS50において、通電状態信号の受信の有無を判断し、受信をしたと判断された場合(Y)には、ステップS45に戻り、認証信号を再度、スレーブ端末3に送信する。
【0074】
認証信号を再検知したスレーブ端末3はロック状態が解除された状態にあるため、ステップS70に進み、赤外線通信モードの起動が行われる。赤外線通信モードの起動が行われると、主制御部77Bは、認証信号の受信を行い(ステップS75)、スレーブ端末3の設定変更を行う。スレーブ端末3の設定変更が行われる(ステップS80)と、設定変更を有効にするためにスレーブ端末3を再起動(ステップS85)させる。これにより、スレーブ端末3は使用可能な状態になり、スレーブ端末の設定の変更が完了する。
【0075】
このようにして、第1実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1によれば、管理者が所持するマスター端末2において、使用者が所持するスレーブ端末3の使用の制限及び解除を行うことが可能になる。つまり、スレーブ端末3を使用する使用者本人がスレーブ端末3の使用の解除を行うのではなく、管理者にスレーブ端末3の使用の解除を行わせることが可能になる。そのため、管理者は、スレーブ端末3を厳格に管理することが可能になり、端末の使用制限の管理をする際の利便性を向上させることが可能になる。その際、ネットワークシステム1上に個人認証装置を介在させることなく、マスター端末2とスレーブ端末3とが直に、認証信号の送受信を行うことから、システム上に個人認証装置を配置する場合と異なり、セキュリティー性が向上する。
【0076】
また、前記実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1によれば、管理者によるスレーブ端末3の管理が管理者の指紋認証に基づいて行われる。そのため、管理者以外の者が不正にマスター端末2を用いてスレーブ端末3を使用可能な状態にすることを防止することが可能になる。これにより、管理者は、スレーブ端末3を厳格に管理することが可能になり、端末の使用制限の管理をする際の利便性を向上させることが可能になる。
【0077】
また、前記実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1によれば、マスター端末2は、赤外線通信を用いてスレーブ端末3の使用制限の管理を行う。そのため、端末間のみでマスターとスレーブ等の従属関係を構築させることが可能になる。つまり、例えば、所定のサーバやインターネットを介して使用制限を管理する必要がなくなる。これにより、例えば、サーバにアクセスするための通信料や、インターネットに接続するための通信料が発生せず、通信費用を削減させることが可能になる。
【0078】
[2]第2実施形態
次に、図9から図12を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
【0079】
図9は、本発明の第2実施形態に係る無線通信である赤外線通信を利用したネットワークシステム1Aの構成を示す。図9に示すように、本発明の第2実施形態に係るネットワークシステム1Aは、第1の携帯電子機器であるマスター端末2Aと第2の携帯電子機器であるスレーブ端末3Aとを備えて構成されている。
【0080】
第2実施形態に係るネットワークシステム1Aは、マスター端末2Aに入力された指紋情報が指紋認定情報と一致するかの判定を、マスター端末2Aではなく、スレーブ端末3Aにおいて行うことが第1実施形態と主として異なる。
【0081】
以下、第2実施形態を第1実施形態とは異なる部分を中心に説明する。なお、第2実施形態においては、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であり、図面に付した番号も第1実施形態と同様である場合は、同じ番号を付している。また、実質的に同様である場合には、符号の末尾に「’」を付している。
【0082】
まず、マスター端末2Aについて説明する。マスター端末2Aにおける外観構成及びマスター端末2Aの機能を示す機能ブロック図においては、後述する処理部70A’以外は第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0083】
図10は、マスター端末2Aに備えられている処理部70A’の機能を示す機能ブロック図である。図9に示すように、処理部70A’は、機能無効/有効部71Aと、第1の被操作部である情報入力部72Aと、情報取得部である指紋認識部74Aと、送信制御部79Aと、第1の制御部である主制御部77A’と、を備える。
【0084】
機能無効/有効部71Aは、マスター端末2Aにおける所定の機能を無効にする、すなわちロック機能の起動を行う。また、機能無効/有効部71Aは、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれることを条件にロック機能の解除を行う。
【0085】
ここで、ロック機能について説明する。機能無効/有効部71Aは、例えば、操作キー群11Aに対する操作を無効化するロック機能を有している。機能無効/有効部71Aは、ロック機能を設定するための一定の操作が行なわれると、ロック機能を起動させる。これにより、機能無効/有効部71Aは、操作キー群11Aに対する操作に基づく情報入力部72Aから何等かの信号を受信してもこれに対応する動作を行なわず、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれた場合のみロック機能を解除するように動作する。
【0086】
情報入力部72Aは、マスター端末2Aの使用者である管理者が第1の操作部である操作キー群11Aを操作することにより、文字、図形、記号等の情報の信号を出力する。
【0087】
指紋認識部74Aは、指紋センサ16から入力された指紋情報から指紋にある特徴的な指紋情報を抽出し、当該指紋情報を記憶する。
【0088】
送信制御部79Aは、指紋認識部74Aにより指紋情報が認識された後、指紋情報を赤外線通信モジュール23Aに送信し、赤外線通信モジュール23Aからスレーブ端末3Aに送信させる。主制御部77A’は、各部を制御する。
【0089】
次に、スレーブ端末3Aについて説明する。スレーブ端末3Aにおける外観構成及びスレーブ端末3Aの機能を示す機能ブロック図においては、後述する処理部70B’以外は第1実施形態と同様のため説明は省略する。
【0090】
図10は、スレーブ端末3Aに備えられている処理部70B’の機能を示す機能ブロック図である。図10に示すように、処理部70B’は、機能無効/有効部71Bと、第2の被操作部である情報入力部72Bと、認証情報格納部73Bと、判定部である指紋認証部75Bと、送信制御部79Bと、第2の制御部である主制御部77B’と、を備える。
【0091】
機能無効/有効部71Bは、スレーブ端末3Aにおける所定の機能を無効にする、すなわちロック機能の起動を行う。また、機能無効/有効部71Bは、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれることを条件にロック機能の解除を行う。
【0092】
ここで、ロック機能について説明する。機能無効/有効部71Bは、例えば、操作キー群11Bに対する操作を無効化するロック機能を有している。機能無効/有効部71Bは、ロック機能を設定するための一定の操作が行なわれると、ロック機能を起動させる。これにより、機能無効/有効部71Bは、操作キー群11Bに対する操作に基づく情報入力部72Bから何等かの信号を受信してもこれに対応する動作を行なわず、ロック機能を解除するための一定の操作が行なわれた場合のみロック機能を解除するように動作する。
【0093】
情報入力部72Bは、スレーブ端末3Aの使用者が第2の操作部である操作キー群11Bを操作することにより、文字、図形、記号等の情報の信号を出力する。
【0094】
認証情報格納部73Bは、管理者により登録される管理者の指紋から抽出される指紋の特徴部分等の指紋認証情報が格納されている。なお、指紋認証情報は、管理者の指紋を画像として取り込み、画像データを指紋認証情報として格納してもよい。
【0095】
指紋認証部75Bは、マスター端末2Aより送信された指紋情報が認証情報格納部73Bに格納されている指紋認識情報と一致するかどうかの認証の処理(判定)を行う。
【0096】
ここで、指紋認証部75Bの操作について説明する。指紋認証部75Bは、マスター端末2Aより指紋情報が送信されることを条件に、認証情報格納部73Bに格納されている指紋認識情報と一致するか否かの認定の処理を行う。そして、送信された指紋情報と登録された指紋認識情報とが一致した場合にのみスレーブ端末3Aの設定変更を行う。つまり、第2実施形態に係るスレーブ端末3Aの設定変更は、スレーブ端末3Aを管理する管理者のスレーブ端末3Aにおける指紋情報の一致が条件となる。
【0097】
送信制御部79Bは、スレーブ端末3Aが再起動等により通電状態になった場合に、通電状態信号を赤外線通信モジュール23Bに送信し、マスター端末2Aに送信させる。主制御部77B’は、各部を制御する。
【0098】
次に、スレーブ端末3Aを使用する使用者から管理者に対して使用許諾の要求があった場合のマスター端末2A及びスレーブ端末3Aの動作について図12に示すフローチャートを用いて説明する。
【0099】
スレーブ端末3Aの使用許諾を要求する使用者からスレーブ端末3Aの使用許諾の要求をされた管理者は、まず、マスター端末2Aにおいて指紋認証を行う。つまり、マスター端末2Aには、マスター端末2Aの指紋センサ16を介して管理者の指紋が入力される(ステップS110)。
【0100】
指紋センサ16を介して管理者の指紋が入力されると、主制御部77A’は、指紋認識部74Aに入力された指紋の認識を開始させ、指紋情報として記憶させる(ステップS115)。具体的には、指紋認識部74Aは、入力された指紋から指紋の特徴部分を抽出し、特徴部分を指紋情報として記憶する。
【0101】
指紋認識部74Aが指紋情報を記憶すると、主制御部77A’は、マスター端末2Aの赤外線通信モジュール23Aを起動させ、マスター端末2Aを赤外線通信モードに切り替える(ステップS120)。マスター端末2の赤外線通信モードへの切り替えが完了すると、主制御部77A’は、送信制御部79Aに指紋情報の送信の指示を行う。
【0102】
主制御部77A’により認証信号の送信の指示を受けた送信制御部79Aは、赤外線通信モジュール23Aに指紋情報を送信する。指紋信号を受信した赤外線通信モジュール23Aは、指紋情報を変調処理し、指紋情報信号として発光素子を介してスレーブ端末3Aに送信する(ステップS125)。
【0103】
ここで、ステップS130において、指紋情報信号を送信した赤外線通信モジュール23Aがスレーブ端末3Aから通電状態信号を受信(詳細は後述)した場合(Y)には、指紋情報信号の送信時にスレーブ端末3Aのロック機能が起動していた状態(以下、「ロック状態」という)にあり、赤外線通信ができなかったことを示すため、ステップS125に戻る。つまり、主制御部77A’は、送信制御部79Aに再度、指紋情報信号をスレーブ端末3Aに送信させる。
【0104】
指紋情報信号を送信した赤外線通信モジュール23Aがスレーブ端末3Aから通電状態信号を受信しなかった場合(N)には、主制御部77A’は、赤外線通信モードの起動を終了させる(ステップS135)。これにより、マスター端末2Aの認証動作は終了する。
【0105】
次に、マスター端末2Aにより指紋情報信号が送信されたスレーブ端末3Aの設定変更動作について説明する。
【0106】
ステップS125において、マスター端末2Aからスレーブ端末3Aに指紋情報信号が送信されると、スレーブ端末3Aの赤外線通信モジュール23Bがマスター端末2Aからの認証信号の発信を検知する(ステップS140)。なお、スレーブ端末3Aは、マスター端末2Aとの関係において、赤外線通信モードに切り替えが行われていない場合においても、マスター端末2Aからの指紋情報信号の発信に限り検知可能に構成されている。
【0107】
赤外線通信モジュール23Bがマスター端末2Aからの指紋情報信号の発信を検知し、主制御部77B’がマスター端末2Aからの指紋情報信号の発信を検出すると、主制御部77B’は、スレーブ端末3Aがロック状態にあるか否かについて判断する(ステップS145)。ここで、スレーブ端末3Aがロック状態にないと判断された場合(N)においては、主制御部77B’はスレーブ端末3Aの赤外線通信モードを起動させる(ステップS150)。尚、ロック状態においても、スレーブ端末3Aは、マスター端末2Aとだけは、常に通信を行える様に設定してもよい。
【0108】
主制御部77B’がスレーブ端末3Aの赤外線通信モードを起動させると、スレーブ端末3Aは、マスター端末2Aからの指紋情報信号を受信する(ステップS155)。具体的には、スレーブ端末3Aの赤外線通信モジュール23Bが指紋情報信号を復調処理して指紋情報とし、指紋認証部75Bに送信する。指紋認証部75Bは、指紋情報を受信すると、指紋情報を受信した旨の信号を主制御部77B’に発信する。
【0109】
主制御部77B’は、指紋認証部75Bから指紋情報を受信した旨の信号を検出すると、認証情報格納部73Bに管理者の指紋の特徴部分の情報である指紋認証情報を抽出させる(ステップS160)。
【0110】
認証情報格納部73Bから指紋認証情報が抽出されると、主制御部77B’は、指紋情報と指紋認証情報とが一致するか否かを指紋認証部75Bに判定させる(ステップS165)。
【0111】
ここで、指紋認証部75Bが指紋情報と指紋認定情報とが一致すると判定した場合(Y)には、ステップS170に進む。また、指紋認証部75Bが指紋情報と指紋認証情報とが一致しないと判定した場合には、管理者以外のものが指紋の入力を行ったとして、主制御部77B’はスレーブ端末3Aの認証動作を終了する。
【0112】
指紋認証部75Bにおいて、指紋情報と指紋認証情報とが一致すると判定された場合には、主制御部77B’は、スレーブ端末3Aを使用可能な状態に設定変更を行う(ステップS170)。
【0113】
スレーブ端末3Aの設定変更が完了すると、主制御部77B’は、設定の変更を有効にするためにスレーブ端末3Aを再起動させ(ステップS175)、設定変更が終了する。これにより、スレーブ端末3Aは、使用可能になる。
【0114】
また、ステップS145において、主制御部77B’によりスレーブ端末3Aがロック状態にあると判断された場合(Y)には、ロック状態にあることにより赤外線通信モードの起動ができないため、主制御部77B’は、スレーブ端末3Aの再起動を行う(ステップS180)。
【0115】
ここで、スレーブ端末3Aは、再起動時においては一時的(例えば、10秒間)にロック状態が解除された状態になる。そのため、スレーブ端末3Aは、再起動をかけられると一時的にロック状態が解除される。尚、再起動により一時的にロック解除を行うことにかえて、マスター端末2Aとの赤外線通信に関しては、ロックを常にはずしておいてもよい。
【0116】
スレーブ端末3Aのロック状態が一時的に解除されると、主制御部77B’は、ロック解除時にスレーブ端末3Aのロック状態の設定の解除を行う。具体的には、主制御部77B’は、機能無効/有効部71Bに、ロック機能の解除を行う。これにより、スレーブ端末3Aのロック状態は解除される(ステップS185)。
【0117】
スレーブ端末3Aのロック状態が解除されると、主制御部77B’は、マスター端末2Aに赤外線通信により、通電状態信号を送信する。具体的には、送信制御部79Bにより赤外線通信モジュール23Bを介してマスター端末2Aに通電状態信号を送信させる(ステップS190)。
【0118】
ステップS130において通電状態信号を受信したマスター端末2Aは、通電状態信号の受信の有無を判断し、受信をしたと判断された場合には、ステップS125に戻り、指紋情報信号を再度、スレーブ端末3Aに送信する。
【0119】
認証信号を再検知したスレーブ端末3Bはロック状態が解除された状態にあるため、ステップS150に進み、上述と同様の動作を行う。
【0120】
このようにして、第2実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1Aによれば、管理者が所持するマスター端末2Aにおいて、使用者が所持するスレーブ端末3Aの使用の制限及び解除を行うことが可能になる。つまり、スレーブ端末3Aを使用する使用者本人がスレーブ端末3Aの使用の解除を行うのではなく、管理者にスレーブ端末3Aの使用の解除を行わせることが可能になる。そのため、管理者は、スレーブ端末3Aを厳格に管理することが可能になり、スレーブ端末3Aの使用制限の管理をする際の利便性を向上させることが可能になる。その際、ネットワークシステム1A上に個人認証装置を介在させることなく、マスター端末2Aとスレーブ端末3Aとが直に、認証信号の送受信を行うことから、システム上に個人認証装置を配置する場合と異なり、セキュリティー性が向上する。
【0121】
また、前記実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1Aによれば、管理者によるスレーブ端末3Aの管理が管理者のマスター端末2Aにおける指紋認証に基づいて行われる。そのため、管理者以外の者が不正にマスター端末2Aを用いてスレーブ端末3Aを使用可能な状態にすることを防止することが可能になる。これにより、管理者は、スレーブ端末3Aを厳格に管理することが可能になり、スレーブ端末3Aの使用制限の管理をする際の利便性を向上させることが可能になる。
【0122】
また、前記実施形態に係る携帯電子機器のネットワークシステム1Aによれば、マスター端末2Aは、赤外線通信を用いてスレーブ端末3Aの使用制限の管理を行う。そのため、端末間のみでマスターとスレーブ等の従属関係を構築させることが可能になる。つまり、例えば、所定のサーバやインターネットを介して使用制限を管理させる必要がなくなる。これにより、例えば、サーバにアクセスするための通信料や、インターネットに接続するための通信料が発生せず、通信費用を削減させることが可能になる。
【0123】
なお、前記実施形態においては、携帯電子機器としての携帯電話機を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に用いられる携帯電子機器は、赤外線通信機能及び指紋認識機能を有するものであればよく、例えば、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
【0124】
また、前記実施形態においては、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る携帯電話機の形態としては、操作部側筐体部10A、10Bと表示部側筐体部20A、20Bとを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体部10A、10Bと表示部側筐体部20A、20Bとの重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部側筐体部10A、10Bと表示部側筐体部20A、20Bとが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)等であってもよい。
【0125】
また、前記実施形態においては、マスター端末2、2Aに対して、1台のスレーブ端末3、3Aを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、マスター端末は、複数台のスレーブ端末を管理可能に構成されるものであってもよい。
【0126】
また、前記実施形態においては、マスター端末は、指紋認証を用いて個人認証を行う構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、角膜や静脈による認証等、生体情報を用いるものであればよい。
【0127】
また、前記実施形態においては、無線通信として赤外線通信を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通信部60A、60Bを介して無線通信を行う構成としてもよい。例えば、マスター端末2、2Aとスレーブ端末3、3Aとをサーバやインターネットシステム上に配置された個人認証装置を介さないで互いに直接通信させる構成であればよい。
【0128】
また、第1実施形態においては、スレーブ端末3は、マスター端末2から指紋の認証信号を受けた場合に使用可能となるように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係るスレーブ端末3は、認証信号を受けた後、マスター端末2から遠隔操作されることが可能に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1、1A ネットワークシステム
2、2A マスター端末
3、3A スレーブ端末
11A、11B 操作キー群
16 指紋センサ
23A、23B 赤外線通信モジュール
72A、72B 情報入力部
73A、73B 認証情報格納部
74 指紋認識部
74 指紋認識部
75A、75B 指紋認証部
77A、77B、77A’、77B’ 主制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の携帯電子機器と第2の携帯電子機器とを含む携帯電子機器のネットワークシステムであって、
前記第1の携帯電子機器は、第1の操作部と、前記第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、所定の情報を取得する情報取得部と、前記所定の情報を所定の情報信号に変換し、前記情報信号を前記第2の携帯電子機器に送信可能な第1の送信部と、を備え、
前記第2の携帯電子機器は、第2の操作部と、前記第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と、前記第1の送信部から送信される前記情報信号を受信可能な第2の受信部と、前記第2の受信部が受信した前記情報信号が登録された所定の認証情報と一致するか否かの判定を行う判定部と、前記情報信号が前記認証情報と一致すると判定された場合に前記第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部と、を備える携帯電子機器のネットワークシステム。
【請求項2】
前記第2の携帯電子機器は、前記第2の携帯電子機器が通電状態になったときに出力する通電状態信号を前記第1の携帯電子機器に送信可能な第2の送信部を有し、
前記第1の携帯電子機器は、前記第2の送信部から送信される通電状態信号を受信可能な第1の受信部を有すると共に、前記通電状態信号を前記第1の受信部が受信した場合に、前記情報信号を前記第1の送信部から前記第2の受信部に送信する請求項1に記載の携帯電子機器のネットワークシステム。
【請求項3】
前記第1の送信部と前記第2の受信部との間の送受信、及び前記第1の受信部と前記第2の送信部との間の送受信は、無線通信により行われる請求項2に記載の携帯電子機器のネットワークシステム。
【請求項1】
第1の携帯電子機器と第2の携帯電子機器とを含む携帯電子機器のネットワークシステムであって、
前記第1の携帯電子機器は、第1の操作部と、前記第1の操作部の操作に基づいて動作可能な第1の被操作部と、所定の情報を取得する情報取得部と、前記所定の情報を所定の情報信号に変換し、前記情報信号を前記第2の携帯電子機器に送信可能な第1の送信部と、を備え、
前記第2の携帯電子機器は、第2の操作部と、前記第2の操作部の操作に基づいて動作可能な第2の被操作部と、前記第1の送信部から送信される前記情報信号を受信可能な第2の受信部と、前記第2の受信部が受信した前記情報信号が登録された所定の認証情報と一致するか否かの判定を行う判定部と、前記情報信号が前記認証情報と一致すると判定された場合に前記第2の被操作部の動作を許可する第2の制御部と、を備える携帯電子機器のネットワークシステム。
【請求項2】
前記第2の携帯電子機器は、前記第2の携帯電子機器が通電状態になったときに出力する通電状態信号を前記第1の携帯電子機器に送信可能な第2の送信部を有し、
前記第1の携帯電子機器は、前記第2の送信部から送信される通電状態信号を受信可能な第1の受信部を有すると共に、前記通電状態信号を前記第1の受信部が受信した場合に、前記情報信号を前記第1の送信部から前記第2の受信部に送信する請求項1に記載の携帯電子機器のネットワークシステム。
【請求項3】
前記第1の送信部と前記第2の受信部との間の送受信、及び前記第1の受信部と前記第2の送信部との間の送受信は、無線通信により行われる請求項2に記載の携帯電子機器のネットワークシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−227949(P2012−227949A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151982(P2012−151982)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【分割の表示】特願2008−139957(P2008−139957)の分割
【原出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【分割の表示】特願2008−139957(P2008−139957)の分割
【原出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]