説明

携帯電子機器及びプログラム

【課題】一緒に携帯する複数の携帯電子機器の移動状況から互いに離間したことを素早く検出できるようにする。
【解決手段】携帯電話機CPは、その移動に応じて加わる振動状態を検出すると共に、腕時計WTの移動に応じて加わる振動状態(移動状況)を、近距離通信を介して取得し、この携帯電話機CPの振動状態(移動状況)と腕時計WTの振動状態(移動状況)とを比較することによって携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況が特徴的に同一ではない場合には、所定のセキュリティ処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離通信が可能な携帯電子機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯電子機器にあっては、その利便性が年々向上し、例えば、腕時計、ヘッドセットといった他の携帯電子機器を、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線を介して接続して使用するようにした技術が広まってきている。この近距離通信は、無線であるが故にケーブルに煩わされないという利点を有する反面、置き忘れや盗難の危険が高まるという欠点があるため、従来では、そのセキュリティ対策として、複数の携帯電子機器(外部機器、移動無線機)が無線通信を介して接続されている状態において、その接続の切断を検出した際に、機能ロックなどの所定の動作を実行して第三者による不正使用を防止するようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−268650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、携帯電子機器が盗難されたり、置き忘れたりしたときに第三者による不正使用を防ぐことができるのでセキュリティ対策上有効ではあるが、近距離無線にあっても電波到達エリアは、半径数十メール範囲まで可能であるため、その距離だけ離れなければ、機能ロックなどは行われず、また、携帯電子機器を店舗なでに置き忘れて、そのまま外に出てしまう、というおそれがあった。
【0005】
本発明の課題は、一緒に携帯する複数の携帯電子機器の移動状況から互いに離間したことを素早く検出できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、近距離通信が可能な携帯電子機器であって、当該携帯電子機器の移動に応じて加わる振動状態を検出する振動検出手段と、他の携帯電子機器の移動に応じて加わる振動状態を前記近距離通信を介して当該他の携帯電子機器から取得する取得手段と、前記振動検出手段によって検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得手段によって取得された他の携帯電子機器の振動状態とを比較することによって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一か否かを判別する判別手段と、この判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に所定の処理を実行させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段は、前記振動検出手段によって検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得手段によって取得された他の携帯電子機器の振動状態との比較を所定の時間帯内で行う、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段は、前記振動検出手段によって検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得手段によって取得された他の携帯電子機器の振動状態との比較を一定のタイミング毎に行う、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段は、少なくとも当該携帯電子機器、他の携帯電子機器のいずれか一方に加わる振動状態に基づいてその携帯電子機器が移動を開始したか否かを判別し、移動を開始したと判別した際に、前記振動検出手段によって検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得手段によって取得された他の携帯電子機器の振動状態との比較を行う、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、報知情報を出力する報知出力手段を更に備え、前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、前記報知出力手段を動作させて前記報知情報を出力させる、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、前記他の携帯電子機器に報知情報を出力すべきことを、前記近距離通信を介して指示する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、当該携帯電子機器の少なくとも一部の機能を制限する制限手段を更に備え、前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、前記制限手段を動作させて、当該携帯電子機器の少なくとも一部の機能を制限する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、当該携帯電子機器に少なくとも一部の機能を制限すべきことを、前記近距離通信を介して指示する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、少なくとも当該携帯電子機器の一部の機能を制限する制限手段を更に備え、前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、前記制限手段を動作させて、当該携帯電子機器の少なくとも一部の機能を制限すると共に、前記他の携帯電子機器に少なくとも一部の機能を制限すべきことを、前記近距離通信を介して指示する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1に従属する発明として、ユーザ認証を行うユーザ認証手段を更に備え、前記制御手段は、当該携帯電子機器の機能の使用が制限されている状態において、前記ユーザ認証手段によって正当なユーザであると認証された際に、前記制限を解除する、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
また、上述した課題を解決するために請求項11記載の発明は、コンピュータに対して、近距離通信を行う機能と、当該携帯電子機器の移動に応じて加わる振動状態を検出する機能と、他の携帯電子機器の移動に応じて加わる振動状態を、前記近距離通信を介して当該他の携帯電子機器から取得する機能と、前記検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得された他の携帯電子機器の振動状態とを比較することによって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一か否かを判別する機能と、前記各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に所定の処理を実行する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一緒に携帯する複数の携帯電子機器の移動状況から互いに離間したことを素早く検出してそれに応じた処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】複数の携帯電子機器として携帯電話機と腕時計に適用した場合を例示したもので、(1)は、この携帯電話機CPの基本的な構成要素を示したブロック図、(2)は、他の携帯電子機器としての腕時計WTの基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】振動検出部11、29で検出される振動波形信号の中から携帯電話機CPや腕時計WTの移動に関係しない成分をノイズ成分として除去する場合に、(1)は、腕の振り運動などのように基点を中心とした往復運動に応じたノイズ成分、(2)は、基点を中心とした回転運動に応じたノイズ成分を説明するための図。
【図3】(1)は、携帯電話機CP及び腕時計WT側に設けられている時間帯テーブルTTを説明するための図、(2)は、時間帯テーブルTTに関連する判別動作フラグを説明するための図。
【図4】携帯電話機CP側において一定時間(例えば、0.5秒)毎に割込みで実行開始されるセキュリティ処理を示したフローチャート。
【図5】図4の動作に続くフローチャート。
【図6】第2実施形態において、携帯電話機CP側でのセキュリティ処理を示した図5に代わるフローチャート。
【図7】。第2実施形態において、腕時計WT側でのセキュリティ処理を示した図5に代わるフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
以下、図1〜図5を参照して本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、複数の携帯電子機器として携帯電話機と腕時計に適用した場合を例示したもので、図1(1)は、この携帯電話機CPの基本的な構成要素を示したブロック図、(2)は、他の携帯電子機器としての腕時計WTの基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯電話機CPは、例えば、2つの筐体を折り畳み自在に取り付けた折り畳みタイプで、この携帯電話機CPには、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などが備えられている。なお、携帯電話機CPは、図示しない無線通信網を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となったり、電子メール(例えば、ショートメール)の送受信可能な状態となったりする。
【0020】
携帯電話機CPは、図1(1)に示すように構成され、その制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機CPの全体動作を制御するもので、この制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、図示しないプログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図4及び図5に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。
【0021】
また、記憶部3のデータ領域には、フラグ情報など、この携帯電話機CPの動作に必要な各種の情報を一時記憶するほか、後述する時間帯テーブルTTなどが設けられている。なお、記憶部3としては、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成、あるいは図示しない所定の外部サーバ上にあってもよい。操作部4は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、制御部1は、操作部4からの操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理、電子メール処理、パスワード認証処理など、各種の処理を行う。
【0022】
通信部5は、図示しない無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部6を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部6から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAT1から発信出力させる。
【0023】
表示部7は、例えば、高精細液晶、有機ELなどを使用し、アイコン、文字データ、待受画像などを表示する。時計部8は、現在日時を計時する。報知部9は、バイブレータ部9A、報音部9B、LED(発光ダイオード)部9Cを有する構成で、着信報知を行ったり、セキュリティ報知などを行ったりする。なお、このセキュリティ報知は、携帯電話機CPを置き忘れてしまったような場合に、そのことを報音部9B及びLED部9Cの駆動によって報知するもので、予め設定されている音量に関わらず、大音量での報知を行ったり、段階的に音量を上げる報知を行ったり、バイブレータ部9Aを並行して駆動させりする報知を行うようにしている。
【0024】
近距離無線部10は、通常、一緒に携帯している複数の携帯電子機器として、携帯電話機CPと腕時計WTとの間でBluetooth(登録商標)によって近距離通信を行うもので、非接触タイプの近距離通信によって半径数十mの範囲内において腕時計WTとの間でアンテナAT2を介して交信が行われた際に、制御部1は、この近距離無線部10を介して腕時計WTから受信取得した機器識別情報と、予め登録されている機器識別情報とを照合することによってユーザ所持の腕時計WTとの間での交信かを判別するようにしている。なお、この実施形態において近距離無線部10は、Bluetooth(登録商標)によって近距離通信を行うようにしているが、携帯電話機CPと腕時計WTとの間で赤外線通信やその他の無線通信方式によって近距離通信を行うようにしてもよい。
【0025】
振動検出部11は、携帯電話機CPの移動に応じて加わる振動状態を検出するもので、3軸タイプの加速度センサ(3軸方向振動センサ)によって構成されている。この振動検出部11は、ユーザの動き(携帯電話機CPの動き)に応じた加速度(振動)の大きさとして、互いに直交する3軸方向(X・Y・Z方向)の加速度成分を検出するようにしているが、この3軸方向の各加速度成分の中から、例えば、垂直方向(上下方向)の加速度成分を携帯電話機CP(3軸方向振動センサ)の向きに応じて選択して、振動波形信号として出力するようにしている。
【0026】
その際、この振動検出部11から出力される振動波形信号は増幅されてノイズ成分が除去されたものとなる。すなわち、ノイズ成分としては、携帯電話機CPの移動に関係しない成分で、例えば、腕の振り運動などのように、基点を中心とした往復運動(図2(1)参照)や基点を中心とした回転運動(図2(2)参照)に応じた成分をノイズ成分として除去するようにしている。これによって携帯電話機CPの移動に応じた振動波形信号は、図2(3)に示すようになる。なお、図中、縦軸は加速度(振動)の大きさ、横軸は時間を示している。
【0027】
この振動検出部11の検出結果(振動状態)に基づいて制御部1は、携帯電話機CPの移動状況を解析するようにしている。つまり、制御部1は、停止中か移動中かを調べたり、移動中であればその移動の速さや歩幅などを調べたりして現在の移動状況(振動状態)を得るようにしている。また、制御部1は、腕時計WT側で検出された腕時計WTの移動状況(振動状態)を、近距離無線部10を介して受信取得して、携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況とを比較すると共に、その比較結果に基づいてセキュリティ処理を実行するようにしている。
【0028】
すなわち、制御部1は、携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況とを比較することによって各携帯電子機器(携帯電話機CP、腕時計WT)の移動状況が特徴的に同一か否かを判別し、各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された際、つまり、同一人が携帯電話機CPと腕時計WTを同時に携帯して移動しているとは想定できないような移動状況であると判別された際に、置き忘れなどの可能性が高いと判断して、所定の処理(報知処理、機能ロック処理)を実行するようにしている。ここで、報知処理は、携帯電話機CPを置き忘れてしまったような場合のセキュリティ報知を行う処理であり、機能ロック処理は、電源オン/オフ操作やパスワードの入力操作以外の操作を禁止する操作制限状態(機能ロック状態)とする処理で、パスワードの認証結果に応じて機能ロック状態を解除するようにしている。
【0029】
腕時計WTは、図1(2)に示すように、CPUやメモリなどが設けられている制御部21を中核とするもので、例えば、太陽電池を備えた電源部22、プログラムやデータを記憶する記憶部23のほか、操作部24、表示部25、時計部26、報知部27、近距離無線部28、振動検出部29などを有する構成となっている。報知部27は、上述した携帯電話機CPと同様に、バイブレータ部27A、報音部27B、LED部27Cを有する構成となっている。近距離無線部28は、携帯電話機CPとの間でBluetooth(登録商標)による近距離通信を行うもので、非接触タイプの近距離通信によって半径数十mの範囲内において携帯電話機CPとの間でアンテナAT3を介して交信を行う。
【0030】
振動検出部29は、上述した携帯電話機CPと同様に、腕時計WTの移動に応じて加わる振動状態を検出するもので、3軸タイプの加速度センサ(3軸方向振動センサ)によって構成されている。この振動検出部29から出力される振動波形信号は増幅されてノイズ成分が除去されるが、その際、腕の振り運動などのように、基点を中心とした往復運動(図2(1)参照)や基点を中心とした回転運動(図2(2)参照)に応じた成分はノイズ成分として除去される。これによって腕時計WTの移動に応じた振動波形信号は、図2(4)に示すようになる。
【0031】
なお、図2(4)において、図中、縦軸は加速度(振動)の大きさ、横軸は時間を示している。この振動検出部29の検出結果(振動状態)に基づいて制御部21は、腕時計WTの移動状況(停止中か移動中か、移動中であればその移動の速さ、歩幅など)を解析するようにしている。そして、上述した携帯電話機CP側と同様に、制御部21は、携帯電話機CP側の移動状況を、近距離無線部28を介して受信取得し、携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況とに基づいてセキュリティ処理を実行するようにしている。
【0032】
図3(1)は、携帯電話機CP及び腕時計WT側にそれぞれ設けられている時間帯テーブルTTを説明するための図である。
時間帯テーブルTTは、携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況とを比較することによって各携帯電子機器(携帯電話機CP、腕時計WT)の移動状況が特徴的に同一か否かの判別を行うための時間帯を記憶するテーブルで、図示の例では、例えば、携帯電話機CPを置き忘れやすい時間帯として、平日の出勤時の時間帯と帰宅時の時間帯を記憶させた場合を示している。
【0033】
この時間帯テーブルTTの内容は、ユーザ操作によって任意に設定されたもので、この設定時間帯内での判別を行うか否かもユーザ操作によって任意に選択可能となっている。なお、携帯電話機CP及び腕時計WT側にそれぞれ設けられている時間帯テーブルTTの内容は、同様の値が設定されており、いずれか一方に設定した時間帯テーブルTTの内容は、近距離通信を介して他方に送信されてその時間帯テーブルTTに設定されることによって両者の内容を整合するようにしている。
【0034】
図3(2)は、判別動作フラグを説明するための図である。
この判別動作フラグは、時間帯テーブルTTに設定されている時間帯内に、各携帯電子機器(携帯電話機CP、腕時計WT)の移動状況が特徴的に同一か否かを判別するための動作を行うかを選択するためのフラグである。そして、この判別動作フラグは、携帯電話機CP及び腕時計WT側に設けられたもので、この値が“0”の場合には、時間帯テーブルTTに設定されている時間帯内に、上述した判別動作を行わないことを示し、また、判別動作フラグの値が“1”の場合には、時間帯テーブルTTに設定されている時間帯内に、上述した判別動作を行うことを示している。なお、携帯電話機CP及び腕時計WT側の判別動作フラグは同様の値となっており、いずれか一方に設定した判別動作フラグは、近距離通信を介して他方に送信されてその判別動作フラグに設定される。
【0035】
次に、この第1実施形態における携帯電話機CP、腕時計WTの動作概念を図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。なお、図4及び図5は、携帯電話装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図4及び図5のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0036】
図4及び図5は、携帯電話機CP側において一定時間(例えば、0.5秒)毎に割込みで実行開始されるセキュリティ処理を示したフローチャートである。
このセキュリティ処理は、携帯電話機CP側に限らず、腕時計WT側においても一定時間(例えば、0.5秒)毎に割込みで実行開始するようにしているが、この腕時計WT側のセキュリティ処理は、携帯電話機CP側のセキュリティ処理と同様であるため、以下、携帯電話機CP側のセキュリティ処理について説明し、腕時計WT側のセキュリティ処理の説明については省略するものとする。なお、腕時計WT側のセキュリティ処理と携帯電話機CP側のセキュリティ処理とは同期して実行し、それらの間に誤差が生じたときにはそれを適宜補正するようにしている。
【0037】
先ず、携帯電話機CP側において制御部1は、機能ロック状態になっているかを調べる(図4のステップA1)。すなわち、パスワードの入力操作や電源オン/オフ操作以外の操作を禁止する操作制限状態(機能ロック状態)となっているかを調べ、機能ロック状態であれば、パスワード画面を表示させると共に、このパスワード画面にパスワードがユーザ操作によって入力されると、この入力パスワードに応じてパスワード認証を行い(ステップA2)、その結果、正当なユーザであるかを調べる(ステップA3)。ここで、正当なユーザでなければ(ステップA3でNO)、この図4及び図5のフローから抜けて機能ロック状態をそのまま維持させるが、正当なユーザであれば(ステップA3でYES)、機能ロック状態を解除することによって、パスワードの入力操作や電源オン/オフ操作以外の操作を可能な状態としたのち(ステップA4)、この図4及び図5のフローから抜ける。
【0038】
一方、機能ロック状態でなければ(ステップA1でNO)、上述した判別動作フラグは“1”であるかを調べ(ステップA5)、判別動作フラグが“0”であれば、この時点で図4及び図5のフローから抜けるが、判別動作フラグが“1”であれば(ステップA5でYES)、ステップA6に移り、時計部8から現在時刻を取得すると共に、この現在時刻に基づいて時間帯テーブルTTを参照し、現在時刻はその設定時間帯内であるかを調べる。いま、設定時間帯内でなければ(ステップA6でNO)、この図4及び図5のフローから抜けるが、設定時間帯内であれば(ステップA6でYES)、この設定時間帯内において、各携帯電子機器(携帯電話機CP、腕時計WT)の移動状況が特徴的に同一か否かを判別するための判別動作に移る。
【0039】
すなわち、この判別動作において、先ず、制御部1は、振動検出部11によって検出された携帯電話機CPの振動状態を取得する(ステップA7)。この場合、振動検出部11では、ユーザの動き(携帯電話機CPの動き)に応じた加速度(振動)の大きさとして、垂直方向(上下方向)の加速度成分を振動波形信号として出力するが、その際、携帯電話機CPの移動に関係しないノイズ成分を除去する。この振動検出部11の検出結果(振動状態)に基づいて制御部1は、携帯電話機CPの移動状況を解析し、停止中か移動中かを調べたり、移動中であればその移動の速さや歩幅などを調べたりして現在の移動状況を得ると共に(ステップA8)、携帯電話機CPの移動状況を携帯用比較メモリ(図示せず)に一時記憶させる(ステップA9)。
【0040】
そして、図5のフローに移り、この携帯電話機CPの移動状況を、近距離無線部10を介して腕時計WT側に送信する(ステップA10)。次に、腕時計WT側から近距離無線部10を介して腕時計WT側の移動状況を受信取得し(ステップA11)、この移動状況を時計用比較メモリ(図示せず)に一時記憶させる(ステップA12)。ここで、上述した携帯用比較メモリと時計用比較メモリは、直近複数回(例えば、3回)分の移動状況を記憶可能な構成で、最新の移動状況が追加記憶されると、それに応じてそのメモリの全体内容がシフトされて最古の移動状況が押し出されるように消去されるようになっている。
【0041】
携帯電話機CPの制御部1は、上述の携帯用比較メモリの内容と時計用比較メモリの内容とを参照し(ステップA13)、携帯電話機CP、腕時計WTのうち、少なくともそのいずれか一方が移動を開始したかを調べる(ステップA14)。すなわち、電源オン直後のように、携帯用比較メモリ及び時計用比較メモリに移動状況が何も記憶されていない場合、あるいは直近2回分の移動状況が停止状態のときに今回検出された移動状況(最新の移動状況)が移動の場合には、今回の移動状況の検出によって移動開始と判断する。
【0042】
これによって携帯電話機CP、腕時計WTのうち、少なくともいずれか一方の移動開始を検出したときには(ステップA14でYES)、移動中フラグ(図示せず)を“オン”したのち(ステップA15)、携帯用比較メモリ、時計用比較メモリに直近複数回(例えば、3回)分の移動状況が記憶されているかを調べる(ステップA16)。ここで、複数回未満の移動状況しか記憶されていなければ、移動状況の比較ができないので、この図4及び図5のフローから抜けるが、複数回分の移動状況が記憶されていれば(ステップA16でYES)、携帯用比較メモリの内容と時計用比較メモリの内容を比較する処理に移る(ステップA18)。
【0043】
また、いずれの移動開始を検出しなかったときには(ステップA14でNO)、移動中フラグが“オン”されているかを調べ(ステップA17)、移動中フラグが“オフ”されていれば(ステップA17でNO)、この図4及び図5のフローから抜けるが、移動中フラグが“オン”されていれば(ステップA17でYES)、携帯用比較メモリの内容と時計用比較メモリの内容を比較する処理に移り(ステップA18)、この比較処理の結果、直近複数回分の移動状況が特徴的に同一か否か、つまり、移動の速さや歩幅などが近似しているかを調べる(ステップA19)。
【0044】
いま、直近複数回分の移動状況が特徴的に同一であれば(ステップA19でYES)、携帯電話機CPと腕時計WTを一緒に携帯して移動している場合であると判断して、この図4及び図5のフローから抜ける。また、直近複数回分の移動状況が特徴的に同一でなければ(ステップA19でYES)、携帯電話機CPと腕時計WTとが互いに離間している場合で、携帯電話機CPの置き忘れなどの可能性が高い場合と判断して、報知部9を駆動して報知出力を行うと共に(ステップA20)、機能ロック処理を実行して、パスワードの入力操作や電源オン/オフ操作以外の操作を禁止する操作制限状態(機能ロック状態)としたのち(ステップA21)、この図4及び図5のフローから抜ける。
【0045】
以上のように、第1実施形態において携帯電話機CPは、その移動に応じて加わる振動状態を検出すると共に、腕時計WTの移動に応じて加わる振動状態(移動状況)を、近距離通信を介して受信取得すると共に、この携帯電話機CPの振動状態(移動状況)と腕時計WTの振動状態(移動状況)とを比較し、その結果、携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況とが特徴的に同一でない場合に、所定のセキュリティ処理を実行するようにしたので、一緒に携帯する複数の携帯電子機器(携帯電話機CP、腕時計WT)の移動状況から、それらが互いに離間したことや携帯電話機CPがユーザから離れたことを素早く検出して、それに応じた処理を実行することが可能となる。
【0046】
携帯電話機CPは、その振動状態と腕時計WTの振動状態との比較を所定の時間帯内で行うようにしたので、紛失などの可能性が高い通勤時間や退社時間帯に限定して比較動作を行うことができ、電池の消耗を抑止することができる。
【0047】
携帯電話機CPは、その振動状態と腕時計WTの振動状態との比較を一定のタイミング毎に行うようにしたので、電池の消耗を抑止することができる。
【0048】
携帯電話機CP、腕時計WTのうち、少なくともそのいずれか一方が移動を開始した際に、携帯電話機CPの振動状態と腕時計WTの振動状態との比較を行うようにしたから、携帯電話機CP及び腕時計WTが共に継続して停止中であれば、その時点での置き忘れなどを考慮するまでもなく、節電対策上効果的なものとなる。
【0049】
携帯電話機CPは、その振動状態と腕時計WTの振動状態とを比較した結果、それらが特徴的に同一ではない場合には、携帯電話機CPと腕時計WTが互いに離間し、携帯電話機CPの置き忘れなどの可能性が高いと判断し、報知部9を駆動して報知出力を行うことができ、置き忘れなどを即座に知らせることができる。
【0050】
携帯電話機CPは、その振動状態と腕時計WTの振動状態とを比較した結果、それらが特徴的に同一ではない場合には、携帯電話機CPを機能ロック状態とするようにしたので、置き忘れや盗難された場合でも第三者による不正な使用を防止することができる。
【0051】
携帯電話機CPは、機能ロック状態において、パスワード認証によって正当なユーザであると認証された際に、機能ロック状態を解除するようにしたので、正当なユーザであれば、引き続いて携帯電話機CPを使用することができる。
【0052】
他方、腕時計WTにおいても上述した携帯電話機CPと同様の効果を有する。すなわち、一緒に携帯する複数の携帯電子機器(携帯電話機CP、腕時計WT)の移動状況から互いに離間したこと、腕時計WTがユーザから離れたことを素早く検出してそれに応じた処理を実行することができる。また、腕時計WTは、その振動状態と携帯電話機CPの振動状態との比較を所定の時間帯内で行ったり、一定時間毎に行ったり、携帯電話機CP、腕時計WTのいずれか一方が移動を開始した際に行ったりすることで、節電対策上効果的である。また、携帯電話機CPと腕時計WTとが互いに離間し、腕時計WTの置き忘れなどの可能性が高い場合には、報知部27を駆動して報知出力を行ったり、腕時計WTを機能ロック状態としたりすることができ、更に、パスワード認証によって機能ロック状態を解除することができる。
【0053】
(実施形態2)
以下、本発明の第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、腕時計WT側のセキュリティ処理を携帯電話機CP側のセキュリティ処理と同様としたが、この第2実施形態においては、腕時計WT側においては携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況との比較処理などを行わず、腕時計WT側のセキュリティ処理を簡素化するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0054】
図6は、第2実施形態において、携帯電話機CP側でのセキュリティ処理を示したフローチャートである。
すなわち、携帯電話機CP側において、一定時間(例えば、0.5秒)毎に割込みで実行開始されるセキュリティ処理を示したフローチャートで、上述した第1実施形態の図5に代わるフローチャートである。なお、図4は、第2実施形態においても同様であるので、その説明は省略する。上述した第1実施形態においては、携帯電話機CPの移動状況を腕時計WT側に送信するようにしたが、第2実施形態においては、腕時計WT側では携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況との比較処理を行わないようにしているため、携帯電話機CPの移動状況を腕時計WT側に送信するステップを省略している。
【0055】
先ず、携帯電話機CPの制御部1は、携帯電話機CPの移動状況を検出して一時記憶させたのち、図5のステップA11〜A19と同様の処理に移る(ステップB1〜B9)。すなわち、腕時計WT側から近距離無線部10を介して腕時計WT側の移動状況を受信取得し(ステップB1)、この移動状況を時計用比較メモリ(図示せず)に一時記憶させたのち(ステップB2)、携帯用比較メモリの内容と時計用比較メモリの内容とを参照してそれらを比較する(ステップB3)。ここで、携帯電話機CP、腕時計WTのうち、少なくともいずれか一方の移動開始を検出した場合には(ステップB4でYES)、移動中フラグ(図示せず)を“オン”する(ステップB5)。
【0056】
ここで、移動状況の比較ができるように、携帯用比較メモリ、時計用比較メモリに直近複数回(例えば、3回)分の移動状況が記憶されていることを条件に(ステップB6でYES)、携帯用比較メモリの内容と時計用比較メモリの内容とを比較する処理に移る(ステップB8)。また、移動開始を検出しなかったときには(ステップB4でNO)、移動中フラグが“オン”されているかを調べ(ステップB7)、移動中フラグが“オン”されていれば、携帯用比較メモリの内容と時計用比較メモリの内容を比較する処理に移り(ステップB8)、この比較の結果、直近複数回分の移動状況が特徴的に同一か否かを調べる(ステップB9)。
【0057】
いま、直近複数回分の移動状況が特徴的に同一であれば(ステップB9でYES)、携帯電話機CPと腕時計WTを一緒に携帯して移動している場合であると判断して、この図6のフローから抜けるが、直近複数回分の移動状況が特徴的に同一でなければ(ステップB9でNO)、携帯電話機CPと腕時計WTとが互いに離間し、携帯電話機CPの置き忘れなどの可能性が高いと場合であると判断し、報知部9を駆動して置き忘れなどを報知するための報知出力を行う(ステップB10)。このように自己(携帯電話機CP)に対する報知出力を行ったのち、腕時計WT側に対して、上述の報知出力を行うべきことを指示する(ステップB11)。そして、自己(携帯電話機CP)に対して機能ロック処理を実行して操作制限状態としたのち(ステップB12)、腕時計WT側に対して、上述の機能ロック処理を実行して操作制限状態とすべきことを指示する(ステップB13)。
【0058】
図7は、第2実施形態において、腕時計WT側でのセキュリティ処理を示したフローチャートである。
すなわち、腕時計WT側において、一定時間(例えば、0.5秒)毎に割込みで実行開始されるセキュリティ処理を示したフローチャートで、上述した第1実施形態の図5に代わるフローチャートである。なお、図4は、第2実施形態においても同様であるので、その説明は省略するものとする。
【0059】
先ず、腕時計WTの制御部21は、図4に示すように腕時計WTの振動状態(移動状況)を検出して携帯電話機CP側に対して送信したのち(図7のステップC1)、携帯電話機CP側から処理実行の指示を受信したかを調べる(ステップC2)。いま、処理実行の指示を受信しなければ、このフローから抜けるが、処理実行の指示を受信したときには(ステップC2でYES)、その指示は報知出力を指示するものなのかを調べる(ステップC3)、報知出力を指示するものであれば、報知部27を駆動して報知出力を行うことによって、置き忘れなどを報知する(ステップC4)。また、機能ロックの実行を指示するものであれば(ステップC3でNO)、機能ロック処理を実行して操作制限状態とする(ステップC5)。
【0060】
以上のように、この第2実施形態において携帯電話機CPは、その振動状態(移動状況)と腕時計WTの振動状態(移動状況)とを比較した結果、携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況が特徴的に同一ではない場合には、腕時計WTに報知情報を出力すべきことを、近距離通信を介して指示するようにしたので、上述の比較処理を腕時計WT側で行わなくても、置き忘れなどを即座に知らせることができる。
【0061】
携帯電話機CPは、その移動状況と腕時計WTの移動状況が特徴的に同一ではない場合には、腕時計WTを機能ロック状態とするようにしたので、置き忘れや盗難された場合でも第三者による不正な使用を防止することができる。
【0062】
携帯電話機CPは、その移動状況と腕時計WTの移動状況が特徴的に同一ではない場合には、携帯電話機CPと共に、腕時計WTを機能ロック状態とするようにしたので、どちらか一方の置き忘れや盗難されたような場合でも第三者による不正な使用を防止することができる。
【0063】
なお、上述した各実施形態においては、携帯電話機CPの移動状況と腕時計WTの移動状況が特徴的に同一ではない場合には、携帯電話機CPと共に腕時計WTを機能ロック状態とするようにしたが、携帯電話機CP、腕時計WTのうち、停止している方を機能ロック状態とするようにしてもよい。
【0064】
また、上述した各実施形態においては、携帯電話機CPと腕時計WTとを近距離通信で交信するようにしたが、赤外線通信などで交信を行うようにしてもよい。また、セキュリティ処理を一定時間(0.5秒)毎の割込みで行うようにしたが、その時間間隔は任意であり、また、携帯用比較メモリと時計用比較メモリを直近3回分の移動状況を記憶する構成としたが、上述した時間間隔との関係においてその回数も任意である。
【0065】
また、上述した各実施形態においては、特に言及しなかったが、近距離通信を介して交信する相手を、予め探索動作(ペア探索)を実行することによって決定するようにしてもよい。例えば、携帯電話機CPは、電源オン時に近距離通信を開始して不特定の携帯電子機器からの応答を受け付け、交信成立に応じてその携帯電子機器との間で機器識別情報(機器ID)を送受信するようにしてもよい。
【0066】
また、上述した各実施形態においては、携帯端末装置として携帯電話機CPを示したが、近距離通信機能を備えたPDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、ゲーム機器、それらの複合機などであってもよい。
また、上述した実施形態においては、外部機器として腕時計WTを示したが、電子装身具、ハンドセット、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、ゲーム機器、それらの複合機などであってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1、21 制御部
3、23 記憶部
4、24 操作部
7、25 表示部
8、26 時計部
9、27 報知部
10、28 近距離無線部
11、29 振動検出部
CP 携帯電話機
TT 時間帯テーブル
WT 腕時計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離通信が可能な携帯電子機器であって、
当該携帯電子機器の移動に応じて加わる振動状態を検出する振動検出手段と、
他の携帯電子機器の移動に応じて加わる振動状態を前記近距離通信を介して当該他の携帯電子機器から取得する取得手段と、
前記振動検出手段によって検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得手段によって取得された他の携帯電子機器の振動状態とを比較することによって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一か否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に所定の処理を実行させる制御手段と、
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記判別手段は、前記振動検出手段によって検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得手段によって取得された他の携帯電子機器の振動状態との比較を所定の時間帯内で行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記判別手段は、前記振動検出手段によって検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得手段によって取得された他の携帯電子機器の振動状態との比較を一定のタイミング毎に行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記判別手段は、少なくとも当該携帯電子機器、他の携帯電子機器のいずれか一方に加わる振動状態に基づいてその携帯電子機器が移動を開始したか否かを判別し、移動を開始したと判別した際に、前記振動検出手段によって検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得手段によって取得された他の携帯電子機器の振動状態との比較を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項5】
報知情報を出力する報知出力手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、前記報知出力手段を動作させて前記報知情報を出力させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、前記他の携帯電子機器に報知情報を出力すべきことを前記近距離通信を介して指示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項7】
当該携帯電子機器の少なくとも一部の機能を制限する制限手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、前記制限手段を動作させて、当該携帯電子機器の少なくとも一部の機能を制限する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、当該携帯電子機器に少なくとも一部の機能を制限すべきことを前記近距離通信を介して指示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項9】
少なくとも当該携帯電子機器の一部の機能を制限する制限手段を更に備え、
前記制御手段は、前記判別手段によって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に、前記制限手段を動作させて、当該携帯電子機器の少なくとも一部の機能を制限すると共に、前記他の携帯電子機器に少なくとも一部の機能を制限すべきことを前記近距離通信を介して指示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項10】
ユーザ認証を行うユーザ認証手段を更に備え、
前記制御手段は、当該携帯電子機器の機能の使用が制限されている状態において、前記ユーザ認証手段によって正当なユーザであると認証された際に、前記制限を解除する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電子機器。
【請求項11】
コンピュータに対して、
近距離通信を行う機能と、
当該携帯電子機器の移動に応じて加わる振動状態を検出する機能と、
他の携帯電子機器の移動に応じて加わる振動状態を前記近距離通信を介して当該他の携帯電子機器から取得する機能と、
前記検出された当該携帯電子機器の振動状態と前記取得された他の携帯電子機器の振動状態とを比較することによって各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一か否かを判別する機能と、
前記各携帯電子機器の移動状況が特徴的に同一ではないと判別された場合に所定の処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−213152(P2010−213152A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59177(P2009−59177)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】